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JP3764170B2 - チーズを作るための方法 - Google Patents
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JP3764170B2 - チーズを作るための方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【技術分野】
本発明は、トランスグルタミナーゼを用いることによって改良された収率でチーズを作るための方法、及び更に該方法によって作られたチーズ製品に関する。
本発明は、チーズ製造工程の間にチーズ材料中のタンパク質を維持するためのトランスグルタミナーゼの作用にも関する。
【0002】
【背景技術】
ヒトに消化できない草及び他の植物材料をミルク又は食肉のような価値ある栄養物に転化する反すう動物の能力は、数千年間、世界中の極めて多くの人に全ての生存のために本質的である。
ヒトは、長年にわたってミルクからバター及びチーズを作ってきた。当初は、チーズ作りは、夏に過剰なミルクを保存するための方法として機能した。
100年超も前に始められたチーズの工業生産は、大量のミルクを扱う能力から、十分な技術段階に達し、レンネットは市販されるようになった。
【0003】
チーズ製造の一般的原理
チーズの生産において、チーズ物質、例えばホエーからのカゼインを分離することができるようにチーズミルクを凝固させることが必要である。そのミルクは、酸処理又は酵素カード化のいずれかによって凝固することができる。両方の場合、カゼインは不溶性にされ、凝集性の物質の形成を導く。しかしながら、2つの凝集性の凝固した物質(即ちチーズ材料)は異なる。酸を用いる場合に形成された凝固物と比較して、レンネット(キモシンとも呼ばれるレンニンの調製物)のようなミルク凝固酵素を用いる場合、その凝固物はより堅く引き締まり、弾力性のあるのものになる。
【0004】
ウシの第4胃から単離することができるキモシンを含む産物に、長年にわたり、この目的のために用いられてきた。ウシの胃の不足により、ここ数十年、ウシヘプシン、ブタヘプシン及び微生物の酵素のような他のミルク凝固酵素が導入されるに至った。これら全ての酵素は、残基105フェニルアラニンと残基106メチオニンとの間のペプチド結合又はκ−カゼイン中のそれに隣接した結合に対して特異性を有することを特徴とする。これは、チーズ製造においてこれらの酵素を用いることにより、κ−カゼインが、パラ−カッパ−カゼインと負電荷を有するグリコマクロペプチド(GMP)と呼ばれるマクロペプチド成分との間の連結点で裂ける。これがおこると、マクロペプチドがホエー内に拡散し、その安定化効果が喪失し、そして十分な量のカッパ−カゼインが加水分解された後、タンパク質ミセルが凝集し始め得る。
【0005】
このマクロペプチドのホエー内への拡散は、極めて多くのミルク乾燥物がホエー内に喪失されることを意味する。ホエーは、典型的には、0.85%のタンパク質、0.36%の脂肪及び5.14%の糖からなる(VSPA Table of Standard Reference. US Government Printing Of fice, 1986)。ミルクの酵素による凝固についての更なる詳細について、例えばD. G. Dalgleish(Advanced Dairy Chemistry, Vol 1, ed by P. F. Fox Elsevier, Londen 1992)を参照のこと。
【0006】
酵素及びチーズ製造
酵素は、チーズの製造において、及びチーズの味、生地、口当り等に重要な役割を果たす。
例えば所定の生地を得るために、特定の酵素が添加される。ミルクの生材料中に存在する他の酵素は、例えば不要な味を避けるために不活性化される。
例えば、上述のミルク凝固酵素(例えばレンネット)は、チーズ材料の凝固を確実にするために、チーズ製造工程の特定の時点で添加される。このような酵素は、ミルク材料を凝固させる以外に、更に限られた量のミルクタンパク質を分解するプロテアーゼである。これは生地及び味のために重要である。
【0007】
ミルク中に存在するリパーゼは、あらい(harsh)味を供するであろう乳脂肪トリグリセリドからの短鎖脂肪酸の遊離を引きおこすであろう。これは、チーズミルクを熱処理する(即ち、通常低温殺菌(pasteurization))により避けることができる。しかしながら、Danablue及びBoerenkaasのようなチーズのタイプのためには、あらい味が要求される。
グルコシダーゼであるリゾチームは、防腐剤としてチーズに添加することができることが知られている。リゾチームは特定のムコポリサッカリド及びムコペプチドを加水分解し、クロストリジウム種(Glostridium sp.)属のバクテリア細胞壁のようなバクテリアの細胞壁の溶解を引きおこす。
【0008】
トランスグルタミナーゼも、ミルク及びチーズのようなミルク様製品を製造するために用いられることが知られている。トランスグルタミナーゼの正確な作用は完全に理解されていないが、トランスグルタミナーゼがミルク又はミルク様製品中のタンパク質を架橋し、それにより格子又はネットワークが形成されると信じられている。これは、有利であり得る上記製品の水性相のゲル化を引きおこす。
【0009】
WO94/21130(Novo Nordisk A/S)は、ミルクベース上の非酸性化食用ゲルを製造するための方法であって、トランスグルタミナーゼ及びレンネットのミルクへの添加、次の熱処理を含む方法を開示する。従って、ムース、チーズ又はプティングとして用いることができる機能的及び/又は感覚刺激的に満足いく食用ゲルが得られる。
WO94/21129(Novo Nordisk A/S)から、トランスグルタミナーゼの、ミルク又はチーズのようなミルク様製造への添加が、気持のよいコンシステンシー及び口当りを有する製品を導き、満足いく感覚刺激特性を示す。更にこの製品は、乳化剤及び安定剤を添加することなく作ることができる。
【0010】
WO93/22930(Novo Nordisk A/S)は、液体含有ミルクタンパク質にトランスグルタミナーゼを加えることにより、ミルク様製品を生産するための方法を記載する。その液体は、必要に応じてトランスグルタミナーゼにより触媒される反応に十分な量のCa++を含み、そしてその液体のpHは、必要に応じて5.5〜7.5の値に調節される。従って、物理的により安定であるミルク様製品が得られる。
JP−A−5959151から、ゲル形態における改質ミルク製品は、トランスグルタミナーゼのミルクへの添加によって得ることができることを明らかにする。
【0011】
JP−A−2276541から、繊維状の組織含有タンパク質食品は、カゼイン溶液、トランスグルタミナーゼ及びミルク凝固酵素に基づいて得ることができることを明らかにする。
JP−A−6030770は、ホヤ(Halocynthia roretzi)から単離された新規トランスグルタミナーゼの作用による、10重量%又はそれ超のタンパク質を含む溶液又はスラリー中のタンパク質のゲル化のための方法に関する。前記トランスグルタミナーゼが、チーズのようなゲル化食品のために用いることができることも言及される。
【0012】
先行技術に対するコメント
チーズを作るための慣用的な方法において、タンパク質はチーズ製品において価値ある構成物であるので、かなりの量のタンパク質がホエー内に喪失されることが欠点である。前記文献に記載される調製方法の目的はミルク又はミルク様製品を安定化し、乳化して、物理的に改質された製品を作ることであるので、この問題を解決する上述の先行技術文献はない。チーズを製造するためのこれらの開示された技術の1つを用いる場合、ホエーがチーズ材料から分離される時にかなりの量のタンパク質がそのホエー内に失われよう。
それゆえ、チーズを作る時にそのチーズ材料中のホエー内に失われる上述のタンパク質の少くともいくらかを維持することができることが要求されよう。
【0013】
【発明の開示】
発明の概要
本発明の目的は、チーズを作るための改良された方法を供することにより、上述の問題を克服することである。
本発明者らは、驚くことに、チーズ製造工程の間にチーズ材料中の蛋白質を維持することができる酵素でプレ処理されているチーズミルクからチーズを作ることが可能であることを見い出した。この工程を用いて、チーズは、増加した収率で生産することができることが見い出された。
【0014】
従って、本発明の第1の態様は、チーズを作るための方法であって、
a)チーズミルクにトランスグルタミナーゼを加え、この混合物を適切な期間、インキュベートし、
b)その生成物を、凝塊を生じ、凝固物が形成されるように、レンネットと共にインキュベートし、
c)前記凝固物からホエーを分離し、そして
d)前記凝固物をチーズに処理する、
ことを含む方法に関する。
【0015】
本発明の他の態様は、本発明の方法によって製造されたチーズ製品に関する。
最後に、本発明は、チーズ製造工程の間にチーズ材料中のタンパク質を維持するためのトランスグルタミナーゼの使用にも関する。
【0016】
【発明を実施するための最良の形態】
発明の詳細な記載
上述のように、慣用的なチーズ製造工程を用いてチーズを製造する場合にはかなりの量のタンパク質がホエー内に失われる。
本発明者らは、驚くことに、この損失が、
−トランスグルタミナーゼで、チーズの製造に用いられるタンパク質を含む原料をプレ処理し、そして
−そのプレ処理した原料でそれ自体周知であるチーズ製造工程を行う、
ことによって削減され得ることを見出した。
【0017】
“チーズ材料”は、本発明のチーズ製造工程にかけられた後、チーズ生成物を構成する物質である。
これにより、本発明によれば、チーズの製造に用いられるべき原料の特性及び組成に対する特定の制限はなく、従って、(本プレ処理ステップ以外は)チーズ製造の慣用的方法を行うことができる。
【0018】
従って、本発明の第1の態様は、チーズを作るための方法であって、
a)チーズミルクにトランスグルタミナーゼを加え、この混合物を適当な期間、インキュベートし、
b)その結果生じた生成物を、凝塊形成及び凝固物の形成を引きおこすように、レンネットと共にインキュベートし、
c)前記凝固物からホエーを分離し、そして
d)前記凝固物をチーズに処理する、
ことを含む方法を提供することである。
【0019】
トランスグルタミナーゼは、チーズミルクがこの酵素でされていない対応する方法、と比べて、ステップb)におけるレンネットとのインキュベーションの後、及び更にステップc)における凝固物からのホエーの分離の後、凝固したチーズ材料中に残ったタンパク質の量を増加させることができるタンパク質維持性酵素である。
チーズ製造工程の間にチーズミルク中のタンパク質の量の増加を維持する能力は、以下の材料及び方法のセクションに記載されるようにアッセイすることができる。
“チーズミルク”は、チーズ製造のために用いられるミルク材料のために用いられる用語である。
【0020】
チーズミルクは、本発明により、ウシ、ヒツジ、ヤギ、スイギュウ又はラクダのような反芻動物が源である。本発明による原料として用いられるチーズミルクは、全乳、再構成乳、濃縮全乳、低脂肪乳、クリーム又は0%〜50%の脂肪分を有する乳製品であり得る。一般に、チーズミルクは、1重量%〜6重量%のタンパク質を含む。
チーズミルクの選択は、通常、製造されるチーズの型に依存するだろう。ほとんどのチーズの型が、本発明の方法により有利に調製することができる。
【0021】
必要に応じて、チーズミルクは低温殺菌されなくてもよい。しかしながら、ほとんどの場合、チーズミルクはミルクの質を改良するために低温殺菌される。リパーゼの存在はあらい味を有するチーズ製品を生ずるから、低温殺菌は、ミルク内に存在するリパーゼを不活性化する点でしばしば有利である。更に、低温殺菌は、例えばチーズに不愉快な味を加え、そして気体の統制されない発生を導き得る大腸菌群を殺す。
本発明によれば、タンパク質維持性酵素での処理は、特に、慣用的なチーズ製造手順の前に前記酵素を原材料に加え、そしてその酵素を原材料(即ちチーズミルク)中のタンパク質と反応させることに関する。
【0022】
上述のように、本発明のタンパク質維持性酵素はトランスグルタミナーゼである。
本発明により用いられる“トランスグルタミナーゼ”は、いずれかのトランスグルタミナーゼであり得、カルシウム依存性及びカルシウム独立性トランスグルタミナーゼの両方又はトランスグルタミナーゼの混合物を含む。トランスグルタミナーゼは、タンパク質−グルタミンγ−グルタミルトランスフェラーゼであり、Enzyme Nomenclature(Academic Press, Inc., 1992)に従い番号E.C.2.3.2.13を有する酵素として分類されている。
【0023】
トランスグルタミナーゼは、ペプチド結合したグルタミン残基のγ−カルボキシアミド基がアシルドナーであるアシル転移反応を触媒することができる酵素である。種々の化合物の第1アミノ基が、後のペプチド結合したグルタミン酸の一置換γ−アミドの形成でのアシルアクセプターとして機能し得る。ペプチド鎖におけるリシン残基のε−アミノ基がアシルアクセプターとして機能する場合、トランスグルタミナーゼは、分子内又は分子間γ−グルタミル−ε−リシル架橋を形成する。
【0024】
チーズ製造工程におけるトランスグルタミナーゼのタンパク質維持機能は完全に理解されていないが、ミルクタンパク質分子間のネットワークの形成の結果であると信じられる。
広範囲のトランスグルタミナーゼが同定され、いくつかの動物及び少数の植物種から単離されている。その最も広範囲に用いられる動物由来のトランスグルタミナーゼ、第XIIIa因子は、マルチサブユニット酵素である。
【0025】
トランスグルタミナーゼは、本発明によれば、例えばヒトもしくはウシ源のような哺乳動物源、ホヤ(Halocynthia roretzi)由来のもののような海洋生物源、バクテリアのような微生物源、糸状菌のようなイースト源、又はそれらの変異体のものであり得る。
本発明の一実施形態において、トランスグルタミナーゼはヒト源の第XIIIa因子である。
他の実施形態において、トランスグルタミナーゼはストレプトマイセス・リジクス(Streptomyces lydicus)(以前のストレプトマイセス・リバニ(Streptomyces libani)、又はその変異体由来の微生物のトランスグルタミナーゼである。該微生物のトランスグルタミナーゼは、Novo Nordisk A/Sから利用できる。
【0026】
例の適切な微生物のトランスグルタミナーゼ、例えばフィサルム・ポリセファルム(Physarum polycephalum)(Kleinら、Journal of Bacteriology, Vol. 174、ページ2599〜2605)からのトランスグルタミナーゼ、並びにストレプトベルチシリウム・モバラエンセ(Streptoverticillium mobaraense)、ストレプトベルチシリウム・シンナモネウム(Streptoverticillium cinnamoneum)、及びストレプトベルチシウム・グリセオカルネウム(Streptoverticillium griseocarneum)(Motokiら、米国特許第5,156,956号)、及びストレプトマイセス・ラベンデュラエ(Streptomyces lavendulae)(Andouら、米国特許第5,252,469号)からのトランスグルタミナーゼが記載されている。
【0027】
更に、引用により本明細書に組み込まれるEP 481 504-A1(Amano Pharmaceutical CO, LTD)及びWO96/06931(Novo Nordisk A/S)に記載されるトランスグルタミナーゼが考慮される。
また、真菌様生物卵菌類の綱から、好ましくはフィトフトーラ(Phytophthora)属からのトランスグルタミナーゼが考慮される。他の関連する卵菌類のトランスグルタミナーゼは、引用により本明細書に組み込まれるPCT/DK96/00031(Novo Nordisk A/S)に記載される。
【0028】
添加されるトランスグルタミナーゼの量は、チーズ生成物にタンパク質維持効果を供する量である。それは通常、基質タンパク質のグラム当り0.1〜10mgの活性酵素タンパク質、好ましくは基質タンパク質のグラム当り1〜6mgの活性酵素タンパク質である。
チーズミルクは、一般に、1%〜6%のタンパク質のタンパク質成分を有するので、添加されるべきトランスグルタミナーゼの量は、チーズミルク1リッター当り約0.1g〜チーズミルク1リッター当り60g、好ましくはチーズミルク1リッター当り1g〜チーズミルク1リッター当り36gの範囲である。
【0029】
言うまでもないが、トランスグルタミナーゼがカルシウム依存性であるなら、Ca++の濃度は、Ca++がトランスグルタミナーゼとレンネットとの両方を活性化することができるような値であると考えられる。
(ステップa)で添加される)タンパク質維持性酵素の酵素の効果を示すために、原材料は“適切な期間”、酵素と共にインキュベートされる。適切な期間は、4分〜4時間の間の範囲内にある。
【0030】
タンパク質維持性酵素がトランスグルタミナーゼである特定の場合において、原材料は、5〜8のpH、好ましくは6〜7の間のpH値、5〜60℃、好ましくは約40〜55℃の範囲の温度であるトランスグルタミナーゼのために最適である条件下で、10分〜4時間の間、好ましくは10分〜3時間の間、特に10分〜2時間の間、維持される。この様式において、酵素反応は、所定のタンパク質維持効果を達成するのに十分に行われ得る。
【0031】
トランスグルタミナーゼでのプレ処理の後、本トランスグルタミナーゼは、その生成物に有害でないいずれかの慣用的方法により、例えばトランスグルタミナーゼを不活性化するのに十分な時間、約80℃まで原材料を加熱することにより不活性化され得る。トランスグルタミナーゼの最後の不活性化の後、その原材料は、チーズを作るための慣用的材料により、先に記載されるように処理される。
【0032】
ステップa)での酵素処理を行う前に、ミルクは、エバポレーション又はスプレー乾燥のような種々の方法で濃縮することができるが、好ましくは、メンブランろ過、即ち限外ろ過により濃縮される。この限外ろ過は、必要に応じて500ダルトンまでの分子量の分子が膜を通過することができる限外ろ過の前又は後の透析ろ過(diatiltration)を伴う、20,000ダルトンまでの分子量の分子が膜を通過することができるものである。限外ろ過過程のより詳細な記載については、例えば、Quistら(Beretning fra Statens Mejeriforsog, 1986)(Danish Government's Dairy Test Institutionからのレポート)を参照のこと。
【0033】
開始培養物は、凝固誘導酵素の添加(ステップb))の前又はそれと同時にチーズミルクに添加することができる。その開始培養物は、慣用的なチーズ製造における乳酸バクテリアの培養物である。その培養物は、チーズミルク中に存在するラクトースを発酵させるため、及び凝塊化したカゼインをより小さいペプチド及び遊離アミノ酸に更に分解するために添加される。これは、プロテアーゼ及びペプチダーゼの開始培養物の生産の結果である。その開始培養物は、本目的のために慣用されている量、即ち典型的にはチーズミルクのg当り約1×104〜1×105のバクテリアの量で添加することができ、凍結乾燥、凍結又は液体培養物の形態で添加することができる。本発明の方法に用いられるミルクが濃縮ミルクである場合、絶対に必要ではないが、その開始培養バクテリアがろ過の間に保持されるであろうように、ミルクを濃縮した後に開始培養物を加えることが好ましい。
【0034】
本発明の方法のステップb)において凝塊形成を引きおこす酵素を加えた後に、例えば更なる塩の添加、加圧、及びカードの熟成が、例えばR. Scott(Cheese-making in Practice, 2nd Ed., Elsevier, London, 1986)に記載されるように、チーズを製造する伝統的な方法において行うことができる。
本発明の方法の好ましい実施形態において、レンネットはRennilaseRであり、そしてそのレンネットは、ミルク又はミルク様製品のml当りml活性単位当り1〜30の間のレンネッティング(renneting)単位の量で用いられる。
【0035】
本発明の他の態様は、本発明の方法によって調製されたチーズ製品を提供することである。
本発明の最後の目的は、チーズ製造工程においてチーズミルク中のタンパク質を維持するためのトランスグルタミナーゼの使用に関する。用語“チーズミルク”により包含される原材料は先に定義される。
更に、本発明のこの態様により用いることができるトランスグルタミナーゼは上述される。
本発明の他の特徴は、本発明を詳説する以下の実施例で明らかになるであろう。
【0036】
方法及び材料
酵 素
トランスグルタミナーゼ、第XIIIa因子、精製された酵素生成物のグラム当り8mg酵素タンパク質(Novo Nordisk A/S)
Rennilase(商標)50 L XL(Novo Nordisk DK)酵素活性
Rennilase(商標)は、Novo Nordisk製品シート“Cheese-making with Rennilase(商標)”B 250g−GB 2500 Oct. 1990 PBzにおいてキャラクタライズされ、Novoレンネット単位はIB 67/3−eにおいて定義される。これら両方の出版物は、Novo Nordisk A/S(Novo Alle, DK-2880 Bagsvaerd, Denmark)から要求に応じて利用できる。
【0037】
ミルク
低温殺菌スキムミルク(Mejeriet Enigheden, Lygten, Copenhagen, Denmark)
【0038】
タンパク質維持アッセイ
チーズ製造の間のチーズミルク中のタンパク質の増加量を維持する酵素の能力は、
a)スキムミルクを適切な量の問題の酵素で処理し、
b)固定した時間(例えば45分)、インキュベートし、
c)レンネットを加え、
d)チーズミルクを凝固させ、
e)その形成された凝固物を切断してろ過し、
f)その凝固物からホエーを分離し
g)その分離したホエーを収集し、そして
h)そのホエー中のタンパク質成分を測定する、
ことによってアッセイすることができる。
【0039】
ステップa)〜h)は、ステップa)において酵素を加えることを除いてくり返される。
次に、“蛋白質維持性酵素”の能力は、酵素を用いるテスト及び“ブラインドテストで、ホエー中のタンパク質成分を比較することによって、確認し、又は否定することができる。
【0040】
【実施例】
実施例1
低温殺菌したスキムミルクを32℃で熱処理し、各々150mlずつビーカーに分注する。
100gのミルクタンパク質当り0.4gのトランスグルタミナーゼ酵素タンパク質を加え、リッター当り0g又は0.1gのいずれかのCaCl2を加える。45分のインキュベーションの後、スキムミルク1リッター当り0.1gの量でレンネットRennilase(商標)50 L XLを加える。
【0041】
凝塊形成した後、その凝固物を切断し、そのホエーを収集してWhatman CF/Cを通してろ過した。そのホエー中のタンパク質の含有量を、Kjeldahl N* 6.28として測定した。
“ブラインドテスト”(即ちトランスグルタミナーゼ処理のないもの)と比較したテストの結果を、以下の表に示す。
【0042】
【表1】
Figure 0003764170
【0043】
表から見ることができるように、トランスグルタミナーゼを用いることにより、大量のタンパク質がチーズ材料中に維持されている。
当業者に明らかなように、先の開示の範囲において、本発明の要旨及び範囲を離れることなく本発明の実施において多くの変更及び改良が可能である。従って、本発明の範囲は、添付の請求の範囲により規定される対象に従って解釈されるべきである。

Claims (5)

  1. チーズを製造するための方法であって、
    a)チーズミルクをトランスグルタミナーゼと反応させ、
    b)工程a)から生じた生成物をミルク凝固酵素と反応させ、
    c)その凝固物からホエーを分離し、そして
    d)前記凝固物をチーズに加工する、
    ことを含んで成る方法において、前記トランスグルタミナーゼが、ストレプトマイセス・リジクス(Streptomyces lydicus)由来であることを特徴とする方法。
  2. 前記添加されるトランスグルタミナーゼの量が、基質タンパク質1グラム当り0.1〜10mgの範囲にある、請求項1に記載の方法。
  3. 前記工程a)の反応が、10分〜4時間の間に起こる、請求項1又は2に記載の方法。
  4. 前記工程a)反応が、5〜8のpHで行われる、請求項1〜のいずれか1項に記載の方法。
  5. 前記工程a)における反応が、5〜60℃の温度において行われる、請求項1〜4のいずれか1項に記載の方法。
JP50472697A 1995-06-30 1996-06-25 チーズを作るための方法 Expired - Lifetime JP3764170B2 (ja)

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DK0764/95 1995-06-30
PCT/DK1996/000279 WO1997001961A1 (en) 1995-06-30 1996-06-25 A process for making cheese

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JPH11508448A JPH11508448A (ja) 1999-07-27
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