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JP3764569B2 - 医療用チューブ - Google Patents
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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、血管用カテーテルや超音波カテーテル、内視鏡等に用いられる医療用チューブに関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、医療用チューブの高機能化が著しい。高機能化されている医療用チューブは、例えば、血管の狭窄部を拡張する経皮的血管形成術に用いられる血管拡張用バルーンカテーテル、脳血管内に見られる動脈瘤や動静脈奇形腫瘍等に対して塞栓物質やコイルを注入する脳血管用カテーテル、超音波診断装置を用いて血管内の精密な観察や診断が行える超音波カテーテル、画像診断装置を用いて血管内、胆管、膵管等の精密な観察や診断が行える内視鏡等などに利用されている。
【0003】
このような高機能医療用チューブには、細く複雑な血管内を迅速かつ確実な選択性をもって挿入できる操作性及び耐久性が要求される。具体的には、血管内を挿通させるため術者がカテーテルを押し込みやすいこと(プッシャビリティ)、複雑に蛇行した血管内をあらかじめ挿入されたガイドワイヤーに沿って円滑且つ血管内壁を損傷することなく進むこと(トラッカビリティ)、カテーテルチューブ基端部にて伝えられた回転力が先端部に確実に伝達されること(トルク伝達性)、術前の取り扱い時やカテーテルの押し込み時、さらには、ガイドワイヤー抜去後にキンクしにくいこと(耐キンク性)、さらに、患者の肉体的及び精神的負担を軽減させる目的で、カテーテルを目的部位までガイドするガイディングカテーテルのサイズを細くするためや、血管壁との摩擦抵抗を低減させるため、チューブ外径がなるべく細いこと(ロープロファイル性)、さらに、ガイドワイヤーの操作性を良好にするためチューブ内腔が十分に確保されていること(薄肉性)、先端部が血管壁などに損傷を与えることが少ないこと(先端柔軟性)等が要求される。
【0004】
さらに超音波カテーテルでは、チューブ内腔の中心軸で周方向に回転する超音波振動子の固定された筐体がチューブ内壁に接触し、回転ムラが生じたり、チューブが損傷したりすることを防止するため、超音波振動子が回転する数ミリ部分はチューブを硬くすることが要求される。
【0005】
このように高機能医療用チューブには、細さ、トルク伝達性に加えて、硬さと柔らかさ、薄さと折れにくさという相反した特性が要求され、また、超音波カテーテル用には、チューブを部分的に硬くすることも要求される。これらの要求特性を満足するカテーテルチューブを製造するため、従来、様々な技術開発がなされている。カテーテルチューブそのものの製造方法としては、押出成形機により成形する方法が一般的である。成形したカテーテルチューブにこのような特性を付与させる方法としては、チューブ押出成形時に付与させる方法、成形したチューブを加工して付与させる方法、成形したチューブの物理的性質を部分的に改質して付与させる方法、成形したチューブに別の材料を組み合わせて付与させる方法、またはこれらを複合して付与させる方法がある。
【0006】
例えば、特開平7−232368号公報に開示されるものがある。これに開示されている装置は、2つの押出装置を備え、異なる成分の材料流が管状成形体の周方向に分配されるように複数の分岐ラインを備えている。異なる材料は、押出成型物の壁部に交互帯状の形で組み合わされ、分岐ラインを通じて搬送されてくる材料流は、成形ノズルの中で一緒に流れる。成形ノズルは、回転部分を備えており、周方向に回転でき、螺旋パターンで延在する材料体を形成できるとあり、それにより形成される医療用チューブが開示されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
上記公報に開示の医療用チューブは、2種類の異なる材料により帯状かつスパイラル状となったものが示されているが、先端より基端まで、2種類の樹脂が用いられているため、医療用チューブとして、先端部と基端部での物性の変化が少なく、上述したような医療用チューブとしての複数の要求、特に、プッシャビリティ、トラッカビリティ、トルク伝達性、耐キンク性とともに、先端柔軟性を付与することが困難であった。
【0008】
本発明の第1の目的は、プッシャビリティ、トラッカビリティ、トルク伝達性、耐キンク性とともに、先端柔軟性を有する医療用チューブを提供するものである。
本発明の第2の目的は、プッシャビリティ、トラッカビリティ、トルク伝達性、耐キンク性とともに、先端柔軟性を有し、さらに、先端部に補強部を備え、超音波カテーテル用チューブとして有効な医療用チューブを提供するものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記第1の目的を達成するものは、柔軟な第1の樹脂と、該第1の樹脂より剛性の高い第2の樹脂とにより形成された医療用チューブであって、該医療用チューブは、前記第1の樹脂のみにより形成された柔軟な先端側部分と、前記第2の樹脂のみにより形成された剛性の高い基端側部分と、前記先端側部分と前記基端側部分の間に形成された中間部分とを備え、該中間部分は、前記第1の樹脂と前記第2の樹脂が連続的に帯状かつスパイラル状に交互に巻き回された状態となっており、かつ、前記第2の樹脂の帯の幅は、先端側に向かって徐々に狭くなっており、さらに、前記第1の樹脂の幅は、基端側に向かって徐々に狭くなっており、前記中間部分は、100〜500mmの長さを有する医療用チューブである。
【0010】
上記第2の目的を達成するものは、柔軟な第1の樹脂と、該第1の樹脂より剛性の高い第2の樹脂とにより形成された医療用チューブであって、該医療用チューブは、前記第1の樹脂のみにより形成された柔軟先端部と、前記第2の樹脂のみにより形成された剛性の高い基端側部分と、前記柔軟先端部と前記基端側部分の間に形成された中間部分とを備え、該中間部分は、基端側に位置し、前記第1の樹脂と前記第2の樹脂が連続的に帯状かつスパイラル状に交互に巻き回された状態となっており、かつ、前記第2の樹脂の帯の幅は、先端側に向かって徐々に狭くなるように形成され、さらに、前記第1の樹脂の帯の幅は、基端側に向かって徐々に狭くなるように形成された第1のスパイラル部と、該第1のスパイラル部より先端側に位置し、前記第1の樹脂と前記第2の樹脂が連続的に帯状かつスパイラル状に交互に巻き回され、かつ、前記第2の樹脂の帯の幅が、先端側および後端側に向かって徐々に狭くなるように形成された第2のスパイラル部を備え、前記第1のスパイラル部は、100〜300mmの長さを有する医療用チューブである。
【0011】
上記のそれぞれの医療用チューブにおいて、前記第1の樹脂と前記第2の樹脂とは、相溶性が高い樹脂の組み合わせであることが好ましい。また、前記医療用チューブの肉厚は、ほぼ均一であることが好ましい。
【0013】
【発明の実施の形態】
本発明の医療用チューブを図面を用いて説明する。
図1は、本発明の医療用チューブの実施例の正面図である。図2は、図1に示した医療用チューブの中間部の拡大断面図である。図3は、図2のA−A線断面図、図4は、図2のB−B線断面図、図5は、図2のC−C線断面図である。
【0014】
医療用チューブ1は、柔軟な第1の樹脂11と、第1の樹脂11より剛性の高い第2の樹脂12とにより形成された医療用チューブである。医療用チューブ1は、第1の樹脂11のみにより形成された柔軟な先端側部分2と、第2の樹脂12のみにより形成された剛性の高い基端側部分3と、先端側部分2と基端側部分3の間に形成された中間部分4とを備え、中間部分4は、第1の樹脂11と第2の樹脂12が連続的に帯状かつスパイラル状に交互に巻き回された状態となっており、かつ、第2の樹脂12の帯の幅は、先端側に向かって徐々に狭くなっている。また、第1の樹脂11の帯の幅は、基端側に向かって徐々に狭くなっている。
この医療用チューブ1は、先端側部分2と、中間部分4と、基端側部分3を備えかつ、全体が高分子材料により一体で連続的に形成されている。
【0015】
医療用チューブ1の全長は、用途によって相違するが、カテーテルに使用する場合には、1000〜1500mm程度が好適であり、内視鏡用に使用する場合には、1000〜2000mm程度が好適である。また、医療用チューブ1の外径も用途によって相違するが、カテーテルに使用する場合には、0.7〜2.0mm程度が好適であり、内視鏡用に使用する場合には、1.0〜3.0mm程度が好適である。医療用チューブ1の肉厚は、カテーテルに使用する場合には、0.05〜0.3mm程度が好適であり、内視鏡用に使用する場合には、0.02〜0.1mm程度が好適である。
【0016】
先端側部分2は、柔軟な第1の樹脂11のみにより形成されている。
第1の樹脂11としては、熱可塑性樹脂が望ましく、ポリエチレンエラストマー、ポリプロピレンエラストマー、ポリブテンエラストマー、エチレン−酢酸ビニル共重合体などのポリオレフィン系エラストマー、軟質ポリ塩化ビニル、軟質フッ素系樹脂、軟質メタクリル樹脂、軟質ポリフェニレンオキサイド、ポリウレタン系エラストマー、ポリエステル系エラストマー、ポリアミド系エラストマー、スチレン系エラストマーなどの熱可塑性エラストマー系の材料が使用できる。またこれらの樹脂をベースとしたポリマーアロイあるいはポリマーブレンドを用いてもよい。
【0017】
なお、先端側部分2の長さは、用途によって相違するが、カテーテルに使用する場合には、100〜300mm程度が好適であり、内視鏡用に使用する場合には、100〜500mm程度が好適である。
【0018】
また、医療用チューブ1の基端側部分3は、第1の樹脂11より剛性が高い第2の樹脂12のみにより、形成されている。
第2の樹脂12としては、熱可塑性樹脂が望ましく、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン、エチレン−酢酸ビニル共重合体などのオレフィン系樹脂もしくはそれらのポリオレフィン系エラストマー、フッ素系樹脂もしくは軟質フッ素樹脂、メタクリル樹脂、ポリフェニレンオキサイド、変性ポリフェニレンエーテル、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリウレタン系エラストマー、ポリエステル系エラストマー、ポリアミドもしくはポリアミド系エラストマー、ポリカーボネート、ポリアセタール、スチレン系樹脂もしくはスチレン系エラストマー、熱可塑性ポリイミドなどが使用できる。またこれらの樹脂をベースとしたポリマーアロイあるいはポリマーブレンドを用いることも可能である。
【0019】
また、第1の樹脂11と第2の樹脂12は、共押出成形性の点から上記の樹脂のうち両者の相溶性の良い材料を選択することが必要である。相溶性が良いとは、熱力学的な相互溶解性が良好であることを示すものであり、言い換えれば、硬化後両者間において分離しないことを示すものである。具体的には、第1の樹脂11と第2の樹脂12は、系統が同じ樹脂を選択することが望ましい。例えば、柔軟な第1の樹脂11としてポリエーテルポリアミドブロック共重合体を、剛性の高い第2の樹脂12としてはナイロン12を選択し、両者をポリアミド系樹脂とすること、また、柔軟な第1の樹脂11としてポリオレフィン系エラストマー(例えば、ポリエチレンエラストマー)を、剛性の高い第2の樹脂12としてポリエチレンもしくは第1の樹脂11より硬いポリオレフィン系エラストマー(例えば、ポリエチレンエラストマー)を選択し、両者をポリオレフィン系樹脂とすること、また、柔軟な第1の樹脂11としてポリエステル系エラストマー(例えば、ポリエステルエラストマー)を、剛性の高い第2の樹脂12としてポリエチレンテレフタレートもしくは第1の樹脂11より硬いポリエステル系エラストマー(例えば、ポリエステルエラストマー)を選択し、両者をポリエステル系樹脂とすること、柔軟な第1の樹脂11として高可塑化塩化ビニル樹脂を、剛性の高い第2の樹脂12として低可塑化塩化ビニル樹脂を選択し、両者を塩化ビニル系樹脂とすることなどが考えられる。
【0020】
なお、医療用チューブ1の基端側部分3の長さは、用途によって相違するが、カテーテルに使用する場合には、700〜1300mm程度が好適であり、内視鏡用に使用する場合には、700〜1500mm程度が好適である。
【0021】
そして、医療用チューブ1の中間部分4は、図1および図2に示すように、第1の樹脂11と第2の樹脂12が連続的に帯状かつスパイラル状に交互に巻き回された状態となっており、かつ、第2の樹脂12の帯の幅は、先端側に向かって徐々に狭くなるように形成されている。このため、中間部分4において、医療用チューブ1は、基端側から先端側に向かって、徐々に柔らかくなっている。このため、物性の急激な変化点がないため、キンクが生じにくく、チューブは良好に湾曲する。
【0022】
また、スパイラル状となっている中間部分4の長さは、医療用チューブ1の長さ、用途によっても相違するが、カテーテルに使用する場合には、100〜500mm程度が好適であり、内視鏡用に使用する場合には、100〜700mm程度が好適である。また、スパイラル部における第2の樹脂の最大幅は、医療用チューブ1の長さ、用途によっても相違するが、カテーテルに使用する場合には、5〜20mm程度が好適であり、内視鏡用に使用する場合には、5〜30mm程度が好適である。
【0023】
また、第2の樹脂12の幅は、各ピッチ毎に先端側に向かって等差数列的に狭くなることが好ましいが、等比数列的に狭くなるものでもよい。等差数列的に狭くなる場合には第nピッチ目の第2の樹脂12の幅L2は、下記(1)式のように書ける。
【0024】
2=a−(n−1)d ‥‥(1)
(a:中間部分4の基端部におけるスパイラル開始時点での第2の樹脂の幅(最大幅)、d:変化量を表す定数・0<d<a/(n−1)、n=自然数)
【0025】
この時、第1の樹脂11と第2の樹脂12の総吐出量は実質的に一定であるため、第nピッチ目の第1の樹脂11の幅L1は、(2)式のように書ける。
【0026】
1=nd (d≦L1≦a) ‥‥(2)
【0027】
従って、スパイラル部分(中間部分4)の長さSはL1の総和とL2の総和との和であるため、(3)式のように表すことができる。
【0028】
S=n{a−(n−1)d/2}+n(n+1)d/2=n(a+d)‥‥(3)
【0029】
スパイラル部分(中間部分4)のピッチ数nは(2)式よりn=a/dであるから、(3)式は、(4)式のように書ける。
【0030】
S=a(a+d)/d ‥‥(4)
【0031】
このため、スパイラル部分の長さは第2の樹脂12の幅の変化量dにより異なる。この変化量dは、第2の樹脂12の最大幅aの1/9〜1/4倍であることが好ましい。変化量dがa/9以下であるとスパイラル部分(中間部分4)が過剰に長くなり、a/4以上であると、物性が急激に変化し、好ましくない。
【0032】
この実施例の医療用チューブ1では、第2の樹脂12の幅が、各ピッチ毎に等差数列的に狭くなるように形成されており、中間部分4は第1の樹脂11とそれより剛性の高い第2の樹脂12がスパイラル状に、かつ第1の樹脂11の断面積と第2の樹脂12の断面積との比がほぼ直線的に傾斜するように交互に巻き回されている。このため、図2のA−A線断面図である図3に示すように第2の樹脂12が第1の樹脂11より断面積比が大きい状態より、図2のB−B線断面図である図4に示すように、第2の樹脂12が第1の樹脂11より断面積比が小さい状態に移行し、さらには、図2のC−C線断面図である図5に示すように、第2の樹脂12が第1の樹脂11より断面積比がかなり小さい状態に変化している。なお、第1の樹脂11と第2の樹脂12は、相溶性の高い樹脂の組み合わせとなっているので、両者の境界部分では、第1の樹脂11と第2の樹脂12とはミクロ的に混合され、いわゆるポリマーブレンド状態となっているものと思われる。このため、両者間には厳密な意味での界面がなく、両者の混合物による境界部分が形成されているものと考える。
【0033】
次に、本発明の他の実施例の医療用チューブについて説明する。
図6は、本発明の医療用チューブの実施例の正面図である。図7は、図6に示した医療用チューブの中間部分の拡大断面図である。
【0034】
この医療用チューブ20は、柔軟な第1の樹脂11と、第1の樹脂11より剛性の高い第2の樹脂12とにより形成された医療用チューブ20である。医療用チューブ20は、第1の樹脂11のみにより形成された柔軟先端部22と、第2の樹脂12のみにより形成された剛性の高い基端側部分23と、柔軟先端部22と基端側部分23の間に形成された中間部分24とを備える。中間部分24は、基端側に位置し、第1の樹脂11と第2の樹脂12が連続的に帯状かつスパイラル状に交互に巻き回された状態となっており、かつ、第2の樹脂12の帯の幅が先端側に向かって徐々に狭くなるように形成された第1のスパイラル部31と、第1のスパイラル部31より先端側に位置し、第1の樹脂11と第2の樹脂12が連続的に帯状かつスパイラル状に交互に巻き回され、かつ、第2の樹脂12の帯の幅が、先端側および後端側に向かって徐々に狭くなるように形成された第2のスパイラル部32を備えている。
【0035】
この医療用チューブ20は、柔軟先端部22と、中間部分24と、基端側部分23とを備えかつ、全体が高分子材料により一体で連続的に形成されている。また、中間部分24は、剛性の傾斜的移行領域を形成する第1のスパイラル部31と、補強部を構成する第2のスパイラル部32とを備え、この実施例の医療用チューブ20では、第1のスパイラル部31と第2のスパイラル部32を部分的に形成する第2の樹脂部分は、細い帯状もしくは線状で連続している。言い換えれば、中間部分24は、第1のスパイラル部31と第2のスパイラル部32とを連結する連結スパイラル部(第3のスパイラル部)33を備えている。なお、このような第3のスパイラル部33を設けることにより、第1のスパイラル部31と第2のスパイラル部32間でのキンクを確実に防止できる。しかし、この第3のスパイラル部33は必ずしも設けなくてもよい。
【0036】
この医療用チューブ20は、超音波カテーテルに好適に使用でき、補強部である第2のスパイラル部32に超音波振動子部分が配置されることにより、補強部が有効に機能する。医療用チューブ20の外径としては、超音波カテーテル用に使用する場合には、0.6〜1.5mm程度が好適である。医療用チューブ20の全長としては、超音波カテーテルに使用する場合には、1000〜1500mm程度が好適である。
医療用チューブ20の肉厚は、超音波カテーテルに使用する場合には、0.02〜0.3mm程度が好適である。
【0037】
柔軟先端部22は、柔軟な第1の樹脂11のみにより形成されている。
第1の樹脂11としては、熱可塑性樹脂が望ましく、ポリエチレンエラストマー、ポリプロピレンエラストマー、ポリブテンエラストマー、エチレン−酢酸ビニル共重合体などのポリオレフィン系エラストマー、軟質ポリ塩化ビニル、軟質フッ素系樹脂、軟質メタクリル樹脂、軟質ポリフェニレンオキサイド、ポリウレタン系エラストマー、ポリエステル系エラストマー、ポリアミド系エラストマー、スチレン系エラストマーなどの熱可塑性エラストマー系の材料が使用できる。またこれらの樹脂をベースとしたポリマーアロイあるいはポリマーブレンドを用いてもよい。
柔軟先端部22の長さとしては、超音波カテーテルに使用する場合には、20〜40mm程度が好適である。
【0038】
また、医療用チューブ20の基端側部分23は、第1の樹脂11より剛性が高い第2の樹脂12のみにより、形成されている。
第2の樹脂12としては、熱可塑性樹脂が望ましく、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン、エチレン−酢酸ビニル共重合体などのオレフィン系樹脂もしくはそれらのポリオレフィン系エラストマー、フッ素系樹脂もしくは軟質フッ素樹脂、メタクリル樹脂、ポリフェニレンオキサイド、変性ポリフェニレンエーテル、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリウレタン系エラストマー、ポリエステル系エラストマー、ポリアミドもしくはポリアミド系エラストマー、ポリカーボネート、ポリアセタール、スチレン系樹脂もしくはスチレン系エラストマー、熱可塑性ポリイミドなどが使用できる。またこれらの樹脂をベースとしたポリマーアロイあるいはポリマーブレンドを用いることも可能である。
【0039】
また、第1の樹脂11と第2の樹脂12は、共押出成形性の点から上記に挙げた樹脂のうち両者の相溶性の良い材料を選択することが必要である。相溶性が良いとは、熱力学的な相互溶解性が良好であることを示すものであり、言い換えれば、硬化後両者間において分離しないことを示すものである。具体的には、第1の樹脂11と第2の樹脂12は、系統が同じ樹脂を選択することが望ましい。例えば、柔軟な第1の樹脂11としてポリエーテルポリアミドブロック共重合体を、剛性の高い第2の樹脂12としてはナイロン12を選択し、両者をポリアミド系樹脂とすること、また、柔軟な第1の樹脂11としてポリオレフィン系エラストマー(例えば、ポリエチレンエラストマー)を剛性の高い第2の樹脂12としてポリエチレンもしくは第1の樹脂11より硬いポリオレフィン系エラストマー(例えば、ポリエチレンエラストマー)を選択し、両者をポリオレフィン系樹脂とすること、また、柔軟な第1の樹脂11としてポリエステル系エラストマー(例えば、ポリエステルエラストマー)を剛性の高い第2の樹脂12としてポリエチレンテレフタレートもしくは第1の樹脂11より硬いポリエステル系エラストマー(例えば、ポリエステルエラストマー)を選択し、両者をポリエステル系樹脂とすること、柔軟な第1の樹脂11として高可塑化塩化ビニル樹脂を剛性の高い第2の樹脂12として低可塑化塩化ビニル樹脂を選択し、両者を塩化ビニル系樹脂とすることなどが考えられる。
基端側部分23の長さとしては、超音波カテーテルに使用する場合には、700〜1300mm程度が好適である。
【0040】
そして、医療用チューブ20の中間部分24には、図6および図7に示すように、第1のスパイラル部31、第2のスパイラル部32、第3のスパイラル部33の3つのスパイラル部が形成されている。
第1のスパイラル部31は、第1の樹脂11と第2の樹脂12が連続的に帯状かつスパイラル状に交互に巻き回された状態となっており、かつ、第2の樹脂12の帯の幅は、先端側に向かって徐々に狭くなるように形成されている。このため、第1のスパイラル部31において、医療用チューブ20は、基端側から先端側に向かって、徐々に柔らかくなっている。このため、物性の急激な変化点がないため、キンクが生じにくく、チューブは良好に湾曲する。
また、この医療用チューブ20の第1のスパイラル部31は、図6および図7に示すように、第2の樹脂12の帯の幅は、先端側に向かって徐々に狭くなるように形成されているとともに、第1の樹脂11の帯の幅は、基端側に向かって徐々に狭くなるように形成されている。
【0041】
また、第2の樹脂12の幅は、各ピッチ毎に先端側に向かって等差数列的に狭くなることが好ましいが、等比数列的に狭くなるものでもよい。等差数列的に狭くなる場合には上述のように、スパイラル部分の幅Sは、下記式で表すことができる。
【0042】
S=a(a+d)/d
(a:第2の樹脂のスパイラル開始時点での最大幅、d:変化量)
【0043】
このとき、変化量dは、第2の樹脂の最大幅aの1/9〜1/4倍であることが好ましい。変化量dがa/9以下であるとスパイラル部分(中間部分24)が過剰に長くなり、a/4以上であると、物性が急激に変化し、好ましくない。
【0044】
また、第1のスパイラル部における第2の樹脂の最大幅は、超音波カテーテルに使用する場合には、5〜20mm程度が好適である。
この実施例の医療用チューブ20では、第2の樹脂12の幅が、各ピッチ毎に等差数列的に狭くなるように形成されており、中間部分24は第1の樹脂11とそれより剛性の高い第2の樹脂12がスパイラル状に、かつ第1の樹脂11の断面積と第2の樹脂12の断面積との比がほぼ直線的に傾斜するように交互に巻き回されている。このため、図3、図4および図5に示したものと同様に、第2の樹脂12が占める断面積が第1の樹脂11が占める断面積より多い(第2の樹脂12の断面積比が大きい)状態より、先端側に向かって第2の樹脂12が占める断面積が第1の樹脂11が占める断面積より小さくなる状態に変化している。なお、第1の樹脂11と第2の樹脂12は、相溶性の高い樹脂の組み合わせとなっているので、両者の境界部分では、第1の樹脂11と第2の樹脂12とはミクロ的には混合され、いわゆるポリマーブレンド状態となっているものと思われる。このため、両者間には厳密な意味での界面がなく、両者の混合物(ポリマーブレンド物)による境界部分が形成されるものと考える。
【0045】
第1のスパイラル部31の長さは、チューブの長さによっても相違するが、超音波カテーテルに使用する場合には、100〜300mm程度が好適である。
【0046】
第2のスパイラル部32は、第1のスパイラル部31より先端側に位置し、第1の樹脂11と第2の樹脂12が連続的に帯状かつスパイラル状に交互に巻き回され、かつ、第2の樹脂12の帯の幅が、先端側および後端側に向かって徐々に狭くなるように形成されている。
【0047】
第1の樹脂11と第2の樹脂12が連続的に帯状かつスパイラル状に交互に巻き回された状態となっている点においては、第1のスパイラル部31と同じであるが、この第2のスパイラル部32では、第2の樹脂12の帯の幅は、基端側が狭く、先端側に向かって急激に幅が広がり、広がった幅が所定距離持続し、さらに、先端側に向かって急激に狭くなり最後は終端している。第1の樹脂11のみにより先端側部分全体を形成し、その部位に超音波振動子やその筐体のような硬質のものを配置すると、硬質部分がチューブ内壁に接触し、回転ムラが生じたり、その付近においてチューブがキンクしたりすることがある。しかし、このような補強部(半硬質部)を形成することにより、このようなことを防止できる。
【0048】
特に、第2のスパイラル部32に上述したように、第2の樹脂12の幅が広がり所定距離その幅が持続する部分(補強部)を形成することにより、補強硬化がより十分なものとなり、さらに、補強部の前後に物性が変化する物性移行領域を形成することにより、補強部前後でのキンクを防止できる。また、第2のスパイラル部の先端側部分および基端側部分(2つの物性移行領域)32の第2の樹脂12の幅は、各ピッチ毎に先端側に向かって等差数列的に狭くなることが好ましいが、等比数列的に狭くなるものでもよい。等差数列的に狭くなる場合には上述のように、スパイラル部分の幅Sは、下記式で表すことができる。
【0049】
S=a(a+d)/d
(a:第2の樹脂のスパイラル開始時点での最大幅、d:変化量)
【0050】
このとき、変化量dは、第2の樹脂の最大幅aの1/9〜1/4倍であることが好ましい。変化量dがa/9以下であるとスパイラル部分(中間部分24)が過剰に長くなり、a/4以上であると、物性が急激に変化し、好ましくない。なお、第1の樹脂11と第2の樹脂12は、相溶性の高い樹脂の組み合わせとなっているので、両者の境界部分では、第1の樹脂11と第2の樹脂12とはミクロ的には混合され、いわゆるポリマーブレンド状態となっているものと思われる。このため、両者間には厳密な意味での界面がなく、両者の混合物(ポリマーブレンド物)による境界部分が形成されるものと考える。
【0051】
第2のスパイラル部32の長さは、チューブの長さによっても相違するが、超音波カテーテルに使用する場合には、30〜100mm程度が好適である。また、第2の樹脂部分の幅がほぼ一定となっている補強部の長さは、2〜10mm程度が好適である。また、補強部の前後に形成される移行領域に長さは、15〜50mm程度が好適である。 また、第2のスパイラル部における第2の樹脂の最大幅は、超音波カテーテルに使用する場合には、1〜5mm程度が好適である。
【0052】
そして、この実施例の医療用チューブ20では、第3のスパイラル部33を備えている。第3のスパイラル部33は、第1のスパイラル部31および第2のスパイラル部32の第2の樹脂部分と連続し、かつ、ほぼ同じ幅若しくは太さの細い帯状もしくは線状でスパイラル状となった第2の樹脂部分を備えている。なお、このような、同じ幅もしくは太さでスパイラル状に連続する第3のスパイラル部33ではなく、第1のスパイラル部31を延長して、第2のスパイラル部32と連続するものとしてもよい。この場合、第2の樹脂部分の帯に幅は、上述した補強部を除き常に変化することになる。
これらのように、第1のスパイラル部31と第2のスパイラル部32を連続するものとすることにより、第1のスパイラル部31と第2のスパイラル部32間でのキンクを確実に防止できる。
【0053】
次に、医療用チューブの製造装置について説明する。図8は、医療用チューブの製造装置の一実施例の概念図である。
この実施例の医療用チューブの製造装置50は、クロスヘッド53と、クロスヘッド53に第1の樹脂11を供給する第1の樹脂押出機51と、クロスヘッド53に第2の樹脂12を供給する第2の樹脂押出機52と、第1の樹脂押出機51および第2の樹脂押出機52の吐出樹脂量を制御する樹脂吐出量制御部54とを備えている。そして、クロスヘッド53は、ダイス65と、ダイス65に第1の樹脂11および第2の樹脂12をストライプ状に供給するためのストライプスペーサ63と、ダイス65もしくはストライプスペーサ63を回転させるための回転機構とを備える。そして、制御部54は、第1の樹脂11と第2の樹脂12の吐出総量を実質的に一定とし、経時的に第1の樹脂11と第2の樹脂12の吐出量比を変化させる樹脂吐出量比制御機能を備えている。
【0054】
この医療用チューブ製造装置50は、第1の樹脂11を供給する第1の樹脂押出機51と、クロスヘッド53に第2の樹脂12を供給する第2の樹脂押出機52を備え、押出機としては、公知のものが使用できる。第1の樹脂11および第2の樹脂12としては、上述したものが使用できる。
【0055】
第1の樹脂11および第2の樹脂12は、第1のアダプター61および第2のアダプター62を通過し、混合されることなく、ダイス65に供給される。なお、アダプター部分にギヤポンプを装備し、正確な寸法制御を行うものとしてもよい。
【0056】
クロスヘッド53に供給された第1の樹脂11および第2の樹脂12は、クロスヘッド53内部のそれぞれ独立した流路を通過した後、ストライプスペーサー63を通過しそれぞれ任意のストライプスロットの形状に変形し、ダイス65およびニップル64で形成される流路にて合流しながらこれを通過し、ダイス65の先端から押し出される。
【0057】
クロスヘッド53の構造は、後方部からチューブの内径を規制するための芯線または圧縮性流体が導入可能となっており、前方部にて押し出された樹脂によりチューブが形成されるようになっている。得られるチューブの形状は、芯線の形状、圧縮性流体の流量、ストライプスロットの形状、ダイス65の形状、ニップル64の形状、樹脂の吐出量、引き取り速度により設定される。なお、芯線に被覆しながら押出成形する方法では、チューブ成形後に芯線を延伸抜去することでチューブが得られる。
【0058】
そして、このクロスヘッド53は、ダイス65の回転機構を備えている。クロスヘッド53が周方向への回転機構を備えることより、クロスヘッド53は無調芯構造であることが望ましい。ダイス65を周方向へ回転させるための回転機構は、ダイス65を固定するダイスホルダー66とダイナット81との間に設けられた摺動用のリング(図示せず)と、ダイスホルダー66とクロスヘッド53との間に設けられた摺動用のリング(図示せず)と、ダイスホルダー66に設けられたベベルギヤ67を備える。ダイスホルダー66は、ダイスホルダー側ベベルギヤ67と噛み合うベベルギヤ68が取り付けられたモーター69が回転することにより、周方向(押出方向と直交する方向)に回転し、ダイスホルダーに固定されているダイスも回転する。なお、ギヤの構造は、ベベルギヤに限定されたものではなく、ウォームギヤ又はその他のギヤを使用してもよい。また、モーターの回転トルクを伝達する方法もギヤ式に限定されたものではなく、ベルト式、ビスカス式又はその他の方法を使用してもよい。
【0059】
ダイスホルダー66の回転速度、樹脂の供給量を制御することにより、第1の樹脂11と第2の樹脂12のスパイラル幅及びスパイラルピッチを任意に設定することが可能である。この実施例の医療用チューブ製造装置50の制御部54は、樹脂吐出量制御機能と、ダイス(ダイスホルダー)の回転速度制御機能の両者を備えている。
【0060】
そして、例示する実施例では、ダイスホルダー66の回転速度を一定とし、第1の樹脂側(チューブの先端側)よりチューブを製作するようになっており、樹脂吐出量制御部は、単位時間当たりの吐出樹脂総量(TV)入力機能と、中間部分形成時間(x:秒)入力、ダイスホルダー回転速度入力ならびにそれらの記憶機能を備える。そして、制御部は、以下に示す(A),(B),(C)式を記憶している。
【0061】
V1は、第1の樹脂11の単位時間当たりの吐出量であり、V2は、第2の樹脂12の単位時間当たりの吐出量である。
【0062】
TV=V1+V2 (A)
V1=TV(1−t/x) (B)
V2=TV・t/x (C)
【0063】
このため、中間部分4の形成が開始されると、時間の経過(tの増加)とともに、第1の樹脂11の吐出量が減少し、第2の樹脂12の吐出量が増加し、形成時間経過(t=x)となると、第1の樹脂11の吐出量が0となり、中間部分4の形成は終了する。
【0064】
なお、第2の樹脂側(チューブの基端側)よりチューブを製作する場合には、式は、V1とV2が入れ替わり、(D),(E),(F)式を記憶することになる。
【0065】
TV=V1+V2 (D)
V2=TV(1−t/x) (E)
V1=TV・t/x (F)
【0066】
このため、中間部分4の形成が開始されると、時間の経過(tの増加)とともに、第2の樹脂12の吐出量が減少し、第1の樹脂11の吐出量が増加し、形成時間経過(t=x)となると、第2の樹脂12の吐出量が0となり、中間部分4の形成は終了する。
このような制御を行うことにより、図1ないし図5に示すような医療用チューブ1を製造することができる。
【0067】
さらに、上記のような樹脂吐出量比の制御とともに、適宜、ダイスホルダー66の回転速度を変化させる回転速度変更制御を行うことにより、図6および図7に示すような医療用チューブ20を製造することができる。
この製造装置50によれば、第1の樹脂11と第2の樹脂12の供給量を同一量にするとスパイラル幅が等しいスパイラルチューブが形成される。また、第1の樹脂11と第2の樹脂12の供給量を固定した状態で引き取り速度を大きくすると、スパイラル幅及びスパイラルピッチがより大きくなり、より細径薄肉のスパイラルチューブが形成される。また、第1の樹脂11の供給量を第2の樹脂12の供給量より多くすると、第1の樹脂11のスパイラル幅が第2の樹脂12のスパイラル幅より大きいスパイラルチューブが形成される。また、第1の樹脂11および第2の樹脂12の供給量および引き取り速度を固定した状態でダイスの回転速度を次第に大きくすると、同一サイズでスパイラル幅及びスパイラルピッチが次第に小さくなるチューブが形成される。
【0068】
なお、上述の実施例では、ダイスホルダー66を回転させているが、これに限らず、ストライプスペーサー63を回転させるように構成してもよく、さらに可能であれば、ニップル64を回転させるように構成してもよい。さらには、これらの回転を複合させてもよい。この場合、回転部と固定部との摺動部の設計が重要となるが、例えば、摺動部に微妙なクリアランスを設けておき樹脂をリークさせながら回転する方法、摺動部にベアリングを装備する方法、摺動部に動摩擦係数の小さい材料を装備する方法等が挙げられる。
【0069】
また、図9に示す医療用チューブの製造装置80のように、クロスヘッド53には、ストライプスロットの断面積を連続的に変化させる2つのフローアジャストゲート71,72を装備させることで、一方の樹脂の供給量を制御するようにしてもよい。
【0070】
フローアジャストゲート71,72を使用し、第1の樹脂11または第2の樹脂12のストライプの断面積を変化させることや、供給を遮断させることが可能である。フローアジャストゲート71,72を使用し、第1の樹脂11または第2の樹脂12の一方を遮断したときには、他方の樹脂しか供給されないため、このフローアジャストゲート71,72の作用により、第1の樹脂11または第2の樹脂12の単層チューブを成形することが可能となる。
【0071】
従って、例えばトラッカビリティを付与させたいときには柔らかい第1の樹脂11の単層チューブを、またプッシャビリティを付与させたいときには硬い第2の樹脂12の単層チューブを形成させることが容易となる。なお、このようなフローアジャストゲート71,72を設けなくても、一方の押出機を停止させることによって、単層チューブを製造することができる。
【0072】
クロスヘッド53にフローアジャストゲート71,72を装備させる方法は特に限定しないが、例えばストライプスペーサー63の外周方向に装備する方法が、クロスヘッド53の構造上望ましい。またフローアジャストゲート71,72の形状は特に限定しないが、例えばストライプスロットを閉じるときには外力で機械的に作動させ、またストライプスロットを開くときには樹脂圧で作動させることが可能となる形状が望ましい。
【0073】
図9に示すように、クロスヘッド53にフローアジャストゲート71,72を作動させる方法及びフローアジャストゲート71,72の形状の一例を示してある。ストライプスロットを閉じるときには、クロスヘッド53の外部に装備されたラックギヤ74,76がモーター77,78に取り付けられたピニオンギヤ73,75の作用で移動することで、ラックギヤ74,76がフローアジャストゲート71,72をクロスヘッド53の中心方向へ押しつける力によりフローアジャストゲート71,72を移動させる。一方、ストライプスロットを開くときには、ラックギヤ74,76を元の位置に戻し、樹脂の流路にかかる圧力のベクトル方向に対してある角度を有した形状のフローアジャストゲート71,72を、クロスヘッド53の外周方向に押し上げることで移動させる。
【0074】
また、ラックギヤ74,76及びピニオンギヤ73,75は、第1の樹脂用と第2の樹脂用に装備させる必要がある。さらに、ストライプスロットを閉じたときに樹脂圧が急上昇することを防ぐため、モーター77,78の回転制御は樹脂の供給機と連動させることが望ましい。また、フローアジャストゲート71,72を作動させる方法はラック&ピニオン式に限定されたものではなく、カム式、油圧式又はその他の方法を使用しても差し支えない。
【0075】
【発明の効果】
本発明の医療用チューブは、柔軟な第1の樹脂と、該第1の樹脂より剛性の高い第2の樹脂とにより形成された医療用チューブであって、該医療用チューブは、前記第1の樹脂のみにより形成された柔軟な先端側部分と、前記第2の樹脂のみにより形成された剛性の高い基端側部分と、前記先端側部分と前記基端側部分の間に形成された中間部分とを備え、該中間部分は、前記第1の樹脂と前記第2の樹脂が連続的に帯状かつスパイラル状に交互に巻き回された状態となっており、かつ、前記第2の樹脂の帯の幅は、先端側に向かって徐々に狭くなっている。
【0076】
このため、プッシャビリティ、トラッカビリティ、トルク伝達性、耐キンク性とともに、先端柔軟性を有し、かつ、中間部分において、物性の急激な変化点がなく物性がなだらかに変化するため、キンクが生じにくく、チューブは良好に湾曲でき、医療用として有効である。
【0077】
また、本発明の医療用チューブは、柔軟な第1の樹脂と、該第1の樹脂より剛性の高い第2の樹脂とにより形成された医療用チューブであって、該医療用チューブは、前記第1の樹脂のみにより形成された柔軟先端部と、前記第2の樹脂のみにより形成された剛性の高い基端側部分と、前記柔軟先端部と前記基端側部分の間に形成された中間部分とを備え、該中間部分は、基端側に位置し、前記第1の樹脂と前記第2の樹脂が連続的に帯状かつスパイラル状に交互に巻き回された状態となっており、かつ、前記第2の樹脂の帯の幅は、先端側に向かって徐々に狭くなるように形成された第1のスパイラル部と、該第1のスパイラル部より先端側に位置し、前記第1の樹脂と前記第2の樹脂が連続的に帯状かつスパイラル状に交互に巻き回され、かつ、前記第2の樹脂の帯の幅が、先端側および後端側に向かって徐々に狭くなるように形成された第2のスパイラル部を備える。
【0078】
このため、プッシャビリティ、トラッカビリティ、トルク伝達性、耐キンク性とともに、先端柔軟性を有し、かつ、中間部分の第1のスパイラル部において、物性の急激な変化点がなく物性がなだらかに変化するため、キンクが生じにくく、チューブは良好に湾曲できる。さらに、第2のスパイラル部分は、物性が急激に変化しないように形成された補強部となっているので、その内部に硬質部材(例えば、超音波振動子用筐体)を収納しても、硬質部材による損傷を受けにくく、かつ、補強部前後でのキンクも少ないため、超音波カテーテルのような硬質部材の使用が必要なカテーテルなどに有効に利用できる。
【0079】
また、本発明の医療用チューブ製造装置は、クロスヘッドと、該クロスヘッドに第1の樹脂を供給する第1の樹脂押出機と、前記クロスヘッドに第2の樹脂を供給する第2の樹脂押出機と、前記第1の樹脂押出機および前記第2の樹脂押出機の吐出樹脂量を制御する樹脂吐出量機能を有する制御部とを備える医療用チューブ製造装置であって、前記クロスヘッドは、ダイスと、該ダイスに前記第1の樹脂および前記第2の樹脂をストライプ状に供給するためのストライプスペーサと、前記ダイスもしくは前記ストライプスペーサを回転させるための回転機構とを備え、さらに、前記制御は、第1の樹脂と第2の樹脂の吐出総量を実質的に一定とし、経時的に第1の樹脂と第2の樹脂の吐出量比を変化させる樹脂吐出量比制御機能を備えている。このため、上記のような医療用チューブを連続的かつ一体に製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明の医療用チューブの実施例の正面図である。
【図2】図2は、図1に示した医療用チューブの中間部の拡大断面図である。
【図3】図3は、図2のA−A線断面図である。
【図4】図4は、図2のB−B線断面図である。
【図5】図5は、図2のC−C線断面図である。
【図6】図6は、本発明の医療用チューブの実施例の正面図である。
【図7】図7は、図6に示した医療用チューブの中間部分の拡大断面図である。
【図8】図8は、医療用チューブの製造装置の一実施例の概念図である。
【図9】図9は、医療用チューブの製造装置の他の実施例の概念図である。
【符号の説明】
1 医療用チューブ
2 先端側部分
3 基端側部分
4 中間部分
11 第1の樹脂
12 第2の樹脂
20 医療用チューブ
22 柔軟先端部
23 基端側部分
24 中間部分
31 第1のスパイラル部
32 第2のスパイラル部
33 第3のスパイラル部
50 医療用チューブ製造装置

Claims (4)

  1. 柔軟な第1の樹脂と、該第1の樹脂より剛性の高い第2の樹脂とにより形成された医療用チューブであって、該医療用チューブは、前記第1の樹脂のみにより形成された柔軟な先端側部分と、前記第2の樹脂のみにより形成された剛性の高い基端側部分と、前記先端側部分と前記基端側部分の間に形成された中間部分とを備え、該中間部分は、前記第1の樹脂と前記第2の樹脂が連続的に帯状かつスパイラル状に交互に巻き回された状態となっており、かつ、前記第2の樹脂の帯の幅は、先端側に向かって徐々に狭くなっており、さらに、前記第1の樹脂の幅は、基端側に向かって徐々に狭くなっており、前記中間部分は、100〜500mmの長さを有することを特徴とする医療用チューブ。
  2. 柔軟な第1の樹脂と、該第1の樹脂より剛性の高い第2の樹脂とにより形成された医療用チューブであって、該医療用チューブは、前記第1の樹脂のみにより形成された柔軟先端部と、前記第2の樹脂のみにより形成された剛性の高い基端側部分と、前記柔軟先端部と前記基端側部分の間に形成された中間部分とを備え、該中間部分は、基端側に位置し、前記第1の樹脂と前記第2の樹脂が連続的に帯状かつスパイラル状に交互に巻き回された状態となっており、かつ、前記第2の樹脂の帯の幅は、先端側に向かって徐々に狭くなるように形成され、さらに、前記第1の樹脂の帯の幅は、基端側に向かって徐々に狭くなるように形成された第1のスパイラル部と、該第1のスパイラル部より先端側に位置し、前記第1の樹脂と前記第2の樹脂が連続的に帯状かつスパイラル状に交互に巻き回され、かつ、前記第2の樹脂の帯の幅が、先端側および後端側に向かって徐々に狭くなるように形成された第2のスパイラル部を備え、前記第1のスパイラル部は、100〜300mmの長さを有することを特徴とする医療用チューブ。
  3. 前記第1の樹脂と前記第2の樹脂とは、相溶性が高い樹脂の組み合わせである請求項1または2に記載の医療用チューブ。
  4. 前記医療用チューブの肉厚は、ほぼ均一である請求項1ないし3のいずれかに記載の医療用チューブ。
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