JP3765874B2 - 配管切断方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、配管内部の液体または気体からなる流体を外部に漏出することなく切断する配管切断方法に関し、特に、原子力施設の保守,改修工事において、放射性廃棄物等からなる有害物質が内在された配管を切断する際に好適な配管切断方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、漏れてはならない有害な流体が内在する配管の切断方法や、特に原子力施設内の放射能等の汚染物質が内在する配管の切断方法にあっては、そのような有害な流体や放射性物質を含有する液体が外部に漏出して拡散することにより施設内の作業者等に被害を与える恐れがないように、慎重な処理がなされている。
【0003】
例えば、拡散防止用の防護施設を、切断すべき配管周囲に施した後に、切断の際に配管下側に受け皿を設置し、この受け皿で配管内部から漏出する液体を受けながら行う切断作業がある。
【0004】
最近では、切断すべき鋼管等からなる配管を圧縮して潰した後に切断することにより、液体の切断部から外部への流出を防止する方法が行われている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記のような従来の配管切断方法のうち、受け皿で液体を受けながら切断する方法にあっては、配管を切断する際に切断工具に液体が付着し、さらに、作業工具から周囲に液体が飛散することにより、放射能汚染が拡大するおそれがあるという問題があった。
【0006】
また、配管を潰したのちに切断する方法にあっては、潰した部分の配管内部に液体が残留するとともに、僅かな隙間から液体が流出する場合があり、完全な液体の封入ができないという問題があった。
【0007】
さらに、切断すべき配管が塩化ビニル管,鋳鉄管等のような材質の場合には、圧潰されることなく破損してしまうため、この方法が適用できないという問題があった。
【0008】
そこで、この発明は、上記、従来の未解決の課題に着目してなされたものであり、配管内部の流体が内在する配管の切断時に内部の流体の飛散または漏出を確実に防止でき、なおかつ、あらゆる材質の配管にも適用できる配管切断方法を提供することを目的している。
【0009】
【課題を解決するための手段】
以上の諸問題を解決するために、この発明は、流体が内在している配管を切断する配管切断方法において、切断すべき位置の配管に孔を穿設し、この孔から前記配管内部に高圧空気を吹き込んで前記流体を前記配管内部の切断すべき位置の軸方向左右に吹き飛ばして移動した後に、前記孔からバックアップ材を注入し、このバックアップ材の硬化前に前記孔から高圧空気を吹き込んで前記バックアップ材を軸方向左右に吹き寄せることにより、前記バックアップ材間の切断すべき位置に空隙を形成し、前記バックアップ材の硬化後に前記孔から充填材を注入して硬化させ、然る後に前記配管を切断する配管切断方法を提供する。
【0010】
この発明はガス配管あるいは液配管,そして、特に原子力施設の配管へと広く適用できるものである。
而して、配管内部の気体あるいは液体からなる流体が外部に流出しない程度の大きさで切断すべき位置の配管に孔が形成され、この孔から配管内部に高圧空気を吹き込んで切断部に配されている流体を除去し、除去された流体が逆流する前に切断部にバックアップ材を注入して切断部とその周囲とを区画することにより流体の切断部への逆流を制止する。
【0011】
さらに、バックアップ材の硬化前に高圧空気を送り込んで切断部に空隙を形成し、この空隙内に充填材を隙間なく注入して硬化し、硬化された充填材が剪断されることによりこの充填材によって配管内部を栓止する。
【0012】
また、切断された配管の流体供給部と連続している配管切断部も、充填材により配管内部の流体が封入される。
また、前記流体は有害物質を含む流体であっても同様である。
【0013】
一方、前記バックアップ材が発泡状硬化材である場合には、配管内部に液状の発泡状硬化材を注入すると次第に発泡して膨張することにより配管内に隙間なく拡がり硬化して、切断部とその周囲とを区画する。
【0014】
また、前記充填材は膨張材が混入してある場合には、空隙部分に注入されたのちに膨張した状態で空隙内に隙間なく充填され、硬化後に収縮することがなく、配管内部の流体を確実に封入することができる。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の配管切断方法の実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1中、1は配管を示しており、ここでは、原子力施設20内において配管1内部に放射性廃棄物等を含む液体からなる有害な流体10を内在する配管1を撤去する場合について適用している。
【0016】
なお、この配管1は、原子力施設20内部の室空間周囲の壁21およびスラブ22を貫通して縦横に延在され、ここでは、水平方向に延在配置された配管1のA−B間を撤去する。
【0017】
先ず、図2(a)に示すように、切断すべき位置Aの配管1上部に、ここでは直径20mm程度の小径からなる孔2を穿設し、穿設された孔2内部にコンプレッサ11の先端を挿通し高圧空気を吹き込む。
【0018】
これにより、配管1底部に溜まっている流体10がこの高圧空気とともに切断部3の周囲へ移動し、切断部3の流体10が除去される。
次いで、図2(b)に示すように、この孔2から配管1内部にバックアップ材4を注入する。
【0019】
このバックアップ材4には、発泡硬化材が適用されており、図2(c)に示すように、このバックアップ材4の硬化前に前記孔2から高圧空気を吹き込んで切断部3の配管軸方向10cm程度にわたって空隙7が形成し、然る後にバックアップ材4はこの切断部3と軸方向左右とを相互に流通できない程度に区画して硬化する。
【0020】
なお、このバックアップ材には、例えば、発泡スチロール,発泡ポリスチレン等の樹脂材等が用いられ、これを液状体にして配管1内部に噴霧することにより気泡を発生しつつ容積を増大して配管内部に隙間なく拡がり硬化させることができる。そして、このバックアップ材の硬化とは、完全な硬化のみを意味するものではなく、吹き飛ばした流体等を栓止するに十分な程度の硬化をも含めるものである。
【0021】
さらに、図2(d)に示すように、その孔2から配管1内部の空隙7に充填材5を注入する。
この充填材5には、ここでは膨張材入りモルタルが適用されている。
【0022】
従って、この充填材5が硬化とともに膨張し、空隙7に隙間なく充填され、硬化時に収縮することがないために切断部3に隙間が発生することが防止される。
なお、充填材5には、これ以外にエポキシ樹脂等を用いることもできる。
【0023】
次いで、図2(e)に示すように、この充填材5が剪断できる程度に硬化したら、切断部3の配管1下側に安全のために図示しない受け皿を設置し、切断工具6を用いて切断する。
【0024】
このとき、図2(f)に示すように、配管1の切断部3に配されている充填材5のみが剪断され、切断面Fには充填材5を隙間なく充填して栓止されることにより、配管1内部の流体10がこの充填材5およびバックアップ材4に拘束されて配管1内部に封じ込まれる。従って、この充填材の硬化は、完全な硬化のみを意味するものではなく、吹き飛ばした流体等を栓止するに十分な程度の硬化をも含めるものである。
【0025】
さらに、図1に示すように、上記と同様の方法により、B部分を切断することによりA−B間の配管1を撤去することはできる。
而して、充填材5が充填された切断部3を切断する際には、内部に隙間なく充填された充填材5のみがせん断され、切断部3から流体10が漏出したり、切断工具6に流体10が付着して周囲に拡散することがなく安全に切断作業が行われる。
【0026】
さらに、切断部3の配管1を圧潰したり変形させることを不要として、あらゆる材質からなる配管1に適用できる。
また、バックアップ材4が、予め、充填されていることにより、配管1内部の流体10がバックアップ材4によって堰き止められ切断部3に逆流するのを抑止できる。
【0027】
また、バックアップ材4の硬化前に切断部3の孔2から高圧空気が送入されることにより、バックアップ材4が切断部に空隙7を形成するように移動するとともに、その空隙7と流体10が内在する配管1とを区画するようにバックアップ材4が膨張し、充填材5が流動性の高い物質であっても配管1内部の広範囲に拡がることなく切断部3に形成された空隙7に隙間なく充填される。
【0028】
さらに、充填材5を膨張材入りとしたことにより、配管1内部の空隙7に注入されたのちに膨張して隙間なく充填され、硬化後に収縮することがないため流体10が外部に漏出することがない。
【0029】
なお、この実施の形態においては、原子力施設20内を水平方向に延在する配管1を切断する場合について説明したが、必ずしもこれに限ることなく、配管内の流体10の粘性が高い場合には、あらゆる方向に延在する配管1に適用することができる。
【0030】
また、上記実施の形態においては、流体10を放射性物質を含む液体としたが必ずしもこれに限定されるものではなく、その他のあらゆる液体からなる流体に適用できるのは勿論である。
【0031】
また、これ以外に、流体10が有害物質等を含む気体である場合にも適用できる。具体的には、配管1に孔を穿設する際に、コンプレッサ11の先端に穿孔部を設けてこの穿孔部と孔との間に隙間が形成されないように螺合する等して配管を穿設すると同時に高圧空気を配管内部に送り込んでガスを切断部3から除去する。
【0032】
さらに、瞬時にこのノズルからバックアップ材を、適量注入したのちにバックアップ材の注入を止めて高圧空気を送り込み空隙を形成して所定時間経過すると配管内部の切断部3とその周囲に区画が形成され、切断部3へのガスの逆流が抑止される。さらに、充填材を空隙部に注入硬化させて切断すれば、切断面からガスが流出することなく撤去すべき配管内に封入され安全性が確保される。
【0033】
また、この実施の形態では、充填材5に膨張モルタルを適用したが、これ以外に膨張セメント,膨張コンクリート等の各種膨張材入りの材料を適用することができる。これ以外に、溶剤型接着材等も適用することができる。
【0034】
【発明の効果】
以上説明したように、請求項1によれば、配管の切断部の孔からバックアップ材を注入し、このバックアップ材の硬化前に高圧空気を吹き込んでバックアップ材を左右に吹き寄せて空隙を形成し、その空隙に充填材を注入して硬化させて切断するようにしたので、切断部周囲に拡散防止用の防護施設等を設けることなく、配管内部へのバックアップ材および充填材の注入作業のみで配管外部に流体を漏出することなく栓止できる。これにより、切断作業が簡易且つ経済的に行われる。また、請求項2によれば、前記流体は有害物質を含む流体であることにより、流体が配管外部に漏出して周辺環境を害することなく作業の安全性が確保される。さらに、請求項3においては、前記バックアップ材は発泡状硬化材であることにより、配管内部に注入した後に、配管内部に隙間なく拡がり硬化させて確実に区画することができる。そして、請求項4においては、前記充填材は膨張材が混入してあることにより、膨張材の硬化後に収縮して隙間を形成することなく、配管内部の流体を確実に封入でき、安全性がより向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施の形態にかかる配管切断方法に適用された原子力施設を示す断面図である。
【図2】この発明の実施の形態にかかる配管切断方法の施工手順を示す切断部の側部断面図である。
【図3】配管を切断した状態を示す図であり、同図(a)は側面図,同図(b)は正面図である。
【符号の説明】
1……配管
2……孔
3……切断部
4……バックアップ材
5……充填材
6……切断工具
7……空隙
10……液体
11……コンプレッサ
20……原子力施設
21……壁
22……スラブ
Claims (4)
- 流体が内在している配管を切断する配管切断方法において、
切断すべき位置の配管に孔を穿設し、この孔から前記配管内部に高圧空気を吹き込んで前記流体を前記配管内部の切断すべき位置の軸方向左右に吹き飛ばして移動した後に、前記孔からバックアップ材を注入し、このバックアップ材の硬化前に前記孔から高圧空気を吹き込んで前記バックアップ材を軸方向左右に吹き寄せることにより、前記バックアップ材間の切断すべき位置に空隙を形成し、前記バックアップ材の硬化後に前記孔から充填材を注入して硬化させ、然る後に前記配管を切断することを特徴とする配管切断方法。 - 請求項1に記載の配管切断方法において、前記流体は有害物質を含む流体であることを特徴とする配管切断方法。
- 請求項1に記載の配管切断方法において、前記バックアップ材は発泡状硬化材であることを特徴とする配管切断方法。
- 請求項1に記載の配管切断方法において、前記充填材は膨張材が混入してあることを特徴とする配管切断方法。
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- 1996-05-08 JP JP11389396A patent/JP3765874B2/ja not_active Expired - Fee Related
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