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JP3767258B2 - At車のエンジン自動停止装置 - Google Patents
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JP3767258B2 - At車のエンジン自動停止装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、交差点等でAT車のエンジンの自動停止を実行することにより、排気ガスの減少、燃料節約等を実現する自動停止装置に関し、特に、自動停止時のショックを低減できるエンジン自動停止装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、AT車(オートマチック車)のエンジン停止は、パーキングレンジ(Pレンジ)又はニュートラルレンジ(Nレンジ)での、ドライバのイグニッションキースイッチのオフにより、エンジンへの燃料供給を遮断することにより行われている。このとき、エンジンの出力トルクは急速に減少し、それと共にエンジン回転数が急激に下降してゼロとなる。その後、次回のエンジン始動の際に吸入空気をスムーズに導入できるように、アイドル時空気量制御装置(ISC)を全開にし、エンジンECUに電源電圧を供給するリレーがオフにされる。
【0003】
ところで、近年では、排気ガスの減少・燃料節約等を図るものとして、交差点等でAT車が停車した場合、所定の停止条件下でエンジンを自動停止させ、その後、所定の始動条件下でエンジンを再始動させる自動停止始動装置が知られている。このようなAT車は、ドライブレンジ(Dレンジ)にて自動停止・始動を行うため、その停止頻度はPレンジやNレンジにおける停止頻度よりも高い。このため、その停止時における車両の乗り心地の良さはドライバーにとって一層重要な問題となってきている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、Dレンジではエンジンの回転軸が車軸に連結された状態であるため、Dレンジにおけるエンジンの停止時に、エンジントルクが車軸に伝わることとなる。すなわち、エンジントルクの急変は、気筒毎の出力トルクに大きなアンバランスを生じさせてクランク軸の回転数を不安定にするが、この急変はトルクコンバータ、自動変速機を通じて車軸に伝わる。このことは、車軸トルクにも変動を生じさせショック(前後G)となってドライバーに伝わる。
【0005】
さらに、燃焼が終了した後にエンジン回転数が自然に下降していく際に、エンジン回転数はドライブラインの共振周波数域を通過するが、この際、エンジンはその出力軸周りに振動し、その振動がエンジンマウントを通じて車体を振動させる。この振動は、図9(a)に示す横置きエンジンにおいてはピッチ方向の振動となって現れ、前後G、上下Gのショックを生じさせる。同様に、図9(b)に示す縦置きエンジンにおいてはロール方向の振動となって現れ、上下G及び左右Gのショックを生じさせる。
【0006】
このため、交差点等で頻繁に行われるエンジンの自動停止において、上述のようなショックがドライバーに不快感を与えていた。
【0007】
本発明は、Dレンジでの自動停止時におけるショックを効果的に低減できるエンジンの自動停止装置を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記課題に鑑み、請求項1に記載のAT車のエンジン自動停止装置は、所定のエンジン停止条件が満たされたときに、Dレンジにてエンジン回転数を下降させるのであるが、このエンジン回転数の下降勾配において変化時点が設定されている。そして、この変化時点以前のエンジン回転数の下降勾配が、変化時点以後のエンジン回転数の下降勾配よりも緩やかなるように設定されている。
【0009】
図1には、このようなエンジン回転数の制御形態の概要が、従来技術との比較において示されている。図中実線で示したものが請求項1に記載の制御形態であり、2点鎖線で示したものが従来技術に相当する制御形態である。
【0010】
図から分かるように、従来技術においては、エンジンの自動停止条件が満足されると、エンジン回転数は、減速し始めてから停止に到るまでほぼ一定の勾配をもって自然に下降する。
【0011】
これに対し、請求項1記載の装置においては、エンジン回転数が下降勾配の変化時点に到るまでは緩やかに下降させる。このため、変化時点まではエンジンの出力トルク(以下、「エンジントルク」と称す)の変動を従来より小さく抑えることができる。このため、エンジントルクの急変による車体の前後Gを小さくすることができる。また、この場合、変化時点以降はエンジン回転数の下降勾配が急になるが、エンジン回転数は変化時点までにある程度小さくなっているため、変化時点からのエンジン回転数の落差は従来に比べて小さくなる。このため、従来に比べてエンジントルクの急変による車体の前後Gを小さく抑えることができる。
【0012】
具体的に、請求項1記載の装置では、変化時点まではエンジントルクを出すべく燃焼を継続し、変化時点以後はエンジントルクをゼロにすべく燃焼を中止する。
【0013】
つまり、従来においては、エンジン停止条件が満足されると燃焼を完全に中止し、これによりエンジン回転数が急激に下降していた。このため、上記のようにエンジントルクの急変が生じ、車体の前後Gが発生していた。
【0014】
これに対し、請求項1記載の装置では、エンジン停止条件が満足されてから変化時点に到るまでは燃焼の程度を徐々に小さくし、変化時点に達したときに燃焼を完全に中止させる。このように制御することにより、変化時点に到るまではエンジン回転数を徐々に低下させ、変化時点以降はエンジン回転数を急激に変化させる制御を行うことができる。この結果、上記のように全体としてトルクの変動を小さくし、前後Gを抑制することができるのである。
【0015】
このように、請求項1記載の装置によれば、エンジン停止時のエンジン回転数の下降状態を段階的に制御することにより、全体として車体に生じる前後Gが抑制され、これに起因するドライバーの不快感を解消することができる。
【0016】
また、上記エンジン自動停止装置の具体的構成としては、請求項2に記載のように、エンジンの回転数を検出するエンジン回転数検出手段が設けられ、上記変化時点は、エンジン回転数検出手段により検出されたエンジン回転数が、その下降過程において所定値以下に達した時点であるように設定することが考えられる。
【0017】
この構成は、例えばドライブラインの共振周波数がエンジンのアイドル回転数以下に存在することを考慮したものである。すなわち、エンジン回転数が下降する際にはドライブラインの共振周波数域を通過することになるが、通過している間中、エンジン振動が増幅され車両の前後G、上下G、あるいは左右Gを発生させることになり、ドライバーに不快感を与えることになる。この共振周波数域を通過する時間が長ければ長い程ドライバーに大きな不快感を与えることになる。
【0018】
そこで、請求項2記載のエンジン自動停止装置においては、エンジン回転数検出手段により検出されるエンジン回転数が、下降過程において所定値、例えば共振周波数域の上限よりわずかに大きい回転数に達した時点に変化時点を設定し、この変化時点以降のエンジン回転数の下降勾配を急にして共振周波数域の通過時間を短くするようにしたのである。
【0019】
このような構成をとれば、エンジン停止時のエンジン回転数の下降過程において、エンジン回転数が変化時点に到るまではその下降勾配を緩やかにして、車体の前後Gを抑制できるとともに、変化時点以後の下降勾配を急にすることにより例えば共振周波数域を通過する時間を従来よりも短くすることができる。この結果、エンジン回転数の急変に起因する車両の前後G、及び共振周波数域通過に起因する車両の前後G、上下G(横置きエンジンの場合)、あるいは左右G(縦置きエンジンの場合)を効果的に抑制することができるのである。
【0020】
また、上記においては、変化時点を規定するエンジン回転数に達したことを、エンジン回転数検出手段により監視することにより検知することとしたが、このエンジン回転数検出手段を設けない構成とすることも可能である。
【0021】
例えば、請求項3に記載のように、上記変化時点を、エンジン停止条件が満たされ、エンジンの停止指令がなされた時点から所定時間経過後であると考え、上記と同様の制御を行う自動停止装置が考えられる。
【0022】
これは、エンジン停止指令がなされてから所定時間経過すると、エンジン回転数が所定の下降直線(あるいは下降曲線)を描きながら下降する点に注目したものである。例えば、所定時間を0.1秒に設定した場合には、エンジン停止指令がなされて停止モードに入ってから0.1秒を経過するまではエンジン回転数を徐々に低減し、0.1秒を経過した後は急激に下降させるように制御するのである。この所定時間は、停止指令があった時点から変化時点までの時間(例えば停止指令があった時点から、エンジン回転数が共振周波数域の上限よりわずかに大きい回転数に達するまでの時間)を予め実験等により求めておき、その時間を設定することが考えられる。この時間の計測にはタイマ等を使用することができる。
【0023】
なお、AT車のエンジン自動停止装置では、図2に示されるように、エンジン回転数の下降勾配の制御を、エンジントルク制御手段によるエンジントルクの制御により実現することができる。これは、エンジン回転数がエンジントルクにほぼ比例して変化することに着目したものである。また、エンジントルク制御手段によってエンジンの出力トルクをゼロにする際には、吸入空気量制御手段によってエンジンの吸入空気量をすばやく低減することにより、エンジン回転数の下降勾配を急にすることができる。
【0035】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の好適な実施例を図面に基づいて説明する。
【0036】
本実施例は、本発明にかかるエンジンの自動停止装置を、6気筒エンジンを搭載したAT車に適用したものである。
【0037】
図3に示すように、エンジン1の各気筒には、空気を取り込むための吸気管2が接続されており、この吸気管2には、吸入空気流量を調節する電子スロットル3、電子スロットル3を迂回してアイドル時に空気を取り込むバイパス経路4、バイパス経路4に設けられ吸入空気量を調節するISC5、電子スロットル3及びISC5の上流側に設けられ、吸入空気量を検出する吸入空気量検出センサ6、及び燃料噴射装置7等が設けられている。電子スロットル3は、図示しないアクチュエータでスロットルバルブ3aを駆動し、その開度により吸入空気量を制御するものである。また、ISC5は、図示しないアクチュエータで制御バルブ5aの開度を調節し、アイドル時の吸入空気量を調整するものである。また、エンジン1には点火装置9が設けられており、この点火装置9は、エンジンの気筒数に対応した点火プラグ9aを備えている。
【0038】
また、エンジン1のクランク軸11、クランク軸11の回転数、すなわち、エンジン回転数を検出するエンジン回転数検出センサ13が取り付けられている。また、このクランク軸11に直結されたトルクコンバータ14は、ポンプ15、タービン16及びステータ17からなり、タービン16の出力軸18には自動変速機20が接続されている。自動変速機20は、複数のソレノイドバルブを有し、各ソレノイドバルブがオン・オフされることにより、各変速ギア位置に応じた油圧回路が形成されて所定のギア位置が選択される。また、自動変速機20は出力軸24に接続されており、この出力軸24の回転数を車速として検出するために車速センサ25が設けられている。
【0039】
そして、上記各センサ等からの信号は、電子制御装置30(以下、「ECU30」と称す)に送信され、エンジン1、各制御バルブ、及び自動変速機20等を駆動するためのアクチュエータが、このECU30により駆動制御される。
【0040】
図4に、本実施例の自動停止装置の制御回路の構成を示す。
【0041】
ECU30は、図示しないが、各種機器を制御するCPU、予め各種の数値やプログラムが書き込まれたROM、演算過程の数値やフラグが所定の領域に書き込まれるRAM、アナログ入力信号をディジタル信号に変換するA/Dコンバータ、各種ディジタル信号が入力され、各種ディジタル信号が出力される入出力インターフェース(I/O)、タイマ及びこれら各機器がそれぞれ接続されるバスラインから構成されている。後述するフローチャートに示す制御プログラムは、上記ROMに予め書き込まれている。
【0042】
そして、図4に示すように、ECU30には、上記エンジン回転数検出センサ13、車速センサ25、現在の設定レンジを検出するシフトポジションセンサ、スロットル開度を検出するスロットル位置検出センサ、ブレーキペダルの踏み込み量を検出するためのブレーキストローク検出センサ、吸入空気量検出センサ6等からの出力信号がI/Oを介して入力される。
【0043】
そして、これら各センサからの情報をもとに、CPUが所定の制御プログラムに従った演算処理を行い、この演算結果より得られた制御信号、すなわち、噴射量制御信号、電子スロットル開度設定信号、点火時期制御信号、ISC開度設定信号、及びVVT(可変バルブタイミング制御)信号等がエンジン側に出力される。
【0044】
次に、上記制御プログラムによって実行される自動停止装置のエンジン停止制御方法について、図5及び図6に沿って詳細に説明する。
【0045】
本実施例の自動停止装置は、上記制御プログラムに沿ったエンジン回転数の制御により、Dレンジでのエンジン停止時に生じるショックを低減するものである。
【0046】
図5には、本発明におけるエンジントルク制御の一例が実線で示されている。当該制御は、エンジントルクを燃料噴射量の調整により制御するものである。なお、比較例として、従来の制御態様が2点鎖線で示されている。
【0047】
具体的には、エンジン回転数の下降過程において、予め設定したエンジン回転数、つまり、ドライブラインの共振周波数域の上限よりわずかに大きい回転数となった時点を下降勾配の変化時点として設定し、当該変化時点まではエンジン回転数を徐々に降下させ、変化時点を経過した時点でエンジン回転数を急激に降下させるように制御する。このため、変化時点以前のエンジン回転数の下降勾配は従来よりも緩やかになっており、変化時点以後のエンジン回転数の下降勾配は従来よりも急になっている。
【0048】
すなわち、図5上段に示されるように、エンジン回転数は、車両停止直後は一定のアイドリング回転数で回転している。そして、後述するエンジンの自動停止条件が成立してエンジン停止指令が発せられると、図5中段に示されるように、燃料噴射装置7による燃料噴射量が徐々に低減されることにより、エンジントルクが徐々に低減される。このとき、エンジン回転数はエンジントルクの減少にほぼ比例して徐々に低下する。そして、エンジン回転数が上記予め設定した回転数まで低下すると、燃料噴射が中止されエンジントルクが急激に低減される。このとき、エンジン回転数はエンジントルクの減少にほぼ比例して急激に低下する。
【0049】
また、エンジン回転数が上記予め設定した時点で、上記のように燃料噴射を中止してエンジントルクを急激に下降させると同時に、図5下段に示されるように、ISC開度を調整して吸入空気量を低減し、ポンピングロスを増加させる。これは、燃料噴射制御によるエンジントルクの低減(下降勾配)には限度があるため、吸入空気量の低減によりポンピングロスを増加させて機械的抵抗を増し、エンジン回転数の低減を助長するためである。
【0050】
このように、変化時点後はエンジントルクの減少と吸入空気量の低減との相乗効果によりエンジン回転数を急激に低減し、共振周波数域の通過時間を短くしている。
【0051】
このように、図5に示された制御態様では、エンジン回転数が変化時点に到るまでは緩やかに降下する。このため、変化時点まではエンジントルクの変動を小さく抑えることができ、エンジントルクの急変による車体の前後Gを小さくすることができる。また、この場合、変化時点以降はエンジン回転数の下降勾配が急になるよう制御しているが、エンジン回転数は変化時点までにある程度小さくなっているため、変化時点からのエンジン回転数の落差は小さい。このため、エンジントルクの急変による車体の前後Gを小さく抑えることができる。
【0052】
また、エンジン回転数の下降過程において、共振周波数域よりわずかに大きい回転数に達した時点に変化時点を設定し、この変化時点以降のエンジン回転数の下降勾配が急となるよう制御して共振周波数域の通過時間を短くしているため、エンジン回転数の急変に起因する車両の前後G、及び共振周波数域通過に起因する車両の前後G、上下G、あるいは左右Gを効果的に抑制することができる。
【0053】
なお、エンジン回転数がゼロとなった後は、全閉状態となったISC開度を全開状態に設定する。これは、従来のように、次回のエンジン始動に際して円滑な空気の吸入を促すためである。
【0054】
図6には、縦置きエンジンについて、図5のように制御された場合のショックの大きさを測定した実験結果が、従来技術との比較で示されている。本実験は、共振周波数域通過前にみられる前後Gと、共振周波数通過時にみられる左右G及び上下Gとを測定したものである。図中、実線で示されたものが本実施例の装置を搭載した車両での実験結果であり、2点鎖線で示したものが従来の装置を使用した車両での実験結果である。なお、振幅の大きさが車両に生じるショックの大きさを表している。
【0055】
図6上段から、本実施例の装置を搭載した車両において、共振周波数通過前のエンジン回転数の徐変時に生じる前後Gは、従来の装置を搭載した車両に生じる前後Gよりも大幅に低減されていることが分かる。また、図6中段及び下段から、本実施例の装置を搭載した車両において、共振周波数通過時のエンジン回転数の急変時に生じる左右G及び上下Gも、従来の装置を搭載した車両において生じる左右G及び上下Gよりも大幅に低減されていることが分かる。
【0056】
このように、エンジン停止時のエンジン回転数の下降状態を段階的に制御することにより、全体として車体に生じるショックが抑制され、これに起因するドライバーの不快感を解消されることが分かる。
【0057】
一方、図7には、エンジントルクの制御を点火時期制御により行う態様が実線で示されている。なお、比較例として、従来の制御態様が図中2点鎖線で示されている。
【0058】
図7に示す例では、エンジン回転数を徐々に低減する制御を、点火装置9による点火時期を徐々に遅角側にずらすことにより行っている。
【0059】
すなわち、図7上段に示されるように、エンジン回転数は、車両停止直後は一定のアイドリング回転数で回転している。そして、後述するエンジンの自動停止条件が成立してエンジン停止指令が発せられると、図7中段に示されるように、点火時期が進角側から徐々に遅角側にずらされることにより、エンジントルクが徐々に低減される。このとき、エンジン回転数はエンジントルクの減少に比例して徐々に低下する。
【0060】
そして、エンジン回転数が予め設定したエンジン回転数、つまり、ドライブラインの共振周波数域の上限よりわずかに大きい回転数となった時点(変化時点)まで低下すると、点火時期は固定される。
【0061】
また、図7下段に示されるように、エンジン回転数が共振周波数域に達した時点で、ISC開度を調整して吸入空気量を低減し、ポンピングロスを増加させる。
この吸入空気量の低減により、エンジン回転数を急激に低減し、共振周波数域の通過時間が短くなる。
【0062】
このように、図7に示される例では、エンジン回転数の下降過程において、その緩やかな下降を点火時期制御により行い、急激な下降を吸入空気量の制御により行っている。このように制御することにより、上記燃料噴射量制御のときと同様、エンジン回転数の急変に起因する車両の前後G、及び共振周波数域通過に起因する車両の前後G、上下G、あるいは左右Gを効果的に抑制することができる。
そして、エンジン停止時のエンジン回転数の下降状態を段階的に制御することにより、全体として車体に生じる前後Gが抑制され、これに起因するドライバーの不快感を解消される。
【0063】
なお、上記図5に示された例と同様に、エンジン回転数がゼロとなった後は、全閉状態となったISC開度が全開状態に設定される。次回のエンジン始動に際して円滑な空気の吸入を促すためである。
【0064】
また、図7に示す実施例による効果は、図5に示す実施例による効果(図6)と同様であるため、その説明については省略する。
【0065】
次に、本実施例にかかる自動停止始動装置の一連の動作について説明する。
【0066】
図8はECU30で実行されるエンジンの自動停止処理のフローチャートを表している。
【0067】
まず、交差点等で車両が停止すると、エンジン停止条件が満足されているか否かが判定される(S110)。この判定は、(1)シフトポジション検出センサにより、カレントドライブがDレンジに設定されたことが検出されたこと、(2)ブレーキストローク検出センサによりブレーキが完全に踏み込まれていることが検知されたこと、及び、(3)車速センサ25により検出された車速がゼロであることが検出されたことを条件に、エンジン停止条件が満足されたとされる。
【0068】
そして、エンジン停止条件が満足されたと判断されると(S110:YES)、上記図5又は図7に示した制御方法に従って、エンジントルクが徐々に低減される(S120)。
【0069】
そして、エンジン回転数検出センサ13により、エンジン回転数が、予め設定された回転数、つまり、共振周波数域の上限よりわずかに大きい回転数に達したか否かが判定される(S130)。そして、エンジン回転数が当該回転数に達したと判断されると(S130:YES)、エンジントルクが急激に低減されるとともに、吸入空気量が低減される(S140)。そして、エンジン回転数検出センサ13により、エンジン回転数がゼロになったか否かが判定され(S150)、エンジン回転数がゼロになったと判断されると(S150:YES)、次回のエンジン始動のため、吸入空気量の設定が初期値に設定される(S160)。
【0070】
以上の一連の動作により、エンジンはDレンジにて安定して停止する。
【0071】
なお、本実施例において、エンジン回転数検出センサ13がエンジン回転数検出手段に該当する。
【0072】
そして、ECU30が実行する処理の内、S130の処理がエンジン回転数検出手段としての処理に該当する
【0073】
以上、本発明の実施例について説明したが、本発明の実施の形態は、上記実施例に何ら限定されることなく、本発明の技術的範囲に属する限り種々の形態をとり得ることはいうまでもない。
【0074】
例えば、上記実施例においては、エンジントルクを低減する手段として燃料噴射量を制御する形態と点火時期を制御する形態とを示したが、この他にも、ISC開度や電子スロットル開度を制御する形態を採用することも可能である。なお、この場合は、燃料噴射量制御と同様の制御態様となる(図5及び7参照)。
【0075】
また、本実施例では「変化時点」を、エンジン回転数が共振周波数域の上限よりわずかに大きくなった時点に設定したが、これ以外の条件が満たされれた時点としてもよい。
【0076】
さらに、上記実施例では、エンジントルクを低減する時点と、吸入空気量を低減する時点とを同時に行う態様をとったが、これらが多少前後してもよいことはもちろんである
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明のエンジン自動停止装置に適用されるエンジン回転数の制御態様を表す説明図である。
【図2】 本発明のエンジン自動停止装置に適用されるエンジンの自動停止制御方法の説明図である。
【図3】 本発明の実施例にかかるエンジン自動停止装置の概要図である。
【図4】 本発明の実施例にかかるエンジン自動停止制御を実現する制御回路の概略構成図である。
【図5】 本発明の実施例にかかるエンジン自動停止制御の説明図である。
【図6】 本発明の実施例にかかるエンジン自動停止制御による効果を示した図である(縦置きエンジン)。
【図7】 本発明の実施例にかかる更なるエンジン自動停止制御の説明図である。
【図8】 本発明の実施例にかかるエンジン自動停止処理を示すフローチャートである。
【図9】 従来技術の問題点を説明する図である。
【符号の説明】
1・・・エンジン、 2・・・吸気管、 3・・・電子スロットル、
3a・・・スロットルバルブ、 4・・・バイパス経路、
5・・・アイドル時空気量制御装置(ISC)、 5a・・・制御バルブ、
6・・・吸入空気量検出センサ、 7・・・燃料噴射装置、
9・・・点火装置、 9a・・・点火プラグ、
11・・・クランク軸、 13・・・エンジン回転数検出センサ、
14・・・トルクコンバータ、20・・・自動変速機、
25・・・車速センサ、 30・・・電子制御回路(ECU)

Claims (3)

  1. エンジン停止条件が満足されたときに、ドライブレンジにてエンジン回転数を下降させるAT車のエンジン自動停止装置において、
    前記エンジン回転数の下降勾配の変化時点が設定され、
    該変化時点以前のエンジン回転数の下降勾配が、該変化時点以後のエンジン回転数の下降勾配よりも緩やかに設定され、
    前記変化時点まではエンジンの出力トルクを出すべく燃焼を継続し、
    前記変化時点以後はエンジンの出力トルクをゼロにすべく燃焼を中止することを特徴とするエンジン自動停止装置。
  2. 請求項1記載のエンジン自動停止装置において、
    エンジンの回転数を検出するエンジン回転数検出手段が設けられ、
    前記変化時点は、該エンジン回転数検出手段により検出されたエンジン回転数が、その下降過程において所定値以下に達した時点であることを特徴とするエンジン自動停止装置。
  3. エンジン停止条件が満足されたときに、ドライブレンジにてエンジン回転数を下降させるAT車のエンジン自動停止装置において、
    前記エンジン回転数の下降勾配の変化時点が設定され、
    該変化時点以前のエンジン回転数の下降勾配が、該変化時点以後のエンジン回転数の下降勾配よりも緩やかに設定され、
    前記エンジン停止条件が満たされたときにエンジンの停止指令がなされ、
    前記変化時点は、前記停止指令がなされた時点から所定時間経過後であることを特徴とするエンジン自動停止装置。
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