JP3768065B2 - 温冷蔵装置の仕切壁構造 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、病院や学校等で使用される温冷蔵装置の仕切壁構造に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
例えば病院やホテル等では、本体内部に配設した仕切壁により、温蔵室と冷蔵室とを隣接して画成した温冷蔵装置としての配膳車が利用されている。この配膳車では、温食用載置部と冷食用載置部とを連結部を介して連結したトレイを、前記温蔵室と冷蔵室とに跨って収容し得るように、前記仕切壁が構成してある。すなわち仕切壁は、下面が開口する略箱状に形成された単位仕切壁を、上下方向に所定間隔離間して複数積層配置して構成されると共に、各単位仕切壁には、下面開口から突出して対向する下側の単位仕切壁の上面(受面)に下面(当面)を当接可能な可動部材が上下動可能に配設されている。そして前記トレイを、その連結部で可動部材を持ち上げつつ下側の単位仕切壁との間に差込むことで、温食用載置部を温蔵室に収容すると共に冷食用載置部を冷蔵室に収容し得るようになっている。
【0003】
また前記可動部材は、その上部に配設した板バネによって常には下方に向けて弾力的に付勢され、その当面を下側の単位仕切壁の受面に弾力的に当接するよう構成されて、温蔵室と冷蔵室との間の気密を確保している。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
前記配膳車では、トレイの出し入れの時などにこぼれた汁等が、前記可動部材に付着しまま放置されると、可動部材の円滑な上下動が妨げられたり、トレイの出し入れも円滑に行なわれなくなるため、洗浄水を用いた水洗いが適宜に行なわれている。この場合に、前記単位仕切壁の受面に対して可動部材の当面が弾力的に当接しているため、その間に付着した洗浄水を取り除くのが困難であった。すなわち、前記板バネにより弾力付勢されている可動部材を、作業者が一方の手で押上げながら、他方の手で持った布巾等で洗浄水を取り除く作業は極めて煩雑である。そのため、洗浄水を充分に取り除かないまま、水洗い後の配膳車にトレイを収容する場合が多く、このときには単位仕切壁と可動部材との間に残留している洗浄水が前記連結部に付いてしまい、トレイを出し入れする度に連結部に付いた洗浄水を拭き取る煩雑な手間が掛かる難点を招いていた。
【0005】
【発明の目的】
この発明は、前述した従来の技術に内在している前記課題に鑑み、これを好適に解決するべく提案されたものであって、温蔵室と冷蔵室とを仕切る単位仕切壁と可動部材との間に付着する洗浄水を簡単に取り除くことができる温冷蔵装置の仕切壁構造を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
前述した課題を克服し、所期の目的を達成するため、本発明に係る温冷蔵装置の仕切壁構造は、
本体内部に配設されて左右両側に温蔵室と冷蔵室とを画成する仕切壁が、上下方向に離間して積層配置した複数の単位仕切壁と、各単位仕切壁に上下動可能に配設されて上側または下側に突出し、その突出端面を対向する単位仕切壁の受面に弾性部材により弾力的に当接するよう付勢される可動部材とで構成される温冷蔵装置において、
前記可動部材の突出端部に、対向する単位仕切壁の受面側に開放する溝を、その長手方向に沿って形成し、該溝の内部に吹き込まれたエアの圧力により、前記突出端面が対向する単位仕切壁の受面から離間するよう前記弾性部材の弾力に抗して前記可動部材が持ち上がるよう構成したことを特徴とする。
【0008】
【発明の実施の形態】
次に、本発明に係る温冷蔵装置の仕切壁構造につき、好適な実施例を挙げて、添付図面を参照しながら説明する。
【0009】
【第1実施例】
図1および図2は、第1実施例に係る仕切壁構造の要部を示し、図3は、該仕切壁構造が採用される温冷蔵装置としての配膳車を示す。実施例の配膳車10は、前後両面が開放された全体として矩形箱状をなす断熱構造の本体12を備え、その底面には複数のキャスター14が配設されて移動可能に構成されている。この本体12内部の幅方向中央部に中間壁16が前後方向に設けられ、内部が左右2室に画成されている。更に、各室では、その幅方向の中央部よりも少し中間壁16側に寄った位置に、断熱性の仕切壁18が夫々設けられており、これにより仕切壁18の外側(中間壁16から離間する側)に温蔵室20が画成されると共に、仕切壁18の内側(中間壁16に近接する側)に温蔵室20よりも少し間口の狭い冷蔵室22が画成されるようになっている。また本体12の前後の開口部には、4つの室20,20,22,22の夫々に対応して4枚ずつの扉24が開閉可能に配設してある。
【0010】
前記本体12の上部には、図示しない加熱装置および冷却装置が配設され、加熱装置で生成された暖気を2つの温蔵室20,20に循環して各温蔵室20を加熱すると共に、冷却装置で生成された冷気を2つの冷蔵室22,22に循環して各冷蔵室22を冷却するよう構成されている。
【0011】
前記仕切壁18は、本体12内の前後方向に延在する複数の単位仕切壁26を、上下方向に所定間隔離間して積層配置することで基本的に構成される。各単位仕切壁26は、図1に示すように、上端側を裁頭山形状に形成した縦長断面の中空状に形成されており、該単位仕切壁26内には、上下方向に離間して複数の補強板28,28,28が、左右の側壁30,30の間に亘って形成されている。下側の2枚の補強板28,28には、その幅方向の中央部において、後述する可動部材32の摺動案内溝34が長手方向の全長に亘って夫々形成してある。なお、単位仕切壁26の長手方向一端部(前面側)には開口26aが開設され、該開口26aを介して前記可動部材32の出し入れを行ない得るよう構成されている。またこの開口26aは、単位仕切壁26に着脱可能に装着されるカバー36により閉塞されるようになっている。
【0012】
前記可動部材32は、単位仕切壁26と略同一長さで、前記摺動案内溝34,34に摺動可能に嵌合する幅寸法の箱状に形成されており、その上面が開放している。この可動部材32における上端の左右両側縁には、引掛部33,33が直角に折曲形成され、該引掛部33,33が、図2に示す如く、上側の摺動案内溝34の側縁に上側から係止されて抜け止め状態となっている。また可動部材32の上部には、弾性部材としての板バネ38が装着され、該板バネ38に形成されて可動部材32の上面から突出する隆起部38aが、前記下から3つ目の補強板28(摺動案内溝34が形成されていないもの)の下面に押し付けられることで、該可動部材32は下向きに弾力付勢されるよう構成される。
【0013】
前記単位仕切壁26に対して上下動可能に配設された可動部材32は、その下面である当面(突出端面)35が対向する下側の単位仕切壁26の上面である受面26bに対し、前記板バネ38の弾力によって常には当面35が受面26bに弾力的に当接するよう付勢され、前記温蔵室20と冷蔵室22との気密を確保するよう構成される。この可動部材32における単位仕切壁26の下端から突出する左右の側面(温蔵室20または冷蔵室22に臨む面)には、図2に示す如く、下方(当面35)に向かうにつれて幅方向中央に変位する傾斜面40,40が形成されている。そして、この傾斜面40,40に向けて前記温蔵室20または冷蔵室22側から所定圧力のエアを吹き付けた際に、その吹き付け圧力が、前記可動部材32を上方に押上げる方向に働き、前記当面35が単位仕切壁26の受面26bから離間するようになっている。なお、可動部材32の左右何れか一方の側面にのみ、前記傾斜面40を形成した形態であってもよい。
【0014】
前記中間壁16の左右両面には、図3に示す如く、左右の冷蔵室22,22に向けて水平に突出する複数のトレイ受け42が、上下方向に所定間隔離間して配設されている。また各温蔵室20を画成する本体12の側壁内面にも、同一高さ位置にトレイ受け42が温蔵室20に向けて水平に突出するよう配設される。なお、各トレイ受け42,42の配設高さは、前記仕切壁18における各単位仕切壁26の受面26bよりも所定高さだけ下になるよう設定されている。
【0015】
前記配膳車10に収容されるトレイ44は、プラスチック等で横長の矩形状に形成され、図3に示すように、横幅の中央部よりも少し一側に寄った位置に連結部44aが設けられて、該連結部44aを挟んだ広い温食用載置部44bに温かい状態で供される食品が載置されると共に、狭い冷食用載置部44cに冷たい状態で供される食品が載置されるようになっている。そしてこのトレイ44は、連結部44aを可動部材32と単位仕切壁26との間に差込むことで、温食用載置部44bが温蔵室20に収容されると共に、冷食用載置部44cが冷蔵室22に収容され、このとき各載置部44b,44cの下面が対応するトレイ受け42,42で支持受けられるよう構成される。
【0016】
【第1実施例の作用】
次に、第1実施例に係る仕切壁構造の作用につき、以下説明する。前記各単位仕切壁26の可動部材32は、その当面35が板バネ38の弾力によって、対応する下側に位置する単位仕切壁26の受面26bに弾力的に当接されて、前記温蔵室20と冷蔵室22との気密が確保されている。この状態で、配膳車10にトレイ44を収容する場合は、該トレイ44の連結部44aを、単位仕切壁26に配設された可動部材32に当てるようにして押し込む。これにより、可動部材32が板バネ38の弾力に抗して持ち上げられつつ、連結部44aが可動部材32の当面35と下側の単位仕切壁26の受面26bとの間に差込まれ、前記温食用載置部44bが温蔵室20に収容されると共に、冷食用載置部44cが冷蔵室22に収容される。このとき、連結部44aの下面が単位仕切壁26の受面26bに当接すると共に、可動部材32の当面35が連結部44aの上面に弾力的に当接されるので、この場合にも温蔵室20と冷蔵室22との気密は確保される。なお、トレイ44を取り出す場合は、該トレイ44をそのまま引き抜けば、再び可動部材32の当面35が下側の単位仕切壁26の受面26bに弾力的に当接される。
【0017】
前記トレイ44の出し入れに際してこぼれた汁等が、前記可動部材32に付着したまま放置されると、該可動部材32が円滑に上下動することの妨げとなり、またトレイ44の出し入れに支障が出るため、適宜に水洗いされる。すなわち、前記トレイ44を取り出した状態で、本体内部を洗浄水で水洗いする。この水洗いに際し、各可動部材32の当面35と単位仕切壁26の受面26bとの間に洗浄水が入り込むが、前記板バネ38により弾力付勢されている可動部材32を、作業者が押上げながら洗浄水を取り除く作業は極めて煩雑である。そこで、前記温蔵室20または冷蔵室22側から、所定圧力のエアを可動部材32の対応する傾斜面40に向けて吹き付ける。該傾斜面40は、その上部側から当面35側に向けて幅方向中央に変位するよう傾斜しているから、該傾斜面40に吹き付けられたエアの吹き付け圧力は、可動部材32を前記板バネ38の弾力に抗して上方へ移動するように作用する。従って、単位仕切壁26の受面26bから可動部材32の当面35が離間し、両面26b,35の間に付着している洗浄水を、前記エアにより吹き飛ばして取り除くことができる。
【0018】
すなわち、第1実施例の仕切壁構造では、可動部材32の傾斜面40に所定圧力のエアを吹き付けるだけで、前記当面35と受面26bとの間に付着している洗浄水を簡単に取り除くことができる。従って、洗浄水を充分に取り除かないまま、トレイ44を配膳車10に収容してしまうのを抑制することができ、水洗い後においてトレイ44を出し入れする度に洗浄水を拭き取る煩雑な作業から作業者を解放し得る。
【0019】
【第2実施例】
図4および図5は、第2実施例に係る仕切壁構造を示すものであって、可動部材の構成が異なるだけで、その他の部分は前記第1実施例と同一であるので、該可動部材の構成についてのみ説明する。なお、可動部材についても、第1実施例と同一部位には同じ符号を付して、その詳細説明は省略する。
【0020】
すなわち、第2実施例の可動部材46は、当該可動部材46が上下動可能に配設される単位仕切壁26の下端から突出する突出端部に、対向する下側の単位仕切壁26の受面26b側に開放する溝48が、その長手方向の全長に亘って形成されている。そして、該溝48を挟む左右両側の下面が、単位仕切壁26の受面26bに当接する当面35,35として構成される。なお、可動部材46の左右の側面は、前記引掛部33,33の形成位置から下端までストレートに形成してあるが、前記第1実施例と同様な傾斜面を形成してもよい。
【0021】
第2実施例の仕切壁構造では、本体12内部の水洗い後において、前記溝48の内部に前側または後側の開口から所定圧力のエアを吹き込むことで、該エアの圧力によって可動部材46が板バネ38の弾力に抗して持ち上がり、下側の単位仕切壁26の受面26bから可動部材46の当面35,35が離間する。そして、溝48内から側方に吹出すエアにより、両面26b,35の間に付着している洗浄水が吹き飛ばされる。すなわち、第2実施例においても、エアを溝48内に吹き込むだけで、洗浄水を簡単に取り除くことができる。なお、溝48を形成しても、左右の当面35,35が対応する受面26bに弾力的に当接することで、温蔵室20と冷蔵室22との気密は好適に確保される。
【0022】
【第2実施例の変更例】
図6は、第2実施例に係る可動部材の変更例を示すものであって、可動部材46に形成された前記溝48の長手方向両側に、対向する単位仕切壁26の受面26bに当接可能な軟質の覆部材50が夫々配設されている。すなわちこの変更例では、第2実施例と同様に、前記溝48内にエアを吹き込むことで、各当面35と受面26bとの間に付着している洗浄水を簡単に取り除くことができる。また、前記扉24を開放した際には、覆部材50により溝48を隠すことができると共に、溝48内に前後端部側から汁等が入り込むのを抑制することができる。
【0023】
なお、第2実施例や変更例のように、可動部材46の突出端部に溝48を形成した構成では、当面35と受面26bとの当接面積が小さくなり、洗浄水が付着する量も少なくなるから、該洗浄水の取り除きも容易となる。また水洗い後に、例えば温蔵室20を加熱して乾燥すれば、その熱が溝48内にも容易に伝わり、当面35と受面26bとの間の洗浄水を短時間で乾燥させることができる。
【0024】
前述した各実施例では、単位仕切壁に上下動可能に配設した可動部材を下側に突出させる場合で説明したが、各実施例とは上下逆の構成を採用することができる。すなわち、各単位仕切壁に対して上側に突出するように可動部材を配設し、該可動部材の上面(受面)を対応する上側に位置する単位仕切壁の下面(受面)に弾力的に当接する構成としてもよい。なお、この場合に可動部材の左右側面に形成される傾斜面の傾斜方向は、温蔵室または冷蔵室側からのエアの吹き付け圧力が、単位仕切壁の受面から当面が離間する方向に可動部材を移動するように作用させるものであればよい。
【0025】
【発明の効果】
以上に述べた如く、本発明に係る温冷蔵装置の仕切壁構造によれば、可動部材の当面と単位仕切壁の受面との間に付着する洗浄水を簡単に取り除くことができ、省力化を図り得る。また、洗浄水を充分に取り除かないままトレイを配膳車に収容してしまうのを抑制することができ、水洗い後においてトレイを出し入れする度に洗浄水を拭き取る煩雑な作業から作業者を解放することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第1実施例に係る仕切壁構造を示す一部切欠き斜視図である。
【図2】 第1実施例に係る仕切壁構造を示す要部正面図である。
【図3】 第1実施例に係る仕切壁構造が採用される配膳車を示す一部切欠き正面図である。
【図4】 第2実施例に係る仕切壁構造における可動部材を示す要部縦断側面図である。
【図5】 第2実施例に係る仕切壁構造を示す要部正面図である。
【図6】 第2実施例の変更例に係る可動部材を示す要部縦断側面図である。
【符号の説明】
12 本体, 18 仕切壁, 20 温蔵室, 22 冷蔵室, 26 単位仕切壁
26b 受面, 35 当面(突出端面), 38 板バネ(弾性部材), 46 可動部材
48 溝, 50 覆部材
Claims (2)
- 本体(12)内部に配設されて左右両側に温蔵室(20)と冷蔵室(22)とを画成する仕切壁(18)が、上下方向に離間して積層配置した複数の単位仕切壁(26)と、各単位仕切壁(26)に上下動可能に配設されて上側または下側に突出し、その突出端面(35)を対向する単位仕切壁(26)の受面(26b)に弾性部材(38)により弾力的に当接するよう付勢される可動部材(46)とで構成される温冷蔵装置において、
前記可動部材(46)の突出端部に、対向する単位仕切壁(26)の受面(26b)側に開放する溝(48)を、その長手方向に沿って形成し、該溝 (48) の内部に吹き込まれたエアの圧力により、前記突出端面 (35) が対向する単位仕切壁 (26) の受面 (26b) から離間するよう前記弾性部材 (38) の弾力に抗して前記可動部材 (46) が持ち上がるよう構成した
ことを特徴とする温冷蔵装置の仕切壁構造。 - 前記溝(48)の長手方向両側に、対向する単位仕切壁(26)の受面(26b)に当接可能な軟質の覆部材(50)が配設されている請求項1記載の温冷蔵装置の仕切壁構造。
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