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JP3768348B2 - 半導体装置及びその製造方法 - Google Patents
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JP3768348B2 - 半導体装置及びその製造方法 - Google Patents

半導体装置及びその製造方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ノンアロイ系のオーミックコンタクトを有するIII−V族系化合物半導体よりなる半導体装置及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
III−V族系化合物半導体デバイスは、高速動作が要求される種々のプロダクトに応用されている。例えば、GaAs MESFETは携帯電話などの移動体通信システムなどに、高電子移動度トランジスタ(HEMT:High Electron Mobility Transistor)は衛星放送受信用アンテナなどに広く利用されている。
【0003】
これら半導体装置からの配線の引き出しは、III−V族化合物半導体層表面にオーミックコンタクト領域を設けることにより金属配線層と化合物半導体層との間のショットキーバリア幅を低減することにより行われている。高速動作が要求される上記の半導体装置では、オーミックコンタクトの性能がデバイス特性に直接影響を及ぼすため、よりコンタクト抵抗が低く、且つ、よりオーミック性に優れたオーミックコンタクトの形成が望まれている。
【0004】
以下、III−V族系化合物半導体の代表的なものであるn形GaAsを例に挙げ、従来のオーミックコンタクトの構造及び製造方法について説明する。
GaAsは、その表面に多くの界面準位を有するため、GaAs上に金属膜を直接形成するとフェルミレベルピンニングにより金属の種類によらず約0.8eV程度の高いショットキー障壁が形成される。このため、n形GaAsの場合には、GaAs上に例えばAuGeNi合金を堆積してGaAsとの間でアロイ化し、オーミックコンタクト層を形成している。
【0005】
アロイ化によりオーミックコンタクトを形成する上記の系では、GaAs表面近傍にn形ドーパントのGeを高濃度に拡散させることでショットキー障壁層を薄くし、電子をトンネルしやすくすることでオーミックコンタクトを実現するものである。しかしながら、熱処理によるGeの拡散の制御は困難なため、製造過程における制御性や信頼性を高めるためには熱処理を施さないノンアロイによりオーミックコンタクトを形成することが望ましい。
【0006】
ノンアロイによるオーミックコンタクトを形成するためには、フェルミレベルピンニングを解除し、GaAsとの仕事関数差の小さい金属を接触させることによりショットキー障壁の高さを低減することが必要である。
本願発明者等は、かかる観点からノンアロイによるオーミックコンタクトの形成を試みており、特願平8−248170号明細書において、原料にターシャリブチルガリウムサルファイドキュベン(tertiary-butyl-gallium-sulfide cubane、化学式:((t−Bu)GaS)4)を用いたMBE(分子線エピタキシャル成長:Molecular Beam Epitaxy)法によりGaAs上にGaS層を堆積することにより、GaAs表面の表面準位密度を5×1010eV-1cm-2まで低減できることを示している。
【0007】
また、図12に示すように、仕事関数の異なる金属(Ti、Al、Au)をGaAs上のGaS層上に形成した場合には、これら組み合わせによるI−V特性が顕著な変化をすることから、GaS層をGaAs上に形成することによりGaAs表面のフェルミレベルピンニングが解除されることが明らかとなっている。
そして、上記の組み合わせにおいて、GaAsとの仕事関数差が最も小さいTi層をGaS層上に形成した場合には、オーミックライクなI−V特性が得られており、このときのコンタクト抵抗率は約4×10-3Ωcm2であった。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、Ti層/GaS層/n+−GaAs構造によりオーミックコンタクトを形成する上記従来の半導体装置では、コンタクト抵抗率が、従来のAuGeNiを用いたアロイ系の場合に得られる10-6Ωcm2台のコンタクト抵抗率と比較して極めて高く、アロイ系のオーミックコンタクトに置き換えるに十分な特性を有しているとはいえない。
【0009】
本発明の目的は、アロイ系のオーミックコンタクトにより得られるコンタクト抵抗率と遜色のないコンタクト抵抗率を得られるノンアロイのオーミックコンタクトを有する半導体装置及びその製造方法を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記目的は、III−V族化合物半導体層と、前記III−V族化合物半導体層上に形成され、少なくともTiを含む硫化物、セレン化物又はテルル化物よりなるオーミックコンタクト層と、前記オーミックコンタクト層上に形成された金属層とを有することを特徴とする半導体装置によって達成される。このようにして半導体装置を構成することにより、III−V族化合物半導体層と金属層との間のコンタクト抵抗を、AuGeNiを用いたアロイ系のオーミックコンタクトにより得られる値とほぼ等しい程度にまで低減することができる。
【0011】
また、上記目的は、半導体基板上に形成されたチャネル層と、前記チャネル層上に形成された電子供給層と、前記電子供給層上に形成されたIII−V族化合物半導体よりなるコンタクト層と、前記コンタクト層上に形成され、少なくともTiを含む硫化物、セレン化物又はテルル化物よりなるオーミックコンタクト層と、前記オーミックコンタクト層上に形成されたソース/ドレイン電極と前記ソース/ドレイン電極の間の前記電子供給層上に形成されたゲート電極とを有することを特徴とする半導体装置によっても達成される。このようにして半導体装置を構成することにより、ソース/ドレイン電極とコンタクト層との間のコンタクト抵抗を、AuGeNiを用いたアロイ系のオーミックコンタクトにより得られる値とほぼ等しい程度にまで低減することができる。これにより、信頼性に優れた低抵抗のオーミックコンタクト層を有する半導体装置を制御性よく形成することができる。
【0012】
また、上記の半導体装置において、前記オーミックコンタクト層は、TiGaS層、又はTiS層であることが望ましい。
また、上記の半導体装置において、前記オーミックコンタクト層は、TiGaSe層、又はTiSe層であることが望ましい。
また、上記の半導体装置において、前記オーミックコンタクト層は、TiGaTe層、又はTiTe層であることが望ましい。
【0013】
また、上記の半導体装置において、前記III−V族化合物半導体層は、GaAs層、AlGaAs層、InGaAs層、InAlAs層、InGaP層、InAlP層、InGaAlAs層、InGaAlP層、InP層、GaP層又はAlP層であることが望ましい。
また、上記目的は、III−V族化合物半導体層上に、少なくともTiを含む硫化物、セレン化物又はテルル化物を含む層よりなるオーミックコンタクト層を形成する工程を有することを特徴とする半導体装置の製造方法によっても達成される。このようにして半導体装置を製造することにより、III−V族化合物半導体層上に、AuGeNiを用いたアロイ系のオーミックコンタクトにより得られる値とほぼ等しいコンタクト抵抗を有するオーミックコンタクト層を形成することができる。
【0014】
また、上記の半導体装置の製造方法において、前記オーミックコンタクト層は、分子線エピタキシャル成長法により成長することが望ましい。上記のオーミックコンタクト層は、III−V族化合物半導体層上にMBE法により直に形成することができる。
また、上記の半導体装置の製造方法において、前記III−V族化合物半導体層上に、GaS層を形成する工程と、前記GaS層上に、Ti層を形成する工程と、前記GaS層と前記Ti層とを反応させ、前記III−V族化合物半導体層上に、少なくともTi及びSを含む層よりなる前記オーミックコンタクト層を形成する工程とを有することが望ましい。上記のオーミックコンタクト層は、GaS層とTi層を反応させることにより形成することができる。
【0015】
また、上記の半導体装置の製造方法において、前記III−V族化合物半導体層上に、GaSe層を形成する工程と、前記GaSe層上に、Ti層を形成する工程と、前記GaSe層と前記Ti層とを反応させ、前記III−V族化合物半導体層上に、少なくともTi及びSeを含む層よりなる前記オーミックコンタクト層を形成する工程とを有することが望ましい。上記のオーミックコンタクト層は、GaSe層とTi層を反応させることにより形成することができる。
【0016】
また、上記の半導体装置の製造方法において、前記III−V族化合物半導体層上に、GaTe層を形成する工程と、前記GaTe層上に、Ti層を形成する工程と、前記GaTe層と前記Ti層とを反応させ、前記III−V族化合物半導体層上に、少なくともTi及びTeを含む層よりなる前記オーミックコンタクト層を形成する工程とを有することが望ましい。上記のオーミックコンタクト層は、GaTe層とTi層を反応させることにより形成することができる。
【0017】
【発明の実施の形態】
[第1実施形態]
本発明の第1実施形態による半導体装置及びその製造方法について図1乃至図8を用いて説明する。
図1は本実施形態による半導体装置の構造を示す概略断面図、図2乃至図4は本実施形態による半導体装置の製造方法を示す工程断面図、図5はオーミックコンタクト層の形成過程における反応形態を示す概略断面図、図6は本実施形態による半導体装置の電気特性を測定するために用いた測定パターンの構造を示す概略断面図、図7は本実施形態による半導体装置におけるオーミックコンタクト層の電気特性を示すグラフ、図8はコンタクト抵抗率と熱処理温度との関係を示すグラフである。
【0018】
はじめに、本実施形態による半導体装置の構造について図1を用いて説明する。
GaAs基板10上には、アンドープのGaAsよりなるバッファ層12が形成されている。バッファ層12上には、In0.2Ga0.8Asよりなるチャネル層14が形成されている。チャネル層14上には、n+−Al0.3Ga0.7Asよりなる電子供給層16が形成されている。電子供給層16上には、n+−GaAsよりなるコンタクト層18が形成されているコンタクト層18にはリセス領域22が設けられており、リセス領域22内に露出する電子供給層上にはAlよりなるゲート電極36が形成されている。コンタクト層18上には、TiGaS層よりなるオーミックコンタクト層30が形成されている。オーミックコンタクト層30上には、ソース/ドレイン電極32が形成されている。こうして、高電子移動度トランジスタが構成されている。
【0019】
ここで、本実施形態による半導体装置は、半導体層と金属層との間のオーミック接続を実現するために設けるオーミックコンタクト層30として、TiGaS層が用いられていることに特徴がある。すなわち、TiGaS層中のS(硫黄)はコンタクト層18のパッシベーションとして機能してGaAsの表面準位密度の低減に寄与する。また、TiGaS層は金属的な振舞いをし、オーミックコンタクトの抵抗値自体が低減される。したがって、このように半導体装置を構成することにより、コンタクト特性を大幅に向上することができる。
【0020】
次に、本実施形態による半導体装置の製造方法について図2乃至図4を用いて説明する。
まず、GaAs基板10上に、MBE法により、膜厚約500nmのアンドープのGaAsよりなるバッファ層12と、膜厚約15nmのIn0.2Ga0.8Asよりなるチャネル層14と、膜厚約15nm、ドナー濃度2×1018cm-3のn+−Al0.3Ga0.7Asよりなる電子供給層16と、膜厚約10nm、ドナー濃度2×1018cm-3のn+−GaAsよりなるコンタクト層18とを順次エピタキシャル成長する(図2(a))。成長条件は、例えば、基板温度を580℃、GaAsの成長速度を1μm/h、AlGaAsの成長速度を1.3μm/hとする。
【0021】
次いで、このようにエピタキシャル結晶層を成長したGaAs基板10を、GaS層の成膜用のMBE装置に導入し、トリスジメチルアミノ砒素(Trisdimethylaminoarsine、化学式:As[N(CH323)を用いた基板表面のクリーニングを行う。トリスジメチルアミノ砒素は、低温で酸化膜を除去する効果を有しており、トリスジメチルアミノ砒素を基板表面に照射することにより表面酸化膜を除去することができる。クリーニングの条件は、例えば、基板温度を500℃、トリスジメチルアミノ砒素の流量を0.2sccm、処理時間を5分間とする。
【0022】
続いて、n+−GaAsよりなるコンタクト層18上に、MBE法により、膜厚約15nmのアモルファスGaS層20を堆積する(図2(b))。例えば、基板温度を350℃とし、100℃に加熱したクヌードセンセル(Knudsen cell)のPBNクルーシブル(crucible)内に載置された原料の((t−Bu)GaS)4をシャッター開放により基板上に照射し、GaS層20を成長する。
【0023】
この後、GaS層20とコンタクト層18とをエッチングし、電子供給層16上にゲート電極を形成するためのリセス領域22を形成する(図2(c))。
次いで、全面に、例えばCVD法により、膜厚約100nmのSiON膜24を形成する(図3(a))。SiON膜24は層間絶縁膜として機能する。
続いて、コンタクト層18上のSiON膜24に、オーミックコンタクト領域を形成するための開口部26を形成する。
【0024】
この後、全面に、膜厚約10nmのTi(チタン)層と、膜厚約40nmのPt(プラチナ)層と、膜厚約300nmのAu(金)層とを順次蒸着する。
次いで、リフトオフにより、開口部26内にのみAu層/Pt層/Ti層よりなる導電層28を残存させる(図3(b))。
続いて、例えば300℃10分間の熱処理を行い、GaS層20とTi層との反応層であるオーミックコンタクト層30と、Au層/Pt層/Ti層よりなるソース/ドレイン電極32とを形成する。
【0025】
この熱処理では、図5(a)及び(b)に示すように、Ti層28a中のTiとGaS層20中のGaとの置換反応が生じ、n+−GaAsよりなるコンタクト層18上には、TiGaS層よりなるオーミックコンタクト層30が形成される。また、オーミックコンタクト層30上には、一部のTiがGaと置換されたTiGa層28cが形成される。このようにTiGaS層が形成されると、TiGaS層中のS(硫黄)はコンタクト層18のパッシベーションとして機能して、GaAsの表面準位密度が低減される。また、TiGaS層は、金属的な振舞いをすることになる。これにより、Pt層とコンタクト層18との間にはオーミックコンタクトが形成されることとなる。
【0026】
この後、リセス領域22上のSiON膜24に、ゲート電極を形成するための開口部34を形成する。
次いで、全面に、例えば真空蒸着法により、膜厚約200nmのAl(アルミ)層を堆積してリフトオフし、開口部34内にAl層よりなるゲート電極36を形成する。
【0027】
これにより、オーミックコンタクト層30のコンタクト抵抗及びオーミック性が改善されたHEMTを形成することができる。
このようにして形成したオーミックコンタクト層30における電気的特性を測定するため、図6に示すような測定用パターンを形成した。
図6に示す測定用パターンは、GaAs基板40上に、n+−GaAs層42をエピタキシャル成長し、上述した方法と同様の方法により、GaS層44、導電層46を形成し、この後、オーミックコンタクト層を形成するための熱処理を行ったものである。また、一部の試料については、比較のためオーミックコンタクト層を形成するための熱処理を行わなかった。
【0028】
このようにして形成した測定用パターンについて電流−電圧特性を測定したところ、図7に示すように、熱処理を行わなかった試料ではコンタクト抵抗率が約4×10-3Ωcm2であったが、熱処理を行った試料ではコンタクト抵抗率を約4×10-6Ωcm2まで低減することができた。この値は、従来のAuGeNiを用いたアロイ系の場合に得られる10-6Ωcm2台のコンタクト抵抗率と遜色のないものである。
【0029】
図8はコンタクト抵抗率と熱処理時間との関係を示したグラフである。図中、○は熱処理温度を350℃とした場合を、●は熱処理温度を300℃とした場合を示している。
図示するように、熱処理温度を300℃とした場合、最初の約十分間はコンタクト抵抗率は徐々に低下するが、その後、コンタクト抵抗率は上昇する。これは、熱処理の初期段階ではコンタクト層18上にTiGaS層が形成されることによりコンタクト抵抗率が低下するが、更に熱処理を続けるとコンタクト層18内にまでTiが拡散し、コンタクト層18内の抵抗値増加させるためと考えられる。
【0030】
また、熱処理温度を350℃とした場合、約1分間の熱処理によってコンタクト抵抗率を約3×10-6Ωcm2まで低減することができるが、熱処理時間の増加とともに急激に増加する。
このように、オーミックコンタクト層30のコンタクト抵抗率は、熱処理条件やGaS層の膜厚によって大きく変化する。したがって、オーミックコンタクト層30を形成するための熱処理条件は、GaS層の膜厚などに応じて適宜設定することが望ましい。すなわち、コンタクト層18内にまでTiが拡散するとコンタクト層18内の抵抗値を上昇させることとなるので、熱処理条件は、少なくともTi層中のTiとGaS層中のGaとの置換反応が生じる条件であって、Ti層中のTiがコンタクト層18中に拡散しない範囲で設定する必要がある。
【0031】
このように、本実施形態によれば、n+−GaAsよりなるコンタクト層18上にTiGaS層よりなるオーミックコンタクト層30を形成するので、コンタクト領域におけるコンタクト抵抗率を、AuGeNiを用いたアロイ系の場合に得られるコンタクト抵抗率とほぼ等しいほどにまで低減することができる。これにより、信頼性に優れたオーミックコンタクト層を制御性よく形成することができる。
【0032】
なお、上記実施形態では、GaAs上に、GaS層、Ti層を堆積し、熱処理によってTiGaS層よりなるオーミックコンタクト層30を形成したが、GaS層20中のGaをすべてTiにより置換し、TiS層よりなるオーミックコンタクト層30を形成してもよい。GaAsの表面準位をパッシベーションする効果を有するSを含み、GaAsに対する仕事関数差の小さいTiが含まれていれば上述と同様の効果を得ることができるので、少なくともオーミックコンタクト層30には、Ti及びSが含まれていればよい。
【0033】
また、GaAsの表面準位をパッシベーションする効果を有する他の元素として、例えば、Se(セレン)やTe(テルル)を用いることもできる。
すなわち、GaAsのコンタクト層18上に、GaSe層又はGaTe層と、Ti層とを堆積して熱処理を行い、TiGaSe層(或いはTiSe層)よりなるオーミックコンタクト層30aを形成し(図9)、又はTiGaTe層(或いはTiTe層)よりなるオーミックコンタクト層30bを形成することによっても(図10)、本実施形態と同様の効果を得ることができる。
【0034】
これらの膜を堆積する際には、原料として、例えばターシャリブチルガリウムセレナイドキュベン(tertiary-butyl-gallium-selenide cubane、化学式:((t−Bu)GaSe)4)、ターシャリブチルガリウムテルライドキュベン(tertiary-butyl-gallium-telluride cubane、化学式:((t−Bu)GaTe)4)、固体Ga、固体Se、固体Teを用いることができる。
【0035】
[第2実施形態]
本発明の第2実施形態による半導体装置及びその製造方法について図11を用いて説明する。
図11は本実施形態による半導体装置の構造及び製造方法を示す概略断面図である。
【0036】
第1実施形態による半導体装置及びその製造方法では、GaS層とTi層とを反応させてコンタクト層18上にTiGaS層よりなるオーミックコンタクト層32を形成したが、TiGaS層のもたらす上述の効果は、GaS層とTi層とを反応しなければ得られないというものではない。すなわち、GaAs上に、TiGaS層を直接成長することによっても上述したと同様の低抵抗のオーミックコンタクト層30を形成することができる。
【0037】
すなわち、図2(b)に示す工程において、GaS層20を形成する代わりにTiGaS層を直に形成してこれをオーミックコンタクト層30とし(図11(a))、その上層にソース/ドレイン電極32を堆積することによっても、コンタクト抵抗率が低く信頼性に優れたオーミックコンタクト層を制御性よく形成することができる(図11(b))。
【0038】
なお、TiGaS層48の形成には、固体Ga、Ti(S−t−Bu)4を原料に用いたMBE法を適用することができる。
このように、本実施形態によれば、TiGaS層よりなるオーミックコンタクト層30を、GaAsよりなるコンタクト層18上に直に形成するので、コンタクト領域におけるコンタクト抵抗率を、AuGeNiを用いたアロイ系の場合に得られるコンタクト抵抗率とほぼ等しいほどにまで低減することができる。これにより、信頼性に優れたオーミックコンタクト層を制御性よく形成することができる。
【0039】
なお、上記実施形態では、オーミックコンタクト層30として、TiGaS層48を適用したが、第1実施形態において示したように、TiGaS層の代わりにTiS層を形成することによっても同様の効果を得ることができる。また、GaAs上に、TiGaSe層(或いはTiSe層)又はTiGaTe層(或いはTiTe層)よりなるオーミックコンタクト層30を形成することによっても同様の効果を得ることができる。
【0040】
[変形実施形態]
本発明は、上記実施形態に限らず種々の変形が可能である。
例えば、上記第1及び第2上記実施形態では、GaAs上にオーミックコンタクト層を形成する場合を例に説明したが、GaAsと同族である他のIII−V族化合物半導体によっても同様の効果を得ることができる。例えば、AlGaAs、InGaAs、InAlAs、InGaP、InAlP、InGaAlAs、InGaAlP、InP、GaP又はAlPなどの化合物半導体であっても、上述の構造により低抵抗のオーミックコンタクト層を形成することができる。
【0041】
また、上記第1及び第2実施形態では、本発明によるオーミックコンタクト層をHEMTに適用した場合について示したが、III−V族系化合物半導体と金属層とのオーミックコンタクトを有する種々の半導体装置に適用することができる。
【0042】
【発明の効果】
以上の通り、本発明によれば、III−V族化合物半導体層と、III−V族化合物半導体層上に形成され、少なくともTiを含む硫化物、セレン化物又はテルル化物よりなるオーミックコンタクト層と、オーミックコンタクト層上に形成された金属層とにより半導体装置を構成するので、III−V族化合物半導体層と金属層との間のコンタクト抵抗を、AuGeNiを用いたアロイ系のオーミックコンタクトにより得られる値とほぼ等しい程度にまで低減することができる。
【0043】
また、半導体基板上に形成されたチャネル層と、チャネル層上に形成された電子供給層と、電子供給層上に形成されたIII−V族化合物半導体よりなるコンタクト層と、コンタクト層上に形成され、少なくともTiを含む硫化物、セレン化物又はテルル化物よりなるオーミックコンタクト層と、オーミックコンタクト層上に形成されたソース/ドレイン電極とソース/ドレイン電極の間の電子供給層上に形成されたゲート電極とにより半導体装置を構成するので、ソース/ドレイン電極とコンタクト層との間のコンタクト抵抗を、AuGeNiを用いたアロイ系のオーミックコンタクトにより得られる値とほぼ等しい程度にまで低減することができる。これにより、信頼性に優れた低抵抗のオーミックコンタクト層を有する半導体装置を制御性よく形成することができる。
【0044】
また、III−V族化合物半導体層上に、少なくともTiを含む硫化物、セレン化物又はテルル化物よりなるオーミックコンタクト層を形成する工程を有する半導体装置の製造方法により半導体装置を製造することにより、III−V族化合物半導体層上に、AuGeNiを用いたアロイ系のオーミックコンタクトにより得られる値とほぼ等しいコンタクト抵抗を有するオーミックコンタクト層を形成することができる。
【0045】
また、上記の半導体装置の製造方法において、オーミックコンタクト層は、III−V族化合物半導体層上にMBE法により直に形成することができる。
また、上記の半導体装置の製造方法において、オーミックコンタクト層は、III−V族化合物半導体層上にGaS層を形成する工程と、GaS層上にTi層を形成する工程と、GaS層とTi層とを反応させる工程とにより形成することができる。
【0046】
また、上記の半導体装置の製造方法において、オーミックコンタクト層は、III−V族化合物半導体層上にGaS層を形成する工程と、GaSe層上にTi層を形成する工程と、GaS層とTi層とを反応させる工程とにより形成することができる。
また、上記の半導体装置の製造方法において、オーミックコンタクト層は、III−V族化合物半導体層上にGaS層を形成する工程と、GaTe層上にTi層を形成する工程と、GaS層とTi層とを反応させる工程とにより形成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態による半導体装置の構造を示す概略断面図である。
【図2】本発明の第1実施形態による半導体装置の製造方法を示す工程断面図(その1)である。
【図3】本発明の第1実施形態による半導体装置の製造方法を示す工程断面図(その2)である。
【図4】本発明の第1実施形態による半導体装置の製造方法を示す工程断面図(その3)である。
【図5】オーミックコンタクト層の形成過程における反応形態を示す概略断面図である。
【図6】本発明の第1実施形態による半導体装置の電気特性を測定するために用いた測定パターンの構造を示す概略断面図である。
【図7】本発明の第1実施形態による半導体装置におけるオーミックコンタクト層の電気特性を示すグラフである。
【図8】コンタクト抵抗率と熱処理温度との関係を示すグラフである。
【図9】第1実施形態の変形例による半導体装置及びその製造方法を示す概略断面図(その1)である。
【図10】第1実施形態の変形例による半導体装置及びその製造方法を示す概略断面図(その2)である。
【図11】本発明の第2実施形態による半導体装置の構造及びその製造方法を示す概略断面図である。
【図12】従来の半導体装置におけるコンタクト部の電流−電圧特性を示すグラフである。
【符号の説明】
10…GaAs基板
12…バッファ層
14…チャネル層
16…電子供給層
18…コンタクト層
20…GaS層
22…リセス領域
24…SiON膜
26…開口部
28…導電層
30…オーミックコンタクト層
32…ソース/ドレイン電極
34…開口部
36…ゲート電極
40…GaAs基板
42…n+−GaAs層
44…GaS層
46…導電層

Claims (11)

  1. III−V族化合物半導体層と、
    前記III−V族化合物半導体層上に形成され、少なくともTiを含む硫化物、セレン化物又はテルル化物よりなるオーミックコンタクト層と、
    前記オーミックコンタクト層上に形成された金属層と
    を有することを特徴とする半導体装置。
  2. 半導体基板上に形成されたチャネル層と、
    前記チャネル層上に形成された電子供給層と、
    前記電子供給層上に形成されたIII−V族化合物半導体よりなるコンタクト層と、
    前記コンタクト層上に形成され、少なくともTiを含む硫化物、セレン化物又はテルル化物よりなるオーミックコンタクト層と、
    前記オーミックコンタクト層上に形成されたソース/ドレイン電極と
    前記ソース/ドレイン電極の間の前記電子供給層上に形成されたゲート電極と
    を有することを特徴とする半導体装置。
  3. 請求項1又は2記載の半導体装置において、
    前記オーミックコンタクト層は、TiGaS層、又はTiS層である
    ことを特徴とする半導体装置。
  4. 請求項1又は2記載の半導体装置において、
    前記オーミックコンタクト層は、TiGaSe層、又はTiSe層である
    ことを特徴とする半導体装置。
  5. 請求項1又は2記載の半導体装置において、
    前記オーミックコンタクト層は、TiGaTe層、又はTiTe層である
    ことを特徴とする半導体装置。
  6. 請求項1乃至5のいずれか1項に記載の半導体装置において、
    前記III−V族化合物半導体層は、GaAs層、AlGaAs層、InGaAs層、InAlAs層、InGaP層、InAlP層、InGaAlAs層、InGaAlP層、InP層、GaP層又はAlP層である
    ことを特徴とする半導体装置。
  7. III−V族化合物半導体層上に、少なくともTiを含む硫化物、セレン化物又はテルル化物よりなるオーミックコンタクト層を形成する工程を有する
    ことを特徴とする半導体装置の製造方法。
  8. 請求項7記載の半導体装置の製造方法において、
    前記オーミックコンタクト層は、分子線エピタキシャル成長法により成長する
    ことを特徴とする半導体装置の製造方法。
  9. 請求項7記載の半導体装置の製造方法において、
    前記III−V族化合物半導体層上に、GaS層を形成する工程と、
    前記GaS層上に、Ti層を形成する工程と、
    前記GaS層と前記Ti層とを反応させ、前記III−V族化合物半導体層上に、少なくともTi及びSを含む層よりなる前記オーミックコンタクト層を形成する工程と
    を有することを特徴とする半導体装置の製造方法。
  10. 請求項7記載の半導体装置の製造方法において、
    前記III−V族化合物半導体層上に、GaSe層を形成する工程と、
    前記GaSe層上に、Ti層を形成する工程と、
    前記GaSe層と前記Ti層とを反応させ、前記III−V族化合物半導体層上に、少なくともTi及びSeを含む層よりなる前記オーミックコンタクト層を形成する工程と
    を有することを特徴とする半導体装置の製造方法。
  11. 請求項7記載の半導体装置の製造方法において、
    前記III−V族化合物半導体層上に、GaTe層を形成する工程と、
    前記GaTe層上に、Ti層を形成する工程と、
    前記GaTe層と前記Ti層とを反応させ、前記III−V族化合物半導体層上に、少なくともTi及びTeを含む層よりなる前記オーミックコンタクト層を形成する工程と
    を有することを特徴とする半導体装置の製造方法。
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