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JP3769401B2 - 建物ユニット及びユニット建物 - Google Patents
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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、梁と柱とを結合して箱型に構成される建物ユニット及びユニット建物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来のユニット建物等に用いられる建物ユニットは、図2に示すように、鋼材製の梁12,13,14,15と柱11とを結合して平面視長方形状の箱型に構成されている。そして図4に示すように、四隅の柱11は一辺長さが外壁と内壁との隙間以下の断面正方形筒状である(例えば特開昭55−39549号公報参照)。
しかしながら、従来の建物ユニットの構造では、上記断面正方形筒状の柱では、構造的に低層建物(3階建て以下)にしか適用できず、また豪雪地域等の構造的制約が厳しい環境での建物には適用できないなどの課題があった。
【0003】
上記の課題に対して、例えば特開平5−171688号公報には、図4に示すように柱
として中実鋼材2A又は角形鋼管2aの内部に長尺鋼管2bを配材した補強鋼管2Bを用いることにより、中層建物や豪雪地域等の厳しい条件下でも十分な構造強度が得られる住宅ユニット構造として開示されている(従来技術1)。
【0004】
又、例えば特開平5−311757号公報には、図5に示すように建物ユニットの全体の寸法比率を変更することなく、また鋼材の板厚を増すことなく、4隅の柱11Aの断面形状を長方形に変更することにより、直方体状の建物用ユニットにおける長さ方向の水平荷重に対する構造耐力を向上させることが開示されている(従来技術2)。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
上記従来技術1のユニット構造体は、鋼材量の使用が増大し、溶接等の固着によるコストアップの問題があり、又曲げ剛性や曲げ強度の向上に対しては効率的でないという問題点があった。
【0006】
上記従来技術2の建物ユニットは、4隅の柱の断面形状が長方形であるから長さ方向の断面2次モーメントが増加し、構造耐力が向上し、構造力学的バランスが良くなるが、構造耐力をより必要とし、曲げ剛性や曲げ強度を必要とする場合にはまだ十分とは言えなかった。
【0007】
従って、本発明は、建物ユニットの寸法比率を変更することなく、また鋼材の板厚を増すことなく、壁内に収まる柱を使用することにより、曲げ剛性や曲げ強度がアップした建物ユニット及びユニット建物を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載の発明においては、梁を介して四隅に配置する四本の柱を結合し、平面視長方形状の箱型に構成された建物ユニットであって、前記四本の柱のうち、少なくとも一つは平面視ほぼ正方形で中空に形成された第一の柱であり、残りの柱のうち、少なくとも一つは結合される二辺の梁側に向けて突出するように前記箱型の内側に入隅部を有する平面視ほぼL形状で中空に形成された第二の柱であり、この第二の柱は、前記入隅部に対向する外壁側の辺の長さが、第一の柱の辺の長さよりも長くなっていることを特徴とする。
【0009】
請求項2に記載の発明においては、請求項1記載の建物ユニットを含む複数の建物ユニットが上下、左右に複数個組み合わせてなるユニット建物であることを特徴とする。
【0010】
請求項3に記載の発明においては、請求項2に記載のユニット建物において、前記第一の柱を内部に配置し、前記第二の柱を出隅部分に配置したことを特徴とする。
【0011】
建物外周出隅部や、特に必要な建物内部に二辺に沿って突出した第二の柱を用い、建物外周直線部や入隅部には平面視長方形の柱を用い、その他内部に平面視正方形の第一の柱を用いる等柱の種類を混在してもよい。
また、一つの建物ユニット内に、二辺に沿って突出した柱や、平面視長方形や正方形の柱が混在してもよい。
【0012】
【作用】
請求項1に記載の発明においては、第二の柱の幅が両方向とも建物ユニットの一辺の外壁と内壁との隙間より大寸法となり、鋼材の板厚を増すことなく、断面2次モーメント及び断面係数が大きくなり、構造耐力の優れた建物ユニットとなる。
【0013】
請求項2及び3に記載の発明においては、請求項1記載の建物ユニットを含む複数の建
物ユニットが上下、左右に複数個組み合わせてなるユニット建物であるから、建物ユニットの全体寸法比率を変更することなく、内外壁、間仕切り等の納まりが良く室内の空間が有効に利用できる。
【0014】
【発明の実施の形態】
図面を参照して本発明の一実施例を説明する。図1(イ)は本発明に係る建物ユニットの斜視図、図1(ロ)は本発明に係る建物ユニットの図1(イ)A部の拡大平面図である。図2(イ)は従来の建物ユニットの斜視図、図2(ロ)は図2(イ)B部の拡大平面図である。図3は本発明の建物ユニット及び従来の建物ユニットを組み合わせてなる3階建てユニット建物の一例を示し、(イ)はユニット建物の斜視図、(ロ)は建物ユニットを組み合わせた平面図である。
【0015】
図1(イ)は建物ユニット10の骨組みを示し、建物ユニットは骨組みと内装、外装(不図示)とからなっている。その主要構造部分を鋼材から成る四隅の垂直の柱11,11A,11A,11Bと、相隣接する柱の両端間を連結する水平の天井梁12,12及び13,13とを結合して、平面視長方形状の箱型に構成されている。尚14,14及び15は床梁である。柱11,11A,11Bは中空で角柱状の鋼材であり、天井梁12,13,及び床梁14,15はチャンネル状の鋼材である。
【0016】
しかして、本実施例においては、柱11は一辺の長さがaの中空の断面正方形状である。11Aは短辺の長さがa、長辺の長さがbの中空の断面長方形状である。そして柱11Bは図1(ロ)の如く6枚の板部からなる中空の断面略L字状の柱である。外壁211及び212側の板部111及び112の長さがb、一端が外壁側で他端が内壁側に位置する板部113及び116の長さがaである。
そして、対向する辺同士111、113、115は平行である。また、対向する辺同士112、114、116も平行である。111と112とのなす角は直角であり、114と115とのなす角も直角となるように形成されている。
【0017】
また、中空の断面略L字状の柱11Bの長さbは、例えば、外壁211、212と内壁221、222との間の角部の空間23において、111長さが内壁222面の室内面側より突出した長さ、112長さが内壁221面の室内面側より突出した長さを有することが好ましい。
【0018】
上記建物ユニット10においては、四隅の柱はそれぞれ断面形状は異なるが、柱と梁とが交差する部位の幅は何れの四隅においてもaと同一幅であり、外壁と内壁との間に上記柱が組み合わされてなる壁層の厚さを一定にすることができる。そのため、内外壁、間仕切り等の納まりが良く室内の空間が有効に利用できる。
【0019】
図3(イ)は3階建てユニット建物Uの斜視図であり、基礎9の上に1階部分に本発明の建物ユニット10を4ユニット及び従来の建物ユニット10Aを2ユニット組み合わせてなり、2階、3階も同様な組み合わせでなり、合計18ユニットからなり、その上に屋根ユニット4を組み合わせてなるユニット建物である。
図3(ロ)は上記ユニット建物Uの1階の平面図である。剛性及び強度の必要とされるユニット建物の外周の4隅部に中空の断面略L字状の柱11Bが設置されるように建物ユニット10が配置されている。その他の部位には従来の中空の断面正方形状の柱11が用いられる建物ユニット10Aが配置されている。
【0020】
即ち、本実施例のユニット建物Uは、剛性及び強度の必要とされる部位に建物ユニット10を用い、その他の部位には内外壁厚み、間仕切り等の納まりを考慮して、従来の建物ユニット10Aとを組み合わせることにより、建物ユニットの寸法比率を変更することな
く、また鋼材の板厚を増すことなく、壁内に収まる柱を使用でき、曲げ剛性や曲げ強度がアップしたユニット建物が得られる。
【0021】
又、強度面の増加については、例えば、従来の建物ユニットの柱11に用いられている鋼材が、図2に示すように、一辺の長さa=100mm、板厚=4.5mmであるとし、図1に示すように、本発明の実施例の柱11Bの鋼材を、外壁側の長さb=125mm、厚さ方向a=100mm、板厚=4.5mmであるとした場合、中空の断面正方形状の柱11に対して中空の断面L字状の柱11Bは重量増加比率が1.25倍となるが、断面2次モーメント(I)は、約1.92倍、断面係数(Z)は約1.46〜1.62倍となる。
一辺の長さa=100mmと中空の断面正方形状の外形寸法を変えずに板厚のみを9mmとした場合、重量増加率が1.95倍、断面2次モーメント(I)が1.64倍となるのに比べると、中空の断面L字状の柱11Bは経済的(鋼材のコストは重量に比例)に強度を確保することができる。
【0022】
このように構成された建物ユニットは、中空の断面L字状の柱11Bが用いられた部位の水平荷重に対する構造耐力が向上するので、3階建住宅、屋上バルコニー付き住宅、大屋根住宅等、水平荷重の大きい建物のユニット構造体として使用するのに有効である。
また、建物ユニットの全体の寸法比率を変更することなく、また鋼材の板厚を増すことなく構造耐力を向上させることができ、内外壁層間の厚さを変更することがないので、室内空間を確保することが出来る。
【0023】
なお、当然のことではあるが、本発明は上記実施例に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲でなされる各種の設計変更等も本発明の範囲に含まれる。例えば、柱のa寸法、b寸法の比率は任意である。
【0024】
【発明の効果】
以上のように、請求項1に記載の発明においては、梁を介して四隅に配置する四本の柱を結合し、平面視長方形状の箱型に構成された建物ユニットであって、前記四本の柱のうち、少なくとも一つは平面視ほぼ正方形で中空に形成された第一の柱であり、残りの柱のうち、少なくとも一つは結合される二辺の梁側に向けて突出するように前記箱型の内側に入隅部を有する平面視ほぼL形状で中空に形成された第二の柱であり、この第二の柱は、前記入隅部に対向する外壁側の辺の長さが、第一の柱の辺の長さよりも長くなっているから、鋼材重量の増加が少なくて、断面2次モーメント及び断面係数が大きくなり、構造耐力の優れた建物ユニットとなる。
【0025】
請求項2及び3に記載の発明においては、請求項1記載の建物ユニットを含む複数の建物ユニットが上下、左右に複数個組み合わせてなるユニット建物であるので、外壁と内壁との間に配設される柱寸法が実施例の如く、例えばaと一定になるので、壁層の厚さを一定にすることができ、内外壁、間仕切り等の納まりが良く室内の空間が有効に利用できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 (イ)は本発明に係る建物ユニットの斜視図であり、(ロ)は図1のA部の拡大平面図である。
【図2】 (イ)は従来の建物ユニットの斜視図であり、(ロ)は図2(イ)のB部拡大平面図である。
【図3】 本発明の建物ユニット及び従来の建物ユニットを組み合わせてなる3階建てユニット建
物の一例を示し、(イ)はユニット建物の斜視図、(ロ)は建物ユニットを組み合わせた平面図である。
【図4】 従来の柱として中実鋼材2A又は角形鋼管2aの内部に長尺鋼管2bを配材した補強鋼管2Bを示す斜視図及び断面図である。
【図5】 従来の断面形状長方形の柱が用いられた建物ユニットの斜視図である。
【符号の説明】
U ユニット建物
9 基礎
10,10A,10B 建物ユニット
11,11A,11B 柱
12,13,14,15 梁
21,22 壁
23 壁内空間

Claims (3)

  1. 梁を介して四隅に配置する四本の柱を結合し、平面視長方形状の箱型に構成された建物ユニットであって、
    前記四本の柱のうち、少なくとも一つは平面視ほぼ正方形で中空に形成された第一の柱であり、残りの柱のうち、少なくとも一つは結合される二辺の梁側に向けて突出するように前記箱型の内側に入隅部を有する平面視ほぼL形状で中空に形成された第二の柱であり、
    この第二の柱は、前記入隅部に対向する外壁側の辺の長さが、第一の柱の辺の長さよりも長くなっていることを特徴とする建物ユニット。
  2. 請求項1記載の建物ユニットを含む複数の建物ユニットが上下、左右に複数個組み合わせてなるユニット建物
  3. 請求項2に記載のユニット建物において、前記第一の柱を内部に配置し、前記第二の柱を出隅部分に配置したことを特徴とするユニット建物
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