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JP3773322B2 - 擬塑性水性ボールペン用インキ - Google Patents
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JP3773322B2 - 擬塑性水性ボールペン用インキ - Google Patents

擬塑性水性ボールペン用インキ Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、水性ボールペン用インキに関し、更に詳しくは、油性ボールペンの長所を有した擬塑性水性ボールペン用インキに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来より、ボールペン用インキとしては、溶剤が水や水溶性溶媒からなり、インキ粘度が10センチポイズ以下である低粘度の水性ボールペン用インキと、溶剤が鉱物油・多価アルコール・脂肪酸・セルソルブ等の油性溶媒からなり、インキ粘度が1000〜20000センチポイズである油性ボールペン用インキとが一般的である。
【0003】
油性ボールペン用インキを使用する油性ボールペンは、小径のインキ収納管を通してボールに付着したインキがボールの回転によって紙面に転写され、その転写された分だけのインキが再び収納管を通してボールに供給される構造になっている。
【0004】
水性ボールペン用インキを使用する水性ボールペンは、細かい繊維を固めた中継誘導芯の毛細管作用によってボール面や紙面へ供給される構造になっている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
前記した水性ボールペン用インキ及び油性ボールペン用インキはそれぞれ優れた長所を有してる反面、いろいろな問題点を有している。
例えば、水性ボールペン用インキは、粘性が低いためインキ供給の原理は毛細管作用を利用しており、ボールペン先端部と紙とが接触さえすればその接点に毛細管作用が働き、インキは供給されて筆圧をあまり加えなくても紙面に良好な筆跡をつくり出すことが出来、線割れやかすれやボテの発生が起こり難い反面、インキ収納管に直接インキを収容すると、振動、衝撃や外気の温度上昇等が原因でインキが洩れ出し、ボールへの供給量が不安定になる。それを防ぐために、細かい繊維で固めた中継誘導芯を有した複雑な構造が必要となり、更にインキ残量が確認しにくいといった問題を有している。
【0006】
一方、油性ボールペン用インキは粘性が高いため、ペン先からのインキのボタ落ちが防止できると共に、小径のインキ収納管に直接インキを収納できる。その結果、構造が簡素化出来る事や、インキ収納管に透明な材質を使用することでインキ残量の確認が可能となる特徴がある反面、回転したボールと接触した紙面のみにインキが転写されるため、ボールの回転が不安定な挙動を呈すると、線割やかすれを発生し易くなる。また、紙面にインキが浸透しにくいため、未転写のインキによって汚れが生じるボテが発生しやすいという問題点を有している。
【0007】
このような問題点を解決するために、最近では水溶性インキにゲル化剤や水溶性糊剤を添加し、インキに特殊な粘度特性を与えた水性ボールペン用インキ(以下、擬塑性水性インキと称す)を提供している。
【0008】
この擬塑性水性インキを用いた水性ボールペンは、筆記する際には、チップ先端のボールの回転により、インキに剪断力が加えられる為にインキ粘度が低下し、水性ボールペンのような滑らかな筆記が可能となり、紙面に良好な筆跡をつくり出すことが出来る。
【0009】
また、非筆記時には、インキの粘度が高いためにペン先からのインキのボタ落ちが防止できると共に、インキ収納管に直接インキを収納でき、構造が簡素化出来る。さらに、インキ収納管に透明な材質を使用することでインキ残量の確認が可能となる。
【0010】
このように、擬塑性水性ボールペン用インキを用いると、水性ボールペンと油性ボールペンの特徴を兼ね備えた筆記具となる。しかしながら、実際に擬塑性水性ボールペン用インキを試作してみると、使用するチップに合わせてインキの粘度調整を行わなければ、目的のペン品質を維持することは非常に難しい。例えば、小径のボール用チップに適した品質を有する擬塑性水性インキを大径のボール用チップに使用すると、ボールとホルダーとのクリアランスが変わると共に、筆記時にインキに加わる剪断速度が小さくなることが原因でボテ、線割れが発生したり、インキ流量過多に伴う描線の乾燥性の低下といった問題が発生してくる。
【0011】
本発明は、上記問題を解決するためになされたものであり、ボール径、材質、寸法等、どのような条件のチップにも対応でき、ボテ、線割が起こらず常に滑らかに安定な筆記流量が得られる、経時安定性及び描線乾燥性の高い擬塑性水性ボールペン用インキを提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本発明は、前記課題を解決すべく種々検討を重ねた結果、擬塑性水性インキを充填したボールペンを筆記した際に発生する描線ボテ、線割、および乾燥性の低さの問題を取り除くために、鋭意研究を重ね、水性インキに特定の界面活性剤を特定量混入することにより目的を達成することを見いだし本発明を完成することに至った。
【0013】
本発明の第一の擬塑性水性ボールペン用インキは、顔料、分散剤、水、極性溶剤、増粘剤を少なくとも含有し、さらに、インキ全量に対してシリコン系界面活性剤を0.05〜7重量%含有することを特徴とするものである。
【0014】
本発明の第二の擬塑性水性ボールペン用インキは、顔料、分散剤、水、極性溶剤、増粘剤を少なくとも含有し、さらに、インキ全量に対してそれぞれジアルキルスルホコハク酸を0.05〜5重量%、シリコン系界面活性剤を0.05〜5重量%含有することを特徴とするものである。
【0015】
【発明の実施の形態】
本発明において、擬塑性とは、静止状態あるいは外力の小さいとき(低剪断力)は極めて流動しがたくて大きな見かけ粘度を示し、外力が増大する(高剪断力)と流動性が極めて上昇して粘度も急激に減少していく状態をいう。
【0016】
本発明の擬塑性水性ボールペン用インキに用いられるシリコン系界面活性剤としては、メチルポリシロキサンのポリエーテル変、ジメチルポリシロキサンのポリエーテル変、メチルポリシロキサン・ジメチルポリシロキサン共重合体のポリエーテル変、ポリオキシエチレン・メチルポリシロキサン共重合体のポリエーテル変、ポリオキシプロピレン・メチルポリシロキサン共重合体のポリエーテル変、ポリ(オキシエチレン・オキシプロピレン)メチルポリシロキサン共重合体のポリエーテル変等が示される。これらのシリコン系界面活性剤は、単独でも、あるいは二種以上を混合して用いられてもよい。
【0017】
本発明の擬塑性水性顔料ボールペン用インキに用いられるジアルキルスルホコハク酸ナトリウムは、次式で示される。
【0018】
【化1】
Figure 0003773322
【0019】
具体的には、2−エチルヘキシスルホコハク酸ナトリウム、ジオクチルスルホコハク酸ナトリウム等をあげることができる。ジアルキルスルホコハク酸ナトリウムは、インキに潤滑性を与え、筆記紙面への浸透を高める効果を示す。
【0020】
本発明の第一の擬塑性水性ボールペン用インキにおけるシリコン系界面活性剤の含有量は、インキ全量に対して0.05〜7重量%であり、0.05重量%よリ少ないと効果がなく、7重量%より多いとインキの表面張力を著しく低下させ、ペン先部のインキの直流、ボタ落ちが発生しやすくなる。
【0021】
また、本発明の第二の擬塑性水性ボールペン用インキにおけるシリコン系界面活性剤の含有量は、インキ全量に対して0.05〜5重量%である。0.05重量%より少ないと効果がなく、5重量%より多いとペン先部のインキの直流、ボタ落ちが発生しやすくなる。一方、ジアルキルスルホコハク酸ナトリウムの含有量は、インキ全量に対して0.05〜5重量%である。0.05%未満だと浸透効果が少なく、5重量%より多いと滲みが大きくなり筆記描線が不鮮明となってしまう。
【0022】
次に、本発明の擬塑性水性ボールペン用インキにおいて使用される他の成分について説明する。顔料の種類については特に制限はなく、従来より水性インキ組成物に慣用されている無機系及び有機系顔料の中から任意のものを使用することができ、更には無機蛍光顔料及び有機蛍光顔料も使用できる。
【0023】
無機系顔料としては、例えば、酸化チタン、カーボンブラック、ベンガラ、酸化クロム、鉄黒、コバルトブルー、アルミナホワイト、酸化鉄黄、ピリジアン、硫化亜鉛、リトポン、カドミウムイエロー、朱、カドミウムレッド、黄鉛、モリブデードオレンジ、ジンククロメート、ストロンチウムクロメート、ホワイトカーボン、クレー、タルク、群青、沈降性バリウム、バライト粉、炭酸カルシウム、鉛白、紺青、マンガンバイオレット、アルミニウム粉、ステンレス粉、ニッケル粉、銅粉、亜鉛粉等が挙げられる。
【0024】
有機系顔料としては、例えば、アゾレーキ、不溶性アゾ顔料、フタロシアニン顔料、ペリレン及びペリノン顔料、アントラキノン顔料、キナクリドン顔料、染料レーキ、ニトロ顔料、ニトロソ顔料等が挙げられる。具体的には、フタロシアニンブルー(C.I.74160)、フタロシアニングリーン(C.I.74260)、ハンザイエロー3G(C.I.11670)、ジスアゾエローGR(C.I.21100)、パーマネントレッド4R(C.I.12335)、ブリリアントカーミン6B(C.I.15850)、キナクリドンレッド(C.I.46500)等が使用できる。
【0025】
無機蛍光顔料は、硫化亜鉛等の重金属塩またはアルカリ土類金属の硫化物を原料とし、これらの高純度のものに微量の銅、銀、マンガン等の活性化剤を添加し、高温焼成したものである。
【0026】
有機蛍光顔料は、蛍光染料を合成樹脂のビヒクルに溶解した固溶体あるいは乳化重合、懸濁重合等により得られた樹脂微粒子の分散体に蛍光染料を染着したもので、合成樹脂としては塩化ビニル樹脂、アルキド樹脂、アルカリ樹脂等があり、蛍光染料はC.Iアシッドエロー7、C.I.ベイシックレッド1等がある。
【0027】
上述したこれらの顔料はそれぞれ単独で用いてもよいし、2種類以上を組み合わせて用いてもよく、その配合量は、インキ組成物の全重量に基づき、通常2〜30重量%、好ましくは5〜15重量%の範囲で選ばれる。
【0028】
着色剤として顔料を用いた場合には、顔料を分散させる為に分散剤が必要である。分散剤とは、顔料粒子表面に吸着して、水中に顔料を分散させるために用いられるものをいい、ノニオン、アニオン系界面活性剤や水溶性高分子が用いられる。好ましくは水溶性高分子が用いられる。
【0029】
ノニオン系界面活性剤としては、ポリオキシアルキレン高級脂肪酸エステル、多価アルコールの高級脂肪酸部分エステル、糖の高級脂肪酸エステル等が挙げられ、具体的には、グリセリンの脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、プロピレングリコール脂肪酸エステル、ペンタエリスリトール脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビット脂肪酸エステル、ポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステル、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキレルエーテル、ポリオキシエチレンフィトステロール、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンヒマシ油、ポリオキシエチレンラノリン、ポリオキシエチレンラノリンアルコール、ポリオキシエチレンアルキルアミン、ポリオキシエチレン脂肪酸アミド、ポリオキシエチレンアルキルフェニルホルムアルデヒド縮合物等がある。
【0030】
アニオン系界面活性剤としては、高級脂肪酸アミドのアルキル化スルフォン酸塩、アルキルアリルスルフォン酸塩等が挙げられ、具体的には、アルキル硫酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩、N−アシルアミノ酸塩、N−アシルメチルタウリン塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル酢酸塩、アルキルリン酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸塩等がある。
【0031】
水溶性高分子としては、ポリアクリル酸、アクリル酸共重合体、マレイン酸樹脂等が挙げられ、具体的には、アクリル樹脂、スチレンアクリル酸樹脂、スチレンマレイン酸樹脂等の樹脂を塩の形にして水溶性にしたものを用いる。塩を形成するアルカリ金属としては、ナトリウム、カリウムが代表的であり、アミンとしてはモノ−、ジ−又はトリ−メチルアミン等の脂肪族第1から第3級アミン、モノ−、ジ又はトリ−プロパノールアミン、メチルエタノールアミン、メチルプロパノールアミン、ジメチルエタノールアミン等のアルコールアミンその他アンモニア、モルホリン及びN−メチルホリン等が代表的である。分散剤の配合量は、インキ組成物の全量に基づき、0.1〜10重量%の範囲で選ばれる。
【0032】
本発明のインキ組成物に用いる水は特に限定しないが、インキ組成物全量に対して40〜90重量%が望ましい。40%未満では相体的に溶剤や着色剤が多くなるため揮発しにくく、紙に書いた時、インキが乾きにくくなってしまい、90%を越えると揮発しやすくなって、ペン先が乾燥し、筆記不良となるので好ましくない。
【0033】
本発明のインキ組成物において極性溶剤を用いてもよい。極性溶剤としては水に相溶性のある極性基の有した全ての溶剤が使用でき、その溶剤としては、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、1.2−プロパンジオール、1.3−プロパンジオール、1.2−ブタンジオール、2.3−ブタンジオール、1.3−ブタンジオール、1.4−ブタンジオール、1.2−ペンタンジオール、1.5−ペンタンジオール、2.5−ヘキサンジオール、3−メチル1.3ブタンジオール、2−メチルペンタン−2.4−ジオール、3−メチルペンタン−1.5−ジオール、1.2.3−ブタントリオール、1.2.4−ブタントリオール、3−メチルペンタン−1.3.5−トリオール、1.2.3−ヘキサントリオール等のアルキレングリコール類、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール等のポリアルキレングリコール類、グリセロール、ジグリセロール、トリグリセロール等のグリセロール類、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノ−n−ブチルエーテル等のグリコールの低級アルキルエーテル、チオジエタノール、N−メチル−2−ピロリドン、1.3−ジメチル−2−イミダリジノン、スルホラン等が挙げられる。
【0034】
その極性溶媒の含有量は、インキ組成物全量に対して、通常40重量%以下好ましくは5〜40重量%の範囲で選ばれる。40重量%を越えると紙に書いた時にインキが裏抜けしたり、乾きにくかったりして、好ましくない。また、これら溶剤は、インキのノンドライ性を向上させる。
【0035】
以上の他、本発明のインキ組成物に必要に応じて潤滑剤、防錆剤、防腐剤、PH調整剤、乾燥防止剤、増粘剤を含有させることができる。
潤滑剤としては、リノール酸カリウム、オレイン酸カリウム、オレイン酸ナトリウム等の脂肪酸塩、ポリオキシエチレンラウリルエーテル等のポリアルキレングリコール誘導体、ノニオン系界面活性剤等が挙げられる。
【0036】
防錆剤としては、トリルトリアゾール、ベンゾトリアゾール及びその誘導体、リン酸オクチル、チオリン酸ジオクチル等の脂肪酸リン誘導体、イミダゾール、ベンゾイミダゾール及びその誘導体、ベンゾイミダゾール、2−メルカプトベンゾチアゾール、オクチルオキシメタンホスホン酸、ジシクロヘキシルアンモニウム、ナイトライト、ジイソプロピルアンモニウム、ナイトライト、プロパルギルアルコール、ジアルキルチオ尿素等が挙げられる。
【0037】
PH調整剤としては、無機アルカリ、有機アミン等が挙げられ、無機アルカリとしては、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化カルシウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム等があり、有機アミンとしては、例えば、アンモニア、メチルアミン、ジメチルアミン、トリメチルアミン、エチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、プロピルアミン、ジプロピル、トリプロピルアミン、ブチルアミン、ジブチルアミン、トリブチルアミン、イソブチルアミン、ジイソブチルアミン、2−ブタンアミン、N−(1−メチルプロピル)−1−プロパンアミン、N,N−ジメチルブチルアミン、1,2−ジメチルプロピルアミン、N−エチル1,2−ジメチルプロピルアミン、アリルアミン、ジアリルアミン、トリアリルアミン、N,N−ジメチルアリルアミン、N−メチルジアリルアミン、3−ペンチルアミン、N,N−ジイソプロピルエチルアミン、2−(ヒドロキシメチルアミノ)エタノール、2−アミノプロパノール、3−アミノプロパノール、トリエタノールアミン、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、2−アミノ2−メチル−1プロパノール、N−イソブチルジエタノールアミン、3−メトキシプロピルアミン、3−プロピルオキシプロピルアミン、3−イソプロピルオキシプロピルアミン、3−ブトキシプロピルアミン等がある。
【0038】
乾燥防止剤としては、尿素、チオ尿素、エチレン尿素あるいはそれらの誘導体等が挙げられる。
増粘剤としては、アラビアガム、トラガカントガム、ローカストビーンガム、グアーガム及びその誘導体、アルギン酸、アルギン酸塩、ペクチン、カラギーナン、ゼラチン、ガゼイン、ガゼインナトリウム、キサンタンガム、ラムザンガム、ウェランガム、ジェランガム、テキストラン、メチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、デンプングリコール酸ナトリウム、ラノリン誘導体、キトサン誘導体、ラクトアルブミン、ポリエチレンオキサイド、ポリエチレングリコール、ポリビニルアルコール、ポリビニルメチルエーテル、ポリビニルピロリドン及びその誘導体、ポリアクリル酸樹脂、架橋型ポリアクリル酸樹脂、ポリウレタン樹脂、アクリル樹脂のアルカリ金属塩等を示すことができる。
【0039】
本発明の擬塑性水性ボールペン用インキは上記成分を必要に応じて加熱溶解、混合撹拌することで容易に製造することができる。また、本発明の擬塑性水性ボールペン用インキは、活性剤として従来とは異なるシリコン系界面活性剤、又はシリコン系界面活性剤とジアルキルスルホコハク酸ナトリウムとを水性インキに添加することで、ボール径、材質、寸法等に関係なく、ボテや線割れの現象が起こらず、常に滑らかに安定な筆記流量が得られて、経時的安定性および描線乾燥性が高いものである。
【0040】
シリコン系界面活性剤はインキの表面張力を低下させ、またジアルキルスルホコハク酸ナトリウムを含有したインキは固/液の界面張力を低下させる能力を有する。このような性質を有するインキは、ボールペン用として使用するとチップに対する濡れ性が向上するために、どのようなボールを用いても(つまりインキにかかる剪断力が変わっても)インキが途切れることなく安定に筆記できる。また紙面に対してもインキの界面張力が低く、充分な浸透効果を持つために描線乾燥性が高く、ボテ、線割れの発生も防止できる。
【0041】
【実施例】
以下、実施例によって本発明を更に具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例によって何等限定されるものではない。
実施例、比較例で得られたインキ組成物に対して下記の試験を行った。その結果を表1に示す。粘度はE型回転粘度計により剪断速度3.84s-1および384s-1において測定した。
【0042】
(1)書き味
筆記試験機によりボールペンで筆記し、そのインキの流出状態を次の基準で評価した。
○ 滑らかに筆記できる
△ ややひっかかる
× 掠れる
【0043】
(2)ボテ防止性
機械筆記試験機で4.5m/min、角度60度、荷重100gfの条件で筆記した後にチップホルダーに付着したインキ量と描線中に落下している余分なインキ跡を観察し、つぎの基準で評価した。
○ ほとんどボテがないもの
△ わずかにボテがあるもの
× ボテが多いもの
【0044】
(3)線割れ防止性
ボールペンを用いて筆記試験機で筆記し、その描線状態をつぎの基準で評価した。
○ 線割れがなく良好なもの
△ 多少線割れするもの
× 線割れが目立つもの
【0045】
(4)速書性
通常の2倍の速度で手がき筆記した場合のインキ組成物の追従性を次の基準で評価した。
○ 描線がかすれず良好に筆記できる
△ わずかにかすれる
× かすれが目立つ
【0046】
(5)描線乾燥性
温度25度、湿度60%の恒温室中で筆記用紙にらせんを筆記し、10秒後に市販綿棒でこすり、インキによる汚れを観察し、つぎの基準で評価した。
○ 汚れがない
△ わずかに汚れる
× 汚れる
【0047】
実施例1
下記成分のうちポリアクリル酸を除く各成分を撹拌機にて3時間撹拌、混合した後、サンドミルにて5時間分散し、更に、粗大粒子を遠心分離機により除去した。その後、室温で撹拌しながらポリアクリル酸をゆっくりと加えた後、更に3〜4時間撹拌してから濾過し、黒色擬塑性水性ボールペン用インキを調製した。
Figure 0003773322
【0048】
実施例2
下記の配合で黒色擬塑性水性ボールペン用インキを実施例1と同様の方法で調製した。
Figure 0003773322
【0049】
実施例3
下記成分のうち架橋型ポリアクリル酸を除く各成分を撹拌機にて2時間撹拌、混合した後、サンドミルにて5時間分散し、更に、粗大粒子を遠心分離機により除去した。その後、室温で撹拌しながら架橋型ポリアクリル酸をゆっくりと加えた後に更に3〜4時間撹拌してから濾過し、青色擬塑性水性ボールペン用インキを調製した。
Figure 0003773322
【0050】
実施例4
下記の配合で青色擬塑性水性ボールペン用インキを実施例3と同様の方法で調製した。
Figure 0003773322
【0051】
比較例1
シリコン系界面活性剤、ジオクチルスルホコハク酸ナトリウムを使用せず、その代わり精製水を72.8重量%にした以外は、実施例1と同様にして調製し、黒色擬塑性水性ボールペン用インキを得た。
【0052】
比較例2
シリコン系界面活性剤を使用せず、その代わり精製水を72.8重量%にした以外は、実施例2と同様にして調製し、黒色擬塑性水性ボールペン用インキを得た。
【0053】
比較例3
シリコン系界面活性剤、ジオクチルスルホコハク酸ナトリウムを使用せず、その代わり精製水を63.6重量%にした以外は、実施例3と同様にして調製し、青色擬塑性水性ボールペン用インキを得た。
【0054】
比較例4
シリコン系界面活性剤を使用せず、その代わり精製水を63.6重量%にした以外は、実施例4と同様にして調製し、青色擬塑性水性ボールペン用インキを得た。
【0055】
上記実施例1〜4の処方によって得られたインキと比較例1〜4の処方によって得られたインキをそれぞれ、ボール径0.5mmボールペン体とボール径1.0mmボールペン体に充填し、ペンの品質評価を行った。その結果を下表に示す。
【0056】
【表1】
Figure 0003773322
【0057】
【発明の効果】
以上の如く本発明の擬塑性水性ボールペン用インキは、従来の水性インキの活性剤の代替としてシリコン系界面活性剤、またはシリコン系界面活性剤とジアルキルスルホコハク酸ナトリウムとをインキに添加することで、チップのボール径によらず安定した品質を有する最適なものとなる。

Claims (4)

  1. 顔料、分散剤、水、極性溶剤を少なくとも含有する擬塑性水性顔料ボールペン用インキにおいて、当該インキは、インキ全量に対してシリコン系界面活性剤を0.05〜7重量%含有することを特徴とする擬塑性水性ボールペン用インキ。
  2. 前記シリコン系界面活性剤は、メチルポリシロキサンのポリエーテル変、ジメチルポリシロキサンのポリエーテル変、メチルポリシロキサン・ジメチルポリシロキサン共重合体のポリエーテル変、ポリオキシエチレン・メチルポリシロキサン共重合体のポリエーテル変、ポリオキシプロピレン・メチルポリシロキサン共重合体のポリエーテル変、ポリ(オキシエチレン・オキシプロピレン)メチルポリシロキサン共重合体のポリエーテル変、及びこれらの混合物からなる群から選択されることを特徴とする請求項1記載の擬塑性水性ボールペン用インキ。
  3. 顔料、分散剤、水、極性溶剤を少なくとも含有する擬塑性水性顔料ボールペン用インキにおいて、当該インキは、インキ全量に対してそれぞれジアルキルスルホコハク酸ナトリウムを0.05〜5重量%、シリコン系界面活性剤を0.05〜5重量%含有することを特徴とする擬塑性水性ボールペン用インキ。
  4. 前記シリコン系界面活性剤は、メチルポリシロキサンのポリエーテル変、ジメチルポリシロキサンのポリエーテル変、メチルポリシロキサン・ジメチルポリシロキサン共重合体のポリエーテル変、ポリオキシエチレン・メチルポリシロキサン共重合体のポリエーテル変、ポリオキシプロピレン・メチルポリシロキサン共重合体のポリエーテル変、ポリ(オキシエチレン・オキシプロピレン)メチルポリシロキサン共重合体のポリエーテル変、及びこれらの混合物からなる群から選択されることを特徴とする請求項3記載の擬塑性水性ボールペン用インキ。
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