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JP3774682B2 - 電子放出素子、電子源および画像形成装置 - Google Patents
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JP3774682B2 - 電子放出素子、電子源および画像形成装置 - Google Patents

電子放出素子、電子源および画像形成装置 Download PDF

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  • Cold Cathode And The Manufacture (AREA)
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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、電圧を印加することによって電子放出を行う電子放出素子、電子源および画像形成装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、電子放出素子としては、大別して熱電子放出素子と冷陰極電子放出素子の2種類のものが知られている。冷陰極電子放出素子には電界放出型(以下、「FE型」という。)、金属/絶縁層/金属型(以下、「MIM型」という。)や表面伝導型電子放出素子等がある。
【0003】
FE型の例としてはW.P.Dyke&W.W.Dolan,”Field Emission”,Advance in Electron Physics,8,89(1956)或いはC.A.Spindt,”PHYSICAL Properties of thin−film field emission cathodes with molybdenium cones”,J.Appl.Phys.,47,5248(1976)等に開示されたものが知られている。
【0004】
MIM型の例としてはC.A.Mead,”Operation of Tunnel−Emission Devices”,J.Apply.Phys.,32,646(1961)等に開示されたものが知られている。
【0005】
また、最近の例では、Toshiaki,Kusunoki”Fluctuation−free electron emission from non−formed metal−insulator−metal(MIM) cathodes fabricated by low current Anodic oxidation”,Jpn.J.Appl.Phys.vol.32(1993)pp.L1695,Mutsumisuzukietal”An MIM−Cathode Array for Cathodeluminescent Displays”,IDW’96,(1996)pp.529等が研究されている。
【0006】
表面伝導型の例としては、エリンソンの報告(M.I.Elinson Radio Eng.Electron Phys.,10(1965))に記載のもの等があり、この表面伝導型電子放出素子は、基板上に形成された小面積の薄膜に、膜面に平行に電流を流すことにより、電子放出が生ずる現象を利用するものである。表面伝導型素子では、前記のエリソンの報告に記載のSnO薄膜を用いたもの、Au薄膜を用いたもの、(G.Dittmer.ThinSolidFilms,9,317(1972))、In/SnO薄膜によるもの(M.HartwellandC.G.Fonstad,IEEETrans.EDConf.,519(1983))等が報告されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、画像表示装置では、電子放出素子に対向して配置された蛍光体(陽極電極)に、電子放出素子から放出した電子を衝突、発光させることにより蛍光体を発光させるが、高精細な画像形成装置では、電子軌道の収束、電子放出素子サイズの小型化、駆動電圧の低電圧かならびに信頼性の高い電子放出素子の製造方法が必要であった。
【0008】
FE型電子放出素子では、図20示すように、Spindt型が広く知られているが、電子放出部の先端が先鋭な構造をしているため、電子ビームの収束が困難で、高精細な画像形成装置を実現することが困難であった。
【0009】
また、Spindt型電子放出素子において、電子ビームを収束させるための収束電極を設ける素子構造も提案されているが、素子構造や製造方法の複雑さ等の問題があった。
【0010】
これに対し、例えば特開平8−96704に記載されている電子放出素子では、図21に示すように、ゲート電極及び絶縁層の開口部内に略平坦な電子放出層が形成されており、電子ビームの広がりを抑制する構成が提案されているが、この構成では、図22に示すように電子放出層の端部から放出された電子はゲート電極とカソード電極によって形成された電界に沿って大きく広がってしまう。
【0011】
また、特開平8−115654に開示されている例では、電子ビームの収束を目的に、カソード電極の一部が凹状に掘り込まれ、その掘り込まれた領域に電子放出層が配置されている構造が提案されているが、このような構造の場合、例えば図23に示すように、掘り込み側壁や、掘り込み部分でない領域に電子放出層が付着した場合等は、電子ビームの収束効果が得られず、素子の製造方法する際に、高精度な位置合わせ技術が必要となり、素子の均一性に問題があった。
【0012】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明に係る電子放出素子は、基板上にカソード電極とゲート電極とが配され、前記カソード電極から該カソード電極上に配された電子放出膜に向けて電子を輸送し、該電子放出膜から真空中に電子を放出する電子放出素子において、前記電子放出膜は、前記カソード電極上に該カソード電極に接して配置されている第1領域と、該カソード電極上に電子遮断層を挟んで配置されている第2領域とを備え、前記第1領域は前記第2領域よりも前記電子放出膜の領域内で中央部に存在しており、前記電子放出膜の抵抗率が、10Ω・cm以上であることを特徴とする。また、本発明に係る電子放出素子は、基板上にカソード電極とゲート電極と前記カソード電極上に配された電子放出膜とを備え、前記電子放出膜から電子を放出する電子放出素子であって、前記電子放出膜は、第1領域と前記第1領域の周囲に配置される第2領域とを有し、前記電子放出膜の前記第1領域は、前記カソード電極に接しており、前記電子放出膜の前記第2領域と前記カソード電極との間に、絶縁材料からなる層が配置されており、前記電子放出膜の抵抗率が、10Ω・cm以上であることを特徴とする。
【0013】
また、本発明に係る電子放出素子は、前記電子放出膜のフェルミ準位と伝導帯間のエネルギーギャップが0.3eV以上であることを特徴とする。
【0014】
また、本発明に係る電子放出素子は、前記カソード電極と前記ゲート電極が絶縁層を介して積層されており、前記カソード電極上に前記絶縁層から前記ゲート電極に亘り貫通形成された貫通孔を有、前記電子放出膜は、前記貫通孔内に配置されていることを特徴とする。
【0017】
また前記カソード電極のうち、前記第1領域が配置されている部分の上端面が、前記第2領域が配置されている部分の上端面よりも前記基板側に存在することを特徴とする。
【0018】
また、本発明に係る電子放出素子は、前記電子放出層が、炭素を主成分とすることを特徴とする。
【0019】
また、本発明に係る電子放出素子は、前記電子放出層が正の数値のバンドギャップを有することを特徴とする。
【0020】
また、本発明に係る電子放出素子は、前記電子放出層は、ダイヤモンドライクカーボン膜またはアモルファスカーボン膜であることを特徴とする。
【0022】
また、前記電子遮断層が絶縁層又は半導体からなる層であることを特徴とする。
【0024】
前記電子放出膜の前記第2領域から放出される電子の放出量が、前記電子放出膜の前記第1領域から放出される電子の放出量の10%以下であることを特徴とする。
【0025】
また、前記電子放出膜は、前記第1領域と、前記第2領域との接続部における抵抗率が、10Ω・cm以上であることを特徴とする。
【0026】
さらに、本発明に係る電子源は、上記の電子放出素子を複数個配置されてなることを特徴とする。
【0028】
さらに、本発明に係る画像形成装置は、上記の電子源と、該電子源から放出された電子が照射されることで発光する発光部材と、を有することを特徴とする。
【0029】
【発明の実施の形態】
以下に図面を参照して、この発明の好適な実施の形態を例示的に詳しく説明する。ただし、この実施の形態に記載されている構成部品の寸法、材質、形状、その相対配置などは、特に特定的な記載がない限りは、この発明の範囲をそれらのみに限定する趣旨のものではない。
【0030】
図1乃至図4は、本発明による電子放出素子の構造及び製造方法の一例と、本発明の電子放出素子の原理的な説明を示す模式図である。
【0031】
まず、特に、図1から図3を参照して、本発明の実施の形態に係わる電子放出素子の全体構成及び製造方法について説明する。図1は本発明の実施の形態き係わる電子放出素子の模式図((a)は模式的断面図、(b)は模式的平面図)であり、図2は電圧を印加可能な状態に配線した場合における電子放出素子の模式図である。また、図3は本発明の実施の形態に係わる電子放出素子の製造工程である。
【0032】
本実施の形態にかかる電子放出素子は、概略、基板1上に配置されるカソード電極2と、絶縁層4と、ゲート電極5と、カソード電極上に配置された電子放出層(電子放出材料を含む層)7と、カソード電極と電子放出層の間の一部に配置された電子遮断層3と、これらに対向して配置されるアノード電極9と、から構成される。
【0033】
本発明の電子放出素子の製造方法の一例を説明すると、予め、その表面を十分に洗浄した、石英ガラス、Na等の不純物含有量を減少させたガラス、青板ガラス及びシリコン基板等にスパッタ法等によりSiOを積層した積層体、アルミナ等のセラミックスの絶縁性の基板1上にカソード電極2を形成する。
【0034】
前記カソード電極2は一般的に導電性を有しており、蒸着法、スパッタ法等の一般的真空成膜技術、フォトリソグラフィー技術により形成される。カソード電極2の材料は、例えば、Be、Mg、Ti、Zr、Hf、V、Nb、Mo、W、Al、Cu、Ni、Cr、Au、Pt、Pd等の金属または合金材料、TiC、ZrC、HfC、TaC、SiC、WC等の炭化物、HfB、ZrB、Lba、CeB、YB、GdB等の硼化物、TiN、ZrN、HfN等の窒化物、Si、Ge等の半導体、カーボン等から適宜選択される。
【0035】
前記カソード電極2の厚さとしては、数十nmから数百μmの範囲で設定され、好ましくは数百nmから数μmの範囲で選択される。
【0036】
次に、前記カソード電極2に続いて電子遮断層3を堆積する。該電子遮断層3は、スパッタ法等の一般的な真空成膜法、熱酸化法、陽極酸化法等で形成され、その厚さとしては、数nmから数μmの範囲で設定され、好ましくは数十nmから数百nmの範囲から選択される。
【0037】
更に、前記電子遮断層3上に、絶縁層4を堆積する。該絶縁層4は、スパッタ法等の一般的な真空成膜法、熱酸化法、陽極酸化法等で形成され、その厚さとしては、数nmから数μmの範囲で設定され、好ましくは数十nmから数百nmの範囲から選択される。
【0038】
次に、前記絶縁層4上にゲート電極5を堆積する。該ゲート電極5は、前記カソード電極2と同様に導電性を有しており、蒸着法、スパッタ法等の一般的真空成膜技術、フォトリソグラフィー技術により形成される。前記ゲート電極5の材料は、例えば、Be、Mg、Ti、Zr、Hf、V、Nb、Mo、W、Al、Cu、Ni、Cr、Au、Pt、Pd等の金属または合金材料、TiC、ZrC、HfC、TaC、SiC、WC等の炭化物、HfB、ZrB、LaB、CeB、YB、GdB等の硼化物、TiN、ZrN、HfN等の窒化物、Si、Ge等の半導体、カーボン等から適宜選択される。
【0039】
前記ゲート電極5の厚さとしては、数十nmから数μmの範囲で設定され、好ましくは数十nmから数百nm程度の範囲で選択される。
【0040】
次に、フォトリソグラフィー技術により、前記電子遮断層3、絶縁層4、ゲート電極5の一部が前記基板1からエッチング工程により取り除かれ、前記カソード電極2が露出するように開口領域6が形成される。本エッチング工程は、前記カソード電極2上で停止しても良いし、前記カソード電極2の一部がエッチングされて停止しても良い。
【0041】
本工程で形成される開口領域6は、ホール型、スリット型等が挙げられ、必要なビーム形状や駆動電圧等により適切な形状が選択ばされる。開口領域のサイズは、必要なビームサイズ、駆動電圧等により最適な領域から選択され、そのサイズは数nmから数十μmの範囲から選択される。
【0042】
次に、前記絶縁層4の側壁を更に除去するエッチング工程を行う。本工程は、例えば、フッ酸溶液等の溶液を用いたエッチング工程等が挙げられるが、その他にも、プラズマを用いて等方的にエッチングできる条件を選択しても良い。また、前記ゲート電極を開口する工程において、エッチング条件を最適に設定することで、上述のゲート電極の開口工程において、絶縁層の側壁エッチング工程を省略することもできる。
【0043】
最後に、前記開口領域6内に、電子放出層7を堆積する。この時、前記電子放出層7を形成する材料は、前記開口領域6内にのみ存在しても良いし、図12に示すように、前記ゲート電極5上も被覆されていて良い。
【0044】
また、本発明は、上述のような開口領域を有する形態だけではなく、図13に示すように、カソード電極2がゲート電極5上に絶縁層4を介して配置された構造にも好ましく適用することができる。
【0045】
ここで、高精細な電子放出素子を実現する場合、電子ビームを制御しビーム収束できる素子構造が必要であるが、従来技術の電子放出素子では、電子放出素子から電子を放出するように素子に電圧を印加し駆動すると、電子放出部近傍に形成される電界により、一部の電子がその電界にしたがって進行し電子ビームの収束が困難であった。
【0046】
本発明は、上記の課題を解決し、高精細電子放出素子を実現するものである。以下、本発明の電子放出素子について、電子放出の機構を図4及び図5を用いて詳細に説明する。
【0047】
図4は、本発明の電子放出素子を実際に駆動している場合の電子の輸送状態を、図5は、電子が真空中に放出されている状態を示している。
【0048】
図4(a)は、本発明の電子放出素子の前記電子放出層7において、電子が放出される領域と電子が放出されない領域の断面図を示す。また、図4(b)は、カソード電極2から前記電子放出層への電子の輸送過程を、エネルギーバンド図を用いて示した模式図であり、図4(a)中におけるA−A’断面及びB−B’断面に相当する。
【0049】
本発明の電子放出素子においては、図4(b)に示すように、電子が放出される領域では、前記カソード電極2から電子が電子放出層に注入され、その電子が真空中に放出される。
【0050】
一方、電子が放出されない前記電子遮断層3が挿入されている領域では、前記カソード電極2から前記電子放出層7に電子が輸送される前に、電子放出層7に比べて大きなエネルギー障壁が存在し、カソード電極から電子放出層への電子の注入が阻止され、その結果電子放出が発生しない領域を形成することができる。
【0051】
そして、さらに、電子遮断層上に配置されている電子放出層から電子が実効的に放出されない様にするために、本発明の電子放出膜においては、室温において、電子放出層の伝導帯に自由電子が存在しない(カソード電極から注入された電子以外存在しない)ことが求められる。つまり、本発明の電子放出膜は、少なくとも非金属材料で構成される。そのため、本発明の電子放出膜は、フェルミ順位と伝導帯間のエネルギーギャップが0.3eV以上有することが望ましい。この値未満では室温(300K)において用意に自由電子が伝導帯に存在してしまうからである。このような構成の電子放出膜を用いることで、実効的に、電子遮断層上にある電子放出膜からの電子放出を抑制することができる。
【0052】
本発明の電子放出素子においては、上述の電子放出機構により、前記電子放出層は正のエネルギーバンドギャップを有する材料から選択される。そこで、電子放出膜の具体的な材料を挙げると、例えばSiやSiC等があるが、低電界電子放出材料と知られるダイヤモンドやダイヤモンドライクカーボン、アモルファスカーボン等を用いることが望ましい。
【0053】
また、本発明の電子放出膜においては、上記した構成だけでなく、カソード電極に直接コンタクトしている領域から電子放出層に注入された電子が、電子遮断層上の電子放出膜に移動しない、あるいは移動したとしても電子遮断層上の電子放出膜から実効的に放出されない、構造であればよい。そのような構成であれば、上記した材料に限定されず他の材料を用いることができる。具体的には、カソード電極に直接コンタクトしている領域からの放出電子量の10%以下に、電子遮断層上に配置された電子放出膜からの放出電子量を抑制するようにすればよい。このようにするためには、具体的には、電子放出膜の抵抗を10Ω・cm以上にすれば良い。あるいはまた、実効的に、カソード電極に直接コンタクトしている電子放出膜の一部領域と、電子遮断層上に存在する電子放出膜の領域との境界部が高抵抗であればよい。具体的には、境界部の抵抗が10Ω・cm以上であれば良い。
【0054】
以上のような電子放出膜を用いることにより、図5に示すように、実際に本発明の電子放出素子を駆動すると、電子遮断層を形成した領域の電子放出を防止でき、電子ビームの収束が実現できる。特に、上述の電子遮断層を形成した領域近傍は、該素子構造により電界が大きく変化している領域で、電子放出の防止は電子ビームの収束に有効である。
【0055】
また、本発明の電子放出素子の電子遮断層は、カソード電極2から電子放出層7への電子の注入を防止する層であるため、カソード電極と電子遮断層界面に形成されるエネルギー障壁が、カソード電極と電子放出層界面に形成されるエネルギー障壁よりも大きくなるような材料から選択され、例えばSiOやSiNx等の絶縁材料や半導体材料から選択される。
【0056】
この結果、本発明の電子放出素子は、図6に示すように従来の電子遮断層が存在しない電子放出素子と比べて、電子ビームの収束が実現できる。
【0057】
本発明の電子放出素子では、電子遮断層をカソード電極と電子放出層の間に挿入することで、電子ビームを収束するため、例えば、図7に示すようにカソード電極の一部表面が絶縁層で形成されている構造等でも良い。
【0058】
また、図8に示すように、開口領域6内の絶縁層側壁が除去されていない構造でも良い。
【0059】
また、図9に示すように、開口領域6内のカソード電極の表面を凹状に掘り込み構造とすることで、図10に示すように、開口領域6内の電界分布を制御することができ、より電子ビームを収束する素子構造とすることができる。
【0060】
さらに、図11に示すように、絶縁層が傾斜状に除去されている等の場合において、電子放出層が該絶縁層の一部に跨る構造にすることで、該絶縁層を電子遮断層として用いることができる。
【0061】
これまでに説明した電子放出層素子の構造例において、図12に示すようにゲート電極上が電子放出層と同じ材料で被服されている構造でも良い。この場合、ゲート電極の保護層等として用いることができる。
【0062】
また、図18に示すように、前記開口領域6内の露出したカソード電極表面のみを選択的に酸化し、該酸化層の一部を取り除いた後、電子放出層7を配置した構造でも良い。
【0063】
さらに、カーボンナノチューブやグラファイトナノファイバー等の、先端の先鋭な材料を電子放出層として用いる場合、図19に示すように、前期カーボンナノチューブやグラファイトナノファイバーが成長するように、触媒性導電層を配置し、該触媒性導電層上に選択的に前記カーボンナノチューブやグラファイトナノファイバー等の、先端の先鋭な材料を電子放出層とする構造等がある。
【0064】
次に、画像形成装置に用いた例について説明する。
【0065】
図14は、本発明の電子放出素子をマトリクス状に配置した図である。
【0066】
また、本発明の適用可能な電子放出素子を複数配して得られる画像形成装置について、図15を用いて説明する。図15において1111は電子源基体、1112はX方向配線、1113はY方向配線である。1114は本発明の本発明の電子放出素子、1115は結線である。
【0067】
図15においてm本のX方向配線1112はDX1,DX2,..DXmからなり,蒸着法にて形成された厚さ約1μm、幅300μmのアルミニウム系配線材料で構成されている。配線の材料、膜厚、巾は、適宜設計される。Y方向配線1113は厚さ0.5μm、幅100μm,DY1,DY2..DYnのn本の配線よりなり,X方向配線1112と同様に形成される。これらm本のX方向配線1112とn本のY方向配線1113との間には、不図示の厚さ約1μmの層間絶縁層が設けられており、両者を電気的に分離している(m,nは,共に正の整数)。
【0068】
不図示の層間絶縁層は、スパッタ法等を用いて形成された絶縁層である。例えば、X方向配線1112を形成した基体1111の全面或は一部に所望の形状で形成され,特に,X方向配線1112とY方向配線1113の交差部の電位差に耐え得るように,膜厚,材料,製法が,適宜設定される。X方向配線1112とY方向配線1113は,それぞれ外部端子として引き出されている。
【0069】
本発明の放出素子1114を構成する各電極(不図示)は、m本のX方向配線1112とn本のY方向配線1113と導電性金属等からなる結線(不図示)によって各々電気的に接続されている。
【0070】
X方向配線1112には、X方向に配列した本発明の電子放出素子1114の行を、選択するための走査信号を印加する不図示の走査信号印加手段が接続される。一方、Y方向配線1113には、Y方向に配列した本発明の電子放出素子1114の各列を入力信号に応じて、変調するための不図示の変調信号発生手段が接続される。各電子放出素子に印加される駆動電圧は、当該素子に印加される走査信号と変調信号の差電圧として供給される。本発明においてはY方向配線は高電位、X方向配線は低電位になるように接続された。このように接続することで、ビームの収束効果が得られる。
【0071】
上記構成によれば、単純なマトリクス配線を用いて、個別の素子を選択し、独立に駆動可能とすることができる。
【0072】
このような単純マトリクス配置の電子源を用いて構成した画像形成装置の表示パネルを形成することができる。
【0073】
尚、本発明の電子放出素子を用いた画像形成装置では、放出した電子軌道を考慮して素子上部に蛍光体をアライメントして配置する。
【0074】
図16は、本件のパネルに使用した蛍光膜を示す模式図である。
【0075】
カラーの蛍光膜の場合は、蛍光体の配列により図16(a)示すブラックストライプあるいは図16(b)に示すブラックマトリクスなどと呼ばれる黒色導電材141と蛍光体142とから構成した。
【0076】
ブラックストライプ、ブラックマトリクスを設ける目的は、カラー表示の場合、必要となる三原色蛍光体の各蛍光体142間の塗り分け部を黒くすることで混色等を目立たなくし、蛍光膜142における外光反射によるコントラストの低下を抑制した。
【0077】
ブラックストライプの材料としては、本実施例では通常用いられている黒鉛を主成分とする材料用いた。
【0078】
図15において蛍光膜1124の内面側には、通常メタルバック1125が設けられる。
【0079】
メタルバックは、蛍光膜作製後、蛍光膜の内面側表面の平滑化処理(通常、「フィルミング」と呼ばれる。)を行い、その後Alを真空蒸着等を用いて堆積させることで作られた。
【0080】
フェースプレート1126には、更に蛍光膜1124の導電性を高めるため、蛍光膜1124の外面側に透明電極(不図示)を設けた。
前述の封着を行う際には、カラーの場合は各色蛍光体と電子放出素子とを対応させる必要があり、十分な位置合わせが不可欠となる。
【0081】
本実施例では電子源の真上に対応する蛍光体が配置された。走査回路図17について説明する。同回路は、内部にM個のスイッチング素子を備えたもので(図中,S1乃至Smで模式的に示している)ある。各スイッチング素子は、直流電圧源Vxの出力電圧もしくは0[V](グランドレベル)のいずれか一方を選択し、表示パネル1301の端子Dx1乃至Dxmと電気的に接続される。S1乃至Smの各スイッチング素子は、制御回路1303が出力する制御信号Tscanに基づいて動作するものであり、例えばFETのようなスイッチング素子を組み合わせることにより構成することができる。
【0082】
直流電圧源Vxは、本例の場合には本発明の電子電子放出素子の特性(電子放出しきい値電圧)に基づき走査されていない素子に印加される駆動電圧が電子放出しきい値電圧以下となるような一定電圧を出力するよう設定されている。
【0083】
制御回路1303は、外部より入力する画像信号に基づいて適切な表示が行なわれるように各部の動作を整合させる機能を有する。制御回路1303は、同期信号分離回路1306より送られる同期信号Tsyncに基づいて、各部に対してTscanおよびTsftおよびTmryの各制御信号を発生する。
【0084】
同期信号分離回路1306は、外部から入力されるNTSC方式のテレビ信号から同期信号成分と輝度信号成分とを分離する為の回路で、一般的な周波数分離(フィルター)回路等を用いて構成できる。同期信号分離回路1306により分離された同期信号は、垂直同期信号と水平同期信号より成るが、ここでは説明の便宜上Tsync信号として図示した。前記テレビ信号から分離された画像の輝度信号成分は便宜上DATA信号と表した。該DATA信号はシフトレジスタ1304に入力される。
【0085】
シフトレジスタ1304は、時系列的にシリアルに入力される前記DATA信号を、画像の1ライン毎にシリアル/パラレル変換するためのもので、前記制御回路1303より送られる制御信号Tsftに基づいて動作する(即ち、制御信号Tsftは,シフトレジスタ1304のシフトクロックであるということもできる。)。シリアル/パラレル変換された画像1ライン分(電子放出素子N素子分の駆動データに相当)のデータは、Id1乃至IdnのN個の並列信号として前記シフトレジスタ1304より出力される。
【0086】
ラインメモリ1305は、画像1ライン分のデータを必要時間の間だけ記憶する為の記憶装置であり、制御回路1303より送られる制御信号Tmryに従って適宜Id1乃至Idnの内容を記憶する。記憶された内容は、I’d1乃至I’dnとして出力され、変調信号発生器1307に入力される。
【0087】
変調信号発生器1307は、画像データI’d1乃至I’dnの各々に応じて本発明の電子電子放出素子の各々を適切に駆動変調する為の信号源であり、その出力信号は、端子Dox1、Doynを通じて表示パネル1301内の本発明の電子電子放出素子に印加される。
【0088】
前述したように、本発明を適用可能な電子放出素子は放出電流Ieに対して以下の基本特性を有している。即ち、電子放出には明確なしきい値電圧Vthがあり、Vth以上の電圧を印加された時のみ電子放出が生じる。電子放出しきい値以上の電圧に対しては、素子への印加電圧の変化に応じて放出電流も変化する。このことから、本素子にパルス状の電圧を印加する場合、例えば電子放出閾値以下の電圧を印加しても電子放出は生じないが、電子放出閾値以上の電圧を印加する場合には電子ビームが出力される。その際、パルスの波高値Vmを変化させる事により出力電子ビームの強度を制御することが可能である。また、パルスの幅Pwを変化させることにより出力される電子ビームの電荷の総量を制御する事が可能である。
【0089】
従って、入力信号に応じて、電子放出素子を変調する方式としては、電圧変調方式、パルス幅変調方式等が採用できる。電圧変調方式を実施するに際しては、変調信号発生器1347として、一定長さの電圧パルスを発生し、入力されるデータに応じて適宜パルスの波高値を変調するような電圧変調方式の回路を用いることができる。
【0090】
パルス幅変調方式を実施するに際しては、変調信号発生器1307として、一定の波高値の電圧パルスを発生し、入力されるデータに応じて適宜電圧パルスの幅を変調するようなパルス幅変調方式の回路を用いることができる。
【0091】
シフトレジスタやラインメモリは、デジタル信号式あるいはアナログ信号式のものを採用できる。画像信号のシリアル/パラレル変換や記憶が所定の速度で行なわれれば良いからである。
【0092】
デジタル信号式を用いる場合には、同期信号分離回路1306の出力信号DATAをデジタル信号化する必要があるが、これには1306の出力部にA/D変換器を設ければ良い。これに関連してラインメモリ1305の出力信号がデジタル信号かアナログ信号かにより、変調信号発生器1307に用いられる回路が若干異なったものとなる。即ち、デジタル信号を用いた電圧変調方式の場合、変調信号発生器1307には、例えばD/A変換回路を用い、必要に応じて増幅回路などを付加する。パルス幅変調方式の場合、変調信号発生器1307には、例えば高速の発振器および発振器の出力する波数を計数する計数器(カウンタ)及び計数器の出力値と前記メモリの出力値を比較する比較器(コンパレータ)を組み合せた回路を用いる。必要に応じて、比較器の出力するパルス幅変調された変調信号を本発明の電子電子放出素子の駆動電圧にまで電圧増幅するための増幅器を付加することもできる。
【0093】
アナログ信号を用いた電圧変調方式の場合、変調信号発生器1307には、例えばオペアンプなどを用いた増幅回路を採用でき、必要に応じてレベルシフト回路などを付加することもできる。パルス幅変調方式の場合には、例えば、電圧制御型発振回路(VCO)を採用でき、必要に応じて本発明の電子電子放出素子の駆動電圧まで電圧増幅するための増幅器を付加することもできる。
【0094】
ここで述べた画像形成装置の構成は、本発明を適用可能な画像形成装置の一例であり、本発明の技術思想に基づいて種々の変形が可能である。入力信号については、NTSC方式を挙げたが入力信号はこれに限られるものではなく、PAL,SECAM方式など他、これよりも、多数の走査線からなるTV信号(例えば、MUSE方式をはじめとする高品位TV)方式をも採用できる。
【0095】
また表示装置の他、感光性ドラム等を用いて構成された光プリンターとしての画像形成装置等としても用いることができる。
【0096】
【実施例】
以下、本発明の実施例について、さらに詳細に説明する。
【0097】
(実施例1)
図1に本実施例により作製した電子放出素子の断面図、および平面図の一例を、図3に本発明の電子放出素子の製造方法の一例を示した。以下に、本実施例の電子放出素子の製造工程を詳細に説明する。
【0098】
基板1に石英を用い、十分洗浄を行った後、スパッタ法によりカソード電極2として厚さ300nmのTiを堆積した後、電子遮断層3としてCVD法を用いてSiNx膜を100nm堆積した。
【0099】
次に、SiNx上にSiOをCVD法により400nm堆積し、続いてゲート電極として、スパッタ法でTaを100nm堆積した。
【0100】
上述のようにして形成した積層基板に、フォトリソグラフィーとRIEによるドライエッチングにより、ゲート電極に104個のφ0.5μmの開口領域を形成し、続いて、SiO、SiNxを順にRIEによりエッチングし、カソード電極表面で停止した。この時、SiOとSiNxのエッチング工程では、テーパー形状となるようにエッチング条件を調節した。
【0101】
次に、バッファーフッ酸を用いて、SiOをエッチングし、図1(c)に示すようなリセス構造を形成した。
【0102】
次に、上述のようにして形成した積層基板に、CVD法を用いて電子放出層としてダイヤモンドライクカーボン膜を50nm堆積した。この時、上述のエッチング工程の際のフォトレジストを、リフトオフ層として用いた。
【0103】
以上のようにして製造した電子放出素子を、真空容器内に配置し、ゲート電極とカソード電極間に15Vのパルス電圧を、電子放出素子上部に、2mmの距離を隔てて10kVの電圧を印加した蛍光体を配置した。
【0104】
その結果、38μmに収束した電子ビームが得られた。
【0105】
(実施例2)
実施例1と同様の積層基板に、ドライエッチング装置を用いて、104個のφ0.5μmの開口領域を形成した。ただし、ここでのエッチング工程は、カソード電極を50nm凹状に掘り込んだ時点で停止した。
【0106】
次に、実施例1と同様に、電子放出層として、ダイヤモンドライクカーボン膜を堆積し、真空容器内で電子放出特性を評価した。
【0107】
その結果、32μmに収束した電子ビームが得られた。
【0108】
(実施例3)
基板1に石英を用い、十分洗浄を行った後、スパッタ法によりカソード電極2として厚さ300nmのPdを堆積した後、そのPd電極表面を70nm酸化しPdO層を形成した。
【0109】
次に、PdO上にSiOをCVD法により300nm堆積し、続いてゲート電極として、スパッタ法でTaを100nm堆積した。
【0110】
上述のようにして形成した積層基板に、フォトリソグラフィーとRIEによるドライエッチングにより、ゲート電極に104個のφ0.3μmの開口領域を形成し、続いて、SiOをRIEによりエッチングし、PdO表面で停止した。この時、SiOのエッチング工程では、テーパー形状となるようにエッチング条件を調節した。
【0111】
次に、バッファードフッ酸を用いて、SiOをエッチングし、図1(c)に示すようなリセス構造を形成した。
【0112】
次に、水素の還雰囲気中で開口領域に水素イオンを照射し、開口径幅と同じ領域のみPdOを還元し、Pd電極を露出した。
【0113】
次に、上述のようにして形成した積層基板に、CVD法を用いて電子放出層としてダイヤモンドライクカーボン膜を50nm堆積した。
【0114】
以上のようにして製造した電子放出素子を、真空容器内に配置し、ゲート電極とカソード電極間に15Vのパルス電圧を、電子放出素子上部に、2mmの距離を隔てて10kVの電圧を印加した蛍光体を配置した。
【0115】
その結果、32μmに収束した電子ビームが得られた。
【0116】
(実施例4)
基板1に石英を用い、十分洗浄を行った後、スパッタ法によりカソード電極2として厚さ300nmのTiを堆積した。
【0117】
次に、Ti上にSiOをCVD法により500nm堆積し、続いてゲート電極として、スパッタ法でTaを100nm堆積した。
【0118】
上述のようにして形成した積層基板に、フォトリソグラフィーとRIEによるドライエッチングにより、Taゲート電極に104個のφ0.5μmの開口領域を形成した。
【0119】
続いて、バッファードフッ酸によるウェットエッチングによりSiOを除去し、Ti電極表研で停止した。この時、図11に示すようなテーパー形状を形成した。
【0120】
次に、上述のようにして形成した積層基板に、CVD法を用いて電子放出層としてダイヤモンドライクカーボン膜を50nm堆積した。
【0121】
以上のようにして製造した電子放出素子を、真空容器内に配置し、ゲート電極とカソード電極間に15Vのパルス電圧を、電子放出素子上部に、2mmの距離を隔てて10kVの電圧を印加した蛍光体を配置した。
【0122】
その結果、38μmに収束した電子ビームが得られた。
【0123】
(実施例5)
実施例1と同様に積層基板にダイヤモンドライクカーボン膜を成膜した。この時、実施例1では、フォトレジスト層をリフトオフ層として用いたが、本実施例では、フォトレジスト層を除去した後、ダイヤモンドライクカーボン膜を堆積することで、ゲート電極表面をダイヤモンドライクカーボン膜で被服した。
【0124】
以上のようにして製造した電子放出素子を、真空容器内に配置し、ゲート電極とカソード電極間に15Vのパルス電圧を、電子放出素子上部に、2mmの距離を隔てて10kVの電圧を印加した蛍光体を配置した。
【0125】
その結果、38μmに収束した電子ビームが得られた。また、駆動中の素子放電が起きた際も、デート電極上のダイヤモンドライクカーボン膜が保護層となり素子へのダメージが低減できた。
【0126】
(実施例6)
実施例1と同様の開口領域が形成された積層基板に、電子放出層として他結晶ダイヤモンド膜を成膜した。
【0127】
以上のようにして製造した電子放出素子を、真空容器内に配置し、ゲート電極とカソード電極間に13Vのパルス電圧を、電子放出素子上部に、2mmの距離を隔てて10kVの電圧を印加した蛍光体を配置した。
【0128】
その結果、38μmに収束した電子ビームが得られた。また、電子放出層としてアモルファスカーボン膜を用いることでも、収束した電子ビームが得られる。
【0129】
(実施例7)
基板1に十分洗浄を行ったN型Si上に、CVD法を用いてSiNxを100nm堆積した。本実施例では、N型Siが基板とカソード電極層を兼ね備えている。
【0130】
次に、SiNx上にSiOをCVD法により400nm堆積し、続いてゲート電極として、スパッタ法でTaを100nm堆積した。
【0131】
上述のようにして形成した積層基板に、フォトリソグラフィーとRIEによるドライエッチングにより、ゲート電極に104個のφ0.5μmの開口領域を形成し、続いて、SiO、SiNxを順にRIEによりエッチングし、カソード電極表面で停止した。この時、SiOとSiNxのエッチング工程では、テーパー形状となるようにエッチング条件を調節した。
【0132】
次に、バッファーフッ酸を用いて、SiOをエッチングし、図1(c)に示すようなリセス構造を形成した。
【0133】
次に、上述のようにして形成した積層基板に、CVD法を用いて電子放出層としてダイヤモンドライクカーボン膜を50nm堆積した。この時、上述のエッチング工程の際のフォトレジストを、リフトオフ層として用いた。
【0134】
以上のようにして製造した電子放出素子を、真空容器内に配置し、ゲート電極とカソード電極間に14Vのパルス電圧を、電子放出素子上部に、2mmの距離を隔てて10kVの電圧を印加した蛍光体を配置した。
【0135】
その結果、37μmに収束した電子ビームが得られた。
【0136】
(実施例8)
本実施例では、図13に示す構造について説明する。
【0137】
基板1に石英を用い、十分洗浄を行った後、スパッタ法によりゲート電極5として厚さ300nmのTaを堆積した後、絶縁層4としてCVD法を用いてSiO膜を400nm堆積した。
【0138】
次に、SiO上にカソード電極上にスパッタ法によりTiを100nm堆積した後、続いてSiNxをCVD法で100nm堆積した。
【0139】
次に、SiNxの一部分を、フォトリソグラフィーとRIEによりエッチングし、カソード電極表面で停止した。
【0140】
次に、上述のようにして形成した積層基板に、CVD法を用いて電子放出層としてダイヤモンドライクカーボン膜を50nm堆積した。
【0141】
上述のようにして形成した積層基板に、フォトリソグラフィーとRIEによるドライエッチングにより、ゲート電極に104個の幅0.5μmの凸構造を形成し、ゲート電極上で停止した。
【0142】
以上のようにして製造した電子放出素子を、真空容器内に配置し、ゲート電極とカソード電極間に18Vのパルス電圧を、電子放出素子上部に、2mmの距離を隔てて10kVの電圧を印加した蛍光体を配置した。
【0143】
その結果、32μmに収束した電子ビームが得られた。
【0144】
(実施例9)
本実施例では、図18に示す構造について説明する。
【0145】
基板1に十分洗浄を行ったN型Si上に、CVD法を用いてSiNxを500nm堆積した。本実施例では、N型Siが基板とカソード電極層を兼ね備えている。
【0146】
次に、SiNx上にゲート電極として、スパッタ法でTaを100nm堆積した。
【0147】
上述のようにして形成した積層基板に、フォトリソグラフィーとRIEによるドライエッチングにより、ゲート電極に104個のφ0.5μmの開口領域を形成し、N型Si表面で停止した。
【0148】
次に、リン酸を用いて、SiNxをエッチングし、リセス構造を形成した。
【0149】
次に、上述のようにして形成した積層基板を、900℃の酸素雰囲気中で熱酸化し、N型Siが表面に露出している領域のみを選択的にSiO層を形成した。このときのSiO層は80nmとした。
【0150】
次に、ゲート電極開口領域をマスクとて、RIEを用いて前記SiO層の一部を除去した。本工程で、SiO層の残っている領域が電子遮断層となる。
【0151】
次に、上述のようにして形成した積層基板に、CVD法を用いて電子放出層としてダイヤモンドライクカーボン膜を50nm堆積した。
【0152】
以上のようにして製造した電子放出素子を、真空容器内に配置し、ゲート電極とカソード電極間に14Vのパルス電圧を、電子放出素子上部に、2mmの距離を隔てて10kVの電圧を印加した蛍光体を配置した。
【0153】
その結果、37μmに収束した電子ビームが得られた。
【0154】
(実施例10)
本実施例では、図19に示す素子構造について説明する。
【0155】
基板1に石英を用い、十分洗浄を行った後、スパッタ法によりカソード電極2として厚さ300nmのTiを堆積した後、電子遮断層3としてCVD法を用いてSiNx膜を100nm堆積した。
【0156】
次に、SiNx上にSiOをCVD法により400nm堆積し、続いてゲート電極として、スパッタ法でTaを100nm堆積した。
【0157】
上述のようにして形成した積層基板に、フォトリソグラフィーとRIEによるドライエッチングにより、ゲート電極に104個のφ0.5μmの開口領域を形成し、続いて、SiO、SiNxを順にRIEによりエッチングし、カソード電極表面で停止した。この時、SiOとSiNxのエッチング工程では、テーパー形状となるようにエッチング条件を調節した。
【0158】
次に、バッファーフッ酸を用いて、SiOをエッチングし、図1(c)に示すようなリセス構造を形成した。
【0159】
次に、上述のように加工した基板上に、触媒性導電層100としてPdを10nm堆積し、CVDほうを用いて選択的にカーボンナノチューブ層を成長した。
【0160】
以上のようにして製造した電子放出素子を真空容器内に配置し、ゲート電極とカソード電極間に9Vのパルス電圧を、電子放出素子上部に2mmの距離を隔てて10kVの電圧を印加した蛍光体を配置した。
【0161】
その結果、34μmに収束した電子ビームが得られた。
【0162】
(実施例11)
実施例1から実施例10の素子を個々に用い、100×100のMTX状に配置してなる画像形成装置を製造した。一例として、実施例1の素子を用いた場合について説明する。配線は、図14のようにX配線をカソード電極2にY配線をゲート電極5にそれぞれ接続して行った。電子放出素子は、104個の開口領域を一画素とし、横30μm、縦100μmのピッチで配置した。素子上部には2mmに距離を隔てた位置に蛍光体をアライメントして配置した。蛍光体には10kVの電圧を印加した。入力信号は、図17に示すような回路を用いて駆動した。この結果、高精細な画像形成装置が形成できた。
【0163】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、基板上に配置したカソード電極、ゲート電極とを備え、前記カソード電極上に配置された電子放出層の一部領域が、電子遮断層を介して、該カソード電極に接続されている構造を有し、電子放出を前記電子放出層がカソード電極と接している領域からのみ選択的に発生させることで、電子放出素子の生成する電子ビームの収束性が高まるようになる。
【0164】
また、上記構成からなる電子放出素子を適用することにより、電子源及び画像形成装置の高性能化が図られるようになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の電子放出素子の一例を示す図である。
【図2】本発明の電子放出素子の駆動の一例を示す図である。
【図3】本発明の電子放出素子の製造方法の一例を示す図である。
【図4】本発明の電子放出素子の電子放出の機構を示す模式図である。
【図5】本発明の電子放出素子の電子軌道を示す図である。
【図6】本発明の電子ビームを示す図である。
【図7】本発明の電子放出素子の一例を示す図である。
【図8】本発明の電子放出素子の一例を示す図である。
【図9】本発明の電子放出素子の一例を示す図である。
【図10】図9に示す素子構造の電子軌道を示す図である。
【図11】本発明の電子放出素子の一例を示す図である。
【図12】本発明の電子放出素子の一例を示す図である。
【図13】本発明の電子放出素子の一例を示す図である。
【図14】本発明の電子放出素子を、マトリクス状に配置した模式図である。
【図15】本発明の電子放出素子を用いて、画像形成装置を形成した模式図である。
【図16】画像形成装置に用いた蛍光体の一例を示す模式図である。
【図17】本発明の電子放出素子を用いて、画像形成装置を形成した模式図である。
【図18】本発明の電子放出素子の一例を示す図である。
【図19】本発明の電子放出素子の一例を示す図である。
【図20】従来の電子放出素子を示す模式図である。
【図21】従来の電子放出素子を示す模式図である。
【図22】従来の電子放出素子の電子軌道を示す模式図である。
【図23】従来の電子放出素子を示す模式図である。
【符号の説明】
1 基板
2 カソード電極
3 電子遮断層
4 絶縁層
5 ゲート電極
6 開口領域
7 電子放出層
9 アノード電極(蛍光体)
100 触媒性導電層
1111 電子源基板
1112 x配線
1113 y,z配線
1114 電子放出素子
1121,1122 画像形成装置部材
1123,1124,1125,1126 蛍光体及びメタルバック等フェイスプレート

Claims (12)

  1. 基板上にカソード電極とゲート電極とが配され、前記カソード電極から該カソード電極上に配された電子放出膜に向けて電子を輸送し、該電子放出膜から真空中に電子を放出する電子放出素子において、
    前記電子放出膜は、前記カソード電極上に該カソード電極に接して配置されている第1領域と、該カソード電極上に電子遮断層を挟んで配置されている第2領域とを備え、前記第1領域は前記第2領域よりも前記電子放出膜の領域内で中央部に存在しており、
    前記電子放出膜の抵抗率が、10Ω・cm以上である
    ことを特徴とする電子放出素子。
  2. 前記電子遮断層が絶縁層又は半導体からなる層であることを特徴とする請求項に記載の電子放出素子。
  3. 基板上にカソード電極とゲート電極と前記カソード電極上に配された電子放出膜とを備え、前記電子放出膜から電子を放出する電子放出素子であって、
    前記電子放出膜は、第1領域と前記第1領域の周囲に配置される第2領域とを有し、
    前記電子放出膜の前記第1領域は、前記カソード電極に接しており、
    前記電子放出膜の前記第2領域と前記カソード電極との間に、絶縁材料からなる層が配置されており、
    前記電子放出膜の抵抗率が、10Ω・cm以上である
    ことを特徴とする電子放出素子。
  4. 前記電子放出膜のフェルミ準位と伝導帯間のエネルギーギャップが0.3eV以上であることを特徴とする請求項1〜3のうち何れか1項に記載の電子放出素子。
  5. 前記カソード電極と前記ゲート電極が絶縁層を介して積層されており、
    前記カソード電極上に前記絶縁層から前記ゲート電極に亘り貫通形成された貫通孔を有
    前記電子放出膜は、前記貫通孔内に配置されていることを特徴とする請求項1〜4のうち何れか1項に記載の電子放出素子。
  6. 記カソード電極のうち、前記第1領域が配置されている部分の上端面が、前記第2領域が配置されている部分の上端面よりも前記基板側に存在することを特徴とする請求項1〜のうち何れか1項に記載の電子放出素子。
  7. 前記電子放出膜が、炭素を主成分とすることを特徴とする請求項1〜のうち何れか1項に記載の電子放出素子。
  8. 前記電子放出膜は、ダイヤモンドライクカーボン膜またはアモルファスカーボン膜であることを特徴とする請求項1〜のうち何れか1項に記載の電子放出素子。
  9. 記電子放出膜の前記第2領域から放出される電子の放出量が、前記電子放出膜の前記第1領域から放出される電子の放出量の10%以下であることを特徴とする請求項1〜のうち何れか1項に記載の電子放出素子。
  10. 前記電子放出膜は、前記第1領域と、前記第2領域との接続部における抵抗率が、10Ω・cm以上であることを特徴とする請求項1〜のうち何れか1項に記載の電子放出素子。
  11. 請求項1〜10のうち何れか1項に記載の電子放出素子を複数個配置されてなることを特徴とする電子源。
  12. 請求項11に記載の電子源と、該電子源から放出された電子が照射されることで発光する発光部材と、を有することを特徴とする画像形成装置。
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