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JP3774995B2 - リチウムイオン二次電池の充電方法およびその充電装置 - Google Patents
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JP3774995B2 - リチウムイオン二次電池の充電方法およびその充電装置 - Google Patents

リチウムイオン二次電池の充電方法およびその充電装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、リチウムイオン二次電池を充電するリチウムイオン二次電池の充電方法およびその充電装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、携帯電話、ノート型パソコンおよびディジタルカメラ等の電子機器の小型・軽量化が進み、それらの普及に伴って、電子機器を駆動する電源として繰り返し充放電することが可能な二次電池が用いられる機会が多くなってきた。このような二次電池としては、ニッケルカドミウム(Ni-Cd) 電池、ニッケル水素(Ni-MH) 電池およびリチウムイオン電池などが一般に知られている。
【0003】
とくにリチウムイオン二次電池は、水溶系の電解液を用いて水が関与した電気化学反応によって電気を作る他の二次電池とは異なって、たとえば電解質にリチウム塩の有機溶媒を使用し、電子(リチウムイオン)の移動による酸化還元反応によって電気を起こすように構成されている。このような非水系二次電池では、他の二次電池と比べて、単一のセルでの電池端子間電圧が高く、高容量および高出力であるという利点を有し、その非水系二次電池自体の性能のアップと、非水系二次電池をさらに有効に利用するための充電方法が検討されている。
【0004】
たとえば、特開平2-192670号公報には、非水系二次電池を定電圧にて充電し、そのときの充電電流が設定値より小さくなると充電電流を遮断する、もしくはわずかな充電電流のみを流し続ける充電装置が開示されている。また、特開平7-170669号公報には、充電回路装置の周囲温度の上昇に応じて、充電電流の供給を停止させる時間信号の発生をシフトする充電回路装置が開示されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、リチウムイオン二次電池を充電する従来の充電方法では、充電時間をほぼ一定としたり、充電電流値が設定値になると充電終了としていたために、様々な温度条件下にて充電した場合、充電の結果得られる容量が、たとえ、放電時の電池セル温度等の条件を等しくしても、ばらつくという問題があった。
【0006】
このようにリチウムイオン二次電池は、電池セル以外の電気な充電条件が等しい場合であっても、通常の室温時(常温)にて充電した後の放電容量に比較して、それよりも低温時では容量が少なく充電され、高温時では容量が増加して充電されるため、満充電とはならなかったり、サイクル劣化が激しく電池の寿命が短くなって、単純な充電制御では、最適な充電容量を確保することができないという問題があった。
【0007】
本発明はこのような従来技術の欠点を解消し、充電環境下に応じて最適な充電容量を確保することのできるリチウムイオン二次電池の充電方法およびその充電装置を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明は上述の課題を解決するために、リチウムイオン二次電池を充電するリチウムイオン二次電池の充電方法において、この方法は、充電開始時における二次電池の周囲温度と、充電中の二次電池の周囲温度とを検出し、充電中の充電電流を検出し、充電開始時および充電中の二次電池の周囲温度の変化と、二次電池に対する充電電流の変化とに基づいて、二次電池に対する充電処理を制御することを特徴とする。
【0009】
この場合、充電開始時における二次電池の周囲温度に応じた充電時間にて二次電池を充電する充電制御を行なうとよい。
【0010】
また、この方法は、二次電池に対する充電時間を計数して所定の充電時間となると充電を終了し、二次電池に対する充電処理を制御する際には、計数時間を再設定して充電時間を制御するとよい。
【0011】
この場合、二次電池の周囲温度の変化に応じて計数時間を再設定するとよい。
【0012】
また、この方法は、充電初期には定電流充電によって二次電池を充電し、二次電池のセル温度が最大値となったことを検出して定電圧充電に切り換えるとよい。
【0013】
また、この方法は、充電開始の二次電池の温度と充電中の温度との差を演算して充電中の二次電池の温度変化を認識し、充電開始時の周囲温度と充電中の周囲温度との差を演算して、充電中の周囲温度の変化を認識し、充電中の二次電池の温度変化と周囲温度の変化との差を演算して、この演算結果をあらかじめ設定された値と比較して、所定の値よりも小さい場合に充電処理を制御するとよい。
【0014】
この場合、充電中の二次電池の温度変化と周囲温度の変化との差があらかじめ設定された値とよりも小さい場合であって、現在充電中の充電電流値が定電流充電における充電電流の設定値よりも小さい場合に充電処理を制御するとよい。
【0015】
この場合、充電中の二次電池の温度変化と周囲温度の変化との差があらかじめ設定された値とよりも小さく、現在充電中の充電電流値が定電流充電における充電電流の設定値よりも小さい場合に、計数時間を現在の計数時間よりも長くなるように再設定するとよい。
【0016】
また、この方法は、充電中の二次電池の温度変化と周囲温度の変化との差があらかじめ設定された値とよりも小さく、現在充電中の充電電流値が定電流充電における充電電流の設定値よりも小さい場合に、計数時間を現在の計数時間よりも短くなるように再設定するとよい。
【0017】
また、この方法は、充電開始時の周囲温度と充電中の周囲温度との差を演算して、充電中の周囲温度の変化を認識し、この変化が許容範囲内であるか否かを判定し、この判定結果に応じて、二次電池に対する充電時間を短縮または延長させて充電処理を制御するとよい。
【0018】
また、本発明は上述の課題を解決するために、リチウムイオン二次電池を充電するリチウムイオン二次電池の充電装置において、この装置は、二次電池を定電圧定電流により充電するための電圧および電流を発生する充電手段と、定電圧定電流充電手段の出力をオンまたはオフさせて、二次電池の電池端子に供給する充電スイッチと、二次電池の開放電池端子電圧を検出する端子電圧検出手段と、充電手段から供給される充電電流を検出する電流検出手段と、二次電池のセル温度を検出するセル温度検出手段と、この充電装置の周囲温度を測定する周囲温度検出手段と、充電スイッチのオン・オフを制御する充電制御信号を生成して二次電池に対する充電処理を制御する制御手段とを有し、制御手段は、端子電圧検出手段にて検出される二次電池の開放端子電圧、および充電手段の出力を監視し、セル温度および周囲温度を検出する検出手段と、二次電池に対する充電時間を所定の設定時間から減算する充電タイマ手段とを有し、二次電池に対する充電電流、二次電池の開放電池端子電圧およびセル温度の変化に基づいて、充電タイマ手段の計数時間を設定して充電処理を制御することを特徴とする。
【0019】
この場合、制御手段は、充電開始時における二次電池の温度と充電中の温度との差を演算して充電中の二次電池の温度変化を認識し、充電開始時の周囲温度と充電中の周囲温度との差を演算して、充電中の周囲温度の変化を認識し、充電中の二次電池の温度変化と周囲温度の変化との差を演算して、演算結果をあらかじめ設定された所定の値と比較し、所定の値よりも小さい場合に充電処理を制御するとよい。
【0020】
この場合、制御手段は、充電中の二次電池の温度変化と周囲温度の変化との差が所定の値よりも小さい場合であって、充電中の充電電流値が定電流充電における充電電流の設定値よりも小さい場合に、充電処理を制御するとよい。
【0021】
また、制御手段は、充電開始時における周囲温度に応じた充電時間を充電タイマ手段に初期設定するとよい。
【0022】
また、制御手段は、充電開始時における周囲温度と充電中の周囲温度との差に基づいて計数時間を再設定するとよい。
【0023】
【発明の実施の形態】
次に添付図面を参照して本発明によるリチウムイオン二次電池の充電方法およびその充電装置の実施例を詳細に説明する。
【0024】
図1を参照すると同図には、本発明が適用された充電器のブロック図が示されている。この充電器10は、充電出力端子(BV,BGND) および温度検出端子(T) に着脱可能に接続される電池パック12を、温度に応じて適切に充電することのできる充電装置である。本実施例における充電器10は、電池パック12に収容された二次電池を充電する際に、はじめに最大充電電圧の決まっている定電流で充電し、その後二次電池のセル温度の変化に応じて定電圧充電に切り替えて充電する定電流定電圧充電機能を有し、とくに充電器10は、二次電池のセル温度と、その充電環境下における周囲の温度とを監視し、また二次電池に対する充電電圧と、二次電池の電池端子電圧と、充電時の電流とを監視して、これら監視結果に応じて適切な充電処理を行なう。なお、以下の説明において、本発明に直接関係のない部分は、その図示および説明を省略し、信号の現われる符号はその信号線の参照符号で表わす。
【0025】
充電器10の電源入力端子(+V)100aおよび(GND)100b には、交流電源を所定の電圧に降圧して整流する不図示の直流電源装置が接続され、この直流電源装置から供給される直流電源電圧が印加される。また、電源入力端子100bはグランド(GND) に接続されている。また、この直流電源装置の出力は、充電器10の各部に供給され、動作用の電源として使用される。
【0026】
定電圧制御回路14は、電源入力端子100a,100b に印加される直流電源を、定電圧にて出力する回路である。定電圧制御回路14は、電池パック12の二次電池を充電する充電出力を出力102a,100b に出力する。定電圧制御回路14の出力102aは、充電スイッチとして機能するトランジスタ16のエミッタに接続され、出力102aはさらに抵抗R1を介して充電制御回路18の充電電圧入力(Vreg)104 に接続されている。
【0027】
トランジスタ16は、エミッタに印加される充電出力をそのベース電位に応じてコレクタに接続し、定電圧制御回路14から供給される充電出力をスイッチングする充電スイッチである。トランジスタ16のコレクタ106 は、逆流防止用のダイオード20を介して出力端子(BV)108 に接続されている。トランジスタ16のベースは、接続線110 を介してトランジスタ22のコレクタに接続され、トランジスタ22のベース112 は、抵抗R2を介して充電制御回路18の充電スイッチ出力114 に接続されるとともに、抵抗R3を介してそのエミッタおよびグランド(GND) に接続されている。
【0028】
一方、定電圧制御回路14の出力102bは電流制限回路24に接続され、電流制限回路24は、バッテリグランド端子(BGND)110 からの電流を制限して定電圧制御回路14に戻すとともに、その電流値を検出する回路である。電流制限回路24は、検出される電流に応じた電圧値を示す電流値信号を接続線118 を介して接続された充電制御回路18に供給する。
【0029】
充電制御回路18は、図6に示すように充電開始の初期には定電流充電を行ない、二次電池のセル温度がピークとなったことを検出すると定電圧充電にて充電処理を行なう制御回路である。充電制御回路18は、後述の充電タイマに設定される期間には、二次電池を定電圧充電する充電処理を継続する定電流定電圧充電方式によって、二次電池を充電する制御を行なう。本実施例における充電制御回路18は、とくに定電圧充電処理中における二次電池の実質的なセル温度の変化および二次電池への充電電流に応じて充電処理を制御する機能を有する。
【0030】
詳しくは、充電制御回路18は、トランジスタ16をオン/オフさせ、二次電池に対する充電電圧および充電電流の供給を制御することによって、充電器出力電圧(Vreg)と電池端子電圧(Vbat)とを確認し、これを一定時間ごとに繰り返すことを、充電タイマにおける計数値が減少して0となるまで継続する充電制御を行なう。とくに、充電制御回路18は、充電電流値およびセル温度値などの状況に応じて充電タイマにおける設定時間を再設定する機能を有し、これによって適切な充電時間を確保するようにして充電処理を制御する。このとき充電制御回路18は、検出したセル温度を周囲の温度の変化に応じて補正し、補正された実質的なセル温度に基づいてタイマ時間を再設定し、充電時間を最適な時間に制御する。また、充電制御回路18は、充電中における充電電圧(Vreg)と電池端子電圧(Vbat)との低下を認識し、その異常状況に応じて充電処理を停止または終了させる機能を有している。また、充電制御回路18は、充電タイマにおける残時間がゼロとなるとトランジスタ16をオフさせ、その後、電池パック12が充電器10から離脱されたことを、たとえば電池パック12に収容されたサーミスタの接続の有無によって検出すると充電処理を終了させる。
【0031】
また、充電制御回路18は、充電中の充電電流値と、定電流充電時に設定されて流れる充電電流との比に応じた充電電流比率に応じて、定電圧充電処理における二次電池に対する充電処理を制御する機能を有している。具体的には充電制御回路18は、現在の充電電流値を定電流充電電流の設定値で除算して充電電流比率を算出し、その充電電流比率が、設定値よりも小さいか否かを比較判定する機能を有している。充電制御回路18は、充電電流比率が設定値よりも小さい場合に、ある程度充電が進んだと判定して充電タイマの設定時間を再設定する。
【0032】
充電制御回路18の入力120 には、温度センサ26が接続され、この温度センサ26は、充電器10の周囲温度を検出する温度検出素子である。充電制御回路18は、温度センサ26にて検出された温度値を認識して充電開始時における周囲温度を記憶するとともに、この周囲温度に応じた充電タイマ時間を設定する機能を有する。また、温度センサ26は、充電中における周囲温度を継続して検出し、充電制御回路18は、温度センサ26にて検出される温度の変化に基づいて、二次電池に対する充電制御を行なう機能を有している。温度センサ26は、充電器10の内部回路や電池パック12にて発生する熱の影響を極力受けない場所に配置される。
【0033】
充電制御回路18の内部構成を図2を参照して説明すると、本実施例における充電制御回路18は、有利にはマイクロコンピュータシステムにて構成され、各種アナログ信号を入力104,108,116,118 および120 に入力して検出し、これらを択一的に選択して出力200 に接続する検出回路202 と、検出回路202 から出力される信号200 の値をディジタル値に変換するA/D 変換部204 と、ディジタル値に変換されたデータを入力206 に受けて、これらデータと、充電制御のための設定値とを所定の記憶領域に格納する記憶部208 と、記憶部208 にて格納されたデータおよび設定値を入力210 に入力して各種演算を行なう演算処理部212 と、演算処理部212 における演算結果214 と記憶部208 から読み出される設定値216 とを比較し、その比較結果に応じて充電タイマ時間を再設定するとともに、トランジスタ16のオン/オフを制御するための制御信号を出力114 に出力する判定処理部218 と、充電開始時における周囲温度に応じて初期設定した充電時間を減算して計数する充電タイマ220 であって、判定処理部218 における判定結果に応じて充電時間が再設定されて計数する充電タイマ220 とを含む。本実施例では充電タイマ220 にはあらかじめ2.5 時間の基本充電時間が設定され、充電開始時における周囲温度に応じて、周囲温度が25度よりも高い場合には、この充電時間を短縮し、逆に周囲温度が25度よりも低い場合には充電時間を延長させるように充電時間を設定する。また、定電圧充電の開始時からこの時間が減算され、さらに、たとえば周囲温度の変化や充電電流比率の変化などの状況に応じてこの充電時間が再設定される。
【0034】
詳しくは、A/D 変換部204 は、検出回路202 にて検出される充電電圧(Vreg)104 と、電池端子電圧(Vbat)108 と、電池パック12から温度検出端子(T) を介して供給されるセル温度値(Tc)116 と、温度センサ26にて測定される周囲温度値(Ta)120 と、電流制限回路24にて測定される電流値118 とをそれぞれ入力し、これらを充電制御の精度に応じたディジタル値に順次変換するアナログ・ディジタル変換回路である。A/D 変換回路204 は、これら検出および変換されるディジタル信号を演算処理部212 に供給し、さらに、充電開始時における周囲温度を表わすディジタル信号を記憶部208 に供給する。また、A/D 変換部204 は、充電電圧(Vreg)と、電池端子電圧(Vbat)とを後述の判定部218 に供給し、判定処理部218 にてこれら電圧の低下が検出される。また、A/D 変換部204 は、温度検出端子(T)116を介して検出される抵抗値の変化を判定処理部218 に供給し、電池パック12の装着状態を判定させる。
【0035】
記憶部208 は、充電開始時における充電器10の環境温度として、充電器10の周囲温度を記憶するとともに、充電制御のための各種設定値を格納しておくメモリ回路である。本実施例における記憶部208 は、温度センサ26にて検出されてディジタル値に変換される充電開始時における周囲温度の測定値を格納する記憶領域を有している。また、記憶部208 は、充電開始時の周囲温度を基準とする実質的なセル温度の変化分を規定する設定値と、充電電流比率の設定値とを格納する機能を有している。本実施例における記憶部208 には、このセル温度の変化分の設定値として、たとえば0.5 度を示すデータが格納され、また充電電流比率の設定値として0.1 を示すデータがそれぞれ格納されている。記憶部208 は、格納している情報を必要に応じて演算処理部212 に出力する。
【0036】
演算処理部212 は、充電時におけるセル温度の変化を、環境温度の変化に応じて補正演算する演算回路である。具体的には、演算処理部212 は、現在のセル温度値と充電開始時のセル温度値との差を表わす値ΔTcを算出する機能を有している。
【0037】
【数1】
ΔTc=(現在のセル温度−充電前のセル温度)
また、演算処理部212 は、現在の周囲温度値と、充電開始時の周囲温度値の差を表わす値ΔTaを算出する機能を有している。
【0038】
【数2】
ΔTa=(現在の周囲温度−充電前の周囲温度)
さらに演算処理部212 は、値ΔTcと値ΔTaとの差を計算して、実質的なセル温度変化分を表わす値ΔTを算出する機能を有している。
【0039】
【数3】
ΔT=(ΔTc−ΔTa)
また、演算処理部212 は、充電中における現在の充電電流の値と、記憶部208 にて記憶されている定電流充電設定値との比を表わす充電電流比率rを算出する機能を有し、算出された充電電流比率rを判定処理部218 に供給する演算回路である。
【0040】
【数4】
充電電流比率r=(現在の充電電流/定電流充電の設定値)
演算処理部212 は算出された値ΔTと充電電流比率とを出力214 に接続された判定処理部218 に送る。
【0041】
判定処理部218 は、A/D 変換部204 にて変換される各種測定結果と、演算処理部212 における演算結果と、記憶部208 に記憶された設定値および充電開始時における周囲温度の測定値とによって、二次電池に対する適切な充電処理を判定し、この判定結果に応じてトランジスタ16および22をオン/オフさせる充電制御信号を生成することにより充電制御を行なう機能部である。
【0042】
本実施例における判定処理部218 を詳細に説明すると、判定処理部218 は、電池パック12が充電器10に装着されたことを検出し、装着された電池パック12の端子電圧(Vbat)が、充電可能な電圧の範囲内であるか否かを判定する機能を有する。判定処理部218 は、たとえば、電池パック12に配設されたサーミスタが温度検出端子(T)116および出力端子(BGND)110 に接続されたことを、その端子間の抵抗値の変化によって認識し、これにより電池パック12が充電器本体10へ着脱されたことを検出する。これに限らず、電池パック12の着脱検出のための検出素子を装着部分に設けて、その検出結果に応じて電池パック12を検出するようにしてもよい。
【0043】
判定処理部218 は、セル温度と周囲温度との差を演算し、この差が最大値よりも下降することを検出すると、定電流充電から定電圧充電に切り替え、充電開始時における周囲温度に応じたタイマ時間を設定して充電タイマ220 を起動する。そして、判定処理部218 は、セル温度と周囲温度との差が、設定値よりも小さくなったことを判定すると、そのときのタイマ経過時間に応じて、充電電流を遮断しもしくは充電タイマ時間を再設定する。
【0044】
たとえば、判定処理部218 は、演算処理部212 から供給される値ΔTと、記憶部208 に格納された設定値との大小を比較演算する。また、判定処理部218 は、値ΔTと設定値との比較の結果、ΔTが設定値よりも小さい場合に、さらに、演算処理部212 にて算出された充電電流比率rと記憶部208 に格納された設定値との大小を比較演算する。判定処理部218 は、充電電流比率rと設定値との比較の結果、充電電流比率rが設定値よりも小さい場合に、充電タイマ220 における設定時間を再設定する。充電タイマ220 の再設定時間は0を含み、この場合、充電処理手順に従って充電完了処理に移行する。
【0045】
また、判定処理部218 は、充電処理手順に従って充電制御信号114 をHighレベルまたは Lowレベルに制御しトランジスタ22および16をオン/オフさせ、充電電圧(Vreg)および電池端子電圧(Vbat)を検出する間にはトランジスタ22および16をオフさせる。また、判定処理部218 は、充電中の電圧低下を判定する際には、トランジスタ22および16をオン状態に制御した状態にてA/D 変換部204 からの電圧値を受けて充電電圧(Vreg)および電池端子電圧(Vbat)の低下を判定する。この場合、判定処理部218 は、充電電圧(Vreg)および電池端子電圧(Vbat)が低下したことを判定すると充電スイッチ出力114 を Lowレベルに制御してトランジスタ22および16をオフさせる。これにより判定処理部218 は、たとえば短絡等によって電池端子電圧(Vbat)が急激に低下したことを判定して、充電出力(Vreg)を電池パック12から遮断することができる。また、判定処理部218 は、充電出力電圧(Vreg)が電池パック12を充電するのに十分な電圧値であるか否かを判断し、充電不可の回数に応じて充電を停止させるとともに、充電異常を示す表示を出力させる機能を有する。
【0046】
充電タイマ部220 は、判定処理部218 によって設定されたタイマ設定時間をカウントする時間計数回路である。充電タイマ部220 は、充電環境に応じて設定された時間を順次減算して、残時間が"0" となるまで計数を継続する機能を有している。また、充電タイマ部220 は判定処理部218 によってタイマの残り時間が再設定される。この判定処理部218 が再設定する時間はゼロを含み、その場合、充電処理を直ちに終了させることができる。また、判定処理部218 がゼロを超える時間設定を行なう場合には、充電時間を延長させることができる。本実施例の充電タイマ220 には、周囲温度がたとえば25度の場合を基準とする2.5 時間を表わす基準時間が設定され、周囲温度が25度よりも低い場合には基準時間よりも長い時間が設定され、周囲温度が25度よりも高い場合には基準時間よりも短い時間が設定される。これら設定時間はさらに、周囲温度およびセル温度の変化と充電電流比率の変化に応じて判定処理部218 によって再設定される。
【0047】
本実施例における電池パック12を図5に示した分解構成図を参照して説明すると、電池パック12は、複数本が直列に接続されたリチウムイオン(Lithium-Ion) 二次電池500 と、この二次電池を保護するための回路基板502 と、リチウムイオン二次電池の表面温度をセル温度として検出する検出素子504 と、これら構成部を収納する上ケース506 および下ケース508 とを含む。
【0048】
リチウムイオン二次電池500 は、リチウム塩の有機溶媒を電解質に使用し、リチウムイオンの移動による酸化還元反応によって電気を起こすように構成された非水系2次電池である。本実施例におけるリチウムイオン二次電池500 は、円筒型の2本の電池セル500 が接続板501 によって直列に接続され、その両端の正極および負極は、回路基板の出力端子(+)510および出力端子(-)512に接続されている。これにより電池パック12は、単一セルの公称電圧、たとえば、4.2 ボルトの2倍の8.4 ボルトの直流電圧を出力端子間に生成する。これら出力端子510,512 は、下ケース508 に配置された接続端子(+)514,(-)516 にそれぞれ接続され、これら接続端子が充電器10との接続点となっている。
【0049】
このリチウムイオン二次電池500 の充放電特性表を図7に示す。この特性表は、充電器10の周囲の温度を充放電それぞれにて25にし、公称容量に基づく充電電流値を1Cにて定電圧定電流充電を実行して2時間30分間充電した二次電池を、1Cにて放電した場合の放電容量を100 パーセントとした場合を基準とした各充電温度に対する放電温度および放電容量の実験相対比較表である。この実験結果から、充電時に基準温度(25)よりも低温であれば、公称容量を得るために充電時間を一定時間延長する必要があり、高温であれば、充電時間を一定時間短縮してよいことがわかる。ただし、充電時間を延長する場合には、二次電池の電池特性に応じた最大充電時間範囲内に限定される。本実施例では、このような結果に応じたデータが記憶部208 に格納され、これに基づいて充電開始時の周囲温度に応じた充電時間を充電タイマに設定し、その後の充電中における温度変化に応じてさらに充電タイマ時間を再設定するように充電器10が構成されている。
【0050】
図5に戻って、電池パック12の上ケース506 と電池セル500 との間には、電池セル500 に密着するようにして温度検出素子504 が配設されている。本実施例における温度検出素子504 は、温度に応じてその抵抗値が変化する薄型のサーミスタや半導体センサ等が有利に適用される。なお、同図では、一方の電池セル500 に対し温度検出素子504 が配置されているが、2本の電池セル500 に共通に接するように、たとえば2つの電池セル500 間に温度検出素子504 を配置することができる。このように、温度検出素子504 は、電池セル500 の発熱による温度変化がすぐ現われるような場所に配置されるとよいが、これに限らず、電池パック12内の温度がセル温度とほぼ等しくなる場合には、電池パック内温度が検出される場所に配置されてもよい。温度検出端子500 の一方のリードは、回路基板502 に設けられた温度検出用の検出端子(T)518に接続され、他方のリードは、接続端子(-)512に接続されている。この温度検出端子(T)518は、下ケース508 の検出窓520 を通して充電器10の検出端子(T) に接続されるように配設される。
【0051】
回路基板502 は、回路基板502 は、電池セル500 の出力端子と、下ケース508 の接続端子514,516 とを接続し、電池セル500 の端子間および電池パック12の出力端子514,516 間の短絡などの異常時に、電池パック12の接続端子514,516 と電池セル500 とを切り離す遮断機能を有している。
【0052】
一方、この電池パック12を充電する充電器10本体は、図3にその外観を示すように、電池パック12を装着するための取付部300 と、電池パック12の接続端子514,516 に接続される出力端子108 およびバッテリグランド端子110 と、電池パック12の検出端子518 に接続される温度検出端子116 とを有している。また、充電器10には、周囲温度を測定するための温度センサ26が、たとえば、充電器10本体の後部側面の内部に配設されている。
【0053】
電池パック12は、同図に矢印で示すように充電器10に装着されて、充電器10本体の出力端子108 と、バッテリグランド端子110 と、温度検出端子116 とがそれぞれ、電池パック12の接続端子514,516 および検出端子518 に接続される。その装着状態を図4に示す。これら図3および4では、取り付けのための係合部、ロック機構および取り外し機構は、図の煩雑化をさけるために省略してある。また、充電器10の前面には、充電中を示す充電ランプと、充電異常が発生した際に点灯して異常を知らせる異常表示ランプ400 とを含む表示部が設けられている。
【0054】
なお、充電器10は、装着された電池パック12によって駆動される電子カメラなどの映像機器や、その他コンピュータシステムを含む情報機器、さらには無線および有線による通信機器などの電子機器を含むものでもよく、この場合、充電された電池パック12を電子機器および充電器10に装着したまま、電池パック12からの電力を電子機器に供給して作動させることができる。この場合、電子機器の作動によって充電器本体10および電池パック12自体がある程度発熱して暖まっている状態においても、二次電池を充電する際にはその温度が周囲温度として認識され、この周囲温度と二次電池のセル温度とに応じて最適な充電処理を行なうことができる。
【0055】
以上のような構成で、本実施例における充電器10の動作を図8〜図11を参照して説明する。まず不図示の直流電源装置から直流電源が定電圧制御回路14の端子100 および充電器10の各部に供給されて動作状態となる。この初期状態では、充電制御回路18の充電制御信号114 が Lowレベルに制御されて、トランジスタ22および16がそれぞれオフ状態となり、定電圧制御回 14の出力は、端子108 および110 と切り離されている。
【0056】
図8に示すステップ800 において、電池パック12が充電器10に装着されたかどうかが、たとえば温度検出端子(T) と端子(BGND)間の抵抗値の変化に基づいて判定される。電池パック12が充電器10本体に装着されると、これが端子116,110 間の抵抗値の変化によって検出されてステップ802 に進む。
【0057】
ステップ802 では、二次電池の端子電圧Vbatが充電可能な範囲か否かが、端子108,110 間の電圧によって判定される。この電圧値が充電可能な電圧範囲でなければ充電不可と判断してステップ808 に進み、充電可能な範囲であればステップ804 に進む。ステップ804 において、電圧Vreg104 が充電可能な電圧範囲か否かが判定され、充電可能な電圧範囲であればステップ806 に進み、そうでなければ充電不可と判断してステップ808 に進む。ステップ808 に進むと、ステップ802 および804 にて充電不可として判断された回数が計数され、ついでステップ810 に進み、これら充電不可回数があらかじめ設定されたN回となったか否かが判定される。充電不可回数がN回である場合にはステップ812 に進み、充電不可回数がN回でない場合にはステップ802 に戻る。
【0058】
また、ステップ804 に続くステップ806 において、電圧Vregと電圧Vbatの値が比較演算されて、電圧Vregの値が電圧Vbat以上である場合には図9に示すステップ900 に進み、それ以外の時にはステップ812 に進む。
【0059】
充電回数がN回である場合および電圧Vregの値が電圧Vbat未満である場合のステップ812 において、充電制御信号が Low状態に制御され充電スイッチがOFF 状態に維持および制御され、不図示の充電異常表示ランプ400 が点灯される。
【0060】
ステップ900 において、電池パック12に配設されたサーミスタの抵抗値が端子116 を介し計測され、二次電池のセル温度が検出される。続くステップ902 では、温度センサ26の抵抗値によって充電器10の周囲温度が検出される。これら検出されたセル温度と周囲温度を表わす、特に充電開始時のデータは充電制御回路18の記憶部208 に格納される。
【0061】
次いでステップ904 に進み、セル温度が最大値から下降に移ったか否かが判定され、セル温度が最大値から下降状態となっている場合にはステップ906 に進む。ステップ906 では、充電開始時に検出された周囲温度に応じた充電時間が、記憶部208 に格納されている各温度における充放電特性に応じたデータに基づいて求められて設定される。たとえば、充電開始時の周囲温度が25度であれば2時間30分に充電タイマ時間が設定され、それよりも低温の場合、たとえば0度の場合には2時間30分を延長させた時間が設定される。逆に充電開始時の周囲温度が25度よりも高温であった場合には、2時間30分を短縮した充電時間が設定される。充電時間が設定され充電タイマ220 における計数が開始されるとステップ908 に進む。この場合、充電タイマ220 がすでに計数中の場合にはその計数を続行し再開始はされない。また、セル温度が最大となっていない場合にはステップ904 からステップ910 に進む。
【0062】
ステップ908 では、充電タイマ220 を再設定するか否かを判定する処理が行なわれる。詳しくは充電タイマの時間演算処理は、図11に示すステップ1100において、現在のセル温度値と充電開始時のセル温度値との差が演算処理部212 にて算出されてその演算結果の値ΔTcが求められる。続くステップ1102において、現在の周囲温度値と充電開始時の周囲温度値との差が演算処理部212 にて算出されてその演算結果の値ΔTaが求められる。次いでステップ1104において、値ΔTcと値ΔTaとの差が演算処理部212 にて演算され、実質的なセル温度変化分を表わす値ΔTが求められる。
【0063】
ステップ1106において、ステップ1104にて求められたΔTが設定値よりも小さいか否かが判定処理部212 にて判定され、小さい場合にはステップ1108に進み、そうでない場合にはステップ910 に進む。
【0064】
ステップ1108において、現在の充電電流値118 と記憶部208 にて記憶されている定電流充電設定値との比を表わす充電電流比率rが演算処理部212 にて算出され、算出された充電電流比率rが設定値よりも小さいか否かが判定処理部218 にて判定される。充電電流比率rが設定とよりも小さい場合にはステップ1110に進み、そうでない場合にはステップ906 に進む。ステップ1110では、充電タイマ220 の計数時間がたとえば30分に再設定される。
【0065】
ステップ904 および908 に続く、ステップ910 において、充電制御信号によってトランジスタ22および16ががオン状態に制御され、定電圧制御回路14の出力が端子108 および110 を介して電池パック12に供給される。次いでステップ912 に進み、電圧Vregが充電可能な電圧の範囲内よりも低下したかどうか判定される。電圧が低下したことが検出されるとステップ812 および814 に進んで充電スイッチ16がオフ状態となってさらに充電異常表示ランプ400 が点灯され、そうでない場合にはステップ912 に進んで電圧Vbatが充電可能な電圧のうち最低電圧以下であるかどうかが判定され、最低電圧以下であれば、トランジスタ16がオフ状態に制御されて充電器10の充電出力が停止される(ステップ916 )。また、ステップ914 にて電圧Vbatが充電可能な電圧である場合には、図10に示すステップ1000に進む。
【0066】
ステップ1000において一定時間が経過したか否かが判定され、経過していない場合にはステップ1004にて、さらに、電圧Vregと電圧Vbatの値が比較演算されて、電圧Vregの値が電圧Vbat以上である場合にはステップ802 に戻り、そうでない場合にはステップ1006に進む。ステップ1006では、電圧Vregと電圧Vbatの値がほぼ等しい値であるか否かが判定され、等しい場合にはステップ1008に進み、等しくない場合にはステップ912 に戻る。
【0067】
ステップ1008では、充電タイマ220 の計数時間が0となったかどうかが判定されて、計数時間が0となっている場合にはステップ1010に進み、計数時間が0ではない場合にはステップ802 に進む。ステップ1012に進むと充電が完了したことが、電池パック12が充電器から取り外されたことで検出されて、一連の充電制御処理が終了する。
【0068】
本実施例ではとくに、セル温度がピークとなったあと定電流充電から定電圧充電処理に移行し、このとき充電タイマ220 の計数が開始される。この場合、充電開始時における周囲温度に応じた適切な充電時間が充電タイマ220 に設定される。そしてさらに、現在のセル温度および充電開始時のセル温度の差と、現在の周囲温度および充電開始時の周囲温度の差を求めて、これらの差をさらに求めることによって、セル温度と周囲温度との差が設定値よりも小さくなった場合に充電タイマ220 の計数時間を再設定して、充電処理を制御することができる。つまり、本実施例では、適切な充電時間を設定して充電を行ない、さらにセル温度の変化と周囲温度の変化に応じて充電を制御するので、充電環境に応じて最適な充電容量を確保するようにして二次電池を充電することができる。
【0069】
たとえば、定電圧充電処理中に、周囲温度が上昇した場合に充電時間を短縮させることができ、また、周囲温度が一定の場合であっても、セル温度の上昇に応じて充電時間を短縮させ、セル温度の下降に応じて充電時間を延長させて、最適な充電容量を確保することができる。なお、充電時間を延長する場合には、二次電池の最大充電時間が規定されている場合には、その範囲内にて充電時間が延長される。
【0070】
以上、二次電池のセル温度を用いて充電制御を行なう実施例を説明したが、セル温度の変化によらず充電タイマの時間演算処理を行なうことができる。具体的には、図9に示した充電タイマ時間演算処理は、図12に示すような手順にて行なわれる。このような充電タイマ時間演算処理を行なうために、図1に示した充電制御回路18は、充電中における周囲温度の変化を、充電開始時の周囲温度と現在の周囲温度との差を演算し、その差が許容されるある程度よりも大きい場合に充電タイマ時間を短縮し、逆にその差が許容されるある程度よりも小さい場合に充電タイマ時間を短縮するように充電タイマ220 を再設定する充電制御を行なう。
【0071】
このためこの実施例では、充電制御回路18の記憶部208 には、周囲温度の変化分の許容値を表わす許容温度値が格納され、判定処理部218 は、この許容温度値に基づいて周囲温度の変化分の大小を判定する。このように構成された充電器のその他の部分については前述の実施例と同様の構成でよく、この充電器の動作はメインの処理において先に示した図8〜10と同様の処理でよい。この充電器の充電タイマ時間演算処理(ステップ908 (図9))を図12を参照して以下に説明すると、ステップ1200において、現在の周囲温度値と充電開始時の周囲温度値との差が演算処理部212 にて算出されてその演算結果の値ΔTaが求められる。次いでステップ1202に進み、ステップ1200にて算出された値ΔTaが記憶部208 に記憶されている許容温度範囲を超えて大きいか否かが判定され、値ΔTaが許容温度範囲よりも大きい場合には、ステップ1204に進んで、タイマ時間を短縮するフラグがたてられる。逆に値ΔTaが許容温度範囲以下の場合にはステップ1206に進んで、値ΔTaが許容温度範囲とほぼ等しい場合にはステップ1210に進み、そうでない場合にはステップ1208に進んでタイマ時間を延長するフラグがたてられる。
【0072】
ステップ1210では、現在の充電電流値118 と記憶部208 にて記憶されている定電流充電設定値との比を表わす充電電流比率rが演算処理部212 にて算出され、算出された充電電流比率rが設定値よりも小さいか否かが判定処理部218 にて判定される。充電電流比率rが設定とよりも小さい場合にはステップ1212に進み、そうでない場合には図9に示したステップ910 に進む。
【0073】
ステップ1212では、ステップ1204または1208にてたてられた最新のフラグに従って、充電時間を再設定するタイマ時間が決定され、これに応じて充電タイマ220 における計数時間が再設定される。この結果、本実施例では、現在の周囲温度を充電前の周囲温度によって補正した値ΔTaの上昇もしくは下降に基づいて充電タイマ時間が短縮または延長されるように充電制御が行なわれ、二次電池に対する適切な充電制御を行なうことができ、充電不足および過充電のない充電器が提供される。このため二次電池のサイクル劣化を適切に防止することができる。
【0074】
以上、説明したように、リチウムイオン二次電池の充電温度特性から、定電流定電圧した場合、定電流領域から定電圧領域への変わり目でセル温度は最大となり、定電圧充電領域で充電電流が減少するに従いセル温度も下降する。そして、充電前の周囲温度に応じた充電時間を設定して充電を開始し、セル温度と周囲温度との差が設定値より小さくなったときに、充電タイマ時間を延長するか短縮させるかを判断して充電を制御する。したがって、実際の周囲温度とセル温度と周囲温度の差を比較しながら充電を制御しているため、リチウムイオン二次電池をその充電環境にて最適な充電容量が得られる。また、セル温度の変化を監視しない場合であっても、周囲温度の変化の状態からタイマ時間を再設定して充電時間を制御することができる。この結果、たとえば、周囲温度上昇時における過充電を防止されるので電池セルの劣化を防止することができ、また、周囲温度下降時には充電不足が発生することを防止することができる。従って、サイクル劣化を極力防止し電池パックを適切に充電することができる充電器が提供される。また、周囲温度の変化が微小であって、ほぼ一定であった場合には、充電時間はセル温度が低下すると長く設定され、逆にセル温度が上昇すると短く設定されて、こらの場合も適切な充電制御機能が働く。また、充電時に電池パックの温度を検出することができるため、たとえば、セル内部にて異常が発生し、セルが高温となった場合、この温度上昇が検出されて充電処理を直ちに停止することができる。
【0075】
【発明の効果】
このように本発明によれば、充電開始時における二次電池の周囲温度と、充電中の二次電池の周囲温度と、充電中の充電電流とをそれぞれ検出し、充電開始時において周囲温度に応じた適切な充電時間を制御し、さらに充電開始時および充電中の二次電池の周囲温度の変化と充電電流の変化とに応じて、二次電池に対する充電処理を初期の設定よりも延長または短縮するので最適な充電処理を行なうことができる。この結果、過充電など二次電池を痛めることを防止しつつ適切な満充電を得ることができ、二次電池のサイクル寿命を適切に維持することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明が適用された充電装置の一実施例を示すブロック図である。
【図2】図1に示した充電制御回路の内部構成の一例を示すブロック図である。
【図3】実施例における充電装置と電池パックを示す外観図である。
【図4】実施例における充電装置と電池パックとの装着状態を示す図である。
【図5】実施例における電池パックの内部構成を示す分解図である。
【図6】定電流電圧充電処理における充電電流とセル表面温度との変化を示す図である。
【図7】実施例におけるリチウムイオン二次電池の充放電温度に応じた放電容量を相対的に示す表である。
【図8】実施例における充電処理制御を示すフロー図である。
【図9】実施例における充電処理制御を示すフロー図である。
【図10】実施例における充電処理制御を示すフロー図である。
【図11】実施例における充電処理制御における充電タイマ時間演算処理を示すフロー図である。
【図12】充電タイマ時間演算処理の他の実施例を示すフロー図である。
【符号の説明】
10 充電器
12 電池パック
14 定電圧制御回路
16 トランジスタ(充電スイッチ)
18 充電制御回路
26 温度センサ
108,110 充電出力端子
116 温度検出端子

Claims (16)

  1. リチウムイオン二次電池を充電するリチウムイオン二次電池の充電方法において、該方法は、
    充電の初期においては定電流で充電し、その後定電圧充電にて充電処理を行い、
    充電開始時における前記二次電池の周囲温度と、充電中の該二次電池の周囲温度とを検出し、充電中の充電電流を検出し、
    充電開始時および充電中の前記二次電池の周囲温度の変化と、該二次電池に対する充電電流の変化とに基づいて、該二次電池に対する充電処理を制御し、前記定電圧充電中に周囲温度の変化を検出して充電処理を制御することを特徴とするリチウムイオン二次電池の充電方法。
  2. 請求項1に記載のリチウムイオン二次電池の充電方法において、該方法は、前記充電開始時における前記二次電池の周囲温度に応じた充電時間にて該二次電池を充電する充電制御を行なうことを特徴とするリチウムイオン二次電池の充電方法。
  3. 請求項1に記載のリチウムイオン二次電池の充電方法において、該方法は、前記二次電池に対する充電時間を計数して所定の充電時間となると充電を終了し、該二次電池に対する充電処理を制御する際には、前記計数時間を再設定して充電時間を制御することを特徴とするリチウムイオン二次電池の充電方法。
  4. 請求項3に記載のリチウムイオン二次電池の充電方法において、該方法は、前記二次電池の周囲温度の変化に応じて前記計数時間を再設定することを特徴とするリチウムイオン二次電池の充電方法。
  5. 請求項1に記載のリチウムイオン二次電池の充電方法において、該方法は、充電初期には定電流充電によって前記二次電池を充電し、該二次電池のセル温度が最大値となったことを検出して定電圧充電に切り換えることを特徴とするリチウムイオン二次電池の充電方法。
  6. 請求項1に記載のリチウムイオン二次電池の充電方法において、該方法は、
    前記充電開始の二次電池の温度と充電中の温度との差を演算して前記充電中の二次電池の温度変化を認識し、
    前記充電開始時の周囲温度と充電中の周囲温度との差を演算して、前記充電中の周囲温度の変化を認識し、
    前記充電中の二次電池の温度変化と前記周囲温度の変化との差を演算して、該演算結果をあらかじめ設定された値と比較して、所定の値よりも小さい場合に前記充電処理を制御することを特徴とするリチウムイオン二次電池の充電方法。
  7. 請求項6に記載のリチウムイオン二次電池の充電方法において、該方法は、前記充電中の二次電池の温度変化と前記周囲温度の変化との差が前記あらかじめ設定された値とよりも小さい場合であって、現在充電中の充電電流値が定電流充電における充電電流の設定値よりも小さい場合に前記充電処理を制御することを特徴とするリチウムイオン二次電池の充電方法。
  8. 請求項7に記載のリチウムイオン二次電池の充電方法において、該方法は、前記充電中の二次電池の温度変化と前記周囲温度の変化との差が前記あらかじめ設定された値とよりも小さく、現在充電中の充電電流値が定電流充電における充電電流の設定値よりも小さい場合に、前記計数時間を現在の計数時間よりも長くなるように再設定することを特徴とするリチウムイオン二次電池の充電方法。
  9. 請求項7に記載のリチウムイオン二次電池の充電方法において、該方法は、前記充電中の二次電池の温度変化と前記周囲温度の変化との差が前記あらかじめ設定された値とよりも小さく、現在充電中の充電電流値が定電流充電における充電電流の設定値よりも小さい場合に、前記計数時間を現在の計数時間よりも短くなるように再設定することを特徴とするリチウムイオン二次電池の充電方法。
  10. 請求項1に記載のリチウムイオン二次電池の充電方法において、該方法は、前記充電開始時の周囲温度と充電中の周囲温度との差を演算して、前記充電中の周囲温度の変化を認識し、該変化が許容範囲内であるか否かを判定し、該判定結果に応じて、前記二次電池に対する充電時間を短縮または延長させて前記充電処理を制御することを特徴とするリチウムイオン二次電池の充電方法。
  11. リチウムイオン二次電池を充電するリチウムイオン二次電池の充電装置において、該装置は、
    前記二次電池を定電圧定電流により充電するための電圧および電流を発生する充電手段であって、充電の初期には定電流で前記二次電池を充電し、その後定電圧充電にて充電処理を行う充電手段と、
    該定電圧定電流充電手段の出力をオンまたはオフさせて、前記二次電池の電池端子に供給する充電スイッチと、
    前記二次電池の開放電池端子電圧を検出する端子電圧検出手段と、
    前記充電手段から供給される充電電流を検出する電流検出手段と、
    前記二次電池のセル温度を検出するセル温度検出手段と、
    該充電装置の周囲温度を測定する周囲温度検出手段と、
    前記充電スイッチのオン・オフを制御する充電制御信号を生成して前記二次電池に対する充電処理を制御する制御手段とを有し、
    該制御手段は、
    前記端子電圧検出手段にて検出される前記二次電池の開放端子電圧、および前記充電手段の出力を監視し、前記セル温度および前記周囲温度を検出する検出手段と、
    前記二次電池に対する充電時間を所定の設定時間から減算する充電タイマ手段とを有し、
    前記二次電池に対する充電電流、該二次電池の開放電池端子電圧および前記セル温度の変化に基づいて、充電タイマ手段の計数時間を設定して充電処理を制御し、前記定電圧充電中に周囲温度の変化を検出して充電処理を制御することを特徴とするリチウムイオン二次電池の充電装置。
  12. 請求項11に記載のリチウムイオン二次電池の充電装置において、前記制御手段は、
    充電開始時における二次電池の温度と充電中の温度との差を演算して前記充電中の二次電池の温度変化を認識し、前記充電開始時の周囲温度と充電中の周囲温度との差を演算して、前記充電中の周囲温度の変化を認識し、前記充電中の二次電池の温度変化と前記周囲温度の変化との差を演算して、該演算結果をあらかじめ設定された所定の値と比較し、所定の値よりも小さい場合に前記充電処理を制御することを特徴とするリチウムイオン二次電池の充電装置。
  13. 請求項12に記載のリチウムイオン二次電池の充電装置において、前記制御手段は、前記充電中の二次電池の温度変化と前記周囲温度の変化との差が前記所定の値よりも小さい場合であって、充電中の充電電流値が定電流充電における充電電流の設定値よりも小さい場合に、前記充電処理を制御することを特徴とするリチウムイオン二次電池の充電装置。
  14. 請求項11に記載のリチウムイオン二次電池の充電装置において、前記制御手段は、前記充電開始時における周囲温度に応じた充電時間を前記充電タイマ手段に初期設定することを特徴とするリチウムイオン二次電池の充電装置。
  15. 請求項11に記載のリチウムイオン二次電池の充電装置において、前記制御手段は、前記充電開始時における周囲温度と充電中の周囲温度との差に基づいて前記計数時間を再設定することを特徴とするリチウムイオン二次電池の充電装置。
  16. 請求項11ないし15のいずれかに記載の充電装置を備え、該装置に装着される二次電池により作動することを特徴とする電子機器。
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