JP3775862B2 - 回転式圧縮機 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、冷蔵庫、エアーコンディショナ等に使用される回転式圧縮機に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、回転式圧縮機は実開昭55−180989号に記載されたものが知られている。以下図面を参照しながら上記従来の回転式圧縮機を説明する。
【0003】
図12に、従来の回転式圧縮機の縦断面図を示し、図12のXIII−XIII′線における断面図を図13に示す。図14は前記従来の圧縮機のベーンとピストンの拡大図である。
【0004】
1は密閉ケーシング、2は電動機部であり、シャフト3を介してシリンダ4、ピストン5、ベーン6、主軸受7、副軸受8により構成される機械部本体9と連結している。シャフト3は主軸3a、副軸3b、偏心部3cから構成される。4aはシリンダ4のベーンスロットである。5aはピストン5の外周部5bに設けた円弧状の凹部であり、ベーン6の円弧状をした先端部6aと接触している。10はベーン背面とシリンダ4間に設けられたスプリングである。
【0005】
11a、11bはシリンダ4内で、ピストン5、ベーン6、主軸受7、副軸受8により囲まれた吸入室と圧縮機である。12はシャフト3と連結する給油機構である。13は吸入管であり、副軸受8、シリンダ4の吸入通路14を介して吸入室11aと連通している。15は吐出孔であり吐出弁(図示せず)を介して密閉ケーシング1内と連通している。16は吐出管であり、密閉ケーシング1内に開放している。17は冷媒が一部溶解した冷凍機油である。
【0006】
以上のように構成された回転式圧縮機について以下にその動作を説明する。
冷却システム(図示せず)からの冷媒ガスは、吸入管13、吸入通路14より導かれシリンダ4内の吸入室11aに至る。吸入室11aに至った冷媒ガスは、シャフト3の回転に伴い圧縮機11b内で圧縮される。圧縮された冷媒ガスは、吐出孔15と吐出弁を介して密閉ケーシング内に一旦吐出された後、吐出管から冷却システムに流出する。
【0007】
また密閉ケーシング1の下部に溜められた潤滑油17は、給油管12によってまずシャフト3に供給され、主軸受7、副軸受8、ピストン5の内周面に供給される。ピストン5の内周面に供給された潤滑油の一部は、ピストン5の端面から吸入室11aや圧縮機11bに供給される。
【0008】
そしてこの吸入、圧縮、吐出行程において、ベーン背面には密閉ケーシング1内の高圧圧力が作用するために、ベーン6の先端部6aはピストン5の凹部5aに常に圧接させる。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら従来の構成では、安定運転時はベーン6の先端部6aとピストン5の凹部5aの間で揺動運動を行うことになり、接触点では転がりとすべりの両方が発生する複雑な摺動形態となる。一般的に揺動運動では一定速度の並進運動や回転運動に比較して油膜形能力が低下することが知られており、従って金属接触が発生する上にすべり摺動することによって摩耗発生の可能性があった。
【0010】
さらに圧縮機の起動時のような過渡運転時において、密閉ケーシング1内の圧力が十分に上昇していないときには、ベーン6の先端部6aが凹部5aから外れることによって騒音が発生することがあった。またこのときピストン5が自転し、ベーン6とピストン5がすべり摺動する場合があり、ピストン5の外周部が摩耗する可能性があった。
【0011】
本発明は上記従来の課題を解決するものであり、ベーンとピストンを常にすべり摺動しない完全な転がり摺動とすることにより、ベーンとピストンの摩耗を防止し信頼性を向上させるとともに、騒音の発生を防止するものである。
【0012】
また、ベーンとピストンを完全な転がり摺動とする場合にあ溝等を配設すると、上記従来の構成に比較して冷媒ガスの漏れが増加し、圧縮機の効率が低下する可能性があった。
【0013】
本発明の他の目的は上記課題を解決するものであり、ベーンとピストンを常にすべり摺動しない完全な転がり摺動とすることにより、ベーンとピストンの摩耗を防止し信頼性を向上させるとともに騒音の発生を防止するのに加えて、冷媒ガスの漏れを最小限に抑えて、効率の良い冷却性能を得るものである。
【0014】
また上記従来の構成では、安定時と過渡運転時のベーンとピストン部の耐摩耗性を向上するために、ベーンやピストン全体を耐摩耗性材料としたり、ピストン5は凹部5aだけでなく外周全面の加工を精度良く行う必要があった。
【0015】
本発明の他の目的は、ベーンとピストンを常にすべり摺動しない完全な転がり摺動とするのに加えて、ピストンとベーンの間に別材料を挟み込み、ベーンとピストンのそれぞれが直接接触しないようにすることによって、必要最小限の耐摩耗性材料の使用と加工精度の確保により、耐摩耗性を向上し信頼性を向上させるとともに、騒音の発生を抑えるものである。
【0016】
また上記従来の構成では、ピストン5とベーン6の接触摺動部へは、ピストン5の端面から吸入室11a、圧縮機11bに侵入した潤滑油17の一部が供給されるだけであり、揺動運動することによって油膜形成能力が低い上に、潤滑油の供給油量が少ないためにベーンやピストンが摩耗したり、常に同じ部位で摺動することによりベーン先端部6aと凹部5a近傍だけが極端に高温になり、冷媒や潤滑油の分解を促進する可能性があった。
【0017】
本発明の他の目的は、ベーンとピストンを常にすべり摺動しない完全な転がり摺動とするのに加えて、ベーンとピストンの摺動部の近傍にピストン内周から潤滑油を必要なときに必要な量だけ供給して、ベーンとピストンの摩耗を防止しさらに局所的な温度上昇を防止して信頼性を向上させるものである。
【0018】
【課題を解決するための手段】
この課題を解決するために本発明は、ピストン外周面上で円周方向の全周にわたって設けられる溝と、ベーンの外周面上で少なくとも先端部ならびに側面部に設けられかつピストンの溝とシャフト方向高さが略同じ位置に設けられる溝と、ピストンの溝と前記ベーンの溝内に収納され前記ベーンの先端部で交差する連結手段とから構成されている。
【0019】
これにより、ベーンとピストンを常にすべり摺動しない完全な転がり摺動とすることにより、ベーンとピストンの摩耗を防止し信頼性を向上させるとともに、騒音の発生を防止することができる。
【0020】
また、ピストン外周面上でベーンとの接触点近傍に円周方向にわたって設けられる溝と、ベーンの外周面上で少なくとも先端部に設けられかつピストンの溝とシャフト方向高さが略同じ位置に設けられる溝と、ピストンの溝とベーンの溝内に収納されベーンの先端部で交差し、一端がピストンに他端がベーンに固定される連結手段とから構成されている。
【0021】
これにより、ベーンとピストンを常にすべり摺動しない完全な転がり摺動とすることにより、ベーンとピストンの摩耗を防止し信頼性を向上させるとともに騒音の発生を防止するのに加えて、冷媒ガスの漏れを最小限に抑えて効率の良い冷却性能を得ることができる。
【0022】
また、少なくともピストンとベーンの接触点近傍においてピストンの外周面上およびベーンの外周面上のシャフト方向の略全域を囲みベーンの先端部で交差する連結手段とから構成されている。
【0023】
これにより、ベーンとピストンを常にすべり摺動しない完全な転がり摺動とするのに加えて、ピストンとベーンの間に別材料を挟み込み、ベーンとピストンのそれぞれが直接接触しないようにすることによって、必要最小限の耐摩耗性材料の使用と加工精度の確保により、耐摩耗性を向上し騒音の発生を抑えることができる。
【0024】
また、ピストンとベーンの接触点近傍に設けられ、ピストンの溝に一端が開口し、他端がピストンの内周に開口するとともに連結手段によって開閉される連通孔とから構成されている。
【0025】
従ってこれにより、ベーンとピストンを常にすべり摺動しない完全な転がり摺動とするのに加えて、ベーンとピストンの摺動部の近傍にピストン内周から潤滑油を必要なときに必要な量だけ供給して、ベーンとピストンの摩耗を防止しさらに局所的な温度上昇を防止して信頼性を向上させることができる。
【0026】
【発明の実施の形態】
本発明の請求項1に記載の発明は、シリンダと、シリンダの端面に固定される主軸受及び副軸受と、偏心部を有し主軸受と副軸受内で回転するシャフトと、シャフトの偏心部に回転自在に挿入されるピストンと、シリンダのベーンスロットを往復摺動するベーンと、ピストン外周面上で円周方向の全周にわたって設けられる溝と、ベーンの外周面上で少なくとも先端部ならびに側面部に設けられかつピストンの溝とシャフト方向高さが略同じ位置に設けられる溝と、ピストンの溝と前記ベーンの溝内に収納されベーンの先端部で交差する連結手段とから構成したものであり、ベーンとピストンを常にすべり摺動しない完全な転がり摺動とすることにより、ベーンとピストンの摩耗を防止し信頼性を向上させるとともに、騒音の発生を防止することができる。
【0027】
請求項2に記載の発明は、シリンダと、シリンダの端面に固定される主軸受及び副軸受と、偏心部を有し主軸受と副軸受内で回転するシャフトと、シャフトの偏心部に回転自在に挿入されるピストンと、シリンダのベーンスロットを往復摺動するベーンと、ピストン外周面上でベーンとの接触点近傍に円周方向にわたって設けられる溝と、ベーンの外周面上で少なくとも先端部に設けられかつピストンの溝とシャフト方向高さが略同じ位置に設けられる溝と、ピストンの溝と前記ベーンの溝内に収納されベーンの先端部で交差し、一端がピストンに、他端がベーンに固定される連結手段とから構成したものであり、ベーンとピストンを常にすべり摺動しない完全な転がり摺動とすることにより、ベーンとピストンの摩耗を防止し信頼性を向上させるとともに騒音の発生を防止するのに加えて、冷媒ガスの漏れを最小限に抑えて効率の良い冷却性能を得ることができる。
【0028】
請求項3に記載の発明は、シリンダと、シリンダの端面に固定される主軸受及び副軸受と、偏心部を有し主軸受と副軸受内で回転するシャフトと、シャフトの偏心部に回転自在に挿入されるピストンと、シリンダのベーンスロットを往復摺動するベーンと、少なくともピストンとベーンの接触点近傍においてピストンの外周面上およびベーンの外周面上のシャフト方向の略全域を囲みベーンの先端部で交差する連結手段とから構成したものであり、ベーンとピストンを常にすべり摺動しない完全な転がり摺動とするのに加えて、ピストンとベーンの間に別材料を挟み込み、ベーンとピストンのそれぞれが直接接触しないようにすることによって、必要最小限の耐摩耗性材料の使用と加工精度の確保により、耐摩耗性を向上し騒音の発生を抑えることができる。
【0029】
請求項4に記載の発明は、前記ピストンと前記ベーンの接触点近傍に設けられ、前記ピストンの溝に一端が開口し、他端が前記ピストンの内周に開口するとともに、前記連結手段によって開閉される連通孔とから構成されたものであり、ベーンとピストンを常にすべり摺動しない完全な転がり摺動とするのに加えて、ベーンとピストンの摺動部の近傍にピストン内周から潤滑油を必要なときに必要な量だけ供給して、ベーンとピストンの摩耗を防止しさらに局所的な温度上昇を防止して信頼性を向上させることができる。
【0030】
(実施の形態1)
図1は本発明の実施の形態1によるベーンとピストン部の接触状態を示す外観図、図2は同じく連結手段と拡大図、図3は同じくベーンとピストンの運動状態の説明図である。
【0031】
図1、図2において、18はピストン、19はベーンである。ピストン18とベーン19にはそれぞれ軸方向高さが略同等の位置に、それぞれ全周にわたって溝18aと溝19aが設けられている。20は溝18aと溝19a内に収納され、ベーンの先端部19bで交差するようにピストン18とベーン19間に緊縛された連結手段としての環状の鋼線である。
【0032】
以上のように構成された回転式圧縮機について、以下その動作を説明する。
圧縮機が運転されシャフト3が回転するとピストン18は偏心部3cを中心として自転しようとし、さらにピストン18はシャフト3の中心まわりに公転しようとする。
【0033】
このときピストン18の自転に対しては、鋼線20は鋼線20と溝18a、溝19a間の摩擦力によって自転運動を阻止するように作用する。
【0034】
またピストン18の中心位置が変化する公転運動に対して鋼線20は、図3(a)に示すように、シャフト3がある回転角度にあるときにはピストン18上のX点とベーン上のX′点が接触し、次にシャフト3の回転が進むと図3(b)に示すようにピストン18上のY点とベーン上のY′点が接触するというように、ピストン18とベーン19の接触位置を変化させることによって公転運動に追従できるように作用する。
【0035】
すなわち、鋼線20はピストン18の公転運動に対して、鋼線20の長さが変化しない範囲内でその動きに追従することになる。例えばベーン先端部19b近傍で交差した鋼線20は、交差の一方が溝18aから溝19aと収納される位置を変えるときは、もう一方が溝19aから溝18aに収納される位置を変えることによって、公転運動に追従する。従って鋼線20は、ピストン18上のX点とY点間の円周距離が、ベーン19上のX′点とY′点間の円周距離と同等となるように接触点を変化させる作用を行い、その結果、ピストン18とベーン19上の点は運転状態に拘わらず常に同じ点で接触する完全な転がり状態となり、またベーン19がピストン18から離れることもない。
【0036】
従って、これまで発生していたようなベーン19とピストン18のすべり摺動がなくなり、完全な転がり摺動とすることができ、またベーン19がピストン18から離れるここともなくなるため、摩耗を防止し信頼性を向上させるとともに、騒音の発生を防止することができる。
【0037】
以上のように本発明の回転式圧縮機は、シリンダ4と、シリンダ4の端面に固定される主軸受7及び副軸受8と、偏心部3cを有し主軸受7と副軸受8内で回転するシャフト3と、シャフト3の偏心部3cに回転自在に挿入されるピストン18と、シリンダ4のベーンスロット4aを往復摺動するベーン19と、ピストン18外周面上で円周方向の全周にわたって設けられる溝18aと、ベーン19の外周面上で少なくとも先端部ならびに側面部に設けられかつピストン18の溝18aとシャフト方向高さが略同じ位置に設けられる溝19aと、ピストン18の溝18aと前記ベーン19の溝19a内に収納されベーンの先端部で交差する連結手段20とから構成したものであり、ベーン19とピストン18を常にすべり摺動しない完全な転がり摺動とすることにより、ベーン19とピストン18の摩耗を防止し信頼性を向上させるとともに、騒音の発生を防止することができる。
【0038】
(実施の形態2)
図4は本発明の実施の形態2によるベーンとピストン部の接触状態を示す外観図、図5は同じくベーンとピストン部の拡大図、図6は同じくベーンとピストンの連結手段の拡大図である。
【0039】
図4と図5において、21はピストン、22はベーンである。ピストン21とベーン22にはそれぞれ軸方向高さが略同等の位置でかつベーンの先端22cの近傍に溝21aと溝22aが設けられている。このピストン21の溝21aには両端に深さの深い係止部21b、21cが設けられている。同様にベーン22の溝22aにも係止部22bが設けられている。また23a、23bは溝21aと溝22a内に収納され、ベーンの先端部22cで交差するようにピストン21とベーン22間に設けられた連結手段としての鋼線である。鋼線23a、23bは、それぞれの一端は係止部21b、21cに、また他端が係止部22bに係止されている。
【0040】
以上のように構成された回転式圧縮機について、以下その動作を説明する。
圧縮機が運転されシャフト3が回転するとピストン21は偏心部3cを中心として自転しようとし、さらにピストン21はシャフト3の中心まわりに公転しようとする。
【0041】
このときピストン21の自転に対しては鋼線23a、23bは、それぞれの鋼線23a、23bと溝21a、溝22a間の摩擦力によって自転運動を阻止するように作用する。
【0042】
またピストン21の中心位置が変化する公転運動に対して鋼線23a、23bは(実施の形態1)と同様にピストン21とベーン22上の点は運転状態に拘わらず常に同じ点で接触する完全な転がり状態となり、またベーン22がピストン21から離れることもない。
【0043】
さらにピストン21の溝21aは、ピストン21とシリンダ4間の最小隙間部には設けられていない。従って最小隙間部に溝を設けることによって、圧縮機11bから吸入室11aに圧縮中の冷媒が漏れることは無い。
【0044】
またベーン22の側面部の溝も、先端部近傍にあるだけであり、ベーン22とベーンスロット4a間の隙間を通って冷媒が漏れたり、また冷媒が侵入したりすることが無い。
【0045】
従って、これまで発生していたようなベーン22とピストン21のすべり摺動がなくなり完全な転がり摺動とすることができ、またベーン22がピストン21から離れることもなくなるため、摩耗を防止し信頼性を向上させるとともに、騒音の発生を防止することができる。さらに、冷媒の漏れや侵入を防止でき良好な冷却性能を維持できる。
【0046】
以上のように本発明の回転式圧縮機は、シリンダ4と、シリンダ4の端面に固定される主軸受7及び副軸受8と、偏心部3cを有し主軸受7と副軸受8内で回転するシャフト3と、シャフト3の偏心部3cに回転自在に挿入されるピストン21と、シリンダ4のベーンスロット4aを往復摺動するベーン22と、ピストン21外周面上でベーン22との接触点近傍に円周方向にわたって設けられる溝21aと、ベーン22の外周面上で少なくとも先端部に設けられかつピストンの溝21aとシャフト方向高さが略同じ位置に設けられる溝22aと、ピストン21の溝21aと前記ベーン22の溝22a内に収納されベーン22の先端部で交差し、一端がピストンに21、他端がベーン22に固定される連結手段23とから構成したものであり、ベーン22とピストン21を常にすべり摺動しない完全な転がり摺動とすることにより、ベーン22とピストン21の摩耗を防止し信頼性を向上させるとともに騒音の発生を防止するのに加えて、冷媒ガスの漏れを最小限に抑えて効率の良い冷却性能を得ることができる。
【0047】
(実施の形態3)
図7は本発明の実施の形態3によるベーンとピストン部の接触状態を示す外観図、図8は連結手段の拡大図、図9は連結手段の展開図である。
【0048】
図7から図8において、24はピストン25はベーンである。26は、連結手段としての帯である。帯26は、図9のような形状に形成されており、中央部の厚幅部26aの長さLはピストン24の外周長さと略同等である。また両端26bと26cは、巻いた際に26bと26cが干渉しない形状となっている。この帯26は、ピストン24とベーン25を囲いベーンの先端部25bで交差し、かつピストン24とベーン25間を緊縛するようにベーン25の背面で固定されている。またこの帯26は、転がり摺動に対して耐摩耗性の良好な材料、例えば表面処理した鋼帯やエンジニアリングプラスチック材料で形成されている。
【0049】
以上のように構成Sれた回転式圧縮機について、以下その動作を説明する。
圧縮機が運転されシャフト3が回転するとピストン24は偏心部3cを中心として自転しようとし、さらにピストン24はシャフト3の中心まわりに公転しようとする。
【0050】
このときピストン24の自転に対しては、帯26とピストン24の外周面ならびにベーン25の外周面の摩擦力によって自転運動を阻止するように作用する。
【0051】
またピストン24の中心位置が変化する公転運動に対して帯26は(実施の形態1)と同様にピストン24とベーン25上の点は運転状態に拘わらず常に同じ点で接触する完全な転がり状態となり、またベーン25がピストン24から離れることもない。
【0052】
さらに、ピストン24とベーン25の先端部25aは帯26を介して接触する。従って、転がり摺動する上にピストン24とベーン25が耐摩耗性の良好な材料で形成された帯26を介して接触することになる。
【0053】
従って、これまで発生していたようなベーン25とピストン24のすべり摺動がなくなり、完全な転がり摺動とすることができる上にピストン24とベーン25が耐摩耗性の良好な材料を介して接触することになり、またベーン25がピストン24から離れることもなくなるため、摩耗を防止し信頼性を向上させるとともに、騒音の発生を防止することができる。さらに、これまでのように、耐摩耗性を確保するためにピストンやベーンの全体を高価な耐摩耗性の良好な材料で形成する必要がなくなり、また、ピストン外表面やベーン先端部の加工精度を上げなくとも、帯状の連結手段の加工精度さえ確保すればよく、必要最小限の耐摩耗性材料の使用と加工精度の確保により、容易かつ安価に信頼性を向上させることができる。
【0054】
なお以上の説明では、連結手段としての帯を一枚で形成したが、ベーンの先端近傍で交差するように形成すれば分割して二枚以上で形成しても、またピストン全周、ベーン全周を囲わなくてもさらに連結手段をどこで固定するかとは関係なく同様の効果が得られる。また材料や断面形状にも関係なく同様の効果が得られる。
【0055】
以上のように本発明の回転式圧縮機は、シリンダ4と、シリンダ4の端面に固定される主軸受7及び副軸受8と、偏心部3cを有し主軸受7よ副軸受8内で回転するシャフト3と、シャフト3の偏心部3cに回転自在に挿入されるピストン24と、シリンダ4のベーンスロット4aを往復摺動するベーン25と、少なくともピストン24とベーン25の接触点近傍においてピストン24の外周面上およびベーン25の外周面上のシャフト方向の略全域を囲みベーンの先端部で交差する連結手段26とから構成したものであり、ベーン25とピストン24を常にすべり摺動しない完全な転がり摺動とするのに加えて、ピストン24とベーン25の間に別材料を挟み込み、ベーン25とピストン24のそれぞれが直接接触しないようにすることによって、必要最小限の耐摩耗性材料の使用と加工精度の確保により、耐摩耗性を向上し騒音の発生を抑えることができる。
【0056】
(実施の形態4)
図10は本発明の実施の形態4によるベーンとピストン部の拡大図、図11はベーンとピストンが接触している状態での溝部での断面図である。
【0057】
図10と図11において、27はピストン、28はベーンである。ピストン27とベーン28にはそれぞれ軸方向高さが略同等の位置に溝27aと溝28aが設けられている。29は溝27aと溝28a内に収納され、ベーンの先端部28bで交差するようにピストン27とベーン28間に緊縛された連結手段としての環状の鋼線である。
【0058】
また30は、ピストン27と前記ベーン28の接触点近傍位置にありピストンの溝27aに一端が開口し、他端がピストン27の内周に開口するとともに、鋼線29によって開閉される連通孔である。
【0059】
以上のように構成された回転式圧縮機について、以下その動作を説明する。
圧縮機が運転されシャフト3が回転するとピストン27は偏心部3cを中心として自転しようとし、さらにピストン27はシャフト3の中心まわりに公転しようとする。
【0060】
このときピストン27の自転に対しては鋼線29は、鋼線29と溝27a、溝28a間の摩擦力によって自転運動を阻止するように作用する。
【0061】
またピストン27の中心位置が変化Sる公転運動に対して鋼線29は、(実施の形態1)と同様にピストン27とベーン28上の点は運転状態に拘わらず常に同じ点で接触する完全な転がり状態となり、またベーン28がピストン27から離れることもない。
【0062】
ところでピストン27の公転運動に対して、鋼線29はその長さが変化しない範囲内でその動きに追従することになる。従って、例えば図11(a)に示すようにシャフトがある回転角度位置にあるときには、連通孔30は鋼線29によって溝27aへの開口端を閉じられているが、シャフト3が回転して図11(b)に示す位置に接触点が変化すると、図11(a)で溝27aに接触していた鋼線29の一部が浮き上がり、連通孔30が溝27aと連通する。そして連通孔30が開状態にあるときのみ、ピストン27内周の高圧圧力状態にある潤滑油17は連通孔30を介してピストン27とベーン28の接触点近傍に供給され、潤滑に寄与することになる。
【0063】
なお連通孔30が開口するシャフト回転角度を調整することによって、潤滑油17を吸入室11a側だけにも、圧縮機11b側だけにも供給できるし、その両方にも供給できる。従って、潤滑と冷却性能の点から必要な潤滑油を必要なときに適量を供給できることになり、ベーン28とピストン27を常にすべり摺動しない完全な転がり摺動とするのに加えて、ベーン28とピストン27の摺動部の近傍にピストン27内周から抵当な時期に適量を潤滑油の供給することができ、冷却性能の低下が無く、ベーンとピストンの摩耗を防止しさらに局所的な温度上昇を防止して信頼性を向上させることができる。
【0064】
なお以上の説明では、連結手段としての一本の鋼線で形成したが、連通孔を連結手段で開閉できればよく、連結手段の形状、材料に関係なく同様の効果が得られる。
【0065】
以上のように本発明の回転式圧縮機は、ピストン27とベーン28の接触点近傍に設けられ、ピストン27の溝27aに一端が開口し、他端がピストン27の内周に開口するとともに、連結手段29によって開閉される連通孔30とから構成されたものであり、ベーン28とピストン27を常にすべり摺動しない完全な転がり摺動とするのに加えて、ベーン28とピストン27の摺動部の近傍にピストン27内周から潤滑油を必要なときに必要な量だけ供給して、ベーン28とピストン27の摩耗を防止しさらに局所的な温度上昇を防止して信頼性を向上させることができる。
【0066】
【発明の効果】
以上のように、本発明の回転式圧縮機によれは、ベーンとピストンを常にすべり摺動しない完全な転がり摺動とすることにより、ベーンとピストンの摩耗を防止し信頼性を向上させるとともに、騒音の発生を防止することができる。
【0067】
また、ベーンとピストンを常にすべり摺動しない完全な転がり摺動とすることにより、ベーンとピストンの摩耗を防止し信頼性を向上させるとともに騒音の発生を防止するのに加えて、冷媒ガスの漏れを最小限に抑えて効率の良い冷却性能を得ることができる。
【0068】
また、ベーンとピストンを常にすべり摺動しない完全な転がり摺動とするのに加えて、ピストンとベーンの間に別材料を挟み込み、ベーンとピストンのそれぞれが直接接触しないようにすることによって、必要最小限の耐摩耗性材料の使用と加工精度の確保により、耐摩耗性を向上し騒音の発生を抑えることができる。
【0069】
またさらに、ベーンとピストンを常にすべり摺動しない完全な転がり摺動とするのに加えて、ベーンとピストンの摺動部の近傍にピストン内周から潤滑油を必要なときに必要な量だけ供給して、ベーンとピストンの摩耗を防止しさらに局所的な温度上昇を防止して信頼性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態1による回転圧縮機のベーンとピストン部の接触状態を示す外観図
【図2】同実施の形態による回転式圧縮機の連結手段の拡大図
【図3】同実施の形態による回転式圧縮機のベーンとピストンの運動状態の説明図
【図4】本発明の実施の形態2による回転式圧縮機のベーンとピストン部の接触状態を示す外観図
【図5】同実施の形態による回転式圧縮機のベーンとピストンの拡大図
【図6】同実施の形態による回転式圧縮機の連結手段の拡大図
【図7】本発明の実施の形態3による回転式圧縮機のベーンとピストン部の接触状態を示す外観図
【図8】同実施の形態による回転式圧縮機の連結手段の拡大図
【図9】同実施の形態による回転式圧縮機の連結手段の展開図
【図10】本発明の実施の形態4による回転式圧縮機のベーンとピストン部の拡大図
【図11】同実施の形態による回転式圧縮機のベーンとピストンが接触している状態での溝部での断面図
【図12】従来の回転式圧縮機の縦断面図
【図13】従来の回転式圧縮機の図12のXIII−XIII′線における断面図
【図14】従来の回転圧縮機のベーンとピストンの拡大図
【符号の説明】
3 シャフト
3c シャフト偏心部
4 シリンダ
4a ベーンスロット
7 主軸受
8 副軸受
18、21、24、27 ピストン
18a、21a、27a ピストンの溝
19、22、25、28 ベーン
19a、22a、28a、 ベーンの溝
20、23a、23b、26、29 連結手段
30 連通孔
Claims (4)
- シリンダと、前記シリンダの端面に固定される主軸受及び副軸受と、偏心部を有し前記主軸受と副軸受内で回転するシャフトと、前記シャフトの偏心部に回転自在に挿入されるピストンと、前記シリンダのベーンスロットを往復摺動するベーンと、前記ピストン外周面上で円周方向の全周にわたって設けられる溝と、前記ベーンの外周面上で少なくとも先端部ならびに側面部に設けられかつ前記ピストンの溝とシャフト方向高さが略同じ位置に設けられる溝と、前記ピストンの溝と前記ベーンの溝内に収納され前記ベーンの先端部で交差する連結手段とからなる回転式圧縮機。
- シリンダと、前記シリンダの端面に固定される主軸受及び副軸受と、偏心部を有し前記主軸受と副軸受内で回転するシャフトと、前記シャフトの偏心部に回転自在に挿入されるピストンと、前記シリンダのベーンスロットを往復摺動するベーンと、前記ピストン外周面上で前記ベーンとの接触点近傍に円周方向にわたって設けられる溝と、前記ベーンの外周面上で少なくとも先端部に設けられかつ前記ピストンの溝とシャフト方向高さが略同じ位置に設けられる溝と、前記ピストンの溝と前記ベーンの溝内に収納され前記ベーンの先端部で交差し、一端が前記ピストンに、他端が前記ベーンに固定される連結手段とからなる回転式圧縮機。
- シリンダと、前記シリンダの端面に固定される主軸受及び副軸受と、偏心部を有し前記主軸受と副軸受内で回転するシャフトと、前記シャフトの偏心部に回転自在に挿入されるピストンと、前記シリンダのベーンスロットを往復摺動するベーンと、少なくとも前記ピストンと前記ベーンの接触点近傍において前記ピストンの外周面上および前記ベーンの外周面上のシャフト方向の略全域を囲みベーンの先端部で交差する連結手段とからなる回転式圧縮機。
- 前記ピストンと前記ベーンの接触点近傍に設けられ、前記ピストンの溝に一端が開口し、他端が前記ピストンの内周に開口するとともに、前記連結手段によって開閉させる連通孔とからなる請求項1または請求項2記載の回転式圧縮機。
Priority Applications (1)
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|---|---|---|---|
| JP22210496A JP3775862B2 (ja) | 1996-08-23 | 1996-08-23 | 回転式圧縮機 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP22210496A JP3775862B2 (ja) | 1996-08-23 | 1996-08-23 | 回転式圧縮機 |
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| Publication Number | Publication Date |
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| JPH1061574A JPH1061574A (ja) | 1998-03-03 |
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Family
ID=16777210
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP22210496A Expired - Fee Related JP3775862B2 (ja) | 1996-08-23 | 1996-08-23 | 回転式圧縮機 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JP3775862B2 (ja) |
-
1996
- 1996-08-23 JP JP22210496A patent/JP3775862B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JPH1061574A (ja) | 1998-03-03 |
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