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JP3776566B2 - めっき方法 - Google Patents
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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は表面処理技術に属し、特に錫−銀系のろう材に対するはんだ付け性の良好な錫−銀系合金皮膜を形成するための電気めっき方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
電子工業において錫−鉛を基本組成とするはんだ(ろう材)による接合は不可欠の技術として広く行われている。はんだ付けを迅速かつ確実に行うために、はんだ付けしようとする部品に予めはんだ付け性の良好な皮膜を施しておくことが行われるが、このはんだ付け性皮膜として錫−鉛合金めっき皮膜が一般に利用されている。
【0003】
しかしながら、近年、鉛の健康・環境への影響が懸念され、有害な鉛を含む錫−鉛はんだを規制しようとする考えが急速に広まりつつある。工業的な生産条件並びに使用条件という観点から勘案すると、錫−鉛はんだに代替できる特性を有するような鉛を含まないはんだはいまのところなく、日欧米を中心として研究開発が行われているところである。錫−鉛はんだの代替としては第一元素としては錫が利用されると考えられるが、第二元素としては銀、ビスマス、銅、インジウム、アンチモン、亜鉛などが候補として挙げられており、それらの二元合金あるいはさらに第三元素を添加した多元合金が候補として挙げられている。その中で錫−銀系合金は、最も有力な代替合金候補の一つである。
【0004】
代替はんだ(ろう材)に対応して、はんだ付け用のめっき皮膜(はんだ付け性皮膜)もまた鉛を含まないものに変更していく必要がある。これに対して、錫−銀合金めっき皮膜を得るためのめっき浴は、銀を主成分とするものは古くからあるが、錫を主成分とする非シアン錫−銀合金めっき浴には満足するものがなく、工業的に行われていない。
【0005】
銀単独のめっき浴としては、古くからシアン浴が用いられてきた。公害防止上好ましくないシアン浴に代わって、硝酸銀浴、スルファミン酸浴、塩化銀浴、チオシアン酸浴、チオ硫酸浴などが検討されてきたが、シアン以外の銀の錯化剤は安定度定数が小さいので、シアン浴に比べて析出物の結晶が粗く工業的な応用を満足する性能を有しなかった。最近、これらに比べて微細な粒子の析出物が得られる浴として、有機スルホン酸の銀塩とヨウ化カリウムを含むめっき浴にスルファニル酸の誘導体を添加した浴が特開平2−290993号に、こはく酸イミド又はその誘導体を錯化剤とする浴が特開平7−166391号に記載されているが、錫との合金めっきの可能性については記載されていない。
【0006】
錫−銀合金皮膜が電気めっきによって得られること自体は、古くから知られており、一般にシアン浴が利用されてきた。例えば、シアン−ピロリン酸混合浴から、松下は1971年に(金属表面技術 22,60(1971))、また、久保田らは1983年に(金属表面技術 34,37(1983)、特開昭60−26691)、錫−銀合金皮膜を得ている。
【0007】
しかし、シアンを用いることもまた環境衛生・公害・毒劇物管理の観点から好ましくないため、シアン以外の浴も検討されており、近年はそれが主流となっている。シアン浴以外の錫−銀合金めっき浴としては、最近、伊勢らによって4価錫を用いるスズ酸カリウム−ヒダントイン浴(表面技術協会第93回講演大会予講集 205(1996)、表面技術協会第94回講演大会予講集 80(1996)、表面技術協会第95回講演大会予講集 183(1997))が、また、2価錫を用いる浴としては、新井らによって、ピロリン酸−ヨウ化物浴(表面技術協会第93回講演大会予講集 195(1996)、表面技術協会第94回講演大会予講集 83(1996))が報告されている。新井は、また、ピロリン酸−ヨウ化物浴を錫−銀−銅の三元合金系にも適用し、その結果を報告している(表面技術協会第94回講演大会予講集 85(1996))。
【0008】
また、本発明者らは、より緻密で平滑ではんだ付け性に優れためっき皮膜を得るため、鋭意研究を重ね、各種有機化合物の添加によって皮膜の平滑性等が改善されることを見出し、特許を出願している(特願平8−143481号)。また、さらに、光沢剤の添加後に経時熟成が必要な浴ではあるが、光沢めっきが可能な浴を見出し、この浴を用いてめっきを施すことによって、錫−銀系ろう材を用いてはんだ接合するに適した電気・電子回路部品を作成し特許出願している(特願平8−207683号)。また、その後、アミン−アルデヒド反応生成物を用いて経時熟成が不要な光沢浴を出願(特願平8−278593号)している。
【0009】
このような努力によって、建浴から一定の時間範囲では良好なめっき皮膜が得られる浴が開発されてきたが、錫と銀の単極電位が大きく隔たっていること並びに両金属ともに水溶液中での安定性が良好ではないことから、いずれのめっき浴においても浴の経時劣化という工業的操業上の問題が解決されていなかった。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
このような現状を背景として、錫−銀系合金めっき浴を工業的に満足される条件で継続的に操業する技術が求められており、本発明もこれを目的とした。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、錫−銀系合金めっき浴の工業的操業を可能にすべく鋭意検討の結果、既述の浴の経時劣化の原因のほとんどが陽極表面並びに陽極近傍における種々の反応にあることを見い出し、陰陽両極を隔離することによって上記の諸問題が解決され、継続的に適切な状態での工業的操業を可能にした。
【0012】
即ち、錫−銀系合金めっき浴においては、錫と銀の単極電位は大きく隔たっており、銀イオンは還元されて金属銀として析出し易く、2価の錫は酸化されて4価の錫になり易い。また、4価の錫浴においても、陽極は一部は2価として溶解し浴の劣化の一つの原因となっている。
【0013】
錫−銀系合金めっき浴における浴の安定性の問題には、さらに、該めっき浴が錫及び銀の両者を可溶性の状態に安定に保持するだけでなく、できるだけ析出電位が接近するような錯化剤を選定しなければならないという制限から、安定性に問題がある錯化剤をも用いざるを得ないという事情があり、錯化剤の分解による浴の劣化があるという問題も含まれる。
【0014】
本発明者らが解明した劣化原因の例として、例えばヨウ化カリウムを錯化剤とする浴においては、陽極においてI-が酸化されてI2となり、浴中でSn2+と反応して再びI-に戻る際にSn4+が生成することを解明している。また、カルボン酸類やアミノ酸類を用いている浴においては、それらが分解していることも確認している。一方、近年開発されたいずれの浴においても経時劣化の問題を抱えているが、そのような浴の劣化のメカニズムが各浴において全て解明されているわけではない。しかし、本発明の発明者らは、いずれも陽極及び陽極近傍における種々の反応が劣化に大きく関与していると判断している。
【0015】
このような劣化に対する理解に基づき、本発明者らは、陽極において生成し、悪影響を及ぼす不純物を、めっき液中に拡散させずにトラップしてしまう方法を採用することによって、該めっき浴の劣化を抑制し、或いは浴成分のバランスを保った状態での長期間の操業を可能にする本発明を完成した。
【0016】
即ち、本発明は、2価及び(又は)4価の錫イオン、1価の銀イオン、錫及び銀の錯化剤を必須成分とする錫−銀系合金電気めっき浴から電気めっきするにあたり、不純物を吸着するための吸着剤をアノードバッグ内に懸濁させた状態でめっきを行うか、或いは吸着剤を固着させた素材で作成したアノードバッグを用いてめっきを行うことを特徴とする、錫−銀系合金電気めっき方法である。
【0017】
【発明の実施の形態】
本発明においては、陽極表面並びに陽極近傍において生成し、悪影響を及ぼす不純物を、めっき液中に拡散させずにトラップしてしまう方法として、アノードバッグを使用する。
【0018】
陽極表面並びに陽極近傍においては、劣化要因となる物質濃度が高くなり易いので、本願発明においては、アノードバッグ内には該物質を吸着除去しうる吸着剤を懸濁させるか、或いはこれらの吸着剤をアノードバッグ自体に固着させたものを用いて、アノードバッグ外に劣化要因となる物質を漏れ出させないようにする。
【0019】
吸着剤としては、生成した不純物を吸着するものであれば一般に利用されているものはいずれも利用でき、例えば活性炭、木炭、活性白土、ゼオライト等の吸着剤が好適に用いられる。
【0020】
本発明のめっき方法に用いられるめっき浴には、2価及び(又は)4価の錫イオン、1価の銀イオン、錫及び銀の錯化剤が必須成分として含有される。必須の成分の一つである2価又は4価の錫の供給源としては、硫酸塩、ハロゲン化物、ホウフッ化物、ケイフッ化物、スルファミン酸塩、ピロリン酸塩、酢酸塩、錫酸ナトリウム、錫酸カリウム或いは下記一般式(A)〜(E)で表されるスルホン酸の錫塩など一般に広く用いられる錫塩の他に、水酸化錫や酸化錫を、例えば多価カルボン酸、オキシカルボン酸、メルカプトカルボン酸、スルホカルボン酸等のような本発明に用いるめっき浴に添加される錯化剤として列挙された一般式(1)〜(13)で表される化合物の中から選ばれた錯化剤によって錯形成され可溶化された錫錯体から選ばれた1種又は2種以上を単独又は適宜混合して使用できる。
【0021】
・一般式(A)
R−SO3H (A)
[ここで、RはC1〜C12のアルキル基又はC2〜C3のアルケニル基を表し、該Rの水素は、0〜3個の範囲でヒドロキシル基、アルキル基、アリール基、アルキルアリール基、カルボキシル基又はスルホン酸基で置換されていてよく、そして該Rの任意の位置にあってよい。]
で表される脂肪族スルホン酸の塩。
【0022】
・一般式(B)
【化8】
Figure 0003776566
[ここで、RはC1〜C3のアルキル基を表す。Xは塩素及び(又は)フッ素のハロゲンを表し、該Rの任意の位置にあってよく、該Rの水素と置換された該ハロゲンの置換数n1は1から該Rに配位したすべての水素が飽和置換されたものまでを表し、置換されたハロゲン種は1種類又は2種類である。ヒドロキシル基は、該Rの任意の位置にあってよく、該Rの水素と置換された該ヒドロキシル基の置換数n2は0又は1である。Yはスルホン酸基を表し、該Rの任意の位置にあってよく、Yで表されるスルホン酸基の置換数n3は0から2の範囲にある。]
で表されるハロゲン化アルカンスルホン酸又はハロゲン化アルカノールスルホン酸。
【0023】
・一般式(C)
【化9】
Figure 0003776566
[ここで、Xはヒドロキシル基、アルキル基、アリール基、アルキルアリール基、アルデヒド基、カルボキシル基、ニトロ基、メルカプト基、スルホン酸基又はアミノ基を表し、或いは2個のXはベンゼン環と一緒になってナフタリン環を形成でき、該基の置換数nは0〜3の範囲にある。]
で表される芳香族スルホン酸。
【0024】
・一般式(D)
HO3S−R−COOH (D)
[ここで、RはC1〜C6のアルキレン基又はC2〜C6のアルケニレン基を表し、該Rの水素はヒドロキシル基又はカルボキシル基で置換されていてよい。]
で表される脂肪族スルホ(ヒドロキシ)カルボン酸。
【0025】
・一般式(E)
【化10】
Figure 0003776566
[ここで、Xは水素、ヒドロキシル基又はカルボキシル基を表す。スルホン酸基、カルボキシル基及びXは任意の位置にあってよい。]
で表される芳香族スルホ(ヒドロキシ)カルボン酸。
【0026】
上記一般式(A)〜(E)で表されるスルホン酸の中で好適なものを例示すれば、メタンスルホン酸、メタンジスルホン酸、メタントリスルホン酸、トリフルオロメタンスルホン酸、エタンスルホン酸、プロパンスルホン酸、2−プロパンスルホン酸、ブタンスルホン酸、2−ブタンスルホン酸、ペンタンスルホン酸、2−ヒドロキシエタン−1−スルホン酸、2−ヒドロキシプロパン−1−スルホン酸、2−ヒドロキシブタンスルホン酸、2−ヒドロキシペンタンスルホン酸、1−カルボキシエタンスルホン酸、1,3−プロパンジスルホン酸、アリールスルホン酸、2−スルホ酢酸、2−又は3−スルホプロピオン酸、スルホこはく酸、スルホメチルこはく酸、スルホマレイン酸、スルホフマル酸、ベンゼンスルホン酸、トルエンスルホン酸、キシレンスルホン酸、ニトロベンゼンスルホン酸、ベンズアルデヒドスルホン酸、フェノールスルホン酸、フェノール−2,4−ジスルホン酸、2−スルホ安息香酸、3−スルホ安息香酸、5−スルホサリチル酸、4−スルホフタール酸、5−スルホイソフタール酸、2−スルホテレフタール酸が挙げられる。
【0027】
めっき浴中の錫の濃度は、用いる浴の種類やめっき対象物によって増減することが望ましいが、錫分として概ね1〜150g/lが適当であり、好ましくは5〜80g/l程度とする。
【0028】
めっき浴中の金属の濃度は、用いる浴の種類やめっき対象物によって増減することが望ましいが、錫分として概ね1〜80g/lが適当であり、好ましくは5〜30g/l程度とする。
【0029】
本発明のめっき方法に用いられる浴に必須の成分である非シアンの1価の銀の供給源として、例えば、硝酸塩、亜硝酸塩、硫酸塩、チオ硫酸塩、チオシアン酸塩、亜硫酸塩、重亜硫酸塩、メタ重亜硫酸塩、塩化物、塩素酸塩、過塩素酸塩、臭化物、臭素酸塩、ヨウ化物、ヨウ素酸塩、ホウフッ化物、ケイフッ化物、安息香酸塩、スルファミン酸塩、クエン酸塩、乳酸塩、リン酸塩、トリフルオロ酢酸塩、ピロリン酸塩、1−ヒドロキシエタン−1,1−ビスホスホン酸塩、又は上記一般式(A)〜(E)で表されるスルホン酸の銀塩など一般に広く用いられる銀塩の他に、水酸化銀や酸化銀を、ヨウ素、メルカプトカルボン酸類等の錯化剤或いはアンモニアによって錯形成され可溶化された銀錯体から選ばれた1種又は2種以上を単独又は適宜混合して使用できる。
【0030】
銀塩を構成する(A)〜(E)のスルホン酸の中で好適なものは、前節の錫化合物に関して記載したものと同様である。
【0031】
銀化合物の使用量は、用いる浴の種類やめっき対象物によって増減することが望ましいが、銀分として概ね0.05〜10g/l程度が適当であり、好ましくは0.1〜5g/l程度とする。ただし、銀含有量の多い錫−銀合金めっき皮膜を得ようとする場合には、これに限定されるものではなく、概ね50g/l程度の銀濃度とすることができる。
【0032】
本願発明のめっき方法に用いられるめっき浴に必須の成分である錫及び(又は)銀の錯化剤として、
(1)縮合リン酸(ピロリン酸、トリリン酸等)又はそれらの塩類、
(2)ヨウ素、臭素、ヨウ素酸、臭素酸、亜硫酸、重亜硫酸、メタ重亜硫酸、チオ硫酸、チオシアン酸、酢酸、アンモニウムの各イオンを生成する酸又は塩、並びに下記の(3)〜(13)で表される錯化剤の中から選ばれた1種又は2種以上を単独で又は適宜混合して使用できる。
【0033】
(3)一般式
X−R−COOH
[ここで、Rは単結合又はC1〜C4のアルキレン基を表し、該Rの水素は、その半数までの範囲で、任意の位置で、−S−CH3、メチル基、アミノ基、ヒドロキシル基及び(又は)カルボキシル基により置換されていてよい。Xは水素(ただし、Rが単結合の場合は除く。)、カルボキシル基又はCH2OHを表す。]
で表されるオキシカルボン酸、多価カルボン酸若しくはアミノ酸又はそれらの塩類。
【0034】
これらのうちで特に好適なものを例示すれば、蓚酸、マロン酸、こはく酸、グリコール酸、乳酸、酒石酸、クエン酸、グリシン等が挙げられる。
【0035】
(4)単糖類及びその一部が酸化されたポリヒドロキシカルボン酸並びにそれらの環状エステル化合物。
【0036】
これらのうちで特に好適なものを例示すれば、アスコルビン酸、グルコン酸、δ−グルコノラクトン等が挙げられる。
【0037】
(5)一般式
【化11】
Figure 0003776566
[ここで、RはC1〜C5のアルキレン基を表し、該アルキルの水素は、アミノ基又はカルボキシル基で置換されていてよく、また該アミノ基を介してアセチル基と結合していてもよい。]
で表されるメルカプトカルボン酸若しくはメルカプトスルホン酸又はそれらの塩類。
【0038】
これらのうちで特に好適なものを例示すれば、メルカプトこはく酸、3−メルカプトプロピオン酸、メルカプト酢酸、2−メルカプトプロピオン酸、ペニシルアミン、3−メルカプトプロパンスルホン酸、アセチルシスティン、システィン等が挙げられる。
【0039】
(6)一般式
HO3S−R−COOH
[ここで、RはC1〜C6のアルキレン基又はC2〜C6のアルケニレン基を表し、該Rの水素はヒドロキシル基又はカルボキシル基で置換されていてよい。]
で表される脂肪族スルホ(ヒドロキシ)カルボン酸又はそれらの塩類。
【0040】
これらのうちで特に好適なものを例示すれば、2−スルホ酢酸、2−スルホプロピオン酸、3−スルホプロピオン酸、スルホこはく酸、スルホメチルこはく酸、スルホフマル酸、スルホマレイン酸等が挙げられる。
【0041】
(7)一般式
【化12】
Figure 0003776566
[ここで、Xは水素、ヒドロキシル基又はカルボキシル基を表す。スルホン酸基、カルボキシル基及びXは任意の位置にあってよい。]
で表される芳香族スルホ(ヒドロキシ)カルボン酸又はそれらの塩類。
【0042】
これらのうちで特に好適なものを例示すれば、2−スルホ安息香酸、3−スルホ安息香酸、4−スルホ安息香酸、4−スルホフタール酸、5−スルホイソフタール酸、2−スルホテレフタール酸、5−スルホサリチル酸等が挙げられる。
【0043】
(8)一般式
【化13】
Figure 0003776566
[ここで、Xは−CH2COOH又は−C24COOHを表し、Yは−CH2COOH又は−C24COOH或いは−CH2OHを表し、Zは−CH2COOH又は−C24COOH或いは−CH2OH或いは水素を表す。Aは単結合、−CH(0H)−又は−CH2−N(CH2COOH)−CH2−を表し、Bは水素を表すか或いはAが単結合の場合には、B同志がメチレン基を介して結合して飽和6員環を形成してもよい。]
で表されるアミンカルボン酸又はそれらの塩類。
【0044】
これらのうちで特に好適なものを例示すれば、エチレンジアミンテトラ酢酸、ジエチレントリアミンペンタ酢酸イミノジ酢酸、ニトリロトリ酢酸等が挙げられる。
【0045】
(9)アルカンの炭素数が1〜3のヒドロキシアルカンビスホスホン酸又はそれらの塩類。
【0046】
これらのうちで特に好適なものを例示すれば、1−ヒドロキシエタン−1,1−ビスホスホン酸が挙げられる。
【0047】
(10)一般式
【化14】
Figure 0003776566
[ここで、X1、X2、X3及びX4は炭素又は窒素を表し、各X1〜X4が窒素のときには各Xに結合するR1〜R4は存在しない。すべてのXが同時に窒素であることはない。R1、R2、R3及びR4は、それぞれ独立して、水素、ヒドロキシル基又はC1〜C4のアルキル基を表し、該アルキル基の水素はヒドロキシル基、カルボキシル基又はハロゲンで置換されていてよい。R1はR2とメチレン基を介してベンゼン環を形成してよく、該ベンゼン環の水素はハロゲン、C1〜C4のアルキル基、C1〜C4のアルコキシ基、ヒドロキシル基又はカルボキシル基で置換されていてよい。R5は水素、C1〜C5のアルキル若しくはアルケニル基又はフェニル基を表し、該アルキル基、アルケニル基及び(又は)フェニル基の水素はヒドロキシル基又はアミノ基、モノメチルアミノ基若しくはジメチルアミノ基で置換されていてよい。]
で表される含窒素五員複素環式化合物、即ち、ピロール類、ピロリン類、インドール類、イソインドール類、イミダゾール類、ベンゾイミダゾール類、イミダゾリン類、トリアゾール類、ベンゾトリアゾール類又はテトラゾール類。
【0048】
これらのうちで特に好適なものを例示すれば、ピロール、ピロリン、インドール、イソインドール、イミダゾール、イミダゾリン、ベンゾイミダゾール、2−エチルイミダゾール、トリアゾール、ベンゾトリアゾール、2−(又は4)メチルベンゾトリアゾール、4−ヒドロキシベンゾトリアゾール、4−カルボキシベンゾトリアゾール、テトラゾール等が挙げられる。
【0049】
(11)一般式
【化15】
Figure 0003776566
[ここで、R1、R2、R3、R4及びR5は、それぞれ独立に、水素又はC1〜C5のアルキル基又はアルコキシ基を表す。Xは窒素又は炭素を表し、Xが窒素のときには、R4は存在しない。]
で示されるヒダントイン化合物、こはく酸イミド又はマレイン酸イミド及びそれらの誘導体。
【0050】
これらのうちで特に好適なものを例示すれば、ヒダントイン、5−n−プロピルヒダントイン、5,5−ジメチルヒダントイン、2,2−ジメチルこはく酸イミド、2−メチル−2−エチルこはく酸イミド、2−メチルこはく酸イミド、2−エチルこはく酸イミド、1,1,2,2−テトラメチルこはく酸イミド、1,1,2−トリメチルこはく酸イミド、2−ブチルこはく酸イミド、2−エチルマレイン酸イミド、1−メチル−2−エチルマレイン酸イミド、2−ブチルマレイン酸イミド等が挙げられる。
【0051】
(12)一般式
【化16】
Figure 0003776566
[ここで、R1及びR2はそれぞれ独立に水素、アミノ基又はC1〜C5のアルキル基を表す。R3及びR4はそれぞれ独立に水素、C1〜C5のアルキル若しくはアルケニル基又はフェニル基を表し、該アルキル、アルケニル及び(又は)フェニル基の水素はヒドロキシル基又はアミノ基、モノメチルアミノ基若しくはジメチルアミノ基で置換されていてよく、R3とR4は結合して環を形成してよい。R5はアルキル基、アリル基又はヒドロキシ基を表す。Xは窒素又は炭素を表し、Yは酸素又は硫黄を表す。Xが窒素のときには、R5は存在しない。]
で示される尿素、チオ尿素又はチオアセトアミド及びそれらの誘導体。
【0052】
これらのうちで特に好適なものを例示すれば、イミダゾリジノン、2−イミダゾリジンチオン、チオ尿素、トリメチルチオ尿素、N,N’−ジ−n−ブチルチオ尿素、テトラメチルチオ尿素、1−アリル−2−チオ尿素、N,N’ジエチルチオ尿素、1,3−ビス(ジメチルアミノプロピル)−2−チオ尿素、N,Nジメチルチオ尿素、N,N−ジメチロール尿素、チオセミカルバジド、4−フェニル−3−チオセミカルバジド、2−チオバルビツル酸等が挙げられる。
【0053】
(13)一般式
【化17】
Figure 0003776566
[ここで、Ra、Rb及びRcは、それぞれ独立に、水素、ヒドロキシル基又はC1〜C5のアルキル基を表し、該アルキル基の水素はヒドロキシル基、アミノ基又は塩素で置換されていてよく、また該アルキル基同志が結合して環を形成してもよい。]
で示されるアミン及びそれらの塩。
【0054】
これらのうち特に好適なものを例示すれば、エチレンジアミン、エチルアミンイソプロピルアミン、n−ブチルアミン、イソブチルアミン、ジプロピルアミン、ジブチルアミン、ジエチルアミン、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、N−メチルエタノールアミン、2−アミノ−2−(ヒドロキシメチル)−1,3−プロパンジオール、2−クロロエチルアンモニウムクロライド等が挙げられる。
【0055】
それら錯化剤の使用量は、錯化剤の種類や組み合わせに応じて適宜選択されるが、主錯化剤として添加する場合には、浴中の金属分1モルに対して1〜20モル程度が適当であり、好ましくは、2〜15モル程度である。しかしながら、補助錯化剤として用いる場合には、絶対濃度で0.001mol/l程度の低濃度から、浴中の金属分1モルに対して主錯化剤に匹敵する1〜20モル程度までの高濃度範囲で用いる。
【0056】
本発明の方法において使用する錫−銀系合金めっき浴は、さらに、電導塩、pH緩衝剤、界面活性剤、平滑化添加剤、光沢添加剤、酸化防止剤の1種又は2種以上を添加して用いることができる。錫及び錫合金めっき浴においては、このような成分が添加されることは公知であり、本発明のめっき方法において用いられるめっき浴にもこれらを添加することができる。これら、電導塩、pH緩衝剤、界面活性剤、平滑化添加剤、光沢添加剤、酸化防止剤には、従来から錫及び錫合金めっき浴において用いられてきた公知の化合物が利用できる。
【0057】
すなわち、電導塩として好適に用いられる化合物には、従来から錫及び錫合金めっき浴において用いられてきた硫酸、塩酸、スルホン酸などのナトリウム、カリウム或いはアンモニウム塩などが、適宜単独で又は併用して用いられる。その使用量は、明確な限界はないが、一般に5〜200g/lが用いられ、さらに好適には10〜100g/lが用いられる。
【0058】
pH緩衝剤として好適に用いられる化合物には、従来から錫及び錫合金めっき浴において用いられてきたリン酸、酢酸、炭酸、硼酸、クエン酸などのナトリウム、カリウム若しくはアンモニウム塩及び(又は)それらの酸性塩などが、適宜単独又は併用して用いられる。同一の塩をもって電導塩とpH緩衝剤とを兼ねて使用することもできる。その使用量は、明確な限界はないが、一般に5〜200g/lが用いられ、さらに好適には10〜100g/lが用いられる。
【0059】
界面活性剤として好適に用いられる化合物には、従来から錫及び錫合金めっき浴において用いられてきたカチオン系界面活性剤、アニオン系界面活性剤、ノニオン系界面活性剤、両性界面活性剤のいずれもが、適宜単独又は併用して用いられる。
【0060】
好適な界面活性剤としては、カチオン系界面活性剤には、テトラ低級アルキルアンモニウムハライド、アルキルトリメチルアンモニウムハライド、ヒドロキシエチルアルキルイミダゾリン、ポリオキシエチレンアルキルメチルアンモニウムハライド、アルキルベンザルコニウムハライド、ジアルキルジメチルアンモニウムハライド、アルキルジメチルベンジルアンモニウムハライド、アルキルアミン塩酸塩、アルキルアミン酢酸塩、アルキルアミンオレイン酸塩、アルキルアミノエチルグリシン、アルキルピリジニウムハライド系等がある。
【0061】
アニオン系界面活性剤には、アルキル(又はホルマリン縮合物)−β−ナフタレンスルホン酸(又はその塩)、脂肪酸セッケン、アルキルスルホン酸塩系、α−オレフィンスルホン酸塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキル(又はアルコキシ)ナフタレンスルホン酸塩、アルキルジフェニルエーテルジスルホン酸塩、アルキルエーテルスルホン酸塩、アルキル硫酸エステル塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸エステル塩、ポリオキシエチレンアルキルフェノールエーテル硫酸エステル酸塩、高級アルコールリン酸モノエステル塩、ポリオキシアルキレンアルキルエーテルリン酸(塩)、ポリオキシアルキレンアルキルフェニルエーテルリン酸塩、ポリオキシアルキレンフェニルエーテルリン酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル酢酸塩、アルキロイルザルコシン、アルキロイルザルコシネート、アルキロイルメチルアラニン塩、アルキルスルホ酢酸塩、アシルメチルタウリン酸塩、アルキル脂肪酸グリセリン硫酸エステル塩、硬化ヤシ油脂肪酸グリセリル硫酸塩、アルキルスルホカルボン酸エステル塩、アルキルスルホこはく酸塩、ジアルキルスルホこはく酸塩、アルキルポリオキシエチレンスルホこはく酸、スルホこはく酸モノオレイルアミドナトリウム塩(又はアンモニウム、TEA塩)等がある。
【0062】
ノニオン系界面活性剤には、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル(又はエステル)、ポリオキシアルキレンフェニル(又はアルキルフェニル)エーテル、ポリオキシアルキレンナフチル(又はアルキルナフトチル)エーテル、ポリオキシアルキレンスチレン化フェニルエーテル(又は該フェニル基にさらにポリオキシアルキレン鎖を付加した活性剤)、ポリオキシアルキレンビスフェノールエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンブロックポリマー、ポリオキシアルキレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシアルキレンソルビット脂肪酸エステル、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル、ポリオキシアルキレングリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシアルキレンアルキルアミン、エチレンジアミンのポリオキシアルキレン縮合物付加物、ポリオキシアルキレン脂肪酸アミド、ポリオキシアルキレンヒマシ(及び(又は)硬化ヒマシ油)油、ポリオキシアルキレンアルキルフェニルホルマリン縮合物、グリセリン(又はポリグリセリン)脂肪酸エステル、ペンタエリスリトール脂肪酸エステル、ソルビタンモノ(セスキ、トリ)脂肪酸エステル、高級脂肪酸モノ(ジ)エタノールアミド、アルキル・アルキロードアミド、オキシエチレンアルキルアミン等がある。
【0063】
両性界面活性剤には、2−アルキル−N−カルボキシメチル(又はエチル)−N−ヒドロキシエチル(又はメチル)イミダゾリニウムベタイン、2−アルキル−N−カルボキシメチル(又はエチル)−N−カルボキシメチルオキシエチルイミダゾリニウムベタイン、ジメチルアルキルベタイン、N−アルキル−β−アミノプロピオン酸(又はそのナトリウム塩)、アルキル(ポリ)アミノエチルグリシン、N−アルキル−N−メチル−β−アラニン(又はそのナトリウム塩)、脂肪酸アミドプロピルジメチルアミノ酢酸ベタイン等がある。
【0064】
これら界面活性剤の使用量は、適宜選択されるが、概ね0.001g/l〜50g/lの範囲で用いられ、さらに好適には0.01g/l〜50g/lの範囲で用いられる。
【0065】
平滑化添加剤、光沢添加剤として好適に用いられる化合物には、従来から錫及び錫合金若しくは銀及び銀合金めっき浴において用いられてきたポリエチレングリコール、スルファニル酸類、アミン−アルデヒド縮合物などが適宜に単独又は併用して用いられる。
【0066】
その使用量は、一般に0.01〜50g/lが用いられ、さらに好適には0.1〜30g/lが用いられる。
【0067】
錫イオンの酸化は、陽極表面或いはその近傍だけでなく、空気中の酸素によって操業中に徐々に酸化され4価の錫に変化し、沈殿を生成するか、或いは錯化剤の種類によっては浴中に溶解した状態で蓄積され、これらはいずれもめっきにとって有害な影響を及ぼす。これを抑制或いは防止するために、酸化防止剤が使用される。
【0068】
酸化防止剤には従来から錫及び錫合金めっき浴において用いられてきたハイドロキノン、カテコール、レゾルシノール、フロログリシノール、ピロガロール、3−アミノフェノール、ハイドロキノン(又は、カテコール、レゾルシノール)スルホン酸(及びそれらのエステル)、没食子酸、3,4−ジヒドロキシ安息香酸、4−メチルピロカテコール、ピロリン酸、酒石酸、クエン酸、アスコルビン酸などが適宜に単独又は併用して用いられる。
【0069】
その使用量は、一般に0.005〜20g/lが用いられ、さらに好適には0.01〜10g/lが用いられる。
【0070】
本発明の電気めっき方法に用いる錫−銀系合金めっき浴に、該合金皮膜の結晶成長を調整したり、融点を低下させるために、さらにビスマス、銅、アンチモン、亜鉛、インジウム、パラジウム、ヒ素及びニッケルから選ばれた第三金属の1種及び(又は)2種以上を添加して用いることができる。
【0071】
錫−銀系合金めっき浴に第三金属を添加して該合金皮膜の融点を低下させることは、既述の新井の報告(表面技術協会第94回講演大会予講集 85(1996))にも認めることができるが、本発明のめっき方法は、該浴を含めて上述の金属の1種及び(又は)2種以上を添加した浴にも適用できる。
【0072】
本発明の錫−銀合金めっき方法に従ってめっきが適用されるはんだ接合個所を有した電気・電子回路部品には、例えば、IC半導体等の電子デバイス等、抵抗器、コンデンサ等々の受動部品等、コネクタ、スイッチ、プリント配線基板等の接合部品等が挙げられる。
従って、本発明の他の主題は、本発明のめっき方法により錫−銀系合金めっきを施されたこれらの電気・電子部品にある。
【0073】
【実施例】
次に実施例によって、この発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの例によって限定されるものではなく、前述した目的に沿ってめっき浴の組成及びめっき条件は適宜、任意に変更することができる。
【0074】
比較例
めっき浴として800mlの下記の浴を用い、陽極には錫を用いて隔膜を使用せずめっきを行った。8時間の通電−16時間の休止(夜間)を繰り返した。8時間の通電毎に析出量にほぼ匹敵する銀を溶液の形で補給した。銀の補給液はヨウ化カリウムで錯化させた溶液とした。
・浴
Sn2+(メタンスルホン酸錫として) 0.25 mol/l
Ag+ (メタンスルホン酸銀として) 0.012mol/l
グルコン酸ナトリウム 0.8 mol/l
ヨウ化カリウム 1.5 mol/l
グリシン 0.6 mol/l
EDTA・4Na 0.004mol/l
2−アルキル−N−カルボキシメチル
−N−ヒドロキシエチル
イミダゾリニウムベタイン 20 g/l
アスコルビン酸 1 g/l
pH 10
温度 25 ℃
電流密度 2 A/dm2
【0075】
実施例
800mlの浴を用い、錫陽極をアノードバッグで包み、アノードバッグ内に活性炭(武田薬品(株)製の白鷺A)20gを投入し、めっきした。
【0076】
8A・hr/lの通電後に比較例と実施例を比較した。比較例においては、錫陽極に銀の置換析出が顕著に認められるとともに、グルコン酸の変質物によると考えられる液の着色、遊離ヨウ素の蓄積が認められ、めっき皮膜外観が劣化した。一方、実施例においてはそのような現象は認められず、良好なめっきが得られた。
【0077】
比較例
めっき浴として800mlの下記の浴を用い、陽極には白金めっきチタン板を用いて隔膜を使用せずめっきを行った。8時間の通電−16時間の休止(夜間)を繰り返した。8時間の通電毎に析出量にほぼ匹敵する錫及び銀を溶液の形で補給した。錫及び銀の補給液はグルコン酸とメルカプトこはく酸で錯化させた溶液とした。
・浴
Sn4+(塩化錫(4価)5水和物として) 0.08 mol/l
Ag+ (硝酸銀として) 0.37 mol/l
グルコン酸カリウム 0.26 mol/l
メルカプトこはく酸 0.3 mol/l
pH 1.9
温度 60 ℃
電流密度 2 A/dm2
【0078】
実施例
800mlの浴を用い、白金めっきチタン陽極をアノードバッグで包み、アノードバッグ内に活性炭(武田薬品(株)製の白鷺A)20gを投入し、比較例と同様に錫及び銀を補給してめっきした。
【0079】
8A・hr/lの通電後に比較例と実施例を比較した。比較例においては、グルコン酸及びメルカプトこはく酸の分解ではないかと思われる浴の着色及び劣化が生じ、めっき皮膜外観が劣化した。一方、実施例においてはそのような現象は認められず、良好なめっきが得られた。
【0080】
【発明の効果】
本発明の方法に従い、陽極において生成する不純物をめっき液中に拡散させずにトラップすることによって、めっき浴の劣化を抑制し、或いは浴成分のバランスを保った状態での長期間の操業が可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 隔膜によって陰陽両極を分離してめっきする方法の概念図である。
【図2】 隔膜で陰陽両極を分離した補助槽を設けてめっきする方法の概念図である。
【符号の説明】
1 隔膜
2 陽極
3 陽極液
4 陰極(めっき対象物)
5 陰極液(めっき液)
6 陰極(ダミー)
7 めっき槽
8 補助槽

Claims (2)

  1. 2価及び(又は)4価の錫イオン、1価の銀イオン、錫及び銀の錯化剤を必須成分とする錫−銀系合金電気めっき浴から電気めっきするにあたり、不純物を吸着するための吸着剤をアノードバッグ内に懸濁させた状態でめっきを行うか、或いは吸着剤を固着させた素材で作成したアノードバッグを用いてめっきを行うことを特徴とする、錫−銀系合金電気めっき方法。
  2. 錫−銀系合金電気めっきのめっき液中の錫及び(又は)銀の錯化剤が下記(1)〜(13)から選ばれたる物質であることを特徴とする、請求項に記載の錫−銀系合金電気めっき方法:
    (1)縮合リン酸又はそれらの塩類、
    (2)ヨウ素、臭素、ヨウ素酸、臭素酸、亜硫酸、重亜硫酸、メタ重亜硫酸、チオ硫酸、チオシアン酸、酢酸、アンモニウムの各イオンを生成する酸又は塩、
    (3)一般式
    X−R−COOH
    [ここで、Rは単結合又はC1〜C4のアルキレン基を表し、該Rの水素は、その半数までの範囲で、任意の位置で、−S−CH3、メチル基、アミノ基、ヒドロキシル基及び(又は)カルボキシル基により置換されていてよい。Xは水素(ただし、Rが単結合の場合は除く。)、カルボキシル基又はCH2OHを表す。]
    で表されるオキシカルボン酸、多価カルボン酸若しくはアミノ酸又はそれらの塩類、
    (4)単糖類及びその一部が酸化されたポリヒドロキシカルボン酸並びにそれらの環状エステル化合物、
    (5)一般式
    Figure 0003776566
    [ここで、RはC 1 〜C 5 のアルキレン基を表し、該アルキルの水素は、アミノ基又はカルボキシル基で置換されていてよく、また該アミノ基を介してアセチル基と結合していてもよい。]
    で表されるメルカプトカルボン酸若しくはメルカプトスルホン酸又はそれらの塩類、
    (6)一般式
    HO3S−R−COOH
    [ここで、RはC1〜C6のアルキレン基又はC2〜C6のアルケニレン基を表し、該Rの水素はヒドロキシル基又はカルボキシル基で置換されていてよい。]
    で表される脂肪族スルホ(ヒドロキシ)カルボン酸又はそれらの塩類、
    (7)一般式
    Figure 0003776566
    [ここで、φはベンゼン環を表し、Xは水素、ヒドロキシル基又はカルボキシル基を表す。スルホン酸基、カルボキシル基及びXは任意の位置にあってよい。]
    で表される芳香族スルホ(ヒドロキシ)カルボン酸又はそれらの塩類、
    (8)一般式
    Figure 0003776566
    [ここで、Xは−CH2COOH又は−C24COOHを表し、Yは−CH2COOH又は−C24COOH或いは−CHOHを表し、Zは−CH2COOH又は−C24COOH或いは−CH2OH或いは水素を表す。Aは単結合、−CH(OH)−又は−CH2−N(CH2COOH)−CH2−を表し、Bは水素を表すか或いはAが単結合の場合には、B同志がメチレン基を介して結合して飽和6員環を形成してもよい。]
    で表されるアミンカルボン酸又はそれらの塩類、
    (9)アルカンの炭素数が1〜3のヒドロキシアルカンビスホスホン酸又はそれらの塩類、
    (10)一般式
    Figure 0003776566
    [ここで、X1、X2、X3及びX4は炭素又は窒素を表し、各X1〜X4が窒素のときには各Xに結合するR1〜R4は存在しない。すべてのXが同時に窒素であることはない。R1、R2、R3及びR4は、それぞれ独立に、水素、ヒドロキシル基又はC1〜C4のアルキル基を表し、該アルキル基の水素はヒドロキシル基、カルボキシル基又はハロゲンで置換されていてよい。R1はR2とメチレン基を介してベンゼン環を形成してよく、該ベンゼン環の水素は、ハロゲン、C1〜C4のアルキル基、C1〜C4のアルコキシ基、ヒドロキシル基又はカルボキシル基で置換されていてよい。R5は水素、C1〜C5のアルキル若しくはアルケニル基又はフェニル基を表し、該アルキル基、アルケニル基及び(又は)フェニル基の水素はヒドロキシル基又はアミノ基、モノメチルアミノ基若しくはジメチルアミノ基で置換されていてよい。]
    で表される含窒素五員複素環式化合物、
    (11)一般式
    Figure 0003776566
    [ここで、R1、R2、R3、R4及びR5は、それぞれ独立に、水素又はC1〜C5のアルキル基又はアルコキシ基を表す。Xは窒素又は炭素を表し、Xが窒素のときには、R4は存在しない。]
    で示されるヒダントイン化合物、こはく酸イミド又はマレイン酸イミド及びそれらの誘導体、
    (12)一般式
    Figure 0003776566
    [ここで、R1及びR2はそれぞれ独立に水素、アミノ基又はC1〜C5のアルキル基を表す。R3及びR4はそれぞれ独立に水素、C1〜C5のアルキル若しくはアルケニル基又はフェニル基を表し、該アルキル、アルケニル及び(又は)フェニルの水素はヒドロキシル基又はアミノ基、モノメチルアミノ基若しくはジメチルアミノ基で置換されていてよく、R3とR4は結合して環を形成してよい。R5はアルキル基、アリル基又はヒドロキシ基を表す。Xは窒素又は炭素を表し、Yは酸素又は硫黄を表す。Xはが窒素のときには、R5は存在しない。]
    で示される尿素、チオ尿素又はチオアセトアミド及びそれらの誘導体、
    (13)一般式
    Figure 0003776566
    [ここで、Ra、Rb及びRcは、それぞれ独立に、水素、ヒドロキシル基又はC1〜C5のアルキル基を表し、該アルキル基の水素は、ヒドロキシル基、アミノ基又は塩素で置換されていてよく、また該アルキル基同志が結合して環を形成してもよい。]
    で示されるアミン及びそれらの塩。
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