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JP3778077B2 - 自動車用ガラスラン - Google Patents
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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、自動車のドアフレームに装着されるガラスランに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
図3に示すように、自動車のドア1のドアフレーム2にはこれに沿ってガラスラン5が取付けられ、ドアガラス4の昇降を案内するとともに、ドアガラス4が閉じられたときに、その外周部とドアフレーム2との間をシールする。
【0003】
図4に示すように、ガラスラン5は断面ほぼコ字形の基底部50の相対向する両側壁52a,52bの先端からそれぞれシールリップ53a,53bが伸出する基本構造を有している。一方、ドアフレーム2の内周側には断面ほぼコ字形のチャンネル3が設けられ、図3に示すようにチャンネル3はドアフレーム2から更に下方へ延び、ドア本体内へ延出している。
【0004】
ガラスラン5は、図1(A)および図3に示すように、車体のルーフサイドに沿い後方斜め上方に向けて延びるドアフレーム上枠部2Aに沿う押出成形の上辺部分5Aと、前後のドアフレーム縦枠部2B,2Cに沿う縦辺部分5B,5Cとを、コーナ部5D,5Eで型成形接続して構成され、図4に示すように基底部50をチャンネル3に嵌め込むことにより取付けられ、シールリップ53a,53bがドアガラス4の外周部をその両面から挟む。
【0005】
ガラスラン5としては一般にエチレン・プロピレンゴム(EPDMゴム)製のものが用いられているが、近時、これに代えてオレフィン系熱可塑性エラストマー(TPO)製のものが用いられるようになってきた。TPO製のものは、EPDMゴム製のものに匹敵するシール性能を有する他に製造過程で加硫工程が不要であり、かつ軽量である点などにおいて有利である。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
ところでドアガラス4の昇降が繰り返されると、TPO製のガラスラン5では、コーナ部、特にフロント側では前側の縦辺部分5Bと、その上端から後方斜め上方へ向けて延びる上辺部分5Aとが接続するコーナ部5Dがチャンネル3から抜け方向にずれて浮き上り、また上辺部分5Bのシールリップ53a,53bに波打ち状の変形が生じる傾向がある。
【0007】
発明者らは、その原因は次によるものであることに着目した。すなわち、ドアガラス4が上昇端まで上昇して閉じ切られるときに、ドアガラス4の押し上げ方向(X方向)に対して傾斜方向にあるドアフレーム上枠部2Aに取付けられたガラスラン5の上辺部分5Aには、下からのドアガラス4の押し付けでドアフレーム上枠部2Aのチャンネル3に沿って押し上げる方向(Y方向)のずれ力が作用する。ところがTPO製のガラスランのチャンネル3に対する摩擦抵抗はEPDMゴム製のガラスランのそれよりも小さいからずれが発生し、コーナ部5Dは直線状に引っ張られて浮きが生じ、また上辺部分5Aのシールリップ53a,53bに波打ち状の変形が生じるのである。
【0008】
そこで、TPO製のガラスラン5の硬度を通常用いられているHs75〜85よりも低くしてチャンネル3に対する摩擦抵抗を上げることが考えられるが、硬度を低くするとチャンネル3への組付け時に基底部50が変形して組付けにくく、かつ組付け後も形状安定性が不足するので好ましくない。
【0009】
本発明はかかる実情に鑑み、TPO製の利点を生かし、かつコーナ部およびドアフレーム上枠部に沿う部分で、ずれや変形が発生しないガラスランを提供することを課題としてなされたものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】
請求項1の発明は、自動車のドアフレームの内周側に設けたチャンネルに嵌着してドアフレームに取付けられるガラスランであって、前後のドアフレーム縦枠部にそれぞれ取付けられる縦辺部分と、前後のドアフレーム縦枠部の上端間をつなぎ後方斜め上方へ向けて延びるドアフレーム上枠部に取付けられる上辺部分とをコーナ部で型成形接続してなるガラスランにおいて、上記両縦辺部分をオレフィン系熱可塑性エラストマーの押出成形体で構成し、上記上辺部分をエチレン・プロピレンゴムの押出成形体で構成し、上記各押出成形体をコーナ部でオレフィン系熱可塑性エラストマーで型成形接続する。
【0011】
ガラスランの前後の縦辺部分を加硫を不要とするTPOで形成したことで、ガラスランの生産性が向上する。そしてガラスランの上辺部分をTPOよりもチャンネルに対する摩擦抵抗が大きいEPDMゴムで形成したことで上辺部分におけるずれや変形の発生を防止する
【0014】
【発明の実施の形態】
図1(A)に示すように、ガラスラン5は前後の縦辺部分5B,5Cと上辺部分5Aとを前後のコーナ部5D,5Eで型形成接続することにより構成されている。ガラスラン5は全長にわたりほぼ同一の断面形状で、図1(B),(C)に示すように断面ほぼコ字形の基底部50と、基底部50の相対向する側壁52a,52bの先端から基底部50内方向へ伸出するシールリップ53a,53bを備えている。
【0015】
縦辺部分5B,5CはTPOの押出成形体であり、上辺部分はEPDMゴムの押出成形体であって、コーナ部5D,5Eは、縦辺部分5B,5Cと、上辺部分5Aの端末間をTPOで型成形接続することにより形成される。
【0016】
TPOからなる縦辺部分5B,5Cでは、ドアガラス4の外周部を挟むシールリップ53a,53bの相対向する面に、縦辺部分5B,5Cの本体の硬度(一般にHs75〜85)よりも高硬度のTPOの被覆層(図示略)が形成してあり、ドアガラス4に対する摺動抵抗を低くしている。TPOの被覆層は縦辺部分5B,5Cの本体と一体に押出成形される。
【0017】
EPDMゴムからなる上辺部分5Aでは、シールリップ53a,53bの相対向する面、およびドアガラス閉じ切り時にドアガラス4の上縁が押し付けられる底壁51の内面に、ウレタンの被覆層(図示略)が形成してあり、ドアガラス4に対する摺動抵抗を低くしている。ウレタンの被覆層は押出成形された上辺部分5Aに、ウレタンをスプレー塗装する等の手段により形成される。
【0018】
ドアフレーム2の内周側には断面ほぼコ字形のチヤンネル3が形成されている。ガラスラン5はその基底部50をチャンネル3に嵌め込むことにより取付けられ、シールリップ53a,53bがドアガラス4の外周部をその両面から挟む。なお図において、20は図略のドアウエザストリップを保持するリテーナである。
【0019】
以上のように構成したガラスラン5において、縦辺部分5B,5Cは押出成形時に加硫をする必要がなく、かつガラス摺動材たる高硬度のTPOの被覆層を一体押出で成形できるから生産性がよい。
【0020】
一方、上辺部分5Aでは、ドアガラス4が上昇端に至って閉じ切られるときにチャンネル3に沿って後方へずらそうとする力が作用するが、上辺部分5AはTPOよりもチャンネル3に対して摩擦抵抗が大きいEPDMゴムで形成されているから、コーナ部5Dをチャンネル3から浮き上らせたり、シールリップ53a,53bに波打ち変形を発生させるようなずれは生じない。
【0021】
TPOのコーナ部5D,5Eは、型成形接続時に加硫する必要がなく、またゴムに比べて型成形時に発生するバリが少ない点で有利である。
【0022】
図2はずれや変形の発生を防止したガラスランの参考例を示すもので、ガラスラン5の上辺部分5AをEPDMゴムとTPOの複合体で構成したものである。すなわち、上辺部分5Aは、その基底部50がEPDMゴムからなり、相対向する面に高硬度のTPO被覆層をもつシールリップ53a,53bはTPOからなり、上辺部分5Aは一体押出成形される。押出成形後、基底部50の底壁51の内面にはウレタン被覆層が形成される。
【0023】
一方、ガラスラン5の縦辺部分5B,5Cは先の実施形態と同様に全体がTPOで形成され、型成形コーナ部5C,5Dも先の実施形態と同様にTPOで形成される。
【0024】
本参考例では、上辺部分5Aのうち、チャンネル3に嵌着される基底部50はEPDMゴムで形成されているから、先の実施形態と同様、ずれや変形の発生が防止される。またシールリップ53a,53bは型成形接続材と同じTPOで形成されているから、上辺部分5A全体がEPDMゴムで形成されているものよりも型成形コーナ部5D,5Eとの結合力が強化される。
【0025】
【発明の効果】
ガラスランの縦辺部分をTPOで構成し、上辺部分をEPDMゴムで構成したことにより、ガラスランを全長にわたりEPDMゴムで構成した場合よりもガラスランの生産性が向上する。またガラスランを全長にわたりTPOで構成したものに比べ、チャンネルに対するガラスランのずれ、特にガラスランのコーナ部および上辺部分におけるずれを少なくし、チャンネルおよびドアガラスとの間のシール性能を良好に確保することができる。
【0026】
上記実施形態は自動車のフロントドアについて説明したが、本発明のガラスランはリヤドアにも適用され得る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態を示すもので、(A)はガラスランの全体図、(B)は(A)のIB−IB線に沿う位置でのガラスランの取付状態断面図、(C)は(A)のIC−IC線に沿う位置でのガラスランの取付状態断面図である。
【図2】 ガラスランの参考例を示すもので、図1(A)のIB−IB線に沿う位置でのガラスランの取付状態断面図である。
【図3】ガラスランが装着された自動車ドアの正面図である。
【図4】従来のガラスランの図3のIV−IV線に沿う位置での取付状態断面図である。
【符号の説明】
2 ドアフレーム
2A ドアフレーム上枠部
2B,2C ドアフレーム縦枠部
3 チャンネル
4 ドアガラス
5 ガラスラン
5A 上辺部分
5B,5C 縦辺部分
5D,5E コーナ部
50 基底部
53a,53b シールリップ

Claims (1)

  1. 自動車のドアフレームの内周側に設けたチャンネルに嵌着してドアフレームに取付けられるガラスランであって、前後のドアフレーム縦枠部にそれぞれ取付けられる縦辺部分と、前後のドアフレーム縦枠部の上端間をつなぎ後方斜め上方へ向けて延びるドアフレーム上枠部に取付けられる上辺部分とをコーナ部で型成形接続してなるガラスランにおいて、上記両縦辺部分をオレフィン系熱可塑性エラストマーの押出成形体で構成し、上記上辺部分をエチレン・プロピレンゴムの押出成形体で構成し、上記各押出成形体をコーナ部でオレフィン系熱可塑性エラストマーで型成形接続してなる自動車用ガラスラン。
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