JP3779527B2 - 工作機械の主軸に装備されるツールクランプバネの監視装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、マシニングセンタ等の工作機械において、工具を着脱自在に保持する主軸内ツールクランプバネの自動監視装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
工具の自動交換装置を備えたマシニングセンタにあっては、主軸内に工具を引き込んで保持するツールクランプ機構を備える。
ツールクランプ機構は、ツールのシャンクの尾部に取り付けられるプルスタッドを把持するコレットチャックを有するドローバーと、このドローバーを常時引き込む方向に付勢されたクランプバネを備える。
工具交換時には、アクチュエータによりドローバーをクランプバネに抗して押し出し、コレットチャックを開いて工具を解放する。
【0003】
クランプバネは、コイルバネや皿バネを軸方向に多数枚重ね合わせたもので、例えば800Kgの引っ張り力を発生して、工具をクランプする。
マシニングセンタにおいては、多数回の工具交換が行われ、その度に、クランプバネは圧縮と伸張を繰り返す。使用することにより、クランプバネのバネ係数が劣化すると、主軸は充分なクランプ力で工具を保持することができなくなり、加工性能に悪影響を及ぼす。
【0004】
そこで、従来は定期的にマシニングセンタを停止させ、主軸に引っ張り応力を計測する測定機を取り付けて、クランプバネのバネ力を測定していた。そして、このバネ力が初期値より所定の値だけ低下したときに、クランプバネの交換を行っていた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
上述した従来のクランプバネの監視手段にあっては、定期的な保守点検作業が必要であり、また、突発的なクランプバネのバネ力の低下に対しては対応することができず、加工不良や主軸の故障等を引き起こす問題があった。
そこで本発明は、主軸を装備するヘッドストックをサーボ機構によって工具交換位置まで移動したときに、ヘッドストックの移動力を利用して機械的にドローバーをアンクランプと位置に押し出す構造のマシニングセンタにおけるツールクランプバネの自動監視装置を提供するものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明を適用するマシニングセンタは、ベッドと、ベッド上に配設されるコラムと、コラムに対して摺動自在に支持されるヘッドストックと、コラムに取り付けられてボールネジを介してヘッドストックの移動を制御するサーボモータと、ヘッドストック内に回転自在に支持される主軸と、主軸内に装備されて工具をクランプするクランプバネと、コラムの工具交換位置に取り付けられるカム溝を有するカムブロックと、ヘッドストックに装備されてカム溝に係合するカムフォロワを有するメカニカルアームを備え、ヘッドストックがサーボモータにより工具交換位置に移動されたときに、カムブロックに係合するメカニカルアームの旋回動によりクランプバネが押圧されて工具のクランプを解放する手段を備える。そして、ヘッドストックを駆動するサーボモータに流れる電流値を検知する手段と、クランプバネのバネ力が初期値における工具交換による工具のアンクランプ時の電流値の変化の値と、バネ力が初期値より減少したときにおける工具交換による工具のアンクランプ時の電流値の変化の値とを比較する手段を備え、ツールクランプバネのバネ力を監視するものである。
【0007】
【発明の実施の形態】
図1は、本発明のクランプバネの自動監視装置を備えたマシニングセンタの側面図、図2はヘッドストックの要部の断面図である。
全体を符号1で示すマシニングセンタは、ベッド10と、ベッド10上に軸Z方向に移動するテーブル20を有する。ベッド10上には、一対のガイドレール31,32が水平に対して傾斜する姿勢で敷設しており、このガイドレール31,32に係合する直動案内装置を備えたコラム30が紙面に直交する軸X方向に移動可能に支持されている。
【0008】
ベッド10上には、サーボモータ36が取り付けてあり、サーボモータにより駆動されるボールネジ34により、コラム30の移動が制御される。
コラム30に対して全体を符号100で示すヘッドストックが軸Y方向に摺動自在に支持される。
コラム30の頂部には、サーボモータ50が取り付けてあり、ボールネジ52を介してヘッドストック100を軸Yに沿って制御する。コラム30の上部にはカム溝62を有するカムブロック60が固定してある。一方、ヘッドストック100にはメカニカルアーム70が取り付けてあり、メカニカルアーム70のカムフォロワ72がカムブロック60のカム溝62に係合する。
【0009】
図1は、ヘッドストック100がサーボモータ50によってATC(自動工具交換)位置まで引き上げられた状態を示す。このATC位置において、ヘッドストック100に取り付けられたメカニカルアーム70のカムフォロワ72はコラム30に固定されたカムブロック60のカム溝62に係合する。カム溝は湾曲したプロファイルを有し、このプロファイルによりメカニカルアーム70は、ピン74を中心にして矢印R1方向に旋回される。
ヘッドストック100内に装備された主軸のツールクランプ機構は、このメカニカルアームの旋回を動力源としてアンクランプされる。
【0010】
図2は、ヘッドストック100の要部を示す断面図、図3は図2のD−D矢視図である。
ヘッドストック100は、ハウジング105内に主軸110をベアリング群114,116によって回転自在に支持する。主軸110は、工具装着穴112を有し、工具200を保持する。
【0011】
主軸110は、その外周部にモータのロータ122が取り付けてあり、ステータ120に供給される電力により直接に駆動される。
主軸110の内部には、ドローバー130が摺動自在に挿入される。このドローバー130の先端部には、コレットチャック132が装備されていて、工具200のプルスタッド210を着脱自在に把持する。
【0012】
ドローバー130の後端部には、細径部を有するプッシュロッド140が連結される。このプッシュロッド140の細径部は、主軸110内に固定されるバネ受け部材170を貫通する。プッシュロッド140の細径部と主軸110の間には、多数の皿バネ160が挿入される。この皿バネ160はプッシュロッド140と、プッシュロッド140に連結されたドローバー130を常時主軸110内に引き込む方向にバネ力を発揮し、工具のクランプバネとして機能する。
プッシュロッド140の後部142は、スリーブ150内を貫通し、スリーブ150はメカニカルアーム70に係合する。
【0013】
図3にも示すように、メカニカルアーム70は、ピン74によりヘッドストックのハウジング105に対して旋回自在に支持されている。メカニカルアーム70の上端に設けたカムフォロワ72は、ATC位置において、コラム側に固定されたカムブロック60のカム溝62に係合する。ヘッドストック100が軸Yに沿ってATC位置まで上昇すると、メカニカルアーム70のカムフォロワ72がカムブロック60のカム溝62に挿入される。カム溝62は図示のように湾曲したカムプロファイルを有し、メカニカルアーム70はピン74を支点として、矢印R1方向に旋回動される。
【0014】
図3に示すように、Y字形状のフォーク部80を有し、フォーク部80の内側に取り付けたローラ82がスリーブ150の両側に形成された段付部に係合する。
【0015】
メカニカルアーム70が矢印R1方向に旋回動すると、ローラ82がスリーブ150を主軸110の先端に向けて押し出し、スリーブ150の肩部152によりスリーブ150に係合するプッシュロッド140は、ドローバー130をクランプバネ160のバネ力に抗して工具装着穴112に向けて押し出す。
この作動によって、ドローバー130の先端のコレットチャック132は、工具200のプルスタッド210を押して工具200を主軸110の工具装着穴から押し出すとともに、プルスタッド210の把持を解放する。
【0016】
ATC位置において、図示しない自動工具交換装置によって、新たな工具が主軸110の工具装着穴112に挿入される。
その後に、サーボモータ50に工具交換完了の指示が与えられ、サーボモータ50は、ヘッドストック100を軸Yに沿って下降させ、所定の下降位置まで移動させる。
ヘッドストック100が下降すると、メカニカルアーム70のカムフォロワ72は、各ブロック60のカム溝62から離脱する。メカニカルアーム70とヘッドストックハウジング105の間に張設したスプリング90は、メカニカルアーム70を初期状態に復帰させる。
【0017】
クランプバネ160は、ドローバー130、プッシュロッド140を主軸110の内側に引き込み、ドローバー130のコレットチャック132が工具200のプルスタッド210を把持して引き込み、主軸110に対する工具200のクランプが完了する。
【0018】
図4は、サーボモータ50に流れる電流Aと、ヘッドストック100を早送りモードで移動させたときの移動速度Vを示すグラフである。
ヘッドストック100は、軸Y上の第1原点Y1からATC位置まで上昇を開始し、メカニカルアーム70のカムフォロワ72がカムブロック60のカム溝62に係合し、ATC位置Y2まで達して停止する。この上昇の間にメカニカルアーム70は、ドローバー130をクランプバネ160のバネ力に抗して押し出すので、サーボモータ50には、アンクランプに必要な電流値A1が供給される。ATCが完了すると、サーボモータ50はヘッドストック100をATC装置Y3から下降させ、第1原点Y4に戻す。
【0019】
本発明の工具のクランプ,アンクランプ機構は、上述したようにヘッドストックの軸Y方向の移動を動力源として作動するので、ヘッドストックを操作するサーボモータに流れる電流を検知することによって、工具のクランプバネのバネ力を監視することができる。
【0020】
すなわち図5は、クランプバネ160のバネ力が初期値から60%減少したヘッドストックを、図4と同様のモードで移動させたときのサーボモータへ流れる電流Aと移動速度Vの変化を示すグラフである。
クランプバネのバネ力が低下しているので、サーボモータに流れるアンクランプに必要な電流値A2は、正常なクランプバネの電流値A1に比べて明確に低減される。
【0021】
そこで、ヘッドストックを駆動するサーボモータに流れる電流を検知し、ATCを開始する際の電流値とを予め設定した電流値と比較することによって、工具クランプ用のクランプバネのバネ力の低減を監視することができる。
【0022】
【発明の効果】
本発明によれば、マシニングセンタがATCを実行する度に、ヘッドストックに装備された工具クランプバネのバネ力の程度を検知することができる。したがって、突発的なクランプ力の劣化による故障等の発生を回避し、またクランプバネの交換時機を予め知ることができるので、機械の保守や加工計画上極めて有利となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を実施するマシニングセンタの側面図。
【図2】ヘッドストックの要部の断面図。
【図3】図2のD−D矢視図。
【図4】本発明の作動を示す説明図。
【図5】本発明の作動を示す説明図。
【符号の説明】
1 マシニングセンタ
10 ベッド
20 テーブル
30 コラム
32,34 ガイドレール
50 サーボモータ
52 ボールネジ
60 カムブロック
62 カム溝
70 メカニカルアーム
72 カムフォロワ
74 ピン
100 ヘッドストック
105 ハウジング
110 主軸
130 ドローバー
132 コレットチャック
140 プッシュロッド
150 スリーブ
160 クランプバネ
Claims (1)
- ベッドと、ベッド上に配設されるコラムと、コラムに対して摺動自在に支持されるヘッドストックと、コラムに取り付けられてボールネジを介してヘッドストックの移動を制御するサーボモータと、ヘッドストック内に回転自在に支持される主軸と、主軸内に装備されて工具をクランプするクランプバネと、コラムの工具交換位置に取り付けられるカム溝を有するカムブロックと、ヘッドストックに装備されてカム溝に係合するカムフォロワを有するメカニカルアームを備え、ヘッドストックがサーボモータにより工具交換位置に移動されたときに、カムブロックに係合するメカニカルアームの旋回動によりクランプバネが押圧されて工具のクランプを解放する工作機械であって、
ヘッドストックを駆動するサーボモータに流れる電流値を検知する手段と、クランプバネのバネ力が初期値における工具交換による工具のアンクランプ時の電流値の変化の値と、バネ力が初期値より減少したときにおける工具交換による工具のアンクランプ時の電流値の変化の値とを比較する手段を備え、ツールクランプバネのバネ力を監視するツールクランプバネの監視装置。
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