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JP3779692B2 - 錫亜鉛ソルダーボールの製造方法 - Google Patents
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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、錫亜鉛はんだ合金からなるソルダーボールの製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、電子機器の高機能化、小型化に伴い、使用される電子部品の高密度化、軽量化が求められるようになり、パッケージの側面にリードが配置されているQFPやSOPに代わり、リードを用いない接合方法であるBGA、CSP等が開発された。これらは、SOP、QFPのようにパッケージ側面のリード端子による接合ではなく、パッケージ裏面に格子状に配列するソルダーボール等で電極と基板を接合するため、多ピン化、狭ピッチ化の点で有利となる。従って、これまで以上に高集積化された回路設計が可能となり、電子部品はより小型化されている。現在では、BGA、CSPに見られるバンプ接続法を用いた電子部品の需要は非常に高まっている。
【0003】
これまで、BGA、CSPの電極材料としては、Sn63wt%−Pb37wt%やSn10wt%−Pb90wt%組成等の鉛を含むソルダーボールが使用されてきたが、最近は鉛フリー化の要求もあり、鉛を使用しないソルダーボールの需要が高まってきている。マザーボードへの実装用のはんだとして、最も早く実用化されたのは錫銀はんだであるため、電子部品であるBGAやCSPに用いるソルダーボールにも、錫銀はんだの採用が検討されている。しかし錫銀はんだは、現行はんだの錫鉛はんだよりも40℃ほど融点が高いため、はんだ付け温度を現行プロセスよりも上昇させなければならず、それに伴いパッケージに使用する封止樹脂等の耐熱温度も改良しなければならないという課題がある。
【0004】
一方で、最近マザーボードへの実装用のはんだとして注目され始めた錫亜鉛はんだは、融点が205℃以下であるため現行のプロセスでもはんだ付けが可能であり、錫亜鉛はんだ粉末を使用したソルダーペーストが大型の基板や耐熱性に懸念のある部品を実装する基板に採用され始めている。また、電子部品であるBGAやCSPも同様に、耐熱性に問題のあるパッケージや、基板への実装用に錫亜鉛はんだを使用する場合に、錫亜鉛はんだを加工して得られるソルダーボールを使用する検討も始まっており、現行と同程度の外形形状を有する錫亜鉛はんだ粉末やソルダーボールの需要が高まりつつある。
【0005】
従来のソルダーボールの製造方法としては、ワイヤー状に加工したはんだ線を裁断し冷媒中に落とし込み、使用はんだ線の融点以上に加熱された上層部で溶融させ、常温部の下層部で冷却凝固させ球状化する方法や、はんだの薄板を打ち抜き再溶融させ冷却過程で球状化する方法(例えば特許文献1)や、溶融はんだ液滴を滴下し所定温度に設定された冷媒中で凝固のみをさせ球状化する均一液滴噴霧法(例えば特許文献2)などがある。
【0006】
【特許文献1】
特開平9−199504号公報
【特許文献2】
米国特許第5266098号明細書
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、例えば前記特許文献1や前記特許文献2などの製法を用いて得られる錫亜鉛ソルダーボールは、現行の錫鉛はんだや錫銀はんだと同様の製法で球状加工可能であるが、ソルダーボール最表面にしわ状の凹凸や溝等が形成しやすいという欠点があった。一般にBGAの製造過程においては、ソルダーボール搭載治具に形成する吸引口1箇所に対してソルダーボール1個を吸着させ、数十から数百個のソルダーボールを一括でパッケージ電極上に搭載する方法が採用されている。従って、ソルダーボールの表面に凹凸や溝がある場合、ソルダーボール搭載治具に形成する吸引口へのソルダーボールの吸着が不安定になり、BGAやCSPの電極上への全ソルダーボールの一括搭載が困難となる。
【0008】
また、ソルダーボール搭載自動装置内においてソルダーボール搭載治具へ吸着させる際には、ソルダーボールを所定の位置に移動させ配置しなければならず、ソルダーボールの表面に凹凸や溝がある場合、ソルダーボールの回転が不規則となり、自動装置内で停滞し目詰まりを引き起こす懸念もある。
つまり、ソルダーボールの表面状態の欠陥は、上記のBGA製造工程上の不具合を招き、生産性を著しく損ねる恐れがある。
【0009】
本発明は、錫亜鉛はんだ合金からなるソルダーボール表面の凹凸や溝が少ない錫亜鉛ソルダーボールの製造方法を提供することを目的としている。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、85重量%以上の錫と、7〜10重量%の亜鉛を含み、合金中の鉛含有量が41〜500ppmであることを特徴とするはんだ合金を用い、冷媒中で凝固のみをさせる均一液滴噴霧法を用いた錫亜鉛ソルダーボールの製造方法であって、この際、製造装置として、底部にオリフィスを有する密閉された坩堝と、当該坩堝の周囲に設けられた第一加熱手段と、坩堝の下方に設けられ、オリフィスから滴下される溶融物を凝固させるための冷媒が内部に入れられた冷媒槽と、冷媒槽の最上部と最下部の各々の周囲に設けられた二つの第二加熱手段とを備えた装置を用意し、前記はんだ合金を坩堝内に投入して第一加熱手段で加熱、溶融させて溶融物を得、当該溶融物を坩堝内で振動させ、坩堝内にガスを注入し、溶融物をオリフィスから噴出させ、第二加熱手段により加熱された冷媒槽内の冷媒中で溶融物を凝固させて錫亜鉛ソルダーボールを得ること、前記冷媒がシリコーンオイルであること、及び、前記第一加熱手段により制御された前記坩堝内における溶融物の温度が250±30℃であり、前記第二加熱手段により加熱された前記冷媒の最上部温度が175±10℃で、前記冷媒の最下部温度が155±10℃で、前記冷媒の最上部温度が前記最下部温度よりも高いことを特徴とする錫亜鉛ソルダーボールの製造方法とすることによって、ソルダーボール表面の凹凸や溝を少なくすることができることを見い出し、本発明に至った。
【0011】
本発明は、錫を主成分とし、亜鉛を7〜10重量%含有するはんだ合金に対して効果的であり、はんだ組成中の鉛の量は100ppm以下であることが望ましいが、500ppm以下であれば本発明の効果を確実に奏することができる。
本発明における「錫亜鉛はんだ」とは、実質的に錫と亜鉛を含むはんだ合金であるが、鉛以外の他の元素を5重量%以下含んでいても良い。また前記したように、はんだ付けの現行プロセス温度をそのまま活用するために、錫亜鉛はんだの融点は205℃以下になるよう組成比を考えなければならない。錫と亜鉛の2元合金状態図から判断すると錫亜鉛はんだ中の亜鉛が7〜10重量%含有されるときが最も実用的な融点範囲になる。
【0012】
本発明における鉛の濃度はICP−MSを用いて測定されたものである。測定方法はこれに限定されるものではないが、有効桁数が小数点以下6桁以上で、ppmオーダー以上の検出感度があることが望ましい。また、錫亜鉛はんだ中の鉛の含有は、錫及び亜鉛を溶解する際に既に含まれているものであって、鉛の含有経路ははんだ溶解過程、またはソルダーボールの製造過程で混入する場合、またははんだ溶解以前の錫または亜鉛中に不純物として存在する場合、または意図的にはんだ中に鉛を混入する場合があり得るが、これらの経路について限定されるものではない。
【0013】
ソルダーボールの作成方法としては、ワイヤー状に加工したはんだ線を裁断し再溶融させ冷却過程で球状化する方法、はんだの薄板を打ち抜き再溶融させ冷却過程で球状化する方法、溶融はんだ液滴を回転盤に落下させ冷却過程で球状化する方法(ディスク法)、溶融はんだ液滴に高圧ガスを吹き付け冷却過程で球状化する方法(ガスアトマイズ法)、溶融はんだ液滴を滴下し冷却過程で球状化する方法(均一液滴噴霧法)等があり、いずれかに限定されるものではないが、本発明においては均一液滴噴霧法が最も好ましく、表面に凹凸や溝の少ないソルダーボールが得られる。
【0014】
本発明におけるソルダーボール表面状態の観察はSEMを用いている。測定方法はこれに限定されるものではないが、ソルダーボール表面の深さ1μm程度の溝や凹凸を検出し観察できる測定方法が望ましい。
本発明の製法を用いて得られる本発明の錫亜鉛ソルダーボールは、錫を主成分とし7〜10重量%の亜鉛を含み、合金中の鉛含有量は500ppm以下であり、より好ましくは、100〜760μmの直径を有した実質的に球状で、走査型電子顕微鏡(SEM)を用いて100〜500倍の倍率で表面状態を観察した際、表面に存在する長さ20μm以上の凹凸や溝が、100μm×100μmの単位表面積当たりに15個以下であり、特に5個以下が好ましい。
本発明により、表面に凹凸や溝の少ないソルダーボールが完成されると、現在は無視できるレベルでも、将来的に直径100μm以下のソルダーボールが使われる際に顕在化する最表面の凹凸や溝の問題も回避可能となる。
【0015】
【発明の実施の形態】
図1は、本発明の製法において使用される装置の概略を示している。この装置は坩堝1を備えている。坩堝1は蓋部10によって密閉されている。坩堝1はSUS316Lから構成されているが、より安価なSUS304から構成されても良い。坩堝1の周囲には第一の加熱手段として加熱器2が設けられている。加熱器2はステンレス製の抵抗式電気ヒーターであるが坩堝内の温度を280℃以上にできるものであれば限定されるものではない。坩堝1内の前記錫亜鉛はんだは第一の加熱手段によって加熱され溶融される。坩堝1内には熱電対6が設置されており溶融物の温度がわかるようになっている。坩堝1内の溶融物8の温度は250±30℃、更には250±10℃になるよう加熱されているのが好ましい。坩堝1の底部にはオリフィス7が設けられている。オリフィス7の個数は1個であるが複数個のオリフィスを設けても良い。オリフィスの口径は、目的とする錫亜鉛ソルダーボールの粒径により適宜選択されるため特に限定されないが、0.03〜1mm、更には0.04〜0.5mm、最適には0.04〜0.25mmになっていることが好ましい。
【0016】
また、この装置における坩堝1にはガスの注入口3が設けられており、坩堝内を加圧し、溶融物8を噴出できるようになっている。注入されるガスとしては不活性ガスが用いられる。好適なガスとしてはアルゴン、窒素が挙げられる。溶融物を噴出させるための坩堝内のガス圧は、目的とする錫亜鉛ソルダーボールの粒径により適宜選択されるため特に限定されないが、0.01〜0.2MPaになっていることが好ましい。
【0017】
更に、図1に例示した装置の坩堝1内には振動棒5が設けられており、この振動棒5の上端部には圧電素子4が取り付けられており、振動棒5を上下に振動できるようになっている。振動棒5の振動数は、目的とする錫亜鉛ソルダーボールの粒径により適宜選択されるため特に限定されないが、500〜25000Hz、更には1000〜20000Hz、最適には3000〜20000Hzであることが好ましい。坩堝1内の溶融物は、ガス注入口3よりガスを注入することによって坩堝1底部に設置されているオリフィス7より噴出されるが、ガス注入と同時に振動棒5により圧電素子4の振動を坩堝1内の溶融物に伝える。この振動の伝達によりオリフィス7より噴出された溶融物は均一な液滴に分断され、金属球9となり、坩堝1の下部に設置されている冷媒槽13内の冷媒14中に滴下され、凝固球状化される。
【0018】
冷媒槽13の最上部と最下部の周囲には、第二の加熱手段として加熱器11,12が設けられている。この加熱器11,12は、各々ステンレス製の抵抗式電気ヒーターであるが、冷媒の温度を185℃以上にできるものであれば限定されるものではない。この際、冷媒14の最上部温度は175±10℃、更には175±5℃が好ましい。一方、冷媒14の最下部温度は155±10℃、更には155±5℃が好ましい。尚、冷媒14にはシリコーンオイル等の合成油が用いられる。以下、実施例により本発明をより詳しく説明する。
【0019】
【実施例】
〔実施例1〕
実施例1に示す錫亜鉛ソルダーボールは、均一液滴噴霧法を用い製造した。まず図1に示されるような坩堝底部に一つのオリフィスを有する坩堝(オリフィスの口径:0.165mm)を使用し、溶融坩堝内に精製純度の高い錫と亜鉛との共晶合金(Sn91.2wt%−Zn8.8wt%)を仕込んだ。そして、アルゴンガス雰囲気下で坩堝内の加熱を開始して溶融した。坩堝内の錫亜鉛共晶合金が完全に溶融した後に振動棒を4440Hzで振動させた。坩堝内の圧力が0.064MPaになるようにアルゴンガスを注入して溶融物の噴出を開始し、坩堝内の溶融物を全て噴出させた。坩堝より噴出した溶融液滴はシリコーンオイル中で冷却し、凝固球状化した。その後、得られた微細球体を回収して脱脂洗浄して乾燥させた。乾燥させた錫亜鉛ソルダーボールは、0.29mmと0.31mmの精密篩を使用して選別を行い、サンプル1を得た。
次に、同様にして以下の表1に示す種々の条件で本発明に従うサンプル2〜7を製造した。得られた錫亜鉛ソルダーボールの評価を表1に示す。
【0020】
【表1】
Figure 0003779692
【0021】
【表2】
Figure 0003779692
【0022】
図2は、サンプル1〜7の無作為に抽出した各50個を観察した際の、代表的な1個のソルダーボール表面のSEM像を示すものであり、表1には、ICP−MSで測定した錫、亜鉛及び不純物である鉛の含有量も示されている。
【0023】
図2を見る限りでは、ソルダーボール表面にはしわ状の凹凸や溝が無く、平滑な表面であった。
図2に対応するソルダーボール中の組成を、ICP−MSで測定した結果が表1である。図2のソルダーボールは41ppmの鉛を含有していた。
サンプル1〜7のソルダーボールの転がり特性を検証するため、傾斜角15度で、滑走長100mm、幅20mmの平滑なステンレス板上を転がした。ソルダーボール100個を使用し、ステンレス板中央から1個ずつ転がし、転がった距離が100mmに達したソルダーボールを合格とした。転がり試験の結果、本実施例で得られたソルダーボールの転がり試験合格率は、ソルダーボール表面に凹凸や溝が無いため、全て100%となった。
【0024】
〔実施例2〕
実施例2に示す錫亜鉛ソルダーボールは、実施例1と同様に均一液滴噴霧法を用い製造した。まず溶融坩堝内に、実施例1とは異なる精製純度の錫と亜鉛との共晶合金(Sn91.2wt%−Zn8.8wt%)を仕込み、その後、実施例1と同条件にて錫亜鉛ソルダーボールを製造し、サンプル8〜14を得た。得られた錫亜鉛ソルダーボールの評価を表2に示す。
図3は、サンプル8〜14の中から、無作為に抽出した各50個を観察した際の、代表的な1個のソルダーボール表面のSEM像を示すものであり、表2には、ICP−MSで測定した錫、亜鉛、及びその他の不純物濃度が示されている。
【0025】
【表3】
Figure 0003779692
【0026】
【表4】
Figure 0003779692
【0027】
図3に示すソルダーボール表面は、図2と比較すると若干多く凹凸や溝が観察された。図3に対応するソルダーボール中の組成をICP−MSで測定した結果が表2である。図3のソルダーボール中には500ppmの鉛が含まれていた。
得られたソルダーボールの転がり特性を検証するため、実施例1と同様の転がり試験を実施した。その結果、本実施例で得られたソルダーボールの転がり試験合格率は、実施例1にて得られたソルダーボールより最表面における凹凸や溝が若干多いため90〜94%となった。
【0028】
〔比較例1〕
比較例1に示す錫亜鉛ソルダーボールは、実施例1,2と同様に均一液滴噴霧法を用い製造した。まず溶融坩堝内に、実施例1と同じ錫と亜鉛との共晶合金(Sn91.2wt%−Zn8.8wt%)を仕込み、その後、表3に示す本発明から外れる条件で錫亜鉛ソルダーボールを製造し、サンプル15〜20を得た。得られた錫亜鉛ソルダーボールの評価を表3に示す。
【0029】
【表5】
Figure 0003779692
【0030】
【表6】
Figure 0003779692
【0031】
図4は、サンプル15〜20の中から、無作為に抽出した各50個を観察した際の、代表的な1個のソルダーボール表面のSEM像を示すものであり、表3に、ICP−MSで測定した錫、亜鉛、及びその他の不純物濃度を示す。
図2及び図3と比較して、表面の凹凸はかなり激しくなっており、引け巣のようなものも見られる。
図4に対応するソルダーボール中の組成を、ICP−MSで測定した結果を表3に示す。図4のソルダーボール中には41ppmの鉛が含まれていた。
サンプル15〜20の中から真球状に凝固したサンプル15,17の転がり特性を検証するため、実施例1と同様の転がり試験を実施した。その結果、本比較例で得られたソルダーボールの転がり試験合格率は、実施例1及び2にて得られたソルダーボールより、最表面における凹凸や溝がかなり多いため3%及び5%であった。
【0032】
〔比較例2〕
比較例2に示す錫亜鉛ソルダーボールは、実施例1,2と同様に均一液滴噴霧法を用い製造した。まず溶融坩堝内に、精製純度の低い錫と亜鉛との共晶合金(Sn91.2wt%−Zn8.8wt%)と、鉛が1000ppm程度になるように錫鉛はんだ(Sn63wt%−Pb37wt%)を仕込んだ。その後、表4に示す条件にて錫亜鉛ソルダーボールを製造した。
【0033】
【表7】
Figure 0003779692
【0034】
図5は、サンプル21の中から、無作為に抽出した50個を観察した際の、代表的な1個のソルダーボール表面のSEM像を示すものであり、表4に、ICP−MSで測定した錫、亜鉛、及び鉛の含有量を示す。
図5のソルダーボール最表面には凹凸や溝が多数見られた。図2及び図3と比較して、凹凸や溝の発生は顕著である。
図5に対応するソルダーボール中の組成を、ICP−MSで測定した結果を表4に示す。表1及び表2と比較すると、鉛の含有量が1060ppmであった。
得られたソルダーボールの転がり特性を検証するため、実施例1と同様の転がり試験を実施した。その結果、本比較例で得られたソルダーボールの転がり試験合格率は、比較例1と同様、最表面における凹凸や溝がかなり多いため6%となった。
【0035】
〔比較例3〕
比較例3に示す錫亜鉛ソルダーボールは、ワイヤー状に加工したはんだ線を裁断し再溶融させ、冷却過程で球状化する方法を用い製造した。まず直径1mmの精製純度の高い錫と亜鉛との共晶合金(Sn91.2wt%−Zn8.8wt%)からなるワイヤー状に加工したはんだ線を用意した。次に、そのはんだ線を細線切断機を用い0.44mmの長さに切断した。切断したはんだ線を上層部(280℃)と下層部(常温)の2層からなるシリコーンオイル中に落とし込み、上層で溶融、下層で冷却し凝固球状化した。その後、得られた微細球体を回収して脱脂洗浄して乾燥させた。乾燥させた錫亜鉛ソルダーボールは、0.29mmと0.31mmの精密篩を使用して選別を行い、サンプル22を得た。
図6は、サンプル22の中から、無作為に抽出した50個を観察した際の、代表的な1個のソルダーボール表面のSEM像を示すものであり、表5に、ICP−MSで測定した錫、亜鉛、及び不純物である鉛の含有量を示す。
【0036】
【表8】
Figure 0003779692
【0037】
図6のソルダーボール最表面には凹凸や溝が多数見られた。図2及び図3と比較して、凹凸や溝の発生は顕著である。図6に対応するソルダーボール中の組成を、ICP−MSで測定した結果を表5に示す。図6のソルダーボールは41ppmの鉛を含有していた。
サンプル22の転がり特性を検証するため、実施例1と同様の転がり試験を実施した。その結果、本比較例で得られたソルダーボールの転がり試験合格率は、ソルダーボール表面に凹凸や溝がかなり多いため8%となった。
【0038】
【発明の効果】
本発明の製法を用いることによって、表面にしわ状の凹凸や溝が非常に少ない錫亜鉛ソルダーボールが製造でき、本発明の製法にて得られた、表面状態がより凹凸の少ない平滑な錫亜鉛ソルダーボールを使用することにより、BGAやCSP等の電子部品の製造歩留りを高め、個々のソルダーボール間のばらつきを抑え、より高い接合信頼性を提供できる。また、錫亜鉛はんだバルクの機械的特性も優れているため、機械的信頼性の向上により製品の長寿命化も期待される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の製法にて使用される錫亜鉛ソルダーボール製造装置の概略図である。
【図2】実施例1にて製造した錫亜鉛ソルダーボールの外観SEM写真である。
【図3】実施例2にて製造した錫亜鉛ソルダーボールの外観SEM写真である。
【図4】比較例1にて製造した錫亜鉛ソルダーボールの外観SEM写真である。
【図5】比較例2にて製造した錫亜鉛ソルダーボールの外観SEM写真である。
【図6】比較例3にて製造した錫亜鉛ソルダーボールの外観SEM写真である。
【符号の説明】
1 坩堝
2、11、12 抵抗式電気ヒーター
3 ガス注入口
4 圧電素子
5 振動棒
6 熱電対
7 オリフィス
8 溶融物
9 金属球
10 坩堝蓋
13 冷媒槽
14 冷媒

Claims (1)

  1. 85重量%以上の錫と、7〜10重量%の亜鉛を含み、合金中の鉛含有量が41〜500ppmであるはんだ合金を用い、均一液滴噴霧法にて球状化し得られる錫亜鉛ソルダーボールの製造方法であって、製造装置として、底部にオリフィスを有する密閉された坩堝と、当該坩堝の周囲に設けられた第一加熱手段と、坩堝の下方に設けられ、前記オリフィスから滴下される溶融物を凝固させるための冷媒が内部に入れられた冷媒槽と、前記冷媒槽の最上部と最下部の各々の周囲に設けられた二つの第二加熱手段とを備えた装置を用意し、前記はんだ合金を前記坩堝内に投入して前記第一加熱手段で加熱、溶融させて溶融物を得、当該溶融物を前記坩堝内で振動させ、前記坩堝内にガスを注入し、前記溶融物を前記オリフィスから噴出させ、前記第二加熱手段により加熱された冷媒槽内の冷媒中で前記溶融物を凝固させ錫亜鉛ソルダーボールを得ること、前記冷媒がシリコーンオイルであること、及び、前記第一加熱手段により制御された前記坩堝内における溶融物の温度が250±30℃であり、前記第二加熱手段により加熱された前記冷媒の最上部温度が175±10℃で、前記冷媒の最下部温度が155±10℃で、前記冷媒の最上部温度が前記最下部温度よりも高いことを特徴とする錫亜鉛ソルダーボールの製造方法。
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