JP3779770B2 - 可撓性ホースの製造方法及びホース - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は可撓性ホースの製造方法及びホースに関し、特に化学薬品を製造するプラント、あるいは空気,水等を送る際に使用される可撓性ホースに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、波形状表面を有する可撓性ホースを得る方法としては、下記の技術が知られている。
【0003】
(1) 例えば特公昭42ー24835号公報のように、熱可塑性樹脂を溶融押出する時に、その波形状に加工された金型内に押出し、加圧冷却する方法(従来技術1)。
【0004】
(2) 溶融押出しした熱可塑性樹脂ホースを波形状に加工された金型内に接触させ、加熱し、更に加圧,冷却して可撓性ホースを得る方法(従来技術2)。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来技術1による方法では、図5に示すように半割金型51a,51bを合わせるため、出来上がったホース表面に樹脂がはみ出し(パーツラインの発生)、はみ出したパーツラインは仕上げ加工を施さなければならない。
【0006】
また、従来技術2による方法では、内圧をかけるときに、ホース外面と金型の間が密閉になるため、図6に示すように半割金型61に多数のガス抜き穴62を設けなければならない。また、パーツライン,ガス抜き部への樹脂の流れによって、従来技術1と同様にパーツラインの残留、肉厚の不均一差及びピンホールの発生等の不具合の発生があり、ホースの信頼性に欠ける。
【0007】
本発明はこうした事情を考慮してなされたもので、従来のようにパーツラインがないため後仕上げをする必要がない、信頼性の高い可撓性ホースの製造方法及びホースを提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本願第1の発明は、熱可塑性樹脂ホースの外周の少なくとも一部に螺旋状被覆体を巻回する工程と、この状態で前記ホースを外筒内に挿着する工程と、前記ホースの両端をシールした状態で前記ホースを加熱軟化させる工程と、前記ホースの内側から内圧をかける工程と、前記ホースを冷却し前記ホースの表面を螺旋形状に加工する工程と、前記外筒と前記ホースの外周の螺旋状被覆体を取り外す工程とを具備することを特徴とする螺旋形状表面を有する可撓性ホースの製造方法である。
【0010】
本願第2の発明は、前記第1の発明によって製造される螺旋形状表面を有する可撓性ホースである。
【0011】
本発明において、ホースを加熱軟化させる工程とホースの内側から内圧をかける工程とは同時でも良いし、あるいはホースを加熱軟化させた後、ホースの内側から内圧をかけても良いし、あるいはホースの内側から内圧をかけた直後にホースを加熱軟化させても良い。
【0012】
本発明において、熱可塑性樹脂としては、例えばポリエチレン樹脂,ポリプロピレン樹脂,塩化ビニル樹脂,ポリアミド樹脂,フッ素樹脂が挙げられる。ここで、フッ素樹脂例えばPTFEやPFAを用いる場合、ホースを加熱軟化する温度はフPTFEやPFAの融点等を考慮して260℃以上とする事が好ましい。これは、260℃未満では、ホースの内側に内圧をかける場合に、被覆体間に位置するホースの外周部を十分に外側に膨らませることができないからである。
【0013】
本発明において、螺旋状被覆体は例えば針金状のもの,あるいは針金を螺旋形状にしたもので、例えば市販のスプリングが挙げられる。前記被覆体の断面形状としては、例えば円形状,楕円形状のものが挙げられる。前記被覆体の材質としては、例えばアルミ製,鉄製,ステンレス製が挙げられる。
【0014】
また、前記被覆体は可撓性ホースのピッチを規制するもので、上述した断面形状を有したものあるいは中空材を使用して加工したものであるが、通常一定のピッチにしたものを使用する。しかし、ピッチに変化をもたせたものを使用しても良い。
【0015】
更に、前記被覆体はホースの外周全体に亘って巻かれていてもよく、一部に巻かれていてもよく、ホースの用途によって決定すればよい。例えば、予め湾曲する箇所が判明しているような場合は、その箇所のみに被覆体を巻いてホースに可撓性をもたせればよい。勿論、その箇所以外の部分にに可撓性をもたせても差支えない。
【0016】
本発明において、ホースを加熱軟化させる手段としては、例えば実施例のように外筒にバンドヒータを巻いて加熱する方法、電気炉に入れて加熱する方式、温塩浴により加熱する方式が挙げられる。
【0017】
本発明において、被覆体とホースとの関係は、図3に示すように被覆体の径をDとし、外筒の内壁面からホースの外周面の谷部までの距離をLとしたとき、径D=距離Lとあることが理想的である。しかし、必ずしもこれに限定されるものではなく、径Dと距離Lの大きさが多少違っても本発明効果を期待できる。又、前記外筒はホースの外径を規制するので、その内径はホースに取り付けた螺旋状被覆体の外径D1 に等しいかあるいは僅かに大きくする。
【0018】
本発明において、被覆体の外径とホースの外径との関係は、図4に示すように被覆体の外径をD1 、ホースの外径をD2 、被覆体の線形をdとすれば、D2 =D1 −2dであるが、ホースと被覆体間には0.05〜0.2mm程度の隙間があることが、被覆体をホースに被覆する上で好ましい。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の実施例について図1を参照して説明する。
【0020】
(実施例1)
まず、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)樹脂のファインパウダー(商品名:ポリフロンF302 、ダイキン工業(株)製)に液状潤滑剤を浸透させ、次いで、内径24mm,肉厚2mmのホース状に押し出して予備成形品を得た後、液状潤滑剤を除去し、焼成して、外形28mm,内径24mmのPTFE製のホース1を得た。
【0021】
次に、そのホース1を内径28.1mm,線径3.5mm,ピッチ10mm,長さ220mmのオープンエンド型のステンレス製スプリング(被覆体)2に挿入した。次いで、スプリング2が卷回された状態のホース1を、内径35.5mm,外形50mm,長さ200mmのステンレンス製外筒3に挿入した。ひきつづき、前記ホース1の一端をステンレス製シール材4で閉じるとともに、ホース1の他端もステンレス製シール材5,パイプ6を用いてホース1内に空気を送って内圧を上げられるようにした。
【0022】
次に、前記外筒3の外周部にバンドヒータ7を被覆し、ホース1の温度が380℃になるように加熱し、その温度で5分間保持した。その後、バンドヒータ7をOFFすると同時に、6Kg/cm2 の空気をかけ、更に外筒に被覆したバンドヒータ7を取り外し、水又は空気で冷却した。なお、空気圧は外筒3を取り外す直前までかけておく。
【0023】
次に、ホース1の温度が室温近くになったら、スプリング2が卷回されたホース1を外筒3から取り外した。次いで、スプリング2を巻き方向と逆の方向に回し、ホース1から外して図2に示すような可撓性ホース8を得た。なお、上記ホース1は外筒3の長さに対して200mm程度長いものを使用した。また、図1中の符番9は、耐熱性を有するパイプ状の断熱材で、その材質は例えばセラミックスや金属製である。
【0024】
上記実施例1によれば、PTFE製のホース1の外周にステンレス製スプリング2を卷回し、この状態で前記ホース1をステンレンス製外筒3に挿入した後、前記ホース1の両端をシールした状態で前記ホース1の内側に空気を送って内圧をかけ、前記ホース1を水又は空気により冷却してから前記ホース1外周の前記スプリング2を取り外すことにより、可撓性ホースを得る。従って、実施例1によれば、従来技術のようにパーツラインやピンホールがなく、良好な波状の可撓性ホースが得られた。また、実施例1によれば、従来技術のように後仕上げの必要もなかった。
【0025】
(実施例2)
まず、ポリテトラフルオロエチレン・パーフロロアルキルビニルエーテル共重合体樹脂PFA(商品名:ネオフロンAP-230、ダイキン工業(株)製)を使用し、溶融押出機にて外径29mm,内径26mmのホース1を製造した。このホース1を内径29.1mm,線径3.5mm,ピッチ10mm,長さ220mmのオープンエンド型のステンレス製スプリングに挿入した。
【0026】
次に、スプリングが卷回された状態のホース1を、内径36.5mm,外径50mm,長さ200mmのステンレンス製外筒3に挿入した。ひきつづき、前記ホースの一端をシール材4で閉じるとともに、ホース1の他端もシール材5,パイプ6を用いてホース1内に空気を送って内圧を上げられるようにした。
【0027】
次に、前記外筒3の外周部にバンドヒータ7を被覆し、ホース1の温度が315℃になるように加熱した。ここで、加熱を行う際、ホース温度が300℃に到達するまで、ホース内圧が500mmAqを保つように調整し、ホース温度が315℃に達っした後、1分間保持し、空気圧によりホース内を1000mmAqまで加圧した。この後、ヒータをOFFし、外筒に被覆したバンドヒータ7を取り外し、水又は空気で冷却した。なお、空気圧は外筒3を取り外す直前までかけておく。
【0028】
次に、ホース1の温度が室温近くになったら、スプリング2が卷回されたホース1を外筒3から取り外した。次いで、スプリング2を巻き方向と逆の方向に回し、ホース1から外した。なお、上記ホース1は外筒3の長さに対して200mm程度長いものを使用した。
【0029】
実施例2によれば、実施例1と同様に、後仕上げの必要もない良好な波状の可撓性ホースが得られた。
【0030】
(実施例3)
まず、ポリテトラフルオロエチレン・パーフロロアルキルビニルエーテル共重合体樹脂PFA(商品名:ネオフロンAP-230、ダイキン工業(株)製)を使用し、溶融押出機にて外径29mm,内径26mmのホース1を製造した。このホース1を内径29.1mm,線径3.5mm,ピッチ10mm,長さ220mmのオープンエンド型のステンレス製スプリングに挿入した。
【0031】
次に、スプリングが卷回された状態のホース1を、内径36.5mm,外径50mm,長さ200mmのステンレンス製外筒3に挿入した。ひきつづき、前記ホースの一端をシール材4で閉じるとともに、ホース1の他端もシール材5,パイプ6を用いてホース1内に空気を送って内圧を上げられるようにした。
【0032】
次に、前記外筒3の外周部にバンドヒータ7を被覆し、ホース1の温度が290℃になるように加熱し、その温度で5分間保持した。その後、バンドヒータ7をOFFすると同時に、10Kg/cm2 の空気をかけ、更に外筒に被覆したバンドヒータ7を取り外し、水又は空気で冷却した。なお、空気圧は外筒3を取り外す直前までかけておく。
【0033】
次に、ホース1の温度が室温近くになったら、スプリング2が卷回されたホース1を外筒3から取り外した。次いで、スプリング2を巻き方向と逆の方向に回し、ホース1から外した。なお、上記ホース1は外筒3の長さに対して200mm程度長いものを使用した。
【0034】
実施例3によれば、実施例1と同様に、後仕上げの必要がない良好な波状の可撓性ホースが得られた。
【0035】
なお、上記各実施例では、ホースを冷却した後スプリングを取り外す場合について述べたが、これに限定されず、スプリングそのまま残し、補強材の役目をもたせてもよい。このようにして得られるホースは、主として水や空気等のようにスプリングを浸食しないようなものを送る場合に有用である。また、かかるホースは上記実施例のようにスプリングを外す必要がないため、製造工程を少なくすることができる。
【0036】
【発明の効果】
以上詳述した如く本発明によれば、従来のようにパーツラインがないため後仕上げをする必要がなく、高信頼性で、化学薬品を製造するプラントや水,空気等のようにスプリングを浸食しないようなものを送る場合に有用な可撓性ホースの製造方法及びホースを提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る可撓性ホースを製造する方法の説明図。
【図2】本発明に係る実施例1により得られた可撓性ホースの説明図。
【図3】本発明に係る可撓性ホースの製造方法において、ホースとスプリングとの関係を示す説明図。
【図4】本発明に係る可撓性ホースの製造の際に用いられるスプリングの説明図。
【図5】従来技術1の説明のための半割型の説明図。
【図6】従来技術2の説明のための半割型の説明図。
【符号の説明】
1…ホース、
2…スプリング(被覆体)、
3…外筒、
4,5…シール材、
6…パイプ、
7…バンドヒータ、
8…可撓性パイプ、
9…断熱材。
Claims (2)
- 熱可塑性樹脂ホースの外周の少なくとも一部に螺旋状被覆体を巻回する工程と、この状態で前記ホースを外筒内に挿着する工程と、前記ホースの両端をシールした状態で前記ホースを加熱軟化させる工程と、前記ホースの内側から内圧をかける工程と、前記ホースを冷却し前記ホースの表面を螺旋形状に加工する工程と、前記外筒と前記ホースの外周の螺旋状被覆体を取り外す工程とを具備することを特徴とする螺旋形状表面を有する可撓性ホースの製造方法。
- 請求項1記載の製造方法によって製造される螺旋形状表面を有する可撓性ホース。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP15126996A JP3779770B2 (ja) | 1996-06-12 | 1996-06-12 | 可撓性ホースの製造方法及びホース |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP15126996A JP3779770B2 (ja) | 1996-06-12 | 1996-06-12 | 可撓性ホースの製造方法及びホース |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH10696A JPH10696A (ja) | 1998-01-06 |
| JP3779770B2 true JP3779770B2 (ja) | 2006-05-31 |
Family
ID=15514982
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP15126996A Expired - Lifetime JP3779770B2 (ja) | 1996-06-12 | 1996-06-12 | 可撓性ホースの製造方法及びホース |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JP3779770B2 (ja) |
-
1996
- 1996-06-12 JP JP15126996A patent/JP3779770B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JPH10696A (ja) | 1998-01-06 |
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