JP3780076B2 - 画像形成装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、複数の感光体を備え、各感光体上に形成された画像を同一の記録媒体上に順次重ね合わせることにより、複数色の画像を形成するタンデム型の画像形成装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、この種の画像形成装置では、重ね合わせにより形成される複数色の画像間における色ずれ(レジストレーションずれ)を少なくすることが、画質を向上させる上で重要である。
【0003】
このようなレジストレーションずれを少なくする手法として、例えば、特開平4−131872号公報に示されるように、各印刷ステーションに配設された各感光体毎に所定のラインパターン像を形成して転写ベルト上に転写させた後、各々のラインパターン像を主走査方向の2個所に設置した2つの検出器により光学的に検出することで、その検出値に基づきレジストレーションずれを検出してその補正を行なうようにしたものがある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
特開平4−131872号公報方式について検討する。実際に主走査方向にラインを描いたラインパターン像は、理想的な場合には、図11(a)中にCで示すように副走査方向に偏差のない1直線な画像となる。しかし、実際は、A,B,D又はEに示すように副走査方向に湾曲したラインを描く。これは、一般に“走査線曲がり”と称される。このような走査線曲がりは、走査光学系の光学要素の配置誤差等により生ずるものであるが、特開平4−131872号公報方式では走査線(ラインパターン像)の形状をCのような直線として捉えているので、走査線曲がりを有する状態でのレジストレーション補正は考慮されていない。即ち、走査線曲がりの湾曲量dC(図11(b)参照)は、光学系の仕様により数μm〜数十μmとなるが、特開平4−131872号公報方式では両端の2点でラインパターン像の検出を行ない、ラインパターン像は直線として近似されるので、この湾曲量dCを考慮することはできない。
【0005】
ここに、走査線曲がりが生ずる方向は、一定の方向とは決まっていない。感光体毎(印刷ステーション毎)に各走査線曲がりの方向が副走査方向に対して同じ方向であれば、特開平4−131872号公報方式であってもそれ程問題にはならないが、走査線曲がりの方向の異なる感光体の走査線間ではレジストレーションずれ(色ずれ)が大きくなってしまう。
【0006】
この点について、図12を参照して説明する。図12(a)は主走査方向2個所の検出器により検出された結果から、ラインパターン像の形状を予測して傾きを補正し、書き込みのタイミングが未補正の状態の2つの印刷ステーション#1,#2の走査ラインを1点鎖線で示す。書き込みタイミングが未補正のため、副走査方向にdC0だけレジストレーションずれを生じているが、dC0分だけ書き込みタイミングを補正することにより、図12(b)に示すように2つの1点鎖線を一致させることができる。しかし、これは走査ラインを直線として仮定した結果に過ぎず、実際の走査ラインが図12(a)中に実線で示すように異なる方向に湾曲していた場合には、レジストレーション補正後であっても各々の湾曲量dC1,dC2分が加算されて最大dC3(=dC1+dC2)ものレジストレーションずれを生じてしまう。
【0007】
そこで、本発明は、走査線曲がりをも考慮したレジストレーション補正を行なうことでレジストレーションずれによる色ずれを極力少なくし得る画像形成装置を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載の発明は、複数の感光体と、各感光体表面を帯電する帯電器と、各感光体毎に設けられたレーザ光源と、これらのレーザ光源から出射されたレーザ光を主走査方向に偏向する偏向器と、偏向器により偏向された各レーザ光を対応する前記感光体上に結像する結像光学系と、各感光体毎に異なる色の現像材料を用いて感光体上の潜像を顕像化する現像装置と、各感光体上に形成された顕像をこれらの感光体を順次通る被転写体上に順次転写する転写器とを備えた画像形成装置において、各感光体上に所定のラインパターン像の顕像を形成させるラインパターン像作像手段と、各感光体上から転写された前記被転写体上の各ラインパターン像の副走査方向の位置を主走査方向の3個所以上の検出点で検出する検出手段と、前記検出手段による前記検出点での検出結果に基づき、主走査ラインの形状を少なくとも2次以上の多項式により近似し、該多項式により主走査方向に沿った主走査ラインの副走査方向の位置の平均値をもとめ、該平均値を各感光体の主走査ラインの基準位置とし、前記被転写体上で互いに一致させるべき各感光体上のラインパターン像についての主走査ラインの前記基準位置が互いに一致する各感光体間の最適なレジストレーション補正値を算出する演算手段と、前記演算手段によつて算出された前記レジストレーション補正値に基づく各感光体毎の書き込みタイミングの補正によりレジストレーションずれを補正するレジストレーション補正手段とを備える。
【0009】
従って、各感光体上に形成されて被転写体上に転写された各々のラインパターン像を主走査方向の3個所以上の検出点で検出手段により検出しているので、ラインパターン像の走査線曲がり分を含む検出が可能となり、この走査線曲がりを考慮した最適なレジストレーション補正値を算出してレジストレーション補正に供することにより、レジストレーションずれを精度よく補正することが可能となる。
【0010】
更に、演算処理手段は、各ラインパターン像の副走査方向の位置を各々の検出点での検出結果に基づき少なくとも2次以上の多項式により近似し、これらの各多項式の平均値を各感光体の主走査ラインの基準位置とし、これらの主走査ラインが一致するように各感光体間の最適なレジストレーション補正値を算出する。従って、走査線曲がりを生じた場合のラインパターン像の形状は一般に放物線形状で近似し得ることから、演算処理手段において2 次以上の多項式により近似することでより実際のラインパターン像形状に近い形状を予測でき、かつ、その多項式の平均値に基づき最適なレジストレーション補正値を算出してレジストレーション補正に供するので、走査線曲がりの方向が異なるような場合でも、レジストレーションずれを精度よく補正することが可能となる。
【0011】
請求項2記載の発明は、請求項1記載の画像形成装置において、レジストレーション補正手段は、レジストレーション補正値に基づきレーザ光源の副走査方向の発光タイミングを制御する。従って、レジストレーション補正値に基づくレジストレーション補正をタイミング制御により簡単に行なえる。
【0012】
請求項3記載の発明は、請求項1記載の画像形成装置において、レジストレーション補正手段は、感光体に対するレーザ光の結像位置を副走査方向に変化させるために各結像光学系中に含まれる反射ミラーの角度をレジストレーション補正値に基づき変化させる。従って、レジストレーション補正値に基づくレジストレーション補正を結像光学系中の反射ミラーの角度を変化させることで機構的に行なえ、タイミング制御の変更を要しない。
【0013】
請求項4記載の発明は、請求項1記載の画像形成装置において、被転写体は、検出手段により検出可能で主走査方向に平行な直線を有する。従って、検出手段自体の副走査方向の検出点の相対的な位置関係を直線を利用して正確に把握でき、検出点間の正確な位置合わせをしなくてもラインパターン像の検出動作に支障ない上に、検出手段の組立・調整コストが低減する。
【0014】
請求項5記載の発明は、請求項4記載の画像形成装置において、直線は、一定間隔をあけた複数本の直線である。従って、複数の直線を利用することで被転写体の副走査方向の走行速度を正確に把握でき、各ラインパターン像間のレジストレーションずれの検出精度が向上する。
【0015】
【発明の実施の形態】
本発明の第一の実施の形態を図1ないし図8に基づいて説明する。まず、本発明が適用されるタンデム型のカラーレーザプリンタの構成及び作用を図1により説明する。本実施の形態のカラーレーザプリンタでは、複数のドラム状の感光体1a,1b,1c,1d上に描かれた画像を異なる色のトナー(現像材料)により顕像化し、その顕像を転写紙などの記録媒体上に順次重ね合わせて転写させることで、多色の画像を形成するものである。ここでは、4色のトナーを用いて画像を形成するため、#1〜#4で示す4つの印刷ステーションを備えており、印刷ステーション毎に感光体1a,1b,1c,1dが配設されている。即ち、これらの感光体1a,1b,1c,1dは水平方向(副走査方向Y)に等間隔で離間させて並設されている。
【0016】
ここで、例えば印刷ステーション#4の感光体1dに着目すると、感光体1d周りには周知の電子写真プロセスに従い作像を行なう部材が配設されている。即ち、感光体1dの表面を一様帯電する帯電器(図示せず)と、帯電済みの感光体1dの表面に書き込み光を照射することにより潜像を形成する光書き込み装置2dと、感光体1d上に形成された潜像を所定の色のトナーで顕像化する現像装置(図示せず)と、顕像化された顕像を転写紙(図示せず)上に転写させる転写器3d等をプロセス順に備えている。前記光書き込み装置2dは、所定の書き込み信号に基づきLDドライバ4により発光駆動されるレーザ光源である半導体レーザ5dから出射されたレーザ光をコリメートレンズ6d、シリンダレンズ7dを経て偏向器であるポリゴンミラー8の1つのミラー面に入射させて、高速回転されているこのポリゴンミラー8により主走査方向Xに偏向走査させ、さらに、fθミラー9d、トロイダルレンズ10d、反射ミラー11d等による結像光学系12dにより前記感光体1d表面に結像照射させる構成とされている。13dは主走査方向の書き込み開始のタイミングをとるための同期検知センサである。
【0017】
他の印刷ステーション#1〜#3の感光体1a,1b,1cについても同様であり、各々、半導体レーザ5a,5b,5c、結像光学系12a,12b,12c等を含む光書き込み装置2a,2b,2c、帯電器、現像装置、転写器3a,3b,3c等が設けられている。もっとも、ポリゴンミラー8は全ての印刷ステーション#1〜#4に共通とされ、1つだけ設けられ、感光体1a,1b,1c,1d等の配置に従い適宜異なるミラー面にレーザ光を入射させて偏向走査させる構成とされている。ここに、これらの印刷ステーション#1〜#4は、例えば、黒(ブラック)、イエロー、シアン、マゼンタ用とされている。
【0018】
さらに、各々転写器3a,3b,3c,3dが配設された各感光体1a,1b,1c,1dの転写位置を通り転写紙を吸着搬送させる転写ベルト(被転写体)14が駆動ローラ15、従動ローラ16間に掛け渡されている。この転写ベルト14はベルト自身に対してもトナー像の転写が可能とされ、かつ、各色のトナーに対してコントラストがなるべく異なるような色、本実施の形態では、白などの薄い色のものが用いられている。なお、転写ベルト14に対しては全ての色の転写工程終了後の位置に位置させてクリーニング部材17が設けられている。また、転写ベルト14と最下流の印刷ステーション#4とより下流側には定着装置等が設けられている。
【0019】
このような基本的な構成の下、本実施の形態では、最下流の印刷ステーション#4より副走査方向の下流側に位置させて前記転写ベルト14表面に対向させた3つの検出器(検出手段)18A,18B,18Cが設けられている。より具体的には、ベルト弛み等を生じない駆動ローラ15部分にて転写ベルト14表面に対向させたもので、主走査方向に1列に離間配設されている。これらの検出器18(18A,18B,18C)は、図2に示すように、LED、半導体レーザ等の発光素子19とフォトダイオード、CCD等の受光素子20との対よりなる反射型フォトセンサで、発光素子19より発光されて転写ベルト14表面で反射された光を受光素子20で受光する構成である。後述するように転写ベルト14上に形成されたトナー像が検出器18の検出領域に入ると反射光の強度が弱まり、受光素子20の受光量が減少することでトナー像が検出される。この際、発光素子19と受光素子20とに対して集光レンズを付加すれば、より小さい領域(トナー像)の検出が可能となり、後述するラインパターン像や直線の検出精度が向上する。
【0020】
これらの検出器18A,18B,18Cの検出出力はCPU21に取り込まれるように接続されている。CPU21にはROM22及びRAM23が接続されて制御部24が構成されている。CPU21はROM22に格納されたプログラムに従い各種の処理を実行する。この処理として、レジストレーションずれを補正するための画像の形成、その画像の読取り、レジストレーション補正のための演算、レジストレーション補正処理等がある。
【0021】
例えば、或るタイミングにおいて、4つの印刷ステーション#1〜#4に対してCPU21は、同時にラインパターン像の書き込み命令を出すことにより、ラインパターン像作像手段の機能を実行する。各印刷ステーション#1〜#4では、各々半導体レーザ5a,5b,5c,5dがLDドライバ4を発光駆動させ、同期検知センサ13a,13b,13c,13dにより検出された時点から一定の時間をおいて感光体1a,1b,1c,1d上へのラインパターン像の光書き込み(潜像形成)が行なわれる。これにより、各感光体1a,1b,1c,1d上にはラインパターン像Pa,Pb,Pc,Pdが1本ずつ描かれる。これらのラインパターン像Pa,Pb,Pc,Pdは各々現像された後、転写器3a,3b,3c,3dの作用により転写ベルト14上に転写される。そして、転写ベルト14の回転移動に伴いこれらのラインパターン像Pa,Pb,Pc,Pdが検出器18A,18B,18Cによる検出領域を順次通過する際にこれらの検出器18A,18B,18Cにより検出される。
【0022】
いま、3つの検出器18A,18B,18Cが、主走査方向の中心位置を0mmとしたときの主走査方向において、各々145mm、0mm、−145mmの位置が検出点として設定されているものとする。ちなみに、±145mmは、A3横サイズの長さ(=297mm)分を検出し得る長さとして設定されたものである。このときの時間経過に対する各検出器18A,18B,18Cの検出結果の様子を図3に示す。これらの検出器18A,18B,18Cの出力は、ラインパターン像Pa,Pb,Pc,Pdを検出したときにはHレベル、それ以外のときにはLレベルとなるように設定されている。また、表1は転写ベルト14の送り速度が100mm/sec のときの印刷ステーション#1によって作像されたラインパターン像Paを検出した結果の中央に位置する検出器18Bの時間に対する他の検出時間の相対値を示している。もっとも、全ての結果に対して“−1”を乗算することによりプラス値として示している。
【0023】
【表1】
【0024】
また、印刷ステーション間のピッチは75.4mmに設計されているが、実際には、走査光学系の取付精度の問題によりレーザ光が理想通りの走査位置を走査しないため、各印刷ステーション#1〜#4において作像されたラインパターン像Pa,Pb,Pc,Pdは75.4mm毎に等間隔な直線像とはなっていない。また、走査線曲がりも生じており、その副走査方向における湾曲の方向も一致しておらず、ばらばらなケースを示している。
【0025】
このようにして各検出器18A,18B,18Cにより各ラインパターン像Pa,Pb,Pc,Pdについて検出された検出結果に基づき、CPU21はレジストレーションずれを補正するために各半導体レーザ5a,5b,5c,5dをどのようなタイミングで発光させるかのレジストレーション補正値を算出する。これが、最適なレジストレーション補正値を算出する演算処理手段の機能として実行される。算出されたレジストレーション補正値はRAM23に格納され、実際の画像形成時にこのレジストレーション補正値を読み出すことで半導体レーザ5a,5b,5c,5dの発光タイミングの制御に供する。
【0026】
ここで、演算処理手段により実行されるレジストレーション補正値を算出するための演算処理について表1に示す検出結果を参照して説明する。表1は、前述したように、印刷ステーション#1のラインパターン像Paに関して中央の検出器18Bが検出した時間を0msecとしたときの他の検出器18A,18Cの検出時間やこの検出器18Aの他のラインパターン像Pb,Pc,Pdの検出時間を相対的に示したものである。図1に示すように走査線曲がりを生じた場合の走査ラインの形状は、一般に、放物線の形状でほぼ近似し得る。
【0027】
そこで、本実施の形態では、このような走査線曲がりを有する走査ライン(ラインパターン像Pa,Pb,Pc,Pd)の形状を数式化するために、2次以上の多項式、ここでは、2次関数
Y=aX2 +bX+c ………………(1)
X;主走査方向の位置
Y;副走査方向の位置
a,b,c;係数
を用いるものとする。この場合、副走査方向の位置Yの値は、各検出器18A,18B,18Cによる検出時間と同様に考えてよい。
【0028】
そして、各印刷ステーション#1〜#4毎の走査ライン(ラインパターン像Pa,Pb,Pc,Pd)の形状を数式化するために測定結果XijとYijとを用いて、最小自乗法による曲線近似により、aj ,bj ,cj を求める。なお、iは検出器番号(A,B,C)、jは印刷ステーション番号(#1〜#4)を示す。
【0029】
(1)式は、係数a,b,cに関して、線形の方程式になるので、(2)式によって、aj ,bj ,cj が求まる(但し、nは検出器の数であり、本実施の形態ではn=3)。
【0030】
【数1】
【0031】
(2)式から求めた印刷ステーション#1〜#4毎の係数a,b,cの値を表2に示す。
【0032】
【表2】
【0033】
図4は表2に示す結果を用いて各印刷ステーション#1〜#4毎の走査ライン(ラインパターン像Pa,Pb,Pc,Pd)の形状を近似した結果を示す。ここでは、転写ベルト14の送り速度(100mm/sec )を用いて副走査方向のビームの位置として図示するものである。
【0034】
実際の画像形成時には、RAM23に格納されたレジストレーション補正値を読み出して半導体レーザ5a,5b,5c,5dの発光タイミングを制御することにより、レジストレーション補正を行なう。これが、レジストレーション補正手段の機能として実行される。ここでは、図3に示したような検出結果に基づくレジストレーションずれの補正方法について図5を参照して説明する。まず、基本的な補正方法としては、走査ラインの主走査方向おいて中央の0mmの位置で各走査ラインが一致するようにレジストレーションを調整する。図5(b)はこの調整結果を示す。表1に示した結果を参照すれば、印刷ステーション#1を基準とした各印刷ステーション#2〜#4の調整値(レジストレーション補正値)は、印刷ステーション#2でdt2=754.5msec、印刷ステーション#3でdt3=1507.99msec、印刷ステーション#4でdt4=2261.84msecとなっており、印刷ステーション#1の書き込み開始後、各々の印刷ステーション#2〜#4で各々dt2,dt3,dt4だけ遅れた時点から書き込みを開始させることにより、図5(b)に示すような補正結果が得られる。
【0035】
ところが、現実にこのようなレジストレーション補正を行なうと、主走査方向の両端においてレジストレーションずれが極端に大きくなってしまうことがある。図5(b)中に示す例では、主走査方向の位置−145mmで最大約140μmものレジストレーションずれを生じている。これは、中央0mmの位置でレジストレーションずれを補正する場合だけでなく、どこかの点でレジストレーションずれを補正しようとすると、その周辺においてレジストレーションのずれが大きくなってしまう可能性が高い。
【0036】
そこで、本実施の形態では、検出された各走査ライン(ラインパターン像Pa,Pb,Pc,Pd)の形状に基づく直接的なレジストレーション補正を行なわず、数式的に算出された各走査ラインの副走査方向の位置の平均値を示す位置を各印刷ステーション#1〜#4の主走査ラインの基準位置と認定し、平均値として示されるこれらの基準位置が一致するようにレジストレーション補正を行なうものである。このようなレジストレーション補正によれば、主走査方向の全域に渡って平均的にレジストレーションが一致すると同時に、絶対的なレジストレーションずれの値も小さくなる。各印刷ステーション#1〜#4の走査ラインの平均値を示す位置は、2次関数の近似式(3)により求める。式中、jは印刷ステーション番号(#1〜#4)であり、sjは印刷ステーション#jにおける走査ラインの副走査方向の位置の平均値である。
【0037】
【数2】
【0038】
(3)式と表2の値とを用いて、s1〜s4の値を求め、印刷ステーション#1を基準としたときの他の印刷ステーション#2〜#4のレジストレーション補正値は、印刷ステーション#2でdt2=753.96msec、印刷ステーション#3でdt3=1509.97msec、印刷ステーション#4でdt4=2260.00msecとなる。図3中のdt2,dt3,dt4はこれらの値を図示化して示したものである。
【0039】
図5(a)は、このような平均値を利用してレジストレーション補正を行なった結果を示す。数式的には、主走査方向の+145mmの位置で最大約108μmのレジストレーションずれを生じているが、図5(b)に示した場合に比してレジストレーションずれの最大値が約23%ほど小さくなり、レジストレーション補正の最適化が向上していることが判る。また、このレジストレーション補正によれば、図5(b)による場合に比して、主走査方向の全域に渡ってレジストレーションの補正効果が高まっている結果、レジストレーションずれがあったとしても色ずれが判別しにくくなり、実質的に画質が向上するものとなる。
【0040】
このように、(1)式のような2次関数を用いた曲線近似による走査ライン形状の近似はレジストレーション補正を適正に行なう上で有効であることが判る。このような2次関数で曲線近似を行なわせるためには主走査方向に少なくとも3個以上の検出器(検出点)を設ける必要があり、本実施の形態では3個の検出器18A,18B,18Cを備えている。ここに、検出器の数をさらに増やせば曲線近似の精度が向上するもののコストアップにもつながる。また、2次関数よりも高次の関数(多項式)を用いた場合にも曲線近似の精度は向上するものの計算時間やメモリ容量が必要となり、コストアップにつながる。このため、実際には、画像形成装置に要求されるレジストレーション補正の精度の要求仕様と要求されるコスト等に基づき、検出器の数、曲線近似する多項式の次数が決定される。
【0041】
ところで、本実施の形態の転写ベルト14上には図6(感光体等は省略してある)に示すように、主走査方向Xに平行で一定間隔とされた5本の直線25がベルト全幅に渡って描かれている。これらの直線25もラインパターン像Pa,Pb,Pc,Pd等と同様に検出器18A,18B,18Cにより光学的に読取り可能とされている。
【0042】
従って、転写ベルト14の移動に伴いこれらの直線25が検出領域を順次通過する際に検出器18A,18B,18Cにより読取り動作を行ない、各々の検出時刻を計測してRAM23に格納する。そして、3つの検出器18A,18B,18Cによって1つの直線25を検出した時の時刻の差を求めることにより、これらの3つの検出器18A,18B,18Cが副走査方向Yに相互にどれだけずれているかを求めることができる。ちなみに、これらの検出器18A,18B,18Cの検出位置に関しては、これらの検出器18A,18B,18Cを設置する際に全てが一致するように設置させる方法もあるが、設置作業が極めて面倒で時間のかかるものとなる。本実施の形態のように、設置された状態において直線25を利用してこれらの検出器18A,18B,18Cの相対的な位置関係を計測し、後はその位置関係において演算上で補正処理する等の方法によれば、検出器18A,18B,18Cを設置する作業に厳密性が要求されず簡単となり、コスト削減を図れる。
【0043】
また、例えば検出器18Bにより5本の直線25を順次検出した際の検出時間間隔の平均値をdt、直線25の間隔をLとすれば、転写ベルト14の実稼働時の送り速度vはv=dt×Lで求めることができる。つまり、転写ベルト14の送り速度に設計値等を用いるよりも、このような実測値vを用いて前述したようなレジストレーションずれの演算を行なうほうが、レジストレーションずれの補正精度が一層向上することにもなる。
【0044】
ちなみに、レジストレーションずれの補正のためのラインパターン像の形成は、これらの5本の直線25領域上には行なわないように、検出器18A,18B,18Cによって5本の直線25を検出することで転写ベルト14の使用エリアを割り出す。また、直線25の本数は5本に限られる訳ではないが、あまり本数が多い場合には転写ベルト14上でラインパターン像を形成する領域と干渉してしまう可能性があり、あまり好ましくない。
【0045】
図7及び図8は、上述したようなレジストレーションずれの補正のためのレジストレーション補正値を求める処理及びそのレジストレーション補正値を用いた補正を伴う画像形成処理をRAM23と関連付けて模式的に示すフローチャートである。ちなみに、図7に示すレジストレーション補正値を求める処理は、カラーレーザプリンタの立ち上げ時やホストコンピュータがカラーレーザプリンタに対してデータを転送している最中など、カラーレーザプリンタが実際に画像形成動作を行なっていない時に行なうようにすれば、本来の画像形成動作を妨げないので好ましい。
【0046】
本発明の第二の実施の形態を図9及び図10に基づいて説明する。前記実施の形態で示した部分と同一部分は同一符号を用いて示し、説明も省略する。本実施の形態は、演算処理手段により算出されたレジストレーション補正値に基づくレジストレーション補正を行なうレジストレーション補正手段の構成が前記実施の形態と異なる。例えば、印刷ステーション#4の感光体1dに着目すると、結像光学系12d中に含まれる反射ミラー11dが角度調整自在に設けられ、レジストレーション補正値に応じた分だけ角度調整させる構成とされている。即ち、図9に示すように、感光体1dの直前の反射ミラー11dの角度をsの方向に回動させると感光体1d上で走査ラインの位置(レーザ光の結像位置)が副走査方向に距離rだけ移動することになるので、レジストレーション補正が可能なことが判る。他の印刷ステーション#1〜#3の感光体1a,1b,1cに対する反射ミラー11a,11b,11cについても同様である。
【0047】
反射ミラー11dの角度を可変させるミラー可変機構を図10に示す。反射ミラー11dが取付けられる台座26dには反射ミラー14dの反射面に当接して回動支点をなす突起27dが形成されている。また、反射ミラー14dの背面側に対しては板ばね28dとアクチュエータ29dのシャフト30dとが突起27dを間にして異なる位置で押圧する方向に取付けられている。ここに、アクチュエータ29dのシャフト30dは、矢印方向に進退可能であり、これにより、反射ミラー14dは突起27d位置を支点として回動し、その反射角が調整される。よって、レジストレーション補正値に基づきアクチュエータ29dを制御してシャフト30dの進退量を調整することにより、反射ミラー14dはレジストレーションずれを補正する角度位置に調整固定される。他の反射ミラー11a,11b,11cについても同様である。
【0048】
従って、本実施の形態によれば、レジストレーション補正値に基づくレジストレーション補正を結像光学系中の反射ミラー11a,11b,11c,11dの角度を変化させることで機構的に行なえ、タイミング制御の変更を要しない。
【0049】
【発明の効果】
請求項1記載の発明によれば、各感光体上に形成されて被転写体上に転写された各々のラインパターン像を主走査方向の3個所以上の検出点で検出手段により検出するようにしたので、ラインパターン像の走査線曲がり分を含む検出が可能となり、この走査線曲がりを考慮した最適なレジストレーション補正値を算出してレジストレーション補正に供することにより、レジストレーションずれを精度よく補正することができる。
【0050】
更に、走査線曲がりを生じた場合のラインパターン像の形状は一般に放物線形状で近似し得る点に着目し、演算処理手段は、各ラインパターン像の副走査方向の位置を各々の検出点での検出結果に基づき少なくとも2次以上の多項式により近似し、これらの各多項式のにより求めた主走査方向に沿った主走査ラインの副走査方向の位置の平均値を各感光体の主走査ラインの基準位置とし、被転写体上で互いに一致させるべき各感光体上のラインパターン像についての主走査ラインの前記基準位置が互いに一致する各感光体間の最適なレジストレーション補正値を算出するので、実際のラインパターン像形状に近い形状を予測でき、かつ、その多項式の平均値に基づき最適なレジストレーション補正値を算出してレジストレーション補正に供するので、走査線曲がりの方向が異なるような場合でも、レジストレーションずれを精度よく補正することができる。
【0051】
請求項2記載の発明によれば、請求項1記載の画像形成装置において、レジストレーション補正手段は、レジストレーション補正値に基づきレーザ光源の副走査方向の発光タイミングを制御するので、レジストレーション補正値に基づくレジストレーション補正をタイミング制御により簡単に行うことができる。
【0052】
請求項3記載の発明によれば、請求項1記載の画像形成装置において、レジストレーション補正手段は、感光体に対するレーザ光の結像位置を副走査方向に変化させるために各結像光学系中に含まれる反射ミラーの角度をレジストレーション補正値に基づき変化させるので、レジストレーション補正値に基づくレジストレーション補正を結像光学系中の反射ミラーの角度を変化させることで機構的に行なうことができ、タイミング制御の変更を要しない。
【0053】
請求項4記載の発明によれば、請求項1記載の画像形成装置において、被転写体は、検出手段により検出可能で主走査方向に平行な直線を有するので、検出手段自体の副走査方向の検出点の相対的な位置関係を直線を利用して正確に把握することができ、検出点間の正確な位置合わせをしなくてもラインパターン像の検出動作に支障ない上に、検出手段の組立・調整コストを低減させることができる。
【0054】
請求項5記載の発明によれば、請求項4記載の画像形成装置において、直線は、一定間隔をあけた複数本の直線であるので、複数の直線を利用することで被転写体の副走査方向の走行速度を正確に把握することができ、各ラインパターン像間のレジストレーションずれの検出精度を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第一の実施の形態のカラーレーザプリンタの内部構成を示す斜視図である。
【図2】検出器構成を示す斜視図である。
【図3】各検出器の検出結果を示すタイムチャートである。
【図4】近似された各ラインパターン像のライン形状を示す説明図である。
【図5】レジストレーションずれの補正結果を示し、(a)は基本的な方法による場合の説明図、(b)は平均値を用いた場合の説明図である。
【図6】転写ベルトを示す斜視図である。
【図7】レジストレーション補正値を求める処理を模式的に示すフローチャートである。
【図8】レジストレーション補正値を用いた補正を伴う画像形成処理を模式的に示すフローチャートである。
【図9】本発明の第二の実施の形態を示す1つの印刷ステーションの概略正面図である。
【図10】そのミラー可変機構を示す正面図である。
【図11】走査線曲がりを示す説明図である。
【図12】従来のレジストレーションずれの補正方式を示す説明図である。
【符号の説明】
1 感光体
3 転写器
5 レーザ光源
8 偏向器
11 反射ミラー
12 結像光学系
14 被転写体
18 検出手段
25 直線
P ラインパターン像
Claims (5)
- 複数の感光体と、
各感光体表面を帯電する帯電器と、各感光体毎に設けられたレーザ光源と、
これらのレーザ光源から出射されたレーザ光を主走査方向に偏向する偏向器と、
偏向器により偏向された各レーザ光を対応する前記感光体上に結像する結像光学系と、
各感光体毎に異なる色の現像材料を用いて感光体上の潜像を顕像化する現像装置と、
各感光体上に形成された顕像をこれらの感光体を順次通る被転写体上に順次転写する転写器とを備えた画像形成装置において、
各感光体上に所定のラインパターン像の顕像を形成させるラインパターン像作像手段と、各感光体上から転写された前記被転写体上の各ラインパターン像の副走査方向の位置を主走査方向の3個所以上の検出点で検出する検出手段と、
前記検出手段による前記検出点での検出結果に基づき、主走査ラインの形状を少なくとも2次以上の多項式により近似し、該多項式により主走査方向に沿った主走査ラインの副走査方向の位置の平均値をもとめ、該平均値を各感光体の主走査ラインの基準位置とし、前記被転写体上で互いに一致させるべき各感光体上のラインパターン像についての主走査ラインの前記基準位置が互いに一致する各感光体間の最適なレジストレーション補正値を算出する演算手段と、
前記演算手段によつて算出された前記レジストレーション補正値に基づく各感光体毎の書き込みタイミングの補正によりレジストレーションずれを補正するレジストレーション補正手段と
を備えることを特徴とする画像形成装置。 - レジストレーション補正手段は、レジストレーション補正値に基づきレーザ光源の副走査方向の発光タイミングを制御することを特徴とする請求項1記載の画像形成装置。
- レジストレーション補正手段は、感光体に対するレーザ光の結像位置を副走査方向に変化させるために各結像光学系中に含まれる反射ミラーの角度をレジストレーション補正値に基づき変化させることを特徴とする請求項1記載の画像形成装置。
- 被転写体は、検出手段により検出可能で主走査方向に平行な直線を有することを特徴とする請求項1記載の画像形成装置。
- 直線は、一定間隔をあけた複数本の直線であることを特徴とする請求項4記載の画像形成装置。
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-
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