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JP3780504B2 - 電気車両の制御装置 - Google Patents
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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、バッテリを駆動源としてアクセルの操作量に応じた出力トルクを発生する走行モータにより走行し、この走行モータの回生制動による制動を行うバッテリフォークリフト、電気自動車等の電気車両の制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、電気車両であるバッテリフォークリフトでは、バッテリを駆動源とする例えば誘導モータから成る走行モータが設けられ、制御装置により、力行時にはこの走行モータの出力が制御されて通常走行が行われる。一方、制動時には、ブレーキによる制動のほか、走行モータを発電機として使用すべく界磁電流が制御され、そのときに発生するエネルギをバッテリ側に回生して制動をかける回生制動も行われるようになっている。
【0003】
バッテリフォークリフトの制動について具体的に説明すると、大きく機械式ブレーキによる制動と、制御装置の制御による回生制動の2つがあり、前者の機械式ブレーキによる制動して、
(1)フットブレーキを作動させる制動、
(2)サイドブレーキを作動させる制動、
がある。また、後者の制御装置の制御による回生制動として、
(1)降坂時に加速しないように回生する降坂回生制動、
(2)アクセル操作のないときに惰行するように回生するニュートラル回生制動、
(3)ディレクショナルレバーの操作によって車体の進行方向が反対方向に切り換えられるときのプラギング回生制動、
がある。
【0004】
そして、制動時にはこれらの制動機能をフルに活用し、状況にあった最適な制動を行っている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、従来の制動制御の場合、例えば坂道を下るときには、フットブレーキのペダルをいっぱいに踏み込んで下っていたが、積載している負荷の荷重が変わるとフットブレーキの制動特性が変わることになる、すなわち、積載しているものがなければ車体はフットブレーキにより制動されやすいが、積載している負荷の荷重が大きければフットブレーキのペダルをいっぱいに踏み込んでいても車体は制動されにくくなる。したがって、運転者は容易に速度コントロールができないといった問題点があった。
【0006】
また、坂道を登るときには、荷重によってアクセル操作する前に車体が坂道をずり落ちてしまい、坂道発進におけるサイドブレーキとアクセルとのタイミングを合わせるいわゆるサイド合わせが必要になる一方、坂道の途中でアクセル操作を止めると坂道をずり落ちてしまうという不都合が生じる。
【0007】
更に、坂道の途中で停止する場合には、サイドブレーキまたはフットブレーキの操作が必ず必要になり、特にサイドブレーキの操作を忘れてしまった場合には、車体のずり落ちが生じる。
【0008】
そこで、本発明は、回生制動の制御により、アクセル操作量に応じた減速或いは制動を可能にする電気車両を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記した目的を達成するために、本発明は、車体に搭載されたバッテリと、このバッテリを駆動源としアクセルの操作量に応じた出力トルクを発生する走行モータとを備え、前記走行モータの回生制動による制動を行う電気車両の制御装置において、前記アクセルの操作量に応じた目標速度を導出する目標速度導出部と、前記走行モータの回転速度を検出する回転検出部と、前記回転検出部による検出速度が前記目標速度になるような指示トルクを導出するトルク導出部と、前記指示トルクに所望の制限をかけるための操作部と、前記トルク導出部による前記指示トルクが回生を表わすときに、前記操作部の操作に応じた制限を前記指示トルクに加えて前記走行モータの出力を制御する制御部とを備えていることを特徴としている(請求項1)。
【0010】
このような構成によれば、制御部により、トルク導出部による指示トルクが回生を表わすと判断されるときに、操作部の操作に応じた制限が指示トルクに加えられ、走行モータの出力が制御される。そのため、例えば坂道の途中でアクセル操作を止めたときでも、操作部の操作によって回生のための指示トルクを最大にするような制限をかけておくことで、アクセル操作無しの状態、つまり速度がゼロとなる停止状態に保持して車体のずり落ちを防止することができ、従ってアクセル操作量に応じた減速或いは制動を行うことができる。
【0011】
また、本発明は、前記制御部は、前記車体の進行方向と前記指示トルクの極性とから前記指示トルクが回生を表わすかどうかを判断することを特徴としている(請求項2)。このような構成によれば、指示トルクが回生を表わすかどうかを的確に判断することができる。
【0012】
【発明の実施の形態】
この発明をカウンタバランス型フォークリフトに適用した場合の一実施形態について図1ないし図4を参照して説明する。但し、図1はカウンタバランス型フォークリフトの斜視図、図2は制御装置のブロック図、図3は動作説明図、図4は動作説明用フローチャートである。
【0013】
本実施形態におけるカウンタバランス型フォークリフトは、例えば図1に示すように構成されている。即ち、車体1の運転席に設けられた座席2の下方にはバッテリ(図示せず)が搭載、収容され、このバッテリにより走行モータや油圧モータ(いずれのモータも図示せず)に給電されてこれらのモータが駆動され、アクセルペダル3の踏み込みに応じ、後述する制御装置からの出力指令値に基づいて走行モータが駆動され、ディレクショナルレバー4の傾倒操作により設定された前進方向または後進方向に車体1が走行する。尚、5はステアリングハンドル、6はフットブレーキペダルである。
【0014】
更に、図1に示すように、車体1の前部にマスト8が伸縮自在に取り付けられ、このマスト8にリフトブラケット9を介して一対のL字状のフォーク10が取り付けられている。そして、運転席に設けられたリフトレバー12の操作により、制御装置からの出力指令値に基づいて油圧モータが駆動され、リフトシリンダが作動してマスト8が伸縮し、マスト8の伸縮によってフォーク10が昇降する。また、運転席には、リフトレバー12のほかに、ティルトレバー14が設けられ、このティルトレバー14の操作によりティルトシリンダが作動し、マスト8がティルト(傾動)してフォーク10がマスト8と共にティルトする。
【0015】
また、図1に示すように、運転席には、操作部を構成し左足で操作されるトルク制限操作用の制限ペダル16が設けられ、この制限ペダル16の操作量(踏み込み量)が、例えばポテンショメータから成る検出器(図1では図示省略)により検出される。
【0016】
次に、制御装置の構成について図2のブロック図を参照して説明する。図2に示すように、アクセルペダル3の踏み込み量(操作量)が例えばポテンショメータから成るアクセルセンサ22により検出され、このアクセルセンサ22により検出される踏み込み量に応じた目標速度がCPU21により導出され、回転検出部としてのパルスジェネレータ23により検出される走行モータ24の回転速度から、CPU21により実際の走行速度が求められ、求められた走行速度が、PID制御により目標速度に一致するように走行モータ24の指示トルクが導出され、導出された指示トルクに従ってPWMインバータ25が制御されて走行モータ24の出力制御が行われる。但し、実際の走行速度は車輪に設けたエンコーダにより検出するようにしてもよい。
【0017】
ここで、CPU21による目標速度の導出処理が、本発明における目標速度導出部に相当し、指示トルクの導出処理が、本発明におけるトルク導出部に相当する。
【0018】
更に、図2に示すように、制限ペダル16に設けられたポテンショメータから成る検出器27により検出される制限ペダル16の踏み込み量がCPU21に入力され、これによりCPU21は、導出した指示トルクが回生を表わすときに、制限ペダル16の踏み込み量に応じてゼロから最大値までの範囲内で制限量を導出し、この制限量に基づき指示トルクをどこまで許可するか決定して許可トルクを導出し、導出した許可トルクに従って走行モータ22の出力制御を行う。このとき、制限ペダル16を踏み込んでいないときに、回生のための指示トルクに対する制限量が最大となって許可トルクがゼロ若しくは最小となり、制限ペダル16を踏み込んでいるときに、回生のための指示トルクに対する制限量がゼロとなって許可トルクが最大になるように設定しておくことが望ましい。
【0019】
尚、CPU21は、ディレクショナルレバー4の操作により設定された車体1の進行方向と、導出した指示トルクの極性とから、指示トルクが回生を表わすかどうかを判断する。具体的には、図3に示す指示トルクと速度指令との関係を表わすグラフにおいて、第1象限を前進、第3象限を後進とすると、車体1が前進状態であるときに指示トルクの極性がマイナスであれば、そのときの指示トルクは回生を表わすトルクであり、これとは逆に後進の場合には、指示トルクの極性がプラスであれば指示トルクは回生を表わすトルクであると判断する。
【0020】
また、CPU21の回生制動の機能として、降坂時に加速しないように回生する降坂回生機能と、アクセル操作のないときに惰行するように回生するニュートラル回生機能と、車体1の進行方向が反対方向に切り換えられるときのプラギング回生機能と、最高速度での回生を行う最高速回生機能とがあり、CPU21は、これら各回生機能における回生に要する回生トルクを、例えばパルスジェネレータ23による現在のモータ回転速度等に基づき算出し、算出した回生トルクと許可トルクとを比較し、絶対値の最も大きいものを採用して走行モータ22の出力を制御するようになっている。このようなCPU21による指示トルクの制限処理が、本発明における制御部に相当する。
【0021】
次に、一連の動作について図4のフローチャートを参照して説明すると、図4に示すように、まず初期設定が行われ(S1)、CPU21により、アクセルセンサ22によるアクセルペダル3の踏み込み量、及びディレクショナルレバー4の操作方向が取り込まれると共に(S2)、検出器27による制限ペダル16の踏み込み量が取り込まれる(S3)。
【0022】
そして、CPU21により、取り込まれたアクセルペダル3の踏み込み量、及びディレクショナルレバー4の操作方向に基づき、目標速度が導出され(S4)、パルスジェネレータ23により検出される走行モータ24の回転速度から実際の走行速度が導出され(S5)、実際の走行速度がPID制御により目標速度に一致するように、走行モータ24の指示トルクが導出される(S6)。
【0023】
その後、導出された指示トルクが回生を表わすかどうかの判定がなされ(S7)、この判定結果がYES、つまり指示トルクが回生を表わすと判定されると、検出器27による制限ペダル16の踏み込み量に基づき、ステップS6で導出された指示トルクが制限されて許可トルクが導出され(S8)、ステップS6で導出された指示トルク及び許可トルクのうち、絶対値の小さい方が指示トルクとして採用され(S9)、降坂回生、ニュートラル回生、プラギング回生、最高速回生に要する回生トルクがそれぞれ算出され(S10)、算出された各回生トルク及びステップS9で採用された指示トルクのうち絶対値の大きいものが出力トルクとして採用され(S11)、その後ステップS13に移行する。
【0024】
一方、上記したステップS7の判定結果がNO、つまり指示トルクが回生を表わすものでないと判定されると、導出された指示トルクがそのまま出力トルクとされ(S12)、その後ステップS13に移行し、ステップS11での出力トルク、或いは、ステップS12での出力トルクがトルク指令値としてPWMインバータ25に出力されて走行モータ24の出力制御が行われ(S13)、その後ステップS2に戻る。
【0025】
従って、上記した実施形態によれば、CPU21により、導出した指示トルクが回生を表わすと判断されるときに、制限ペダル16の踏み込み量に応じて指示トルクが制限されて許可トルクが導出され、走行モータ24の出力が制御されるため、アクセルペダル3の踏み込み量に応じた減速或いは制動を行うことができる。
【0026】
その結果、例えば坂道を下るときには、制限ペダル16を踏み込んでおけば、フットブレーキペダル6をいっぱいに踏み込まなくても、荷重に関係なく一定の制動力を発生できるため、アクセルペダル3の踏み込み量に応じた所望速度に車体1を容易にコントロールすることができる。
【0027】
また、坂道を登るときには、制限ペダル16の踏み込み量の調節により許可トルクを最適に制限しておけば、従来のようにサイドブレーキとアクセルとのタイミングを合わせるいわゆるサイド合わせを行わなくても、車体1がずり落ちることなく登坂することができる。
【0028】
更に、坂道の途中で停止する場合に、制限ペダル16をいっぱいに踏み込んでおけば、サイドブレーキまたはフットブレーキペダル6を操作しなくても、アクセルペダル3の踏み込みを止めることにより、車体1をずり落ちることなく停止させることができる。
【0029】
また、平坦路を走行する場合においても、運転者が自分の好みによりいままで通りの走行を希望すれば、制限ペダル16を踏み込まなければ、許可トルクはゼロとなり、例えばアクセルペダル3の踏み込みを止めると、車体1は平坦路を惰行することになり、運転者はいままで通りの運転感覚で違和感なく運転することができる。
【0030】
なお、上記した実施形態では、制限ペダル16を踏み込んでいないときに許可トルクがゼロ若しくは最小となり、制限ペダル16を踏み込んでいるときに許可トルクが最大になるように設定する場合について説明したが、これとは逆に、制限ペダル16を踏み込んでいないときに許可トルクが最大となり、制限ペダル16を踏み込んでいるときに許可トルクがゼロ若しくは最小になるように設定してもよいのは勿論である。
【0031】
また、上記した実施形態では、降坂回生機能、ニュートラル回生機能、プラギング回生機能、最高速回生機能の4つを備える場合について説明したが、必ずしもこれら4つの回生機能を備える必要はなく、少なくとも降坂回生機能、ニュートラル回生機能、プラギング回生機能の3つの機能を備えるものであればよい。
【0032】
更に、上記した実施形態では、本発明をカウンタバランス型フォークリフトに適用した場合について説明したが、このカウンタバランス型以外に本発明の適用できる範囲はリーチ型フォークリフトを始めとする他のフォークリフト、その他の電気自動車等の電気車両全般にも適用できるのはいうまでもなく、この場合も上記した実施形態と同等の効果を得ることができる。
【0033】
特に、リーチ型フォークリフト等の立乗型に適用した場合には、立乗型という構成上、制限ペダル16等の操作器を操作していないときに許可トルクが最大となり、制限ペダル16等の操作器を操作しているときに許可トルクがゼロ若しくは最小になるように設定するのが好ましい。
【0034】
また、本発明は上記した実施形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない限りにおいて上述したもの以外に種々の変更を行うことが可能である。
【0035】
【発明の効果】
以上のように、請求項1に記載の発明によれば、制御部により、トルク導出部による指示トルクが回生を表わすと判断されるときに、操作部の操作に応じた制限が指示トルクに加えられ、走行モータの出力が制御されるため、例えば坂道の途中でアクセル操作を止めたときでも、操作部の操作によって回生のための指示トルクを最大にするような制限をかけておくことで、アクセル操作無しの状態、つまり速度がゼロとなる停止状態に保持して車体のずり落ちを防止することができる。従って、アクセル操作量に応じた減速或いは制動を行うことが可能な電気車両を提供することができる。
【0036】
また、請求項2に記載の発明によれば、指示トルクが回生を表わすかどうかを的確に判断することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一実施形態におけるカウンタバランス型フォークリフトの斜視図である。
【図2】この発明の一実施形態における制御装置のブロック図である。
【図3】この発明の一実施形態の動作説明図である。
【図4】この発明の一実施形態の動作説明用フローチャートである。
【符号の説明】
1 車体
3 アクセルペダル
16 ペダル(操作部)
21 CPU(目標速度導出部、トルク導出部、制御部)
22 アクセルセンサ
23 パルスジェネレータ(回転検出部)
24 走行モータ
27 検出器

Claims (2)

  1. 車体に搭載されたバッテリと、このバッテリを駆動源としアクセルの操作量に応じた出力トルクを発生する走行モータとを備え、前記走行モータの回生制動による制動を行う電気車両の制御装置において、 前記アクセルの操作量に応じた目標速度を導出する目標速度導出部と、前記走行モータの回転速度を検出する回転検出部と、前記回転検出部による検出速度が前記目標速度になるような指示トルクを導出するトルク導出部と、前記指示トルクに所望の制限をかけるための操作部と、前記トルク導出部による前記指示トルクが回生を表わすときに、前記操作部の操作に応じた制限を前記指示トルクに加えて前記走行モータの出力を制御する制御部とを備えていることを特徴とする電気車両の制御装置。
  2. 前記制御部は、前記車体の進行方向と前記指示トルクの極性とから前記指示トルクが回生を表わすかどうかを判断することを特徴とする請求項1に記載の電気車両の制御装置。
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