JP3780655B2 - 運転行動パターン認識装置 - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、車両を運転する運転者の運動行動パターンの認識を行う装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
車両を運転する運転者の操作量、車両状態量等の時系列データから、運転行動パターンを認識する技術としては、例えば、『Nissan Cambridge Basic Research Annual Report 1996,Nissan Cambridge Basic Research,Nissan Research and Developement Inc.』に記載されている方法がある。この従来技術は、自動車運転時の右折、左折、制動停止、レーンチェンジなどの運転行動パターンを認識対象のカテゴリ、自車速度、自車前後加速度、操舵角、操舵角速度の時系列データを観測シンボル系列にそれぞれし、隠れマルコフモデルに基づいて、最尤法を用いて認識を行う方法であり、極めて高い正認識率(全サンプルデータ数中、認識結果として正しいカテゴリが出現したサンプルデータ数の割合)が報告されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このような従来の方法では、極めて高い正認識率を得ている一方で、認識精度は低くなってしまう可能性がある、という問題点があった。
ここで、正認識率Corr、認識精度Accは、それぞれ下式で算出されるモデルの性能を評価するための指標である。
Corr = H/N × 100(%)
Acc = (H−I)/N × 100(%)
N:サンプルデータ数
H:認識結果として正しいカテゴリが出現したデータ数
I:別カテゴリが誤って挿入されるエラーが発生した回数
【0004】
すなわち、前記従来の方法では、対象認識とする運転行動パターンを右折、左折などの運転者の意図のもとに行われる一連の動作(以下、これをマヌーバと略称する)とし、マヌーバレベルで隠れマルコフモデルを構築し、パラメータの推定および認識を行っているが、このような方法では、例えば右折、左折の例で示せば、各マヌーバの初期段階である交差点進入時の減速時には、どちらも車両を減速させるという点で類似性が高く、このようなデータを認識用データとしてモデルに与えた場合には、挿入誤りが生じやすいため、認識精度が低下してしまうという問題点があった。
【0005】
本発明は、このような従来の問題点に着目してなされたもので、高い認識精度でのマヌーバの認識が可能な技術を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上述の課題を解決するために、本発明は、運転行動パターンを、上位概念である運転行動パターンと下位構造の運転行動パターンを遂行するために行われるサブパターンの階層構造と捉え、運転行動パターンはサブパターンの離散的状態遷移モデルとして表現することが可能である、との考え方に基づいて、認識対象とする各運転行動パターンを時系列的に細分化したものであって、かつ異なる運転行動パターンでも類似性の高いものは同一として扱うサブパターンを、隠れマルコフモデルとして表現するために必要な統計的特徴量を、各運転行動パターンの運転行動データを観測シンボル系列に用いて推定するパラメータ推定手段と、運転行動データが各運転行動サブパターンモデルから出力される確率を、パラメータ推定手段によって推定されたパラメータと出力確率算出アルゴリズムを用いて算出し、出力確率の最も高いサブパターンを認識結果とし、サブパターン系列を生成し出力する運転行動サブパターン認識手段と、各運転行動パターンにおけるサブパターンの時間的前後関係を記述する運転行動パターンテンプレートと、運転行動サブパターン認識手段から出力されたサブパターン系列中のサブパターン順列と運転行動パターンテンプレートに記述された各運転行動パターンのサブパターン順列の照合を行い、両者が合致した運転行動パターンを認識結果として出力する運転行動パターン認識手段を設ける構成としている。
【0007】
以下、本発明の作用を説明する。
請求項1に記載の発明では、運転行動パターンのパラメータ推定と認識を運転行動パターンを細分化し、かつ異なる運転行動パターン間でも類似性の高いものは共通とするサブパターン単位で行い、その認識結果であるサブパターン系列とサブパターンテンプレートを照合することによって、運転行動パターンの認識を行うので、異なる運転行動パターンであるにも関わらず、時系列データの一部が特徴空間上で重なるような場合にも誤った運転行動パターンを認識結果として出力することが無くなり、高い認識精度での運転行動パターンの認識が可能になる。
【0008】
また、請求項2に記載の発明では、認識結果であるサブパターン系列とサブパターンテンプレートの照合時に合致するサブパターン系列が存在しない場合には、認識結果として該当する運転行動パターンが存在しないことを出力することにより、誤った運転行動パターンが出力されることを防止し、高い認識精度での運転行動パターンの認識を可能にする。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、本発明による運転行動パターン認識装置の実施の形態を添付図面を参照して詳細に説明する。
図1は、本発明による運転行動パターン認識装置の一実施の形態の概略構成を示すブロック図、図2は、本発明による運転行動パターン認識装置の一実施の形態の機能構成を示すブロック図である。
【0010】
まず、図1を用いて構成を説明する。
運転操作量、車両状態量の少なくともいずれかを含む時系列データである運転行動データを入力する運転行動データ入力手段1と、認識対象とする各運転行動パターンを時系列的に細分化したものであって、かつ異なる運転行動パターンでも類似性の高いものは同一として扱うサブパターンを隠れマルコフモデルとして表現するために必要な統計的特徴量を、各運転行動パターンの運転行動データを観測シンボル系列に用いて推定するパラメータ推定手段3と、運転行動データから各運転行動サブパターンが出力される確率を、パラメータ推定手段3によって推定されたパラメータと出力確率算出アルゴリズムを用いて算出し、出力確率の最も高いサブパターンを認識結果とし、サブパターン系列を生成し出力する運転行動サブパターン認識手段7と、各運転行動パターンにおけるサブパターンの時間的前後関係を記述する運転行動パターンテンプレート5と、運転行動サブパターン認識手段7から出力されたサブパターン系列中のサブパターン順列と運転行動パターンテンプレート5に記述された各運転行動パターンのサブパターン順列の照合を行い、両者が合致した運転行動パターンを認識結果として出力する運転行動パターン認識手段9を設ける構成としている。
【0011】
以下、本発明における実施の形態を説明するための一例として、右折、左折、制動停止、車線変更、追い越しの5種類の運転行動パターンを認識する認識システムを想定し説明する。このうち、車線変更は自車右側の車線と自車左側の車線への車線変更の2種類が考えられるため、別の運転行動パターンとして扱うこととする。したがって、6種類の運転行動パターンの認識を考える。
【0012】
運転行動データは、運転者の操作量として、例えばアクセルペダル開度、ステアリング角度を、車両状態量として、例えば自車速度、自車前後加速度などの運転行動に関するデータであり、これらは各種センサ11で測定され、コンピュータ13に実装された運転行動データ格納メモリ15に保持される。隠れマルコフモデルのパラメータ推定及び運転行動パターンの認識は、運転行動データ格納メモリ15に格納された時系列データを観測シンボル系列Oとして用いることによって行う。
【0013】
認識対象とするカテゴリは、隠れマルコフモデルλ={π,A,B}でモデル表現される。ここで、πは各状態の初期発生確率集合、Aは状態間遷移確率集合、Bは出力確率集合をそれぞれ示す。隠れマルコフモデルを認識システムとして適用する場合には、まず認識対象とするカテゴリに関してその統計的特徴量であるπi,Ai,Biを求める必要がある。
【0014】
図3は、認識対象とした運転行動パターンをサブパターンに分類した例を示したものであるが、本発明では、このように、運転行動パターンを運転行動サブパターンの離散的状態遷移表現として考える。なお、図3中の“do−nothing”は、アクセルペダル、ステアリング等の運転操作の変化がない定常運転状態を示すサブパターンモデルを意味し、この状態は、サブパターン間に時間的な空白が存在する場合に認識されるために設定するが、すべての運転行動データに存在するとは限らないため、飛び越しが可能な遷移形式になっている。ここで、異なる運転行動パターンであっても、制動、右転舵、左転舵、加速のように類似性が高いものについては、共通の運転行動サブパターンとする。
【0015】
前処理部17では、隠れマルコフモデルのパラメータ推定が行えるように学習対象であるカテゴリの運転行動サブパターンを運転行動データ格納メモリ15に保持された運転行動データから抽出し、運転行動サブパターンデータ格納メモリ19に一時的に記憶しておく。図4に、運転行動データの運転行動サブパターンへの分割例として、右折時の例を示す。
【0016】
パラメータ推定部21では、隠れマルコフモデルを用いて認識を行う各運転行動サブパターンに対して、隠れマルコフモデルのパラメータである初期確率π、状態間遷移確率A、出力確率Bを運転行動サブパターンデータ格納メモリ19に格納された運転行動サブパターン単位の観測シンボル系列を用いて、運転行動データから出力される確率P(λ|O)が最大になるように推定する。
【0017】
隠れマルコフモデルのパラメータ推定には、一般的にはBaum−Welchアルゴリズムが用いられる。なお、Baum−Welchアルゴリズム、および後述するForwardアルゴリズム、Viterbiアルゴリズムは、例えば、文献『X.D.Huang,Y.Ariki,and M.A.Jack.Hidden Markov Models for Speech Recognition. Edinburgh University Press,Edinburgh,1990』によって、その内容が一般的によく知られたものであり、ここでは具体的な計算式および手続きについては省略する。Baum−Welchアルゴリズムによる学習が収束したら、推定されたパラメータをパラメータ格納メモリ23に記憶しておく。
【0018】
運転行動サブパターン認識実行部25では、一般的な隠れマルコフモデルの出力確率算出アルゴリズムであるForwardアルゴリズム、またはViterbiアルゴリズムを使用して、運転行動データ格納メモリ15に保持された運転行動パターンの時系列データおよびパラメータ格納メモリ23に保持されたパラメータを用いて各サブパターンの出力確率P(O|λ)を算出し、最も出力確率の高いサブパターンを認識結果として出力する。
【0019】
サブパターン系列生成部27では、運転行動サブパターン認識実行部25の認識結果を基にサブパターン系列を生成する。この際、“do−nothing”は除外する。図5に、右折時のサブパターン系列生成例を示す。
【0020】
サブパターンテンプレート29には、各運転行動パターンにおけるサブパターン系列を記述しておく。図6に、サブパターンテンプレートの記述内容例を示す。
【0021】
照合部31では、サブパターン系列生成部27で生成されたサブパターン系列と、サブパターンテンプレート29に記述された各運転行動パターンのサブパターン系列との照合を行い、合致する運転行動パターンが存在した場合は合致した運転行動パターンを、また、合致する運転行動パターンが存在しなかった場合は存在なしを、それぞれ認識結果出力用メモリ33に格納する。
【0022】
【発明の効果】
以上、詳細に説明したように、本発明によれば、隠れマルコフモデルを用いた運転行動パターンの認識において、パラメータの推定及び認識を運転行動パターンを構成する運転行動サブパターン単位で行うとともに、運転行動パターンを構成する運転行動サブパターン間の時間的前後関係を記述する運転行動パターンテンプレートを設け、認識結果であるサブパターン系列とサブパターンテンプレートの照合によって運転行動パターンの認識を行う構成としたので、挿入誤りによる誤認識が減少し、高い認識精度での運転行動パターンレベルでの運転行動パターンの認識が可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による運転行動パターン認識装置の一実施の形態の概略構成を示すブロック図である。
【図2】本発明による運転行動パターン認識装置の一実施の形態の機能構成を示すブロック図である。
【図3】認識対象とする運転行動パターンと運転行動サブパターンの関係例を示す図である。
【図4】運転行動パターンの時系列データ例と運転行動サブパターンへの分割例(右折時)を示す図である。
【図5】認識結果からのサブパターン系列生成例(右折時)を示す図である。
【図6】サブパターンテンプレートの記述内容例を示す図である。
【符号の説明】
1 運転行動データ入力手段
3 パラメータ推定手段
5 運転行動パターンテンプレート
7 運転行動サブパターン認識手段
9 運転行動パターン認識手段
11 各種センサ
13 コンピュータ
15 運転行動データ格納メモリ
17 前処理部
19 運転行動サブパターンデータ格納メモリ
21 パラメータ推定部
23 パラメータ格納メモリ
25 運転行動サブパターン認識実行部
27 サブパターン系列生成部
29 サブパターンテンプレート
31 照合部
33 認識結果出力用メモリ
【発明の属する技術分野】
本発明は、車両を運転する運転者の運動行動パターンの認識を行う装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
車両を運転する運転者の操作量、車両状態量等の時系列データから、運転行動パターンを認識する技術としては、例えば、『Nissan Cambridge Basic Research Annual Report 1996,Nissan Cambridge Basic Research,Nissan Research and Developement Inc.』に記載されている方法がある。この従来技術は、自動車運転時の右折、左折、制動停止、レーンチェンジなどの運転行動パターンを認識対象のカテゴリ、自車速度、自車前後加速度、操舵角、操舵角速度の時系列データを観測シンボル系列にそれぞれし、隠れマルコフモデルに基づいて、最尤法を用いて認識を行う方法であり、極めて高い正認識率(全サンプルデータ数中、認識結果として正しいカテゴリが出現したサンプルデータ数の割合)が報告されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このような従来の方法では、極めて高い正認識率を得ている一方で、認識精度は低くなってしまう可能性がある、という問題点があった。
ここで、正認識率Corr、認識精度Accは、それぞれ下式で算出されるモデルの性能を評価するための指標である。
Corr = H/N × 100(%)
Acc = (H−I)/N × 100(%)
N:サンプルデータ数
H:認識結果として正しいカテゴリが出現したデータ数
I:別カテゴリが誤って挿入されるエラーが発生した回数
【0004】
すなわち、前記従来の方法では、対象認識とする運転行動パターンを右折、左折などの運転者の意図のもとに行われる一連の動作(以下、これをマヌーバと略称する)とし、マヌーバレベルで隠れマルコフモデルを構築し、パラメータの推定および認識を行っているが、このような方法では、例えば右折、左折の例で示せば、各マヌーバの初期段階である交差点進入時の減速時には、どちらも車両を減速させるという点で類似性が高く、このようなデータを認識用データとしてモデルに与えた場合には、挿入誤りが生じやすいため、認識精度が低下してしまうという問題点があった。
【0005】
本発明は、このような従来の問題点に着目してなされたもので、高い認識精度でのマヌーバの認識が可能な技術を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上述の課題を解決するために、本発明は、運転行動パターンを、上位概念である運転行動パターンと下位構造の運転行動パターンを遂行するために行われるサブパターンの階層構造と捉え、運転行動パターンはサブパターンの離散的状態遷移モデルとして表現することが可能である、との考え方に基づいて、認識対象とする各運転行動パターンを時系列的に細分化したものであって、かつ異なる運転行動パターンでも類似性の高いものは同一として扱うサブパターンを、隠れマルコフモデルとして表現するために必要な統計的特徴量を、各運転行動パターンの運転行動データを観測シンボル系列に用いて推定するパラメータ推定手段と、運転行動データが各運転行動サブパターンモデルから出力される確率を、パラメータ推定手段によって推定されたパラメータと出力確率算出アルゴリズムを用いて算出し、出力確率の最も高いサブパターンを認識結果とし、サブパターン系列を生成し出力する運転行動サブパターン認識手段と、各運転行動パターンにおけるサブパターンの時間的前後関係を記述する運転行動パターンテンプレートと、運転行動サブパターン認識手段から出力されたサブパターン系列中のサブパターン順列と運転行動パターンテンプレートに記述された各運転行動パターンのサブパターン順列の照合を行い、両者が合致した運転行動パターンを認識結果として出力する運転行動パターン認識手段を設ける構成としている。
【0007】
以下、本発明の作用を説明する。
請求項1に記載の発明では、運転行動パターンのパラメータ推定と認識を運転行動パターンを細分化し、かつ異なる運転行動パターン間でも類似性の高いものは共通とするサブパターン単位で行い、その認識結果であるサブパターン系列とサブパターンテンプレートを照合することによって、運転行動パターンの認識を行うので、異なる運転行動パターンであるにも関わらず、時系列データの一部が特徴空間上で重なるような場合にも誤った運転行動パターンを認識結果として出力することが無くなり、高い認識精度での運転行動パターンの認識が可能になる。
【0008】
また、請求項2に記載の発明では、認識結果であるサブパターン系列とサブパターンテンプレートの照合時に合致するサブパターン系列が存在しない場合には、認識結果として該当する運転行動パターンが存在しないことを出力することにより、誤った運転行動パターンが出力されることを防止し、高い認識精度での運転行動パターンの認識を可能にする。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、本発明による運転行動パターン認識装置の実施の形態を添付図面を参照して詳細に説明する。
図1は、本発明による運転行動パターン認識装置の一実施の形態の概略構成を示すブロック図、図2は、本発明による運転行動パターン認識装置の一実施の形態の機能構成を示すブロック図である。
【0010】
まず、図1を用いて構成を説明する。
運転操作量、車両状態量の少なくともいずれかを含む時系列データである運転行動データを入力する運転行動データ入力手段1と、認識対象とする各運転行動パターンを時系列的に細分化したものであって、かつ異なる運転行動パターンでも類似性の高いものは同一として扱うサブパターンを隠れマルコフモデルとして表現するために必要な統計的特徴量を、各運転行動パターンの運転行動データを観測シンボル系列に用いて推定するパラメータ推定手段3と、運転行動データから各運転行動サブパターンが出力される確率を、パラメータ推定手段3によって推定されたパラメータと出力確率算出アルゴリズムを用いて算出し、出力確率の最も高いサブパターンを認識結果とし、サブパターン系列を生成し出力する運転行動サブパターン認識手段7と、各運転行動パターンにおけるサブパターンの時間的前後関係を記述する運転行動パターンテンプレート5と、運転行動サブパターン認識手段7から出力されたサブパターン系列中のサブパターン順列と運転行動パターンテンプレート5に記述された各運転行動パターンのサブパターン順列の照合を行い、両者が合致した運転行動パターンを認識結果として出力する運転行動パターン認識手段9を設ける構成としている。
【0011】
以下、本発明における実施の形態を説明するための一例として、右折、左折、制動停止、車線変更、追い越しの5種類の運転行動パターンを認識する認識システムを想定し説明する。このうち、車線変更は自車右側の車線と自車左側の車線への車線変更の2種類が考えられるため、別の運転行動パターンとして扱うこととする。したがって、6種類の運転行動パターンの認識を考える。
【0012】
運転行動データは、運転者の操作量として、例えばアクセルペダル開度、ステアリング角度を、車両状態量として、例えば自車速度、自車前後加速度などの運転行動に関するデータであり、これらは各種センサ11で測定され、コンピュータ13に実装された運転行動データ格納メモリ15に保持される。隠れマルコフモデルのパラメータ推定及び運転行動パターンの認識は、運転行動データ格納メモリ15に格納された時系列データを観測シンボル系列Oとして用いることによって行う。
【0013】
認識対象とするカテゴリは、隠れマルコフモデルλ={π,A,B}でモデル表現される。ここで、πは各状態の初期発生確率集合、Aは状態間遷移確率集合、Bは出力確率集合をそれぞれ示す。隠れマルコフモデルを認識システムとして適用する場合には、まず認識対象とするカテゴリに関してその統計的特徴量であるπi,Ai,Biを求める必要がある。
【0014】
図3は、認識対象とした運転行動パターンをサブパターンに分類した例を示したものであるが、本発明では、このように、運転行動パターンを運転行動サブパターンの離散的状態遷移表現として考える。なお、図3中の“do−nothing”は、アクセルペダル、ステアリング等の運転操作の変化がない定常運転状態を示すサブパターンモデルを意味し、この状態は、サブパターン間に時間的な空白が存在する場合に認識されるために設定するが、すべての運転行動データに存在するとは限らないため、飛び越しが可能な遷移形式になっている。ここで、異なる運転行動パターンであっても、制動、右転舵、左転舵、加速のように類似性が高いものについては、共通の運転行動サブパターンとする。
【0015】
前処理部17では、隠れマルコフモデルのパラメータ推定が行えるように学習対象であるカテゴリの運転行動サブパターンを運転行動データ格納メモリ15に保持された運転行動データから抽出し、運転行動サブパターンデータ格納メモリ19に一時的に記憶しておく。図4に、運転行動データの運転行動サブパターンへの分割例として、右折時の例を示す。
【0016】
パラメータ推定部21では、隠れマルコフモデルを用いて認識を行う各運転行動サブパターンに対して、隠れマルコフモデルのパラメータである初期確率π、状態間遷移確率A、出力確率Bを運転行動サブパターンデータ格納メモリ19に格納された運転行動サブパターン単位の観測シンボル系列を用いて、運転行動データから出力される確率P(λ|O)が最大になるように推定する。
【0017】
隠れマルコフモデルのパラメータ推定には、一般的にはBaum−Welchアルゴリズムが用いられる。なお、Baum−Welchアルゴリズム、および後述するForwardアルゴリズム、Viterbiアルゴリズムは、例えば、文献『X.D.Huang,Y.Ariki,and M.A.Jack.Hidden Markov Models for Speech Recognition. Edinburgh University Press,Edinburgh,1990』によって、その内容が一般的によく知られたものであり、ここでは具体的な計算式および手続きについては省略する。Baum−Welchアルゴリズムによる学習が収束したら、推定されたパラメータをパラメータ格納メモリ23に記憶しておく。
【0018】
運転行動サブパターン認識実行部25では、一般的な隠れマルコフモデルの出力確率算出アルゴリズムであるForwardアルゴリズム、またはViterbiアルゴリズムを使用して、運転行動データ格納メモリ15に保持された運転行動パターンの時系列データおよびパラメータ格納メモリ23に保持されたパラメータを用いて各サブパターンの出力確率P(O|λ)を算出し、最も出力確率の高いサブパターンを認識結果として出力する。
【0019】
サブパターン系列生成部27では、運転行動サブパターン認識実行部25の認識結果を基にサブパターン系列を生成する。この際、“do−nothing”は除外する。図5に、右折時のサブパターン系列生成例を示す。
【0020】
サブパターンテンプレート29には、各運転行動パターンにおけるサブパターン系列を記述しておく。図6に、サブパターンテンプレートの記述内容例を示す。
【0021】
照合部31では、サブパターン系列生成部27で生成されたサブパターン系列と、サブパターンテンプレート29に記述された各運転行動パターンのサブパターン系列との照合を行い、合致する運転行動パターンが存在した場合は合致した運転行動パターンを、また、合致する運転行動パターンが存在しなかった場合は存在なしを、それぞれ認識結果出力用メモリ33に格納する。
【0022】
【発明の効果】
以上、詳細に説明したように、本発明によれば、隠れマルコフモデルを用いた運転行動パターンの認識において、パラメータの推定及び認識を運転行動パターンを構成する運転行動サブパターン単位で行うとともに、運転行動パターンを構成する運転行動サブパターン間の時間的前後関係を記述する運転行動パターンテンプレートを設け、認識結果であるサブパターン系列とサブパターンテンプレートの照合によって運転行動パターンの認識を行う構成としたので、挿入誤りによる誤認識が減少し、高い認識精度での運転行動パターンレベルでの運転行動パターンの認識が可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による運転行動パターン認識装置の一実施の形態の概略構成を示すブロック図である。
【図2】本発明による運転行動パターン認識装置の一実施の形態の機能構成を示すブロック図である。
【図3】認識対象とする運転行動パターンと運転行動サブパターンの関係例を示す図である。
【図4】運転行動パターンの時系列データ例と運転行動サブパターンへの分割例(右折時)を示す図である。
【図5】認識結果からのサブパターン系列生成例(右折時)を示す図である。
【図6】サブパターンテンプレートの記述内容例を示す図である。
【符号の説明】
1 運転行動データ入力手段
3 パラメータ推定手段
5 運転行動パターンテンプレート
7 運転行動サブパターン認識手段
9 運転行動パターン認識手段
11 各種センサ
13 コンピュータ
15 運転行動データ格納メモリ
17 前処理部
19 運転行動サブパターンデータ格納メモリ
21 パラメータ推定部
23 パラメータ格納メモリ
25 運転行動サブパターン認識実行部
27 サブパターン系列生成部
29 サブパターンテンプレート
31 照合部
33 認識結果出力用メモリ
Claims (2)
- 運転操作量、車両状態量の少なくともいずれかを含む時系列データである運転行動データを入力する運転行動データ入力手段と、
認識対象とする各運転行動パターンを時系列的に細分化したものであって、かつ異なる運転行動パターンでも類似性の高いものは同一として扱うサブパターンを隠れマルコフモデルとして表現するために必要な統計的特徴量を、各運転行動パターンの運転行動データを観測シンボル系列に用いて推定するパラメータ推定手段と、
前記運転行動データが、前記パラメータ推定手段によって推定されたパラメータで表される各運転行動サブパターンから出力される確率を、出力確率算出アルゴリズムを用いて算出し、出力確率の最も高いサブパターンを認識結果とし、サブパターン系列を生成し出力する運転行動サブパターン認識手段と、
各運転行動パターンにおけるサブパターンの時間的前後関係を記述する運転行動パターンテンプレートと、
前記運転行動サブパターン認識手段から出力されたサブパターン系列中のサブパターン順列と前記運転行動パターンテンプレートに記述された各運転行動パターンのサブパターン順列の照合を行い、両者が合致した運転行動パターンを認識結果として出力する運転行動パターン認識手段と
を有することを特徴とする運転行動パターン認識装置。 - 請求項1に記載の運転行動パターン認識装置において、
前記運転行動パターン認識手段は、前記運転行動サブパターン認識手段から認識結果として出力されるサブパターン系列と前記運転行動サブパターンテンプレートの照合において、合致するパターンが存在しなかった場合に、該当する運転行動パターンがないことを認識結果として出力することを特徴とする運転行動パターン認識装置。
Priority Applications (1)
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| JP26522197A JP3780655B2 (ja) | 1997-09-30 | 1997-09-30 | 運転行動パターン認識装置 |
Applications Claiming Priority (1)
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|---|---|---|---|
| JP26522197A JP3780655B2 (ja) | 1997-09-30 | 1997-09-30 | 運転行動パターン認識装置 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH1199846A JPH1199846A (ja) | 1999-04-13 |
| JP3780655B2 true JP3780655B2 (ja) | 2006-05-31 |
Family
ID=17414214
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP26522197A Expired - Fee Related JP3780655B2 (ja) | 1997-09-30 | 1997-09-30 | 運転行動パターン認識装置 |
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| JP4852851B2 (ja) * | 2005-02-07 | 2012-01-11 | 日産自動車株式会社 | 運転意図推定装置、車両用運転操作補助装置および車両用運転操作補助装置を備えた車両 |
| JP4650283B2 (ja) * | 2006-01-25 | 2011-03-16 | 株式会社デンソー | 運転者適応型運転行動推定装置 |
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| WO2021064868A1 (ja) * | 2019-10-01 | 2021-04-08 | 三菱電機株式会社 | 挙動モデル生成装置、挙動推定装置、挙動推定システム、挙動モデル生成方法、挙動推定方法、挙動モデル生成プログラム、および挙動推定プログラム |
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1997
- 1997-09-30 JP JP26522197A patent/JP3780655B2/ja not_active Expired - Fee Related
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| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JPH1199846A (ja) | 1999-04-13 |
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