JP3781405B2 - ヒノキチオール含有マイクロカプセルの使用方法 - Google Patents
ヒノキチオール含有マイクロカプセルの使用方法 Download PDFInfo
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、ヒノキチオールを含有するマイクロカプセルの好適な使用方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来より、ヒノキチオールがシロアリやダニ等に対する防虫効果や、カビや細菌等に対する抗菌・除菌効果、シックハウス症候群の原因物質となる建築物に使用される合成樹脂接着剤や新建材に含まれるホルムアルデヒドの除去効果などの、種々の効果を有していることが知られてきている。そこで、ヒノキチオールを種々の手法によって建築物のコンクリートに混入させたり土壌に混入するなどして上記の効果が得らるような方法が考えられている。例えばヒノキチオールを含有する液体をマイクロカプセルに内蔵させたものもその一つである。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、このようなマイクロカプセルとしては、その一部が光や温度等の環境変化によって徐々に崩壊し、崩壊した箇所から内部の液体が放出されてヒノキチオールが揮発して防虫作用等を奏するようにしたものが考えられている。このような多数のマイクロカプセルを土壌中に混入させておけば、個々のマイクロカプセルは時期を違えてそれぞれに崩壊するため長期的に見れば継続的にヒノキチオールを放出していることになる。しかしながら、土壌に混入した直後にはあまり多くのマイクロカプセルは崩壊した状態にはないため多量のヒノキチオールは放出されず、一方、殆どのマイクロカプセルが崩壊した後はヒノキチオールが揮発してしまってその効果が薄れてしまう。すなわち、このようなマイクロカプセルを単に土壌中に混入しただけでは、ヒノキチオールによるある程度の防虫効果などは期待できるものの、即効性や非常に長期間に亘る効果を得ることは困難であった。
【0004】
そこで本発明は、以上のような問題を解決するため、短期間から長期間に亘って有効に防虫効果等を得ることができるヒノキチオール含有マイクロカプセルの使用方法を提供するものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
すなわち、本発明は、ヒノキチオールを含有する液体を内蔵し経時変化による崩壊性を有するマイクロカプセルを、ヒノキチオール含有液体又はヒノキチオールを含有する木材粉末の何れか一方又は両方と共に、土壌に混入又は散布することを特徴としている。
【0006】
このような方法であれば、マイクロカプセルとヒノキチオール含有液体とを共に土壌に混入又は散布した場合には、その直後は前記液体によって即座に防虫効果や抗菌効果等が発揮され、その液体中のヒノキチオールの効果が薄れた後には、マイクロカプセルが崩壊することによって放出される液体中のヒノキチオールによって中長期に亘る効果が発揮される。一方、マイクロカプセルと木材粉末とを共に土壌に混入又は散布した場合には、マイクロカプセルが崩壊することによって放出される液体中のヒノキチオールによって中長期に亘って防虫効果や抗菌効果等が発揮され、全てのマイクロカプセルが崩壊した後にも木材粉末中のヒノキチオールによって、極めて長期間に亘って効果が発揮される。もちろん、マイクロカプセルとヒノキチオール含有液体と木材粉末の全てを土壌に混入又は散布すれば、その直後からずっと後まで継続的な効果が得られることになる。
【0007】
特に、建築物におけるシロアリ駆除を適切に行うためには、前記マイクロカプセルを、建築物の基礎の周辺における土壌に混入又は散布することが望ましい。
【0008】
前記木材粉末として適しているものには、青森ヒバや台湾ヒノキ等の樹皮粉末が挙げられる。
【0009】
また、マイクロカプセルだけでもある程度(例えば十年以上)の効果を継続的に奏するようにするためには、マイクロカプセルを、非崩壊性粒子及び崩壊性粒子とからなる多孔質のカプセル本体と、該カプセル本体内に内蔵されたヒノキチオールを含有する液体とから構成し、少なくとも経時変化により崩壊性粒子が崩壊することによって前記液体がカプセル本体内から放出されるようにすることが望ましい。すなわち、このような構成によって、非崩壊性粒子は崩壊性粒子が崩壊した後にできる孔をできるだけ小さく塞ぐことになるため、その孔から内部の液体が一気に放出されず徐放性を奏するため、比較的長期間、効果が持続することになる。
【0010】
特に好ましいマイクロカプセルの構成としては、非崩壊性粒子がセラミックス粒子からなるものであって、崩壊性粒子が植物性タンパク質からなるものが挙げられる。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施形態を、図面を参照して説明する。
【0012】
図1は、本実施形態における土壌4へのヒノキチオールを含有するマイクロカプセル1の散布方法を概略的に示すものである。同図では、建築物へのシロアリ被害を防止するために水等を調整した散布液Aを、噴霧器5から建築物の基礎部分3の周辺の土壌4へ散布している様子を示しているが、基礎部分3の下方にある土壌4にもその基礎部分3の施工前に同様にして散布又は混合してもよい。
【0013】
さて、散布液Aには図2に示すように、マイクロカプセル1と共に、ヒノキチオールを含有する液体と、青森ヒバや台湾ヒノキの樹皮粉末2とが含まれている。なお、マイクロカプセル1や樹皮粉末2は極めて微少なものであるため、同図ではそれらを誇張して示している。
【0014】
マイクロカプセル1は、図3に模式的に示すように、多孔質のカプセル本体11と、そのカプセル本体11の内部に保持されたヒノキチオールを含有する液体12とからなる。カプセル本体11は、非崩壊性粒子と崩壊性粒子とを混在させた構成の約2μm程度の大きさの多孔質粒子であり、非崩壊性粒子は複数のセラミックス粒子11aから構成し、崩壊性粒子は大豆レシチン等の植物性タンパク質粒子11bから構成している。このうち植物性タンパク質粒子11bが温度変化や光の作用で経時的に崩壊することによって形成された孔から内部の液体12が放出されることになる。しかしてこの液体12は、青森ヒバや台湾ヒノキから抽出したヒノキチオールを含有している。すなわち、青森ヒバや台湾ヒノキの木片や樹皮、枝葉等を細かく粉砕したものに高温高圧の蒸気を当て、生じた液体(油溶成分及び水溶成分)が得られる。この液体のうち油溶成分にはヒノキチオールが多量に含まれているため、この油溶成分をもって前記液体12としているが、水溶成分も使用してもよい。このような構成のマイクロカプセル1は、数十個から数百個程度のマイクロカプセル1が相互に引き合った状態の塊として散布液中に存在している。このような構成のマイクロカプセル1を、散布液Aに対して約1〜3%の割合で含有させている。これ以上の割合で混入しても得られる効果は同等であるからである。
【0015】
また、マイクロカプセル1と共に散布される液体は、カプセル本体11内に含有される液体12と同等のものであり、散布液A中に溶け込むか或いは分散して存在しているため、図2においては図示を省略している。一方、樹皮粉末2は、ヒノキチオールを採取するために使用される青森ヒバや台湾ヒノキのうち、特に樹皮部分を細かく粉砕したものである。これは樹皮に、他の部位よりも比較的多量のヒノキチオールが含有されているためである。
【0016】
このようなマイクロカプセル1、ヒノキチオール含有液体、及び樹皮粉末2を含有する散布液Aを、基礎部分3の施工前の土壌4や施工された基礎部分3の周辺の土壌4に散布したり混合したりすると、まず、ヒノキチオール含有液体からヒノキチオールが揮発して土壌4中及びその周辺において防シロアリ作用が奏され、建築初期段階におけるシロアリ被害を予防することができる。また、マイクロカプセル1の植物性タンパク質粒子11bが崩壊し始めると、カプセル本体内11からヒノキチオール含有液体12が徐々に放出され、その液体12からヒノキチオールが揮発することによって、中長期間に亘って防シロアリ効果が発揮される。なお、植物性タンパク質粒子11bが崩壊することによってできた孔はセラミックス粒子11aによって可及的に小さく塞がれるため、個々のマイクロカプセル1においても比較的長期間に亘ってヒノキチオールを放出することができるが、マイクロカプセル1によっては初期の段階から崩壊するものからかなり後になって崩壊するものまで様々であるため、マイクロカプセル1による防シロアリ効果は継続的に発揮されることになる。一方、樹皮粉末2からはごく少量ずつのヒノキチオールが放出されるため、即効性には劣るものの、殆ど全てのマイクロカプセル1が崩壊してしまってその効果が薄れた後でもヒノキチオールを放出し続けるので、さらに長期に亘って防シロアリ効果が得られることになる。なお、前記液体やマイクロカプセル1、樹皮粉末2から放出されたヒノキチオールによって得られる効果は防シロアリ効果だけではなく、ダニその他の害虫に対する防虫効果や、カビや細菌等に対する除菌・抗菌効果、さらには建築物に使用された合成樹脂接着剤や新建材等から発散するホルムアルデヒド等のシックハウス症候群の原因物質に対する除去効果も含まれるのは勿論である。また、建築物が完成した後、一定時間の経過後に散布液Aを土壌に散布することによっても、シロアリ駆除効果を含む各種効果が高い効率で奏されることになる。
【0017】
なお、本発明は上記実施形態に限られるものではなく、目的によってはマイクロカプセルとヒノキチオール含有液体のみの散布としたり、マイクロカプセルと樹皮粉末のみの散布とすることもできる。すなわち、前者の方法の場合には建築初期段階から中長期間に亘って高い効果が得られることになり、後者の方法の場合には、極めて長い期間に亘って高い効果を維持することができる。その他、具体的構成や方法についても、上記実施形態に限られるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変形が可能である。
【0018】
【発明の効果】
本発明は、以上説明したような形態で実施され、以下に記載されるような効果を奏する。
【0019】
すなわち本発明の方法によれば、マイクロカプセルをヒノキチオール含有液体と共に土壌に混入又は散布すると、その直後には液体から揮発するヒノキチオールの作用によって即座に防虫効果や抗菌効果等が得られ、その効果が薄れた後でも、マイクロカプセルが個別に徐々に崩壊することによって放出される内部の液体中のヒノキチオールの作用によって中長期間に亘って効果が得られることになる。一方、マイクロカプセルをヒノキチオールを含有する木材粉末と共に土壌に混入又は散布した場合には、ヒノキチオール含有液体そのものを散布などする場合ほどの即効性は得られないものの、マイクロカプセルによって中長期に亘る防虫効果や抗菌効果等が発揮され、全てのマイクロカプセルが崩壊した後にも木材粉末中のヒノキチオールによって、極めて長期間に亘って効果が発揮されることになる。さらには、マイクロカプセルとヒノキチオール含有液体と木材粉末の全てを土壌に混入又は散布すれば、その直後から極めて長期間が経過した後まで継続的に効果が得られる。また、ヒノキチオールによるシックハウス症候群の原因物質であるホルムアルデヒド等の除去効果も奏されることは勿論である。
【0020】
特に、マイクロカプセルを、前記ヒノキチオールを含有する液体や木材粉末と共に、建築物の基礎の周辺における土壌に混入又は散布すれば、それぞれに含有されるヒノキチオールの作用により建築物におけるシロアリ駆除を効率的且つ効果的に行うことが可能である。
【0021】
なお、木材粉末としては、ヒノキチオールを特に多く含有する青森ヒバや台湾ヒノキ等の樹皮粉末を利用すれば、上記効果を向上することができる。
【0022】
また、マイクロカプセルを、非崩壊性粒子及び崩壊性粒子とからなる多孔質のカプセル本体の内部にヒノキチオールを含有する液体を内蔵させた構成として、少なくとも経時変化により崩壊性粒子が崩壊することによって前記液体がカプセル本体内から放出されるようにすれば、マイクロカプセルにおいて崩壊性粒子のみが崩壊しその崩壊後にできた孔を非崩壊性粒子が可及的に小さく塞ぐことになるため、内部の液体は徐々に放出されることとなり、崩壊開始時期が個々に異なるマイクロカプセルを多数散布などすることと相まって、マイクロカプセルによる防虫効果などを長期間に亘って継続的に維持することができる。
【0023】
特に、多孔質のカプセル本体は、非崩壊性粒子としてセラミックス粒子を採用し、崩壊性粒子を大豆レシチン等の植物性タンパク質を採用している場合には、土壌の環境を害する化学物質等を含ませずに、上記の効果を有効に奏することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態におけるマイクロカプセルの散布方法を示す概略図。
【図2】同実施形態における散布液の構成を示す模式図。
【図3】同実施形態におけるマイクロカプセルの模式図。
【符号の説明】
1…マイクロカプセル
2…木材粉末(樹皮粉末)
3…基礎部分
4…土壌
11…カプセル本体
11a…非崩壊性粒子(セラミックス粒子)
11b…崩壊性粒子(植物性タンパク質粒子)
12…ヒノキチオールを含有する液体
Claims (5)
- ヒノキチオールを含有する液体を内蔵し経時変化による崩壊性を有するマイクロカプセルを、ヒノキチオール含有液体又はヒノキチオールを含有する木材粉末の何れか一方又は両方と共に、土壌に混入又は散布することを特徴とするヒノキチオール含有マイクロカプセルの使用方法。
- 前記マイクロカプセルを、建築物の基礎の周辺における土壌に混入又は散布することを特徴とする請求項1記載のマイクロカプセルの使用方法。
- 木材粉末が、ヒノキチオールを含有する樹木の樹皮粉末であることを特徴とする請求項1又は2記載のマイクロカプセルの使用方法。
- 前記マイクロカプセルを、非崩壊性粒子及び崩壊性粒子とからなる多孔質のカプセル本体と、該カプセル本体内に内蔵されたヒノキチオールを含有する液体とから構成し、経時変化により崩壊性粒子が崩壊することによって形成される孔から前記ヒノキチオールを含有する液体がカプセル本体内から放出されるようにしている請求項1、2又は3記載のヒノキチオール含有マイクロカプセルの使用方法。
- 前記非崩壊性粒子がセラミックス粒子からなるものであって、前記崩壊性粒子が植物性タンパク質からなるものとしている請求項4記載のヒノキチオール含有マイクロカプセルの使用方法。
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