JP3781452B2 - 誘電体分離半導体装置およびその製造方法 - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
本発明は誘電体分離型半導体装置に係り、特に半導体装置の高速化およびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
誘電体分離(Dielectric Isolation:以下DIという)型集積回路の従来例を第9図と第10図に示す。これらの図はダイオードをあらわしている。第9図はシリコン直接接着(Silicon Direct Bonding:以下SDBという)法による誘電体基板とV溝を用いている。第10図はEPIC(Epitaxial Passivated IC)法による基板を使用している。基板の厚さは素子の耐圧系によって異なるが、110〜50μmが一般的である。10μm以下の厚さは研磨による仕上げでは今のところ困難である。
【0003】
図9および図10に示した従来のダイオードのスイッチング時の逆回復波形を第11図に示す。縦軸は電流、横軸は時間である。逆回復時間trrはデバイス内のキャリアが流れるため発生し、接合間に空乏層が広まるまで続く。従って逆回復電荷Qrrは、キャリアライフタイムと、順方向に電流が流れていたときのデバイス内のキャリヤ総量に依存する。Qrrが大きすぎると、特にモーターを駆動する用途などではロスが多くなるため、できるだけ小さくすることが望ましい。
【0004】
これらのダイオードに限らず従来のIGBT,MOSFET,GTO等の種々のディスクリートデバイスでは電子線照射や重金属拡散などで結晶中にキャリアの再接合中心を生成して置き、キャリアの消滅により逆回復電荷Qrrを小さくする、いわゆるキャリアライフタイムコントロール技術が用いられていた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、集積回路の場合、ダイオードのみにキャリアライフタイムコントロールを行うことは困難で、他の素子にも同時に再結合中心を生成していた。すると、、特にバイポーラトランジスタなどは増幅率の低下が起き、また接合間のリークなども増加するという問題があった。
【0006】
ところで、活性層の厚さをたとえば約5μm以下程度に薄くして、そのような基板にダイオードやIGBT等の半導体装置を作ると、ライフタイムコントロールをしなくてもターンオフタイムあるいは逆回復電荷Qrrの小さい半導体装置ができることは数値シミュレーションなどで検証されている。たとえば図12は、酸化膜の上部にシリコン膜からなる薄い活性層を有したDI基板を用いてIGBTを構成した場合におけるSOI層の厚さとIGBTのフォールタイムとの関係であるが,SOI層の厚さが薄くなればなるほどフォールタイムが短くなることがわかる。図8に示したダイオードの場合もSOI層2が薄くなると逆回復電荷Qrrが小さくなることが知られている。このようにすることで図9,図10に比べて有効体積が小さくなり、従って、スイッチング時に,より速く余剰キャリアがなくなるからである。しかし、SDB法でSOI基板を作成するために活性層を約5μm以下に研磨加工する事は機械的強度や結晶欠陥の発生等の問題があり困難である。この点SIMOX(Separation by IMplanted OXygen)法、すなわち酸素インプラによる薄型加工が厚さの点ではもっとも適したSOI基板の製法と言える。しかし酸素インプラ加工によるSOI基板を用いた半導体装置は絶縁膜の耐圧が低く、特にモーター用途等の高耐圧(100V以上)には使用できない問題があった。
【0007】
このような問題を鑑みて、本発明の目的は、SOI層の厚みを薄くすることを要せず、またキャリアライフコントロール技術を用いなくても高速なスイッチングが実現できる新規な構造のダイオードやIGBT等の半導体装置を提供することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決するために、本発明の第1の特徴は図1および図2に示すように、半導体基板55上に形成された底面絶縁膜5と、この底面絶縁膜5上に、実質的に垂直な側壁部を有して形成された、第1導電形の半導体層2と、半導体層2の側壁部に形成された素子間分離絶縁膜1と、半導体層2中に形成された第1導電型の第1の主電極領域4、および第2導電型の第2の主電極領域3から少なくとも構成されたダイオード構造を具備する半導体装置であり、
第1および第2の主電極領域との間に形成される電流経路領域の素子分離絶縁膜1に挟まれた部分の幅Wが5μm以下である構成を有していることである。好ましくは半導体層2の厚みtが5μm以上であることである。さらに好ましくは図3又は図4に示されるように第1および第2の主電極領域の少なくとも一方は、半導体層2の表面から、底面絶縁膜5に達するまで形成されていることである。
【0009】
また好ましくは、図5に示すようにカソード側の幅WK とアノード側の幅WA とが異なり、少なく共一方が5μm以下であることである。
【0010】
また本発明の第2の特徴は次の工程を少なく共含む誘電体分離型半導体装置の製造方法であることである。すなわち、
(イ)半導体基板55上に底面絶縁膜5を形成し、底面絶縁膜5の上に第1導電型の半導体層2を形成する第1の工程、
(ロ)半導体層2の表面から、半導体層2の表面に対して実質的に垂直な側壁を有する第1の素子間分離用溝(トレンチ)を形成し、第1の素子間分離用溝を介して半導体層2に第1導電型もしくは第2導電型の不純物を拡散し、第1の主電極領域4を形成し、その後第1の素子間分離用溝の表面に素子間分離絶縁膜1を形成する第2の工程,
(ハ)半導体層2の表面から、半導体層2の表面に対して実質的に垂直な側壁を有する第2の素子間分離用溝を、第1の素子間分離用溝とは離間して形成し、第2の素子間分離用溝を介して半導体層2に第2の工程に用いた不純物とは反対導電型の不純物を拡散し、第2の主電極領域3を形成する第3の工程,
(ニ)第1および第2の素子間分離用溝に連続して第3および第4の素子間分離用溝を形成し、第1〜第4の素子間分離用溝で半導体層2を囲う第4の工程。
(ホ)第1〜第4の素子間分離用溝の表面に素子間分離絶縁膜1を形成し、さらにその後第1〜第4の素子間分離用溝を素子間分離穴埋め物59で埋め込む第5の工程、
からなる製造方法であることを特徴とする。この場合第3の工程を省略して、いわゆるフォトリソグラフィーを用いて、選択拡散等により半導体層2の表面側より第2の主電極領域を形成してもよい。
【0011】
また本発明の第3の特徴は次の工程を少なく共含む誘電体分離型半導体装置の製造方法であることである。すなわち、
(イ)半導体基板55上に底面絶縁膜5を形成し、底面絶縁膜5の上に第1導電型の半導体層2を形成する第1の工程、
(ロ)半導体層2の表面から、半導体層2の表面に対して実質的に垂直な側壁を有する素子間分離用溝(トレンチ)を形成する第2の工程、
(ハ)素子間分離用溝の側壁部に素子間分離絶縁膜1を形成する第3の工程、
(ニ)素子間分離絶縁膜1の所定の部分に拡散窓を開孔し、第1および第2導電型の不純物のうち少なく共一方の不純物を拡散窓を介して半導体層2に拡散し、第1および第2の主電極領域の少なく共一方を形成する第4の工程、
(ホ)拡散窓の上に新たな素子間分離絶縁膜1を形成し、さらにその後素子間分離用溝を素子間分離穴埋め物59で埋め込む第5の工程、
からなる製造方法であることを特徴とする。この場合第4の工程で第1および第2の主電極領域が形成されるときは第5の工程までで、図4に示す構造が製造されるが、第4の工程で、第1もしくは第2の主電極領域の一方のみが形成される時は、第5の工程に引き続き、残る他方の主電極領域を半導体層2の表面から、いわゆるフォトリソグラフィーを用いて、表面側から選択拡散等により形成すれば図3に示すような構造が実現できる。図3ではp+ アノード拡散層3を表面側から選択拡散している。
【0012】
【作用】
本発明の第1の特徴によれば主電流経路すなわちチャネルを素子間分離絶縁膜1で幅Wの薄い領域として挟み込んでいるので、ターンオフ時に余剰キャリアがなくなり、逆回復電荷Qrrが小さくなる。したがってターンオフタイムが短くなり高速スイッチングが可能となる。幅Wは素子間分離用溝の相互の間隔の精度で決めればよく、機械的強度上の問題や、結晶欠陥発生の問題を伴うことなく、Qrrを小さくすることとができる。
【0013】
本発明の第2および第3の特徴によれば、素子間分離用溝の側壁を介して第1又は第2の主電極領域の少なく共一方を横方向拡散で形成できる。したがって、高温、長時間の熱処理工程や、深い拡散に伴う横方向拡がりがない。したがって生産性が向上するとともに、熱処理工程に伴うプロセス誘起欠陥の発生という問題もなく、またダイオード構造の微細化も可能となる。
【0014】
【実施例】
以下、図面を参照して本発明の実施例を説明する。
【0015】
図1は本発明の第1の実施例に係るpnダイオードの鳥かん図である。図2(a)はその上面図、図2(b)は図2(a)のA−A方向から見た断面図、図2(c)は図2(a)のB−B方向から見た断面図である。図2(b),および図2(c)から明らかなように、SOI基板上でほぼ垂直の側壁となるような深いトレンチが底面絶縁膜5まで到達したDI技術を使用している。n型半導体層2からなる活性層の厚さtとしては5μm〜20μmである。この程度の活性層2の厚さのSOI基板はSDB法を用いることで加工精度の面も含めて容易に実現できる。また、SDB法によるSOI基板は耐圧の面でも酸素インプラに対しはるかに強い基板が得られる。図1では底面の絶縁膜5や、トレンチ分離のためのトレンチ側壁絶縁膜1以外の構造は省略してあるが、図2にはSOI基板を構成するシリコン基板55,底面絶縁膜5、活性層となるn型半導体層2が示されている。図2からわかるようにn型半導体層2の表面にはSiO2 等の絶縁膜6が形成され、この絶縁膜6中に形成されたコンタクトホールを介してn+ カソード拡散層4、およびp+ アノード拡散層3に対して金属カソード電極7、金属アノード電極8が形成されている。なお図1のちょうかん図2(a)上面図は簡単化のために金属カソード電極7、金属アノード電極8の図示を省略している。またn型半導体層2の周辺に配置された側壁に形成されたトレンチ側壁絶縁膜1の外側はノンドープポリシリコン(NDPOS)等の素子間分離溝穴埋め物59が形成されている。NDPOSのかわりに酸素添加のポリシリコンすなわちSIPOS(Semi−Insulating Poly−Silicon)でもよい。図1、および図2に示した本発明の第1の実施例の特徴は電流の経路に沿った一対のトレンチ側壁絶縁膜1の相互の距離Wを5μm以下にしてあることである。基板の厚みtの薄型加工が耐圧の面で難しいのであるから、横方向で、幅Wを薄くした素子を作り込むわけである。すなわち、本発明の第1の実施例においては図1および図2に示したように、活性層の厚さtと両電極の距離lに対し、電流に沿った1対のトレンチ側壁絶縁膜の相互の距離Wを小さくしてあることが特徴である。このような構造とする事でダイオード等の半導体素子の有効体積を小さく抑えることができる。そのため、ダイオードの逆回復電荷Qrrを小さくすることができる。本発明の第1の実施例においてはW=1μmの場合を図示したが、W=5μm以下にすれば逆回復電荷Qrrは小さくできるので、その他の加工技術や、電流容量とを考慮してW=5μm以下の所望の値に選べばよい。また50A〜100A、あるいは1000A以上といった大電流の素子では、これらのW=5μm以下の素子を並列接続したマルチチャンネル構造とすればよい。なお、深さ5〜20μmの垂直側壁を有したトレンチはCF4 +O2 ,SF6 +O2 ,SiCl4 ,CCl4 等を用いたRIE、あるいはECRイオンエッチングを用いれば容易に形成できる。このトレンチエッチング時に基板を−5℃から−196℃に冷却すれば、高アスペクト比のトレンチが形成できる。
【0016】
図3は本発明の第2の実施例に係り、n+ カソード拡散層4を底面絶縁5に達するまで形成した場合である。活性層であるn型半導体層2の厚みtが5μm程度であればn型半導体層2の表面からリン(P)等を深さ5μm拡散するのは比較的容易であるが、厚みtが20μmでは1150℃〜1200℃といった高温で長時間の拡散を要し、熱処理によって新たな結晶欠陥が発生する。また深い拡散を行なえば、当然横方向拡散も生じるので、構造の微細化が困難となり、ひいては単位チップ面積当りのオン電圧が高くなる。また拡散に長時間を要することは製造コストの面でも不利である。したがって表面から拡散するのではなく、トレンチ側壁から横方向に拡散してn+ カソード拡散層4を形成すればよい。すなわち本発明の第2の実施例の構造は以下のような方法で製造できる。
【0017】
(イ)SDB法等を用いて半導体基板55上に底面絶縁膜5を介してn型半導体層2を形成する第1の工程、
(ロ)n型半導体層2の表面から、図3(a)の左側部分に半導体層2の表面に対して実質的に垂直な側壁を有する第1の素子間分離用溝(トレンチ)を形成する第2の工程、
(ハ)第1の素子間分離用溝からPOCl3 やAsCl3 を用いてn型不純物を拡散しn+ カソード拡散層4を形成する第3の工程(たとえば1050℃でPOCl3 をO2 とN2 の混合ガス中で30分間デポジションし、デポジションによって形成されたPSG膜を除去後さらに1050℃で30分間ドライブインすればよい),
(ニ)次に、第1の素子間分離用溝(トレンチ)に連続して、第2の素子間分離溝(トレンチ)を形成し、第1および第2の素子間分離溝で半導体層2を囲う第4の工程,
(ホ)第1および第2の素子間分離用溝の側壁部に素子間分離絶縁膜1を形成し、さらにその後離第1および第2の素子間分離溝をポリシリコン等の素子間分離穴埋め物59で埋め込む第5の工程、
(ヘ)半導体層2の表面から所定の部分のみにp型の不純物を拡散し、p+ アノード拡散層3を形成する第6の工程、
の第1〜第6の工程によれば、図3の構造は容易に実現できる。
【0018】
なお、本発明の第2の実施例では幅Wが小さいという本発明の特徴を生かして、n型半導体層2のトレンチ側壁絶縁膜1に拡散窓を開孔してこの拡散窓よりPOCl3 等を用いてリン(P)を側壁から横方向に拡散することによっても、低温で、短時間の拡散によりn+ カソード拡散層4が、底面絶縁膜5に達するよう深く形成できる。この場合は、側壁部の拡散窓からの拡散時に酸素雰囲気中で拡散するか、拡散終了後に拡散窓上部に酸化膜を形成し、その後減圧CVD法等を用いて素子間分離溝であるトレンチを埋め込みようにNDPOS59を堆積すれば図3の構造が実現できる。NDPOSのかわりに10〜50%の酸素を添加したSIPOSでもよい。なお、図3はいわゆるマルチチャンネル構造の場合で、図3(b)に示したものはW=1μmのn+ np+ ダイオードが1000個並列接続された構造の一部が示されているのである。このようにすることにより、逆回復電荷Qrrが対さく、高速ターンオフ可能でしかも大電流を流すことのできるダイオードが可能となる。
【0019】
図4は本発明の第3の実施例に係り、n+ カソード拡散層4、p+ アノード拡散層3を共にトレンチ側壁を介して、横方向拡散により形成し、各拡散層が底面絶縁膜5に達するようにしたものである。図3の場合はp+ アノード拡散層3がn型半導体層2の表面近傍にしか形成されていないので、若干のダイオード動作の主電流通路の実効部分となる体積にはならない部分が発生するが、図4の構造にすれば、過剰なキャリアが蓄積するような余分な体積部分がなくなり、逆回復電荷Qrrを小さくすることができる。したがって高速ターンオフが可能となる。図4(a)は図4(b)のA−A方向から見た断面図であるが、長手方向に素子間分離溝を介してp+ nn+ ダイオードが配列された場合の一部を示している。これらのp+ nn+ ダイオードを直列接続すれば高耐圧でかつ高速スイッチングのダイオードが得られる。p+ アノード拡散層3の横方向拡散は、たとえばガスソースのBBr3 や固体ソースのBNを用いればよい。
【0020】
本発明の第3の実施例の構造は以下のような工程により容易に製造できる。すなわち,
(イ)SDB法等により半導体基板55上に底面絶縁膜5を介してn型半導体層2を形成する第1の工程、
(ロ)n型半導体層2の表面から、n型半導体層2の表面に対して実質的に垂直な側壁を有する第1のトレンチを図4(a)の左側部分に形成し,
第1のトレンチに対してPOCl3 等によりn+ 拡散を行ないn+ カソード領域4を形成し、その後第1のトレンチの表面に素子間分離絶縁膜1を形成する第2の工程,
(ハ)n型半導体層2の表面から、n型半導体層2の表面に対して実質的に垂直な側壁を有する第2のトレンチを図4(a)の右側部分に第1のトレンチとは所定の距離だけ離して形成し、この第2のトレンチに対しBBr3 等を用いてp+ 拡散を行ない、p+ アノード領域3を形成する第3の工程(たとえば950〜1000℃でBBr3 を30分間デポジションし、デポジションによって形成されたBSG膜を除去後、さらに1100℃で15分間ドライブインすればよい), (ニ)第1および第2のトレンチに連続して図4(b)に示すように第3および第4のトレンチを形成し、第1〜第4のトレンチでn型半導体層2を囲う第4の工程
(ホ)第1〜第4のトレンチの表面にSiO2 膜等の素子間分離絶縁膜1を形成し、さらにその後第1〜第4のトレンチをポリシリコン等の素子間分離穴埋め物59で埋め込む第5の工程、
(ヘ)n型半導体層2の表面に酸化膜等の表面絶縁層6を形成し、n+ カソード領域4,p+ カソード領域3の上部の所定の部分にコンタクトホールを開孔して、Al,Al−Si等の金属薄膜を蒸着し、フォトリソグラフィーによりパターン形成し,カソード電極7およびアノード電極8を形成する第6工程によればよい。
【0021】
図5は本発明の第4の実施例に係るダイオードの上面図を示す。断面図は本発明の第1〜第3の実施例と同様なので省略する。また、簡単化のために図5の上面図においてもカソード電極7、アノード電極8やこれらに接続される金属配線層およびボンディングパッド等は図示を省略している。
【0022】
本発明の第4の実施例においてはn+ カソード拡散層4側の幅WK を8μm、p+ アノード拡散層3側の幅WA を2μmとしている。すなわち、ダイオードのターンオフ時の逆回復電荷Qrrに寄与するのはアノード前面のn型半導体層2中のキャリアであるので、アノード前面の幅WA のみを狭くしている。WA =2μmは例示であり2μmである必要はなくWA <5μmならばQrrは小さくなり高速ターンオフが可能となる。なお、n- 半導体層のかわりに不純物密度5×1011〜2×1012cm-3以下のi層を用いてもよい。p+ アノード拡散層の前面の面積よりも、n+ カソード拡散層4側の面積が大きくなるので、n+ カソード拡散層4からの実効的な電子の注入効率が増大し、しかもターンオフが速くなる。低オン抵抗化と、高速スイッチング化とはトレードオフ関係にあるが、本発明により、オン抵抗RONとターンオフタイムτOFF のトレードオフカーブはより小さな値側にシフトする。
【0023】
図6(a)は本発明の第5の実施例に係るIGBTの上面図で、図6(b)は図6(a)のA−A方向断面図である。図6のIGBTはSi基板55上に底面絶縁膜5を介してn型半導体層2が形成されたSOI基板で厚さtは15μmであるが、幅Wは2μmである。n型半導体層2の表面からpベース層44が形成され、その表面にn+ エミッタ領域42が形成されている。pベース層44の表面には厚さ70nmのゲート絶縁膜46を介してドープドポリシリコン(DOPOS)からなるゲート電極45が形成されている。またn+ エミッタ領域42とpベース層44の両方に接触するように金属エミッタ電極47が形成されている。n型半導体層2の表面の一部にはp+ コレクタ領域43が形成され、p+ コレクタ領域43の表面には金属コレクタ電極48が形成されている。なお、簡単化のため図6(a)では金属エミッタ電極47,金属コレクタ電極48,ゲート電極45の図示を省略している。図6からわかるようにn型半導体層2の表面には厚さ350nmのSiO2 からなる絶縁膜6が形成され、この絶縁膜6中に形成されたコンタクトホールを介して金属エミッタ電極47,金属コレクタ電極48が形成されている。
【0024】
またn型半導体層2の周辺に配置された側壁に形成された厚さ300nmのトレンチ側壁絶縁膜1の外側はNDPOSからなる素子間分離溝穴埋め物59が形成されている。NDPOSのかわりに酸素添加のポリシリコンすなわちSIPOSでもよい。
【0025】
本発明の第5の実施例においては図6に示したように、活性層の厚さtに対し、電流に沿った1対のトレンチ側壁絶縁膜の相互の距離Wを小さくしてあることが特徴である。このような構造とする事でIGBTの活性領域の有効体積を小さく抑えることができる。そのため、IGBTのフォールタイムを短かくすることができる。本発明の第5の実施例においてはW=2μmの場合で図示したが、W=5μm以下にすればフォールタイムは短かくできるので、その他の加工技術や、電流容量とを考慮してW=5μm以下の所望の値に選べばよい。また100A、あるいは1000A以上といった大電流の素子では、これらのW=5μm以下の素子を並列接続したマルチチャンネル構造とすればよい。活性層の厚さtは5〜20μmの範囲で目的に応じて選べばよい。なお、深さ5〜20μmの垂直側壁を有したトレンチは本発明の第1の実施例と同様に,SF6 +O2 ,CCl4 等を用いたRIE、あるいはECRイオンエッチングを用いれば容易に形成できる。
【0026】
図7(a)は本発明の第6の実施例に係るIGBTの上面図で、図7(b)は図7(a)のA−A方向断面図である。図7のIGBTはSi基板55上に底面絶縁膜5を介してn型半導体層2が形成されたSOI基板で厚さtは20μmであるが、幅Wは1.5μmである。n型半導体層2の左側は底面絶縁膜5に達するまでn+ エミッタ層42,pベース層44が形成されている。又、n型半導体層2の右側はn型半導体層2の表面から底面絶縁膜5に達するまでp+ コレクタ領域43が形成されている。n+ エミッタ層42,pベース層44はn型半導体層2の左側のトレンチを用いて、トレンチ側壁からボロン(B)およびリン(P)の二重拡散で形成すればよい。p+ コレクタ領域43はn型半導体層2の右側のトレンチを用いて、トレンチ側壁からボロン(B)の拡散をすればよい。図7(a)に示されるように、pベース層44の側壁部には100nmのゲート酸化膜46を介してDOPOSからなるゲート電極45がトレンチの内部に埋め込んで形成されている。またn+ エミッタ領域42とpベース層44の両方に接触するように金属エミッタ電極47が形成され,p+ コレクタ領域43の表面には金属コレクタ電極48が形成されている。なお、簡単化のため図7(a)では金属エミッタ電極47,金属コレクタ電極48,ゲート電極45の図示を省略している。図7(b)からわかるようにn型半導体層2の表面には厚さ350nmのSiO2 からなる絶縁膜6が形成され、この絶縁膜6中に形成されたコンタクトホールを介して金属エミッタ電極47,金属コレクタ電極48が形成されている。またn型半導体層2の周辺に配置された側壁に形成された厚さ300nmのトレンチ側壁絶縁膜1の外側はNDPOSからなる素子間分離溝穴埋め物59が形成されている。NDPOSのかわりに酸素添加のポリシリコンすなわちSIPOSでもよい。
【0027】
本発明の第6の実施例においては図7に示したように、活性層の厚さtに対し、電流に沿った1対のトレンチ側壁絶縁膜の相互の距離Wを小さくしてあることが特徴である。このような構造とする事でIGBTの活性領域の有効体積を小さく抑えることができる。そのため、IGBTのフォールタイムを短かくすることができる。本発明の第6の実施例においてはW=1.5μmの場合で図示したが、W=5μm以下にすればフォールタイムは短かくできるので、その他の加工技術や、電流容量とを考慮してW=5μm以下の所望の値に選べばよい。また1000A以上といった大電流の素子では、これらのW=5μm以下の素子を並列接続したマルチチャンネル構造とすればよい。また活性層の厚さtも5〜20μmの間で任意に選んでよい。なお、深さ5〜20μmの垂直側壁を有したトレンチは本発明の第1の実施例と同様にRIE、あるいはECRイオンエッチングを用いれば容易に形成できる。本発明の実施例で示した寸法等は例示であり、本発明の趣旨に適合した範囲で選べばよい。
【0028】
なお、本発明の第6の実施例のpベース領域44を省略し、図7(a)のゲート酸化膜46の形成されている側壁部分をp+ 拡散窓としてp+ ゲート領域をトレンチ側壁から薄く拡散すれば、たとえば中央部にn型半導体層2が残る程度に両側から0.5μm程度拡散すれば、静電誘導型サイリスタ(SIサイリスタ)を構成でき、この場合も極めて高速なターンオフが可能となる。
【0029】
【発明の効果】
本発明によれば、ライフタイムコントロールをしなくても高速なダイオードやIGBT等の半導体装置を実現できる。
【0030】
本発明によれば極めて容易にダイオード構造が製造できるので、製造工程中にプロセス誘起欠陥の発生等もなく、高速かつ高耐圧な半導体装置が実現できる。
【0031】
したがってこのダイオード構造を基礎としたIGBTやSIサイリスタ等の種々の半導体装置の高速スイッチングが可能となる。
【0032】
本発明によれば、カソード拡散層、アノード拡散層を深く形成し、かつ平面のパターンを微細化することができるので、実効的なチャネル面積が増大し、チップ面積当りのオン抵抗RONが低減し、しかもターンオフタイムτOFF が短くなる。したがってRON−τOFF トレードオフカーブがより小さな値側にシフトし、高速,低損失のスイッチングが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例に係るp+ nn+ ダイオードの鳥かん図。
【図2】図1の三面図で(a)は上面図、(b)は(a)のA−A方向から見た断面図、(c)は(a)のB−B方向から見た断面図。
【図3】本発明の第2の実施例に係るp+ nn+ ダイオードの(a)断面図、および(b)上面図である。
【図4】本発明の第3の実施例に係るp+ nn+ ダイオードの(a)断面図、および(b)上面図である。
【図5】本発明の第4の実施例に係るp+ n- n+ ダイオードの上面図。
【図6】本発明の第5の実施例に係るIGBTの(a)上面図、および(b)断面図である。
【図7】本発明の第6の実施例に係るIGBTの(a)上面図、および(b)断面図である。
【図8】薄型活性層基板(SOI基板)を用いたときの従来のダイオードの断面図。
【図9】SDB方式のSOI基板を用いた場合の従来のDI技術によるダイオードの断面図。
【図10】EPIC方式の基板を用いた場合の従来のダイオードの断面図。
【図11】ダイオードのターンオフ時の逆回復波形。
【図12】SOI層の厚さとフォールタイムとの関係を示す図。
【符号の説明】
1 トレンチ側壁絶縁層
2 n型半導体層(ドリフト層)
3 p+ アノード拡散層
4 n+ カソード拡散層
5 底面絶縁膜
6 表面絶縁層
7 金属カソード電極
8 金属アノード電極
25 n+ 層
42 n+ エミッタ領域
43 p+ コレクタ領域
44 pベース層
45 ゲート電極
46 ゲート絶縁膜
47 エミッタ電極
48 コレクタ電極
51 p- エピタキシャル層
55 基板
58,59 素子間分離溝穴埋め物(NDPOS)
Claims (7)
- 半導体基板上に形成された底面絶縁膜と、
該底面絶縁膜上に、実質的に垂直な側壁部を有して形成された、厚みtで、第1導電型の半導体層と、
該半導体層の側壁部に形成された素子間分離絶縁膜と、
該半導体層中に形成された第1導電型の第1の主電極領域、および第2導電型の第2の主電極領域
とを具備し、
該第1および第2の主電極領域との間に形成される電流経路領域の該素子分離絶縁膜に挟まれた部分の幅Wが前記厚みtより小さく且つ5μm以下であることを特徴とする半導体装置。 - 前記厚みtが5μm以上であることを特徴とする請求項1記載の半導体装置。
- 前記第1および第2の主電極領域の少なくとも一方は、前記半導体層の表面から、前記底面絶縁膜に達するまで形成されていることを特徴とする請求項2記載の半導体装置。
- 前記幅Wは第1の主電極領域の近傍の幅WK と第2の主電極領域近傍の幅WA とからなり、WA もしくはWK の一方のみを5μm以下としたことを特徴とする請求項1記載の半導体装置。
- 前記第1の主電極領域と前記半導体層との界面部分に形成された第2導電型のベース領域と、
該ベース領域の側面に位置する前記素子間分離絶縁膜の一部をゲート絶縁膜として用い、該ゲート絶縁膜を介して該ベース領域に電圧を印加するゲート手段
をさらに具備することを特徴とする請求項1記載の半導体装置。 -
前記第1および第2の主電極領域は、前記素子分離絶縁膜に接して形成されていることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の半導体装置。 -
前記第1の主電極領域と前記第2の主電極領域との間の距離lは、前記幅Wより長いことを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の半導体装置。
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