JP3781483B2 - 射出成形機のスクリュ支持方法及び装置 - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は単一の駆動部材により平行に配した複数軸のスクリュを支持する射出成形機のスクリュ支持方法及び装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、スクリュに対する成形材料の食込性及び可塑化時における樹脂の混練性を高めることを目的とした二軸のスクリュを備える成形装置は、特開昭50−150763号公報で知られている。
【0003】
ところで、一般的な射出成形機のように、射出シリンダの射出ピストン(駆動部材)により一軸のスクリュを支持する場合には、射出ピストンとスクリュが一体に回転可能となるが、射出ピストンにより二軸のスクリュを支持する場合には、スクリュの回転時に射出ピストンを回転させることが不可能となるため、各スクリュは射出ピストンに対して回転可能に結合する必要がある。
【0004】
このため、上記公報に開示される従来の成形装置では、射出ピストンと各スクリュ間にベアリングを配設し、このベアリングを介して射出ピストンと各スクリュを回転可能に結合していた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上述した従来の成形装置におけるスクリュ支持構造は、次のような問題点があった。
【0006】
即ち、押出成形機として用いる場合には、成形時のスクリュに付与されるスラスト荷重の大きさは、概ね300〜350kg/cm2程度であるため、スクリュを支持するベアリングは当該スラスト荷重に十分耐えることができるが、射出成形機として用いる場合には、射出時(スクリュ前進時)のスラスト荷重が、通常、1500〜2000kg/cm2程度になるため、かなり大きな荷重がベアリングに付与されることになる。
【0007】
このため、ベアリングを用いた従来のスクリュ支持構造では、ベアリングの変形や破損等を招く虞れがあり信頼性を確保できないとともに、成形できる成形品がスラスト荷重の大きさに制限されてしまう難点があった。
【0008】
本発明はこのような従来の技術に存在する課題を解決したものであり、駆動部材によりスクリュを支持する際における信頼性を飛躍的に高めることができるとともに、スクリュに付与されるスラスト荷重の大きさに制限されることなく射出成形を行うことができる射出成形機のスクリュ支持方法及び装置の提供を目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段及び実施の形態】
本発明に係る射出成形機のスクリュ支持方法は、単一の駆動部材2により平行に配した複数軸のスクリュ3x,3yを支持するに際し、駆動部材2の先端の凹部21に設けた複数のシリンダ部4x,4yにより、各スクリュ3x,3yの後端軸部5x,5yを軸方向に変位自在に支持するとともに、スクリュ3x,3yの回転駆動時に、後端軸部5x,5yの外周面とシリンダ部4x,4yの内周面間の隙間及び凹部21と後端軸部5x,5yの後端面間に圧油を供給して当該後端軸部5x,5yを設定位置Psまで変位させることによりシリンダ部4x,4yと後端軸部5x,5yを非接触にし、かつスクリュ3x,3yの前進駆動時に、圧油の供給を解除して後端軸部5x,5yの後端面を凹部21に当接させるようにしたことを特徴とする。
【0010】
また、本発明に係る射出成形機のスクリュ支持装置1は、駆動部材2の先端の凹部21に複数のシリンダ部4x,4yを設け、シリンダ部4x,4yにより各スクリュ3x,3yの後端軸部5x,5yを軸方向に変位自在に支持するとともに、スクリュ3x,3yの回転駆動時に、後端軸部5x,5yの外周面とシリンダ部4x,4yの内周面間の隙間及び凹部21と後端軸部5x,5yの後端面間に圧油を供給して当該後端軸部5x,5yを設定位置Psまで変位させることによりシリンダ部4x,4yと後端軸部5x,5yを非接触にし、かつスクリュ3x,3yの前進駆動時に、圧油の供給を解除して後端軸部5x,5yの後端面を凹部21に当接させる油圧回路部6を備えることを特徴とする。
【0011】
この場合、好適な実施の形態により、油圧回路部6は後端軸部5x,5yの軸方向における位置を検出する位置センサ7を有するとともに、シリンダ部4x,4yと後端軸部5x,5y間に圧油を供給した際に、後端軸部5x,5yが設定位置Psとなるように圧油の供給を制御する制御部8を備える。また、隙間Ssx,Ssyには、一又は二以上の螺旋状の油通路Sr…が含まれる。
【0012】
これにより、スクリュ3x,3yの回転駆動時には、後端軸部5x,5yの外周面とシリンダ部4x,4yの内周面間の隙間及び凹部21と後端軸部5x,5yの後端面間に圧油が供給されるため、シリンダ部4x,4yと後端軸部5x,5yは非接触になり、スクリュ3x,3yは円滑に回転するとともに、スクリュ3x,3yの前進駆動時には、圧油の供給が解除されるため、後端軸部5x,5yの後端面と凹部21が接触し、スクリュ3x,3yは駆動部材2と一体となって前進する。
【0013】
【実施例】
次に、本発明に係る好適な実施例を挙げ、図面に基づき詳細に説明する。
【0014】
まず、本実施例に係るスクリュ支持装置1を備える射出成形機Mの全体的構成について、図5及び図6を参照して説明する。
【0015】
図5中、Nは射出成形機Mにおける型締装置を除く射出装置を示す。11は加熱筒であり、前端に射出ノズル12を有するとともに、後部にはホッパー(材料供給口)13を有する。
【0016】
また、加熱筒11の内部には図6に示す左右一対のスクリュ挿通孔14x,14yを有し、各スクリュ挿通孔14x,14yにはスクリュ3x,3yをそれぞれ挿入する。これにより、スクリュ3xと3yは平行に配した二軸のスクリュ機構を構成する。この場合、スクリュ3x,3yに設けた螺旋条3xs,3ysはそれぞれ反対方向となる。
【0017】
一方、加熱筒11の後端にはスクリュ駆動装置15を備え、スクリュ駆動装置15はスクリュ3x,3yを進退駆動するスクリュ進退駆動部16と、スクリュ3x,3yを回転駆動するスクリュ回転駆動部17を備える。スクリュ進退駆動部16は射出シリンダ18を有し、この射出シリンダ18には片ロッドタイプの射出ピストン2p(駆動部材2)を内蔵する。なお、射出ピストン2pは前方に突出したピストンロッド19を有する。そして、射出ピストン2p(ピストンロッド19)の前端にはスクリュ支持装置1を設けて各スクリュ3x,3yの後端を支持する。
【0018】
次に、スクリュ支持装置1及びスクリュ回転駆動部17の構成について、図1〜図4を参照して説明する。
【0019】
まず、ピストンロッド19の前端面には凹部21を形成し、この凹部21に軸受部材20を嵌着する。この場合、凹部21に挿入する軸受部材20の端面と凹部21の底面間には油室22を設ける。一方、軸受部材20には一対のシリンダ部4x,4yを設ける。各シリンダ部4x,4yの内端は油室22を介して相連通する。また、各シリンダ部4x,4yの内周面にはそれぞれ螺旋溝状の油通路Sr…を設ける。図2はシリンダ部4xの内周面を展開した油通路Sr…を示す。なお、実施例の油通路Sr…は3本であり、各油通路Sr…はそれぞれ独立し、両端は閉じている。さらに、軸受部材20の内部には図3に示すように、油ジャケット23を設け、この油ジャケット23と各油通路Sr…の一端部を連通接続するとともに、油ジャケット23は圧油の給油ポート24に連通接続する。
【0020】
他方、スクリュ3x,3yの後端には後端軸部5x,5yを設け、この後端軸部5x,5yをシリンダ部4x,4yに挿入する。この場合、後端軸部5x,5yの径は、シリンダ部4x,4yに挿入した際に、図4に示すように、当該後端軸部5x,5yの外周面とシリンダ部4x,4yの内周面間に、僅かなクリアランスLcが生ずる大きさを選定する。このクリアランスLcと油通路Sr…は、圧油が侵入可能な隙間Ssx,Ssyを構成する。一方、ピストンロッド19には油室22に連通する排油ポート25を設ける。また、凹部21の底面には後端軸部5xの端面に対向する位置センサ7を配設する。この位置センサ7は、後端軸部5xの軸方向の位置を検出する。なお、実施例は後端軸部5x側にのみ位置センサ7を設けたが、後端軸部5xと5y側の双方に設けてもよい。
【0021】
6は油圧回路部である。油圧回路部6は油圧ポンプ31,リリーフ弁32,方向切換弁33,メータアウト回路を構成するリリーフ弁34を備え、この油圧回路部6には前記給油ポート24と排油ポート25を接続する。また、油圧回路部6には制御部8を備える。制御部8の入力側には前記位置センサ7及び射出シリンダ18の圧力を検出する圧力センサ35を接続するとともに、出力側には方向切換弁33及びドライバ36を介してリリーフ弁34を接続する。なお、37は制御部8に接続した中央コントローラを示す。中央コントローラ37ではシリンダ部4x,4yと後端軸部5x,5y間に圧油を供給した際における後端軸部5x,5yの変位量、即ち、設定位置Psを設定して制御部8に付与する。
【0022】
一方、シリンダ部4x,4yから露出した後端軸部5x,5yの前部にはギア部41x,41yをそれぞれ設け、各ギア部41xと41yは相噛合させる。また、一方のギア部41yには伝達ギア部42を噛合させ、この伝達ギア部42に対して不図示の回転駆動部から回転が伝達されるように構成する。これにより、スクリュ回転駆動部17が構成される。また、各ギア部41xと41yの前方に位置するスクリュ3x,3yの後端は、軸受部材20に一体に取付けた軸受プレート43により回動自在に支持される。なお、R…はOリングを示す。
【0023】
次に、本実施例に係るスクリュ支持方法を含むスクリュ支持装置1の機能について、各図を参照して説明する。
【0024】
まず、スクリュ3x,3yの回転駆動時(計量時)には、スクリュ回転駆動部17によりスクリュ3x,3yが回転する。即ち、伝達ギア部42の回転はギア部41y、さらに、ギア部41xに伝達され、スクリュ3x,3yはそれぞれ反対方向に同一速度で回転する。これにより、材料供給口13から供給される成形材料は加熱筒11内で可塑化混練されるとともに、溶融樹脂はスクリュ3x,3yの前方に計量蓄積され、スクリュ3x,3yは後退する。この場合、二軸のスクリュ機構により、一軸のスクリュに比べてスクリュ3x,3yに対する成形材料の食込性及び可塑時における樹脂の混練性が高められる。
【0025】
また、スクリュ3x,3yの回転駆動時には、方向切換弁33が切換えられ、油圧回路部6から給油ポート24に圧油が供給されるとともに、さらに、圧油は油ジャケット23を介して油通路Sr…を含む隙間Ssx,Ssyに供給される。この結果、圧油はシリンダ部4x,4yの内周面と後端軸部5x,5yの外周面間に侵入し、後端軸部5x,5yに対しラジアル方向に圧油が作用する。これにより、後端軸部5x,5yは軸中心に位置し、シリンダ部4x,4yの内周面と後端軸部5x,5yの外周面は非接触となる。
【0026】
さらに、隙間Ssx,Ssyに供給された圧油は油室22に供給され、後端軸部5x,5yの端面に油圧が作用することにより、後端軸部5x,5yを前方に変位させる。この際の変位量Lsは位置センサ7により検出し、制御部8はリリーフ弁34をフィードバック制御することにより、後端軸部5x,5yを設定位置Psに維持する。なお、設定位置Psまでの変位量Lsは、通常、0.1〜1.0mm程度に設定する。この結果、後端軸部5x,5yの端面とシリンダ部4x,4yの底面は非接触となる。
【0027】
この場合、圧油は油通路Sr…を含む隙間Ssx,Ssyを介して油室22に供給されるため、後端軸部5x,5yの外周面に作用する油圧は、隙間Ssx,Ssyにより生ずる流体抵抗によって、後端軸部5x,5yの端面に作用する油圧よりも高くなり、安定かつ的確な支持圧力が得られる。よって、スクリュ3x,3yの回転時には、シリンダ部4x,4yと後端軸部5x,5yは非接触状態が維持され、スクリュ3x,3yは円滑に回転する。
【0028】
他方、スクリュ3x,3yの前進駆動時(射出時)には、スクリュ進退駆動部16における射出シリンダ18により射出ピストン2pが前進し、スクリュ3x,3yの前方に計量された溶融樹脂が射出ノズル12から不図示の金型内に射出充填される。
【0029】
また、スクリュ3x,3yの前進駆動時には、方向切換弁33を切換えることにより、給油ポート24に対する圧油の供給を解除する。これにより、シリンダ部4x,4yと後端軸部5x,5yは接触し、スクリュ3x,3yは駆動部材2と一体に前進する。
【0030】
以上、実施例について詳細に説明したが、本発明はこのような実施例に限定されるものではない。例えば、実施例は二軸のスクリュを例示したが、三軸以上のスクリュであってもよい。また、駆動部材は射出ピストンを例示したが、サーボモータにより前進する駆動部材であってもよい。その他、細部の構成,形状,手法等において、本発明の要旨を逸脱しない範囲で任意に実施できる。
【0031】
【発明の効果】
このように、本発明に係る射出成形機のスクリュ支持方法は、単一の駆動部材により平行に配した複数軸のスクリュを支持するに際し、駆動部材の先端の凹部に設けた複数のシリンダ部により、各スクリュの後端軸部を軸方向に変位自在に支持するとともに、スクリュの回転駆動時に、後端軸部の外周面とシリンダ部の内周面間の隙間及び凹部と後端軸部の後端面間に圧油を供給して後端軸部を設定位置まで変位させることによりシリンダ部と後端軸部を非接触にし、かつスクリュの前進駆動時に、圧油の供給を解除して後端軸部の後端面を凹部に当接させ、また、本発明に係る射出成形機のスクリュ支持装置は、駆動部材の先端の凹部に複数のシリンダ部を設け、シリンダ部により各スクリュの後端軸部を軸方向に変位自在に支持するとともに、スクリュの回転駆動時に、後端軸部の外周面とシリンダ部の内周面間の隙間及び凹部と後端軸部の後端面間に圧油を供給して後端軸部を設定位置まで変位させることによりシリンダ部と後端軸部を非接触にし、かつスクリュの前進駆動時に、圧油の供給を解除して後端軸部の後端面を凹部に当接させる油圧回路部を備えるため、駆動部材によりスクリュを支持する際における信頼性を飛躍的に高めることができるとともに、スクリュに付与されるスラスト荷重の大きさに制限されることなく射出成形を行うことができるという顕著な効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るスクリュ支持装置の油圧回路部を含む断面側面図、
【図2】同スクリュ支持装置を構成するシリンダ部における内周面の展開図、
【図3】同スクリュ支持装置におけるシリンダ部と後端軸部の断面正面図、
【図4】本発明に係る射出成形機のスクリュ支持装置の要部を示す拡大断面側面図、
【図5】同スクリュ支持装置を備える射出成形機の全体的断面側面図、
【図6】同射出成形機の加熱筒における断面正面図、
【符号の説明】
1 スクリュ支持装置
2 駆動部材
3x… スクリュ
4x… シリンダ部
5x… 後端軸部
6 油圧回路部
7 位置センサ
8 制御部
21 凹部
Ps 設定位置
Ssx 隙間
Sr… 油通路
【発明の属する技術分野】
本発明は単一の駆動部材により平行に配した複数軸のスクリュを支持する射出成形機のスクリュ支持方法及び装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、スクリュに対する成形材料の食込性及び可塑化時における樹脂の混練性を高めることを目的とした二軸のスクリュを備える成形装置は、特開昭50−150763号公報で知られている。
【0003】
ところで、一般的な射出成形機のように、射出シリンダの射出ピストン(駆動部材)により一軸のスクリュを支持する場合には、射出ピストンとスクリュが一体に回転可能となるが、射出ピストンにより二軸のスクリュを支持する場合には、スクリュの回転時に射出ピストンを回転させることが不可能となるため、各スクリュは射出ピストンに対して回転可能に結合する必要がある。
【0004】
このため、上記公報に開示される従来の成形装置では、射出ピストンと各スクリュ間にベアリングを配設し、このベアリングを介して射出ピストンと各スクリュを回転可能に結合していた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上述した従来の成形装置におけるスクリュ支持構造は、次のような問題点があった。
【0006】
即ち、押出成形機として用いる場合には、成形時のスクリュに付与されるスラスト荷重の大きさは、概ね300〜350kg/cm2程度であるため、スクリュを支持するベアリングは当該スラスト荷重に十分耐えることができるが、射出成形機として用いる場合には、射出時(スクリュ前進時)のスラスト荷重が、通常、1500〜2000kg/cm2程度になるため、かなり大きな荷重がベアリングに付与されることになる。
【0007】
このため、ベアリングを用いた従来のスクリュ支持構造では、ベアリングの変形や破損等を招く虞れがあり信頼性を確保できないとともに、成形できる成形品がスラスト荷重の大きさに制限されてしまう難点があった。
【0008】
本発明はこのような従来の技術に存在する課題を解決したものであり、駆動部材によりスクリュを支持する際における信頼性を飛躍的に高めることができるとともに、スクリュに付与されるスラスト荷重の大きさに制限されることなく射出成形を行うことができる射出成形機のスクリュ支持方法及び装置の提供を目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段及び実施の形態】
本発明に係る射出成形機のスクリュ支持方法は、単一の駆動部材2により平行に配した複数軸のスクリュ3x,3yを支持するに際し、駆動部材2の先端の凹部21に設けた複数のシリンダ部4x,4yにより、各スクリュ3x,3yの後端軸部5x,5yを軸方向に変位自在に支持するとともに、スクリュ3x,3yの回転駆動時に、後端軸部5x,5yの外周面とシリンダ部4x,4yの内周面間の隙間及び凹部21と後端軸部5x,5yの後端面間に圧油を供給して当該後端軸部5x,5yを設定位置Psまで変位させることによりシリンダ部4x,4yと後端軸部5x,5yを非接触にし、かつスクリュ3x,3yの前進駆動時に、圧油の供給を解除して後端軸部5x,5yの後端面を凹部21に当接させるようにしたことを特徴とする。
【0010】
また、本発明に係る射出成形機のスクリュ支持装置1は、駆動部材2の先端の凹部21に複数のシリンダ部4x,4yを設け、シリンダ部4x,4yにより各スクリュ3x,3yの後端軸部5x,5yを軸方向に変位自在に支持するとともに、スクリュ3x,3yの回転駆動時に、後端軸部5x,5yの外周面とシリンダ部4x,4yの内周面間の隙間及び凹部21と後端軸部5x,5yの後端面間に圧油を供給して当該後端軸部5x,5yを設定位置Psまで変位させることによりシリンダ部4x,4yと後端軸部5x,5yを非接触にし、かつスクリュ3x,3yの前進駆動時に、圧油の供給を解除して後端軸部5x,5yの後端面を凹部21に当接させる油圧回路部6を備えることを特徴とする。
【0011】
この場合、好適な実施の形態により、油圧回路部6は後端軸部5x,5yの軸方向における位置を検出する位置センサ7を有するとともに、シリンダ部4x,4yと後端軸部5x,5y間に圧油を供給した際に、後端軸部5x,5yが設定位置Psとなるように圧油の供給を制御する制御部8を備える。また、隙間Ssx,Ssyには、一又は二以上の螺旋状の油通路Sr…が含まれる。
【0012】
これにより、スクリュ3x,3yの回転駆動時には、後端軸部5x,5yの外周面とシリンダ部4x,4yの内周面間の隙間及び凹部21と後端軸部5x,5yの後端面間に圧油が供給されるため、シリンダ部4x,4yと後端軸部5x,5yは非接触になり、スクリュ3x,3yは円滑に回転するとともに、スクリュ3x,3yの前進駆動時には、圧油の供給が解除されるため、後端軸部5x,5yの後端面と凹部21が接触し、スクリュ3x,3yは駆動部材2と一体となって前進する。
【0013】
【実施例】
次に、本発明に係る好適な実施例を挙げ、図面に基づき詳細に説明する。
【0014】
まず、本実施例に係るスクリュ支持装置1を備える射出成形機Mの全体的構成について、図5及び図6を参照して説明する。
【0015】
図5中、Nは射出成形機Mにおける型締装置を除く射出装置を示す。11は加熱筒であり、前端に射出ノズル12を有するとともに、後部にはホッパー(材料供給口)13を有する。
【0016】
また、加熱筒11の内部には図6に示す左右一対のスクリュ挿通孔14x,14yを有し、各スクリュ挿通孔14x,14yにはスクリュ3x,3yをそれぞれ挿入する。これにより、スクリュ3xと3yは平行に配した二軸のスクリュ機構を構成する。この場合、スクリュ3x,3yに設けた螺旋条3xs,3ysはそれぞれ反対方向となる。
【0017】
一方、加熱筒11の後端にはスクリュ駆動装置15を備え、スクリュ駆動装置15はスクリュ3x,3yを進退駆動するスクリュ進退駆動部16と、スクリュ3x,3yを回転駆動するスクリュ回転駆動部17を備える。スクリュ進退駆動部16は射出シリンダ18を有し、この射出シリンダ18には片ロッドタイプの射出ピストン2p(駆動部材2)を内蔵する。なお、射出ピストン2pは前方に突出したピストンロッド19を有する。そして、射出ピストン2p(ピストンロッド19)の前端にはスクリュ支持装置1を設けて各スクリュ3x,3yの後端を支持する。
【0018】
次に、スクリュ支持装置1及びスクリュ回転駆動部17の構成について、図1〜図4を参照して説明する。
【0019】
まず、ピストンロッド19の前端面には凹部21を形成し、この凹部21に軸受部材20を嵌着する。この場合、凹部21に挿入する軸受部材20の端面と凹部21の底面間には油室22を設ける。一方、軸受部材20には一対のシリンダ部4x,4yを設ける。各シリンダ部4x,4yの内端は油室22を介して相連通する。また、各シリンダ部4x,4yの内周面にはそれぞれ螺旋溝状の油通路Sr…を設ける。図2はシリンダ部4xの内周面を展開した油通路Sr…を示す。なお、実施例の油通路Sr…は3本であり、各油通路Sr…はそれぞれ独立し、両端は閉じている。さらに、軸受部材20の内部には図3に示すように、油ジャケット23を設け、この油ジャケット23と各油通路Sr…の一端部を連通接続するとともに、油ジャケット23は圧油の給油ポート24に連通接続する。
【0020】
他方、スクリュ3x,3yの後端には後端軸部5x,5yを設け、この後端軸部5x,5yをシリンダ部4x,4yに挿入する。この場合、後端軸部5x,5yの径は、シリンダ部4x,4yに挿入した際に、図4に示すように、当該後端軸部5x,5yの外周面とシリンダ部4x,4yの内周面間に、僅かなクリアランスLcが生ずる大きさを選定する。このクリアランスLcと油通路Sr…は、圧油が侵入可能な隙間Ssx,Ssyを構成する。一方、ピストンロッド19には油室22に連通する排油ポート25を設ける。また、凹部21の底面には後端軸部5xの端面に対向する位置センサ7を配設する。この位置センサ7は、後端軸部5xの軸方向の位置を検出する。なお、実施例は後端軸部5x側にのみ位置センサ7を設けたが、後端軸部5xと5y側の双方に設けてもよい。
【0021】
6は油圧回路部である。油圧回路部6は油圧ポンプ31,リリーフ弁32,方向切換弁33,メータアウト回路を構成するリリーフ弁34を備え、この油圧回路部6には前記給油ポート24と排油ポート25を接続する。また、油圧回路部6には制御部8を備える。制御部8の入力側には前記位置センサ7及び射出シリンダ18の圧力を検出する圧力センサ35を接続するとともに、出力側には方向切換弁33及びドライバ36を介してリリーフ弁34を接続する。なお、37は制御部8に接続した中央コントローラを示す。中央コントローラ37ではシリンダ部4x,4yと後端軸部5x,5y間に圧油を供給した際における後端軸部5x,5yの変位量、即ち、設定位置Psを設定して制御部8に付与する。
【0022】
一方、シリンダ部4x,4yから露出した後端軸部5x,5yの前部にはギア部41x,41yをそれぞれ設け、各ギア部41xと41yは相噛合させる。また、一方のギア部41yには伝達ギア部42を噛合させ、この伝達ギア部42に対して不図示の回転駆動部から回転が伝達されるように構成する。これにより、スクリュ回転駆動部17が構成される。また、各ギア部41xと41yの前方に位置するスクリュ3x,3yの後端は、軸受部材20に一体に取付けた軸受プレート43により回動自在に支持される。なお、R…はOリングを示す。
【0023】
次に、本実施例に係るスクリュ支持方法を含むスクリュ支持装置1の機能について、各図を参照して説明する。
【0024】
まず、スクリュ3x,3yの回転駆動時(計量時)には、スクリュ回転駆動部17によりスクリュ3x,3yが回転する。即ち、伝達ギア部42の回転はギア部41y、さらに、ギア部41xに伝達され、スクリュ3x,3yはそれぞれ反対方向に同一速度で回転する。これにより、材料供給口13から供給される成形材料は加熱筒11内で可塑化混練されるとともに、溶融樹脂はスクリュ3x,3yの前方に計量蓄積され、スクリュ3x,3yは後退する。この場合、二軸のスクリュ機構により、一軸のスクリュに比べてスクリュ3x,3yに対する成形材料の食込性及び可塑時における樹脂の混練性が高められる。
【0025】
また、スクリュ3x,3yの回転駆動時には、方向切換弁33が切換えられ、油圧回路部6から給油ポート24に圧油が供給されるとともに、さらに、圧油は油ジャケット23を介して油通路Sr…を含む隙間Ssx,Ssyに供給される。この結果、圧油はシリンダ部4x,4yの内周面と後端軸部5x,5yの外周面間に侵入し、後端軸部5x,5yに対しラジアル方向に圧油が作用する。これにより、後端軸部5x,5yは軸中心に位置し、シリンダ部4x,4yの内周面と後端軸部5x,5yの外周面は非接触となる。
【0026】
さらに、隙間Ssx,Ssyに供給された圧油は油室22に供給され、後端軸部5x,5yの端面に油圧が作用することにより、後端軸部5x,5yを前方に変位させる。この際の変位量Lsは位置センサ7により検出し、制御部8はリリーフ弁34をフィードバック制御することにより、後端軸部5x,5yを設定位置Psに維持する。なお、設定位置Psまでの変位量Lsは、通常、0.1〜1.0mm程度に設定する。この結果、後端軸部5x,5yの端面とシリンダ部4x,4yの底面は非接触となる。
【0027】
この場合、圧油は油通路Sr…を含む隙間Ssx,Ssyを介して油室22に供給されるため、後端軸部5x,5yの外周面に作用する油圧は、隙間Ssx,Ssyにより生ずる流体抵抗によって、後端軸部5x,5yの端面に作用する油圧よりも高くなり、安定かつ的確な支持圧力が得られる。よって、スクリュ3x,3yの回転時には、シリンダ部4x,4yと後端軸部5x,5yは非接触状態が維持され、スクリュ3x,3yは円滑に回転する。
【0028】
他方、スクリュ3x,3yの前進駆動時(射出時)には、スクリュ進退駆動部16における射出シリンダ18により射出ピストン2pが前進し、スクリュ3x,3yの前方に計量された溶融樹脂が射出ノズル12から不図示の金型内に射出充填される。
【0029】
また、スクリュ3x,3yの前進駆動時には、方向切換弁33を切換えることにより、給油ポート24に対する圧油の供給を解除する。これにより、シリンダ部4x,4yと後端軸部5x,5yは接触し、スクリュ3x,3yは駆動部材2と一体に前進する。
【0030】
以上、実施例について詳細に説明したが、本発明はこのような実施例に限定されるものではない。例えば、実施例は二軸のスクリュを例示したが、三軸以上のスクリュであってもよい。また、駆動部材は射出ピストンを例示したが、サーボモータにより前進する駆動部材であってもよい。その他、細部の構成,形状,手法等において、本発明の要旨を逸脱しない範囲で任意に実施できる。
【0031】
【発明の効果】
このように、本発明に係る射出成形機のスクリュ支持方法は、単一の駆動部材により平行に配した複数軸のスクリュを支持するに際し、駆動部材の先端の凹部に設けた複数のシリンダ部により、各スクリュの後端軸部を軸方向に変位自在に支持するとともに、スクリュの回転駆動時に、後端軸部の外周面とシリンダ部の内周面間の隙間及び凹部と後端軸部の後端面間に圧油を供給して後端軸部を設定位置まで変位させることによりシリンダ部と後端軸部を非接触にし、かつスクリュの前進駆動時に、圧油の供給を解除して後端軸部の後端面を凹部に当接させ、また、本発明に係る射出成形機のスクリュ支持装置は、駆動部材の先端の凹部に複数のシリンダ部を設け、シリンダ部により各スクリュの後端軸部を軸方向に変位自在に支持するとともに、スクリュの回転駆動時に、後端軸部の外周面とシリンダ部の内周面間の隙間及び凹部と後端軸部の後端面間に圧油を供給して後端軸部を設定位置まで変位させることによりシリンダ部と後端軸部を非接触にし、かつスクリュの前進駆動時に、圧油の供給を解除して後端軸部の後端面を凹部に当接させる油圧回路部を備えるため、駆動部材によりスクリュを支持する際における信頼性を飛躍的に高めることができるとともに、スクリュに付与されるスラスト荷重の大きさに制限されることなく射出成形を行うことができるという顕著な効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るスクリュ支持装置の油圧回路部を含む断面側面図、
【図2】同スクリュ支持装置を構成するシリンダ部における内周面の展開図、
【図3】同スクリュ支持装置におけるシリンダ部と後端軸部の断面正面図、
【図4】本発明に係る射出成形機のスクリュ支持装置の要部を示す拡大断面側面図、
【図5】同スクリュ支持装置を備える射出成形機の全体的断面側面図、
【図6】同射出成形機の加熱筒における断面正面図、
【符号の説明】
1 スクリュ支持装置
2 駆動部材
3x… スクリュ
4x… シリンダ部
5x… 後端軸部
6 油圧回路部
7 位置センサ
8 制御部
21 凹部
Ps 設定位置
Ssx 隙間
Sr… 油通路
Claims (7)
- 単一の駆動部材により平行に配した複数軸のスクリュを支持する射出成形機のスクリュ支持方法において、前記駆動部材の先端の凹部に設けた複数のシリンダ部により、各スクリュの後端軸部を軸方向に変位自在に支持するとともに、前記スクリュの回転駆動時に、前記後端軸部の外周面と前記シリンダ部の内周面間の隙間及び前記凹部と前記後端軸部の後端面間に圧油を供給して当該後端軸部を設定位置まで変位させることにより前記シリンダ部と前記後端軸部を非接触にし、かつ前記スクリュの前進駆動時に、前記圧油の供給を解除して前記後端軸部の後端面を前記凹部に当接させることを特徴とする射出成形機のスクリュ支持方法。
- 前記シリンダ部と前記後端軸部間に圧油を供給した際に、前記後端軸部の軸方向における位置を検出し、前記後端軸部が前記設定位置となるように前記圧油の供給を制御することを特徴とする請求項1記載の射出成形機のスクリュ支持方法。
- 前記隙間には一又は二以上の螺旋状の油通路を含むことを特徴とする請求項1記載の射出成形機のスクリュ支持方法。
- 単一の駆動部材により平行に配した複数軸のスクリュを支持する射出成形機のスクリュ支持装置において、前記駆動部材の先端の凹部に複数のシリンダ部を設け、前記シリンダ部により各スクリュの後端軸部を軸方向に変位自在に支持するとともに、前記スクリュの回転駆動時に、前記後端軸部の外周面と前記シリンダ部の内周面間の隙間及び前記凹部と前記後端軸部の後端面間に圧油を供給して当該後端軸部を設定位置まで変位させることにより前記シリンダ部と前記後端軸部を非接触にし、かつ前記スクリュの前進駆動時に、前記圧油の供給を解除して前記後端軸部の後端面を前記凹部に当接させる油圧回路部を備えることを特徴とする射出成形機のスクリュ支持装置。
- 前記駆動部材は射出シリンダの射出ピストンであることを特徴とする請求項4記載の射出成形機のスクリュ支持装置。
- 前記油圧回路部は前記後端軸部の軸方向における位置を検出する位置センサを有するとともに、前記シリンダ部と前記後端軸部間に圧油を供給した際に、前記後端軸部が前記設定位置となるように前記圧油の供給を制御する制御部を備えることを特徴とする請求項4記載の射出成形機のスクリュ支持装置。
- 前記隙間には一又は二以上の螺旋状の油通路を含むことを特徴とする請求項4記載の射出成形機のスクリュ支持装置。
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|---|---|---|---|
| JP21239896A JP3781483B2 (ja) | 1996-08-12 | 1996-08-12 | 射出成形機のスクリュ支持方法及び装置 |
Applications Claiming Priority (1)
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| JP21239896A Expired - Fee Related JP3781483B2 (ja) | 1996-08-12 | 1996-08-12 | 射出成形機のスクリュ支持方法及び装置 |
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- 1996-08-12 JP JP21239896A patent/JP3781483B2/ja not_active Expired - Fee Related
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| JPH1052840A (ja) | 1998-02-24 |
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