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JP3781486B2 - 希土類付活弗化ハロゲン化バリウム系蛍光体粉末およびその製造法 - Google Patents
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JP3781486B2 - 希土類付活弗化ハロゲン化バリウム系蛍光体粉末およびその製造法 - Google Patents

希土類付活弗化ハロゲン化バリウム系蛍光体粉末およびその製造法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、微粒子状の希土類付活弗化ハロゲン化バリウム系の輝尽性蛍光体の粒子からなる粉体、そしてその蛍光体粉末を有利に製造するのに適した製造法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来の写真フィルムを用いる放射線写真法に代わる方法として、輝尽性蛍光体を用いる放射線像変換方法が開発され、近年では広範囲に利用されている。この方法は、輝尽性蛍光体を含有する放射線像変換パネル(蓄積性蛍光体シート)を利用するもので、被写体を透過した、あるいは被検体から発せられた放射線を該パネルの輝尽性蛍光体に吸収させ、そののちに輝尽性蛍光体を可視光線、赤外線などの電磁波(励起光)で時系列的に励起することにより、該輝尽性蛍光体中に蓄積されている放射線エネルギーを蛍光(輝尽発光光)として放出させ、この蛍光を光電的に読み取って電気信号を得、次いで得られた電気信号に基づいて被写体あるいは被検体の放射線画像を可視像として再生するものである。読み取りを終えた該パネルは、残存する画像の消去が行なわれた後、次の撮影のために備えられる。すなわち、放射線像変換パネルは繰り返し使用することができる。
【0003】
輝尽性蛍光体は、放射線を照射した後、励起光を照射すると輝尽発光を示す蛍光体であるが、実用上では、波長が400〜900nmの範囲にある励起光によって300〜500nmの波長範囲の輝尽発光を示す蛍光体が一般的に利用される。そして、従来より放射線像変換パネルに用いられル輝尽性蛍光体としては、下記組成式(I):
Ba1-xII x FX:aMI ,bLn …(I)
(但し、MIIは、Mg、CaおよびSrからなる群より選ばれる少なくとも一種のアルカリ土類金属を表わし;Xは、Cl、BrおよびIからなる群より選ばれる少なくとも一種のハロゲンを表わし;MI は、Li、Na、K、Rb及びCsからなる群より選ばれる少なくとも一種のアルカリ金属を表わし;そしてLnはCe、Pr、Sm、Eu、Gd、Tb、TmおよびYbからなる群より選ばれる少なくとも一種の希土類金属を表わし;そして、x、aおよびbは、それぞれ、0≦x≦0.5、0<a≦0.05、及び0<b≦0.2の条件を満足する数値である。)
で表わされる希土類付活弗化ハロゲン化バリウム系蛍光体が最も一般的に用いられている。
【0004】
放射線像変換方法に用いられる放射線像変換パネルは、その基本構造として、支持体とその表面に設けられた輝尽性蛍光体層とからなるものである。ただし、蛍光体層が自己支持性である場合には必ずしも支持体を必要としない。
輝尽性蛍光体層は、通常は輝尽性蛍光体とこれを分散状態で含有支持する結合剤とからなる。ただし、輝尽性蛍光体層としては、蒸着法や焼結法によって形成される、結合剤を含まないで輝尽性蛍光体の凝集体のみから構成されるものが知られている。また、輝尽性蛍光体の凝集体の間隙に高分子物質が含浸されている輝尽性蛍光体層を有する放射線像変換パネルも知られている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
輝尽性蛍光体を利用する放射線像変換方法の利用が進むにつれて、得られる放射線画像の画質の向上、たとえば、鮮鋭度の向上や粒状性の向上が更に求められるようになっている。
放射線画像の画質の向上のための手段は種々考えられるが、なかでも、輝尽性蛍光体の微粒子化と微粒子化された輝尽性蛍光体の粒径を揃えること、即ち、粒径分布を狭くすることが有効である。そして、そのためには、まず蛍光体粉末の焼成時に発生しやすい焼結による蛍光体粉末の塊状化を可能な限り抑制しなければならない。
【0006】
すなわち、輝尽性蛍光体は一般に、蛍光体原料を水溶液中で反応させて反応生成物の結晶を得た後、その反応生成物(蛍光体前駆体)を高温で焼成し、次いで焼成物を粉砕し、これを篩などを利用して分級する方法を利用して製造されている。ただし、この方法では蛍光体前駆体の高温焼成工程において、前駆体結晶の焼結が発生して、得られる蛍光体が塊状物として得られやすいという問題があった。この蛍光体の塊状物は、粉砕により微粒子化されるが、粉砕を過度に行なうと、得られる蛍光体粒子の特性低下(感度の低下など)が発生しやすいため、予め焼結の発生を抑制しておくことが望ましい。そして、従来では、その蛍光体前駆体の焼成工程における焼結の発生を抑制するために、結晶状の蛍光体前駆体に酸化アルミニウムや酸化ジルコニウムなどの焼結防止剤の微粒子を混合して、その表面に点着させ、その点着された酸化アルミニウムや酸化ジルコニウムの作用により焼結を抑制するという方法が一般的に利用されていた。
上記の蛍光体前駆体結晶への酸化アルミニウムや酸化ジルコニウムの微粒子の混合による点着は、焼結防止のためにそれなりに有効であるが、蛍光体前駆体結晶と焼結防止剤微粒子との均一な混合の操作が煩雑になる上に、特に焼結防止剤微粒子を多量に添加するような場合には、その均一点着が容易ではないという問題がある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
組成式(I):
Ba1-xII x FX:aMI ,bLn …(I)
(但し、MIIは、Mg、CaおよびSrからなる群より選ばれる少なくとも一種のアルカリ土類金属を表わし;Xは、Cl、BrおよびIからなる群より選ばれる少なくとも一種のハロゲンを表わし;MI は、Li、Na、K、Rb及びCsからなる群より選ばれる少なくとも一種のアルカリ金属を表わし;そしてLnはCe、Pr、Sm、Eu、Gd、Tb、TmおよびYbからなる群より選ばれる少なくとも一種の希土類金属を表わし;そして、x、aおよびbは、それぞれ、0≦x≦0.5、0<a≦0.05、及び0<b≦0.2の条件を満足する数値である。)
で表わされる希土類付活弗化ハロゲン化バリウム系蛍光体の粉末であって、その粉末表面が、アルミニウム、ジルコニウム、チタン、およびバリウムの内のいずれかの元素の酸化物の皮膜により被覆されていることを特徴とする焼成により得られた希土類付活弗化ハロゲン化バリウム系蛍光体粉末。
【0008】
上記の酸化物被覆蛍光体粉末は、組成式(I):
Ba1-xII x FX:aMI ,bLn …(I)
(但し、MII、X、MI 、Ln、そして、x、aおよびbは、上記と同じ意味を表わす)
表わされる希土類付活弗化ハロゲン化バリウム系蛍光体の前駆体粉末の表面にアルミニウム、ジルコニウム、チタン、ケイ素、およびバリウムの内のいずれかの元素のアルコキシドを付着させたのち、該アルコキシドを加水分解させ、次いで該前駆体粉末を焼成することにより得ることができる。
【0009】
【発明の実施の形態】
本発明の希土類付活弗化ハロゲン化バリウム系蛍光体の製造法の代表的な態様を、以下に詳しく説明する。
【0010】
まず、常法に従って、水系溶媒中で、ハロゲン化バリウム(BaX2 :Xは、組成式(I)に記載のもの:そして所望により、更にCaX2 、SrX2 、あるいはアルカリ金属のハロゲン化物などの添加物)と希土類元素(組成式(I)のLn)のハロゲン化物、そして無機弗化物(弗化アンモニウム、アルカリ金属の弗化物など)を反応させて、蛍光体前駆体結晶を製造する。
【0011】
蛍光体前駆体結晶は、特願平8−131057号出願明細書に記載したような水と有機溶媒との混合溶媒中で製造することもできる。
すなわち、まず、反応容器に水と相溶性のある有機溶媒(アルコール系、ケトン系、エーテル系、エステル系など)を入れ、この有機溶媒を20〜80℃に保温する。別に、ハロゲン化バリウム(BaX2 :Xは、組成式(I)に記載のもの。そして、所望により、更にCaX2 、SrX2 、あるいはアルカリ金属のハロゲン化物などの添加物)と希土類元素(組成式(I)のLn)のハロゲン化物とを溶解した水溶液あるいは水性有機溶媒溶液、そして、無機弗化物(弗化アンモニウム、アルカリ金属の弗化物など)の水溶液あるいは水性有機溶媒溶液をそれぞれ用意し、これらを前記の有機溶媒に撹拌下に同時に添加する。この有機溶媒への蛍光体原料の同時添加により、それらはすぐに反応し、蛍光体前駆体結晶が析出する。そして、その反応混合物を上記の温度範囲で更に撹拌して、析出した結晶の熟成を行なう。その後、沈殿した結晶を濾過により集め、有機溶媒、水性有機溶媒で良く洗ったのち、結晶を乾燥させることにより目的の蛍光体前駆体結晶を得ることができる。この蛍光体前駆体結晶の中心粒子径は、中心粒子径が0.1〜8μmの範囲にあることが好ましい
【0012】
次いで、乾燥させた結晶(蛍光体前駆体結晶)に、焼成によって、本発明の蛍光体の被覆剤として用いるアルミニウム、ジルコニウム、チタン、及びバリウムの内のいずれかの元素の酸化物に容易に変化する化合物を付着させる。そのような化合物の好ましい例としては、アルミニウム、ジルコニウム、チタン、及びバリウムの内のいずれかの元素のアルコキシド(例えば、メトキシド、エトキシド、プロポキシド、イソプロポキシド、sec−ブトキシドなどの炭素数1〜6の低級アルキルのオキシド)を挙げることができる。
蛍光体前駆体結晶への、これらのアルコキシドの付着のための好ましい方法としては、アルコキシド有機溶媒溶液中への前駆体結晶の浸漬がある。あるいは、前駆体結晶にアルコキシド有機溶媒溶液を噴霧してもよい。なお、この噴霧を利用してアルコキシド有機溶媒溶液を前駆体結晶の表面に付着させる場合には、前駆体結晶表面に均一に噴霧することが望ましい。
【0013】
アルコキシドが表面に付着した蛍光体前駆体結晶は、次いで水との接触により加水分解され、次いで、常法に従い、焼成される。
焼成は、蛍光体前駆体結晶を、石英ボート、アルミナルツボ、石英ルツボなどの耐熱性容器に充填し、電気炉の炉芯に入れて焼成を行なう。焼成温度は400〜1300℃が適当であり、500〜1000℃の範囲(特に700〜900℃付近)が好ましい。焼成時間は、蛍光体原料混合物の充填量、焼成温度および炉からの取出し温度などによっても異なるが、一般には0.5〜12時間(特に1〜5時間)が適当である。焼成雰囲気としては、窒素ガス雰囲気、アルゴンガス雰囲気などの中性雰囲気、あるいは少量の水素ガスを含有する窒素ガス雰囲気、一酸化炭素を含有する二酸化炭素雰囲気などの弱還元性雰囲気、あるいは微量酸素導入雰囲気が利用される。
【0014】
上記の加水分解によってアルコキシドが分解して酸化物となるため、粉末表面がアルコキシドの酸化物の皮膜で均一に被覆され、従って焼結による塊状化が少ない(例、中心粒子径は10μm以下)弗化ハロゲン化バリウム系輝尽性蛍光体粉末が得られる。所望により、得られた蛍光体粉末を篩などを用いて分級してもよい。
【0015】
【実施例】
[実施例1]
内部雰囲気を窒素置換したグローブボックス中で、アルミニウムトリ−sec−ブトキシド(関東化学株式会社製)をそれぞれ別に0.52g、1.56g、2.60g、そして5.20g秤量して、これをsec−ブタノールで希釈して300mLのアルミニウムトリ−sec−ブトキシド溶液を調製した。
別に調製しておいた中心粒子径が5μmのユーロピウム付活弗化臭化バリウム(BaFBr:0.001 Eu2+、輝尽性蛍光体)の前駆体結晶100gを上記のアルミニウムトリ−sec−ブトキシド溶液(300mL)に添加し、強く撹拌して、充分に分散させ、アルミニウムトリ−sec−ブトキシドを表面に吸着した蛍光体前駆体結晶粉末の懸濁液を得た。
【0016】
別に、sec−ブタノール(50mL)に、それぞれ水を0.54g、1.62g、2.70g、そして5.40g添加した混合液を調製し、これらを上記蛍光体前駆体結晶の懸濁液のそれぞれに室温で順に添加して、アルミニウムトリ−sec−ブトキシドを加水分解させた。なお、この添加は、懸濁液を撹拌しながら、これに混合液をシリンダーポンプを用い、0.1mL/分の流量で加える方法により行なった。混合液の添加後、さらに熟成のために室温で1時間撹拌を続け、次いで吸引濾過を利用して、処理済みの蛍光体前駆体結晶を分離した。
分離した蛍光体前駆体結晶を20g秤量し、これを850℃の窒素雰囲気中で焼成して表面が酸化アルミニウムで被覆されたユーロピウム付活弗化臭化バリウム(BaFBr:0.001 Eu2+)の輝尽性蛍光体の粉末を得た。
【0017】
[実施例2]
内部雰囲気を窒素置換したグローブボックス中で、ジルコニウムテトラプロポキシド(アルドリッチ社製)をそれぞれ別に0.38g、1.14g、1.90g、そして3.80g秤量して、これをプロパノールで希釈して300mLのジルコニウムテトラプロポキシド溶液を調製した。
別に調製しておいた中心粒子径が5μmのユーロピウム付活弗化臭化バリウム(BaFBr:0.001 Eu2+、輝尽性蛍光体)の前駆体結晶100gを上記のジルコニウムテトラプロポキシド溶液(300mL)に添加し、強く撹拌して、充分に分散させ、ジルコニウムテトラプロポキシドを表面に吸着した蛍光体前駆体結晶粉末の懸濁液を得た。
【0018】
別に、プロパノール(50mL)に、それぞれ水を0.29g、0.88g、1.46g、そして2.92g添加した混合液を調製し、これらを上記蛍光体前駆体結晶の懸濁液のそれぞれに室温で順に添加して、ジルコニウムテトラプロポキシドを加水分解させた。なお、この添加は、懸濁液を撹拌しながら、これに混合液をシリンダーポンプを用い、0.1mL/分の流量で加える方法により行なった。混合液の添加後、さらに熟成のために室温で1時間撹拌を続け、次いで吸引濾過を利用して、処理済みの蛍光体前駆体結晶を分離した。
分離した蛍光体前駆体結晶を20g秤量し、これを850℃の窒素雰囲気中で焼成して表面が酸化ジルコニウムで被覆されたユーロピウム付活弗化臭化バリウム(BaFBr:0.001 Eu2+)の輝尽性蛍光体の粉末を得た。
【0019】
[実施例3]
内部雰囲気を窒素置換したグローブボックス中で、チタンテトライソプロポキシド(和光純薬株式会社製)を、それぞれ別に0.37g、1.12g、1.87g、そして3.74g秤量して、これをイソプロパノールで希釈して300mLのチタンテトライソプロポキシド溶液を調製した。
別に調製しておいた中心粒子径が5μmのユーロピウム付活弗化臭化バリウム(BaFBr:0.001 Eu2+、輝尽性蛍光体)の前駆体結晶100gを上記のチタンテトライソプロポキシド溶液(300mL)に添加し、強く撹拌して、充分に分散させ、チタンテトライソプロポキシドを表面に吸着した蛍光体前駆体結晶粉末の懸濁液を得た。
【0020】
別に、イソプロパノール(50mL)に、それぞれ水を0.45g、1.35g、2.25g、そして4.50g添加した混合液を調製し、これらを上記蛍光体前駆体結晶の懸濁液のそれぞれに室温で順に添加して、チタンテトライソプロポキシドを加水分解させた。なお、この添加は、懸濁液を撹拌しながら、これに混合液をシリンダーポンプを用い、0.1mL/分の流量で加える方法により行なった。混合液の添加後、さらに熟成のために室温で1時間撹拌を続け、次いで吸引濾過を利用して、処理済みの蛍光体前駆体結晶を分離した。
分離した蛍光体前駆体結晶を20g秤量し、これを850℃の窒素雰囲気中で焼成することにより、表面が酸化チタンで被覆されたユーロピウム付活弗化臭化バリウム(BaFBr:0.001 Eu2+)の輝尽性蛍光体の粉末を得た。
【0021】
[実施例4(但し、本発明の実施例ではなく、参考例である)
内部雰囲気を窒素置換したグローブボックス中で、テトラエトキシシラン(関東化学株式会社製)を、それぞれ別に0.36g、1.09g、1.82g、そして3.64g秤量して、これをエタノールで希釈して300mLのテトラエトキシシラン溶液を調製した。
別に調製しておいた中心粒子径が5μmのユーロピウム付活弗化臭化バリウム(BaFBr:0.001 Eu2+、輝尽性蛍光体)の前駆体結晶100gを上記のテトラエトキシシラン溶液(300mL)に添加し、強く撹拌して、充分に分散させ、テトラエトキシシランを表面に吸着した蛍光体前駆体結晶粉末の懸濁液を得た。
【0022】
別に、エタノール(50mL)に、それぞれ水を、0.60g、1.79g、2.99g、そして5.98g添加した混合液を調製し、これらを上記蛍光体前駆体結晶の懸濁液のそれぞれに室温で順に添加して、テトラエトキシシラを加水分解させた。なお、この添加は、懸濁液を撹拌しながら、これに混合液をシリンダーポンプを用い、0.1mL/分の流量で加える方法により行なった。混合液の添加後、さらに熟成のために室温で1時間撹拌を続け、次いで吸引濾過を利用して、処理済みの蛍光体前駆体結晶を分離した。
分離した蛍光体前駆体結晶を20g秤量し、これを850℃の窒素雰囲気中で焼成することにより、表面が酸化けい素で被覆されたユーロピウム付活弗化臭化バリウム(BaFBr:0.001 Eu2+)の輝尽性蛍光体の粉末を得た。
【0023】
[実施例5]
内部雰囲気を窒素置換したグローブボックス中で、金属バリウム2.00gをイソプロパノールに溶解させて、バリウムイソプロポキシドを含む100mLイソプロパノール溶液を得た。この溶液を、それぞれ別に4.5mL、13.4mL、22.3mL、そして44.6mL秤量して、これをイソプロパノールで希釈して300mLのバリウムイソプロポキシド溶液を調製した。
別に調製しておいた中心粒子径が5μmのユーロピウム付活弗化臭化バリウム(BaFBr:0.001 Eu2+、輝尽性蛍光体)の前駆体結晶100gを上記のバリウムイソプロポキシド溶液(300mL)に添加し、強く撹拌して、充分に分散させ、バリウムイソプロポキシドを表面に吸着した蛍光体前駆体結晶粉末の懸濁液を得た。
【0024】
別に、イソプロノール(50mL)に、それぞれ水を、0.12g、0.35g、0.59g、そして1.17g添加した混合液を調製し、これらを上記蛍光体前駆体結晶の懸濁液のそれぞれに室温で順に添加して、バリウムイソプロポキシドを加水分解させた。なお、この添加は、懸濁液を撹拌しながら、これに混合液をシリンダーポンプを用い、0.1mL/分の流量で加える方法により行なった。混合液の添加後、さらに熟成のために室温で1時間撹拌を続け、次いで吸引濾過を利用して、処理済みの蛍光体前駆体結晶を分離した。
分離した蛍光体前駆体結晶を20g秤量し、これを850℃の窒素雰囲気中で焼成することにより、表面が酸化バリウムで被覆されたユーロピウム付活弗化臭化バリウム(BaFBr:0.001 Eu2+)の輝尽性蛍光体の粉末を得た。
【0025】
[比較例1]
予め調製しておいた中心粒子径が5μmのユーロピウム付活弗化臭化バリウム(BaFBr:0.001 Eu2+、輝尽性蛍光体)の前駆体結晶20gに超微粒子状(中心粒子径:約0.02μm)の酸化アルミニウム0.2gを添加し、充分に混合した。この混合物を850℃の窒素雰囲気中で焼成することにより、表面に酸化アルミニウムが点着したユーロピウム付活弗化臭化バリウム(BaFBr:0.001 Eu2+)の輝尽性蛍光体の粉末を得た。
【0026】
[焼成後の蛍光体粉末の中心粒子径]
実施例1〜5および比較例1において焼成後に得られた蛍光体粉末の中心粒子径を測定した。その結果を図1に示す。なお、この図1の横軸は、蛍光体粉末の表面に被覆もしくは点着されている金属酸化物の量を表わし、その金属酸化物の量は、実施例では、蛍光体前駆体粒子を浸漬したアルコキシド溶液中のアルコキシドの全量が蛍光体前駆体粒子の表面に吸着され、加水分解されたものと仮定した場合の値である。
図1から明らかなように、同じ酸化物使用量当りで比較すると、本発明に従って、アルコキシドの加水分解を利用して金属酸化物を蛍光体粉末の表面に付着させた場合、従来の酸化アルミニウムの超微粒子の使用に比べて、少なくとも同等で、多くは更に優れた焼結防止効果が達成されていることがわかる。
【0027】
[実施例6]
前駆体結晶を、中心粒子径が5μmのセリウム付活弗化臭化バリウム(BaFBr:0.001 Ce3+、輝尽性蛍光体)に変えた以外は、実施例1と同一の操作により、表面が酸化アルミニウムで被覆されたユーロピウム付活弗化臭化バリウム(BaFBr:0.001 Ce3+)の輝尽性蛍光体の粉末を得た。
得られた輝尽性蛍光体は、実施例1の場合と同様に焼結が抑制されていた。
【0028】
[実施例7]
前駆体結晶を、中心粒子径が5μmのセリウム付活弗化臭化バリウム(BaFBr:0.001 Ce3+、輝尽性蛍光体)に変えた以外は、実施例2と同一の操作により、表面が酸化ジルコニウムで被覆されたユーロピウム付活弗化臭化バリウム(BaFBr:0.001 Ce3+)の輝尽性蛍光体の粉末を得た。
得られた輝尽性蛍光体は、実施例2の場合と同様に焼結が抑制されていた。
【0029】
[実施例8(但し、本発明の実施例ではなく、参考例である)
前駆体結晶を、中心粒子径が5μmのセリウム付活弗化臭化バリウム(BaFBr:0.001 Ce3+、輝尽性蛍光体)に変えた以外は、実施例4と同一の操作により、表面が酸化けい素で被覆されたユーロピウム付活弗化臭化バリウム(BaFBr:0.001 Ce3+)の輝尽性蛍光体の粉末を得た。
得られた輝尽性蛍光体は、実施例4の場合と同様に焼結が抑制されていた。
【0030】
【発明の効果】
希土類付活弗化ハロゲン化バリウム系輝尽性蛍光体粉末の製造の際の焼結防止剤として、アルミニウム、ジルコニウム、チタン、およびバリウムの内のいずれかの元素のアルコキシドの酸化により得られる酸化物を、その粉末の表面を被覆するように用いることにより、焼成時の蛍光体粒子の焼結を効果的に抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明および公知の焼結防止剤で処理した同一粒径の輝尽性蛍光体を焼成したのちの蛍光体粉末の粒径(中心粒径)の変動を示す図である。

Claims (6)

  1. 組成式(I):
    Ba1-xII x FX:aMI ,bLn …(I)
    (但し、MIIは、Mg、CaおよびSrからなる群より選ばれる少なくとも一種のアルカリ土類金属を表わし;Xは、Cl、BrおよびIからなる群より選ばれる少なくとも一種のハロゲンを表わし;MI は、Li、Na、K、Rb及びCsからなる群より選ばれる少なくとも一種のアルカリ金属を表わし;そしてLnはCe、Pr、Sm、Eu、Gd、Tb、TmおよびYbからなる群より選ばれる少なくとも一種の希土類金属を表わし;そして、x、aおよびbは、それぞれ、0≦x≦0.5、0<a≦0.05、及び0<b≦0.2の条件を満足する数値である。)
    で表わされる希土類付活弗化ハロゲン化バリウム系蛍光体の粉末であって、その粉末表面が、アルミニウム、ジルコニウム、チタン、およびバリウムの内のいずれかの元素の酸化物皮膜により被覆されていることを特徴とする焼成により得られた希土類付活弗化ハロゲン化バリウム系蛍光体粉末。
  2. 蛍光体粉末を被覆している酸化物皮膜が酸化アルミニウムもしくは酸化ジルコニウムの皮膜である請求項1に記載の希土類付活弗化ハロゲン化バリウム系蛍光体粉末。
  3. 蛍光体粉末の中心粒子径が0.1〜8μmである請求項1に記載の希土類付活弗化ハロゲン化バリウム系蛍光体粉末。
  4. 組成式(I):
    Ba1-xII x FX:aMI ,bLn …(I)
    (但し、MIIは、Mg、CaおよびSrからなる群より選ばれる少なくとも一種のアルカリ土類金属を表わし;Xは、Cl、BrおよびIからなる群より選ばれる少なくとも一種のハロゲンを表わし;MI は、Li、Na、K、Rb及びCsからなる群より選ばれる少なくとも一種のアルカリ金属を表わし;そしてLnはCe、Pr、Sm、Eu、Gd、Tb、TmおよびYbからなる群より選ばれる少なくとも一種の希土類金属を表わし;そして、x、aおよびbは、それぞれ、0≦x≦0.5、0<a≦0.05、及び0<b≦0.2の条件を満足する数値である。)
    表わされる希土類付活弗化ハロゲン化バリウム系蛍光体の前駆体粉末の表面にアルミニウム、ジルコニウム、チタン、およびバリウムの内のいずれかの元素のアルコキシドを付着させたのち、該アルコキシドを加水分解させ、次いで該前駆体粉末を焼成することを特徴とする希土類付活弗化ハロゲン化バリウム系蛍光体粉末の製造法。
  5. 蛍光体前駆体粉末に付着させるアルコキシドが、アルミニウムアルコキシドもしくはジルコニウムアルコキシドである請求項4に記載の希土類付活弗化ハロゲン化バリウム系蛍光体粉末の製造法。
  6. 蛍光体の前駆体の表面へのアルコキシドの付着を、該アルコキシドを溶液として、この溶液に該前駆体を浸漬させることにより行なう請求項4に記載の希土類付活弗化ハロゲン化バリウム系蛍光体粉末の製造法。
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