JP3782985B2 - 逆止弁装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、液体や気体を輸送する配管に使用される逆止弁装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
この種の逆止弁装置において、揺動弁体を用いたものが、特開昭62−278385号公報、実公平7−16946号公報等に開示されており、図5乃至図7に示すものがある。
【0003】
例えば、図5及び図6に示す逆止弁装置は、流路1に介在する揺動弁体2と、その揺動弁体2の弁軸3に固定されてその弁軸3とともに回動するレバー10からなる。レバ−10の内部には、図6に示すように、そのレバー10の基部10bから先端部10aに至る長手方向に長い空間11を形成し、その空間11内に砂などの流動体からなるおもり12が封入されている。レバー10の回動に合わせて前記空間11の勾配が変化し、封入されたおもり12が勾配の変化に合わせて空間11内を流動する。
【0004】
また、図7に示す逆止弁装置は、流路1に介在する揺動弁体2と、その揺動弁体2の弁軸3に固定されてその弁軸3とともに回動するレバー10と、そのレバー10の回動に合わせて勾配が変化するレール11に、転動自在に支持されたおもり12からなる。おもり12はレール11に貫通して支持される軸の部分と、その軸の両端に固定されるおもりの部分からなり、前記軸は、レール11上を滑らかに回転するものである。
【0005】
一般的に、この揺動式の逆止弁装置は、流路1に正方向Aの方向に流れる流体が少量である場合、揺動弁体2に充分な開弁力が働かず、図5の矢印Dのごとく揺動弁体2が全閉姿勢付近で反復揺動することがある。また流路1の流れが止まった場合、揺動弁体2が閉じて全閉姿勢に近づくと、弁軸3に作用する閉弁方向の閉モーメントが減少するので、揺動弁体2の閉作動が途中で停止して、その揺動弁体2が全閉姿勢付近で反復揺動することがある。これらの反復揺動は、流体の逆方向Bの流れを止める逆止弁の機能を損なうだけでなく、流体の正方向Aの流れをも阻害するので、円滑な流体の移送には好ましくない。
【0006】
これらの反復揺動を防ぐため、図5及び図6に示す逆止弁装置においては、揺動弁体2が全閉姿勢の状態で、前記空間11は下流側に向かって下向きとなるようにレバー10が位置する。おもり12は、空間11内を先端部10a方向(下流側)へ流動して弁軸3から遠ざかり、その自重により弁軸3に閉モーメントを作用させて、揺動弁体2がその弁座に当接して反復運動しないようになっている。
【0007】
この閉弁状態において、流路1内を正方向Aに流体が流れると、その流体の流れにより、揺動弁体2が僅かに開弁して全開姿勢の方向へ揺動すれば、レバー10が回動して前記空間11が上流側へ向かって下向きに変わる。おもり12は、空間11内を基部10b方向(上流側)へ流動して弁軸3に近づき、その自重により弁軸3に作用する閉モーメントを減少させるので、僅かな正方向Aの流れに対しても揺動弁体2が開弁しやすく、流体の流れに支障が少ないようになっている。
【0008】
また、図7に示す逆止弁装置においては、揺動弁体2が図中に実線で示す全閉姿勢aの状態で、前記レールが下流側に向かって下向きになるようにレバー10が位置する。そして、おもり12が下流側(揺動弁体2の閉弁側)へ転動して、その自重により弁軸3に閉モーメントを作用させて、揺動弁体2がその弁座に当接して反復運動しないようになっている。
【0009】
この閉弁状態において、流路1内を正方向Aに流体が流れると、その流体の流れにより、揺動弁体2が僅かに全開姿勢bの方向へ揺動すれば、レバー10が回動して前記レール11が上流側に向かって下向きに変わる。そして、図7の実線から鎖線のごとくおもり12が弁軸3を通る鉛直線Cを左から右へ、つまり上流側(揺動弁体2の閉弁側)へ転動して、その自重により弁軸3に開弁方向の開モーメントを作用させて、揺動弁体2が大きく開いて流体の流れに支障がないようになっている。
【0010】
この開弁状態において、流路1内の流体の流れが止まり、流体が逆方向Bに流れれば、前記揺動弁体2はその自重と流体の流れにより、全開姿勢bから全閉姿勢aに移行する。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、図5及び図6の逆止弁装置においては、上記おもり12は流動体であるため、レバー10の回動速度やその回動時の衝撃の差異などにより、空間11内の流動体の移動にはばらつきがある。このため、おもり12の重心の移動軌跡は、揺動弁体2の開閉の都度変動するので、揺動弁体2の開閉度合が一定でない。また、揺動弁体2の開閉度合を調整するために、空間11への流動体の封入量を加減して前記おもり12の重さを変える必要があるが、この空間11への流動体の出し入れが煩雑である。
【0012】
また、図7の逆止弁装置においては、前記おもり12がレール11上を滑らかに回転できる機構を、レール11又はおもり12に設ける必要があるので、構造が複雑になる。
【0013】
そこで、この発明は、構造が簡単で、揺動弁体の開閉度合を調整しやすくすることを課題とする。
【0014】
【課題を解決しようとする手段】
上記の課題を解決するために、この発明は、揺動式の逆止弁を構成する揺動弁の弁軸に、前記弁軸とともにその軸回りに回動するレバーを固定する。そのレバーには、その回動方向と同方向に沿って長手方向に延びる筒状のチューブを固定し、そのチューブ内には球状のウェイトを、そのウェイトがそのチューブの長手方向に転動自在になるよう収納し、前記レバーに対してウェイトが移動自在に支持されるようにする。前記ウェイトは、2つ以上の球体からなる場合には、それぞれの球体について、金属からなる金属球、または弾性体からなる弾性体球から適宜選択して、組み合わせて使用することができる。また、前記金属球は、その金属球の表面に弾性体ライニングを施したものを使用してもよい。このようにすれば、金属球の転動によるチューブ内での衝撃を緩和することができる。
【0015】
この構成において、揺動弁を介在させた流路内の流体の流れが変化すると、前記揺動弁がその流れに合わせて揺動し、その揺動と同時に前記レバーが回動する。このレバーの回動において、前記揺動弁の開弁時には上流側(揺動弁体の開弁側)へ向けて下り方向へウェイトが転がって移動し、一方、前記揺動弁の閉弁時には下流側(揺動弁体の閉弁側)へ向けて下り方向へウェイトが転がって移動する。このウェイトの移動により、前記ウェイト及びレバーの成す重心が、前記弁軸を挟んで上流側または下流側へと大きく移動するので、前記弁軸の開弁方向、閉弁方向にそれぞれ作用する開閉モーメントが大きく変化する。
【0016】
このように、弁軸に作用する開閉モーメントが変化するので、流路の正方向に流体が流れて前記揺動弁が開けば、ウェイトの移動により前記弁軸に大きな開モーメントが作用して、揺動弁を全開姿勢に移行させる。一方、流体の正方向の流れが止まったり、逆方向に流れて、揺動弁が閉じれば、ウェイトの移動により前記弁軸に大きな閉モーメントが作用して、揺動弁を全閉姿勢に移行させるとともに、反復揺動を防止する。
【0017】
この構成では、前記ウェイトは、前記レバーの回動に伴い前記チューブ内を転がって、定まった軌跡で移動し、弁軸に作用する開閉モーメントが常に所定どおりとなるので、揺動弁の開閉度合が安定する。
【0018】
また、チューブの一部を開閉自在にすれば、そのウェイトの追加や取り出しが容易である。
【0019】
【発明の実施の形態】
一実施形態を図1乃至図4に示し、この実施形態の逆止弁装置は、水平な流路1に介在されてその流路1を開閉する揺動弁体2と、その揺動弁体2の弁軸3の上方に固定されて前記弁軸3とともにその軸回りに回動するレバー4と、そのレバー4に固定された筒状のチューブ6とからなる揺動式のものである。
【0020】
前記弁軸3には、図4に示すように、その弁軸3とともに軸回りに回動するアーム13の一端が固定されている。揺動弁には、ダンパー14が並設され、そのダンパー14のロッド15は、シリンダー内のピストンに接続されて、前記シリンダーを軸方向に貫通し、そのロッド15の先端が前記シリンダー外で、前記アーム13の他端とピン接合されている。このため、揺動弁体2が揺動すると、アーム13が同時に回動し、そのアーム13の回動により前記ロッド15は、前記ピストンとともにそのピストンの可動方向に運動する。
【0021】
前記チューブ6は、図1に示すように、その長手方向がレバー4の回動方向に沿うようにレバー4の上方に固定され、そのチューブ6内には、球状のウェイト5を、チューブ6内でその長手方向に転動自在になるよう収納する。前記ウェイト5は、一つの鋼製の金属球5bと二つのゴム製の弾性体球5a,5cからなり、金属球5bを挟んで両側に弾性体球5a,5cを、それらを一列に並べてチューブ6内に収納し、前記レバー4に対してこれらのウェイト5が移動自在に支持される。
【0022】
前記揺動弁体2は、流路1の流体の流れが変化すると、その流れに合わせて揺動し、その揺動と同時に前記レバー4が回動する。このレバー4の回動により、前記チューブ6の勾配の向きが変化し、その勾配は、前記揺動弁体2の開弁時には上流側(揺動弁体2の開弁側)へ向けて下り方向に、前記揺動弁体2の閉弁時には下流側(揺動弁体2の閉弁側)へ向けて下り方向となる。この勾配変化に合わせて前記ウェイト5が上流側または下流側へと転がって移動するので、レバー4、チューブ6及びウェイト5の成す重心位置が図1に示す弁軸3を通る鉛直線Cに対して、上流側(図1の左側)、下流側(図1の右側)へとスムースに変位し、前記弁軸3に作用する開閉モーメントが大きく変化する。
【0023】
したがって、図1の実線で示すように、揺動弁体2が全閉姿勢aの状態で、流路1へ流体が正方向Aに流れると、揺動弁体2はその全閉姿勢aから、図中の鎖線で示す全開姿勢bの方向に揺動する。この揺動により、前記チューブ6が上流側へ向かって下り勾配(揺動弁体2の開弁側へ傾斜する姿勢)になり、前記ウェイト5は自重によりこの勾配を下って移動し、開弁側へ重心を変位する。この重心変位により、レバー4、チューブ6及びウェイト5の成す重心位置が、弁軸3を通る鉛直線Cに対して、右から左へ移動するので、弁軸3に大きな開モーメントが加わり、揺動弁体2は全開姿勢bで安定する。
【0024】
このように、揺動弁体2は、一定開度以上揺動すれば、ウェイト5の移動による大きな開モーメントが弁軸3に作用するので、その後速やかに全開姿勢bへ移行する。
【0025】
一方、揺動弁体2が全開姿勢bの状態において、前記揺動弁体2の自重によって弁軸3に作用する閉モーメントが、前記レバー4、チューブ6、及びウェイト5の自重によって弁軸3に作用する開モーメントよりも僅かに大きくなるよう、ウェイト5はその重さ、移動範囲(チューブ6の長さ)が予め設定されている。
【0026】
このため、流路1に流体の流れがなくなった時、又は逆方向Bに流入があった時には、揺動弁体2はその自重及び流体の流れにより、弁軸3に作用する閉モーメントにより全開姿勢bから全閉姿勢aの方向へ揺動する。揺動弁体2が全閉姿勢aに近づき、チューブ6が下流側へ向かって下り勾配(揺動弁体2の閉弁側へ傾斜する姿勢)になれば、前記ウェイト5は自重によりこの勾配を下って移動し、閉弁側へ重心を変位する。この重心変位により、レバー4、チューブ6及びウェイト5の成す重心位置が、弁軸3を通る鉛直線Cに対して、左から右へ移動するので、弁軸3にさらに閉モーメントが作用し、揺動弁体2は全閉姿勢aで安定するので反復揺動しない。
【0027】
前記チューブ6とレバー4を固定する角度は、前記チューブの下流側の端部6b(揺動弁体2の閉弁側)と弁軸3との距離が、同じく上流側の端部6a(揺動弁体2の開弁側)と弁軸3との距離よりも近くなるように前記チューブ6とレバー4を固定する。ウェイト5が開弁側へ移動すると、弁軸3と、ウェイト5の重心との距離が遠くなって、弁軸3に作用する開モーメントは大きくなり、ウェイト5が閉弁側へ移動すると、弁軸3と、ウェイト5の重心との距離が近くなって、弁軸3に作用する閉モーメントは小さくなる。
【0028】
このように開閉モーメントを調整すると、揺動弁体2の全閉姿勢aにおいては、作用する閉モーメントが小さいので流路1への僅かな流体の流入で揺動弁体2を開弁でき、揺動弁体2の全開姿勢bにおいては、開モーメントが大きいので揺動弁体2の全開姿勢bを安定させることができる。
【0029】
また、揺動弁体2の揺動につれ前記アーム13が回動し、アーム13に接続されたダンパー14のロッド15が、ダンパー14のシリンダー内のピストンとともにそのピストンの可動方向に移動する。このピストンの運動がロッド15の運動に抵抗を与え、アーム13の回動が緩やかになって、揺動弁体2の急激な開閉が緩和される。このとき、このような揺動弁体2の開閉を緩やかにする機能を求めない場合には、前記アーム13、ダンパー14、ロッド15などの設置を省略してもよい。
【0030】
前記ウェイト5のチューブ6内への収納順序は、この実施形態に限定されないが、両端に弾性体球5a,5cを配置して、金属球5bがチューブ端部6a,6bに当たらないようにすれば、前記弾性体球5a,5cが緩衝材となり、金属球の転動時のチューブ端部6a,6bへの衝撃を吸収し、前記レバーの重心移動がスムースである。なお,この衝撃吸収の効果を高めるために、チューブ端部6a,6bの端面内壁にゴムなど弾性体からなる緩衝材を設けてもよい。
【0031】
前記金属球5bの表面を弾性体ライニングして、球全体をゴムなどの弾性体で覆ったものを使用する構成も採用し得る。この構成によれば、前記の衝撃吸収の効果をさらに高めることができる。
【0032】
また、前記ウェイト5は、金属球5bのみでも使用可能であるが、これに加えて比較的比重の小さい弾性体球5a,5cを組み合わせて使用すれば、この金属球5b及び弾性体球5a,5cの個数、順序及びそれぞれの大きさ、重さを変えてチューブ6内に収納することにより、容易にそのウェイト5全体の重さや重心移動の範囲を調整できる。
【0033】
このウェイト5の重さの調整方法は、比重の大きい金属球5bをまずチューブ6に収納して、重さの異なる幾つかの金属球の中から使用に適した金属球5bを決定した後、比重の小さい弾性体球5a,5cを適宜、金属球5bの前後に収納して所定のウェイト5全体の重さ、重心移動の範囲に微調整する。
【0034】
必要であれば、図1に示すように、前記チューブ端部6a,6bに調整ボルト9を、そのチューブ6内に先端が突出するように設けてもよい。この調整ボルト9がチューブ6の長手方向に移動することにより、調整ボルト9先端のチューブ6内への突出量が加減されて、前記ウェイト5の移動する範囲を変えることができる。この方法によれば、よりきめ細かくウェイト5の重心移動の範囲を調整できる。
【0035】
また、ウェイト5は球状であるので、チューブ6の一部を開閉自在にすれば、そのチューブ6内への投入や取り出しが容易である。この開閉部分はウェイト5の移動に支障のない形態であればよく、例えば、チューブ端部6a,6bの端面を蓋で覆い、その蓋を取り外し可能としてもよいし、チューブ6の側周面の一部に開口部を設けて、その開口部に開閉自在の蓋を設けてもよい。
【0036】
因みに、この実施形態では、ウェイト5の弾性体球5a,5cの素材にゴムを使用したが、このほかにも、弾力性を有する合成樹脂製の球体であれば使用することができる。また、金属球5bには鋼製のものを用いたが、鋼以外の金属や、その他石材など比重の大きい素材であれば使用可能である。
【0037】
【発明の効果】
この発明は、以上のように、逆止弁装置の構造が簡単で、揺動弁の開閉度合が調整しやすい。
【図面の簡単な説明】
【図1】一実施形態の逆止弁構造を示す切断正面図
【図2】同実施形態の右切断側面図
【図3】同実施形態の平面図
【図4】同実施形態の正面図
【図5】従来例の逆止弁構造を示す切断正面図
【図6】従来例のレバーの詳細図
【図7】従来例の逆止弁構造を示す切断正面図
【符号の説明】
1 流路
2 揺動弁体
3 弁軸
4,10 レバー
5 ウェイト
5a,5c 弾性体球
5b 金属球
6 チューブ
11 空間
12 おもり
13 アーム
14 ダンパー
15 ロッド
Claims (3)
- 流路1に介在されてその流路1を開閉する揺動弁体2と、その揺動弁体2の弁軸3に固定されて前記弁軸3とともにその軸回りに回動するレバー4と、前記レバー4に移動自在に支持されたウェイト5とからなり、そのウェイト5のレバー4に対する移動により、前記弁軸3に作用する開閉モーメントを変化させる逆止弁装置において、
前記レバー4に筒状のチューブ6を、そのレバー4の回動方向に前記チューブ6の長手方向が沿うように固定し、このチューブ6内に球状のウェイト5をそのチューブ6内の長手方向に転動自在に収納して、前記レバー4に対してウェイト5が移動自在に支持されたことを特徴とする逆止弁装置。 - 上記ウェイト5は、複数であって、金属球と弾性体球の組み合わせからなることを特徴とする請求項1に記載の逆止弁装置。
- 上記ウェイト5が金属球のものにあっては、その金属球の表面に弾性体ライニングを施したことを特徴とする請求項2に記載の逆止弁装置。
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