JP3783082B2 - 密閉型の電池 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、電池ケースが密封してある密閉型の電池に関する。
【0002】
【従来の技術】
密閉型の電池においては、電池ケースの開口を蓋で密封する。蓋には、負極端子(出力端子)がプラスチック製のガスケットを介して、蓋壁を内外に貫通する状態で固定してある。ガスケットは負極端子と蓋との直接接触を避ける絶縁体を兼ねている。多くの場合、負極端子はガスケットの外面に露出する頭部と、ガスケットに内嵌する軸部とを有し、軸部の下端をかしめ処理することによって、ガスケットと一体化され、蓋に対して抜け外れ不能に固定してある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
上記のように、負極端子をガスケットに対してかしめ固定する密閉型電池においては、軸部の下端をかしめ処理する際に軸部が僅かに膨張変形し、ガスケットに設けた軸挿通穴と密着して、軸部とガスケットとの間の隙間を封止する。しかし、軸部および軸挿通穴の仕上り寸法のばらつきや、かしめ処理時の軸部の変形量のばらつき等によって、軸部の軸挿通穴に対する密着度合が不足してシール不良を生じ、液漏れの原因になることがあった。とくに、電池ケースに内圧が作用する電池の場合には液漏れを生じやすい。
【0004】
かしめ処理した後に負極端子とガスケットの密着度合を確認することは不可能ではないが、その分だけ電池の製造コストが高く付く。例えば、ねじを用いて、軸部と軸挿通穴の密着度を向上することも考えられるが、部品数の増加と、組み立て工数とが増えるのを避けられず、この場合にも製造コストが増加する。
【0005】
この発明の目的は、従来と同様に出力端子をかしめ処理してガスケットに固定する構造を採りながら、軸部とガスケットとの密着度を向上し、以て軸部のシール不良に基づく液漏れを一掃し、密閉型電池の信頼性を向上することにある。
この発明の他の目的は、ガスケットの一部を変更することにより、軸部とガスケットとの間のシール不良を一掃でき、従って液漏れのない信頼性に優れた密閉型の電池をより低コストで提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
この発明は、電池ケース1の開口を塞ぐ蓋6に、一方の出力端子9がガスケット8を介してかしめ固定してある密閉型の電池を対象とする。その出力端子9は、ガスケット8の外面に露出する頭部20と、頭部20より小径の軸部21と、軸部21の下端に形成されたかしめ軸部22とを備えている。ガスケット8は、頭部20と蓋6とで挟持されるフランジ部23と、蓋6に通設した取付穴12に内嵌するボス部24とを有する。ボス部24には軸部21と嵌合する軸挿通穴25が上下貫通状に設けられてある。軸挿通穴25の一部には、軸部21より小径のシール穴26を周回状に形成する。以て、出力端子9をガスケット8に組み付けた状態において、シール穴26が軸部21で拡径変形されるようにしたものである。
【0007】
シール穴26は軸挿通穴25の下端に形成する。シール穴26の直径寸法D2は、軸部21の直径寸法D1を基準値にして、D1×(1−0.3)≦D2≦D1×(1−0.1)を満足するよう設定する。
【0008】
【作用】
ガスケット8の軸挿通穴25の一部には軸部21より小径のシール穴26を設け、出力端子9をガスケット8に組み付けた状態において、シール穴26を軸部21で強制的に拡径変形させるので、軸部21や軸挿通穴25の仕上り寸法にばらつきがあっても、軸部21とシール穴26とを確実に密着させて、両者21・26間の隙間を確実に封止できる。プラスチック成形品からなるガスケット8にシール穴26を付加することにより、軸部21とガスケット8との隙間を封止するので、部品点数や組み立て工数の増加を伴うことなく、液漏れのない密閉型の電池を構成できる。
【0009】
かしめ軸部22をかしめ処理するとき、軸部21の下端は僅かに膨張変形する。従って、シール穴26を軸挿通穴25の下端に形成しておけば、シール穴26と軸部21とをより強固に密着させて、シール作用を強化でき、軸部21を軸挿通穴25に嵌入するときのシール穴26による抵抗力を軽減し、出力端子9の組み付けがより容易に行える。
【0010】
【実施例】
図1ないし図4は、この発明を角形のリチウムイオン二次電池に適用した実施例を示す。図2において、その電池は上面が開口する縦長角箱状の電池ケース1と、電池ケース1内に装填された電極体2および電解液と、電池ケース1の開口を塞ぐ封口部材などで構成する。電池ケース1はニッケル板を深絞り加工して形成してあり、正極側の出力端子を兼ねている。電極体2はLiCoO2 を活物質とするシート状の正極と、黒鉛を活物質とするシート状の負極とをセパレータを間にして渦巻状に巻回した後、全体を電池ケース1の断面形状に合致して断面四角形状に押し潰し変形して形成してあり、その正極シートおよび負極シートのそれぞれから導電タブ4・5が上向きに導出されている。
【0011】
封口部材は、電池ケース1の上面開口を塞ぐ蓋6と、蓋6の内側に配置されるプラスチック製のインシュレータ7と、蓋6に対してガスケット8を介してかしめ固定される負極端子(出力端子)9と、負極端子9と同時にかしめ固定される押え板10などからなる。
【0012】
蓋6はアルミニウム合金板材を素材にしたプレス成形品からなり、図1に示すごとく、その板面中央にガスケット8用の取付穴12を長円状に通設してあり、取付穴12の一側板面に防爆用の開裂ベント13を設け、他側板面に電解液用の注入口14を通設してなる。取付穴12の上面側の開口周縁壁には、ガスケット8用の受座15が凹み形成されている。開裂ベント13は、断続的に周回する切溝で囲まれていて、ケース内圧が一定値を越えると、切溝が破断してガスを放出する。注入口14は電解液を注入したのちプラグ16で閉止し、この状態でプラグ16を蓋6に溶接してある。
【0013】
図1において負極端子9は、長円状の頭部20と、頭部20より小径の軸部21と、軸部21の下端に形成したかしめ軸部22とを有するアルミニウム製の軸体からなる。かしめ軸部22は下向きに開口する中空の筒軸状を呈しており、この筒壁の下半側を拡径し反転状にかしめ変形することになる。
【0014】
ガスケット8は、長円状のフランジ部23と、フランジ部23の下面に突設した丸軸状のボス部24とを一体に形成したプラスチック成形品からなり、ボス部24の中央に、先の軸部21が嵌合する軸挿通穴25を上下貫通状に設けてある。軸挿通穴25の下端には、軸部21より小径のシール穴26を周回状に形成する。このシール穴26を設けることによって、負極端子9を蓋6にかしめ固定した状態において、軸部21とガスケット8との隙間を完全に封止し、液漏れを防ぐ。
【0015】
封口部の組み付けは次の手順で行う。まずインシュレータ7を電池ケース1に内嵌装着した後、ガスケット8のボス部24を蓋6の取付穴12に嵌挿し、さらに負極端子9を軸挿通穴25に挿嵌する。このとき軸部21はシール穴26を拡径状に弾性変形させるので、両者21・26は隙間なく密着する。この後、図4に示すごとく軸部21に負極用の絶縁体27を介して孔明きの押え板10を外嵌し、この状態でかしめ軸部22をかしめ処理することにより、フランジ部23を頭部20と蓋6の上面とで挟持固定できる。同時に、拡開変形したかしめ軸部22と蓋6の内面とでボス部24の下端を挟持固定できる。このとき、軸部21の下部は図4に示すように、かしめ処理によって自由状態時よりも僅かに拡径変形する。従って、軸部21の下側の部分をシール穴26にさらに密着させて、軸挿通穴25を確実に封止できる。
【0016】
上記の組立体の押え板10に負極側の導電タブ5を溶接し、正極側の導電タブ4を蓋6の内面に溶接する。この後に、蓋6を電池ケース1に内嵌したうえで、蓋6と電池ケース1との嵌合面を溶接して封止する。最後に注入口14から電解液をケース内へ注入したのち、注入口14にプラグ16を内嵌して溶接し、注入口14を封止することにより電池を完成する。
【0017】
軸部21、軸挿通穴25およびシール穴26の各直径寸法は、それぞれ次のように設定する。軸部21の直径D1は軸挿入穴25の直径寸法D3と同じか、前者直径D1を後者直径D3より僅かに小さく設定する。シール穴26の直径寸法D2は、軸挿通穴25の直径寸法D3より小さく、さらに軸部21の直径寸法D1より小さく設定する。より具体的には、D1×(1−0.3)≦D2≦D1×(1−0.1)とする。シール穴26の直径寸法D2が0.7D1未満であると、軸部21を軸挿通穴25に挿通する際の抵抗が大き過ぎ、組立てにくくなる。逆に直径寸法D2が0.9D1を越えると、軸部21の直径寸法のばらつきが小径側へ片寄っている場合に、軸部21とシール穴26を完全に密着できないおそれがあるからである。
【0018】
上記の実施例では、出力端子9が負極側の端子である場合について説明したが、正極側の端子であってもよい。シール穴26は軸挿通穴25の任意位置に形成でき、必要があれば複数個所に形成することができる。
【0019】
【発明の効果】
この発明では、ガスケット8の軸挿通穴25にシール穴26を設けておき、出力端子9の軸部21を軸挿通穴25に挿嵌した状態において、シール穴26を軸部21で拡径状に変形させ、軸部21と軸挿通穴25との間の隙間を確実に封止できるようにした。従って、従前同様に出力端子9をかしめ固定する構造を採りながら、軸部21とガスケット8との間を確実に封止して、軸部21のシール不良に基づく液漏れを一掃でき、その分だけ密閉型電池の信頼性が向上する。軸挿通穴25にこれより小径のシール穴26を付加して軸部21のシール不良を回避しているので、部品数の増加等のコスト増を伴うことなくシール作用を強化できる利点を有し、液漏れのない密閉型の電池をより低コストで提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】出力端子とガスケットとを分離した状態での縦断面図である。
【図2】電池の縦断面図である。
【図3】電池の平面図である。
【図4】図2におけるA−A線断面図である。
【符号の説明】
1 電池ケース
6 蓋
8 ガスケット
9 出力端子
12 取付穴
20 頭部
21 軸部
22 かしめ軸部
23 フランジ部
24 ボス部
25 軸挿通穴
26 シール穴
Claims (1)
- 電池ケース(1)の開口を塞ぐ蓋(6)に、一方の出力端子(9)がガスケット(8)を介してかしめ固定してある密閉型の電池であって、
出力端子(9)は、ガスケット(8)の外面に露出する頭部(20)と、頭部(20)より小径の軸部(21)と、軸部(21)の下端に形成されたかしめ軸部(22)とを備えており、
ガスケット(8)は、頭部(20)と蓋(6)とで挟持されるフランジ部(23)と、蓋(6)に通設した取付穴(12)に内嵌するボス部(24)とを有し、
ボス部(24)に軸部(21)と嵌合する軸挿通穴(25)が上下貫通状に設けてあり、
軸挿通穴(25)の下端に軸部(21)より小径のシール穴(26)が周回状に形成されていて、シール穴(26)の直径寸法(D2)が、軸部(21)の直径寸法(D1)を基準値にして、D1×(1− 0. 3)≦D2≦D1×(1− 0. 1)を満足するよう設定してあり、
出力端子(9)をガスケット(8)に組み付けた状態において、シール穴(26)が軸部(21)で拡径変形されることを特徴とする密閉型の電池。
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