JP3783353B2 - リン化合物、その製法及び農園芸用の有害生物防除剤 - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、殺虫剤などとして有用な農園芸用の有害生物防除剤である新規なリン化合物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
本発明のリン化合物(1)の構造に最も近いものとしては、特開昭56−45452号公報に
次式;
【0003】
【化10】
【0004】
(式中、Ra は、場合により置換されてもよいアルキル基であり;Xは酸素原子又は硫黄原子であり;R2 及びR4 は、同じか又は異なるものであリ、水素原子,アルキル基,アシル基,場合により置換されてもよいアルキルスルホニル基,アリールスルホニル基を表わす。)
で示される化合物が殺虫活性を示すことが記載されている。
【0005】
本発明のリン化合物(1)は、「−P(O)−X−Ph−」の「−X−」部分で、構造的に異なる。
従って、本発明のリン化合物(1)は、新規化合物であることから、その生物活性も知られていなかったものである。
本発明のリン化合物(1)を製造するための新規な中間体(4')に関連する技術としては、Liebigs.Ann.Chem.825(1989)に、Wittig−Honer反応生成物として、4−ベンゾイル−2−ニトロベンジルホスホン酸類が記載されており;特開平1−151930号公報及びChem.Lett.(4),569(1988)に、光分解性界面活性剤及びその中間体として4−(4−アルコキシベンゾイル)ベンジルホスホン酸類が記載されており;特公平6−62650号公報に、チロキシナーゼ阻害剤及びその中間体として4−ベンゾイルベンジルホスホン酸類が記載されている。
しかし、これらは、化合物(4')でいずれもR1'が無置換フェニル又はアルコキシフェニル基に相当する化合物であり、本発明のR1'がハロフェニル基の化合物は知られていない。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の課題は、新規なリン化合物、その製法及びそれを有効成分とする殺虫剤として有用な農園芸用の有害生物防除剤を提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、前記の課題を解決するために検討した結果、新規なリン化合物が殺虫剤として有用な農園芸用の有害生物防除剤として顕著な防除活性を有することを見出し、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明は次の通りである。
第1の発明は、次式(1):
【0008】
【化11】
【0009】
(式中、R1 は、非置換又は置換基としてハロゲン原子を有するフェニル基を表し;R2 及びR3 は、それぞれ独立して、水素原子,炭素原子数2〜5個のアルコキシカルボニル基,炭素原子数2〜5個のアルキルカルボニル基,炭素原子数1〜4個のアルキルアミノスルホニル基又は炭素原子数3〜6個のシクロアルキルアミノスルホニル基を表し;R4 及びR5 は、それぞれ独立して、炭素原子数1〜4個のアルコキシ基,炭素原子数1〜4個のアルキル基又は水酸基を表す。)
で示されるリン化合物に関するものである。
第2の発明は、次式(2):
【0010】
【化12】
【0011】
(式中、R1 ,R2 及びR3 は、前記と同義であり;Zは、脱離基を表わす。)で示される化合物と次式(3):
【0012】
【化13】
【0013】
(式中、R4 及びR5 は、前記の記載と同義であり、Yは、水素原子又はアルキル基を表す。)
で示される化合物を反応させることを特徴とする次式(1a);
【0014】
【化14】
【0015】
(式中、R1 〜R5 は、前記と同義である。)
で示されるリン化合物の製法に関するものである。
第3の発明は、次式(4):
【0016】
【化15】
【0017】
(式中、R1 ,R4 及びR5 は、前記と同義である。)
で示される化合物と次式(5):
【0018】
【化16】
【0019】
(式中、R2 及びR3 は前記と同義である。)
で示される化合物を反応させることを特徴とする、前記の式(1)で示されるリン化合物の製法に関するものである。
第4の発明は、次式(1b):
【0020】
【化17】
【0021】
(式中、R1 ,R2 ,R4 及びR5 は、前記と同義である。)
で示される化合物と
次式(6):
【0022】
【化18】
【0023】
(式中、Z’は、脱離基を表し;R3 は、前記と同義である。)
で示される化合物を反応させることを特徴とする、前記の式(1)で示されるリン化合物の製法に関するものである。
第5の発明は、次式(4'):
【0024】
【化19】
【0025】
〔式中、R1'は、置換基としてハロゲン原子を有するフェニル基を表し;R4 及びR5 は、前記と同義である。〕
で示される化合物に関するものである。
第6の発明は、前記の式(1)で示されるリン化合物を有効成分とする農園芸用の有害生物防除剤に関するものである。
【0026】
【発明の実施の形態】
以下、本発明について詳細に説明する。
目的化合物である新規なリン化合物〔化合物(1),(1a)〕、その製造原料である化合物〔(2)〜(5),(4')〕におけるR1 〜R5 ,R1',Y,Z及びZ’は、次の通りである。
【0027】
〔R1 〕
R1 としては、非置換もしくは置換基としてハロゲン原子を有するフェニル基を挙げることができる。
ハロゲン原子としては、塩素原子,ヨウ素原子,臭素原子,フッ素原子などを挙げることができるが;塩素原子が好ましい。
【0028】
〔R2 及びR3 〕
R2 及びR3 としては、それぞれ独立して、水素原子及び炭素原子数2〜5アルコキシカルボニル基,炭素原子数2〜5個のアルキルカルボニル基,炭素原子数1〜4のアルキルアミノスルホニル基,炭素原子数3〜6のシクロアルキルアミノスルホニル基を挙げることができる。
アルコキシカルボニル基としては、炭素原子数1〜4の直鎖状又は分岐状のアルコキシ基を有するものを挙げることができるが;好ましくは−COOCH3 ,−COOC2 H5 である。
アルキルカルボニル基としては、炭素原子数1〜4の直鎖状又は分岐状のアルキル基を有するものを挙げることができるが;好ましくは−COCH3 である。
アルキルアミノスルホニル基としては、炭素原子数1〜4の直鎖状又は分岐状のアルキル基を有するものを挙げることができる。
シクロアルキルアミノスルホニル基としては、炭素原子数3〜6のシクロアルキル基を有するものを挙げることができる。
【0029】
〔R4 及びR5 〕
R4 及びR5 としては、それぞれ独立して、炭素原子数1〜4個のアルコキシ基,炭素原子数1〜4個のアルキル基,水酸基を挙げることができる。
アルコキシ基としては、炭素原子数1〜4の直鎖状又は分岐状のものを挙げることができるが;好ましくは−OCH3 ,−OC2 H5 ,−C3 H7-iである。
アルキル基としては、炭素原子数1〜4の直鎖状又は分岐状のアルキル基を有するものを挙げることができるが;好ましくはCH3 である。
〔R1'〕
R1'としては、置換基としてハロゲン原子を有するフェニル基を挙げることができる。
ハロゲン原子としては、塩素原子,ヨウ素原子,臭素原子,フッ素原子などを挙げることができるが;塩素原子が好ましい。
【0030】
〔Y〕
Yとしては、水素原子,アルキル基を挙げることができる。
〔Z〕
Zは脱離基であり、特に限定されず、例えば、ハロゲン原子,アルキルスルホニルオキシ基;好ましくはハロゲン原子;さらに好ましくは、塩素原子である。
〔Z’〕
Z’は脱離基であり、特に限定されず、例えば、ハロゲン原子,アルキルカルボニルオキシ基,アリールカルボニルオキシ基,アルコキシ基,アリールオキシ基,イミダゾール基,水酸基などを挙げることができるが;好ましくはハロゲン原子,アリールオキシ基であり;さらに好ましくは、塩素原子,o−ヒドロキシフェノキシ基である。
また、本発明の化合物(1)には、幾何異性体及びその混合物も合まれる。
【0031】
化合物(1)としては、前記の各種の置換基を組み合わせたものを挙げることができるが;薬効の面から好ましいものは、R1 が置換基としてハロゲン原子を有するフェニル基であり;R2 とR3 とが同一又は相異なってもよい水素原子,炭素原子数2〜5個のアルコキシカルボニル基,炭素原子数2〜5個のアルキルカルボニル基,炭素原子数3〜6個のシクロアルキルアミノスルホニル基,炭素原子数1〜4個のアルキルアミノスルホニル基から選ばれた基であり;R4 とR5 とが同一又は相異なってもよい炭素原子数1〜4個のアルコキシ基,炭素原子数1〜4個のアルキル基から選ばれた基である化合物である。
化合物(4')としては、前記の各種の置換基を組み合わせたものを挙げることができるが;好ましいものは、R1 が置換基としてハロゲン原子を有するフェニル基であり;R4 とR5 とが同一又は相異なってもよい炭素原子数1〜4個のアルコキシ基,炭素原子数1〜4個のアルキル基,水酸基から選ばれた基である化合物である。
【0032】
化合物(1)は、以下に示す製造法1,2又は3によって合成することができる。
〔製造法1〕
化合物(1a)(化合物(1)において、Xが酸素原子である場合)は、次に示すように、化合物(2)と化合物(3)とを無溶媒もしくは溶媒中で反応させることによって行う。
【0033】
【化20】
【0034】
(式中、R1 〜R5 ,Y及びZは、前記と同義である。)
溶媒の種類としては、本反応に直接関与しないものであれば特に限定されず、例えば、ベンゼン,トルエン,キシレン,メチルナフタリン,石油エーテル,リグロイン,ヘキサン,クロルベンゼン,ジクロルベンゼン,塩化メチレン,クロロホルム,ジクロルエタン,トリクロルエチレン,シクロヘキサンのような塩素化された又はされていない芳香族,脂肪族,脂環式の炭化水素類;ジエチルエーテル,テトラヒドロフラン,ジオキサンなどのようなエーテル類;アセトン,メチルエチルケトンなどのようなケトン類;メタノール,エタノール,エチレングリコールなどのようなアルコール類又はその含水物;N,N−ジメチルホルムアミド,N,N−ジメチルアセトアミドなどのようなアミド類;アセトニトリル,プロピオニトリルなどのようなニトリル類;トリエチルアミン,ピリジン,N,N−ジメチルアニリン、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ−7−エンなどのような有機塩基;1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン;ジメチルスルホキシド;前記溶媒の混合物などを挙げることができる。
【0035】
溶媒の使用量は、化合物(2)の濃度が5〜100重量%の濃度範囲になるようにして使用することができるが;10〜70重量%が好ましい。
反応温度は、特に限定されないが、通常は室温から使用する溶媒の沸点以下の温度範囲内であり;沸点以下の温度が好ましい。
反応時間は、前記の濃度,温度によって変化するが;通常0.3〜24時間である。
原料化合物の使用量は、化合物(2)に対して化合物(3)が0.5〜20倍モルであるが;好ましくは0.8〜10倍モルである。
化合物(2)は、次に示すように化合物(5)と化合物(6)を反応することによって合成することができる。
【0036】
【化21】
【0037】
(式中、R1 〜R3 及びZは、前記と同義である。)
化合物(8)は、例えば、Zがハロゲン原子の場合には、いわゆるベンジルハライド類であり、Org.Synth.,V,328(1973)に記載の方法などの公知の方法によって合成できる。
化合物(5)は、例えば、R2 ,R3 の一方がアルコキシカルボニル基である場合には,特開昭58−203980号記載の方法などの公知の方法に準じて合成することができるし、また市販品として使用できるものもある。
〔製造法2〕
化合物(1)は、次に示すように、化合物(4)と化合物(5)とを無溶媒もしくは溶媒中で反応させることによって行う。
【0038】
【化22】
【0039】
(式中、R1 〜R5 は、前記と同義である。)
溶媒の種類としては、本反応に直接関与しないものであれば特に限定されず、例えば、ベンゼン,トルエン,キシレン,メチルナフタリン,石油エーテル,リグロイン,ヘキサン,クロルベンゼン,ジクロルベンゼン,塩化メチレン,クロロホルム,ジクロルエタン,トリクロルエチレン,シクロヘキサンのような塩素化された又はされていない芳香族,脂肪族,脂環式の炭化水素類;ジエチルエーテル,テトラヒドロフラン,ジオキサンなどのようなエーテル類;メタノール,エタノール,エチレングリコールなどのようなアルコール類又はその含水物;N,N−ジメチルホルムアミド,N,N−ジメチルアセトアミドなどのようなアミド類;アセトニトリル,プロピオニトリルなどのようなニトリル類;トリエチルアミン,ピリジン,N,N−ジメチルアニリン、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ−7−エンなどのような有機塩基;1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン;ジメチルスルホキシド;酢酸;前記溶媒の混合物などを挙げることができる。
【0040】
溶媒の使用量は、化合物(4)が5〜100重量%になるようにして使用することができるが;10〜70重量%が好ましい。
反応温度は、特に限定されないが、室温〜200℃の温度範囲内であり;好ましくは50〜150℃である。
反応時間は、前記の濃度,温度によって変化するが;通常0.1〜100時間であるが;好ましくは0.3〜24時間である。
原料化合物の使用量は、化合物(4)に対して化合物(5)が0.5〜50倍モルであるが;好ましくは0.8〜10倍モルである。
また、必要に応じて、反応の触媒として、例えば、塩酸,硫酸,硝酸などの鉱酸;蟻酸,酢酸,プロピオン酸,メタンスルホン酸,ベンゼンスルホン酸,p一トルエンスルホン酸などの有機酸;三弗化硼素一エーテル複合体、四塩化チタンなどのルイス酸;ピリジン塩酸塩.トリエチルアミン塩酸塩などのアミン類の酸付加塩などを化合物(4)に対して0.001〜1モル用いることができる。
化合物(4)は、例えばホスホニック酸エステルの場合には、特公平6一62650号の方法等に準じて合成できる。
【0041】
〔製造法3〕
化合物(1)は、次に示すように、化合物(1b)と化合物(6)とを無溶媒もしくは溶媒中で反応させることによって合成することができる。
【0042】
【化23】
【0043】
(式中、R1 〜R5 及びZ’は、前記と同義である。)
溶媒の種類としては、製造法1に記載したものと同じものを使用することができる。
溶媒の使用量は、化合物(1b)が5〜100重量%になるようにして使用することができるが;10〜70重量%が好ましい。
反応温度は、特に限定されないが、0〜200℃の温度範囲内であり;好ましくは0〜150℃である。
反応時間は、前記の濃度,温度によって変化するが;通常0.1〜100時間であるが;好ましくは0.3〜24時間である。
原料化合物の使用量は、化合物(1b)に対して化合物(6)が0.5〜50倍モルであるが;好ましくは0.8〜10倍モルである。
【0044】
また、必要に応じて、塩基を用いる。
塩基の種類としては、特に限定されず、例えば、トリエチルアミン,ピリジン,4−N,N−ジメチルアミノピリジン,N,N−ジメチルアニリン、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカー7ーエンなどのような有機塩基;ナトリウムメトキシド,ナトリウムエトキシドなどのようなアルカリ金属アルコキシド類;水素化ナトリウム,ナトリウムアミド,水酸化ナトリウム,水酸化カリウム,炭酸カリウム,炭酸ナトリウム,炭酸水素カリウム、炭酸水素ナトリウムなどの無機塩基などを挙げることができる。
【0045】
そして、その塩基の使用量は、化合物(1b)に対して0.001〜5倍モルである。
化合物(1b)は、化合物(1)において、R2 、R3 の少なくとも1方が、水素原子のものであり(反応式には、R3 が水素原子として記載した)、製造法1、2或いは3により、合成することができる。
化合物(6)は、文献公知の方法に準じて合成することもできるし、市販品として入手可能なものもある。例えば、R3 がアルキルスルホニル基、Z’がハロゲン原子の化合物は、J.Org.Chem.,41,4028(1976)に記載の方法などに準じて合成できる。
以上のようにして製造された目的の化合物(1)は、反応終了後、抽出,濃縮,濾過などの通常の後処理を行い、必要に応じて再結晶,各種クロマトグラフィーなどの公知の手段で適宜精製することができる。
化合物(1)としては、後述の表2〜4中に示した化合物1〜30などを挙げることができる〔例えば、化合物1は、化合物(1)で示される式におけるR1 が4一クロロフェニル基、R2 とR3 が水素原子、エトキシカルボニル基であり、R4 とR5 がメトキシ基である〕。
【0046】
農園芸用の有害生物防除剤
〔防除効果〕
本発明の化合物(1)で防除効果が認められる農園芸における有害生物としては、農園芸害虫〔例えば、半翅目(ウンカ類,ヨコバイ類,アブラムシ類,コナジラミ類など)、鱗翅目(ハスモンヨトウなどのヨトウムシ類,コナガ,ハマキムシ類,メイガ類,シンクイムシ類,モンシロチョウなど)、鞘翅目(ゴミムシダマシ類,ゾウムシ類,ハムシ類,コガネムシ類など)、ダニ目(ハダニ科のミカンハダニ,ナミハダニなど、フシダニ科のミカンサビダニなど)〕、衛生害虫(例えば、ハエ,カ,ゴキブリなど)、貯穀害虫(ヒラタコクヌストモドキなどのコクヌストモドキ類,マメゾウムシ類など)、土壌中のコーンルートワームネコブセンチュウ、マツノザイセンチュウ、ネダニなどを挙げることができる。
【0047】
〔有害生物防除剤〕
本発明の有害生物防除剤は、特に殺虫活性が顕著であり、化合物(1)の1種以上を有効成分として含有する農園芸用の殺虫剤である。
化合物(1)は、単独で使用することもできるが、通常は常法によって、担体,界面活性剤,分散剤,補助剤などを配合(例えば、粉剤,乳剤,微粒剤,粒剤,水和剤,油性の懸濁液,エアゾールなどの組成物として調製する)して使用することが好ましい。
【0048】
担体としては、例えば、タルク,ベントナイト,クレー,カオリン,ケイソウ土,ホワイトカーボン,バーミキュライト,消石灰,ケイ砂,硫安,尿素などの固体担体;炭化水素(ケロシン,鉱油など)、芳香族炭化水素(ベンゼン,トルエン,キシレンなど)、塩素化炭化水素(クロロホルム,四塩化炭素など)、エーテル類(ジオキサン,テトラヒドロフランなど)、ケトン類(アセトン,シクロヘキサノン,イソホロンなど)、エステル類(酢酸エチル,エチレングリコールアセテート,マレイン酸ジブチルなど)、アルコール類(メタノール,n−ヘキサノール,エチレングリコールなど)、極性溶媒(ジメチルホルムアミド,ジメチルスルホキシドなど)、水などの液体担体;空気,窒素,炭酸ガス,フレオンなどの気体担体(この場合には、混合噴射することができる)などを挙げることがでる。
【0049】
本剤の動植物への付着,吸収の向上,薬剤の分散,乳化,展着などの性能を向上させるために使用できる界面活性剤や分散剤としては、例えば、アルコール硫酸エステル類,アルキルスルホン酸塩,リグニンスルホン酸塩,ポリオキシエチレングリコールエーテルなどを挙げることができる。そして、その製剤の性状を改善するためには、例えば、カルボキシメチルセルロース,ポリエチレングリコール,アラビアゴムなどを補助剤として用いることができる。
本剤の製造では、前記の担体,界面活性剤,分散剤及び補助剤をそれぞれの目的に応じて、各々単独で又は適当に組み合わせて使用することができる。
本発明の化合物(1)を製剤化した場合の有効成分濃度は、乳剤では通常1〜50重量%,粉剤では通常0.3〜25重量%,水和剤では通常1〜90重量%,粒剤では通常0.5〜5重量%,油剤では通常0.5〜5重量%,エアゾールでは通常0.1〜5重量%である。
これらの製剤を適当な濃度に希釈して、それぞれの目的に応じて、植物茎葉,土壌,水田の水面に散布するか、又は直接施用することによって各種の用途に供することができる。
【0050】
【実施例】
以下、本発明を参考例及び実施例によって具体的に説明する。なお、これらの実施例は、本発明の範囲を限定するものではない。
実施例1〔化合物(4)の合成〕
(1)4−クロロ−4’−(ジメトキシホスフィニルメチル)ベンゾフェノン〔化合物(4)1〕の合成
4−クロロ−4’−ブロモメチルベンゾフェノン(3g),トリメチルホスファイト(1.2g)の混合物を140〜150℃で1.5時間加熱撹拌した。
反応終了後、得られた油状物をカラムクロマトグラフィー(ワコーゲルC200,クロロホルム−メタノール=100:1溶出)で精製し、淡黄色固体である目的化合物を1.08g得た。
【0051】
(2)4−クロロ−4’−(ジエトキシホスフィニルメチル)ベンゾフェノン〔化合物(4)2〕の合成
4−クロロ−4’−ブロモメチルベンゾフェノン(10g),トリエチルホスファイト(5.4g)の混合物を140〜150℃で1.7時間加熱撹拌した。
反応終了後、得られた油状物をカラムクロマトグラフィー(ワコーゲルC200,クロロホルム−メタノール=100:1溶出)で精製し、黄緑色油状物である目的化合物を8.5g得た。
以上のようにして合成した化合物(4)のうち、新規化合物(4’)とその物性値を表1に示す。
【0052】
【表1】
【0053】
実施例2〔化合物(1)の合成〕
(1)4−クロロ−4’−(ジメトキシホスフィニルメチル)ベンゾフェノンN’−エトキシカルボニルヒドラゾン〔化合物1〕の合成
製造法1によって、次のようにして合成した。
4−クロロ−4’−ブロモメチルベンゾフェノン エトキシカルボニルヒドラゾン(1g),トリメチルホスファイト(3ml)の混合物を6時間加熱還流した。
反応終了後、過剰のトリメチルホスファイトを減圧下留去し、得られた油状物をカラムクロマトグラフィー(Micro Sphere Gel D−150−60A,酢酸エチル溶出)で精製し、ヘキサンーエチルエーテルで結晶化することにより、白色粉末である目的化合物を0.8g得た。
【0054】
(2)4−クロロ−4’−(ジエトキシホスフィニルメチル)ベンゾフェノンヒドラゾン〔化合物4〕の合成
製造法2によって、次のようにして合成した。
4−クロロ−4’−(ジエトキシホスフィニルメチル)ベンゾフェノン(1.4g),ヒドラジン1水和物(0.58g)及び触媒量の濃塩酸をエタノールに溶解し、12時間加熱還流した。
反応終了後、室温まで冷却し、水を加え、酢酸エチルで抽出し、飽和炭酸水素ナトリウム、飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した後に溶媒を減圧下で留去した。
得られた油状物をカラムクロマトグラフィー〔ワコーゲルC200,トルエン:酢酸エチル=(1:4)〜(1:5)溶出〕で精製することによって、黄色油状物である目的化合物を0.83g得た。
【0055】
(3)4−クロロ−4’−(ジエトキシホスフィニルメチル)ベンゾフェノンN’−メトキシカルボニルヒドラゾン〔化合物5〕の合成
製造法2によって、次のようにして合成した。
4−クロロ−4’−(ジエトキシホスフィニルメチル)ベンゾフェノン(1.5g),メチルカーバゼート(0.74g)及び触媒量の三弗化硼素−エーテル複合体をトルエン(30ml)に溶解し、加熱撹拌した。
反応終了後、室温まで冷却し、水を加え、酢酸エチルで抽出し、飽和炭酸水素ナトリウム、飽和食塩水で洗し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した後に溶媒を減圧下で留去した。
得られた油状物をカラムクロマトグラフィー(ワコーゲルC200,トルエン:酢酸エチル=1:4溶出)で精製することによって、無色油状物である目的化合物を1.57g得た。
【0056】
(4)4−クロロ−4’−(ジエトキシホスフィニルメチル)ベンゾフェノンN’−アセチルヒドラゾン〔化合物10〕の合成
製造法3によって、次のようにして合成した。
4−クロロ−4’−(ジエトキシホスフィニルメチル)ベンゾフェノン ヒドラゾン(0.65g),トリエチルアミン(0.36g)をジクロロメタン15mlに溶解し、アセチルクロライド(0.2g)のジクロロメタン(15ml)溶液を徐々に加えた。次いで室温で2時間反応した。
反応終了後、水を加え、酢酸エチルで抽出し、飽和食塩水で洗し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した後に溶媒を減圧下で留去した。
得られた油状物をカラムクロマトグラフィー(ワコーゲルC200,トルエン:酢酸エチル=1:8溶出)で精製することによって、淡黄色固体である目的化合物を0.43g得た。
【0057】
(5)4−クロロ−4’−(ジエトキシホスフィニルメチル)ベンゾフェノンN’−(シクロプロピルアミノスルホニル)ヒドラゾン〔化合物15〕の合成
製造法3によって、次のようにして合成した。
4−クロロ−4’−(ジエトキシホスフィニルメチル)ベンゾフェノン ヒドラゾン(0.43g),2−(シクロプロピルアミノスルホニルオキシ)フェノール(0.41g)及びジメチルホルムアミド0.4mlの混合物を約85℃で2時間加熱撹拌した。
反応終了後、室温まで冷却し、水を加え、酢酸エチルで抽出し、飽和食塩水で洗し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した後に溶媒を減圧下で留去した。
得られた油状物をカラムクロマトグラフィー(ワコーゲルC200,トルエン:酢酸エチル=1:2溶出)で精製することによって、淡褐色油状物である目的化合物を0.14g得た。
【0058】
(6)表2〜4中のその他の化合物(1)の合成
前記(1)〜(5)に記載の方法に準じて表2〜4中のその他の化合物(1)を合成した。
以上のように合成した化合物及び物性を表2〜5に示す。
【0059】
【表2】
【0060】
【表3】
【0061】
【表4】
【0062】
【表5】
【0063】
実施例2〔製剤の調製〕
(1)粒剤の調製
化合物1を5重量部,ベントナイト35重量部,タルク57重量部,ネオペレックスパウダー(商品名;花王株式会社製)1重量部及びリグニンスルホン酸ソーダ2重量部を均一に混合し、次いで少量の水を添加して混練した後、造粒、乾燥して粒剤を得た。
【0064】
(2)水和剤の調製
化合物1を10重量部,カオリン70重量部,ホワイトカーボン18重量部,ネオペレックスパウダー(商品名;花王株式会社製)1.5重量部及びデモール(商品名;花王株式会社製)0.5重量部とを均一に混合し、次いで粉砕して水和剤を得た。
【0065】
(3)乳剤の調製
化合物1を20重量部及びキシレン70重量部に、トキサノン(商品名;三洋化成工業製)10重量部を加えて均一に混合し、溶解して乳剤を得た。
【0066】
(4)粉剤の調製
化合物1を5重量部,タルク50重量部及びカオリン45重量部を均一に混合して粉剤を得た。
【0067】
実施例3〔効力試験〕
(1)コナガに対する効力試験
実施例2に準じて調整した表2〜4に示す化合物(1)の各水和剤を界面活性剤(0.01%)を含む水で各々300ppmに希釈し、これらの各溶液中にキャベツ葉片(5cm×5cm)を30秒間浸漬し、各プラスチックカップに一枚ずつ入れて風乾した。
次にこれらのカップ内に各々10頭のコナガ(3齢幼虫)を放って蓋をし、25℃定温室に放置し、2日後に各カップの生死虫数を数えて死虫率を求めた。
殺虫効果の評価は、死虫率の範囲によって、4段階(A:100%,B:100未満〜80%,C:80未満〜60%,D:60%未満)で示した。
これらの結果を表6に示す。
【0068】
【表6】
【0069】
(2)ハスモンヨトウに対する効力試験
実施例2に準じて調整した表2〜4に示す化合物(1)の各水和剤を界面活性剤(0.01%)を含む水で各々500ppmに希釈し、これらの各溶液中にダイズ本葉を30秒間浸漬し、各プラスチックカップに一枚ずつ入れて風乾した。
次にこれらのカップ内に各々10頭のハスモンヨトウ(2齢幼虫)を放って蓋をし、25℃定温室に放置し、2日後に各カップの生死虫数を数えて死虫率を求めた。
殺虫効果の評価の結果を、前記の(1)に記載した4段階の評価方法で表7に示す。
【0070】
【表7】
【0071】
(3)トビイロウンカに対する効力試験
実施施2に準じて調整した表2〜4に示す化合物(1)の各水和剤を界面活性剤(0.01%)を含む水で各々300ppmに希釈し、これらの各溶液中にイネ稚苗を30秒間浸漬し、風乾後、ガラス円筒に差した。トビイロウンカ4齢幼虫10頭を放ち、多孔質の栓をして、25℃定温室に放置した。4日後に生死虫数を数え、死虫率を求めた。
殺虫効果の評価の結果を、前記の(1)に記載した4段階の評価方法で表8に示す。
【0072】
【表8】
【0073】
【発明の効果】
本発明の新規なリン化合物は、有害生物防除剤として有用な農薬である。
【発明の属する技術分野】
本発明は、殺虫剤などとして有用な農園芸用の有害生物防除剤である新規なリン化合物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
本発明のリン化合物(1)の構造に最も近いものとしては、特開昭56−45452号公報に
次式;
【0003】
【化10】
【0004】
(式中、Ra は、場合により置換されてもよいアルキル基であり;Xは酸素原子又は硫黄原子であり;R2 及びR4 は、同じか又は異なるものであリ、水素原子,アルキル基,アシル基,場合により置換されてもよいアルキルスルホニル基,アリールスルホニル基を表わす。)
で示される化合物が殺虫活性を示すことが記載されている。
【0005】
本発明のリン化合物(1)は、「−P(O)−X−Ph−」の「−X−」部分で、構造的に異なる。
従って、本発明のリン化合物(1)は、新規化合物であることから、その生物活性も知られていなかったものである。
本発明のリン化合物(1)を製造するための新規な中間体(4')に関連する技術としては、Liebigs.Ann.Chem.825(1989)に、Wittig−Honer反応生成物として、4−ベンゾイル−2−ニトロベンジルホスホン酸類が記載されており;特開平1−151930号公報及びChem.Lett.(4),569(1988)に、光分解性界面活性剤及びその中間体として4−(4−アルコキシベンゾイル)ベンジルホスホン酸類が記載されており;特公平6−62650号公報に、チロキシナーゼ阻害剤及びその中間体として4−ベンゾイルベンジルホスホン酸類が記載されている。
しかし、これらは、化合物(4')でいずれもR1'が無置換フェニル又はアルコキシフェニル基に相当する化合物であり、本発明のR1'がハロフェニル基の化合物は知られていない。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の課題は、新規なリン化合物、その製法及びそれを有効成分とする殺虫剤として有用な農園芸用の有害生物防除剤を提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、前記の課題を解決するために検討した結果、新規なリン化合物が殺虫剤として有用な農園芸用の有害生物防除剤として顕著な防除活性を有することを見出し、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明は次の通りである。
第1の発明は、次式(1):
【0008】
【化11】
【0009】
(式中、R1 は、非置換又は置換基としてハロゲン原子を有するフェニル基を表し;R2 及びR3 は、それぞれ独立して、水素原子,炭素原子数2〜5個のアルコキシカルボニル基,炭素原子数2〜5個のアルキルカルボニル基,炭素原子数1〜4個のアルキルアミノスルホニル基又は炭素原子数3〜6個のシクロアルキルアミノスルホニル基を表し;R4 及びR5 は、それぞれ独立して、炭素原子数1〜4個のアルコキシ基,炭素原子数1〜4個のアルキル基又は水酸基を表す。)
で示されるリン化合物に関するものである。
第2の発明は、次式(2):
【0010】
【化12】
【0011】
(式中、R1 ,R2 及びR3 は、前記と同義であり;Zは、脱離基を表わす。)で示される化合物と次式(3):
【0012】
【化13】
【0013】
(式中、R4 及びR5 は、前記の記載と同義であり、Yは、水素原子又はアルキル基を表す。)
で示される化合物を反応させることを特徴とする次式(1a);
【0014】
【化14】
【0015】
(式中、R1 〜R5 は、前記と同義である。)
で示されるリン化合物の製法に関するものである。
第3の発明は、次式(4):
【0016】
【化15】
【0017】
(式中、R1 ,R4 及びR5 は、前記と同義である。)
で示される化合物と次式(5):
【0018】
【化16】
【0019】
(式中、R2 及びR3 は前記と同義である。)
で示される化合物を反応させることを特徴とする、前記の式(1)で示されるリン化合物の製法に関するものである。
第4の発明は、次式(1b):
【0020】
【化17】
【0021】
(式中、R1 ,R2 ,R4 及びR5 は、前記と同義である。)
で示される化合物と
次式(6):
【0022】
【化18】
【0023】
(式中、Z’は、脱離基を表し;R3 は、前記と同義である。)
で示される化合物を反応させることを特徴とする、前記の式(1)で示されるリン化合物の製法に関するものである。
第5の発明は、次式(4'):
【0024】
【化19】
【0025】
〔式中、R1'は、置換基としてハロゲン原子を有するフェニル基を表し;R4 及びR5 は、前記と同義である。〕
で示される化合物に関するものである。
第6の発明は、前記の式(1)で示されるリン化合物を有効成分とする農園芸用の有害生物防除剤に関するものである。
【0026】
【発明の実施の形態】
以下、本発明について詳細に説明する。
目的化合物である新規なリン化合物〔化合物(1),(1a)〕、その製造原料である化合物〔(2)〜(5),(4')〕におけるR1 〜R5 ,R1',Y,Z及びZ’は、次の通りである。
【0027】
〔R1 〕
R1 としては、非置換もしくは置換基としてハロゲン原子を有するフェニル基を挙げることができる。
ハロゲン原子としては、塩素原子,ヨウ素原子,臭素原子,フッ素原子などを挙げることができるが;塩素原子が好ましい。
【0028】
〔R2 及びR3 〕
R2 及びR3 としては、それぞれ独立して、水素原子及び炭素原子数2〜5アルコキシカルボニル基,炭素原子数2〜5個のアルキルカルボニル基,炭素原子数1〜4のアルキルアミノスルホニル基,炭素原子数3〜6のシクロアルキルアミノスルホニル基を挙げることができる。
アルコキシカルボニル基としては、炭素原子数1〜4の直鎖状又は分岐状のアルコキシ基を有するものを挙げることができるが;好ましくは−COOCH3 ,−COOC2 H5 である。
アルキルカルボニル基としては、炭素原子数1〜4の直鎖状又は分岐状のアルキル基を有するものを挙げることができるが;好ましくは−COCH3 である。
アルキルアミノスルホニル基としては、炭素原子数1〜4の直鎖状又は分岐状のアルキル基を有するものを挙げることができる。
シクロアルキルアミノスルホニル基としては、炭素原子数3〜6のシクロアルキル基を有するものを挙げることができる。
【0029】
〔R4 及びR5 〕
R4 及びR5 としては、それぞれ独立して、炭素原子数1〜4個のアルコキシ基,炭素原子数1〜4個のアルキル基,水酸基を挙げることができる。
アルコキシ基としては、炭素原子数1〜4の直鎖状又は分岐状のものを挙げることができるが;好ましくは−OCH3 ,−OC2 H5 ,−C3 H7-iである。
アルキル基としては、炭素原子数1〜4の直鎖状又は分岐状のアルキル基を有するものを挙げることができるが;好ましくはCH3 である。
〔R1'〕
R1'としては、置換基としてハロゲン原子を有するフェニル基を挙げることができる。
ハロゲン原子としては、塩素原子,ヨウ素原子,臭素原子,フッ素原子などを挙げることができるが;塩素原子が好ましい。
【0030】
〔Y〕
Yとしては、水素原子,アルキル基を挙げることができる。
〔Z〕
Zは脱離基であり、特に限定されず、例えば、ハロゲン原子,アルキルスルホニルオキシ基;好ましくはハロゲン原子;さらに好ましくは、塩素原子である。
〔Z’〕
Z’は脱離基であり、特に限定されず、例えば、ハロゲン原子,アルキルカルボニルオキシ基,アリールカルボニルオキシ基,アルコキシ基,アリールオキシ基,イミダゾール基,水酸基などを挙げることができるが;好ましくはハロゲン原子,アリールオキシ基であり;さらに好ましくは、塩素原子,o−ヒドロキシフェノキシ基である。
また、本発明の化合物(1)には、幾何異性体及びその混合物も合まれる。
【0031】
化合物(1)としては、前記の各種の置換基を組み合わせたものを挙げることができるが;薬効の面から好ましいものは、R1 が置換基としてハロゲン原子を有するフェニル基であり;R2 とR3 とが同一又は相異なってもよい水素原子,炭素原子数2〜5個のアルコキシカルボニル基,炭素原子数2〜5個のアルキルカルボニル基,炭素原子数3〜6個のシクロアルキルアミノスルホニル基,炭素原子数1〜4個のアルキルアミノスルホニル基から選ばれた基であり;R4 とR5 とが同一又は相異なってもよい炭素原子数1〜4個のアルコキシ基,炭素原子数1〜4個のアルキル基から選ばれた基である化合物である。
化合物(4')としては、前記の各種の置換基を組み合わせたものを挙げることができるが;好ましいものは、R1 が置換基としてハロゲン原子を有するフェニル基であり;R4 とR5 とが同一又は相異なってもよい炭素原子数1〜4個のアルコキシ基,炭素原子数1〜4個のアルキル基,水酸基から選ばれた基である化合物である。
【0032】
化合物(1)は、以下に示す製造法1,2又は3によって合成することができる。
〔製造法1〕
化合物(1a)(化合物(1)において、Xが酸素原子である場合)は、次に示すように、化合物(2)と化合物(3)とを無溶媒もしくは溶媒中で反応させることによって行う。
【0033】
【化20】
【0034】
(式中、R1 〜R5 ,Y及びZは、前記と同義である。)
溶媒の種類としては、本反応に直接関与しないものであれば特に限定されず、例えば、ベンゼン,トルエン,キシレン,メチルナフタリン,石油エーテル,リグロイン,ヘキサン,クロルベンゼン,ジクロルベンゼン,塩化メチレン,クロロホルム,ジクロルエタン,トリクロルエチレン,シクロヘキサンのような塩素化された又はされていない芳香族,脂肪族,脂環式の炭化水素類;ジエチルエーテル,テトラヒドロフラン,ジオキサンなどのようなエーテル類;アセトン,メチルエチルケトンなどのようなケトン類;メタノール,エタノール,エチレングリコールなどのようなアルコール類又はその含水物;N,N−ジメチルホルムアミド,N,N−ジメチルアセトアミドなどのようなアミド類;アセトニトリル,プロピオニトリルなどのようなニトリル類;トリエチルアミン,ピリジン,N,N−ジメチルアニリン、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ−7−エンなどのような有機塩基;1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン;ジメチルスルホキシド;前記溶媒の混合物などを挙げることができる。
【0035】
溶媒の使用量は、化合物(2)の濃度が5〜100重量%の濃度範囲になるようにして使用することができるが;10〜70重量%が好ましい。
反応温度は、特に限定されないが、通常は室温から使用する溶媒の沸点以下の温度範囲内であり;沸点以下の温度が好ましい。
反応時間は、前記の濃度,温度によって変化するが;通常0.3〜24時間である。
原料化合物の使用量は、化合物(2)に対して化合物(3)が0.5〜20倍モルであるが;好ましくは0.8〜10倍モルである。
化合物(2)は、次に示すように化合物(5)と化合物(6)を反応することによって合成することができる。
【0036】
【化21】
【0037】
(式中、R1 〜R3 及びZは、前記と同義である。)
化合物(8)は、例えば、Zがハロゲン原子の場合には、いわゆるベンジルハライド類であり、Org.Synth.,V,328(1973)に記載の方法などの公知の方法によって合成できる。
化合物(5)は、例えば、R2 ,R3 の一方がアルコキシカルボニル基である場合には,特開昭58−203980号記載の方法などの公知の方法に準じて合成することができるし、また市販品として使用できるものもある。
〔製造法2〕
化合物(1)は、次に示すように、化合物(4)と化合物(5)とを無溶媒もしくは溶媒中で反応させることによって行う。
【0038】
【化22】
【0039】
(式中、R1 〜R5 は、前記と同義である。)
溶媒の種類としては、本反応に直接関与しないものであれば特に限定されず、例えば、ベンゼン,トルエン,キシレン,メチルナフタリン,石油エーテル,リグロイン,ヘキサン,クロルベンゼン,ジクロルベンゼン,塩化メチレン,クロロホルム,ジクロルエタン,トリクロルエチレン,シクロヘキサンのような塩素化された又はされていない芳香族,脂肪族,脂環式の炭化水素類;ジエチルエーテル,テトラヒドロフラン,ジオキサンなどのようなエーテル類;メタノール,エタノール,エチレングリコールなどのようなアルコール類又はその含水物;N,N−ジメチルホルムアミド,N,N−ジメチルアセトアミドなどのようなアミド類;アセトニトリル,プロピオニトリルなどのようなニトリル類;トリエチルアミン,ピリジン,N,N−ジメチルアニリン、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ−7−エンなどのような有機塩基;1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン;ジメチルスルホキシド;酢酸;前記溶媒の混合物などを挙げることができる。
【0040】
溶媒の使用量は、化合物(4)が5〜100重量%になるようにして使用することができるが;10〜70重量%が好ましい。
反応温度は、特に限定されないが、室温〜200℃の温度範囲内であり;好ましくは50〜150℃である。
反応時間は、前記の濃度,温度によって変化するが;通常0.1〜100時間であるが;好ましくは0.3〜24時間である。
原料化合物の使用量は、化合物(4)に対して化合物(5)が0.5〜50倍モルであるが;好ましくは0.8〜10倍モルである。
また、必要に応じて、反応の触媒として、例えば、塩酸,硫酸,硝酸などの鉱酸;蟻酸,酢酸,プロピオン酸,メタンスルホン酸,ベンゼンスルホン酸,p一トルエンスルホン酸などの有機酸;三弗化硼素一エーテル複合体、四塩化チタンなどのルイス酸;ピリジン塩酸塩.トリエチルアミン塩酸塩などのアミン類の酸付加塩などを化合物(4)に対して0.001〜1モル用いることができる。
化合物(4)は、例えばホスホニック酸エステルの場合には、特公平6一62650号の方法等に準じて合成できる。
【0041】
〔製造法3〕
化合物(1)は、次に示すように、化合物(1b)と化合物(6)とを無溶媒もしくは溶媒中で反応させることによって合成することができる。
【0042】
【化23】
【0043】
(式中、R1 〜R5 及びZ’は、前記と同義である。)
溶媒の種類としては、製造法1に記載したものと同じものを使用することができる。
溶媒の使用量は、化合物(1b)が5〜100重量%になるようにして使用することができるが;10〜70重量%が好ましい。
反応温度は、特に限定されないが、0〜200℃の温度範囲内であり;好ましくは0〜150℃である。
反応時間は、前記の濃度,温度によって変化するが;通常0.1〜100時間であるが;好ましくは0.3〜24時間である。
原料化合物の使用量は、化合物(1b)に対して化合物(6)が0.5〜50倍モルであるが;好ましくは0.8〜10倍モルである。
【0044】
また、必要に応じて、塩基を用いる。
塩基の種類としては、特に限定されず、例えば、トリエチルアミン,ピリジン,4−N,N−ジメチルアミノピリジン,N,N−ジメチルアニリン、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカー7ーエンなどのような有機塩基;ナトリウムメトキシド,ナトリウムエトキシドなどのようなアルカリ金属アルコキシド類;水素化ナトリウム,ナトリウムアミド,水酸化ナトリウム,水酸化カリウム,炭酸カリウム,炭酸ナトリウム,炭酸水素カリウム、炭酸水素ナトリウムなどの無機塩基などを挙げることができる。
【0045】
そして、その塩基の使用量は、化合物(1b)に対して0.001〜5倍モルである。
化合物(1b)は、化合物(1)において、R2 、R3 の少なくとも1方が、水素原子のものであり(反応式には、R3 が水素原子として記載した)、製造法1、2或いは3により、合成することができる。
化合物(6)は、文献公知の方法に準じて合成することもできるし、市販品として入手可能なものもある。例えば、R3 がアルキルスルホニル基、Z’がハロゲン原子の化合物は、J.Org.Chem.,41,4028(1976)に記載の方法などに準じて合成できる。
以上のようにして製造された目的の化合物(1)は、反応終了後、抽出,濃縮,濾過などの通常の後処理を行い、必要に応じて再結晶,各種クロマトグラフィーなどの公知の手段で適宜精製することができる。
化合物(1)としては、後述の表2〜4中に示した化合物1〜30などを挙げることができる〔例えば、化合物1は、化合物(1)で示される式におけるR1 が4一クロロフェニル基、R2 とR3 が水素原子、エトキシカルボニル基であり、R4 とR5 がメトキシ基である〕。
【0046】
農園芸用の有害生物防除剤
〔防除効果〕
本発明の化合物(1)で防除効果が認められる農園芸における有害生物としては、農園芸害虫〔例えば、半翅目(ウンカ類,ヨコバイ類,アブラムシ類,コナジラミ類など)、鱗翅目(ハスモンヨトウなどのヨトウムシ類,コナガ,ハマキムシ類,メイガ類,シンクイムシ類,モンシロチョウなど)、鞘翅目(ゴミムシダマシ類,ゾウムシ類,ハムシ類,コガネムシ類など)、ダニ目(ハダニ科のミカンハダニ,ナミハダニなど、フシダニ科のミカンサビダニなど)〕、衛生害虫(例えば、ハエ,カ,ゴキブリなど)、貯穀害虫(ヒラタコクヌストモドキなどのコクヌストモドキ類,マメゾウムシ類など)、土壌中のコーンルートワームネコブセンチュウ、マツノザイセンチュウ、ネダニなどを挙げることができる。
【0047】
〔有害生物防除剤〕
本発明の有害生物防除剤は、特に殺虫活性が顕著であり、化合物(1)の1種以上を有効成分として含有する農園芸用の殺虫剤である。
化合物(1)は、単独で使用することもできるが、通常は常法によって、担体,界面活性剤,分散剤,補助剤などを配合(例えば、粉剤,乳剤,微粒剤,粒剤,水和剤,油性の懸濁液,エアゾールなどの組成物として調製する)して使用することが好ましい。
【0048】
担体としては、例えば、タルク,ベントナイト,クレー,カオリン,ケイソウ土,ホワイトカーボン,バーミキュライト,消石灰,ケイ砂,硫安,尿素などの固体担体;炭化水素(ケロシン,鉱油など)、芳香族炭化水素(ベンゼン,トルエン,キシレンなど)、塩素化炭化水素(クロロホルム,四塩化炭素など)、エーテル類(ジオキサン,テトラヒドロフランなど)、ケトン類(アセトン,シクロヘキサノン,イソホロンなど)、エステル類(酢酸エチル,エチレングリコールアセテート,マレイン酸ジブチルなど)、アルコール類(メタノール,n−ヘキサノール,エチレングリコールなど)、極性溶媒(ジメチルホルムアミド,ジメチルスルホキシドなど)、水などの液体担体;空気,窒素,炭酸ガス,フレオンなどの気体担体(この場合には、混合噴射することができる)などを挙げることがでる。
【0049】
本剤の動植物への付着,吸収の向上,薬剤の分散,乳化,展着などの性能を向上させるために使用できる界面活性剤や分散剤としては、例えば、アルコール硫酸エステル類,アルキルスルホン酸塩,リグニンスルホン酸塩,ポリオキシエチレングリコールエーテルなどを挙げることができる。そして、その製剤の性状を改善するためには、例えば、カルボキシメチルセルロース,ポリエチレングリコール,アラビアゴムなどを補助剤として用いることができる。
本剤の製造では、前記の担体,界面活性剤,分散剤及び補助剤をそれぞれの目的に応じて、各々単独で又は適当に組み合わせて使用することができる。
本発明の化合物(1)を製剤化した場合の有効成分濃度は、乳剤では通常1〜50重量%,粉剤では通常0.3〜25重量%,水和剤では通常1〜90重量%,粒剤では通常0.5〜5重量%,油剤では通常0.5〜5重量%,エアゾールでは通常0.1〜5重量%である。
これらの製剤を適当な濃度に希釈して、それぞれの目的に応じて、植物茎葉,土壌,水田の水面に散布するか、又は直接施用することによって各種の用途に供することができる。
【0050】
【実施例】
以下、本発明を参考例及び実施例によって具体的に説明する。なお、これらの実施例は、本発明の範囲を限定するものではない。
実施例1〔化合物(4)の合成〕
(1)4−クロロ−4’−(ジメトキシホスフィニルメチル)ベンゾフェノン〔化合物(4)1〕の合成
4−クロロ−4’−ブロモメチルベンゾフェノン(3g),トリメチルホスファイト(1.2g)の混合物を140〜150℃で1.5時間加熱撹拌した。
反応終了後、得られた油状物をカラムクロマトグラフィー(ワコーゲルC200,クロロホルム−メタノール=100:1溶出)で精製し、淡黄色固体である目的化合物を1.08g得た。
【0051】
(2)4−クロロ−4’−(ジエトキシホスフィニルメチル)ベンゾフェノン〔化合物(4)2〕の合成
4−クロロ−4’−ブロモメチルベンゾフェノン(10g),トリエチルホスファイト(5.4g)の混合物を140〜150℃で1.7時間加熱撹拌した。
反応終了後、得られた油状物をカラムクロマトグラフィー(ワコーゲルC200,クロロホルム−メタノール=100:1溶出)で精製し、黄緑色油状物である目的化合物を8.5g得た。
以上のようにして合成した化合物(4)のうち、新規化合物(4’)とその物性値を表1に示す。
【0052】
【表1】
【0053】
実施例2〔化合物(1)の合成〕
(1)4−クロロ−4’−(ジメトキシホスフィニルメチル)ベンゾフェノンN’−エトキシカルボニルヒドラゾン〔化合物1〕の合成
製造法1によって、次のようにして合成した。
4−クロロ−4’−ブロモメチルベンゾフェノン エトキシカルボニルヒドラゾン(1g),トリメチルホスファイト(3ml)の混合物を6時間加熱還流した。
反応終了後、過剰のトリメチルホスファイトを減圧下留去し、得られた油状物をカラムクロマトグラフィー(Micro Sphere Gel D−150−60A,酢酸エチル溶出)で精製し、ヘキサンーエチルエーテルで結晶化することにより、白色粉末である目的化合物を0.8g得た。
【0054】
(2)4−クロロ−4’−(ジエトキシホスフィニルメチル)ベンゾフェノンヒドラゾン〔化合物4〕の合成
製造法2によって、次のようにして合成した。
4−クロロ−4’−(ジエトキシホスフィニルメチル)ベンゾフェノン(1.4g),ヒドラジン1水和物(0.58g)及び触媒量の濃塩酸をエタノールに溶解し、12時間加熱還流した。
反応終了後、室温まで冷却し、水を加え、酢酸エチルで抽出し、飽和炭酸水素ナトリウム、飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した後に溶媒を減圧下で留去した。
得られた油状物をカラムクロマトグラフィー〔ワコーゲルC200,トルエン:酢酸エチル=(1:4)〜(1:5)溶出〕で精製することによって、黄色油状物である目的化合物を0.83g得た。
【0055】
(3)4−クロロ−4’−(ジエトキシホスフィニルメチル)ベンゾフェノンN’−メトキシカルボニルヒドラゾン〔化合物5〕の合成
製造法2によって、次のようにして合成した。
4−クロロ−4’−(ジエトキシホスフィニルメチル)ベンゾフェノン(1.5g),メチルカーバゼート(0.74g)及び触媒量の三弗化硼素−エーテル複合体をトルエン(30ml)に溶解し、加熱撹拌した。
反応終了後、室温まで冷却し、水を加え、酢酸エチルで抽出し、飽和炭酸水素ナトリウム、飽和食塩水で洗し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した後に溶媒を減圧下で留去した。
得られた油状物をカラムクロマトグラフィー(ワコーゲルC200,トルエン:酢酸エチル=1:4溶出)で精製することによって、無色油状物である目的化合物を1.57g得た。
【0056】
(4)4−クロロ−4’−(ジエトキシホスフィニルメチル)ベンゾフェノンN’−アセチルヒドラゾン〔化合物10〕の合成
製造法3によって、次のようにして合成した。
4−クロロ−4’−(ジエトキシホスフィニルメチル)ベンゾフェノン ヒドラゾン(0.65g),トリエチルアミン(0.36g)をジクロロメタン15mlに溶解し、アセチルクロライド(0.2g)のジクロロメタン(15ml)溶液を徐々に加えた。次いで室温で2時間反応した。
反応終了後、水を加え、酢酸エチルで抽出し、飽和食塩水で洗し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した後に溶媒を減圧下で留去した。
得られた油状物をカラムクロマトグラフィー(ワコーゲルC200,トルエン:酢酸エチル=1:8溶出)で精製することによって、淡黄色固体である目的化合物を0.43g得た。
【0057】
(5)4−クロロ−4’−(ジエトキシホスフィニルメチル)ベンゾフェノンN’−(シクロプロピルアミノスルホニル)ヒドラゾン〔化合物15〕の合成
製造法3によって、次のようにして合成した。
4−クロロ−4’−(ジエトキシホスフィニルメチル)ベンゾフェノン ヒドラゾン(0.43g),2−(シクロプロピルアミノスルホニルオキシ)フェノール(0.41g)及びジメチルホルムアミド0.4mlの混合物を約85℃で2時間加熱撹拌した。
反応終了後、室温まで冷却し、水を加え、酢酸エチルで抽出し、飽和食塩水で洗し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した後に溶媒を減圧下で留去した。
得られた油状物をカラムクロマトグラフィー(ワコーゲルC200,トルエン:酢酸エチル=1:2溶出)で精製することによって、淡褐色油状物である目的化合物を0.14g得た。
【0058】
(6)表2〜4中のその他の化合物(1)の合成
前記(1)〜(5)に記載の方法に準じて表2〜4中のその他の化合物(1)を合成した。
以上のように合成した化合物及び物性を表2〜5に示す。
【0059】
【表2】
【0060】
【表3】
【0061】
【表4】
【0062】
【表5】
【0063】
実施例2〔製剤の調製〕
(1)粒剤の調製
化合物1を5重量部,ベントナイト35重量部,タルク57重量部,ネオペレックスパウダー(商品名;花王株式会社製)1重量部及びリグニンスルホン酸ソーダ2重量部を均一に混合し、次いで少量の水を添加して混練した後、造粒、乾燥して粒剤を得た。
【0064】
(2)水和剤の調製
化合物1を10重量部,カオリン70重量部,ホワイトカーボン18重量部,ネオペレックスパウダー(商品名;花王株式会社製)1.5重量部及びデモール(商品名;花王株式会社製)0.5重量部とを均一に混合し、次いで粉砕して水和剤を得た。
【0065】
(3)乳剤の調製
化合物1を20重量部及びキシレン70重量部に、トキサノン(商品名;三洋化成工業製)10重量部を加えて均一に混合し、溶解して乳剤を得た。
【0066】
(4)粉剤の調製
化合物1を5重量部,タルク50重量部及びカオリン45重量部を均一に混合して粉剤を得た。
【0067】
実施例3〔効力試験〕
(1)コナガに対する効力試験
実施例2に準じて調整した表2〜4に示す化合物(1)の各水和剤を界面活性剤(0.01%)を含む水で各々300ppmに希釈し、これらの各溶液中にキャベツ葉片(5cm×5cm)を30秒間浸漬し、各プラスチックカップに一枚ずつ入れて風乾した。
次にこれらのカップ内に各々10頭のコナガ(3齢幼虫)を放って蓋をし、25℃定温室に放置し、2日後に各カップの生死虫数を数えて死虫率を求めた。
殺虫効果の評価は、死虫率の範囲によって、4段階(A:100%,B:100未満〜80%,C:80未満〜60%,D:60%未満)で示した。
これらの結果を表6に示す。
【0068】
【表6】
【0069】
(2)ハスモンヨトウに対する効力試験
実施例2に準じて調整した表2〜4に示す化合物(1)の各水和剤を界面活性剤(0.01%)を含む水で各々500ppmに希釈し、これらの各溶液中にダイズ本葉を30秒間浸漬し、各プラスチックカップに一枚ずつ入れて風乾した。
次にこれらのカップ内に各々10頭のハスモンヨトウ(2齢幼虫)を放って蓋をし、25℃定温室に放置し、2日後に各カップの生死虫数を数えて死虫率を求めた。
殺虫効果の評価の結果を、前記の(1)に記載した4段階の評価方法で表7に示す。
【0070】
【表7】
【0071】
(3)トビイロウンカに対する効力試験
実施施2に準じて調整した表2〜4に示す化合物(1)の各水和剤を界面活性剤(0.01%)を含む水で各々300ppmに希釈し、これらの各溶液中にイネ稚苗を30秒間浸漬し、風乾後、ガラス円筒に差した。トビイロウンカ4齢幼虫10頭を放ち、多孔質の栓をして、25℃定温室に放置した。4日後に生死虫数を数え、死虫率を求めた。
殺虫効果の評価の結果を、前記の(1)に記載した4段階の評価方法で表8に示す。
【0072】
【表8】
【0073】
【発明の効果】
本発明の新規なリン化合物は、有害生物防除剤として有用な農薬である。
Claims (6)
- 請求項1記載の式(1)で示されるリン化合物を有効成分とする農園芸用の有害生物防除剤。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP20341097A JP3783353B2 (ja) | 1997-07-29 | 1997-07-29 | リン化合物、その製法及び農園芸用の有害生物防除剤 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP20341097A JP3783353B2 (ja) | 1997-07-29 | 1997-07-29 | リン化合物、その製法及び農園芸用の有害生物防除剤 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH1143494A JPH1143494A (ja) | 1999-02-16 |
| JP3783353B2 true JP3783353B2 (ja) | 2006-06-07 |
Family
ID=16473616
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP20341097A Expired - Fee Related JP3783353B2 (ja) | 1997-07-29 | 1997-07-29 | リン化合物、その製法及び農園芸用の有害生物防除剤 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JP3783353B2 (ja) |
-
1997
- 1997-07-29 JP JP20341097A patent/JP3783353B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JPH1143494A (ja) | 1999-02-16 |
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