JP3783391B2 - 二次電池装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、二次電池装置に関し、特に、二次電池の冷却装置に異常が発生した場合の充放電制御に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、低公害の観点から電気自動車が注目されている。電気自動車には、充電および放電の可能な二次電池(以下、バッテリ)が搭載されており、バッテリに充電された電力が電気モータに供給される。そして、モータの出力が車輪に伝えられ、車両が走行する。放電によりバッテリの蓄電量が少なくなると、充電装置を用いてバッテリが充電される。また、車両の減速時には回生制動が行われ、回生制動により発電された電力はバッテリに充電される。
【0003】
また、電気自動車の一種であるハイブリッド自動車がすでに実用化されている。ハイブリッド自動車は、典型的には、電気モータ、発電機および内燃機関を搭載している。バッテリの蓄電電力を用いて電気モータが駆動され、車両が走行する。高出力が要求されるときは、内燃機関と電気モータの両方の出力により車両が走行する。また、内燃機関の出力により発電機が駆動され、発電された電力がバッテリに充電される。回生制動により発電された電力もバッテリに充電される。なお、電気モータ、発電機および内燃機関の使い分けは、ハイブリッドシステムのタイプによって異なる。回転機を電気モータおよび発電機に兼用することもできる。
【0004】
バッテリの充放電は、コンピュータ制御装置に管理されている。制御装置は、バッテリの状態を検出し、検出結果に基づいて充放電電力を制御することにより、バッテリを適切な状態に保つ。例えば、特開平7−67209号公報に記載された電気自動車では、バッテリの電解液の温度が検出され、この温度に基づいて充電電圧が制御される。
【0005】
また、電気自動車には、バッテリ冷却装置が設けられている。バッテリは充放電に伴って発熱する。この発熱による温度上昇を抑え、適切な温度でバッテリを使用することにより、バッテリの性能を維持し、寿命を確保できる。この温度調整のために、バッテリ冷却装置が設けられている。冷却装置としては、冷却ファンが周知である。冷却ファンは、例えば、バッテリを収納するバッテリケースに備え付けられる。バッテリ温度に応じて冷却ファンがオンオフされる。バッテリ温度が高くなると、冷却ファンが作動し、冷却風がバッテリに吹き付けられ、また、ケース内から高温の空気が排出される。バッテリ温度が下がれば、冷却ファンが停止する。これによりバッテリ温度が調整される。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、この冷却装置に異常が発生することがあり得る。断線等の原因により冷却ファンが作動不能になると、冷却能力が低下する。また、冷却ファンの制御に支障があり、冷却ファンが勝手に作動し続けるという事態が発生すると、冷却能力が予想より増加してしまう。
【0007】
従来は、このような冷却装置の異常を考慮した充放電制御は行われていない。異常状態では、冷却能力が変化しているにもかかわらず、正常状態と同様の制御が行われる。すなわち、冷却装置が正常に作動しているという前提に基づいた充放電制御が、異常状態下でも同様に行われる。その結果、バッテリ温度が過度に上昇または低下し、充放電を停止しなければならなくなる可能性があった。充放電が停止すると、電気自動車は走行不能になり、ハイブリッド自動車は、内燃機関の出力しか使えなくなる。
【0008】
本発明は上記課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、冷却装置に異常が発生した場合でも、バッテリを適切な状態に維持することが可能な二次電池装置を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本発明は、二次電池と、前記二次電池の充放電電力を制御する充放電制御手段と、前記二次電池を冷却する冷却手段と、を含む二次電池装置において、前記冷却手段の異常である冷却異常を検出する冷却異常検出手段を含み、前記充放電制御手段は、前記冷却異常が発生した場合に、冷却異常状態と冷却正常状態との冷却能力差に応じて充放電電力を変更することを特徴とする。
【0010】
本発明の一態様の二次電池装置において、前記充放電制御手段は、前記二次電池の状態に応じて充放電電力の上限値を設定する上限値設定手段を含み、前記冷却異常が発生した場合には、前記充放電電力の変更として、冷却正常状態の充放電電力上限値を冷却異常状態の充放電電力上限値へ変更する。好ましくは、前記冷却異常検出手段は、複数種類の冷却異常を判別して検出し、前記充放電制御手段は、冷却異常の種類に応じて前記充放電電力の上限値を決定する。
【0011】
上記の本発明によれば、冷却異常、すなわち冷却手段の異常の発生が検出される。冷却異常が発生すると冷却能力が変化する。そこで、正常状態と異常状態の冷却能力差に応じて充放電電力が変更される。これにより、冷却能力の変化およびそれに伴う温度変化を見込んだ充放電制御が行われ、現状の冷却能力に適した充放電電力が生じる。したがって、バッテリの温度が適切な温度範囲内に維持され、充放電を停止しないでバッテリの使用を継続することが可能となる。
【0012】
図1は、電気自動車のバッテリ装置に本発明を適用した場合における充放電電力制御の一例を示している。図中のラインは、充放電電力の上限値の設定を示している。充放電電力は、上限値ラインを越えないように制御される。
【0013】
ラインs(実線)は、冷却手段が正常なときの充放電電力である。バッテリ温度は、冷却手段の冷却作用を受けつつ、外気温やバッテリ使用条件、車両走行条件などの要因に応じて変化する。バッテリ保護のため、高温領域および低温領域では充放電電力が落とされる。ラインd1(一点鎖線)は、冷却異常(冷却能力低下)が発生したときの好適な充放電電力であり、ラインd2(点線)は、冷却異常(冷却能力増加)が発生したときの好適な充放電電力である。このように、本発明では、冷却異常が発生すると充放電電力が変更される。そして、冷却異常の種類に応じて充放電電力は異なって設定される。
【0014】
ここで、冷却能力が低下する異常は、例えば冷却不能である。走行中などに冷却不能になると、バッテリ温度が上昇してしまう。しかし、本発明によれば、図示のように、上限値ラインd1が、冷却正常状態のラインsから低温側にシフトされている。このシフトにより、バッテリ温度が過度に高くなる前に充放電電力が落とされ、バッテリの発熱も抑えられる。このような高温領域の充放電電力変更により、バッテリの過熱と、過熱による劣化を確実に回避できるので、バッテリの使用を継続できる。このとき、電気自動車は、図1のラインd1に従ってモータ出力を落とした状態ではあるが、高温状態のバッテリを、劣化させることなく使用し続けて、サービスセンタ等の適切な場所まで移動できる。ハイブリッド自動車の場合には、内燃機関とともにモータおよび発電機を使用して移動できる。
【0015】
一方、冷却能力が増加する異常は、例えば、冷却手段が勝手に作動してしまうような故障である。例えば外気温が低い中で車両を始動するような場合には、冷却手段を止めてバッテリ温度を適当な温度まで速やかに上昇させたい。このとき、異常発生により冷却手段が作動すると、バッテリ温度が低いままである。しかし、本発明によれば、図示のように、上限値ラインd2は、冷却正常状態のラインsから高温側にシフトされている。このシフトにより、バッテリ温度が過度に低くなる前に充放電電力が落とされ、低温領域での無理なバッテリの使用が抑制される。このような低温領域の充放電電力変更により、バッテリの過冷却と、それによる劣化を確実に回避できるので、バッテリの使用を継続できる。このときも、電気自動車は、図1の上限値ラインd2に従ってモータ出力を落とした状態ではあるが、低温状態のバッテリを、劣化させることなく使用し続けて、走行することができる。
【0016】
このように、複数種類の冷却異常を判別して検出し、冷却異常の種類に応じて充放電電力を決定することにより、バッテリを確実に適当な状態に保つことができる。
【0017】
以上に説明したように、本発明によれば、冷却手段の異常が発生した場合でも、バッテリの状態を適切に維持することができ、バッテリを継続して使用することが可能となる。本発明が電気自動車(ハイブリッド自動車を含む)に適用された場合には、充放電を停止せずにすみ、モータ出力を利用した車両走行を続行可能となる、という利点が得られる。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、図面に従って本発明の実施の形態(以下、実施形態という)を説明する。
【0019】
[全体構成]
図2には、本発明の二次電池装置が搭載されたハイブリッド自動車のパワープラントの概略図が示されている。エンジン10の出力軸12には、ねじれダンパ14を介して遊星ギア機構16のプラネタリギア18を支持するプラネタリキャリア20が接続されている。遊星ギア機構16のサンギア22とリングギア24は、それぞれ第1モータジェネレータ26と第2モータジェネレータ28のロータ30,32に接続されている。第1および第2モータジェネレータ26,28は、三相交流発電機または三相交流電動機として機能する。リングギア24には、さらに動力取り出しギア34が接続されている。動力取り出しギア34は、チェーン36、ギア列38を介してディファレンシャルギア40と接続されている。ディファレンシャルギア40の出力側には、先端に図示しない駆動輪が結合されたドライブシャフト42が接続されている。以上の構造によって、エンジン10または第1および第2のモータジェネレータ26,28の出力が駆動輪に伝達され、車両を駆動する。
【0020】
エンジン10は、アクセルペダル44の操作量や、冷却水温、吸気管負圧などの環境条件、さらに第1および第2モータジェネレータ26,28の運転状態に基づきエンジンECU46によりその出力、回転数などが制御される。また、第1および第2モータジェネレータ26,28は、制御装置48により制御が行われる。制御装置48は、二つのモータジェネレータ26,28に電力を供給し、またこれらからの電力を受け入れるバッテリ(二次電池)50を含んでいる。バッテリ50と第1および第2モータジェネレータ26,28との電力のやりとりは、それぞれ第1および第2インバータ52,54を介して行われる。二つのインバータ52,54の制御は、制御CPU56が行い、この制御は、エンジンECU46からのエンジン10の運転状態の情報、アクセルペダル44の操作量、ブレーキペダル58の操作量、シフトレバー60で定められるシフトレンジ、電池の蓄電状態、さらに遊星ギア機構16のサンギアの回転角θs、プラネタリキャリアの回転角θc、リングギアの回転角θrなどに基づき、行われる。また、前記遊星ギア機構16の三要素の回転角は、それぞれプラネタリキャリアレゾルバ62、サンギアレゾルバ64およびリングギアレゾルバ66により検出される。バッテリ50に蓄えられた電力、すなわち蓄電量は電池ECU68により算出される。制御CPU56は、前述の諸条件や第1および第2モータジェネレータ26,28のu相、v相の電流Iu1,Iv1,Iu2,Iv2さらには電池または他方のインバータから供給される、または供給する電流L1,L2などに基づき第1および第2インバータ52,54のトランジスタTr1〜Tr6,Tr11〜Tr16を制御する。
【0021】
遊星ギア機構16の、サンギアの回転数Ns、プラネタリキャリアの回転数Ncおよびリングギアの回転数Nrは、サンギアとリングギアのギア比をρとすれば、
【数1】
Ns=Nr−(Nr−Nc)(1+ρ)/ρ ・・・(1)
で示される関係がある。すなわち、三つの回転数Ns,Nc,Nrの二つが定まれば、もう一つの回転数が決定する。リングギアの回転数Nrは、車両の速度で決定するので、プラネタリキャリアの回転数Ncすなわちエンジン回転数と、サンギアの回転数Nsすなわち第1モータジェネレータ回転数の一方の回転数が決定されれば、他方が決定される。そして、第1および第2モータジェネレータ26,28の界磁電流をその時の回転数に応じて制御して、これらのモータジェネレータを発電機として作用させるか、電動機として作用させるかを決定する。二つのモータジェネレータ26,28が、全体として電力を消費している場合はバッテリ50から電力が持ち出され、全体として発電している場合はバッテリ50に充電が行われる。たとえば、バッテリ50の蓄電量が少なくなっていることが電池ECU68により検出された場合、エンジン10の発生するトルクの一部により二つのモータジェネレータ26,28の一方または双方により発電を行い、バッテリ50への充電を行う。また、バッテリ50の蓄電量が多くなった場合、エンジン10の出力を抑え気味にして、第2モータジェネレータ28を電動機として作用させ、これの発生するトルクを車両走行用に用いるように制御する。また、制動時においては、二つのモータジェネレータ26,28の一方または双方を発電機として動作させ、発生した電力をバッテリ50に充電する。
【0022】
自動車の制動は、いつ行われるか予測することは困難であるから、バッテリ50は、回生制動によって発生した電力を十分受け入れられるような状態にあることが望ましい。一方、エンジン10の出力だけでは、運転者の所望する加速を得られない場合、第2モータジェネレータ28を電動機として動作させるために、バッテリ50はある程度蓄電量を確保していなければならない。この条件を満たすために、バッテリ50の蓄電量は、バッテリ容量、すなわち電池が蓄えられる最大の電力の半分程度となるように制御される。本実施形態の場合は、蓄電量が約60%となるように制御が行われる。
【0023】
[バッテリ装置の構成]
図3は、本発明の好適な実施形態のバッテリ装置の構成を示しており、このバッテリ装置は図2のハイブリッドシステムに設けられている。図3において、負荷70は、ハイブリッドシステムの第1モータジェネレータ26、第2モータジェネレータ28および第1インバータ52、第2インバータ54を含んでいる。バッテリ50は電力を放電して負荷70に供給し、また、負荷70から供給された電力によって充電される。温度センサ72、電圧センサ74および電流センサ76は、それぞれ、バッテリ50の温度、端子間電圧および充放電電流値を検出しており、検出信号は電池ECU68に入力されている。冷却ファン装置78は、バッテリ50に冷却風を送ることによって、バッテリ50の温度を調整する。冷却ファン装置78は、補機バッテリ80から供給される電力により作動する。
【0024】
電池ECU68において、蓄電量算出部86は、温度センサ72、電圧センサ74および電流センサ76の検出信号に基づいて、バッテリ50の蓄電量を算出する。この蓄電量は制御CPU56に送られる。制御CPU56は、前述のように、蓄電量が適切な値となるように負荷70を制御する。また、冷却ファン制御部88は、温度センサ72の検出信号をもとに、冷却ファン装置78を制御する。
【0025】
ファン異常判定部90は、本発明の特徴的な構成であり、冷却ファン装置78に異常が発生しているかいないかを判定する。異常が発生している場合には、その異常の内容を示すダイアグノーシスコードが記録される。また、異常発生を示す警報が、インジケータ(図示せず)に表示され、運転者に伝えられる。
【0026】
充放電電力算出部92は、温度センサ72および電圧センサ74の検出信号に基づいて、放電電力Woutおよび充電電力Winを算出する。Woutは放電電力の上限値であり、Winは充電電力の上限値である。これらの上限値は、電池ECU68から制御CPU56に送られ、制御CPU56にて負荷70の制御において使用される。制御CPU56は、放電時には、放電電力が上限値Woutまたはそれ未満になるように、負荷70の消費電力を調整する。また、制御CPU56は、充電時には、充電電力が上限値Winまたはそれ未満になるように、負荷70の発電電力を調整する。このようにして、電池ECU68および制御CPU56によりバッテリ50の充放電電力が制御される。
【0027】
ここで、放電電力Woutおよび充電電力Winの算出は、ファン異常判定部90の判定結果に基づいて行われる。そして、冷却ファンが正常か異常かによって、算出結果は異なる。
【0028】
また、外部充電器82は、車外からバッテリ50に電力を供給して、バッテリ50を充電するための装置である。通常は外部充電器82は使用されない。しかし、メンテナンス時や蓄電量低下時には、外部充電器82がコネクタ84を介してバッテリ50に接続され、バッテリ50が充電される。外部充電器82は、冷却ファン装置78にも電力を供給する。外部充電器82を用いた充電(以下、外部充電という)の間は、外部充電器82の電力により冷却ファン装置78が作動する。外部充電時も、走行中の充電時と同様に、電池ECU68の冷却ファン制御部88により冷却ファン装置78が制御される。また、充放電電力算出部92が算出した充電電力Winに従って充電電力が制限される。
【0029】
図4は、図3のバッテリ装置に設けられている冷却ファンシステムの構成を示している。図4において、ファン94にはファンモータ96が連結されている。ファンモータ96は、ファンリレースイッチ98を介して補機バッテリ80に接続されている。また、ファンモータ96はファントランジスタ100を介してアースに接続されている。ファンリレースイッチ98がONにされ、ファントランジスタ100が動作すると、ファンモータ96が回転し、ファン94が冷却風を発生する。
【0030】
電池ECU68には、車両のイグニッションスイッチ102が接続されており、これにより電池ECU68は、イグニッションスイッチ102の電圧VIGを知ることができる。イグニッションスイッチ102は補機バッテリ80に接続されており、したがって、IGスイッチ電圧VIGは、補機バッテリ80の端子間電圧にほぼ等しい。
【0031】
電池ECU68において、温度判定部104は、バッテリ50の温度を監視している。バッテリ温度が所定のファン作動温度以上になると、温度判定部104がトランジスタ106に信号を送り、これによりリレー信号SrがONになり、ファンリレースイッチ98のコイルに電流が流れ、スイッチが閉じる。そして、補機バッテリ80の電力がファンモータ96に供給され、ファンモータ96が回転する。
【0032】
また、電池ECU68には、外部充電器82から信号Scが入力されている。外部充電器82がハイブリッドシステムに接続されているときには、信号ScがONであり、かつ、ファンモータ96に電力が供給される。従って、上記の信号SrまたはScのいずれか一方がONであれば、冷却ファン装置が作動(ON)状態であり、信号SrおよびScがともにOFFであれば、冷却装置は停止(OFF)状態である。
【0033】
また、電池ECU68は、ファンモータ96およびファントランジスタ100の中間点aの電位VMFを検出している。そして、電圧フィードバック回路108、基準電圧供給部110および減算器112は、ファンモータ96の端子間電圧を求める。出力駆動回路114は、ファン作動時、モータ端子間電圧が所定の適当な制御目標値となるような制御信号Strをファントランジスタ100へ供給する。
【0034】
図5は、冷却ファンの起動時の制御を示している。モータ端子間電圧は、起動直後の数秒間はLO電圧であり、次の数秒間は中間電圧(ME)であり、それから、HI電圧に引き上げられる。LO電圧および中間電圧の運転時間は、例えば、図示の如く、それぞれ3秒である。また、LO電圧、中間電圧およびHI電圧は、例えば、それぞれ4V、8V、12Vである。このHI電圧は、補機バッテリの端子間電圧の公称値に相当する。また、冷却ファンの作動中は、バッテリ温度の変化に応じて、モータ端子間電圧がLO,ME,HIに制御される。
【0035】
図6は、車両へのバッテリ50の搭載状態を示している。車室とトランクの間には、密閉タイプのバッテリケース116が設置されている。このバッテリケース116の中にバッテリ50が収納されている。バッテリ50は、多数のバッテリセル118で構成されている。バッテリケース116の前面にはファン94が取り付けられている。また、バッテリケース116の背面には排気チューブ120が取り付けられており、排気通路は車外および車内へ続いている。排気チューブ120には、排気通路の行き先を切り替える切替弁122が設けられている。バッテリ温度が上昇したときには、ファン94が作動して冷却風が発生する。そして、冷却風がバッテリに当たるとともに、ケース内のバッテリ周囲の高温の空気が換気される。バッテリ温度が下がると、ファン94が停止する。このようなファン94のON/OFF制御により、バッテリ温度が調整される。
【0036】
[バッテリ装置の動作]
次に、本実施形態のバッテリ装置の動作を説明する。図7は、電池ECU68によって行われる全体的な制御処理を示している。ハイブリッドシステムの走行処理がスタートすると、イニシャライズ処理が行われ(S2)、データ読み込み処理が行われる(S4)。ここでは、バッテリの温度、電圧、電流などが読み込まれる。電池ECU68は、入力データに基づいて蓄電量を算出する(S6)。蓄電量としては、SOC(ステートオブチャージ)が求められる。SOCは蓄電量を表すパラメータであり、バッテリ容量に対する現在の蓄電量の比率である。蓄電量の算出方法は周知であり、ここでの詳細な説明は省略する。概略的には、例えば、バッテリ温度の時間変化率と蓄電量とに一定の関係があるという特性を利用して、温度変化率から蓄電量が求められる。また例えば、バッテリの電圧および電流と蓄電量とに一定の関係があるという特性を利用して、電圧および電流値から蓄電量が求められる(IV判定)。なお、IV判定に加えて、バッテリから出入りする電流値を積算することにより蓄電量の変動を監視することも好適である。
【0037】
次に、電池ECU68は、本発明に特徴的なファン異常判定処理(S8)、および、ファン異常判定結果に基づいた充放電電力(Win,Wout)算出処理(S10)を行う。前述のように、Winは充電電力の上限値であり、Woutは放電電力の上限値である。S8およびS10の詳細な処理は後述にて説明する。概略的には、S8にて、冷却ファン装置78が正常であるか異常であるかが判定される。この判定結果に基づいて、図14〜図19の中から適切なマップが選択される。そして、選択されたマップを用いて、充放電電力Win,Woutが算出される。その結果、図13に示すように、ファン正常作動時とファン異常発生時ではWin,Woutが異なった値となる。さらに、図13に示されるように、異常の内容に応じてWin,Woutは異なった値となる。
【0038】
S10で算出された充放電電力Win,Woutは、S6で算出された蓄電量(SOC)とともに、電池ECU68から制御CPU56へ送られる。制御CPU56は、蓄電量に基づいて負荷70を制御する。この際、制御CPU56は、充放電電力がWin,Woutまたはそれ未満になるような消費電力や発電電力を負荷70に発生させる。このようにして、本実施形態では、電池ECU68および制御CPU56によって、バッテリ50の充放電電力が制御されている。
【0039】
次に、電池ECU68は、図4を用いて説明したように、冷却ファン装置78を制御する(S12)。これにより、バッテリ温度が所定のファン作動温度以上であるときは冷却ファン装置78が作動し、そうでなければ冷却ファン装置78が停止する。そして、電池ECU68は、イグニッションスイッチがOFFであるか否かを判定し(S14)、OFFでなければS4に戻る。
【0040】
[ファン異常判定処理]
次に、図8を参照し、図7のS8のファン異常判定処理の詳細を説明する。ただし、図8の処理は、走行中と外部充電(外部充電器82を用いた充電)中とに共通して行われる。これにより、外部充電中も走行中と同様の方法で冷却ファン装置78の異常が判定される。
【0041】
図8において、まず、冷却ファンのON/OFFが判定される(S20)。Sr(ファンリレースイッチ98を開閉するための信号(図4))がON、または、Sc(外部充電器82の接続を示す信号)がONであれば、冷却ファンはONである。冷却ファンがONの場合、Trオープン故障が発生しているか否かが判定される(S22)。Trオープン故障は、冷却ファン装置78のファントランジスタ100に断線などが発生することをいい、Trオープン故障が発生すると冷却ファン装置78は作動不能になる。S22では、VMFとVIGが比較される。図4に示すように、VMFは、ファンモータ96およびファントランジスタ100の中間点aの電位であり、VIGは、イグニッションスイッチの電位である。VMF≧VIG−1Vであれば、VMFが異常に高いので、Trオープン故障が発生したと判定され、そして、オープン故障用のマップが選択される(S24)。ここでは、図16の放電電力算出マップと、図17の充電電力算出マップが選択される。また、電池ECU68は、ダイアグノーシスコード(オープン故障)を記録し、オープン故障を知らせる警報を発する(S26)。故障発生は、インジケータ表示によって運転者に伝えられる(以下同じ)。
【0042】
S22でTrオープン故障が発生していない場合は、冷却ファン装置がLO運転中であるか否かが判定される(S28)。前述のように、冷却ファンの起動時等にはLO運転が行われる。LO運転中の場合、「TrショートまたはDUTY100%」の故障判定が行われる(S30)。
【0043】
Trショート故障またはDUTY100%故障が発生すると、冷却ファン装置78が最大能力で作動し続けてしまう。ここで、図5に示されるように、LO運転中のモータ端子間電圧は低い。従って、ファントランジスタ100が正常であれば、電位VMFは、ある程度高いはずである。しかし、Trショート等が発生すると、電位VMFは異常に低下するはずである。そこで、S30では、電位VMFが所定の判断基準値(1.8V)と比較され、1.8V以下であれば故障が発生したと判定される。S30の判定がYESの場合、ショート故障用の充放電電力算出マップ(図18:放電、図19:充電)が選択される(S32)。そして、ダイアグノーシスコード(ショート故障)が記録され、この故障発生を示す警報が発せられる(S34)。
【0044】
S28またはS30の判断がNOの場合には、正常作動用のマップ(図14:放電、図15:充電)が選択される(S36)。なお、冷却ファンがLO運転中でない場合にS30の判断を行わない理由は、LO以外の運転モードでは正常時でも電位VMFが低いために、ショート故障の判定が困難だからである。
【0045】
一方、S20において冷却ファンがOFF(SrとScが共にOFF)の場合には、S38へ進み、ファンリレースイッチ98の溶着が発生していないかどうかが判定される(S38)。ここで、補機バッテリ80の端子間電圧の標準的な値は12Vであり、ばらつきを含めると、補機バッテリ80の端子間電圧は概ね9〜15Vの間の値である。ファンリレースイッチ98が正常であれば、ファンOFF時にはスイッチが開き、電位VMFは補機バッテリ電圧と比べてかなり低くなる。しかし、ファンリレースイッチ98に溶着が発生すると、電位VMFは補機バッテリ電圧に近くなる。そこで、S38では、電位VMFが、所定の溶着判断基準値(9V)と比較され、基準値以上であれば溶着発生と判断される。溶着が発生していなければ、正常作動用の充放電電力算出マップ(図14:放電、図15:充電)が選択され(S40)、処理が終了する。
【0046】
ファンリレースイッチ98の溶着が発生している場合でも、車両走行中に負荷70とバッテリ50の間で充放電が通常どおりに行われても問題ない。しかし、リレー溶着が発生している状態で外部充電器82を用いて外部充電を行うとすると問題が生じる。図4から分かるように、補機バッテリ80から外部充電器82へ向けて電流が流れてしまうからである。本実施形態では、リレー溶着時の処理は、上記の点を考慮して設定されている。S38がYESの場合、正常作動用のマップ(図14:放電、図15:充電)が選択される(S42)。そして、ダイアグノーシスコード(ファンリレー溶着)が記録され、故障発生を示す警報が発せられる(S44)。さらに、外部充電器82を用いた充電を禁止する処理が行われる(S46)。したがって、この処理が車両走行中に行われた場合には、正常用マップを用いた通常の充放電処理が継続される。しかし、後に外部充電を行おうとしても、この外部充電は禁止される。また、現在すでに外部充電を実行中の場合には、S46の禁止処理によって外部充電が停止する。
【0047】
[充放電電力の算出処理]
次に、上記の異常判定処理で選択されたマップを用いて適当な充放電電力Win,Woutを算出する処理を説明する。この処理は図7のS10にて行われ、算出された値は、走行中の充放電制御に使用される。また、外部充電器82を用いた外部充電においても、同様に、充電電力Winが算出され、このWinが充電制御に使われる(外部充電においてはWoutは不要である)。
【0048】
まず、代表例として、図14のマップ(正常作動、放電)を用いて放電電力Woutを算出する処理、および、図15のマップ(正常作動、充電)を用いて充電電力Winを算出する処理を説明する。
【0049】
ここで、前出の図3においては、バッテリ50、温度センサ72および電圧センサ74が簡略化して示されている。しかし、実際には、図9に示すように、バッテリ50は、直列接続された240個のバッテリセル118(ニッケル水素電池)を有する。240個のバッテリセル118は、20のバッテリブロックBK1〜BK20に分けられており、すなわち、各バッテリブロックBKn(nはブロック番号、以下同じ)は、20個の電池セルを含む。そして、ブロック電圧(各ブロックの両端間の電圧)V1〜V20が個別に検出され、また、ブロック温度(各ブロックのバッテリの温度)TBK1〜TBK20が個別に検出されている。
【0050】
放電電力Woutは、上記のブロック電圧およびブロック温度を用いて、ブロック毎に算出される。図10は、第nブロックの放電電力Wout・n(n=1〜20)の算出処理を示している。まず、ブロック電圧Vn×20が190Vより小さいか否か(1セル当たりの電圧(以下、セル電圧という)が0.8Vより小さいか否か)が判定される(S50)。S50がYESであれば、Wout-step(x)(初期値0)をデクリメントする(S52)。step(x)の最小値は−8である。S50がNOであれば、ブロック電圧Vn×20が215Vより小さいか否か(セル電圧が0.9Vより小さいか否か)が判定される(S54)。S54がYESの場合、S56へ進み、Wout-step(x)が−5より大きければ、このstep(x)をデクリメントする(S56)。S54がNOであれば、ブロック電圧Vn×20が305Vより大きいか否か(セル電圧が1.27Vより大きいか否か)が判定される(S58)。S58がYESであれば、Wout-step(x)がインクリメントされる(最大値0)(S60)。S58がNOであれば、Wout-step(x)は変更されない。
【0051】
このようにして、現在のブロック電圧の大小に応じて、Wout-step(x)が更新される。S50〜S60の処理により、セル電圧が安定的に1.27Vより大きい値であれば、Wout-step(x)は0である。1.27V>セル電圧≧0.9Vであれば、step(x)は0〜−5のいずれかである。0.9V>セル電圧≧0.8Vが続くと、step(x)=−5になる。さらに、0.8V>セル電圧が続くと、step(x)=0になる。
【0052】
次に、S50〜S60で決定されたWout-step(x)とブロック温度TBKnとを基に、放電電力Wout・nが算出される(S62)。ここでは、step(x)およびブロック温度TBKnに対応するWout・nが、図14のマップから読み取られる。このとき、TBKnの直線補完により、マップに示されない中間的なTBKnに対応するWout・nが算出される。
【0053】
図11は、図14のWout算出マップをグラフであらわしたものである。図示のように、常温領域ではWoutは一定であり、高温領域および低温領域では、バッテリ保護のためにWoutが落とされる。また、Wout-step(x)が−8に近づくほど、Woutが小さくなる。前述のように、セル電圧が高いときにはstep(x)が0であり、Woutの算出値は最大になる。セル電圧が低下するとstep(x)が小さくなり、Woutも小さくなる。0.8V未満のセル電圧が続くと、Woutは0になる。
【0054】
図10に示した上記のWout算出処理は、ブロック毎に行われる。そして、全ブロックのWout・1〜Wout・20のうちの最小値が求められ、この最小値が最終的な放電電力Woutに決定される。また、放電電力Wout(Wout・1〜Wout・20)は、1秒毎に繰り返し算出され、確定される。
【0055】
次に、図12を参照し、充電電力Winの算出処理を説明する。Woutと同様に、Winもブロック毎に算出される。図12は、n番目のブロックの充電電力Win・nを算出するための処理を示している。マップの使い方は、原則として、Woutの算出処理と同様である。
【0056】
図12において、S70では、ブロック電圧Vn×20が400Vより大きいか否か(セル電圧が1.67Vより大きいか否か)が判定される。S70がYESであれば、Win-step(y)(初期値0)がデクリメントされる(最小値−8)(S72)。S70がNOであれば、ブロック電圧Vn×20が390Vより大きいか否か(セル電圧が1.63Vより大きいか否か)が判定される(S74)。S74がYESであれば、S76へ進み、Win-step(y)が−5よりも大きければ、step(y)をデクリメントする(S76)。S74がNOであれば、ブロック電圧Vn×20が380Vより小さいか否か(セル電圧が1.58Vより小さいか否か)が判定される(S78)。S78がYESであれば、Win-step(y)がインクリメントされる(最大値0)(S80)。S78がNOであれば、Win-step(y)は変更されない。
【0057】
上記の処理(S70〜S80)では、セル電圧が1.58V未満である間は、Win-step(y)は0である。1.58V<セル電圧≦1.63Vであれば、step(y)は0〜−5のいずれかである。1.63V<セル電圧≦1.67Vが続くと、step(y)=−5になる。さらに、1.67V<セル電圧が続くと、step(y)=0になる。
【0058】
次に、Win-step(y)とブロック温度TBKnを用いて、充電電力Win・nが算出される(S82)。ここでは、図15のマップ(充電用)からWin・nが読み取られる。Woutの算出処理と同様に、TBKnの直線補完が行われる。そして、全ブロックのWin1〜Win20のうちの最小値が求められ、この最小値が、最終的な充電電力Winに決定される。充電電力Winの算出も1秒毎に行われる。図15のマップをグラフであらわした場合にも、図11と同様のラインが得られる。セル電圧が低い間はstep(y)が0であるのでWinの算出値は最大になる。セル電圧が上昇するとstep(y)が小さくなり、Winも小さくなる。セル電圧が1.67Vを越えると、Winは0になる。
【0059】
以上、正常作動用マップ(図14、図15)を用いた充放電電力Win,Woutの算出処理を説明した。オープン故障用マップおよびショート故障用マップを用いた算出処理も全く同様にして行われる。すなわち、冷却ファン装置78が異常な場合と正常な場合とでは、選択されるマップ(図14〜図19)が異なるが、算出処理自体は共通である。
【0060】
従って、このマップの使い分けにより、冷却ファン装置78が正常な状態と異常な状態では、充放電電力Win、Woutの算出値が異なった値になり、また、この算出値は、異常の種類に応じて異なった値になる。算出結果のWin、Woutは、前述のように、制御CPU56に送られ、負荷70の制御処理において使用される。放電時には、制御CPU56は、放電電力がWoutまたはそれ未満になるように、負荷70の消費電力を調整する。充電時には、制御CPU56は、充電電力がWinまたはそれ未満になるように、負荷70の発電電力を調整する。また、外部充電中は、外部充電器82からバッテリ50へ供給される電力が、上記のWinまたはそれ未満に調整される。
【0061】
図13を参照して、正常作動用マップ、オープン故障用マップおよびショート故障用マップを対比する。図13のラインは、Wout-step(x)=0のときのWoutを表している。図示のように、オープン故障用マップは、正常作動用マップよりも低温側にシフトされている。また、ショート故障用マップは、正常作動用マップよりも高温側にシフトされている。このシフトに対応して、Woutの算出値がマップ毎に異なった値になる。
【0062】
なお、Wout-step(x)が0でない場合も、図13と同様に、マップ間でWoutのラインがシフトされる。また、充電電力Winも、放電電力Woutと同様に設定されており、すなわち、オープン故障用マップは低温側にシフトされ、ショート故障用マップは高温側にシフトされている。なお、本実施形態では、step(x)=step(y)のときは、WoutおよびWinの絶対値が一致している。しかし、両者が一致する必要はなく、また故障用マップのシフト幅もWoutおよびWinで異なっていてよい。
【0063】
図13を参照して、本実施形態により得られる利点を説明する。Trオープン故障が発生すると、冷却ファン装置78が作動不能になり、冷却能力が低下する。走行中などにこのような異常が発生すると、バッテリ温度が上昇してしまう。しかし、本実施形態では、図13に示されるように、オープン故障のラインが、正常作動のラインから低温側にシフトされている。このシフトにより、バッテリ温度が過度に高くなる前に充放電電力が落とされ、バッテリの発熱も抑えられる。この充放電電力の変更により、バッテリの過熱と、過熱による劣化を確実に回避できるので、バッテリの使用を継続できる。このとき、ハイブリッド自動車は、図13のオープン故障ラインに従ってモータ出力を落とした状態ではあるが、高温状態のバッテリを、劣化させることなく使用し続けられる。従って、モータ出力と内燃機関の出力を使った走行が続行可能である。運転者は、故障発生の警報を受けたとき、車両をサービスセンタ等の適切な場所まで移動できる。
【0064】
一方、Trショート故障やDUTY100%故障が発生し、かつ、溶着・故障等によりファンリレースイッチ98がショート故障を起こしている場合には、冷却ファンが最大能力で勝手に作動し、従って、全体として予想よりも冷却能力が増加してしまう。ところで、低温領域では、バッテリは、その内部抵抗が上昇し、劣化しやすい状態にある。そこで、外気温が低い中で車両を始動するような場合には、冷却ファンを止めてバッテリ温度を適当な温度まで速やかに上昇させたい。しかし、このときにショート故障やDUTY100%故障が発生していると、冷却ファンが作動するのでバッテリ温度が低いままである。これに対し、本実施形態では、図13に示されるように、ショート故障のラインが、正常作動のラインから高温側にシフトされている。この冷却能力差を見込んだシフトにより、バッテリ温度が過度に低くなる前に充放電電力が落とされ、低温領域での無理なバッテリの使用が抑制される。この充放電電力変更により、バッテリの過冷却と、それによる劣化を確実に回避できるので、バッテリの使用を継続できる。このときも、ハイブリッド自動車は、図13のショート故障ラインに従ってモータ出力を落とした状態ではあるが、低温状態のバッテリを、劣化させることなく使用し続けて、走行することができる。
【0065】
以上、本発明の好適な実施の形態を説明した。本実施形態によれば、冷却ファン装置78の異常が検出され、異常発生時にはバッテリの充放電電力が変更されるので、バッテリの適切な状態が維持される。これにより、予想以上のバッテリ低温化や高温化によるバッテリ劣化を防止することができる。また、冷却ファン装置78が故障した後でもバッテリを使い続けることができるので、いわゆるリンピングフォーム走行が可能となり、車両を低速で修理施設などに移動させることが可能となる。
【0066】
また、本実施形態によれば、冷却ファン装置78のファンリレースイッチ98の溶着故障が検出可能である。そして、溶着故障発生時に外部充電器82を用いた充電が禁止されるので、補機バッテリ80から外部充電器82へ向けて電流が流れるという事態が回避される。このような事態の発生の心配がないので、作業者は容易に外部充電器82やコネクタ84を扱うことができる。
【0067】
なお、本実施形態では、本発明がハイブリッド自動車の駆動システムに適用された。これに対し、本発明は、ハイブリッド自動車ではない一般的な電気自動車にも同様に適用可能である。また、車両以外の任意の装置に設けられた二次電池装置にも本発明を同様に適用可能であり、本発明の効果が好適に得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明による充放電電力上限値の設定例を示す図である。
【図2】 本発明の実施の形態のハイブリッドシステムを示す図である。
【図3】 図2のシステムに設けられた本発明の二次電池装置を示す図である。
【図4】 図3のシステムに設けられた冷却ファンシステムを示す図である。
【図5】 図4の冷却ファンの起動時の制御を示す図である。
【図6】 車両へのバッテリの搭載状態を示す図である。
【図7】 図2のシステムの動作を示すフローチャートである。
【図8】 図7のファン異常判定処理の詳細を示すフローチャートである。
【図9】 図3のバッテリ、電圧センサおよび温度センサの構成を示す図である。
【図10】 放電電力Woutの算出処理を示すフローチャートである。
【図11】 冷却ファンが正常なときの放電電力Woutを示す図である。
【図12】 充電電力Winの算出処理を示すフローチャートである。
【図13】 冷却ファンの正常作動時、オープン故障発生時およびショート故障発生時の放電電力Woutを比較して示す図である。
【図14】 冷却ファンの正常作動時の放電電力算出用のマップを示す図である。
【図15】 冷却ファンの正常作動時の充電電力算出用のマップを示す図である。
【図16】 冷却ファンのオープン故障発生時の放電電力算出用のマップを示す図である。
【図17】 冷却ファンのオープン故障発生時の充電電力算出用のマップを示す図である。
【図18】 冷却ファンのショート故障発生時の放電電力算出用のマップを示す図である。
【図19】 冷却ファンのショート故障発生時の充電電力算出用のマップを示す図である。
【符号の説明】
50 バッテリ、56 制御CPU、68 電池ECU、72 温度センサ、74 電圧センサ、76 電流センサ、78 冷却ファン装置、80 補機バッテリ、82 外部充電器、86 蓄電量算出部、88 冷却ファン制御部、90ファン異常判定部、92 充放電電力算出部、94 ファン、96 ファンモータ、98 ファンリレースイッチ、100 ファントランジスタ。
Claims (3)
- 二次電池と、
前記二次電池の充放電電力を制御する充放電制御手段と、
前記二次電池を冷却する冷却手段と、
を含む二次電池装置において、
前記冷却手段の異常である冷却異常を検出する冷却異常検出手段を含み、
前記充放電制御手段は、前記冷却異常が発生した場合に、冷却異常状態と冷却正常状態との冷却能力差に応じて充放電電力を変更することを特徴とする二次電池装置。 - 請求項1に記載の装置において、
前記充放電制御手段は、前記二次電池の状態に応じて充放電電力の上限値を設定する上限値設定手段を含み、前記冷却異常が発生した場合には、前記充放電電力の変更として、冷却正常状態の充放電電力上限値を冷却異常状態の充放電電力上限値へ変更することを特徴とする二次電池装置。 - 請求項2に記載の装置において、
前記冷却異常検出手段は、複数種類の冷却異常を判別して検出し、前記充放電制御手段は、冷却異常の種類に応じて前記充放電電力の上限値を決定することを特徴とする二次電池装置。
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