JP3783882B2 - 給排水用スチ−ルコ−ドホ−ス - Google Patents
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】
この発明は道路、上下水道施設等の土木工事等において、工事用水、または発生する泥水を道路を横断して給排水するために用いられる給排水用ホ−スに関し、さらに詳しくは、軽量で、車両等が障害なく通行できる構造を有する給排水用スチ−ルコ−ドホ−スに関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、この種の給排水用ホ−スとしては、図5および図6に示すようなものが使用されている。図5の11は、緩やかな傾斜面を有し、その頂点にホ−ス嵌め込み溝13を形成させた、道路幅相当長さをもつ傾斜台12と給排水ホ−ス14からなるもの、図6(a)は、道路表面に接地、固定される弓形断面の短繊維補強エラストマ−からなる滑り止めセグメント6aの表面にエラストマ−3と繊維補強層4とからなる断面弓形の偏平形状の給排水ホ−ス2を積層、接合してなるものであって、図6(b)に示すように、給排水時の水圧によって、膨脹して高さHs、接地幅Bsの状態に開管して流路を形成するものである。
【0003】
しかしながら、図5のものは、傾斜台自体の剛性が大きいため、道路表面の起伏に追随できない場合も少なくなく、路面からの浮き上がりによる間隙を生じる結果、自転車、原付、オ−トバイ等の通行時に傾斜台上で跳ね上がり転倒するといった事故も少なくなかった。さらに形状が嵩高で重量も大きいため、運搬および作業性は不都合な面があった。また、図6のものは、エラストマ−の滑り止めセグメント6aが道路表面に密着、固定されているため、図5のものに見られたような、通行車両等による外力によってホ−スが移動したり、路面から浮き上がるといったような現象は効果的に防止されて自動車、原付、オ−トバイ、普通車等は安全に通行できるようになったが、設計された給排水量以上の流量で給排水作業が行われた場合には、図7に示すように、給排水圧力によりホ−ス15−eが所定ホ−ス15−sより大きく膨らむと同時に、これに追随して路面に密着していた滑り止めセグメント6bの両側縁部が路面から反り返ってホ−スの高さHeが所定高さHsより高くなる結果、大型車両が通行する時、給排水ホ−スが少し引き摺られ移動したり、バランスを崩して跳ね、ねじれるといったような現象を惹起することも少なくなかった。そしてそのたび、給排水ホ−スを元に戻すといった作業を必要とした。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
この発明は、上述した点に鑑みてなされたものであって、給排水作業時に大型自動車、大型特殊自動車などの大型車両を安全に通行させるとともに、その通行時に移動、跳ね、ねじれなどの不具合を生じない構造を有し、かつ、軽量、敷設および撤収作業が容易にして、収納時の嵩が小さい保管性にも優れた給排水用スチ−ルコ−ドホ−スを提供しようとするものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
すなわち、この発明の給排水用スチ−ルコ−ドホ−スは、断面弓形の扁平閉管形状を有する流体輸送部材と、固定部材とからなり、給排水時の水圧により膨脹して流体流路を形成する給排水ホ−スにおいて、前記流体輸送部材がエラストマ−と繊維補強層とからなり、前記固定部材がスチ−ルコ−ド補強層を弓形断面形状のエラストマ−滑り止めセグメントの両側に配置したサンドイッチ構造体からなるものであって、前記流体輸送部材および固定部材の外周面に繊維補強エラストマ−外層が一体的に接合、被覆されてなることをその要旨とするものである。
【0006】
【発明実施の形態】
この発明の給排水用スチ−ルコ−ドホ−スによれば、芯材の両側に弓形断面の接地側に凹状にした断面弓形エラストマ−滑り止めセグメント芯材と、この弓形断面の長軸方向に配置したスチ−ルコ−ド補強層とのサンドイッチ構造とすることにより、給排水時の水圧による流体輸送部材、すなわち、扁平閉管状繊維補強エラストマ−ホ−スの膨脹・開管に伴う弓形滑り止めセグメントの接地面からの脱離・浮き上がりおよび反対側への反り現象を有効に防止することができ、給排水用スチ−ルコ−ドホ−スの接地部を道路表面にしっかりと密着、固定できる。また、扁平閉管状繊維補強エラストマ−ホ−スと固定部材の外周表面に繊維補強エラストマ−外層を一体的に接合、被覆した構造とすることにより、給排水時の水圧による扁平閉管状繊維補強エラストマ−ホ−スの膨脹・開管を最小限に抑制して、ホ−スの断面高さを最小に抑えることができ、車両通行時の給排水用スチ−ルコ−ドホ−スの移動、跳ねなどを有効に防止できる。
【0007】
【実施例】
以下、図面を参照し、この発明の一実施例を説明する。
図1は、この発明の給排水用スチ−ルコ−ドホ−スの構成を示す部分破断斜視図、図2は、この発明の給排水用スチ−ルコ−ドホ−スの断面図、図3はこの発明の給排水用スチ−ルコ−ドホ−スが給排水時に膨脹、開管して給排水流路を形成した状態を示す断面図、図4は、この発明の給排水用スチ−ルコ−ドホ−スのホ−ス底部と固定部材とのホ−ス軸方向の関係を示す図3のA−A’矢視断面である。
【0008】
図1および図2に示すように、この発明の給排水用スチ−ルコ−ドホ−ス1は、エラストマ−3と繊維補強層4とからなる、断面弓形の扁平閉管形状を有する流体輸送部材2の接地側凹部下面に、弓形断面形状のエラストマ−滑り止めセグメント6の両側にスチ−ルコ−ド補強層7を配置したサンドイッチ構造の固定部材5を接合し、さらに、このサンドイッチ構造の固定部材5と前記流体輸送部材2の外周表面に繊維補強エラストマ−外層8を一体的に接合し、被覆したものである。
【0009】
流体輸送部材2は、図2に示すようにエラストマ−3と繊維補強層4とからなる、断面弓形の扁平閉管形状を有する繊維補強エラストマ−ホ−スであって、給排水用スチ−ルコ−ドホ−ス1の断面上部に設けられている。そして、給排水時には水圧によって膨脹、開管して、図3に示すように、給排水の流路を形成する。
【0010】
エラストマ−3は、一般にホ−ス用として使用されている天然ゴム、または合成ゴム組成物からなる。
繊維補強層4の繊維材としては、ナイロン、ポリエステル、アラミドなどの繊維が好ましく、コ−ド、平織布、すだれ織布などの形で使用される。
【0011】
流体輸送部材、すなわち、繊維補強エラストマ−ホ−ス2は、上記繊維からなる平織布、またはすだれ織布にエラストマ−組成物をトッピング処理などを施したものをマンドレル上にその軸線に対して所定の成形角度で繊維方向が交差するように交互に所定プライ数巻きつけ、積層成形される。例えば、ナイロン平織布の場合、エラストマ−組成物でトッピング処理したナイロンコ−ド1プライ以上で積層成形される。その後、得られた積層成形体は後述する最終工程で断面弓形形状のおす、めす金型により、断面弓形偏平管形状に成形される。
【0012】
固定部材5は、図1および図2に示すように、弓形断面形状のエラストマ−滑り止めセグメント6の芯材とスチ−ルコ−ド補強層7の面材とからなるサンドイッチ構造体であって、繊維補強エラストマ−ホ−ス2の接地側凹部下面に接合されている。そして、給排水時には水圧によって膨脹、開管した前記繊維補強エラストマ−ホ−ス2によって図3に示すように、真直ぐに延ばされ、道路表面にしっかりと密着、固定されるようになっている。
【0013】
エラストマ−滑り止めセグメント6は、給排水用スチ−ルコ−ドホ−ス1が大型車両通行時に移動したり、跳ねたりしないようにホ−ス1を道路表面にしっかりと密着させ、固定する役割を担う部材であって、高い剛性を発現する断面形状とエラストマ−組成物とからなる。
【0014】
この滑り止めセグメント6の断面形状は、給排水時の水圧によって開管する繊維補強エラストマ−ホ−ス2の膨脹に伴って弓形から直線状に開いて、ぴったりと路面に密着することができるように、断面が両端部から中央部にかけて順次広くなり、接地面を下側にした場合に上側に凸状の三日月形(以下弓形という)になるように形成されている。そして、この断面の広さ、すなわち、断面の厚さの分布および弯曲率は、給排水の設計流量(m3/min)、換言すればホ−ス内水圧(kgf/cm2)に基づいて決定される。
【0015】
また、このエラストマ−滑り止めセグメント6の組成は、前記形状決定の場合と同じく、設計流量の給排水作業下で、この滑り止めセグメント6の接地面が弓形から直線となる路面と最大の摩擦抵抗を生ずる接地面積が得られるように、高剛性のエラストマ−組成が模索され、決定される。この場合、高剛性のエラストマ−組成物は、その単体、または短繊維との混合物であっても使用できる。
【0016】
前記エラストマ−組成物の主成分としては、天然ゴムないしポリイソプレン(IR)、ポリブタジエン(BR)、スチレン−ブタジエン共重合体(SBR)、アクリロニトリル−ブタジエン共合体(NBR)、クロロプレン(CR)、イソブチレン−イソプレン共重合体(IIR)、スチレン−クロロプレン共重合体、スチレン−ブタジエン−スチレン三元共重合体、エチレン−プロピレン−ジエン三元共重合体(EPDM)、アクリルゴムなどが用いられる。また、さらにカ−ボンブラック、アエロジル、チタン白、炭酸カルシウム、各種クレ−などの補強用充填剤を適量添加すれば、滑り止めセグメント6の剛性を増大することができる。
【0017】
前記短繊維としては、ナイロン、ポリエステル、アラミド、カ−ボン、ガラス、ステンレススチ−ルなどの無機、有機または金属などの市販繊維製品を使用することができ、その繊維の長さはエラストマ−と十分に混合、分散できる長さ3〜20mmが好ましい。この短繊維は、通常エラストマ−組成物に対して0.5〜8重量%の範囲内で配合されるが、ホ−スの使用内圧が高いときはさらに添加量を増加したり、または、短繊維をセグメント断面の長軸方向に配向させたりすることによりさらに剛性を向上させることができる。
【0018】
スチ−ルコ−ド補強層7は、エラストマ−滑り止めセグメント6の芯材の面材として、高い曲げ剛性を発現できるサンドイッチ構造を構成する主要構成要素である。このサンドイッチ構造体の曲げ剛性は一般に芯材と面材の弾性係数の和の1乗に比例し、それらの厚さの和の3乗に比例するから、弓形断面の固定部材の反対側への弯曲に抵抗する好ましい剛性を得るために、芯材、すなわち、セグメントの厚さを大きくとり、かつ面材7に弾性係数の大きい材料を使用することができる。このスチ−ルコ−ド補強層7は、図3および図4に示すように、弓型断面形状のエラストマ−滑り止めセグメント6の上下周面に、弓型断面の長軸方向に沿ってスチ−ルコ−ド7aを、例えば上側周面に2プライ、下側周面に2プライといったように積層成形することができる。
【0019】
スチ−ルコ−ド補強層7に使用するスチ−ルコ−ドとしては、スチ−ルコ−ド7aにエラストマ−を接着処理したもの、または塗布したものが用いられる。
【0020】
固定部材5の変形応力(変形反力)は、前記スチ−ルコ−ド補強層7の積層プライ数およびエラストマ−滑り止めセグメント6のエラストマ−組成物単体の剛性、短繊維の含有量、または長さおよびその配向方向、あるいは厚さの分布やより大きな断面二次モ−メントまたは断面係数が得られる形状とすることにより最適化することができる。
【0021】
繊維補強エラストマ−外層8は、図1および図2に示すように、固定部材5および繊維補強エラストマ−ホ−ス2の外周表面に一体的に接合され、両者を被覆した構造となっている。この繊維補強エラストマ−外層8は、繊維補強層10をエラストマ−組成物9でトッピング処理などを施したものからなっている。
【0022】
エラストマ−組成物9は、一般にホ−ス用として使用されている天然ゴム、または合成ゴムが用いられる。
【0023】
繊維補強層10としては、ナイロン、ポリエステル、アラミドなどの繊維のコ−ド、フィラメント、平織布、すだれ織布が用いられる。
【0024】
前記繊維補強エラストマ−外層8は、平織布、またはすだれ織布を繊維補強エラストマ−ホ−ス2の軸線に対して所定の成形角度、例えば直角方向にその繊維方向を一致させてエラストマ−組成物でトッピング処理して形成され、その後繊維補強エラストマ−ホ−ス2および固定部材5をホ−ス軸に直角方向から巻き込むことができる幅と製品長さに裁断される。
【0025】
次に、この繊維補強エラストマ−外層8の製品単位の幅と長さを有するシ−ト上に繊維補強エラストマ−ホ−ス2、エラストマ−滑り止めセグメント6の芯材とスチ−ルコ−ド補強層7の面材とからなるサンドイッチ構造体を順次積み重ね、最後に繊維補強エラストマ−外層8のはみ出した長手両側縁部を最上部に位置するスチ−ルコ−ド補強層7の上側表面のほぼ中央部分まで廻り込ませ、突き合わせ、または重ね合わせたのち、接着し、被覆する。
【0026】
その後、得られた積層被覆物をその状態のまま上側に凹状のめす金型と下側に凸状のおす金型の間に挟み、加熱、加圧して、断面弓形の扁平閉管状の本発明の給排水用スチ−ルコ−ドホ−ス1を得る。
【0027】
比較例1
直径100mmマンドレルに厚さ1.5mmの天然ゴム組成物トッピング処理ナイロンコ−ドをマンドレルの軸線に対して成形角度45°で左右交互に1プライずつ積層成形し、加硫して、内径100mm、長さ8m、厚さ3mmのナイロンコ−ド補強ゴムホ−スを得た。また、カレンダ−ロ−ルを用いて、長さ15mmのナイロン短繊維を2%配合した厚さ5mmのナイロン短繊維補強未加硫ゴム(NR/IR)シ−トを作り、これから長さ8m、幅140mmの断面が緩やかな山形をした細長い帯状の滑り止めセグメントを作成した。次に、ナイロンコ−ド補強ゴムホースの上に互に長手中央部分が重なるように、滑り止めセグメントを積み重ね、接着したのち、そのままの状態で上側に凹状のキャビティを有するおす、めす両金型内に挿入し、加熱、加圧、加硫して、断面弓型の扁平閉管形状のナイロンコ−ド短繊維補強ゴムホ−スサンプルを得た。
【0028】
実施例1
この発明のスチ−ルコ−ドホ−スサンプルは、ナイロン短繊維補強ゴム滑り止めセグメントの両面にトッピング処理スチ−ルコ−ドをセグメント軸直角方向にコ−ド繊維が配列するようにそれぞれ2プライずつ積層成形してスチ−ルコ−ドサンドイッチ両面材を形成したこと、ナイロン平織布をトッピング処理して、長さ8m、厚さ1mm、所定幅のナイロン繊維補強ゴム外層シ−トを作成したことおよびこの外層シ−ト1枚の上にその1/2幅中央部分長手方向にナイロンコ−ド補強ゴムホ−ス、スチ−ルコ−ド面材でサンドイッチした滑り止めセグメントを順次積み重ね、両側にはみ出したナイロン繊維補強ゴム外層シ−トでこの積層体を両側から内側へ包み込むようにして、最上部のスチ−ルコ−ドサンドイッチ面材表面のほぼ中央部で突き合わせて接着した状態としたことを除いては比較例と同じ方法で成形して、断面弓形の扁平閉管形状のスチ−ルコ−ドホ−スサンプルを得た。
【0029】
評価方法
実施例で得られたスチ−ルコ−ドホ−スサンプルを比較例その他のものとともに道路面上に設置し、これらのホ−スに水を毎分800l/minの流量で圧送したときのホ−スの高さおよび接地幅を測定した。結果を比較例その他とともに表1に示す。
【0030】
【表1】
表1から明らかなように、この発明の実施例1により得られる給排水用スチ−ルコ−ドホ−スは、比較例1として示した従来の給排水用ホ−スと比較して、ホ−スの高さおよび接地幅に顕著な向上が見られた。この発明によるものは、ホ−ス高さは54mmであり、比較例1のそれが80mmであるのに比べ、68%に減少した。また、接地幅は170mmであり、比較例1のそれの140mmに比べて120%に増加した。さらに、大型車両の通常作業時の走行テストにおいても、ホ−スの移動や跳ね、ねじれなどの現象が見られなかった。これらのことから、上記ホ−ス高さ54mmおよび接地幅170mmを発現する本発明の給排水用スチ−ルコ−ドホ−スは、道路面とホ−ス間の摩擦抵抗が十分に存在し、大型車両の車輪によるホ−スの引き摺り(移動)や通過直後のホ−ス圧迫部の急膨脹による跳ね上がり、ねじれなどの発生防止に対して、有効にはたらいているものと推察できる。これは、滑り止めセグメント芯材と剛性をもつスチ−ルコ−ド補強層面材とのサンドイッチ構造体からなる、適した大きさを有する断面二次モーメントまたは断面係数の断面形状を有する固定部材と、この固定部材および繊維補強ゴムホ−スとを繊維補強ゴム外層で一体化して被覆した構成とが大きく寄与しているものと推測される。
【0031】
【発明の効果】
以上、説明したように、この発明の給排水用スチ−ルコ−ドホ−スによれば、高い剛性を発現する好ましい断面二次モ−メントまたは断面係数を有する断面形状のエラストマ−滑り止めセグメント芯材の両面に剛性をもつステンレススチ−ルコ−ド面材をセグメント軸直角方向に配置してサンドイッチ構造体とすることにより、断面弓形の固定部材の曲げ剛性を顕著に増大させることが可能となった。その結果、従来のものにみられた、設計された弓形断面の強度以上の給排水量のときでも、ホ−スの膨脹による滑り止めセグメントの反対側への弯曲は有効に防止され、ホ−ス高さを減少させるとともに、ホ−スの接地幅を増大することができるようになったことである。したがって、この発明のスチ−ルコ−ドホ−スを給排水作業に使用した場合には、従来品にみられた大型車両の通行によるホ−スの移動、跳ねなどの発生を防ぐことができるようになった。
また、繊維補強エラストマ−ホ−スと固定部材とを繊維補強エラストマ−外層で包み込み接合して一体化した構造とすることにより、従来のものにみられた、両者の部分的分離、またはホ−ス壁厚不足による大型車両の通過直後のホ−ス圧迫部の急膨脹などに伴うホ−スの跳ね、踊りなどを防ぐことができた。
さらに、滑り止めセグメントの断面形状を両端部から中央部にかけて厚くした、断面中心を通り、その長軸に関する断面二次モ−メントまたは断面係数の大きな三日月形状とすることにより、より少ないエラストマ−材料を用いて、大きな曲げ剛性を得ることができた。
また、この発明のスチ−ルコ−ドホ−スは、従来のホ−スに剛性のあるスチ−ルコ−ドおよび繊維補強エラストマ−外層を付加して改良したが、スチ−ルコ−ドをエラストマ−滑り止めセグメントの両面にセグメント軸直角方向に配置して軸方向に対して曲げ易くすることにより、ホ−スの敷設、または撤収時の繰り出し、または巻き取り作業を従来品と同じように行うことができた。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の給排水用スチ−ルコ−ドホ−スの構成を示す部分破断斜視図である。
【図2】本発明の給排水用スチ−ルコ−ドホ−スの断面図である。
【図3】本発明の給排水用スチ−ルコ−ドホ−スが給排水時に膨脹、開管して給排水流路を形成した状態を示す断面図である。
【図4】本発明の給排水用スチ−ルコ−ドホ−スのホ−ス底部と固定部材とのホ−ス軸方向の関係を示す図3のA−A’矢視断面図である。
【図5】従来技術の給排水用ホ−スの一例の斜視図である。
【図6】従来技術の給排水用ホ−スの他の例の斜視図である。(a)は給排水を通さないときの状態、(b)は給排水を通したときの状態をそれぞれ示す。
【図7】図6の従来技術の給排水用ホ−スが設計流量以上の流量で給排水されたときのホ−スの膨脹、隆起と滑り止めセグメントの状態を示す図である。
【符号の説明】
1.本発明の給排水用スチ−ルコ−ドホ−ス
2.流体輸送部材(繊維補強エラストマ−ホ−ス)
3.エラストマ−
4.繊維補強層
5.固定部材
6.エラストマ−滑り止めセグメント
6a.従来の給排水用ホ−スの滑り止めセグメント
6b.給排水時の従来の給排水ホ−スの滑り止めセグメント
7.スチ−ルコ−ド補強層
7a スチールコード
8.繊維補強エラストマ−外層
9.エラストマ−
10.繊維補強層
11.傾斜台給排水ホ−ス
12.傾斜台
13.給排水ホ−ス嵌入溝
14.給排水ホ−ス
15−p.従来の弓形断面の扁平形状給排水ホ−ス
15−s.給排水を通したときの状態を示す従来の給排水ホ−ス15−p
15−e.設計流量を超えて給排水したときの状態を示す従来の給排水ホ−ス15−p
B 給排水ホ−スに所定流量の給排水を通した時のホースの接地幅
Be.設計流量を超えて給排水したときのホ−ス15−eの接地幅
Bs.設計流量内で給排水したときのホ−ス15−sの接地幅
H 給排水ホ−スに所定流量の給排水を通した時のホースの高さ
He.設計流量を超えて給排水したときのホ−ス15−eの高さ
Hs.設計流量内で給排水したときのホ−ス15−sの高さ
【産業上の利用分野】
この発明は道路、上下水道施設等の土木工事等において、工事用水、または発生する泥水を道路を横断して給排水するために用いられる給排水用ホ−スに関し、さらに詳しくは、軽量で、車両等が障害なく通行できる構造を有する給排水用スチ−ルコ−ドホ−スに関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、この種の給排水用ホ−スとしては、図5および図6に示すようなものが使用されている。図5の11は、緩やかな傾斜面を有し、その頂点にホ−ス嵌め込み溝13を形成させた、道路幅相当長さをもつ傾斜台12と給排水ホ−ス14からなるもの、図6(a)は、道路表面に接地、固定される弓形断面の短繊維補強エラストマ−からなる滑り止めセグメント6aの表面にエラストマ−3と繊維補強層4とからなる断面弓形の偏平形状の給排水ホ−ス2を積層、接合してなるものであって、図6(b)に示すように、給排水時の水圧によって、膨脹して高さHs、接地幅Bsの状態に開管して流路を形成するものである。
【0003】
しかしながら、図5のものは、傾斜台自体の剛性が大きいため、道路表面の起伏に追随できない場合も少なくなく、路面からの浮き上がりによる間隙を生じる結果、自転車、原付、オ−トバイ等の通行時に傾斜台上で跳ね上がり転倒するといった事故も少なくなかった。さらに形状が嵩高で重量も大きいため、運搬および作業性は不都合な面があった。また、図6のものは、エラストマ−の滑り止めセグメント6aが道路表面に密着、固定されているため、図5のものに見られたような、通行車両等による外力によってホ−スが移動したり、路面から浮き上がるといったような現象は効果的に防止されて自動車、原付、オ−トバイ、普通車等は安全に通行できるようになったが、設計された給排水量以上の流量で給排水作業が行われた場合には、図7に示すように、給排水圧力によりホ−ス15−eが所定ホ−ス15−sより大きく膨らむと同時に、これに追随して路面に密着していた滑り止めセグメント6bの両側縁部が路面から反り返ってホ−スの高さHeが所定高さHsより高くなる結果、大型車両が通行する時、給排水ホ−スが少し引き摺られ移動したり、バランスを崩して跳ね、ねじれるといったような現象を惹起することも少なくなかった。そしてそのたび、給排水ホ−スを元に戻すといった作業を必要とした。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
この発明は、上述した点に鑑みてなされたものであって、給排水作業時に大型自動車、大型特殊自動車などの大型車両を安全に通行させるとともに、その通行時に移動、跳ね、ねじれなどの不具合を生じない構造を有し、かつ、軽量、敷設および撤収作業が容易にして、収納時の嵩が小さい保管性にも優れた給排水用スチ−ルコ−ドホ−スを提供しようとするものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
すなわち、この発明の給排水用スチ−ルコ−ドホ−スは、断面弓形の扁平閉管形状を有する流体輸送部材と、固定部材とからなり、給排水時の水圧により膨脹して流体流路を形成する給排水ホ−スにおいて、前記流体輸送部材がエラストマ−と繊維補強層とからなり、前記固定部材がスチ−ルコ−ド補強層を弓形断面形状のエラストマ−滑り止めセグメントの両側に配置したサンドイッチ構造体からなるものであって、前記流体輸送部材および固定部材の外周面に繊維補強エラストマ−外層が一体的に接合、被覆されてなることをその要旨とするものである。
【0006】
【発明実施の形態】
この発明の給排水用スチ−ルコ−ドホ−スによれば、芯材の両側に弓形断面の接地側に凹状にした断面弓形エラストマ−滑り止めセグメント芯材と、この弓形断面の長軸方向に配置したスチ−ルコ−ド補強層とのサンドイッチ構造とすることにより、給排水時の水圧による流体輸送部材、すなわち、扁平閉管状繊維補強エラストマ−ホ−スの膨脹・開管に伴う弓形滑り止めセグメントの接地面からの脱離・浮き上がりおよび反対側への反り現象を有効に防止することができ、給排水用スチ−ルコ−ドホ−スの接地部を道路表面にしっかりと密着、固定できる。また、扁平閉管状繊維補強エラストマ−ホ−スと固定部材の外周表面に繊維補強エラストマ−外層を一体的に接合、被覆した構造とすることにより、給排水時の水圧による扁平閉管状繊維補強エラストマ−ホ−スの膨脹・開管を最小限に抑制して、ホ−スの断面高さを最小に抑えることができ、車両通行時の給排水用スチ−ルコ−ドホ−スの移動、跳ねなどを有効に防止できる。
【0007】
【実施例】
以下、図面を参照し、この発明の一実施例を説明する。
図1は、この発明の給排水用スチ−ルコ−ドホ−スの構成を示す部分破断斜視図、図2は、この発明の給排水用スチ−ルコ−ドホ−スの断面図、図3はこの発明の給排水用スチ−ルコ−ドホ−スが給排水時に膨脹、開管して給排水流路を形成した状態を示す断面図、図4は、この発明の給排水用スチ−ルコ−ドホ−スのホ−ス底部と固定部材とのホ−ス軸方向の関係を示す図3のA−A’矢視断面である。
【0008】
図1および図2に示すように、この発明の給排水用スチ−ルコ−ドホ−ス1は、エラストマ−3と繊維補強層4とからなる、断面弓形の扁平閉管形状を有する流体輸送部材2の接地側凹部下面に、弓形断面形状のエラストマ−滑り止めセグメント6の両側にスチ−ルコ−ド補強層7を配置したサンドイッチ構造の固定部材5を接合し、さらに、このサンドイッチ構造の固定部材5と前記流体輸送部材2の外周表面に繊維補強エラストマ−外層8を一体的に接合し、被覆したものである。
【0009】
流体輸送部材2は、図2に示すようにエラストマ−3と繊維補強層4とからなる、断面弓形の扁平閉管形状を有する繊維補強エラストマ−ホ−スであって、給排水用スチ−ルコ−ドホ−ス1の断面上部に設けられている。そして、給排水時には水圧によって膨脹、開管して、図3に示すように、給排水の流路を形成する。
【0010】
エラストマ−3は、一般にホ−ス用として使用されている天然ゴム、または合成ゴム組成物からなる。
繊維補強層4の繊維材としては、ナイロン、ポリエステル、アラミドなどの繊維が好ましく、コ−ド、平織布、すだれ織布などの形で使用される。
【0011】
流体輸送部材、すなわち、繊維補強エラストマ−ホ−ス2は、上記繊維からなる平織布、またはすだれ織布にエラストマ−組成物をトッピング処理などを施したものをマンドレル上にその軸線に対して所定の成形角度で繊維方向が交差するように交互に所定プライ数巻きつけ、積層成形される。例えば、ナイロン平織布の場合、エラストマ−組成物でトッピング処理したナイロンコ−ド1プライ以上で積層成形される。その後、得られた積層成形体は後述する最終工程で断面弓形形状のおす、めす金型により、断面弓形偏平管形状に成形される。
【0012】
固定部材5は、図1および図2に示すように、弓形断面形状のエラストマ−滑り止めセグメント6の芯材とスチ−ルコ−ド補強層7の面材とからなるサンドイッチ構造体であって、繊維補強エラストマ−ホ−ス2の接地側凹部下面に接合されている。そして、給排水時には水圧によって膨脹、開管した前記繊維補強エラストマ−ホ−ス2によって図3に示すように、真直ぐに延ばされ、道路表面にしっかりと密着、固定されるようになっている。
【0013】
エラストマ−滑り止めセグメント6は、給排水用スチ−ルコ−ドホ−ス1が大型車両通行時に移動したり、跳ねたりしないようにホ−ス1を道路表面にしっかりと密着させ、固定する役割を担う部材であって、高い剛性を発現する断面形状とエラストマ−組成物とからなる。
【0014】
この滑り止めセグメント6の断面形状は、給排水時の水圧によって開管する繊維補強エラストマ−ホ−ス2の膨脹に伴って弓形から直線状に開いて、ぴったりと路面に密着することができるように、断面が両端部から中央部にかけて順次広くなり、接地面を下側にした場合に上側に凸状の三日月形(以下弓形という)になるように形成されている。そして、この断面の広さ、すなわち、断面の厚さの分布および弯曲率は、給排水の設計流量(m3/min)、換言すればホ−ス内水圧(kgf/cm2)に基づいて決定される。
【0015】
また、このエラストマ−滑り止めセグメント6の組成は、前記形状決定の場合と同じく、設計流量の給排水作業下で、この滑り止めセグメント6の接地面が弓形から直線となる路面と最大の摩擦抵抗を生ずる接地面積が得られるように、高剛性のエラストマ−組成が模索され、決定される。この場合、高剛性のエラストマ−組成物は、その単体、または短繊維との混合物であっても使用できる。
【0016】
前記エラストマ−組成物の主成分としては、天然ゴムないしポリイソプレン(IR)、ポリブタジエン(BR)、スチレン−ブタジエン共重合体(SBR)、アクリロニトリル−ブタジエン共合体(NBR)、クロロプレン(CR)、イソブチレン−イソプレン共重合体(IIR)、スチレン−クロロプレン共重合体、スチレン−ブタジエン−スチレン三元共重合体、エチレン−プロピレン−ジエン三元共重合体(EPDM)、アクリルゴムなどが用いられる。また、さらにカ−ボンブラック、アエロジル、チタン白、炭酸カルシウム、各種クレ−などの補強用充填剤を適量添加すれば、滑り止めセグメント6の剛性を増大することができる。
【0017】
前記短繊維としては、ナイロン、ポリエステル、アラミド、カ−ボン、ガラス、ステンレススチ−ルなどの無機、有機または金属などの市販繊維製品を使用することができ、その繊維の長さはエラストマ−と十分に混合、分散できる長さ3〜20mmが好ましい。この短繊維は、通常エラストマ−組成物に対して0.5〜8重量%の範囲内で配合されるが、ホ−スの使用内圧が高いときはさらに添加量を増加したり、または、短繊維をセグメント断面の長軸方向に配向させたりすることによりさらに剛性を向上させることができる。
【0018】
スチ−ルコ−ド補強層7は、エラストマ−滑り止めセグメント6の芯材の面材として、高い曲げ剛性を発現できるサンドイッチ構造を構成する主要構成要素である。このサンドイッチ構造体の曲げ剛性は一般に芯材と面材の弾性係数の和の1乗に比例し、それらの厚さの和の3乗に比例するから、弓形断面の固定部材の反対側への弯曲に抵抗する好ましい剛性を得るために、芯材、すなわち、セグメントの厚さを大きくとり、かつ面材7に弾性係数の大きい材料を使用することができる。このスチ−ルコ−ド補強層7は、図3および図4に示すように、弓型断面形状のエラストマ−滑り止めセグメント6の上下周面に、弓型断面の長軸方向に沿ってスチ−ルコ−ド7aを、例えば上側周面に2プライ、下側周面に2プライといったように積層成形することができる。
【0019】
スチ−ルコ−ド補強層7に使用するスチ−ルコ−ドとしては、スチ−ルコ−ド7aにエラストマ−を接着処理したもの、または塗布したものが用いられる。
【0020】
固定部材5の変形応力(変形反力)は、前記スチ−ルコ−ド補強層7の積層プライ数およびエラストマ−滑り止めセグメント6のエラストマ−組成物単体の剛性、短繊維の含有量、または長さおよびその配向方向、あるいは厚さの分布やより大きな断面二次モ−メントまたは断面係数が得られる形状とすることにより最適化することができる。
【0021】
繊維補強エラストマ−外層8は、図1および図2に示すように、固定部材5および繊維補強エラストマ−ホ−ス2の外周表面に一体的に接合され、両者を被覆した構造となっている。この繊維補強エラストマ−外層8は、繊維補強層10をエラストマ−組成物9でトッピング処理などを施したものからなっている。
【0022】
エラストマ−組成物9は、一般にホ−ス用として使用されている天然ゴム、または合成ゴムが用いられる。
【0023】
繊維補強層10としては、ナイロン、ポリエステル、アラミドなどの繊維のコ−ド、フィラメント、平織布、すだれ織布が用いられる。
【0024】
前記繊維補強エラストマ−外層8は、平織布、またはすだれ織布を繊維補強エラストマ−ホ−ス2の軸線に対して所定の成形角度、例えば直角方向にその繊維方向を一致させてエラストマ−組成物でトッピング処理して形成され、その後繊維補強エラストマ−ホ−ス2および固定部材5をホ−ス軸に直角方向から巻き込むことができる幅と製品長さに裁断される。
【0025】
次に、この繊維補強エラストマ−外層8の製品単位の幅と長さを有するシ−ト上に繊維補強エラストマ−ホ−ス2、エラストマ−滑り止めセグメント6の芯材とスチ−ルコ−ド補強層7の面材とからなるサンドイッチ構造体を順次積み重ね、最後に繊維補強エラストマ−外層8のはみ出した長手両側縁部を最上部に位置するスチ−ルコ−ド補強層7の上側表面のほぼ中央部分まで廻り込ませ、突き合わせ、または重ね合わせたのち、接着し、被覆する。
【0026】
その後、得られた積層被覆物をその状態のまま上側に凹状のめす金型と下側に凸状のおす金型の間に挟み、加熱、加圧して、断面弓形の扁平閉管状の本発明の給排水用スチ−ルコ−ドホ−ス1を得る。
【0027】
比較例1
直径100mmマンドレルに厚さ1.5mmの天然ゴム組成物トッピング処理ナイロンコ−ドをマンドレルの軸線に対して成形角度45°で左右交互に1プライずつ積層成形し、加硫して、内径100mm、長さ8m、厚さ3mmのナイロンコ−ド補強ゴムホ−スを得た。また、カレンダ−ロ−ルを用いて、長さ15mmのナイロン短繊維を2%配合した厚さ5mmのナイロン短繊維補強未加硫ゴム(NR/IR)シ−トを作り、これから長さ8m、幅140mmの断面が緩やかな山形をした細長い帯状の滑り止めセグメントを作成した。次に、ナイロンコ−ド補強ゴムホースの上に互に長手中央部分が重なるように、滑り止めセグメントを積み重ね、接着したのち、そのままの状態で上側に凹状のキャビティを有するおす、めす両金型内に挿入し、加熱、加圧、加硫して、断面弓型の扁平閉管形状のナイロンコ−ド短繊維補強ゴムホ−スサンプルを得た。
【0028】
実施例1
この発明のスチ−ルコ−ドホ−スサンプルは、ナイロン短繊維補強ゴム滑り止めセグメントの両面にトッピング処理スチ−ルコ−ドをセグメント軸直角方向にコ−ド繊維が配列するようにそれぞれ2プライずつ積層成形してスチ−ルコ−ドサンドイッチ両面材を形成したこと、ナイロン平織布をトッピング処理して、長さ8m、厚さ1mm、所定幅のナイロン繊維補強ゴム外層シ−トを作成したことおよびこの外層シ−ト1枚の上にその1/2幅中央部分長手方向にナイロンコ−ド補強ゴムホ−ス、スチ−ルコ−ド面材でサンドイッチした滑り止めセグメントを順次積み重ね、両側にはみ出したナイロン繊維補強ゴム外層シ−トでこの積層体を両側から内側へ包み込むようにして、最上部のスチ−ルコ−ドサンドイッチ面材表面のほぼ中央部で突き合わせて接着した状態としたことを除いては比較例と同じ方法で成形して、断面弓形の扁平閉管形状のスチ−ルコ−ドホ−スサンプルを得た。
【0029】
評価方法
実施例で得られたスチ−ルコ−ドホ−スサンプルを比較例その他のものとともに道路面上に設置し、これらのホ−スに水を毎分800l/minの流量で圧送したときのホ−スの高さおよび接地幅を測定した。結果を比較例その他とともに表1に示す。
【0030】
【表1】
表1から明らかなように、この発明の実施例1により得られる給排水用スチ−ルコ−ドホ−スは、比較例1として示した従来の給排水用ホ−スと比較して、ホ−スの高さおよび接地幅に顕著な向上が見られた。この発明によるものは、ホ−ス高さは54mmであり、比較例1のそれが80mmであるのに比べ、68%に減少した。また、接地幅は170mmであり、比較例1のそれの140mmに比べて120%に増加した。さらに、大型車両の通常作業時の走行テストにおいても、ホ−スの移動や跳ね、ねじれなどの現象が見られなかった。これらのことから、上記ホ−ス高さ54mmおよび接地幅170mmを発現する本発明の給排水用スチ−ルコ−ドホ−スは、道路面とホ−ス間の摩擦抵抗が十分に存在し、大型車両の車輪によるホ−スの引き摺り(移動)や通過直後のホ−ス圧迫部の急膨脹による跳ね上がり、ねじれなどの発生防止に対して、有効にはたらいているものと推察できる。これは、滑り止めセグメント芯材と剛性をもつスチ−ルコ−ド補強層面材とのサンドイッチ構造体からなる、適した大きさを有する断面二次モーメントまたは断面係数の断面形状を有する固定部材と、この固定部材および繊維補強ゴムホ−スとを繊維補強ゴム外層で一体化して被覆した構成とが大きく寄与しているものと推測される。
【0031】
【発明の効果】
以上、説明したように、この発明の給排水用スチ−ルコ−ドホ−スによれば、高い剛性を発現する好ましい断面二次モ−メントまたは断面係数を有する断面形状のエラストマ−滑り止めセグメント芯材の両面に剛性をもつステンレススチ−ルコ−ド面材をセグメント軸直角方向に配置してサンドイッチ構造体とすることにより、断面弓形の固定部材の曲げ剛性を顕著に増大させることが可能となった。その結果、従来のものにみられた、設計された弓形断面の強度以上の給排水量のときでも、ホ−スの膨脹による滑り止めセグメントの反対側への弯曲は有効に防止され、ホ−ス高さを減少させるとともに、ホ−スの接地幅を増大することができるようになったことである。したがって、この発明のスチ−ルコ−ドホ−スを給排水作業に使用した場合には、従来品にみられた大型車両の通行によるホ−スの移動、跳ねなどの発生を防ぐことができるようになった。
また、繊維補強エラストマ−ホ−スと固定部材とを繊維補強エラストマ−外層で包み込み接合して一体化した構造とすることにより、従来のものにみられた、両者の部分的分離、またはホ−ス壁厚不足による大型車両の通過直後のホ−ス圧迫部の急膨脹などに伴うホ−スの跳ね、踊りなどを防ぐことができた。
さらに、滑り止めセグメントの断面形状を両端部から中央部にかけて厚くした、断面中心を通り、その長軸に関する断面二次モ−メントまたは断面係数の大きな三日月形状とすることにより、より少ないエラストマ−材料を用いて、大きな曲げ剛性を得ることができた。
また、この発明のスチ−ルコ−ドホ−スは、従来のホ−スに剛性のあるスチ−ルコ−ドおよび繊維補強エラストマ−外層を付加して改良したが、スチ−ルコ−ドをエラストマ−滑り止めセグメントの両面にセグメント軸直角方向に配置して軸方向に対して曲げ易くすることにより、ホ−スの敷設、または撤収時の繰り出し、または巻き取り作業を従来品と同じように行うことができた。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の給排水用スチ−ルコ−ドホ−スの構成を示す部分破断斜視図である。
【図2】本発明の給排水用スチ−ルコ−ドホ−スの断面図である。
【図3】本発明の給排水用スチ−ルコ−ドホ−スが給排水時に膨脹、開管して給排水流路を形成した状態を示す断面図である。
【図4】本発明の給排水用スチ−ルコ−ドホ−スのホ−ス底部と固定部材とのホ−ス軸方向の関係を示す図3のA−A’矢視断面図である。
【図5】従来技術の給排水用ホ−スの一例の斜視図である。
【図6】従来技術の給排水用ホ−スの他の例の斜視図である。(a)は給排水を通さないときの状態、(b)は給排水を通したときの状態をそれぞれ示す。
【図7】図6の従来技術の給排水用ホ−スが設計流量以上の流量で給排水されたときのホ−スの膨脹、隆起と滑り止めセグメントの状態を示す図である。
【符号の説明】
1.本発明の給排水用スチ−ルコ−ドホ−ス
2.流体輸送部材(繊維補強エラストマ−ホ−ス)
3.エラストマ−
4.繊維補強層
5.固定部材
6.エラストマ−滑り止めセグメント
6a.従来の給排水用ホ−スの滑り止めセグメント
6b.給排水時の従来の給排水ホ−スの滑り止めセグメント
7.スチ−ルコ−ド補強層
7a スチールコード
8.繊維補強エラストマ−外層
9.エラストマ−
10.繊維補強層
11.傾斜台給排水ホ−ス
12.傾斜台
13.給排水ホ−ス嵌入溝
14.給排水ホ−ス
15−p.従来の弓形断面の扁平形状給排水ホ−ス
15−s.給排水を通したときの状態を示す従来の給排水ホ−ス15−p
15−e.設計流量を超えて給排水したときの状態を示す従来の給排水ホ−ス15−p
B 給排水ホ−スに所定流量の給排水を通した時のホースの接地幅
Be.設計流量を超えて給排水したときのホ−ス15−eの接地幅
Bs.設計流量内で給排水したときのホ−ス15−sの接地幅
H 給排水ホ−スに所定流量の給排水を通した時のホースの高さ
He.設計流量を超えて給排水したときのホ−ス15−eの高さ
Hs.設計流量内で給排水したときのホ−ス15−sの高さ
Claims (1)
- 断面弓形の扁平閉管形状を有する流体輸送部材と、固定部材とからなり、給排水時の水圧により膨脹して流体流路を形成する給排水ホ−スにおいて、前記流体輸送部材がエラストマ−と繊維補強層とからなり、前記固定部材がスチ−ルコ−ド補強層を弓形断面形状のエラストマ−滑り止めセグメントの両側に配置したサンドイッチ構造体からなるものであって、前記流体輸送部材および固定部材の外周面に繊維補強エラストマ−外層が一体的に接合、被覆されていることを特徴とする給排水用スチ−ルコ−ドホ−ス。
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