JP3784086B2 - 映像信号符号化・復号化装置及び符号化・復号化方法 - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
この発明は、動き補償予測を用いて映像信号の符号化・復号化を行う映像信号符号化・復号化装置及び符号化・復号化方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
映像信号符号化・復号化装置における符号化手段として、動き補償予測とDCT(離散コサイン変換)を併用したものがよく使われている。以下に説明する従来例もこれを用いたものである。
【0003】
図11乃至図15は、例えば、ISO/IEC 13818-2 Draft International Standardに示されたような、従来の映像信号符号化装置及び該符号化装置により符号化された映像信号を再生する復号化装置について説明するための図である。
ここに、図11は映像信号符号化装置の概略構成を示すブロック図、図12は映像信号復号化装置の概略構成を示すブロック図であり、また、図13,図14は映像信号の符号化に際して行われる動き補償予測の概念を示すための概念図、図15は符号化のためのベクトルコードを示す図(なお、同図ではいくつかの探索範囲におけるベクトルコードのみを示している。)である。
また、図16は後述する動きベクトルの差分値とその出現確率との関係を示した図である。
【0004】
一般に、動き補償予測とDCTを用いた符号化では、1枚の画像情報を格子状の複数の小領域(以下、符号化対象領域と呼ぶ。)に分割し、かかる小領域毎に符号化を行う。
この動き補償予測と呼ばれるものは、現在符号化しようとしている画像(以下、符号化対象画像と呼ぶ。)の符号化対象領域に対して、過去に符号化したいくつかの画像(以下、参照画像と呼ぶ。)における最も類似し、かつ符号化対象領域と同じ大きさの領域(以下、予測領域と呼ぶ。)を検出し、当該予測領域と符号化対象領域との差信号のみを符号化して伝送するものである。
【0005】
この際、どの領域が当該予測領域であるかという情報も同時に復号化手段に伝送することが必要であるが、この情報を動きベクトルと呼び、インタレース画像とノンインタレース画像とでは異なるが、本従来例では、説明上、水平動きベクトルと垂直動きベクトルの2つのベクトルによって構成されるものとする。
この動き補償予測を概念的に示したものが図14である。
【0006】
一方、復号化手段では、伝送されてきた上述の動きベクトルと再生された参照画像とから予測領域を検出し、該予測領域の映像信号に伝送されてきた差信号を加えるようにされており、ここに元の符号化対象領域の信号を再生できる。
【0007】
また、予測領域は、図13に示すように、参照画像において符号化対象画像の符号化対象領域と同じ水平/垂直位置を中心として水平方向に±h画素、垂直方向に±vライン分拡張した領域(以下、探索領域と呼ぶ。)内から選択される。
一般に、動きの速い映像に対して符号化効率を上げるためにはその探索領域を広げることが必要である。そこで、従来の装置ではこの探索領域の大きさを適宜選択可能にし得るように構成されている。
【0008】
では、従来の映像信号符号化装置の具体的な構成について、図11に基づき説明する。
図において、1aは映像信号の入力端子、2aは符号化された映像信号の出力端子、3aは減算手段、4aは情報圧縮のため映像信号を水平/垂直の空間周波数に変換するDCT手段、5aは量子化手段、6aは逆量子化手段、7aは周波数変換された映像信号を元の映像信号に再変換するIDCT(逆離散コサイン変換)手段、8aは加算手段、9aはメモリ手段、12aはスイッチ(切替)手段、13aは可変長符号化手段、14aは送信バッファ手段、15aは符号量制御手段、18aは動き検出手段である。
【0009】
入力端子1aから入力された映像信号101は、動きベクトル生成のため、その一部が動き検出手段18aに入力されるとともに、減算手段3aにおいて予測領域の信号との差信号102とされる。
この差信号102は、DCT手段4aにおいて周波数変換され、さらに量子化手段5aによって量子化される。
【0010】
そして、量子化された差信号104の一部は逆量子化手段6a及び逆DCT手段7aを介して再変換されて元の差信号とされ、加算手段8aで予測領域の信号が加算されて元の映像信号となり、メモリ手段9aに参照画像として蓄えられる。 一方、残りの差信号104は可変長符号化手段13aにおいて、動き検出手段18aで生成された動きベクトル112とともに符号化され、多重化される。
ここで、可変長符号化とは、出現確率の高いシンボルには短い符号語を、出現確率の低いシンボルには長い符号語を割り当てる符号化手法の一つである。
【0011】
そして、多重化信号114は送信バッファ手段14aを経て、出力端子2aより伝送、あるいは、図示せぬ記録媒体に記録されることになる。
なお、符号量制御手段15aは、送信バッファ手段14aにおけるメモリ残量等の信号を受けて、オーバーフローが発生しないよう、量子化手段5aの量子化ステップを適応的に変化させている。
【0012】
一方、メモリ手段9aに蓄えられた参照画像はスイッチ手段12aの第1の端子に入力されるとともに、動き検出手段18aにも入力される。(スイッチ手段12aの第2の端子には零信号が入力されている。)
【0013】
動き検出手段18aでは、入力された参照画像108、及び、映像信号(符号化対象画像)101から符号化対象画像の符号化対象領域毎に、上述したような動きベクトル112を検出する(図13,図14参照)。
検出された動きベクトル112は可変長符号化手段13aに送出され、ここで隣接する符号化対象領域の動きベクトルとの差分値が算出され、これを可変長符号化したベクトルコードは、可変長符号化された差信号104に多重化される。
【0014】
また、動き検出手段18aの出力110は、スイッチ手段12aの切替信号としても用いられ、かかる信号に基づき参照画像の映像信号は予測領域の信号109に変換されて減算手段3a及び加算手段8aに入力される。さらに、かかる信号110は可変長符号化手段13aにおいて、差信号104と動きベクトルの符号化切替信号としても用いられる。
【0015】
次に、上述のごとく符号化された映像信号を復号化する映像信号復号化装置の具体的構成について、図12に基づき説明する。
図において、1bは符号化された映像信号の入力端子、2bは復号化された映像信号の出力端子、14bは受信バッファ手段、13bは可変長復号化手段、5bは逆量子化手段、4bはIDCT手段、8bは加算手段、9bはメモリ手段、12bはスイッチ手段である。
【0016】
入力端子1bから入力された符号化映像信号201は、受信バッファ手段14bを介して、可変長復号化手段13bに入力される。可変長復号化手段13bではこの符号化映像信号202を復号化し、動きベクトル213と差信号203とに分離する。
分離された差信号203は逆量子化手段5bで逆量子化され、IDCT手段4bで元の差信号205に変換される。さらに、この差信号205は、加算手段8bにおいて予測領域の信号208と加算されて元の符号化対象領域の信号206に戻され、その一部がメモリ手段9bに蓄えられるとともに、元の符号化対象画像として出力端子2bから出力される。
【0017】
一方、メモリ手段9bは加算手段8bからの符号化対象領域信号206と可変長復号化手段で復号化された動きベクトル213とから予測領域の信号207を生成し、該予測領域信号207を可変長復号化手段で生成した動き補償予測のための切替信号209に基づいて切り替えられるスイッチ手段12bを介して加算手段8bに入力させるように構成されている。なお、スイッチ手段12bの一端には零信号が入力されており、この端子が選択されている場合には動き補償予測のなされていない信号が8bより出力される。
【0018】
【発明が解決しようとする課題】
従来の映像信号符号化・復号化装置は以上のように構成されており、動きの速い映像に対する符号化効率を上げるため、探索領域の大きさを適宜設定することができるように構成されていた。
【0019】
しかし、図16に示すように、探索領域の大きさが異なると、それに伴って動きベクトルの差分値の出現確率が異なってくる。このため、可変長符号化手段13aにおいて動きベクトルのベクトルコードを作成する際にはその探索領域の大きさに応じてベクトルコードを異ならせることが必要となる。
【0020】
そこで、従来の装置では、図15に示すように、motion code(ある定められた可変長コード)と、motion residual(探索範囲に応じて符号長の定められたコード)の2つのコードを組み合わせることによってベクトルコードを作成するように構成されており、これらを組み合わせることで探索領域の大きさに応じた異なるベクトルコードを作成していた。
【0021】
ここで、動きベクトルの差分値は、図16に示されるように、その探索領域の大きさにかかわらず、ベクトルの差分値の小さいものの出現確率が高いという特徴を有している。しかし、従来のベクトルコードではこの点を全く考慮していなかったため、図15に示すように、探索領域が大きくなるにしたがって、ベクトル差分値の小さい値を示すベクトルコードの符号長が長くなるという特徴を持っている。
【0022】
このことは、動きの速い映像に対して符号化効率を上げるために探索領域を広げているのにもかかわらず、広げたことによりベクトルコードの平均語長が長くなってしまい、その結果、符号化効率が悪化し、画質を劣化させてしまうという問題を生じさせていた。
【0023】
また、従来の装置では、motion codeと、motion residualの2つのコードを組み合わせることによって探索領域の大きさに応じて異なるベクトルコードを作成するようにしているため、あらゆる探索領域に対して最適なベクトルコードを得るために探索領域の大きさに対応した複数種類のベクトルコードを並列的に持つことが必要となる。従って、ハードウェア/ソフトウェア規模が必然的に大きくならざるを得ず、実用的ではないという問題点もあった。
【0024】
本発明は、以上述べたような従来装置の問題点を解消するためになされたものであり、探索領域を広げても、符号化効率が劣化しない、また、ハードウェア/ソフトウェア規模を小規模のものとすることができる、映像信号符号化・復号化装置及び符号化・復号化方法を得ることを目的としている。
【0025】
【課題を解決するための手段】
本発明に係る映像信号符号化装置は、1枚の画像情報に対応する領域を複数の領域に分割した上位符号化対象領域の時間的な動きを示す第1の動きベクトルを検出する第1の動き検出手段と、前記上位符号化領域を複数の領域に分割した符号化対象領域の時間的な動きを示す第2の動きベクトルを検出する第2の動き検出手段と、前記第1および第2の動き検出手段から出力される前記第1および第2の動きベクトルを符号化する可変長符号化手段とを備える。
また、第2の動きベクトルは、第1の動きベクトルで指定される領域を中心とした所定の探索領域内において検出されることを特徴とする。
また、第1および第2の動きベクトルがそれぞれに対応するベクトルコードによってコード化されることを特徴とする。
また、隣接する上位符号化対象領域及び符号化対象領域における第1および第2の動きベクトルの差分値をベクトルコードによりコード化することを特徴とする。
また、第1の動き検出手段は、符号化対象画像の低域成分を出力する低域通過フィルタ手段と、該低域通過フィルタ手段からの出力をサブサンプリングするサブサンプリング手段と、該サブサンプリング手段からのサブサンプリングされた映像信号を参照画像として蓄積するメモリ手段と、該メモリ手段から出力される前記参照画像出力と前記サブサンプリング手段から出力される前記符号化対象画像のサブサンプリング出力とに基づいて第1の動きベクトルを出力する代表ベクトル検出手段とを備える。
【0026】
また、第n画像及び第n+m画像の第1の動きベクトルをもとに、当該第n画像及び第n+m画像の間にある第n+y画像における過去の画像に対する第1の動きベクトルvfと未来の画像に対する第1の動きベクトルvbとを下記の式により作成することを特徴とする。
vf= { y/m } ×v
vb= { (m−y)/m } ×(−v)
また、符号化対象画像のうちの一の上位符号化対象領域に対する第1の動きベクトルを他の上位符号化対象領域に対する第1の動きベクトルとすることを特徴とする。
本発明に係る映像信号符号化方法は、1枚の画像情報に対応する領域を複数の領域に分割した上位符号化対象領域の時間的な動きを示す第1の動きベクトルを検出する第1の動き検出工程と、前記上位符号化領域を複数の領域に分割した符号化対象領域の時間的な動きを示す第2の動きベクトルを検出する第2の動き検出工程と、前記第1および第2の動き検出工程によって得られる前記第1および第2の動きベクトルを符号化する可変長符号化工程とを含む。
また、第2の動きベクトルは、第1の動きベクトルで指定される領域を中心とした所定の探索領域内において検出されることを特徴とする。
また、第1および第2の動きベクトルがそれぞれに対応するベクトルコードによってコード化されることを特徴とする。
また、隣接する上位符号化対象領域及び符号化対象領域における第1および第2の動きベクトルの差分値をベクトルコードによりコード化することを特徴とする。
【0028】
本発明に係る映像信号復号化装置は、1枚の画像情報に対応する領域を複数の領域に分割した上位符号化対象領域の時間的な動きを示す第1の動きベクトルおよび前記上位符号化対象領域を複数の領域に分割した符号化対象領域の時間的な動きを示す第2の動きベクトルを含む符号化映像信号から前記第1および第2の動きベクトルの各々に対応する各ベクトルコードを分離し復号する可変長復号化手段と、該可変長復号化手段から出力される前記第1および第2の動きベクトルコードに対応する前記第1および第2の動きベクトルに基づいて動きベクトルを出力する動きベクトル再生手段と、該動きベクトル再生手段から出力される前記動きベクトルに基づいて前記1枚の画像情報を再生する画像情報再生手段とを備える。
また、第1および第2の動きベクトルをベクトル合成することにより動きベクトルを再生することを特徴とする。
【0030】
【作用】
本発明によれば、画像情報の大域的な動きを示す第1の動きベクトルと局所的な動きを示す第2の動きベクトルとの組み合わせによって、画像情報の符号化対象領域の動きベクトルを表すようにしているので、第1の動きベクトルの符号量を小さくできるとともに、第2の動きベクトルの検出のために複数の探索領域を設けておく必要がなくなる。
【0031】
また、本発明によれば、第1の動きベクトルが検出されない場合にも、パンニング等、通常の画像情報の特徴及び人間の視覚特性に基づいて、他の第1の動きベクトルを用いて当該第1の動きベクトルの作成あるいは検出された第1の動きベクトルによる代用をさせることができる。
【0032】
【実施例】
実施例1.
以下、本発明の実施例について図に基づき説明する。
図1乃至図8は、本発明の第1の実施例にかかる映像信号符号化装置及び該符号化装置により符号化された映像信号を再生する復号化装置について説明するための図である。
【0033】
ここに、図1は映像信号符号化装置の概略構成を示すブロック図、図2は映像信号復号化装置の概略構成を示すブロック図、図3は第1の動き検出手段の構成の一例を示すブロック図である。また、図4は本実施例における符号化対象領域と上位符号化対象領域の概念を示す概念図、図5,図6は本実施例の映像信号の符号化に際して行われる動き補償予測の概念を示すための概念図、図7は符号化のためのベクトルコードを示す図、図8は本実施例の第1の動きベクトルと画像との関係を示す概念図である。
【0034】
上述の図16で説明したように、通常の画像における動きベクトルの差分値は、その探索領域の大きさにかかわらず、ベクトル差分値の小さいものの出現確率が非常に高い。これは、通常の画像の時間的な動きは、カメラのパンニング等に代表されるように、あるまとまった領域においては同じような動きをすることが多いことを意味している。よって、動きの速い画像の場合、その動きベクトル自体は大きな値をとるとしても、動きベクトルの差分値については大部分は小さな値をとることになる。
また、人間の視覚特性を考慮すると、このパンニングのような、あるまとまった領域毎の速い動きに対しては、人間の視覚特性は比較的良好であるのに対し、逆に画面の局所的な速い動きに対しては、人間の視覚特性は極度に劣化するという特徴がある。
【0035】
本発明はかかる画像及び人間の視覚特性の特徴を利用したものであり、本実施例においては、まず、図4に示したような、上位符号化対象領域というものを定義する。これは、従来の符号化対象領域を複数集めることで構成されるものである。
そして、図5に示すように、この符号化対象画像を構成する全ての上位符号化対象領域に対して、大域的な動きを示す第1の動きベクトルをそれぞれ検出する。その後、図6に示すように、第1の動きベクトルの検出された上位符号化対象領域に含まれた符号化対象領域の各々に対し、第1の動きベクトルにて指定された位置を中心とする所定の探索領域内における第2の動きベクトルを検出し、これらの動きベクトルを各々符号化するようにしている。
【0036】
このような本実施例によれば、第1の動きベクトルは広い領域に対して検出されるため、全体の符号量に対する第1の動きベクトルの符号量は非常に少ないものとなる。また、第2の動きベクトルは既に第1の動きベクトルにより広い領域の動きを検出しているため、動きの速い画像であっても、限られた範囲の中での局所的な動き検出を行えば十分であり、予め適当な1つの探索領域を設定しておき、この探索領域内において第2の動きベクトルを検出すればよい。従って、従来のように複数のベクトルコードを並列的に設ける必要はなくなる。
【0037】
では、本実施例の具体的な装置構成について以下、説明する。図1は、このような本発明の第1の実施例にかかる映像信号符号化装置の構成を示すブロック図である。
図において、1cは映像信号の入力端子、2cは符号化された映像信号の出力端子、3cは減算手段、4cは情報圧縮のため映像信号を水平/垂直の空間周波数に変換するDCT手段、5cは量子化手段、6cは逆量子化手段、7cは周波数変換された映像信号を元の映像信号に再変換するIDCT(逆離散コサイン変換)手段、8cは加算手段、9cはメモリ手段、10cは第1の動き検出手段、12cはスイッチ(切替)手段、13cは可変長符号化手段、14cは送信バッファ手段、15cは符号量制御手段、18cは第2の動き検出手段である。
【0038】
入力端子1cから入力された映像信号301は、その一部が第1の動き検出手段10c及び第2の動き検出手段18cに入力されるとともに、減算手段3c入力されて予測領域の信号309との差信号302とされる。
この差信号302は、DCT手段4cにおいて周波数変換され、さらに量子化手段5cによって量子化される。
【0039】
そして、量子化された差信号304の一部は逆量子化手段6c及び逆DCT手段7cを介して再変換されて元の差信号とされ、加算手段8cで予測領域の信号309が加算されて元の映像信号となり、メモリ手段9cに参照画像として蓄えられる。
一方、残りの差信号304は可変長符号化手段13cにおいて、第1の動き検出手段10c及び第2の動き検出手段18cで生成された第1,第2の動きベクトル312,313とともに符号化され、多重化される。
【0040】
そして、多重化信号314は送信バッファ手段14cを経て、出力端子2cより伝送、あるいは、図示せぬ記録媒体に記録されることになる。
なお、符号量制御手段15cは、送信バッファ手段14cにおけるメモリ残量等の信号を受けて、オーバーフローが発生しないよう、量子化手段5cの量子化ステップを適応的に変化させている。
【0041】
一方、メモリ手段9cに蓄えられた参照画像はスイッチ手段12cの第1の端子に入力されるとともに、第2の動き検出手段18cにも入力される。(スイッチ手段12cの第2の端子には零信号が入力されている。)
【0042】
第2の動き検出手段18cでは、入力された参照画像308、映像信号(符号化対象画像)301及び第1の動き検出手段10cで生成された第1の動きベクトル313から符号化対象画像の符号化対象領域毎に、上位符号化対象領域の第1の動きベクトルで指定される領域を中心とした所定の探索領域内において動き検出されて第2の動きベクトルを検出する(図6参照)。
検出された第1の動きベクトル313及び第2の動きベクトル312は可変長符号化手段13cに送出され、ここでそれぞれ隣接する上位符号化対象領域及び符号化対象領域における動きベクトルとの差分値が算出され、これを図7に示すようなベクトルコードによりベクトルコード化し、可変長符号化された差信号304に多重化される。
【0043】
また、第2の動き検出手段18cの出力310は、スイッチ手段12cの切替信号としても用いられ、かかる信号に基づき参照画像の映像信号308は予測領域の信号309に変換されて減算手段3c及び加算手段8cに入力され、また、かかる信号310は可変長符号化手段13cにおいて、差信号304と第1,第2の動きベクトルとの符号化切替信号としても用いられる。
【0044】
なお、図7に示すように、本実施例では第1の動きベクトルのベクトルコードと、第2の動きベクトルのベクトルコードとにより動きベクトルがコード化される。
また、本実施例では第1の動きベクトルのベクトルコードとして8ビット固定長のコードを示したが、これに限られるものではなく、他のビット長でも、可変長コードでもよい。
さらに、本実施例では第2の動きベクトルのベクトルコードとして従来例に示した基準探索範囲におけるベクトルコードを示したが、これに限られるものではなく、他の探索範囲におけるベクトルコードとしてもよい。
【0045】
次に、上述のごとく符号化された映像信号を復号化する映像信号復号化装置について、図2に基づき説明する。
図において、1dは符号化された映像信号の入力端子、2dは復号化された映像信号の出力端子、14dは受信バッファ手段、13dは可変長復号化手段、5dは逆量子化手段、4dはIDCT手段、8dは加算手段、9dはメモリ手段、12dはスイッチ手段、17dは動きベクトル再生手段である。
【0046】
入力端子1dから入力された符号化映像信号401は、受信バッファ手段14dを介して、可変長復号化手段13dに入力される。可変長復号化手段13dではこの符号化映像信号402を復号化し、第1の動きベクトル410と第2の動きベクトル411と差信号403とに分離する。
分離された差信号403は逆量子化手段5dで逆量子化され、IDCT手段4dで元の差信号405に変換される。さらに、この差信号405は、加算手段8dにおいて予測領域の信号408と加算されて元の符号化対象領域の信号406に戻され、その一部がメモリ手段9dに蓄えられるとともに、元の符号化対象画像として出力端子2dから出力される。
【0047】
一方、メモリ手段9dは加算手段8dからの符号化対象領域信号406と可変長復号化手段で復号化され、動きベクトル再生手段17dでベクトル合成された動きベクトル412とから予測領域の信号407を生成し、該予測領域信号407を可変長復号化手段で生成した動き補償予測のための切替信号409に基づいて切り替えられるスイッチ手段12dを介して加算手段8dに入力させるように構成されている。なお、スイッチ手段12dの一端には零信号が入力されており、この信号端子が選択されている場合には動き補償予測のなされていない再生信号が加算手段8dより出力されることになる。
【0048】
次に、本実施例における第1の動きベクトルの検出方法について説明する。図3は、図1に示した第1の動き検出手段10cの具体的構成の一例を示す図である。
図において、19cは低域通過フィルタ(LPF)手段、20cはサブサンプリング手段、21cはメモリ手段、22cは代表ベクトル検出手段である。
【0049】
第1の動き検出手段10cに入力された映像信号301は、LPF手段19cを通過することにより高周波成分が除去されるとともに、サブサンプリング手段20cによりハードウェア規模を縮小するためにサブサンプリングされる。この際、サブサンプリングの前処理としてLPF手段19cを施しているので、動き検出に与える折り返し歪の影響を除去することができる。
サブサンプリングされた映像信号は、メモリ手段21cにおいて参照画像として蓄えられるとともに、代表ベクトル検出手段22cに直接与えられる。代表ベクトル検出手段22cでは、入力された映像信号から構成される符号化対象画像の上位符号化対象領域とメモリ手段21cからの参照画像を基に、図5で説明したように第1の動きベクトルを検出する。
【0050】
また、図8は本実施例における第1の動きベクトルと画像との関係を示す図である。
図において、縦線は各画像、横の短線は上位符号化対象領域の境界、矢印は第1の動きベクトルを示している。
同図からわかるように、第1の動きベクトルはすべての上位符号化対象領域に対して検出される。
【0051】
実施例2.
次に、本発明の第2の実施例を説明する。
図9は第1の動きベクトルと画像との間の第1の関係を示す図である。
【0052】
上述の実施例1では、符号化対象画像のすべての上位符号化対象領域に対して第1の動きベクトルが検出される場合について説明したが、第1の動きベクトルは、その画像の動きの早さや上位符号化対象領域の大きさの取り方によっては検出されない場合がある。
【0053】
本実施例は、このような第1の動きベクトルが検出されない上位符号化対象領域における第1の動きベクトルの作成方法に関するものであり、符号化装置と復号化装置との間に定められた一定の規則に基づき、他の上位符号化対象領域の第1の動きベクトルから当該上位符号化対象領域の第1の動きベクトルを作成する。
【0054】
図9は、ある画像間隔をおいて、第1の動きベクトルが検出された場合である。 同図では、m枚の画像毎に第1の動きベクトルが検出される。この際、第1の動きベクトルが検出されなかった画像では、第1の動きベクトルの検出された最も近接する未来の画像における当該第1の動きベクトルから、以下のような方法で第1の動きベクトルを作成する。
【0055】
すなわち、第n画像及び第n+m画像の第1の動きベクトルが検出されている時、第n+m画像における第1の動きベクトルをvとすると、第n+y画像では過去の画像に対する第1の動きベクトルvfと未来の画像に対する第1の動きベクトルvbを以下のように作成する。
vf={y/m}×v
vb={(m−y)/m}×(−v)
【0056】
なお、第1のベクトル作成方法としては、基本的には符号化装置と復号化装置との間で共通の規則に従って定められた方法であれば良く、上記式以外の方法であっても良い。
【0057】
実施例3.
図10は本発明の第3の実施例を示す図であり、第1の動きベクトルと画像との間の第2の関係を示すものである。
【0058】
本実施例は、上記実施例2とは異なり、符号化対象画像のうち1つの上位符号化対象画像に対してのみ第1の動きベクトルが検出された場合である。このような場合、本実施例では、他の上位符号化対象画像の第1の動きベクトルとして、この検出された第1の動きベクトルを代用するようにしている。
このようにしたとしても、上述したように、通常の画像は、パンニング等、画面全体を一つの塊として移動することが多いため、大きな問題とはならない。
【0059】
なお、上述の実施例2及び実施例3において、第1の動きベクトルが検出されない上位符号化対象領域ではかかる第1の動きベクトルのベクトルコードを第2の動きベクトルや差信号のベクトルコードに多重化して伝送する必要のないことはいうまでもない。
また、上記各実施例においては、第1,第2の動きベクトルの検出に際して1枚の画像すなわち、TVにおけるフレーム画像を単位としていたが、フィールド画像を単位に第1,第2の動きベクトルを検出するようにしてもよい。
【0060】
【発明の効果】
以上のように、本発明によれば、画像情報の動きをその大域的な動きを示す第1の動きベクトルと、局所的な動きを示す第2の動きベクトルとにより2段階の動き補償予測を行うようにしているため、ハードウェア/ソフトウェア規模を小規模なものとしながら、動きの早い画像にあっても符号化効率の高い映像信号符号化・復号化装置及び符号化・復号化方法が得られるという効果がある。
【0061】
また、本発明によれば、第1の動きベクトルが検出できない上位符号化対象領域があったとしても、容易にこれに代わる第1の動きベクトルを得ることができ、また、本発明により得た第1の動きベクトルは、パンニング等の画像情報の特徴及び人間の視覚特性に基づいて得たものであるため、再生画質の劣化も僅かなものに押さえた映像信号符号化・復号化装置及び符号化・復号化方法が得られるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の映像信号符号化・復号化装置における符号化装置の概略構成を示すブロック図である。
【図2】 本発明の映像信号符号化・復号化装置における復号化装置の概略構成を示すブロック図である。
【図3】 本発明の映像信号符号化・復号化装置における第1の動き検出手段の構成を示すブロック図である。
【図4】 本発明の映像信号符号化・復号化装置における符号化対象領域及び上位符号化対象領域の概念を示す概念図である。
【図5】 本発明の映像信号符号化・復号化装置における第1の動きベクトル検出の概念を示す概念図である。
【図6】 本発明の映像信号符号化・復号化装置における第2の動きベクトル検出の概念及び第1,第2の動きベクトルの関係を示す概念図である。
【図7】 本発明の映像信号符号化・復号化装置におけるベクトルコードを示す図である。
【図8】 本発明の映像信号符号化・復号化装置における第1の動きベクトルと各画像間の関係を示す図である。
【図9】 本発明の映像信号符号化・復号化装置において検出されなかった第1の動きベクトルを作成する方法を示す図である。
【図10】 本発明の映像信号符号化・復号化装置において検出されなかった第1の動きベクトルを検出された他の第1の動きベクトルで代用する方法を示す図である。
【図11】 従来の映像信号符号化・復号化装置における符号化装置の概略構成を示すブロック図である。
【図12】 従来の映像信号符号化・復号化装置における復号化装置の概略構成を示すブロック図である。
【図13】 従来の映像信号符号化・復号化装置において動きベクトルを検出するための探索領域の概念を示す概念図である。
【図14】 従来の映像信号符号化・復号化装置における動きベクトル検出の概念を示す概念図である。
【図15】 従来の映像信号符号化・復号化装置におけるベクトルコードを示す図である。
【図16】 従来の映像信号符号化・復号化装置における動きベクトルの差分値とその出現確率との関係を示す図である。
【符号の説明】
1a,1b,1c,1d:入力端子、2a,2b,2c,2d:出力端子、3a,3c:減算手段、4a,4c:DCT(離散コサイン変換)手段、4b:IDCT(逆離散コサイン変換)手段、5a,5c:量子化手段、5b,5d:逆量子化手段、6a,6c:逆量子化手段、7a,7c:IDCT手段、8a,8b,8c,8d:加算手段、9a,9b,9c,9d:メモリ手段、10c:第1の動き検出手段、12a,12b,12c,12d:スイッチ(切替)手段、13a,13c:可変長符号化手段、13b,13d:可変長復号化手段、14a,14c:送信バッファ手段、14b,14d:受信バッファ手段、15a,15c:符号量制御手段、17d:動きベクトル再生手段、18a,18c:第2の動き検出手段、19c:低域通過フィルタ(LPF)手段、20c:サブサンプリング手段、21c:メモリ手段、22c:代表ベクトル検出手段
Claims (2)
- <A1> 上位符号化対象領域を、現在符号化しようとしている1枚の画像情報に対応する領域を複数の領域に分割した領域と定義し、
<A2> 参照領域を、過去に符号化した画像である参照画像内において、前記上位符号化対象領域と同一の大きさを有する任意の領域と定義したときに、
<A3> 前記上位符号化対象領域が、前記参照画像内の複数の参照領域のいずれをシフトしたものであるかを示す第1の動きベクトルを検出する第1の動き検出手段を有し、
<B1> 符号化対象領域を、前記上位符号化対象領域を複数に分割した領域と定義し、
<B2> 探索領域を、前記参照画像内において前記第1の動きベクトルで指定される位置を中心とした所定の大きさの領域と定義したときに、
<B3> 前記符号化対象領域が、前記探索領域内で前記符号化対象領域と同一の大きさを有する任意の領域のうち、いずれをシフトしたものかを示す第2の動きベクトルを検出する第2の動き検出手段と、
<C> 前記第1および第2の動き検出手段から出力される前記第1および第2の動きベクトルを符号化する可変長符号化手段と
を有し、
前記第1の動き検出手段は、
符号化対象画像の低域成分を出力する低域通過フィルタ手段と、
該低域通過フィルタ手段からの出力をサブサンプリングするサブサンプリング手段と、
該サブサンプリング手段からのサブサンプリングされた映像信号を参照画像として蓄積するメモリ手段と、
該メモリ手段から出力される前記参照画像出力と前記サブサンプリング手段から出力される前記符号化対象画像のサブサンプリング出力とに基づいて第1の動きベクトルを出力する代表ベクトル検出手段とを備える映像信号符号化装置。 - <A1> 上位符号化対象領域を、現在符号化しようとしている1枚の画像情報に対応する領域を複数の領域に分割した領域と定義し、
<A2> 参照領域を、過去に符号化した画像である参照画像内において、前記上位符号化対象領域と同一の大きさを有する任意の領域と定義したときに、
<A3> 前記上位符号化対象領域が、前記参照画像内の複数の参照領域のいずれをシフトしたものであるかを示す第1の動きベクトルを検出する第1の動き検出工程を有し、
<B1> 符号化対象領域を、前記上位符号化対象領域を複数に分割した領域と定義し、
<B2> 探索領域を、前記参照画像内において前記第1の動きベクトルで指定される位置を中心とした所定の大きさの領域と定義したときに、
<B3> 前記符号化対象領域が、前記探索領域内で前記符号化対象領域と同一の大きさを有する任意の領域のうち、いずれをシフトしたものかを示す第2の動きベクトルを検出する第2の動き検出工程と、
<C> 前記第1および第2の動き検出手段から出力される前記第1および第2の動きベクトルを符号化する可変長符号化工程と
を含み、
前記第1の動き検出工程は、
符号化対象画像の低域成分を出力する低域通過フィルタ工程と、
該低域通過フィルタ工程によって得られる出力をサブサンプリングするサブサンプリング工程と、
該サブサンプリング工程からのサブサンプリングされた映像信号を参照画像として蓄積するメモリ工程と、
該メモリ工程により出力される前記参照画像出力と前記サブサンプリング工程によって得られる前記符号化対象画像のサブサンプリング出力とに基づいて第1の動きベクトルを出力する代表ベクトル検出工程とを含む映像信号符号化方法。
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