JP3784255B2 - 集積型光ピックアップ用モジュール及び光ピックアップ - Google Patents
集積型光ピックアップ用モジュール及び光ピックアップ Download PDFInfo
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、CD(コンパクト・ディスク)系の光ディスクやDVD(デジタル・バーサタイル・ディスク)系光ディスクなど複数種類の光ディスクの記録・再生が可能な光ディスク記録再生装置で、主としてDVD、S−DVD等の高密度光ディスクが再生可能な高密度光ディスク装置に応用される集積型光ピックアップ用モジュール及び光ピックアップに関し、特に、複数の半導体レーザと光学素子、及びこれらの半導体レーザや光学素子が実装されるサブマウントからなる集積型光ピックアップ用モジュール、及び前記モジュールと受光素子等を集積して一体化した集積型光ピックアップに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、光記録媒体として、CD、CD−R、CD−RW等のCD系の光ディスクや、DVD、DVD−R、DVD−RW、S−DVD等のDVD系高密度光ディスクなど、さまざまな光ディスクが普及しはじめているが、理想的には1つの記録再生装置で複数種類の光ディスクを記録再生できることが望ましい。しかしながらCD、CD−R、CD−RW等のCD系の光ディスクで使用されている波長780nmのレーザ光では、光スポットをDVD系の光ディスク上のピットの大きさまで絞り込むことができない。一方、CD−Rの光ディスクに用いられる色素はDVD系で使用されている波長650nmのレーザ光では反射せず透過してしまい、読み取りをすることができない。したがって、CD−Rの光ディスクとDVD系の光ディスクを1つの記録再生装置で記録再生できるようにするためには、波長780nmと波長650nmの2つの半導体レーザ装置を用いなければならない。
【0003】
しかしながら,波長780nmと波長650nmの2つの半導体レーザで光学系を共用するためには、二つの発光点の間隔を出来るだけ近く(好ましくは100μm以下に)しなければならない。これまでに波長650nmの半導体レーザチップと波長780nmの半導体レーザチップを1つのパッケージ上に水平方向に並べて取り付けた半導体レーザ装置が提案されているが、この構成ではレーザチップ幅やサブマウント幅の影響を受け、2つのレーザチップの発光点位置間隔が300〜400μmと大きくなってしまうため、光ピックアップの光学系を設計するのが非常に難しくなってしまう。また、一つのチップから二つの波長を発振できる半導体レーザや、発光点がチップの端に形成された半導体レーザを並べて用いる方法も提案されているが、その様な特殊な構造の半導体レーザは一般には市販されていないため入手が非常に困難である。そこで通常の構造の半導体レーザを用いて、反射面を利用して擬似的に発光点を近接させる方法が提案されている。例えば、特開平11−39684号公報には、断面が三角形の形状を有するサブマウントにより、発光点を近接させる方法が開示されている。図13は特開平11−39684号公報の図2を引用した図である。この図で断面が三角形の形状を有するサブマウント45により、半導体レーザ34,36からの出力B1,B2は近接した反射面32B,32Cで折り曲げられるので、発光点を擬似的に近接させることが出来る。
【0004】
しかしながら、このような構造を実現するためには断面が三角形の形状を有する構造を作製しなければならない。特に45度の角度を持つ断面が三角形の傾斜面を作ることは容易ではなく、これまで何通りかの作製方法が提案されてはいるが、実際に量産に適用できるほど安定して作製できるわけではなかった。また特開2000−113486号に開示されるようにマイクロプリズムを用いて断面が三角形の形状を付加することも可能であるが、サブマウント等の個別部品の寸法精度が高くないため実装が非常に難しくなる上に断面三角形の光学部品が必要なため、コスト的に非常に高価になってしまい、光ピックアップへの搭載が現実的ではなくなってしまう。
この様に従来開示された反射面を利用して発光点を擬似的に近接させる方法では、量産に適した簡便な方法ではなく、しかもそれを低コストに実現することが出来なかった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、通常の構造の半導体レーザを用いて、複数の半導体レーザの発光点間隔を反射面を利用して擬似的に近接させる方法を、量産に適した簡便な方法でしかも低コストに実現した構成の集積型光ピックアップ用モジュール及びそれを用いた集積型光ピックアップを提供することを課題
(目的)とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するための手段として、請求項1記載の発明においては、複数の半導体レーザと、それぞれの半導体レーザに対応する複数の反射面を持つ光学素子と、上記半導体レーザと上記光学素子が実装されたモジュール基部とを含んで構成される集積型光ピックアップ用モジュールにおいて、上記半導体レーザのヘテロ接合面と上記光学素子の対応する反射面とのなす角がそれぞれ略直角となるとともに、上記光学素子は上記反射面と直交する面で上記モジュール基部に実装されている構造としたものである。
また、請求項2記載の発明においては、複数の半導体レーザと、それぞれの半導体レーザに対応する複数の反射面を持つ光学素子と、上記半導体レーザが実装されたサブマウントと、上記サブマウントと上記光学素子が実装されたモジュール基部とを含んで構成される集積型光ピックアップ用モジュールにおいて、上記半導体レーザのヘテロ接合面と上記光学素子の対応する反射面とのなす角がそれぞれ略直角となるとともに、上記光学素子は上記反射面と直交する面で上記モジュール基部に実装されている構造としたものである。
さらに請求項3記載の発明においては、複数の半導体レーザと、それぞれの半導体レーザに対応する複数の反射面を持つ光学素子と、上記半導体レーザと上記光学素子が実装されたサブマウントとを含んで構成される集積型光ピックアップ用モジュールにおいて、上記半導体レーザのヘテロ接合面と上記光学素子の対応する反射面とのなす角がそれぞれ略直角となるとともに、上記光学素子は上記反射面と直交する面で上記サブマウントに実装されている構造としたものである。
さらに請求項4記載の発明においては、請求項3記載の集積型光ピックアップ用モジュールにおいて、上記サブマウントは直方体の一部に平行に凹んだ面を持ついわゆるコの字型もしくはこれに類似した形状を有しており、この凹み面に上記光学素子が実装されている構造としたものである。
さらに請求項5記載の発明においては、請求項1〜4の何れか一つに記載の集積型光ピックアップ用モジュールにおいて、二つの半導体レーザが対向して配置してあり、この半導体レーザ間に、それぞれの半導体レーザに対応する複数の反射面を持つ光学素子が配置され、該光学素子の反射面が、対応する半導体レーザの光軸に対してそれぞれ45度の角度で配置される構造としたものである。
【0007】
請求項6記載の発明においては、請求項1〜5の何れか一つに記載の集積型光ピックアップ用モジュールにおいて、上記光学素子の形状が直方体または多角柱となるように構成したものである。
また、請求項7記載の発明においては、請求項6記載の集積型光ピックアップ用モジュールにおいて、上記光学素子の基材が半導体材料からなる構成としたものである。
さらに請求項8記載の発明においては、請求項7記載の集積型光ピックアップ用モジュールにおいて、上記光学素子の基材が単結晶Si(シリコン)からなる構成としたものである。
さらに請求項9記載の発明においては、請求項8記載の集積型光ピックアップ用モジュールにおいて、上記光学素子の反射面が単結晶Siの(110)面と(111)面からなる構成としたものである。
さらに請求項10記載の発明においては、請求項1〜9のうちの何れか一つに記載の集積型光ピックアップ用モジュールにおいて、上記二つの半導体レーザは、それぞれ異なる発振波長を持っており、上記光学素子の反射面から半導体レーザまでの距離が、発振波長あるいは光学系の色収差に応じた異なる距離に実装されている構成としたものである。
【0008】
請求項11記載の発明においては、光源部からの光束を光記録媒体に集光して情報の記録及び/または再生を行う光ピックアップにおいて、上記光源部として、請求項1〜10のうちの何れか一つに記載された集積型光ピックアップ用モジュールを用いた構成としたものである。
また、請求項12記載の発明においては、光源部からの光束を光記録媒体に集光して情報の記録及び/または再生を行う光ピックアップにおいて、請求項1〜10のうちの何れか一つに記載された集積型光ピックアップ用モジュールと、ホログラム素子及び受光素子(PD)を用いて形成した構成としたものである。
さらに請求項13記載の発明においては、請求項11または12記載の集積型光ピックアップにおいて、上記集積型光ピックアップ用モジュールは出力光軸と垂直な実装面を持ち、この実装面を受光素子が形成された半導体基板と共に同一平面上に実装した構造としたものである。
さらに請求項14記載の発明においては、請求項11または12記載の集積型光ピックアップにおいて、上記集積型光ピックアップ用モジュールは出力光軸と垂直な実装面を持ち、この実装面を受光素子が形成された半導体基板上に実装した構造としたものである。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の構成、動作及び作用について詳細に説明する。
半導体レーザから放射されるレーザ光は、発光部の光学的な構造を反映した放射角を持っており、その放射角は半導体レーザのヘテロ接合面と平行な方向と垂直な方向では大きく異なっている。記録再生装置である光ディスクドライブに使用される一般的な屈折率導波構造を持つ半導体レーザでは、ヘテロ接合面と平行な方向でおよそ10°、垂直な方向ではおよそ25°ぐらいの偏平な放射角をもつビームとなる。これを模式的に書くと図2の様になり、そのビーム形状は半導体レーザ1のヘテロ接合面2に対して垂直な方向に長い楕円形のパターンとなる。特に近年開発が進められている青色半導体レーザでは、光ピックアップ用としての構造の最適化が進んでいないため、ヘテロ接合面と平行な方向でおよそ5°、垂直な方向ではおよそ30°ぐらいの極端に偏平な放射角となる。したがって半導体レーザからの光出力を有効に利用するためには、この偏平なビーム形状がすべて反射面に当たるように光学系を設計しなければならない。このように半導体レーザ特有の偏平なビーム形状を考慮したうえで、反射面を利用して擬似的に発光点を近接させる方法を考えてみると、従来提案されていた図3に示すような断面が三角形状の光学素子3を用いる場合には、図3(a)の配置の場合の発光点間隔aよりも、図3(b)に示すように半導体レーザのヘテロ接合面と反射面とのなす角が略直角となる配置の場合の発光点間隔bのほうが短いことが判る。そこで、請求項1記載の発明においては、複数の半導体レーザと、それぞれの半導体レーザに対応する複数の反射面を持つ光学素子とを含んで構成される集積型光ピックアップ用モジュールにおいて、上記半導体レーザのヘテロ接合面と上記光学素子の対応する反射面とのなす角がそれぞれ略直角となるように構成している。これにより従来よりも大幅に発光点間隔を小さくすることが可能な光ピックアップ用モジュールを実現することができる。
【0010】
反射面を利用して擬似的に発光点を近接させる構造を実際に作る場合、半導体レーザから放射される光の光軸が反射面で折れ曲がるため、半導体レーザや光学素子の物理的な配置からその実装精度を直感的に確認することが非常に難しくなってしまう。特に最も重要なパラメーターである発光点間隔が外観からわかりにくいということは、量産を行う上で検査工程に余分な手間と時間がかかってしまい好ましくない。しかしながら、二つの半導体レーザを対向して配置し、この半導体レーザの光軸に対してそれぞれ45度の角度で反射面を配置した場合に限り、半導体レーザや光学素子の物理的な配置からその実装精度を直感的に確認することが可能となる。これを図4を用いて具体的に説明する。図4において符号4−1,4−2は対向して配置された半導体レーザを、4−3はそれぞれの半導体レーザに対応した反射面を持つ光学素子を示している。各半導体レーザ4−1,4−2からの出力光の光軸は4−4及び4−5に示すように二つの半導体レーザ4−1,4−2の発光点を結んだ線上を進み、光学素子4−3で直角方向に折り返される。この折り返された光軸の間隔が発光点間隔となるが、このような構成をとると、二つの半導体レーザ4−1,4−2の発光点を結んだ線上に光学素子4−3が重なった長さがそのまま発光点間隔となるので、実装後の外観から容易に発光点間隔を確認することが出来る。そこで請求項5の発明においては、請求項1に記載された集積型光ピックアップ用モジュールにおいて、二つの半導体レーザが対向して配置してあり、この半導体レーザ間に配置された光学素子の反射面が、対応する半導体レーザの光軸に対してそれぞれ45度の角度で配置される構造としている。これにより半導体レーザや光学素子の物理的な配置からその実装精度を容易に確認することが可能となる。また、このような直角や平行、45度といった角度で構成された構造は、実装の精度も取り易く、より生産性を上げることが出来る。
【0011】
ところで、半導体レーザからの光出力は発光層となるヘテロ接合面の上下方向に広がって放射されるので、この出力光を有効に利用するためには、光学素子の実装面よりも半導体レーザのヘテロ接合面が高い位置にこなければならない。そこで請求項2記載の発明においては、上記の構成の集積型光ピックアップ用モジュールにおいて、二つの半導体レーザ(5−3)が、それぞれサブマウント(5−2)に実装された構造としている(図1)。これにより、サブマウント(5−2)の厚さ調整等によって光学素子(5−4)に対する半導体レーザ(5−3)の出力光位置を容易に調整することができ、半導体レーザからの出力光を有効に利用することが可能となる。ここで、このサブマウントの厚さは、光学素子の高さ(半導体レーザのヘテロ界面に垂直な方向の長さ)の1/2程度であることが好ましい。これはサブマウントにジャンクションダウンで実装された半導体レーザの出力光が光学素子の中央付近を効果的に利用するためである。
【0012】
次に上記のように半導体レーザのヘテロ接合面と光学素子の反射面とのなす角が略直角となる配置の場合、複数の半導体レーザ同士は数百μm離れて実装されることになるが、擬似的な発光点は100μm以下程度に近接しているので、半導体レーザや光学素子の相対位置に要求される位置精度は±3〜5μm以下と非常に高精度である。これはサブマウントやステムの一般的な寸法精度である±50μmと比べると一桁以上小さい値であるので、個別の部品を組み合わせて実現するのは非常に困難である。これを実現するためには、半導体レーザ実装面と光学素子実装面を精度良く形成したサブマウント上に、半導体レーザと光学素子を直接実装してモジュールとするほうがよい。そこで、請求項3記載の発明においては、上記の構成の集積型光ピックアップ用モジュールにおいて、二つの半導体レーザ(15−3)と光学素子(15−4)は、サブマウント(15−2)に実装された構造としている(図5)。また、この構造を実現する上で、半導体レーザからの光出力は発光層となるヘテロ接合面の上下方向に広がって放射されるので、この出力光を有効に利用するためには、光学素子の実装面よりも半導体レーザのヘテロ接合面が高い位置にこなければならない。そこで請求項4記載の発明においては、請求項3に記載された集積型光ピックアップ用モジュールにおいて、サブマウント(15−2)は直方体の一部に平行に凹んだ面を持ついわゆるコの字型もしくはこれに類似した形状を有しており、この凹み面に上記光学素子(15−4)が実装された構造としている(図5)。これにより、サブマウントの厚さ調整等によって光学素子に対する半導体レーザの出力光位置を容易に調整することができ、半導体レーザからの出力光を有効に利用することが可能となる。ここで、このサブマウントの凹みの深さは、光学素子の高さ(半導体レーザのヘテロ界面に垂直な方向の長さ)の1/2程度であることが好ましい。これはサブマウントにジャンクションダウンで実装された半導体レーザの出力光が光学素子の中央付近を効果的に利用するためである。
【0013】
次に請求項1,2,3,4または5記載の発明にある構造を実際に作る上で、反射面を有する光学素子の形状に要求される条件は、対向した半導体レーザの光軸に対してそれぞれ45度の角度を持つ反射面を有することと、これらの反射面が半導体レーザのヘテロ接合面と垂直な位置関係になることだけである。対向した半導体レーザの光軸に対してそれぞれ45度の角度を持つということは、反射面同士は直交することになる。また反射面が半導体レーザのヘテロ接合面と垂直な位置関係になるためには、二つの反射面に直交した面を光学素子に設け、半導体レーザのヘテロ接合面と平行な面に光学素子を実装すればよい。つまり光学素子は3つの直交した面を持つ構造であれば良いことになる。このような条件を満たす構造の中で、最も単純で製作の容易な構造は直方体の構造である。また製造法によっては五角柱等の多角柱の方が製造しやすい場合もある。そこで請求項6記載の発明においては、請求項1,2,3,4または5に記載された集積型光ピックアップ用モジュールにおいて、上記光学素子の形状が直方体または多角柱となるようにしている。これにより光学素子を簡単に作製することが可能となり、光学素子を搭載した集積型光ピックアップ用モジュール及びそのモジュールを用いた集積型光ピックアップの低コスト化を実現できる。
【0014】
請求項6記載の発明に示した直方体または多角柱の光学素子は、反射面を利用するだけなのでその材質に何らかの制約があるものではないのだが、これを大量に製造するためには半導体プロセス技術を応用するのが望ましい。特に近年の半導体プロセス技術は光の波長オーダーの加工精度を有しており光学素子の加工にも適しているが、この技術は半導体基板に対して最適化されており、他の材料を用いる場合には新たにプロセス開発が必要となってしまう。そこで請求項7記載の発明においては、請求項6に記載された集積型光ピックアップ用モジュールにおいて、上記光学素子の基材を半導体材料としている。これにより光学素子の加工に既存の半導体プロセス技術をそのまま適用することが出来、新たな加工プロセスの開発無しに光学素子を作製することが出来る。
【0015】
半導体材料の中でも単結晶Si(シリコン)は最も加工技術の進んだ材料である。例えばウエハー加工時の研磨精度に関しても、他の基板材料に比べて数分の一の精度が得られている。また近年はマイクロマシン技術と呼ばれる加工技術が発達してきており、高いアスペクト比を持つ構造が容易に加工できるようになっている。そこで請求項8記載の発明においては、請求項7に記載された集積型光ピックアップ用モジュールにおいて、上記光学素子の基材を単結晶Siとしている。この様に加工技術の最も進んだ単結晶Siを光学素子の基材に使うことにより、光学素子を簡単に作製することが可能となり、光学素子を搭載した集積型光ピックアップ用モジュール及びそのモジュールを用いた集積型ピックアップの低コスト化を実現できる。
【0016】
ここで、特定の面方位を持つ単結晶Si基板に異方性エッチング技術を適用することで、直交した反射面を持つ光学素子を容易に作製することが可能になる。単結晶Siの(111)面は、特定のエッチング液を用いたときに他の面方位より極端にエッチング速度が遅くなるので、選択的に(111)面の結晶面を得ることが可能である。例えば(110)面の基板を用いて異方性エッチングにより(111)面と平行な方向の溝を作ることで、基板表面に垂直な溝を作ることが出来る。この面は原子層オーダーで平坦性を持つため反射鏡の用途には特に適している。そこで請求項9記載の発明においては、請求項8に記載された集積型光ピックアップ用モジュールにおいて、上記光学素子の反射面を単結晶Siの(110)面と(111)面で構成されるようにしている。これにより、直交する面を持つ光学素子を簡単に作製することが可能となり、光学素子を搭載した集積型光ピックアップ用モジュール及びそのモジュールを用いた集積型ピックアップの低コスト化を実現できる。
【0017】
次に請求項1〜9に記載された構造を異なる発振波長を持った半導体レーザで実現する場合、レンズ等の光学系は二つの波長に対して共通で使用されることになる。通常、レンズ等には分散があるために焦点距離は波長によって異なってしまうが、これまではこれを無くすためのいわゆる色消しの設計を行わなければならなかった。しかしながら、請求項1〜9に記載された構造においては、各半導体レーザを光学素子の反射面から半導体レーザまでの距離が、発振波長あるいは光学系の色収差に応じた異なる距離に実装するだけでレンズの異なる焦点距離に対応することが可能となる。そこで請求項10記載の発明においては、請求項1〜9のうちの何れか一つに記載された集積型光ピックアップ用モジュールにおいて、上記二つの半導体レーザは、それぞれ異なる発振波長を持っており、上記光学素子の反射面から半導体レーザまでの距離が、発振波長あるいは光学系の色収差に応じた異なる距離に実装された構成としている。これによりこれまでに必要であったレンズの色消し設計を無理に行わなくてもよくなるので、光学系の設計自由度が増すとともに、安価な光学系を採用することが可能になる。尚、当然のことではあるが、色収差の無い光学系を利用できる場合は、各半導体レーザは光学素子の反射面から半導体レーザまでの距離が等距離に実装されることになる。
【0018】
請求項1〜10に記載された集積型光ピックアップ用モジュールは、見かけ上発光点の間隔が非常に狭くなっているので、二つの半導体レーザの光軸を100μm以下にすることが出来る。したがって、このモジュールを用いて集積型光ピックアップを形成すれば、光学系の設計を非常に容易に行うことができる。そこで請求項11記載の発明においては、光源部からの光束を光記録媒体に集光して情報の記録及び/または再生を行う光ピックアップにおいて、上記光源部として、請求項1〜10のうちの何れか一つに記載された集積型光ピックアップ用モジュールを用いた構成としたものであり、さらに請求項12記載の発明においては、光源部からの光束を光記録媒体に集光して情報の記録及び/または再生を行う光ピックアップにおいて、請求項1〜10のうちの何れか一つに記載された集積型光ピックアップ用モジュールと、ホログラム素子及び受光素子(PD)を用いて形成した構成としたものである。これにより光学系の設計が容易な集積型光ピックアップを実現することが出来る。
【0019】
従来の集積型光ピックアップにおいては、半導体レーザと受光素子が形成された半導体基板はステムに形成されたヒートシンクの異なる面に実装されていた。このためヒートシンクには高い加工精度が要求されたため、これを低価格で作製するのは難しかった。しかしながら、このような位置、角度の精度を集積型光ピックアップ用モジュール側に持たせることにより、ステムの加工精度を大幅に緩和することが可能となり、ステムの低価格化が可能となる。そこで請求項13記載の発明においては、請求項11または12に記載された集積型光ピックアップにおいて、上記集積型光ピックアップ用モジュールは出力光軸と垂直な実装面を持ち、この実装面を受光素子が形成された半導体基板と共に同一平面上に実装した構造としている。これによりステムの加工精度を大幅に緩和することが可能となり、ステムの低価格化が可能となる。
【0020】
次世代のS−DVDに対応可能な集積型光ピックアップを実現するためには、現在よりもさらに厳しい実装精度が要求されるが、この場合問題となる一要因として、受光素子が形成された半導体基板の厚さのばらつきが懸念されている。現在最も高い精度が得られているSiの8インチ基板においても、その厚さのばらつきは10μm程度となり、光ピックアップの実装精度からみると大きな値となってしまう。しかしながら、これよりもばらつきの少ない高精度な仕様の基板を用いることは、基板の単価が非常に高くなってしまい現実的ではなくなってしまう。そこで請求項14記載の発明においては、請求項11または12に記載された集積型光ピックアップにおいて、上記集積型光ピックアップ用モジュールは出力光軸と垂直な実装面を持ち、この実装面を受光素子が形成された半導体基板上に実装した構造としている。これにより受光素子が形成された半導体基板の厚さがばらついたとしても、集積型光ピックアップ用モジュールと受光素子の相対的な位置関係に影響を受けることはない。
【0021】
【実施例】
以下、図面を参照して本発明の具体的な実施例について説明する。
【0022】
(実施例1)
図1は請求項1,2,5,6,7の発明を適用した集積型光ピックアップ用モジュールの一実施例を説明するための図であり、同図(a)は半導体レーザのヘテロ接合面に垂直な方向から見た集積型光ピックアップ用モジュールの平面図、同図(b)は本モジュールの光が出力される方向(図1(a)の上方)から見た集積型光ピックアップ用モジュールの正面図である。図中でAlNからなる二つのサブマウント5−2上にそれぞれ実装された二つの半導体レーザ5−3は、光出射面を対向させてモジュール基部5−1上に配置されている。この二つの半導体レーザ間には、半導体レーザ5−3のヘテロ接合面と垂直な角度を持つ反射面を有する光学素子5−4が同じくモジュール基部5−1上に配置されている。図中の符号5−5は二つの半導体レーザ5−3からの出力光を表わしており、この二つの出力光5−5は光学素子5−4により略直角方向に近接して反射されている。本実施例では、光学素子5−4は半導体材料である単結晶GaAs基板をへき開して作製しており、その形状は直方体であり、二つの半導体レーザ5−3からの出力光を反射する反射面にはアルミニウム薄膜を蒸着している。
【0023】
(実施例2)
図5は請求項1,3,4,5,6,7の発明を適用した集積型光ピックアップ用モジュールの一実施例を説明するための図であり、同図(a)は半導体レーザのヘテロ接合面に垂直な方向から見た集積型光ピックアップ用モジュールの平面図、同図(b)は本モジュールの光が出力される方向(図5(a)の上方)から見た集積型光ピックアップ用モジュールの正面図である。図中でAlNからなるサブマウント15−2のコの字型をした二つの実装面上にそれぞれ実装された二つの半導体レーザ15−3は、光出射面を対向させて配置されている。この二つの半導体レーザ間には、半導体レーザ15−3のヘテロ接合面と垂直な角度を持つ反射面を有する光学素子15−4がサブマウント15−2の凹んだ面上に配置されている。図中の符号15−5は二つの半導体レーザ15−3からの出力光を表わしており、この二つの出力光15−5は光学素子15−4により略直角方向に近接して反射されている。本実施例では、光学素子15−4は半導体材料である単結晶GaAs基板をへき開して作製しており、その形状は直方体であり、二つの半導体レーザ15−3からの出力光を反射する反射面にはアルミニウム薄膜を蒸着している。尚、本実施例では、半導体レーザ実装面と光学素子実装面を精度良く形成したサブマウント15−2上に、半導体レーザ15−3と光学素子15−4を直接実装してモジュールとしているので、半導体レーザ15−3と光学素子15−4の位置合わせを実施例1よりも高精度に行なうことができる。
【0024】
(実施例3)
図6は請求項1,2,5,6,7,8,9,10の発明を適用した集積型光ピックアップ用モジュールの一実施例を説明するための図であり、同図(a)は半導体レーザのヘテロ接合面に垂直な方向から見た集積型光ピックアップ用モジュールの平面図、同図(b)は本モジュールの光が出力される方向(図6(a)の上方)から見た集積型光ピックアップ用モジュールの正面図である。図中でAlNからなる二つのサブマウント6−2,6−6上にそれぞれ実装された二つの半導体レーザ6−3,6−7は、光出射面を対向させてモジュール基部6−1上に配置されている。この二つの半導体レーザ間には、半導体レーザ6−3,6−7のヘテロ接合面と垂直な角度を持つ反射面を有する直方体形状の光学素子6−4が同じくモジュール基部6−1上に配置されている。ここで、二つの半導体レーザ6−3,6−7は異なる発振波長を有しており、光学素子6−4の反射面から半導体レーザ6−3,6−7までの距離が、発振波長に応じた異なる距離に実装されている。図中の符号6−5は半導体レーザ6−3,6−7からの出力光を表わしており、この二つの出力光6−5は光学素子6−4により略直角方向に近接して反射されている。
【0025】
本実施例では、直方体形状の光学素子6−4は(110)面の単結晶Si基板を異方性エッチング加工して作製しており、図8にその作製プロセスを示す。
図8(a)は本プロセスに使用するSOI基板を示しており、このSOI基板は、ベースとなるSi基板7−1上に、酸化膜7−2と、(110)面のSOI層7−3が形成されている。この基板のSOI層7−3に、図8(b)に示すように(111)面と平行な溝7−4を異方性エッチングにより形成する。その後、図8(c)に示すように、この溝7−4と直交する方向にダイシングによる溝7−5を形成する。最後に図8(d)に示すように酸化膜7−2をエッチングで除去することにより、Siの(110)面と(111)面を反射面に持つ光学素子6−4が切り離される。尚、実施例1の場合と同様に、光学素子6−4の各反射面にはアルミニウム薄膜が蒸着されている。
【0026】
(実施例4)
図7は請求項1,3,4,5,6,7,8,9,10の発明を適用した集積型光ピックアップ用モジュールの一実施例を説明するための図であり、同図(a)は半導体レーザのヘテロ接合面に垂直な方向から見た集積型光ピックアップ用モジュールの平面図、同図(b)は本モジュールの光が出力される方向(図7(a)の上方)から見た集積型光ピックアップ用モジュールの正面図である。図中でAlNからなるサブマウント16−2のコの字型をした二つの実装面上に実装された二つの半導体レーザ16−3,16−7は、光出射面を対向させて配置されている。この二つの半導体レーザ間には、半導体レーザ16−3,16−7のヘテロ接合面と垂直な角度を持つ反射面を有する直方体形状の光学素子16−4がサブマウント16−2の凹んだ面上に配置されている。ここで、二つの半導体レーザ16−3,16−7は異なる発振波長を有しており、光学素子16−4の反射面から半導体レーザ16−3,16−7までの距離が、発振波長に応じた異なる距離に実装されている。図中の符号16−5は半導体レーザ16−3,16−7からの出力光を表わしており、この二つの出力光16−5は光学素子16−4により略直角方向に近接して反射されている。
本実施例では、直方体形状の光学素子16−4は(110)面の単結晶Si基板を異方性エッチング加工して作製しており、その作製プロセスは図8に示すようなものであり、実施例3の説明と同様である。尚、実施例2の場合と同様に、光学素子16−4の各反射面にはアルミニウム薄膜が蒸着されている。また、本実施例では、半導体レーザ実装面と光学素子実装面を精度良く形成したサブマウント16−2上に、半導体レーザ16−3,16−7と光学素子16−4を直接実装してモジュールとしているので、半導体レーザ16−3,16−7と光学素子16−4の位置合わせを実施例3よりも高精度に行なうことができる。
【0027】
(実施例5)
図9は請求項11,12,13の発明を適用した集積型光ピックアップの一実施例を説明するための図である。図中の符号8−1は実施例1または実施例3に示したような構造の請求項1,2,5,6,7,8,9,10の発明による集積型光ピックアップ用モジュールであり、二つのサブマウント8−1−2,8−1−6上にそれぞれ実装された二つの半導体レーザ8−1−3,8−1−7は、光出射面を対向させてモジュール基部8−1−1上に配置されている。この二つの半導体レーザ間には、半導体レーザのヘテロ接合面と垂直な角度を持つ反射面を有する直方体形状の光学素子8−1−4が同じくモジュール基部8−1−1上に配置されている。また符号8−3は受光素子(PD)8−4が形成された半導体基板である。
集積型光ピックアップ用モジュール8−1の二つの半導体レーザ8−1−3,8−1−7からの光出力8−1−5は光学素子8−1−4の反射面で略直角方向に反射されて図中の矢印Aの方向に出力されるが、集積型光ピックアップ用モジュール8−1のモジュール基部8−1−1は、このA方向の光出力光軸に垂直な実装面8−5を持ち、この実装面8−5を受光素子8−4が形成された半導体基板8−3と共に同一平面8−2上に実装されている。
尚、図9において、集積型光ピックアップ用モジュール8−1からの光出力方向(図中のA方向)には、レーザ光を光ディスクに集光するための対物レンズや、光ディスクからの反射光を受光素子8−4に導くためのホログラム素子等を含む光学系が配設されるが、これらの図示は省略している。
【0028】
(実施例6)
図10は請求項11,12,14の発明を適用した集積型光ピックアップの一実施例を説明するための図である。図中の符号9−1は実施例1または実施例3に示したような構造の請求項1,2,5,6,7,8,9,10の発明による集積型光ピックアップ用モジュールであり、二つのサブマウント9−1−2,9−1−6上にそれぞれ実装された二つの半導体レーザ9−1−3,9−1−7は、光出射面を対向させてモジュール基部9−1−1上に配置されている。この二つの半導体レーザ間には、半導体レーザのヘテロ接合面と垂直な角度を持つ反射面を有する直方体形状の光学素子9−1−4が同じくモジュール基部9−1−1上に配置されている。また符号9−3は受光素子(PD)9−4が形成された半導体基板である。
集積型光ピックアップ用モジュール9−1の二つの半導体レーザ9−1−3,9−1−7からの光出力9−1−5は光学素子9−1−4の反射面で略直角方向に反射されて図中の矢印Aの方向に出力されるが、集積型光ピックアップ用モジュール9−1のモジュール基部9−1−1は、このA方向の光出力光軸に垂直な実装面9−2を持ち、この実装面9−2を受光素子9−4が形成された半導体基板9−3上に直接実装されている。
尚、図10において、集積型光ピックアップ用モジュール9−1からの光出力方向(図中のA方向)には、レーザ光を光ディスクに集光するための対物レンズや、光ディスクからの反射光を受光素子9−4に導くためのホログラム素子等を含む光学系が配設されるが、これらの図示は省略している。
【0029】
(実施例7)
図11は請求項11,12,13の発明を適用した集積型光ピックアップの一実施例を説明するための図である。図中の符号18−1は実施例2または実施例4に示したような構造の請求項1,3,4,5,6,7,8,9,10の発明による集積型光ピックアップ用モジュールであり、18−3は受光素子(PD)18−4が形成された半導体基板である。
このモジュール18−1の光出力は図中の矢印Aの方向に出力され、モジュール18−1は、このA方向の光出力光軸に垂直な実装面18−5で、受光素子18−4が形成された半導体基板18−3と共に同一平面18−2上に実装されている。
尚、図11において、集積型光ピックアップ用モジュール18−1からの光出力方向(図中のA方向)には、レーザ光を光ディスクに集光するための対物レンズや、光ディスクからの反射光を受光素子18−4に導くためのホログラム素子等を含む光学系が配設されるが、これらの図示は省略している。
【0030】
(実施例8)
図12は請求項11,12,14の発明を適用した集積型光ピックアップの一実施例を説明するための図である。図中の符号19−1は実施例2または実施例4に示したような構造の請求項1,3,4,5,6,7,8,9,10の発明による集積型光ピックアップ用モジュールであり、19−3は受光素子(PD)19−4が形成された半導体基板である。
このモジュール19−1の光出力は図中の矢印Aの方向に出力され、モジュール19−1は、このA方向の光出力光軸に垂直な実装面19−2で、受光素子19−4が形成された半導体基板19−3上に直接実装されている。
尚、図12において、集積型光ピックアップ用モジュール19−1からの光出力方向(図中のA方向)には、レーザ光を光ディスクに集光するための対物レンズや、光ディスクからの反射光を受光素子19−4に導くためのホログラム素子等を含む光学系が配設されるが、これらの図示は省略している。
【0031】
以上、実施例に基づき本発明の説明を行ってきたが、上記実施例に上げた形状、その他の要素との組合わせなど、ここで示した要件に本発明が限定されるものでは決してない。これらの点に関しては、本発明の主旨をそぐわない範囲で変更することが可能であり、その応用形態に応じて適切に定めることが出来る。
また、本発明は光ピックアップに関するものであるが、その動作原理がこの応用のみにとらわれるものではなく、例えば複写機やプリンターの光源等の狭発光点間隔が必要な用途にも容易に応用が可能である。
【0032】
【発明の効果】
以上説明したように、請求項1記載の発明においては、複数の半導体レーザと、それぞれの半導体レーザに対応する複数の反射面を持つ光学素子と、上記半導体レーザと上記光学素子が実装されたモジュール基部とを含んで構成される集積型光ピックアップ用モジュールにおいて、上記半導体レーザのヘテロ接合面と上記光学素子の対応する反射面とのなす角がそれぞれ略直角となるとともに、上記光学素子は上記反射面と直交する面で上記モジュール基部に実装されている構造としたので、これにより従来よりも大幅に発光点間隔を小さくすることが可能な光ピックアップ用モジュールを実現することができる。
【0033】
また、請求項1に記載された集積型光ピックアップ用モジュールにおいて、二つの半導体レーザが対向して配置してあり、この半導体レーザ間に、それぞれの半導体レーザに対応する複数の反射面を持つ光学素子が配置され、該光学素子の反射面が、対応する半導体レーザの光軸に対してそれぞれ45度の角度で配置されるように構成することにより(請求項5)、半導体レーザや光学素子の物理的な配置からその実装精度を容易に確認することが可能となる。また、実装の精度も取り易く、より生産性を上げることが出来る。
【0034】
さらに請求項2記載の発明においては、上記と同様の構成の集積型光ピックアップ用モジュールにおいて、上記二つの半導体レーザがそれぞれサブマウントに実装された構造としているので、これによりサブマウントの厚さ調整等によって光学素子に対する半導体レーザの出力光位置を容易に調整することができ、半導体レーザの出力光を有効に利用することが可能となる。
【0035】
さらに請求項3記載の発明においては、上記と同様の構成の集積型光ピックアップ用モジュールにおいて、上記二つの半導体レーザと光学素子は、サブマウントに実装されている構造としたので、半導体レーザと光学素子の位置合わせをより高精度に行なうことができる。
また、請求項4記載の発明においては、請求項3記載の集積型光ピックアップ用モジュールにおいて、上記サブマウントは直方体の一部に平行に凹んだ面を持ついわゆるコの字型もしくはこれに類似した形状を有しており、この凹み面に該光学素子が実装されている構造としているので、これによりサブマウントの厚さ調整等によって光学素子に対する半導体レーザの出力光位置を容易に調整することができ、半導体レーザの出力光を有効に利用することが可能となる。
【0036】
さらに請求項6記載の発明においては、請求項1,2,3,4または5に記載された集積型光ピックアップ用モジュールにおいて、上記光学素子の形状が直方体または多角柱となるように構成したので、これにより光学素子を簡単に作製することが可能となり、光学素子を搭載した集積型ピックアップ用モジュール及びそれを用いた集積型光ピックアップの低コスト化を実現できる。
【0037】
さらに請求項7記載の発明においては、請求項6に記載された集積型光ピックアップ用モジュールにおいて、上記光学素子の基材が半導体材料からなる構成としたので、これにより光学素子の加工に既存の半導体プロセス技術を適用することが出来、新たな加工プロセスの開発無しに光学素子を作製することが出来る。
【0038】
さらに請求項8記載の発明においては、請求項7に記載された集積型光ピックアップ用モジュールにおいて、上記光学素子の基材が単結晶Siからなる構成としているので、これにより既存の半導体プロセス技術を用いて光学素子を簡単に作製することが可能となり、光学素子を搭載した集積型ピックアップ用モジュール及びそれを用いた集積型ピックアップの低コスト化を実現できる。
【0039】
さらに請求項9記載の発明においては、請求項8に記載された集積型光ピックアップ用モジュールにおいて、上記光学素子の反射面が単結晶Siの(110)面と(111)面からなる構成としているので、これにより直交する面を持つ光学素子を簡単に作製することが可能となり、光学素子を搭載した集積型ピックアップ用モジュール及びそれを用いた集積型ピックアップの低コスト化を実現できる。
【0040】
さらに請求項10記載の発明においては、請求項1〜9のうちの何れか一つに記載の集積型光ピックアップ用モジュールにおいて、上記二つの半導体レーザは、それぞれ異なる発振波長を持っており、上記光学素子の反射面から半導体レーザまでの距離が、発振波長あるいは光学系の色収差に応じた異なる距離に実装されている構成としているので、これによりこれまでに必要であったレンズの色消し設計を無理に行わなくてもよくなるので、光学系の設計自由度が増し、安価な光学系を採用することが可能になる。
【0041】
請求項11記載の発明においては、光源部からの光束を光記録媒体に集光して情報の記録及び/または再生を行う光ピックアップにおいて、上記光源部として、請求項1〜10のうちの何れか一つに記載された集積型光ピックアップ用モジュールを用いた構成としたので、これにより光学系の設計が容易な集積型光ピックアップを実現することが出来る。
【0042】
請求項12記載の発明においては、光源部からの光束を光記録媒体に集光して情報の記録及び/または再生を行う光ピックアップにおいて、請求項1〜10のうちの何れか一つに記載された集積型光ピックアップ用モジュールと、ホログラム素子及び受光素子(PD)を用いた構成としたので、これにより光学系の設計が容易な集積型光ピックアップを実現することが出来る。
【0043】
請求項13記載の発明においては、請求項11または12に記載された集積型光ピックアップにおいて、上記集積型光ピックアップ用モジュールは出力光軸と垂直な実装面を持ち、この実装面を受光素子が形成された半導体基板と共に同一平面上に実装した構造としているので、これによりステムの加工精度を大幅に緩和することが可能となり、ステムの低価格化が可能となる。
【0044】
さらに請求項14記載の発明においては、請求項11または12に記載された集積型光ピックアップにおいて、上記集積型光ピックアップ用モジュールは出力光軸と垂直な実装面を持ち、この実装面を受光素子が形成された半導体基板上に実装した構造としているので、これにより受光素子が形成された半導体基板の厚さがばらついたとしても、集積型光ピックアップ用モジュールと受光素子の相対的な位置関係に影響を受けることがない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る集積型光ピックアップ用モジュールの一実施例を説明するための図であり、(a)は半導体レーザのヘテロ接合面に垂直な方向から見た集積型光ピックアップ用モジュールの平面図、(b)は本モジュールの光が出力される方向から見た集積型光ピックアップ用モジュールの正面図である。
【図2】半導体レーザの放射角を説明するための図である。
【図3】請求項1の発明を説明するための図であって、半導体レーザのヘテロ接合面に対する光学素子の反射面の配置と発光点間隔の関係の説明図である。
【図4】請求項2の発明を説明するための図であって、二つの半導体レーザと二つの反射面を有する光学素子の配置の説明図である。
【図5】本発明に係る集積型光ピックアップ用モジュールの別の実施例を説明するための図であり、(a)は半導体レーザのヘテロ接合面に垂直な方向から見た集積型光ピックアップ用モジュールの平面図、(b)は本モジュールの光が出力される方向から見た集積型光ピックアップ用モジュールの正面図である。
【図6】本発明に係る集積型光ピックアップ用モジュールのさらに別の実施例を説明するための図であり、(a)は半導体レーザのヘテロ接合面に垂直な方向から見た集積型光ピックアップ用モジュールの平面図、(b)は本モジュールの光が出力される方向から見た集積型光ピックアップ用モジュールの正面図である。
【図7】本発明に係る集積型光ピックアップ用モジュールのさらに別の実施例を説明するための図であり、(a)は半導体レーザのヘテロ接合面に垂直な方向から見た集積型光ピックアップ用モジュールの平面図、(b)は本モジュールの光が出力される方向から見た集積型光ピックアップ用モジュールの正面図である。
【図8】直方体形状の光学素子の作製プロセスを説明するための工程説明図である。
【図9】本発明に係る集積型光ピックアップの一実施例を説明するための要部斜視図である。
【図10】本発明に係る集積型光ピックアップの別の実施例を説明するための要部斜視図である。
【図11】本発明に係る集積型光ピックアップのさらに別の実施例を説明するための要部斜視図である。
【図12】本発明に係る集積型光ピックアップのさらに別の実施例を説明するための要部斜視図である。
【図13】従来技術の一例を示す異波長光源モジュールの構成説明図である。
【符号の説明】
1,4−1,4−2,5−3,6−3,6−7,8−1−3,8−1−7,9−1−3,9−1−7,15−3,16−3,16−7:半導体レーザ
2:ヘテロ接合面
3,4−3,5−4,6−4,8−1−4,9−1−4,15−4,16−4:光学素子
4−4,4−5,5−5,6−5,8−1−5,9−1−5,15−5,16−5:半導体レーザからの出力光
5−1,6−1,8−1−1,9−1−1:モジュール基部
5−2,6−2,6−6,8−1−2,8−1−6,9−1−2,9−1−6,15−2,16−2:サブマウント
7−1:ベースとなるSi基板
7−2:酸化膜
7−3:(110)面のSOI層
7−4:(111)面と平行な溝
7−5:ダイシングによる溝
8−1,9−1,18−1,19−1:集積型光ピックアップ用モジュール
8−2,18−2:実装面
8−3,9−3,18−3,19−3:受光素子が形成された半導体基板
8−4,9−4,18−4,19−4:受光素子
8−5,9−2,18−5,19−2:モジュールの実装面
Claims (14)
- 複数の半導体レーザと、それぞれの半導体レーザに対応する複数の反射面を持つ光学素子と、上記半導体レーザと上記光学素子が実装されたモジュール基部とを含んで構成される集積型光ピックアップ用モジュールにおいて、
上記半導体レーザのヘテロ接合面と上記光学素子の対応する反射面とのなす角がそれぞれ略直角となるとともに、上記光学素子は上記反射面と直交する面で上記モジュール基部に実装されていることを特徴とする集積型光ピックアップ用モジュール。 - 複数の半導体レーザと、それぞれの半導体レーザに対応する複数の反射面を持つ光学素子と、上記半導体レーザが実装されたサブマウントと、上記サブマウントと上記光学素子が実装されたモジュール基部とを含んで構成される集積型光ピックアップ用モジュールにおいて、
上記半導体レーザのヘテロ接合面と上記光学素子の対応する反射面とのなす角がそれぞれ略直角となるとともに、上記光学素子は上記反射面と直交する面で上記モジュール基部に実装されていることを特徴とする集積型光ピックアップ用モジュール。 - 複数の半導体レーザと、それぞれの半導体レーザに対応する複数の反射面を持つ光学素子と、上記半導体レーザと上記光学素子が実装されたサブマウントとを含んで構成される集積型光ピックアップ用モジュールにおいて、
上記半導体レーザのヘテロ接合面と上記光学素子の対応する反射面とのなす角がそれぞれ略直角となるとともに、上記光学素子は上記反射面と直交する面で上記サブマウントに実装されていることを特徴とする集積型光ピックアップ用モジュール。 - 請求項3記載の集積型光ピックアップ用モジュールにおいて、
上記サブマウントは直方体の一部に平行に凹んだ面を持ついわゆるコの字型もしくはこれに類似した形状を有しており、この凹み面に上記光学素子が実装されていることを特徴とする集積型光ピックアップ用モジュール。 - 請求項1〜4の何れか一つに記載の集積型光ピックアップ用モジュールにおいて、
二つの半導体レーザが対向して配置してあり、この半導体レーザ間に、それぞれの半導体レーザに対応する複数の反射面を持つ光学素子が配置され、該光学素子の反射面が、対応する半導体レーザの光軸に対してそれぞれ45度の角度で配置されることを特徴とする集積型光ピックアップ用モジュール。 - 請求項1〜5の何れか一つに記載の集積型光ピックアップ用モジュールにおいて、
上記光学素子の形状が直方体または多角柱であることを特徴とする集積型光ピックアップ用モジュール。 - 請求項6記載の集積型光ピックアップ用モジュールにおいて、
上記光学素子の基材が半導体材料であることを特徴とする集積型光ピックアップ用モジュール。 - 請求項7記載の集積型光ピックアップ用モジュールにおいて、
上記光学素子の基材が単結晶Siであることを特徴とする集積型光ピックアップ用モジュール。 - 請求項8記載の集積型光ピックアップ用モジュールにおいて、
上記光学素子の反射面が単結晶Siの(110)面と(111)面からなることを特徴とする集積型光ピックアップ用モジュール。 - 請求項1〜9のうちの何れか一つに記載の集積型光ピックアップ用モジュールにおいて、
上記二つの半導体レーザは、それぞれ異なる発振波長を持っており、上記光学素子の反射面から半導体レーザまでの距離が、発振波長あるいは光学系の色収差に応じた異なる距離に実装されていることを特徴とする集積型光ピックアップ用モジュール。 - 光源部からの光束を光記録媒体に集光して情報の記録及び/または再生を行う光ピックアップにおいて、
上記光源部として、請求項1〜10のうちの何れか一つに記載された集積型光ピックアップ用モジュールを用いたことを特徴とする集積型光ピックアップ。 - 光源部からの光束を光記録媒体に集光して情報の記録及び/または再生を行う光ピックアップにおいて、
請求項1〜10のうちの何れか一つに記載された集積型光ピックアップ用モジュールと、ホログラム素子及び受光素子(PD)を用いて形成したことを特徴とする集積型光ピックアップ。 - 請求項11または12記載の集積型光ピックアップにおいて、
上記集積型光ピックアップ用モジュールは出力光軸と垂直な実装面を持ち、この実装面を受光素子が形成された半導体基板と共に同一平面上に実装したことを特徴とする集積型光ピックアップ。 - 請求項11または12記載の集積型光ピックアップにおいて、
上記集積型光ピックアップ用モジュールは出力光軸と垂直な実装面を持ち、この実装面を受光素子が形成された半導体基板上に実装したことを特徴とする集積型光ピックアップ。
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