JP3784884B2 - 試料実測式環境試験装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、被試験物が入れられる試験室内に送る空気温度を制御できる環境試験装置に関し、特に半導体デバイスのバーンイン試験に好都合に利用される。
【0002】
【従来の技術】
恒温槽等の環境試験装置では、通常、槽内の空気吹出口等の適当な位置に温度センサを設け、その検出値が目的とする試験温度になるようにヒータの出力を制御するようにしている。しかしながら、このような制御方法では、測定点の温度と試験される試料位置の温度との差、試料の近傍の環境温度と試料自体の温度との差等が発生するため、本来制御すべき試料自体の温度条件を精度良く制御することができなかった。又、例えば半導体デバイスのバーンイン試験のように、試料を動作させつつ環境試験するときには、試料が発熱によって温度上昇する場合がある。このような試験では、槽内温度を制御しても、試料自体の温度との差が大きくなり、試料自体の温度管理は特に難しかった。
【0003】
このような問題を解決すべく、試験する半導体にこれと同じトランジスタを実測用センサとして取り付け、その測定電圧から試験する半導体の動作時の温度上昇を計算し、これに半導体の置かれている環境温度を加えて、本来管理されるべきジャンクション温度を算出し、これを制御対象とする発明が提案されている(特開昭63−115074号公報参照)。しかしながら、このような試験は半導体の製造中のスクリーニングのために行われるものであるから、試料の中には不良品が混在していて、実測した温度が異常値を示したり、センサが故障する等により、制御が暴走して槽内を安全な温度に制御できない場合がある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は従来技術に於ける上記問題を解決し、被試験物に目的とする温度条件を精度良く与えられると共に、被試験物やセンサに異常が発生しても温度制御の安全性を確保できる環境試験装置を提供することを課題とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明は上記課題を解決するために、請求項1の発明は、多数の半導体デバイスからなる被試験物が入れられる試験室内に送る空気温度を制御できバーンイン試験に用いられる環境試験装置において、
前記被試験物の温度を検出する温度検出手段を構成する前記半導体デバイスの中の特定のものと電圧検出手段とであって前記特定のものの順方向の電圧を検出できる端子に接続され前記特定のものに微小定電流が流されたときに前記順方向の電圧を測定する電圧検出手段と、前記測定された前記順方向の電圧を受信して該電圧と前記被試験物の検出温度との関係から前記電圧を前記検出温度に換算して該検出温度を該検出温度が正常であると想定されるときの想定温度と比較する比較部と、前記検出温度と前記想定温度との相違が所定量より大きくなると、前記検出温度を制御部に送りそれによって該制御部でされる前記検出温度による制御から、安全制御部を使用する制御に切り換える切換部と、該切換部から送られた前記検出温度が所定値になるように前記空気温度を制御する前記制御部と、前記切換部で切り換えられて前記被試験物にとって安全な温度環境になるように前記空気温度を制御する前記安全制御部と、前記バーンイン試験の前にされる予備運転のための予備運転制御手段と、を有し、該予備運転制御手段は、前記試験室内を順次異なった複数の設定温度になるように制御し、それぞれの設定温度になると前記半導体デバイスの中の前記特定のものに前記微小定電流が流されたときに前記電圧検出手段で前記順方向の電圧を検出し、検出した電圧と前記試験室内の温度との対応を前記関係として前記比較部に入力させるように制御する、ことを特徴とする。
【0006】
請求項2の発明は、上記に加えて、前記安全制御部は、前記空気温度を検出する空気温度検出手段と、該空気温度検出手段で検出した温度が所定温度になるように制御する空気温度制御部とを有することを特徴とする。
【0009】
【発明の実施の形態】
図1は本発明を適用した環境試験装置の一例である恒温槽の全体構成を示す。恒温槽は、断熱壁1で囲われていて、内部には、モータ2aで回転される送風機2、加熱器3、空気ダクトを形成するように設けられた多孔板4、試験室5等が配設されている。試験室5内には、被試験物としての半導体デバイス(以下「IC」という)6が装着された多数のソケット7を取り付けたバーンインボード8が、図示しない支持枠等に多段又は多段且つ多列に積載される。このような恒温槽は、ICのバーンイン試験に用いられる。
【0010】
恒温槽の温度制御系としては、温度検出手段を構成するジャンクション温度検出用(センサ用)IC61〜65、これらを装着したセンサ用ICソケット7(71〜75)、これに接続されたプリント配線61a〜65a、及びこれらが接続された電圧検出手段でもあるジャンクション電圧降下測定ボード91等、該測定ボード91で検出した検出温度であるジャンクション温度が所定値になるように制御する制御部21、被試験物であるICにとって安全な温度環境になるように温度制御できる安全制御部22、検出したジャンクション温度をこれが正常であると想定されるときの想定温度と比較する比較部としての比較計算部23、検出温度と想定温度との相違が所定量より大きくなると制御部21による制御から安全制御部22を使用する制御に切り換える切換部24等を備えている。符号25は、ジャンクション温度及び槽内への空気の吹出口温度の制御目標値を設定する設定部である。制御部21、安全制御部22、比較計算部23、切換部24等は、制御装置20内において例えばマイコン等で一体的に形成される。
【0011】
ジャンクション温度検出用IC61〜65は、他のIC6と同じものであるが、試験時には使用されない余分の端子であって順方向の電圧であるジャンクション電圧降下(Vf)を検出できる端子がジャンクション電圧降下測定ボード部91に接続される。このようなIC61〜65は、ICの中の特定のものとして、本例では、バーンインボード8のうちの適当な段ものとして図示のバーンインボード81の四隅部及び中央部に配置されている。但し、ジャンクション温度検出用ICは1つだけであってもよく、又は、他の段や列を含めて更に多くの個数あってもよい。
【0012】
ジャンクション電圧降下測定ボード91は、恒温槽の外部に設置されるドライバー/テストボード9の一部分に形成されていて、ジャンクション温度検出用IC61〜65とは、ICソケット71〜75、プリント配線61a〜65a、並びにエッジコネクタ及び中継ボード部10を介して接続される。そして、それぞれのICに微小定電流が流されたときのジャンクション電圧降下Vfを測定することができる。このVfは、ジャンクション温度Tjとほぼ直線的な関係になり、同じICに対しては同じ特性となる。生産され試験される特定のICのVfとTjとの関係を、例えば後述するような方法で予め求めておく。この関係は、曲線や数表、数式等として表される。
【0013】
比較計算部23は、上記の曲線又は数式等を予め入力するための入力部分を備えていて、測定ボード91で測定したICの試験時におけるジャンクション電圧降下の実測値Vfpを受信し、これを上記の曲線等によってジャンクション温度実測値Tjpに換算する。そして、ジャンクション温度が正常であると想定されるときの想定温度として例えば温度設定器25で設定されているジャンクション温度設定値Tjsを設定器25から入力し、TjpとTjsとを比較する。なお、設定器25内でTjsをVfに置換し、比較計算部23ではVfの設定値Vfsと実測値Vfpとを比較するようにしてもよい。
【0014】
Tjpの正常値はICの種類によって異なるが、例えば200°C程度である。この比較の結果、その差が例えば50°C程度以上という大きな値になっていれば、ジャンクション温度の制御状態における正常な変動範囲を明らかに超えているため、そのセンサ用ICは不良であると判断し、これを温度制御に用いる実測値から除外する。なお、差(上記では50°C)に代えて、例えば30%というような比率を用いてもよい。
【0015】
次に、本例では実測値Tjpが複数個(5つ)あるので、その中で正常範囲にあるものから、単純平均値、最大値及び最小値を除いた平均値、中央値、標準偏差値等の何れかを求め、これを出力値とする。正常範囲のTjpがなかったようなときには、異常信号を発信する。Tjの測定個所が一か所のみである場合には、当然このような計算は行われない。
【0016】
切換部24は、比較計算部23の出力を受信し、それが正常範囲のTjpの平均値等であれば、これを制御部21に送るが、異常信号のときには、これを安全制御部22に送り、制御部21による制御から安全制御部22を使用する制御に切り換える。Tjの測定値が1つだけの場合には、その値又は異常信号を発信することになる。
【0017】
制御部21は、Tjpの平均値等を受信すると、通常の温度制御と同様に、これが設定器25で設定した設定値Tjsになるように、それらの値の偏差や実測値の変化率等から、加熱器3の出力を制御する制御値を発信する。これにより、試験室に送られる空気温度が制御される。
【0018】
ICのジャンクション温度は、ICを試験するときの通電時におけるICの消費電力、それによる発生熱量、IC自体の温度と周囲温度との温度差に伴う放熱量、ICの周囲と恒温槽の吹出口との温度差等の諸条件によって定まるので、これらの関係からジャンクション温度と吹出口空気温度との関係を推定し、吹出口空気温度を設定値にして制御することによっても間接的に制御され得るが、このような制御では、精度良くジャンクション温度を制御することができない。本発明の制御によれば、試験対象のICそのものを使用してIC自体の温度を検出し、加熱器の出力制御を介して、ジャンクション温度が決定される条件である吹出口空気温度を制御するので、本来管理されるべきジャンクション温度を精度良く設定値に維持することができる。又、試験する試料毎にジャンクション温度センサを着脱する必要がないので、試験時に余分な操作や時間がかからない。
【0019】
安全制御部22は、切換部24から異常信号を受信すると、温度センサ10の実測値Tpを入力し、これが同じく入力される設定器25で設定された設定値Tsになるように加熱器3の出力を制御する。このTsは、上記のような関係から、ICが不良品でないときにジャンクション温度が目的とする試験温度になるような値であり、正常にジャンクション温度制御が行われているときの吹出口温度に相当する。例えば吹出口温度が100°Cのときにジャンクション温度が200°Cになっていれば、Tsは100°Cになる。
【0020】
温度センサ10は、被試験物と同じICを用いたセンサ用ICとは異なり、不良品である可能性はなく、又自己発熱もしないので、その検出値が異常になることは殆どない。従って、ジャンクション温度の検出値が異常である場合に、温度センサ10を用いた制御に切り換えれば、ジャンクション温度を精度よく制御することまではできないにしても、槽内温度をほぼ適正値に制御することができ、ICにとって安全な環境温度を維持することは可能になる。その結果、試験されるICの安全性が確保され、且つ試験を中断する必要もなくなる。但し、安全制御部22は、このように槽内を設定温度に制御する代わりに、現状の温度に保持する制御、槽内温度を漸次常温まで下げる制御等を行うものであってもよい。
【0021】
図2は、ICのジャンクション電圧降下Vfとジャンクション温度Tjとの関係を求める方法の一例として、図1に示す恒温槽及びその制御装置の一部分を用いて、実際のバーンイン試験に先立って行う予備運転の工程をフローチャートで示す。
【0022】
予備運転準備(Sー1)は、バーンイン本試験を行うときと同じであり、図1に示すように試験するIC6をICソケット7に装着したバーンインボード8を恒温槽内に多段又は多段且つ多列に搭載し、図示しない電源を入れる等により機器類や制御装置を動作可能な状態にする。バーンインボード8には、センサ用IC61〜65を装着したバーンインボード8(81)が含まれている。
【0023】
キャリブレーション温度設定(Sー2)では、温度設定部25によって常温からICの動作時に相当する吹出口又は吸込口温度を段階的に順次設定する。ICの動作時の温度が200°Cであれば、例えば常温から200°Cまでを等間隔に5段階程度の温度に設定する。
【0024】
温度制御(Sー3)では、恒温槽を運転して、センサ10で測定した吹出口又は吸込口温度が前記設定温度になるように安全制御部22でヒータ3の温度を制御する。ジャンクション温度測定(Sー4)では、センサ用IC61〜65に微小電流を流してジャンクション電圧降下測定ボード91でVfを測定する。
【0025】
ジャンクション温度安定判断(Sー5)では、槽内温度が安定した後、ICのジャンクション部分の温度が槽内温度とほぼ同じ温度になって安定したかどうかを判断する。この判断は、例えばVfの変化率が一定範囲内に収束した事をもって行われる。
【0026】
ジャンクション電圧降下記憶(Sー6)では、ジャンクション温度安定判断(Sー5)後にVfを測定し、このデータ及びこのときの温度設定部の設定温度を対応させて比較計算部23に記憶させる。なお、この予備運転ではICを作動させるための電圧は印加されない。その結果、ICに微小定電流を流しても、これによってICが発熱することはないので、設定した槽内温度がジャンクション温度とほぼ同じ温度になる。
【0027】
終了判断(Sー7)は、1つの温度設定に対して以上の(Sー1)から(Sー6)までの工程が実行される毎に行われ、例えば前記の如く設定温度を5段階にするときには、このような工程が5回繰り返されると終了判断が出され、予備運転が終了する。比較計算部23には、常温から200°Cまでの5段階の設定温度従ってジャンクション温度と、それぞれに対応して測定されたVfとが記憶される。
【0028】
以上のような予備運転は、人の操作を介在させて行われてもよいし、タイマやカウンタの使用、センサ値や制御信号のやり取り、必要データの事前の入力等により、当初のキャリブレーション温度設定を含めて全て自動的に行われるようにしてもよい。このような予備運転は1種類のICについては一度だけ行えばよく、以後のICの装着されたバーンインボードを交換して繰り返し行われるバーンイン試験では、最初に行った予備運転で記憶されたデータが使用される。
【0029】
図3は、制御装置20に予備運転を自動的に行える予備運転制御部26を設けた場合の制御部分の構成例を示す。
予備運転制御部26は、設定器25に順次異なった設定温度を与えるTs付与部分26a、切換部24に安全制御部22を用いる制御に切り換えるように指示する指示部分26b、ジャンクション電圧測定ボード91の測定したVfを入力してその変化率を演算し、これが一定範囲内に収束するとそのときのVfを比較計算部23に与えるVf付与部分26c、及び、センサ10による検出温度を入力してこれを比較計算部23に与えるTp付与部分26dを備えている。
【0030】
この制御部26によれば、図2に示す予備運転フローを自動的に行うことができる。即ち、Ts付与部分26aで例えば5段階の温度を設定すると(Sー2)、26aが1番目の温度を設定器25に与えると共に、指示部分26bがTsとTpとを用いた安全制御部22による制御を行うように切換部24に指示を出し、安全制御部22が温度制御を行ない(Sー3)、Vf測定ボード91がVfを測定し(Sー4)、その値をVf付与部分26cが入力してその変化率を計算し、これが一定範囲内に収束したかどうかによりジャンクション温度が安定したかどうかを判断し(Sー5)、安定するとそのVfを比較計算部23に与えてこれを記憶させ、これに対応した温度としてTp付与部分26dがそのときのTpを比較計算部23に与える。これにより、1番目のキャリブレーションが終了し、Tp付与部分26dがTs付与部分26aに終了信号を送り、26aは2番目の温度を設定器25に送り、以下同様の測定が行われ、5段階の温度についてVfと予備運転ではジャンクション温度に相当するTpとの対応が測定される。
【0031】
なお、温度安定時にはTpはTsとほぼ同じ値になるから、Tp付与部分26dを設けず、Ts付与部分26a又は設定部25により、Vfに対応したジャンクション温度としてTsを比較計算部23に送るようにしてもよい。
【0032】
バーンイン本試験は次のように行われる。
予備運転のときと同様に、センサ用IC61〜65を装着したバーンインボード8(81)を含むバーンインボードが装着される。設定器25では、ジャンクション温度Tjsとして例えば200°Cが設定される。センサ用IC61〜65を含む全てのIC6には例えば5V程度の動作用の電圧が印加されると共に、センサ用IC61〜65には例えば10μA程度の微小定電流が流され、ジャンクション電圧Vfの検出が可能な状態にされる。そして、図示しないバーンイン試験のスタートボタンが押されると、機器類や制御装置が作動して、バーンイン試験が開始される。
【0033】
それぞれのセンサ用IC61〜65では、ボード91を介してそれぞれのジャンクション電圧降下Vfpが検出され、これが比較計算部23に送られる。比較計算部23では、予備運転等で記憶されているVfとTjとの関係から、前記Vfpがジャンクション温度実測値Tjpに換算され、更に、それぞれのTjpが設定温度Tjs(前例では200°C)と比較される。この場合、上記のように段階的に測定された予備運転データを用いるときには、各段階の中間は、比例部分の計算で算出されてもよいし、予め直線等で補完した曲線を作成しておき、これを読み取らせるようにしてもよい。
【0034】
ICが動作状態にされ、その電力消費によって温度上昇すると、これが不良品でなく正常に動作しているときには、環境温度プラス温度上昇によってTjpが200°C程度になる。従って、検出したTjpのうち例えば150°C〜230°C程度の範囲を超えるものがあれば、不良品と見做してこれを除外し、他の検出値の平均値を切換部24に送る。全てのTjpが上記範囲にない場合には、切換部24に異常信号を送る。なお、スタート直後には恒温槽内が低温であるためTjpが異常に低くなるので、スタートから一定時間までは吹出口温度による制御を用いたり、切換部24に送る異常信号を留保する等の適当な措置がとられる。
【0035】
切換部24が正常範囲のTjpの平均値を受信すると、この信号が制御部21に送られる。制御部21は、Tjpの平均値等を受信すると、これが設定器25で設定した設定値Tjsになるように、両者の値の偏差に対応した出力を加熱器3に与え、加熱器3の加熱量を制御することによって試験室に送られる空気温度が制御し、その結果、発熱によって更に上昇するジャンクション温度が設定値になるように制御する。このような制御によれば、吹出口とは異なった温度になるジャンクション温度を精度良く且つ簡単に検出し、精度良く制御することができる。
【0036】
切換部24が異常信号を受信すると、この信号が安全制御部22に送られる。これにより、安全制御部22は、温度センサ10の実測値Tpを入力し、これが設定器25で設定された設定値Tsとして例えば100°Cになるように加熱器3の出力を制御する。この制御により、試験されるIC6がセンサ用のIC61〜65のように不良品でない場合には、それらのジャンクション温度は200°C程度になり、ICの安全性が確保されると共に、一応ICの試験の続行も可能になる。
【0037】
所定時間ICのジャンクション温度を目的とする温度に曝して、試験されるICのデータを測定し、良品/不良品のスクリーニングができると、バーンイン試験は終了する。このように本発明の恒温槽によれば、安全に精度良く、且つ試験を中断することなく自動的にバーンイン試験を完了させることができる。
なお以上では、環境試験装置が恒温槽である場合について説明したが、本発明は、温度制御に加えて湿度制御機能を備えたような他の環境試験装置にも適用できるものである。
【0038】
【発明の効果】
以上の如く本発明によれば、請求項1の発明においては、被試験物の温度を温度検出手段で検出して制御部でこの温度が目的とする所定値になるように制御するので、被試験物自体の温度を直接検出して精度良く制御することができる。しかし、環境試験装置が発熱する被試験物を対象とし、このような被試験物が不良品等で発熱が異常であったり、温度検出手段が故障することもあり、このような場合にも常に被試験物温度の検出による制御を行うと、制御が暴走することになる。このため、請求項1の発明では更に、安全制御部と比較部と切換部とを設け、検出温度を正常時の温度と比較し、異常な温度である場合には、切換部によって制御部による制御から安全制御部による制御に切り換えるので、制御の暴走が防止され、装置や被試験物の安全性が確保される。
【0039】
又、被試験物が多数の半導体デバイスである場合に、温度検出手段として、半導体デバイスの中の特定のものを定め、その順方向の電圧を検出できる端子に接続された電圧検出手段を設けるので、半導体デバイスのジャンクション温度と順方向電圧との一定の関係を利用して、本来管理されるべきジャンクション温度を、直接的に容易且つ正確に検出することができる。
【0040】
又、予備運転制御手段を設けるので、前記順方向の電圧と半導体デバイスのジャンクション温度との対応を求めるキャリブレーションのための予備運転を自動的に行うことができる。その結果、時間がかかり測定項目や判断事項もある煩雑な運転を人が行う必要がなくなり、省力化が図られると共に、キャリブレーション精度を向上させることができる。
【0041】
請求項2の発明においては、安全制御部を空気温度制御部とし、試験室内に送る空気温度を検出してこの温度が所定温度になるように制御するので、上記特定の検出用半導体デバイスが不良品等である場合にも、その温度検出による制御から吹出口温度制御に切り換えることにより、バーンイン試験を完了させることができ、試験の能率を低下させることがない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用した環境試験装置の一例である恒温槽の全体構成を示す説明図である。
【図2】上記恒温槽でセンサ用ICのキャリブレーションを行うための予備運転の工程を示すフローチャートである。
【図3】予備運転制御部に関連する部分の構成例を示すブロック図である。
【符号の説明】
5 試験室
6 半導体デバイス(被試験物)
10 温度センサ(空気温度検出手段)
21 制御部
22 安全制御部
23 比較計算部(比較部)
24 切換部
26 予備運転制御部(予備運転制御手段)
61〜65 ジャンクション温度検出用(センサ用)IC(温度検出手段)
71〜75 センサ用ICソケット(温度検出手段)
91 ジャンクション電圧降下測定ボード(温度検出手段)
Claims (2)
- 多数の半導体デバイスからなる被試験物が入れられる試験室内に送る空気温度を制御できバーンイン試験に用いられる環境試験装置において、
前記被試験物の温度を検出する温度検出手段を構成する前記半導体デバイスの中の特定のものと電圧検出手段とであって前記特定のものの順方向の電圧を検出できる端子に接続され前記特定のものに微小定電流が流されたときに前記順方向の電圧を測定する電圧検出手段と、前記測定された前記順方向の電圧を受信して該電圧と前記被試験物の検出温度との関係から前記電圧を前記検出温度に換算して該検出温度を該検出温度が正常であると想定されるときの想定温度と比較する比較部と、前記検出温度と前記想定温度との相違が所定量より大きくなると、前記検出温度を制御部に送りそれによって該制御部でされる前記検出温度による制御から、安全制御部を使用する制御に切り換える切換部と、該切換部から送られた前記検出温度が所定値になるように前記空気温度を制御する前記制御部と、前記切換部で切り換えられて前記被試験物にとって安全な温度環境になるように前記空気温度を制御する前記安全制御部と、前記バーンイン試験の前にされる予備運転のための予備運転制御手段と、を有し、該予備運転制御手段は、前記試験室内を順次異なった複数の設定温度になるように制御し、それぞれの設定温度になると前記半導体デバイスの中の前記特定のものに前記微小定電流が流されたときに前記電圧検出手段で前記順方向の電圧を検出し、検出した電圧と前記試験室内の温度との対応を前記関係として前記比較部に入力させるように制御する、ことを特徴とする環境試験装置。 - 前記安全制御部は、前記空気温度を検出する空気温度検出手段と、該空気温度検出手段で検出した温度が所定温度になるように制御する空気温度制御部とを有することを特徴とする請求項1に記載の環境試験装置。
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