JP3785359B2 - 納豆用紙コップ容器 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、納豆用容器、特に紙を主材とする紙コップ状の納豆用容器に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から、1食分の使い捨て納豆用容器として、使用後の処理が環境に優しい、及び容器内で納豆を攪拌するのに箸が容器を突き刺す恐れがなく使い勝手がよい等の利点から、紙を主材とする紙コップ容器が広く使用されてきており、種々の紙コップ容器からなる納豆用容器が提案されている(例えば、実開昭63−141196号公報、実開平2−87717号公報)。前記提案されている納豆用紙コップ容器のうち、実開昭63−141196号公報のものは、紙コップの底板に凹凸を形成することによって、容器内の通気性を高め、底板近傍における納豆の醗酵を良好にし得るようにしたものであった。また、実開平2−87717号公報のものは、胴部の内表面に凹凸を有する高分子フィルムを接合して設け、内部に充填されている納豆と空気の接触を良好ならしめるようにしたものであった。そして、それらの容器の胴部外側面は、印刷特性を確保するために平滑面とする必要があり、何れも外側面には凹凸は設けられていない。
【0003】
前記提案されている前者のものは、底部には凹凸があるが胴部には凹凸がないため、底部への空気流入が十分でない場合があり、また、後者のものは、紙を基材とする紙コップ本体の内表面にさらに、凹凸を有する高分子フィルムを接合したものであるので、容器の製造工程が複雑でコスト高になる欠点があった。
【0004】
一方、納豆は掻き混ぜるほど良いとされ、食事に際して容器を把持して容器内で納豆を掻き混ぜているが、紙コップ容器は、胴部外表面が平坦面であるため掻き混ぜ時の容器把持特性(持ち易さ、滑りにくさ、手触りの良さ)に欠ける。納豆は容器に充填後醗酵により遊離アミノ酸量が増大することが確認されているが、本発明者の実験によれば、従来の納豆用紙コップ容器では、容器の底部、中部、上部位置で納豆の遊離アミノ酸量に差があり、また官能評価においても、酸欠時に見られる酸っぱい香りが特に底部近傍位置に存する納豆に見られ、納豆全体を均一に醗酵するための通気が十分でないと推測される。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
上記問題点を解決する手段として、胴部に凹凸加工を施すことによって、掻き混ぜ時の容器把持特性と、納豆への通気性を改善することが考えられる。しかしながら、紙コップ容器の製造における胴部の凹凸加工は、あらかじめ必要な印刷が施された胴部ブランクになされるので、印刷後に凹凸加工を施すと印刷面が不鮮明になり、容器包装リサイクル法で定められる識別マーク等の法律で定められた表示事項やバーコード等が凹凸面に印刷されると、その製品に関する重要な情報が判読しにくくなるという問題点がある。さらに、胴部全面に凹凸があるとデザインが画一的となりやすく、デザインの多様性を持たせるのが困難であるという問題点があった。
【0006】
本発明は、上記実情に鑑み創案されたもので、納豆掻き混ぜ時の容器把持性に優れて攪拌効果を増大させ、しかも胴部に凹凸を有しながら容器外表面に細かい文字等も鮮明に印刷できる印刷特性を確保することができ、デザインの多様化が可能で、且つ容器に充填されている納豆の遊離アミノ酸量が均一化され、全体の遊離アミノ酸量を高めることができ、しかも、安価に製造することができる納豆用紙コップ容器を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記問題点を解決する本発明の納豆用紙コップ容器は、紙を基材とする胴部ブランク及び底部ブランクを組立て成形した胴部及び底部を有する納豆用紙コップ容器であって、前記胴部は、外周面が平坦となっている平坦域と、点状の凹凸加工が付されている凹凸加工域とからなり、前記凹凸加工域が前記底部から胴部高さの30〜80%までの範囲を含むことを特徴とするものである。前記胴部の凹凸は、納豆の攪拌効果と通気性を高めるためには、納豆の充填位置の高さを少し超えた位置まで施すことが望ましく、紙コップ容器への納豆の充填量は、通常底部から胴部高さのほぼ25〜60%の範囲までであるので、凹凸加工域は底部から胴部高さの30〜80%までの範囲であれば、上記目的は達成できるが、より望ましくは35%〜75%である。そして、その上部を平坦な面とすることによって、該平坦な面を印刷域として利用することができ、細かな文字情報も鮮明に表示することができ、商品価値を高めることができる。
【0008】
前記凹凸の形状は、特に限定されないが、胴部に形成する凹凸は、底部への空気流入を促す連続通気路が形成されるように、胴部内壁に沿って上部から下方に空気が流通し易いような形状及び配置が望ましい。この要求を満たす凹凸の具体的形状としては、円形、矩形あるいは角錐台形等の点状が好適に採用できる。前記点状の凹凸の大きさは、直径が0.3〜20 mm であることが望ましい。また、前記点状の凹凸は、凹凸が交互で且つ連続するように設けてもよく、凹凸が互いに隙間を有するように配置してもよい。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を図面に基づき詳細に説明する。
図1は、本発明に係る納豆用紙コップ容器の一実施形態を納豆が充填包装されている状態で示している。本実施形態に係る納豆用紙コップ容器1は、紙を基材とし内面にポリエチレンフィルム等の合成樹脂フィルムをラミネートしたブランクから形成され、通常の紙コップと同様に胴部2および底部3とから構成されている。納豆が充填されて接触する胴部および又は底部には、容器のヘッドスペース部から底部まで胴部内周面に沿って連続の空気流通路を形成し、且つ表面積を増大させて納豆掻き混ぜ時に、納豆のネバネバが容器壁にくっつき易くし、掻き混ぜ時の糸引きがより早く促進されるように、凹凸が施されている。該胴部2の凹凸5は、少なくとも納豆が充填されている高さ位置まで設ければ良いが、攪拌することによって増量するので、攪拌効果をより高めるためには充填高さ位置よりも若干高い位置まで設ける。本実施形態では、胴部2は、底部3上方から納豆が充填される高さ位置より若干高い位置(約65%の高さ位置)まで凹凸5を設けて凹凸加工域6とし、その上方から開口カール部までを平坦域7とした。容器への納豆の充填量は、通常底部から胴部高さのほぼ25〜60%の高さ位置まで充填されるので、凹凸はその範囲に施せばよいが、攪拌時の把持のしやすさ、及び納豆の増量を考慮して30〜80%であればほぼ十分である。一方、凹凸加工域の上部に十分な印刷域を確保して表示効果を高めるためには、平坦域7が胴部高さの25%程度あるのが望ましいので、前記凹凸加工域6は35〜75%の高さ位置まで設けるのがより望ましい。
【0010】
このように、容器胴部に凹凸加工域6と平坦域7を設けることによって、平坦域7を印刷域として利用することができ、胴部に凹凸が施されている容器であっても、細かな文字でも鮮明な印刷ができ、商品価値を高めることができる。また、胴部が下方の凹凸加工域6と上方の平坦域7との組み合わせからなることによって、デザイン的にも変化に富み美的効果を高めることができると共に、納豆攪拌時に手で把持する部分が凹凸加工されているので、滑ることがなく、把持特性に優れ、納豆が攪拌し易くなるという効果もあり、従来の納豆用容器の欠点を解消することができる。
【0011】
そして、胴部および又は底部に形成する凹凸は、充填状態で底部近傍の納豆にも均一に且つ十分に酸素を供給して、納豆の均一な醗酵を促進して、遊離アミノ酸量の均一化と納豆全体の遊離アミノ酸量の向上を図る機能をするものであり、これらの機能を効果的に果たすように、次のような配置にした。即ち、胴部2の凹凸5は、本実施形態では、図2に胴部ブランク11で示すように、半球形状の内側に凸と外側に凸の点状凹凸を胴の高さ方向には、凹凸が交互で且つ連続するように設け、胴の周方向にはほぼ定間隔に規則正しく配置され、底部への通気性を図った。該凹凸の大きさは、直径が0.3〜20mmの範囲が望ましく、また、凹凸間の間隔は0〜30mmの範囲が望ましい。また、底部3の凹凸8は、図3の底部ブランク12で示すように、半径が0.3〜20mmの半球状となる凹凸を形成した。
【0012】
納豆が充填されている位置の胴部および底部にそれぞれ独立した凹凸を設けることによって、凹凸間が連続的な空気流通路となり、ヘッドスペースから胴部内壁に沿って空気の流入を促し、納豆全体に醗酵に必要な空気を供給することができる。納豆用容器では、充填状態で納豆菌による納豆の醗酵を妨げないように、通常蓋24に空気導入用の微小穴を設け、ヘッドスペースに空気が流通するようにしてある。そして、ヘッドスペース内の空気は、主に納豆の上部に被せられる被覆フィルム9と胴壁との隙間10から胴壁に沿って進入し納豆等内に拡散しているが、納豆充填後の納豆の自重および充填後に被覆フィルム9を納豆上面に被せるに際して、軽く上方から押圧することにより、納豆が密になり従来の納豆用容器では底部まで均一に空気が達しない場合があり、底部は酸素不足になり易かった。しかしながら、本実施形態の納豆用紙コップ容器によれば、上記のように胴部及び゛又は底部に凹凸を設けてあるので、凹凸間の隙間を通って上部からの空気が底部まで達し易く底部の酸素供給が改善され、遊離アミノ酸が通常よりも均一に生成され、且つ底部の遊離アミノ酸量が向上し、納豆全体のアミノ酸量が増大し、高品質の納豆を得ることができる。
【0013】
しかも、凹凸を設けることによって容器表面積が増大し、それだけ納豆表面のネバネバも多く胴部壁および底部壁にくっつき易くなり、納豆を攪拌するときの胴部および底部との初期の攪拌抵抗が大きく、攪拌による糸ひきが急速に増大し、攪拌回数を少なくして美味しい納豆を得ることができる。また、納豆を特にコップ型の容器内で攪拌するとき、攪拌回数を数えなくても、攪拌時の音や手に伝わる振動で納豆の粘りや糸引きの状態を感知して自分の趣向にあった納豆を得ることができるが、胴部壁に凹凸を設けることによって、その効果が一層増大する。なお、図1において、20、21はからし、醤油等の納豆の添付調味料包装物である。
【0014】
凹凸の形状は、上記実施形態のものに限らず、種々の形態のものが採用できる。図4は、本発明の他の実施形態に係る納豆用紙コップ容器1の断面を示し、前記実施形態と同様な個所には同じ符号を付し、相違点のみについて説明する。
本実施形態では、胴部及び底部に設ける凹凸14、15は、内側に凸の半球状に形成されている。そして、これらの凹凸14、15は図5に示す胴部ブランク16及び図6に示す底部ブランク17に示すように互いに間隙を有するようにほぼ等間隔に配置されている。
【0015】
しかしながら、凹凸の形状はこれらに限らず、例えば台形状・矩形状の凹凸等、その技術的思想の範囲内で種々のものが採用できる。また、その大きさも胴部全体に均一の大きさにしなくても、例えば胴部の凹凸を空気の流通を多く必要とする底部に近づくにつれて高くなるように形成したり、あるいは胴部の上方になるにつれて凹凸の密度を小さくする等変化を持たせることも可能である。また、凹凸を縦筋状にすることによって、縦筋状凹凸がより良好に通気溝の役割を果たし、底部への空気流入の効果が高いものが得られる。
【0016】
【実施例】
胴部に、底部から2cm(40%)の高さまで、高さ0.5〜1.0mmの縦筋状で半球状の凹凸を有する、口径71mm、高さ50mmの納豆用紙コップ容器を作製し、該容器に蒸煮後納豆菌希釈液を噴霧した大豆35gを充填し、被膜を掛け、その上に添付品を投入してトップフィルムでシールを行った。それを醗酵用コンテナに収納し、室温42℃、湿度90%に設定した醗酵室で17時間保持して醗酵させ、終了後5℃の冷蔵庫で24時間保持して熟成させた。このようにして得られた納豆を、官能評価及び遊離アミノ酸分析を行った。官能評価方法は、納豆評価員5名で、納豆菌膜の張り、糸の強さ、香り、味、豆の硬さについて評価した。評価は、表2に示す5段階評価法で行った。その結果を表1に示す。また、遊離アミノ酸分析は、納豆を攪拌せずに容器から取り出し、容器底部に接触している粒を採集し、それを底部分析サンプルとした。また、底部分析サンプルを採集した後の残りの納豆を容器に戻し、軽く均一に混ぜ、ここから底部分析サンプルと同重量の納豆を採集して中上部分析サンプルとした。得られたそれぞれの分析サンプルから遊離アミノ酸を抽出し、アミノ酸分析計で分析した。その結果を表3および表4に示す。
【0017】
また、比較例として、胴部の特定範囲まで凹凸加工を施していない以外は、実施例と同様な条件の納豆用紙コップ容器を作製し、それに実施例と全く同様な条件で大豆を充填し、且つ醗酵・熟成させて比較例の納豆を得た。得られた比較例の納豆を実施例の場合と同様な方法で官能評価と遊離アミノ酸分析を行った。その結果を前記実施例と対比して表1、表3、表4に示す。
【0018】
以上の結果、官能評価では、表1から明らかなように、胴部の特定位置まで凹凸を設けた本発明の納豆用容器を用いた実施例では、糸の強さ、香り、及び味が比較例よりも優れていることが確認された。そして、香りは、比較例の方がやや酸っぱい香りがした。これは、酸素欠乏時に見られる現象であるので、比較例の場合は底部への空気流入が不足していると判断される。これに対し、実施例の場合は香りが改善されている。これは、容器胴部に図示のような凹凸を設けることにより、凹凸が通気溝の役割を果たし、底部への空気流入を促したためと考えられる。
【0019】
【表1】
【表2】
【0020】
【表3】
【表4】
【0021】
また、遊離アミノ酸分析結果では、表3に示すように、凹凸のない比較例の場合は、底部は中上部に対して遊離アミノ酸量が13%以上も少ないのに対し、胴部の特定位置まで凹凸を設けた本発明の納豆用容器を用いた実施例では、底部、中上部の遊離アミノ酸量は殆ど差がなかった。これは、容器胴部に図示のような凹凸を設けることにより、凹凸が通気溝の役割を果たし、底部への空気流入を促したためと考えられる。そして、納豆全体の遊離アミノ酸量は表4に示すように、実施例での場合は、比較例に対して約1.3倍に向上している。それは実施例の場合、底部の遊離アミノ酸量が向上することにより、全体の遊離アミノ酸量が向上したと考えられる。
【0022】
また、上記実施例のものと比較例のものについて、100人に使用させて納豆容器としての容器使用特性(持ち易さ、手触り感の良さ、心地良さ、掻き混ぜ易さ)について、その評価を行った。その結果を表5に示す。表5の結果から明らかなように、本実施例のものが、全ての調査項目にわたって比較例のものより優れていると評価された。なお、評価は、5:良い、4:やや良い、3:どちらでもない、2:やや悪い、1:悪いの5段階評価とし、その平均値を示している。
【0023】
【表5】
以上の結果より、本発明の納豆用紙コップ容器が納豆用容器として従来のものより優れ、上記目的を達成することができるのが確認された。
【0024】
【発明の効果】
以上のように、本発明によれば、容器胴部に凹凸加工域と平坦域を設けることによって、凹凸加工域が通気路形成の役割を果たして、底部への空気流入を促し、底部の酸素供給が改善され納豆の遊離アミノ酸量の増加と均一化を促進し、且つ攪拌時の容器把持性の向上と、攪拌効果を高め、納豆の美味しさを増大させることができ、また平坦域は印刷域として利用することによって細かな文字でも鮮明な印刷ができ、商品価値を高めることができる。そして、胴部が下方の凹凸加工域と上方の平坦域との組み合わせからなることによって、デザイン的にも変化に富み美的効果を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態に係る納豆用紙コップ容器の納豆を充填した状態での正面断面図である。
【図2】図1に示す納豆用紙コップ容器の胴部ブランクの平面図である。
【図3】図1に示す納豆用紙コップ容器の底部ブランクの平面図である。
【図4】本発明の他の実施形態に係る納豆用紙コップ容器の納豆を充填した状態での一部破断正面図である。
【図5】図4に示す納豆用紙コップ容器の胴部ブランクの平面図である。
【図6】図4に示す納豆用紙コップ容器の底部ブランクの平面図である。
【符号の説明】
1 納豆用紙コップ容器
2 胴部
3 底部
5、8、14、15、19、21 凹凸
6 凹凸加工域
7 平坦域
11、16、18、20 胴部ブランク
12、17 底部ブランク
Claims (4)
- 紙を基材とする胴部ブランク及び底部ブランクを組立て成形した胴部及び底部を有する納豆用紙コップ容器であって、前記胴部は、外周面が平坦となっている平坦域と、点状の凹凸加工が付されている凹凸加工域とからなり、前記凹凸加工域が前記底部から胴部高さの30〜80%までの範囲を含むことを特徴とする納豆用紙コップ容器。
- 前記点状の凹凸の大きさは、直径が0.3〜20 mm である請求項1記載の納豆用紙コップ容器。
- 前記点状の凹凸は、凹凸が交互で且つ連続するように設けられている請求項1又は2記載の納豆用紙コップ容器。
- 前記点状の凹凸は、凹凸が互いに隙間を有するように配置されている請求項1又は2記載の納豆用紙コップ容器。
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