JP3786269B2 - 内燃機関のクランク角度検出装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、車両に搭載されるエンジン制御装置に係り、特に、内燃機関のクランク角度検出装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
エンジンのクランク角度位置制御、気筒判別を行うために、クランク角位置検出手段とカム信号検出手段が用いられている。上記クランク角位置検出手段は、精度の良い角度制御を行うために10°CA(クランクアングル)毎に信号をもたせているものが一般的になっている。さらに、始動性向上のために気筒判別の早期化が行われており、4気筒エンジンの場合、1点火行程区間(180°CA)で気筒判別が行えるような装置が考案されている。
【0003】
従来の内燃機関のクランク角度検出装置として、例えば、特開平11−315748号公報に記載された装置がある。
【0004】
この装置のクランク角位置検出手段は、10°CA信号を用いており、クランクの1回転(360°CA間)に、180°CA毎に2箇所の、クランク角度の基準位置(欠け歯)を設定している。
【0005】
また、カム信号として、クランクの2回転(720°CA間)の、180°CA毎に、1本から4本の気筒判別信号を設定している。
【0006】
上記クランク角位置検出手段によってクランクの角度位置を検出し、カム信号の180°CA間の気筒判別信号数によって気筒判別を行うようにしている。カム信号の180°CA間の気筒判別信号数が各気筒によって異なるため、点火行程区間毎に気筒判別が可能となる。さらに、VVT(可変バルブタイミング機構)によってカム位相が変化しても気筒判別が可能な構成としてある。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
上述したような従来の装置では、VVTつきエンジンのカム信号に気筒毎に異なる数の気筒判別信号を設定する場合、VVTでカムシャフト角が変化しても気筒判別が成立するように、比較的狭い角度間隔に気筒数分の気筒判別信号を設定する必要がある。カム信号ベーンの直径が大きい場合は問題ないが、カム信号ベーンの直径が小さい場合には信号間の間隔が短くなってしまうため、カム信号検出手段によって気筒判別信号を検出することができなくなってしまうという問題点があった。
【0008】
また、さらに気筒数が多くなった場合、カム信号の気筒判別信号数が増えるため、さらに信号間隔が短くなり、カム信号検出手段による気筒判別信号の検出ができなくなってしまうという問題点があった。
【0009】
この発明は、前述した問題点を解決するためになされたもので、クランク信号ベーンに気筒グループ判別手段(欠け歯)を設定することにより、気筒判別を行うためのカム信号ベーンに設定すべき情報の簡素化を図ることができる内燃機関のクランク角度検出装置を得ることを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】
この発明に係る内燃機関のクランク角度検出装置は、内燃機関のクランク軸に同期して回転し、円周上の所定のクランク角度毎に歯が設置され、かつ第1の所定数の歯が欠けた第1の欠け歯部、及び第2の所定数の歯が欠けた第2の欠け歯部が設置されたクランク信号ベーンと、前記クランク信号ベーンに近接して取り付けられ、前記歯に対応してパルス状のクランク信号パターンを出力するクランク角センサと、前記クランク信号パターンに基づいてクランク信号周期を計算し、前記計算したクランク信号周期に基づいて欠け歯判定値を算出する判定値算出手段と、この欠け歯判定値が予め定められた欠け歯領域のいずれに該当するかを判定する領域判定手段と、この領域判定手段から時系列的に得られる複数の領域判定値を予め定められた判別パターンと比較して欠け歯数を判別する欠け歯数判別手段とを有し、判別した欠け歯数に基づいてクランク角度の基準位置を検出する電子制御装置とを備え、前記判別パターンが、時系列的に隣接する3種の領域基準値を有し、いずれか一方で隣接する2種の領域基準値の値が部分的に重複しているものである。
【0014】
この発明に係る内燃機関のクランク角度検出装置は、前記判別パターンが、欠け歯部と欠け歯部との間に存在する歯数をも欠け歯数判別の要素としているものである。
【0015】
この発明に係る内燃機関のクランク角度検出装置は、前記欠け歯領域が、(前回のクランク信号周期)/(前々回のクランク信号周期)の値と、(前回のクランク信号周期)/(今回のクランク信号周期)の値とに基づいて設定されているものである。
【0016】
この発明に係る内燃機関のクランク角度検出装置は、前記電子制御装置が、前記判別した欠け歯数に基づいてクランク角度の基準位置を検出すると共に、気筒グループを判定するものである。
【0018】
【発明の実施の形態】
実施の形態1は、4気筒エンジンの欠け歯判定値Kの範囲による欠け歯数の検出方法について、実施の形態2は、同じく4気筒エンジンの欠け歯数判定マップを使用した欠け歯数の検出方法についてそれぞれ説明する。
また、実施の形態3は、6気筒エンジンの欠け歯判定値Kの範囲による欠け歯数の検出方法について、実施の形態4は、同じく6気筒エンジンの欠け歯数判定マップを使用した欠け歯数の検出方法についてそれぞれ説明する。
また、実施の形態5は、3気筒エンジンの欠け歯判定値Kの範囲による欠け歯数の検出方法について、実施の形態6は、同じく3気筒エンジンの欠け歯数判定マップを使用した欠け歯数の検出方法についてそれぞれ説明する。
さらに、実施の形態7は、各点火行程区間に欠け歯を2箇所ずつ設置している場合の4気筒エンジンの欠け歯判定値Kの範囲による欠け歯数の検出方法について、実施の形態8は、各点火行程区間に欠け歯を2箇所ずつ設置している場合の6気筒及び3気筒エンジンの欠け歯判定値Kの範囲による欠け歯数の検出方法についてそれぞれ説明する。
【0019】
実施の形態1.
この発明の実施の形態1に係る内燃機関のクランク角度検出装置について図面を参照しながら説明する。図1は、この発明の実施の形態1に係る内燃機関の概略構成を示す図である。なお、各図中、同一符号は同一又は相当部分を示す。
【0020】
図1において、1は内燃機関、2はエアクリーナ、3はエアフローセンサ、4は吸気管、5はスロットルバルブ、6はインジェクタ、7は排気管、8は酸素(O2)センサ、9は触媒、10は点火コイル、11は点火プラグ、12はカム信号センサ、13はカム信号ベーン、14はカム軸、15はクランク角センサ、16はクランク信号ベーン、17はクランク軸、18は電子制御装置(ECU)である。なお、以下の各実施の形態では、図1はそれぞれ説明する4気筒、6気筒、あるいは3気筒のエンジンと見なして説明する。
【0021】
図2は、この発明の実施の形態1に係る4気筒エンジンのクランク信号ベーンを示す図である。
【0022】
このクランク信号ベーン16は、360°CA間において、10°CA毎に歯(突起)を設けている。また、180°CA毎に角度間隔20°CAの欠け歯(1歯欠け)と、角度間隔30°CAの欠け歯(2歯欠け)を設けている。
【0023】
つぎに、この実施の形態1に係る内燃機関のクランク角度検出装置の動作について図面を参照しながら説明する。
【0024】
図3は、この発明の実施の形態1に係る4気筒エンジンのクランク信号パターンを示す図である。
【0025】
図3に示すクランク信号パターンは、クランク角センサ15により検出され、電子制御装置18に入力される。このクランク信号パターンは、図2に示すクランク信号ベーン16の歯に対するクランク角センサ15の信号出力波形である。
【0026】
電子制御装置18では、クランク信号の立ち下がりエッジタイミングを検出するように設定しており、立ち下がりエッジ毎に演算処理を行う。
【0027】
電子制御装置18は、クランク信号の検出毎に下記の欠け歯判定値Kの演算を行い、欠け歯判定値Kの範囲によって欠け歯数の検出を行う。
【0028】
K=(Tn−1)^2/{(Tn−2)*Tn}
【0029】
ここで、Tnは今回のクランク信号周期、Tn−1は前回のクランク信号周期、Tn−2は前々回のクランク信号周期をそれぞれ表す。
【0030】
K<2.25の場合は、欠け歯なしと検出する。
また、2.25≦K<6.25の場合は、1歯欠けと検出する。
さらに、K≧6.25の場合には、2歯欠けと検出する。
【0031】
図3に従い、欠け歯検出方法の説明を行う。なお、ここではクランク信号周期は簡易的に角度間隔の比率としている。
【0032】
今回検出したクランク信号が1〜6の場合は、Tn−2=1、Tn−1=1、Tn=1なので、K=12÷(1×1)=1となり、K<2.25の場合なので、欠け歯なしと検出する。
【0033】
今回検出したクランク信号が7の場合は、Tn−2=1、Tn−1=1、Tn=3なので、K=12÷(1×3)=0.33となり、K<2.25の場合なので、欠け歯なしと検出する。
【0034】
今回検出したクランク信号が8の場合は、Tn−2=1、Tn−1=3、Tn=1なので、K=32÷(1×1)=9となり、K≧6.25の場合なので、2歯欠けと検出する。
【0035】
クランク信号8で2歯欠けの検出を行ったため、角度位置はB75°CA(上死点前75°CA)で気筒グループはAと検出する。
【0036】
同様に、今回検出したクランク信号が25の場合には、Tn−2=1、Tn−1=2、Tn=1なので、K=22÷(1×1)=4となり、2.25≦K<6.25の場合なので、1歯欠けと検出する。
【0037】
クランク信号25で1歯欠けの検出を行ったため、角度位置はB75°CAで気筒グループはBと検出する。
【0038】
図4は、この発明の実施の形態1に係る内燃機関のクランク角度検出装置の動作を示すフローチャートである。
【0039】
まず、ステップ101において、電子制御装置18は、クランク信号周期を計算する。
【0040】
すなわち、今回のクランク信号周期Tnは、次のように計算する。
Tn=今回のクランク信号検出時間−前回のクランク信号検出時間
【0041】
次に、ステップ102において、クランク信号周期から、欠け歯判定値を演算する。
【0042】
すなわち、欠け歯判定値Kは、次のように演算する。
欠け歯判定値K=(前回のクランク信号周期)2/{(前々回のクランク信号周期)*(今回のクランク信号周期)}
【0043】
次に、ステップ103において、欠け歯数の判定を行う。欠け歯判定値K<2.25の場合は、欠け歯なしと判定する。また、2.25≦K<6.25の場合は、1歯欠けと判定する。さらに、K≧6.25の場合には、2歯欠けと判定する。
【0044】
このように、欠け歯があると判定を行った場合には、クランク角度の基準位置(B75°CA)が判ると共に、検出した欠け歯数によって気筒グループの判定を行うことができる。
【0045】
この実施の形態1では、クランク信号によって、クランク角度と気筒グループA、Bの判定ができる。つまり、4気筒エンジンでは、カム信号ベーンには2種類の情報(気筒判別信号)を持たせることで、気筒判別が行えるため、カム信号ベーンの情報を簡素化することができる。
【0046】
実施の形態2.
この発明の実施の形態2に係る内燃機関のクランク角度検出装置について図面を参照しながら説明する。この発明の実施の形態2に係る内燃機関のクランク角度検出装置の構成は、上記実施の形態1と同様である。
【0047】
電子制御装置18は、クランク信号の検出毎に下記の判定式の演算を行い、判定値の範囲によって欠け歯数の検出を行う。
【0048】
K1=(Tn−1)/(Tn−2)
K2=(Tn−1)/Tn
K=(K1+K2)/2
【0049】
ここで、Tnは今回のクランク信号周期、Tn−1は前回のクランク信号周期、Tn−2は前々回のクランク信号周期をそれぞれ表す。
【0050】
図3に従い、欠け歯検出方法の説明を行う。なお、ここではクランク信号周期は簡易的に角度間隔の比率としている。
【0051】
図6は、4気筒エンジンの欠け歯数判定時の欠け歯領域を示す図である。また、図7は、4気筒エンジンの欠け歯数判定マップを示す図である。
【0052】
この図7で、"D/E"、"A/B"、"B/C/D"とあるのを3種の領域基準値と称し、さらに、"A/B"、"B/C/D"という2つの領域基準値は"B"の領域が重複していることを示す。このような構成とすることで特に検出余裕度が向上し、機関の急激な角速度変動などに対しても欠け歯判別の信頼性が著しく向上する。なお、図10でも同様である。
【0053】
また、図7で、”1歯欠け”のパターンと、”2歯欠け”のパターンとでは、欠け歯間の歯数、即ち、”n−1〜n−16=16歯”と、”n−1〜n−15=15歯”との差異を判別の要素としている。このような構成とすることで欠け歯判別の精度、信頼性が著しく向上する。なお、図10でも同様である。
【0054】
欠け歯判定値Kと、図6に示す欠け歯領域A〜Eの対応関係は、以下のようになる。
K<1.5の場合は、欠け歯領域Aとする。
また、1.5≦K<2の場合は、欠け歯領域Bとする。
また、2≦K<2.5の場合は、欠け歯領域Cとする。
また、2.5≦K<3の場合は、欠け歯領域Dとする。
さらに、K≧3の場合には、欠け歯領域Eとする。
【0055】
今回検出したクランク信号が1〜6の場合は、Tn−2=1、Tn−1=1、Tn=1なので、K1=1/1=1、K2=1/1=1、K=(1+1)/2=1となり、K<1.5の場合なので、欠け歯領域Aと判定する。
【0056】
今回検出したクランク信号が7の場合は、Tn−2=1、Tn−1=1、Tn=3なので、K1=1/1=1、K2=1/3=0.33、K=(1+0.33)/2=0.67となり、K<1.5の場合なので、欠け歯領域Aと判定する。
【0057】
今回検出したクランク信号が8の場合は、Tn−2=1、Tn−1=3、Tn=1なので、K1=3/1=3、K2=3/1=3、K=(3+3)/2=3となり、K≧3の場合なので、欠け歯領域Eと判定する。
【0058】
上記実施の形態1では、クランク信号が8の位置は2歯欠けの検出を実施するが、本実施の形態2では、図7の欠け歯数判定マップ(判別パターン)を使用し、検出した欠け歯領域の分布範囲(領域判定値)が欠け歯数判定マップに一致した場合に欠け歯の検出を実施する。今回の欠け歯領域の判定をnとすると、この時点では、クランク信号がn−7〜n−1のときは欠け歯領域Aに分布し、クランク信号がnのときには欠け歯領域Eに分布している。しかしながら、上記マップを満たす数だけの領域の判定を行っていないため、ここでは欠け歯の検出を実施しない。
【0059】
同様に、今回検出したクランク信号が9の場合は、Tn−2=3、Tn−1=1、Tn=1なので、K1=1/3=0.33、K2=1/1=1、K=(0.33+1)/2=0,67となり、K<1.5の場合なので、欠け歯領域Aと判定する。
【0060】
今回検出したクランク信号が10〜23の場合は、Tn−2=1、Tn−1=1、Tn=1なので、K1=1/1=1、K2=1/1=1、K=(1+1)/2=1となり、K<1.5の場合なので、欠け歯領域Aと判定する。
【0061】
今回検出したクランク信号が24の場合は、Tn−2=1、Tn−1=1、Tn=2なので、K1=1/1=1、K2=1/2=0.5、K=(1+0.5)/2=0.75となり、K<1.5の場合なので、欠け歯領域Aと判定する。
【0062】
クランク信号の位置が16〜24では、過去に判定した欠け歯領域が16個以上になるため、上記マップを満たす数の領域の判定を行っている。しかし、全て欠け歯領域Aであるため、欠け歯領域の分布範囲(領域判定値)が欠け歯数判定マップ(判別パターン)の3番目に一致し、欠け歯数が『なし』と判定する。
【0063】
今回検出したクランク信号が25の場合には、Tn−2=1、Tn−1=2、Tn=1なので、K1=2/1=2、K2=2/1=2、K=(2+2)/2=2となり、2≦K<2.5の場合なので、欠け歯領域Cと判定する。
【0064】
ここでは、クランク信号がn−17のときは欠け歯領域Eに分布し、クランク信号がn−16〜n−1のときは欠け歯領域Aに分布し、クランク信号がnのときには欠け歯領域Cに分布している。従って、欠け歯領域の分布範囲(領域判定値)が欠け歯数判定マップ(判別パターン)の1番目に一致し、欠け歯数が『1』と判定する。
【0065】
クランク信号25で1歯欠けの検出を行ったため、角度位置はB75°CAで気筒グループはBと検出する。
【0066】
初回のクランク信号8では2歯欠けの検出を行わないが、次回のクランク信号8では上記マップを満たす数の領域の判定を行っている。そして、クランク信号がn−16のときは欠け歯領域Cに分布し、クランク信号がn−15〜n−1のときは欠け歯領域Aに分布し、クランク信号がnのときには欠け歯領域Eに分布している。従って、欠け歯領域の分布範囲(領域判定値)が欠け歯数判定マップ(判別パターン)の2番目に一致し、欠け歯数が『2』と判定する。
【0067】
この次回のクランク信号8で2歯欠けの検出を行ったため、角度位置はB75°CAで気筒グループはAと検出する。
【0068】
上記実施の形態1では、0歯欠け、1歯欠け、2歯欠けを検出するために、それぞれを区分するしきい値を設定し、欠け歯数の検出を行っていた。クランク信号周期変動が少ない場合は、それぞれを区分するしきい値を設定することは可能であるが、始動時のようにクランク信号周期変動が大きい場合には、それぞれを区分するしきい値の設定が難しく、欠け歯数を誤検出するケースが発生する。
【0069】
本実施の形態2では、欠け歯数を単にしきい値によって区分するのではなく、各欠け歯に対応する複数の欠け歯領域を設定し、欠け歯領域の分布範囲(領域判定値)によって欠け歯数を検出するため、各欠け歯のしきい値の幅を広げることとなり、クランク信号周期変動が大きい場合においても精度の良い欠け歯検出を行うことができる。
【0070】
図5は、この発明の実施の形態2に係る内燃機関のクランク角度検出装置の動作を示すフローチャートである。
【0071】
上記の実施の形態1では、欠け歯判定値Kによって、欠け歯数の判定を行う方法について説明したが、この実施の形態1では、欠け歯数の検出性の余裕度向上のため、上述したような方法によって欠け歯数を検出する。図5に基づいて、この実施の形態2の演算処理方法を説明する。
【0072】
まず、ステップ201において、電子制御装置18は、クランク信号周期を計算する。
【0073】
すなわち、今回のクランク信号周期Tnは、次のように計算する。
Tn=今回のクランク信号検出時間−前回のクランク信号検出時間
【0074】
次に、ステップ202において、クランク信号周期の検出毎に、欠け歯領域を判定する。まず、クランク信号周期の比率Tn−1/Tn−2、Tn−1/Tnを求め、図6に示す、横軸が(前回のクランク信号周期)/(前々回のクランク信号周期)、縦軸が(前回のクランク信号周期)/(今回のクランク信号周期)の欠け歯領域A〜Eの判定を行う。
【0075】
次に、ステップ203において、欠け歯領域に基づいて欠け歯数の判定を行う。図7に基づいて、上記の判定した欠け歯領域の時系列(領域判定値)が、欠け歯数に対応した欠け歯領域の時系列を記述した欠け歯数判定マップ(判別パターン)に一致した場合にそれぞれの欠け歯数と判定する。
【0076】
例えば、図3を参照して、連続した18個のクランク信号(n−17〜n)に対応する上記クランク信号周期の比率が、連続して該当する欠け歯領域に分布している場合には、電子制御装置18は、該当の欠け歯数と判定する。
【0077】
すなわち、今回検出したクランク信号がnのとき、上記クランク信号周期の比率が、図6に示す欠け歯領域B、C又はDに分布し、クランク信号がn−1〜n−16のときは欠け歯領域A又はBに分布し、クランク信号がn−17のときには欠け歯領域D又はEに分布している場合には、電子制御装置18は、1歯欠けと判定する。
【0078】
上記実施の形態1のようにしきい値で欠け歯数を区分するよりも、この実施の形態2のように欠け歯数を判定した方が各欠け歯の滞在許容範囲が広くなるため、検出の余裕度が向上する。
【0079】
この実施の形態2では、欠け歯数を1歯欠けと2歯欠けとしているが、欠け歯数はそれに限ったものではない。例えば、欠け歯数を2歯欠けと3歯欠けとしても良い。その場合は、欠け歯なしとの差がより明確となるため、エンジンの回転変動による周期変動の影響が少なくなるため、欠け歯判定が容易となる。
【0080】
実施の形態3.
この発明の実施の形態3に係る内燃機関のクランク角度検出装置について図面を参照しながら説明する。
【0081】
図8は、この発明の実施の形態3に係る6気筒エンジンのクランク信号ベーンを示す図である。
【0082】
このクランク信号ベーン16は、360°CA間において、10°CA毎に歯(突起)を設けている。また、120°CA毎に角度間隔20°CAの欠け歯(1歯欠け)を2箇所、角度間隔30°CAの欠け歯(2歯欠け)を1箇所設けている。
【0083】
つぎに、この実施の形態3に係る内燃機関のクランク角度検出装置の動作について図面を参照しながら説明する。
【0084】
図9は、この発明の実施の形態3に係る6気筒エンジンのクランク信号パターンを示す図である。
【0085】
図9に示すクランク信号パターンは、クランク角センサ15により検出され、電子制御装置18に入力される。このクランク信号パターンは、図8に示すクランク信号ベーン16の歯に対するクランク角センサ15の信号出力波形である。
【0086】
電子制御装置18では、クランク信号の立ち下がりエッジタイミングを検出するように設定しており、立ち下がりエッジ毎に演算処理を行う。
【0087】
電子制御装置18は、クランク信号の検出毎に、上記実施の形態1と同様に、下記の欠け歯判定値Kの演算を行い、欠け歯判定値Kの範囲によって欠け歯数の検出を行う。
【0088】
K=(Tn−1)^2/{(Tn−2)*Tn}
【0089】
ここで、Tnは今回のクランク信号周期、Tn−1は前回のクランク信号周期、Tn−2は前々回のクランク信号周期をそれぞれ表す。
【0090】
K<2.25の場合は、欠け歯なしと検出する。
また、2.25≦K<6.25の場合は、1歯欠けと検出する。
さらに、K≧6.25の場合には、2歯欠けと検出する。
【0091】
図9に従い、欠け歯検出方法の説明を行う。なお、ここではクランク信号周期は簡易的に角度間隔の比率としている。
【0092】
今回検出したクランク信号が1〜4の場合は、Tn−2=1、Tn−1=1、Tn=1なので、K=12÷(1×1)=1となり、K<2.25の場合なので、欠け歯なしと検出する。
【0093】
今回検出したクランク信号が5の場合は、Tn−2=1、Tn−1=1、Tn=3なので、K=12÷(1×3)=0.33となり、K<2.25の場合なので、欠け歯なしと検出する。
【0094】
今回検出したクランク信号が6の場合は、Tn−2=1、Tn−1=3、Tn=1なので、K=32÷(1×1)=9となり、K≧6.25の場合なので、2歯欠けと検出する。
【0095】
クランク信号6で2歯欠けの検出を行ったため、角度位置はB75°CA(上死点前75°CA)で気筒グループはAと検出する。
【0096】
同様に、今回検出したクランク信号が17の場合には、Tn−2=1、Tn−1=2、Tn=1なので、K=22÷(1×1)=4となり、2.25≦K<6.25の場合なので、1歯欠けと検出する。
【0097】
クランク信号17で1歯欠けの検出を行ったため、角度位置はB75°CAで気筒グループはBと検出する。
【0098】
同様に、今回検出したクランク信号が28の場合には、Tn−2=1、Tn−1=2、Tn=1なので、K=22÷(1×1)=4となり、2.25≦K<6.25の場合なので、1歯欠けと検出する。
【0099】
クランク信号28で1歯欠けの検出を行ったため、角度位置はB75°CAで気筒グループはBと検出する。
【0100】
図8に示すクランク信号ベーン16では、欠け歯の角度間隔が20°CAが2箇所、30°CAが1箇所なので、判定するクランク角度の基準位置は、B75°CA(A)が1箇所、B75°CA(B)が2箇所となる。
【0101】
この実施の形態3では、クランク信号によって、クランク角度と気筒グループA、Bの判定ができる。つまり、6気筒エンジンでは、カム信号ベーンには4種類の情報(気筒判別信号)を持たせることで、気筒判別が行えるため、カム信号ベーンの情報を簡素化することができる。
【0102】
実施の形態4.
この発明の実施の形態4に係る内燃機関のクランク角度検出装置について図面を参照しながら説明する。
【0103】
この実施の形態4は、上記実施の形態2の欠け歯領域、及び欠け歯数判定マップを適用して、欠け歯数を判定するものである。
【0104】
図10は、6気筒エンジンの欠け歯数判定マップを示す図である。図10に基づいて、上記実施の形態2と同様に、時系列の欠け歯領域の系列(領域判定値)が欠け歯数判定マップ(判別パターン)に一致した場合にそれぞれの欠け歯数と判定する。
【0105】
電子制御装置18は、クランク信号の検出毎に下記の判定式の演算を行い、判定値の範囲によって欠け歯数の検出を行う。
【0106】
K1=(Tn−1)/(Tn−2)
K2=(Tn−1)/Tn
K=(K1+K2)/2
【0107】
ここで、Tnは今回のクランク信号周期、Tn−1は前回のクランク信号周期、Tn−2は前々回のクランク信号周期をそれぞれ表す。
【0108】
図9に従い、欠け歯検出方法の説明を行う。なお、ここではクランク信号周期は簡易的に角度間隔の比率としている。
【0109】
欠け歯判定値Kと、欠け歯領域A〜Eの対応関係は、以下のようになる。
K<1.5の場合は、欠け歯領域Aとする。
また、1.5≦K<2の場合は、欠け歯領域Bとする。
また、2≦K<2.5の場合は、欠け歯領域Cとする。
また、2.5≦K<3の場合は、欠け歯領域Dとする。
さらに、K≧3の場合には、欠け歯領域Eとする。
【0110】
今回検出したクランク信号が1〜4の場合は、Tn−2=1、Tn−1=1、Tn=1なので、K1=1/1=1、K2=1/1=1、K=(1+1)/2=1となり、K<1.5の場合なので、欠け歯領域Aと判定する。
【0111】
今回検出したクランク信号が5の場合は、Tn−2=1、Tn−1=1、Tn=3なので、K1=1/1=1、K2=1/3=0.33、K=(1+0.33)/2=0.67となり、K<1.5の場合なので、欠け歯領域Aと判定する。
【0112】
今回検出したクランク信号が6の場合は、Tn−2=1、Tn−1=3、Tn=1なので、K1=3/1=3、K2=3/1=3、K=(3+3)/2=3となり、K≧3の場合なので、欠け歯領域Eと判定する。
【0113】
上記実施の形態3では、クランク信号が6の位置は2歯欠けの検出を実施するが、本実施の形態4では、図10の欠け歯数判定マップ(判別パターン)を使用し、検出した欠け歯領域の分布範囲(領域判定値)が欠け歯数判定マップに一致した場合に欠け歯の検出を実施する。今回の欠け歯領域の判定をnとすると、この時点では、クランク信号がn−7〜n−1のときは欠け歯領域Aに分布し、クランク信号がnのときには欠け歯領域Eに分布している。しかしながら、上記マップを満たす数だけの領域の判定を行っていないため、ここでは欠け歯の検出を実施しない。
【0114】
同様に、今回検出したクランク信号が7の場合は、Tn−2=3、Tn−1=1、Tn=1なので、K1=1/3=0.33、K2=1/1=1、K=(0.33+1)/2=0,67となり、K<1.5の場合なので、欠け歯領域Aと判定する。
【0115】
今回検出したクランク信号が8〜15の場合は、Tn−2=1、Tn−1=1、Tn=1なので、K1=1/1=1、K2=1/1=1、K=(1+1)/2=1となり、K<1.5の場合なので、欠け歯領域Aと判定する。
【0116】
今回検出したクランク信号が16の場合は、Tn−2=1、Tn−1=1、Tn=2なので、K1=1/1=1、K2=1/2=0.5、K=(1+0.5)/2=0.75となり、K<1.5の場合なので、欠け歯領域Aと判定する。
【0117】
クランク信号の位置が10〜16では、過去に判定した欠け歯領域が10個以上になるため、上記マップを満たす数の領域の判定を行っている。しかし、全て欠け歯領域Aであるため、欠け歯領域の分布範囲(領域判定値)が欠け歯数判定マップ(判別パターン)の3番目に一致し、欠け歯数が『なし』と判定する。
【0118】
今回検出したクランク信号が17の場合には、Tn−2=1、Tn−1=2、Tn=1なので、K1=2/1=2、K2=2/1=2、K=(2+2)/2=2となり、2≦K<2.5の場合なので、欠け歯領域Cと判定する。
【0119】
ここでは、クランク信号がn−11のときは欠け歯領域Eに分布し、クランク信号がn−10〜n−1のときは欠け歯領域Aに分布し、クランク信号がnのときには欠け歯領域Cに分布している。従って、欠け歯領域の分布範囲(領域判定値)が欠け歯数判定マップ(判別パターン)の1番目に一致し、欠け歯数が『1』と判定する。
【0120】
クランク信号17で1歯欠けの検出を行ったため、角度位置はB75°CAで気筒グループはBと検出する。
【0121】
同様に、今回検出したクランク信号が28の場合には、Tn−2=1、Tn−1=2、Tn=1なので、K1=2/1=2、K2=2/1=2、K=(2+2)/2=2となり、2≦K<2.5の場合なので、欠け歯領域Cと判定する。
【0122】
ここでは、クランク信号がn−11のときは欠け歯領域Eに分布し、クランク信号がn−10〜n−1のときは欠け歯領域Aに分布し、クランク信号がnのときには欠け歯領域Cに分布している。従って、欠け歯領域の分布範囲(領域判定値)が欠け歯数判定マップ(判別パターン)の1番目に一致し、欠け歯数が『1』と判定する。
【0123】
クランク信号28で1歯欠けの検出を行ったため、角度位置はB75°CAで気筒グループはBと検出する。
【0124】
初回のクランク信号6では2歯欠けの検出を行わないが、次回のクランク信号6では上記マップを満たす数の領域の判定を行っている。そして、クランク信号がn−10のときは欠け歯領域Cに分布し、クランク信号がn−9〜n−1のときは欠け歯領域Aに分布し、クランク信号がnのときには欠け歯領域Eに分布している。従って、欠け歯領域の分布範囲(領域判定値)が欠け歯数判定マップ(判別パターン)の2番目に一致し、欠け歯数が『2』と判定する。
【0125】
この次回のクランク信号6で2歯欠けの検出を行ったため、角度位置はB75°CAで気筒グループはAと検出する。
【0126】
上記実施の形態3では、0歯欠け、1歯欠け、2歯欠けを検出するために、それぞれを区分するしきい値を設定し、欠け歯数の検出を行っていた。クランク信号周期変動が少ない場合は、それぞれを区分するしきい値を設定することは可能であるが、始動時のようにクランク信号周期変動が大きい場合には、それぞれを区分するしきい値の設定が難しく、欠け歯数を誤検出するケースが発生する。
【0127】
本実施の形態4では、欠け歯数を単にしきい値によって区分するのではなく、各欠け歯に対応する複数の欠け歯領域を設定し、欠け歯領域の分布範囲(領域判定値)によって欠け歯数を検出するため、各欠け歯のしきい値の幅を広げることとなり、クランク信号周期変動が大きい場合においても精度の良い欠け歯検出を行うことができる。
【0128】
この例では、クランク信号ベーン16の欠け歯の角度間隔を30°CAが1箇所、20°CAが2箇所としたが、別の例として、図11に示すように、各欠け歯毎に欠け歯の角度間隔を変更しても良い。
【0129】
図9では、20°CAの欠け歯が2箇所あるため、クランク角度の基準位置B75°CA(B)は2箇所のうちのいずれかとしか判定できないが、図11のように全ての欠け歯の角度間隔を変更することで、特定のクランク角度の基準位置B75°CAを検出することができる。
【0130】
この実施の形態4の別の例では、クランク信号によって、クランク角度と気筒グループA、B、Cの判定ができる。つまり、6気筒エンジンでは、カム信号ベーンには2種類の情報(気筒判別信号)を持たせることで、気筒判別が行えるため、カム信号ベーンの情報を簡素化することができる。
【0131】
実施の形態5.
この発明の実施の形態5に係る内燃機関のクランク角度検出装置について図面を参照しながら説明する。
【0132】
図12は、この発明の実施の形態5に係る3気筒エンジンのクランク信号ベーンを示す図である。
【0133】
このクランク信号ベーン16は、360°CA間において、10°CA毎に歯(突起)を設けている。また、120°CA毎に角度間隔20°CAの欠け歯(1歯欠け)を2箇所、角度間隔30°CAの欠け歯(2歯欠け)を1箇所設けている。
【0134】
つぎに、この実施の形態5に係る内燃機関のクランク角度検出装置の動作について図面を参照しながら説明する。
【0135】
図13は、この発明の実施の形態5に係る3気筒エンジンのクランク信号パターンを示す図である。
【0136】
図13に示すクランク信号パターンは、クランク角センサ15により検出され、電子制御装置18に入力される。このクランク信号パターンは、図12に示すクランク信号ベーン16の歯に対するクランク角センサ15の信号出力波形である。
【0137】
電子制御装置18では、クランク信号の立ち下がりエッジタイミングを検出するように設定しており、立ち下がりエッジ毎に演算処理を行う。
【0138】
エンジン1サイクル(720°CA)で、クランク信号ベーン16は2回転する。3気筒エンジンでは、点火行程区間の角度間隔が240°CAであるため、エンジン1サイクルのクランク信号ベーン16の1回転目と、2回転目では、クランク信号ベーン16の特定の歯とエンジンの相対角度位置が異なる。
【0139】
この実施の形態5でも、上記実施の形態1と同様に、欠け歯判定値Kの演算を行い、欠け歯判定値Kの範囲によって欠け歯数の検出を行う。
【0140】
電子制御装置18は、クランク信号の検出毎に、上記実施の形態1と同様に、下記の欠け歯判定値Kの演算を行い、欠け歯判定値Kの範囲によって欠け歯数の検出を行う。
【0141】
K=(Tn−1)^2/{(Tn−2)*Tn}
【0142】
ここで、Tnは今回のクランク信号周期、Tn−1は前回のクランク信号周期、Tn−2は前々回のクランク信号周期をそれぞれ表す。
【0143】
K<2.25の場合は、欠け歯なしと検出する。
また、2.25≦K<6.25の場合は、1歯欠けと検出する。
さらに、K≧6.25の場合には、2歯欠けと検出する。
【0144】
図13に従い、欠け歯検出方法の説明を行う。なお、ここではクランク信号周期は簡易的に角度間隔の比率としている。
【0145】
今回検出したクランク信号が1〜4の場合は、Tn−2=1、Tn−1=1、Tn=1なので、K=12÷(1×1)=1となり、K<2.25の場合なので、欠け歯なしと検出する。
【0146】
今回検出したクランク信号が5の場合は、Tn−2=1、Tn−1=1、Tn=3なので、K=12÷(1×3)=0.33となり、K<2.25の場合なので、欠け歯なしと検出する。
【0147】
今回検出したクランク信号が6の場合は、Tn−2=1、Tn−1=3、Tn=1なので、K=32÷(1×1)=9となり、K≧6.25の場合なので、2歯欠けと検出する。
【0148】
クランク信号6で2歯欠けの検出を行ったため、角度位置はB75°CA(上死点前75°CA)(気筒グループA)、もしくはA45°CA(上死点後45°CA)(気筒グループA)と判定する。
【0149】
同様に、今回検出したクランク信号が17の場合には、Tn−2=1、Tn−1=2、Tn=1なので、K=22÷(1×1)=4となり、2.25≦K<6.25の場合なので、1歯欠けと検出する。
【0150】
クランク信号17で1歯欠けの検出を行ったため、角度位置はA45°CA(上死点後45°CA)(気筒グループB)、もしくはB75°CA(上死点前75°CA)(気筒グループB)と判定する。
【0151】
同様に、今回検出したクランク信号が28の場合には、Tn−2=1、Tn−1=2、Tn=1なので、K=22÷(1×1)=4となり、2.25≦K<6.25の場合なので、1歯欠けと検出する。
【0152】
クランク信号28で1歯欠けの検出を行ったため、角度位置はB75°CA(気筒グループB)、もしくはA45°CA(気筒グループB)と判定する。
【0153】
今回検出したクランク信号が39の場合は、Tn−2=1、Tn−1=3、Tn=1なので、K=32÷(1×1)=9となり、K≧6.25の場合なので、2歯欠けと検出する。
【0154】
クランク信号39で2歯欠けの検出を行ったため、角度位置はA45°CA(気筒グループA)、もしくはB75°CA(気筒グループA)と判定する。
【0155】
同様に、今回検出したクランク信号が50の場合には、Tn−2=1、Tn−1=2、Tn=1なので、K=22÷(1×1)=4となり、2.25≦K<6.25の場合なので、1歯欠けと検出する。
【0156】
クランク信号50で1歯欠けの検出を行ったため、角度位置はB75°CA(気筒グループB)、もしくはA45°CA(気筒グループB)と判定する。
【0157】
同様に、今回検出したクランク信号が61の場合には、Tn−2=1、Tn−1=2、Tn=1なので、K=22÷(1×1)=4となり、2.25≦K<6.25の場合なので、1歯欠けと検出する。
【0158】
クランク信号61で1歯欠けの検出を行ったため、角度位置はA45°CA(気筒グループB)、もしくはB75°CA(気筒グループB)と判定する。
【0159】
1歯欠け検出時は、クランク角度の基準位置B75°CA(気筒グループB)、又はA45°CA(気筒グループB)を検出する。また、2歯欠け検出時には、基準位置B75°CA(気筒グループA)、又はA45°CA(気筒グループA)を検出する。
【0160】
つまり、図13に示す3気筒エンジンのクランク信号パターンでは、エンジン1サイクル間(720°CA)に、基準位置B75°CA(気筒グループA)が1箇所、基準位置B75°CA(気筒グループB)が2箇所、基準位置A45°CA(気筒グループA)が1箇所、基準位置A45°CA(気筒グループB)が2箇所それぞれ存在する。従って、クランク信号だけでは基準位置B75°CAかそれとも基準位置A45°CAかの角度位置の区別がつかないため、カム信号も合わせて角度位置検出と気筒判別を行うことになる。B75°CAで気筒判別を行う場合、必要なカム信号の情報は、B75°CAとA45°CAを区別する情報と、2箇所のB75°CA(気筒グループB)を区別する情報が必要である。例えば、カム信号の情報を、
B75°CA(A)・・・(a)パターン、
B75°CA(B)・・・(a)パターンと(b)パターン、
A45°CA(A)、A45°CA(B)・・・(c)パターン
とすれば、3種類のB75°CAを区別することができる。よって、カム信号ベーンには3種類の情報(気筒判別信号)を持たせることで、気筒判別が行えるため、カム信号ベーンの情報を簡素化することができる。
【0161】
実施の形態6.
この発明の実施の形態6に係る内燃機関のクランク角度検出装置について図面を参照しながら説明する。
【0162】
上記実施の形態2あるいは実施の形態4のように、欠け歯領域による欠け歯数の判定を行う場合は、図10のマップを使用する。
【0163】
電子制御装置18は、クランク信号の検出毎に下記の判定式の演算を行い、判定値の範囲によって欠け歯数の検出を行う。
【0164】
K1=(Tn−1)/(Tn−2)
K2=(Tn−1)/Tn
K=(K1+K2)/2
【0165】
ここで、Tnは今回のクランク信号周期、Tn−1は前回のクランク信号周期、Tn−2は前々回のクランク信号周期をそれぞれ表す。
【0166】
図13に従い、欠け歯検出方法の説明を行う。なお、ここではクランク信号周期は簡易的に角度間隔の比率としている。
【0167】
欠け歯判定値Kと、欠け歯領域A〜Eの対応関係は、以下のようになる。
K<1.5の場合は、欠け歯領域Aとする。
また、1.5≦K<2の場合は、欠け歯領域Bとする。
また、2≦K<2.5の場合は、欠け歯領域Cとする。
また、2.5≦K<3の場合は、欠け歯領域Dとする。
さらに、K≧3の場合には、欠け歯領域Eとする。
【0168】
今回検出したクランク信号が1〜4の場合は、Tn−2=1、Tn−1=1、Tn=1なので、K1=1/1=1、K2=1/1=1、K=(1+1)/2=1となり、K<1.5の場合なので、欠け歯領域Aと判定する。
【0169】
今回検出したクランク信号が5の場合は、Tn−2=1、Tn−1=1、Tn=3なので、K1=1/1=1、K2=1/3=0.33、K=(1+0.33)/2=0.67となり、K<1.5の場合なので、欠け歯領域Aと判定する。
【0170】
今回検出したクランク信号が6の場合は、Tn−2=1、Tn−1=3、Tn=1なので、K1=3/1=3、K2=3/1=3、K=(3+3)/2=3となり、K≧3の場合なので、欠け歯領域Eと判定する。
【0171】
上記実施の形態5では、クランク信号が6の位置は2歯欠けの検出を実施するが、本実施の形態6では、図10の欠け歯数判定マップを使用し、検出した欠け歯領域の分布範囲が欠け歯数判定マップに一致した場合に欠け歯の検出を実施する。今回の欠け歯領域の判定をnとすると、この時点では、クランク信号がn−7〜n−1のときは欠け歯領域Aに分布し、クランク信号がnのときには欠け歯領域Eに分布している。しかしながら、上記マップを満たす数だけの領域の判定を行っていないため、ここでは欠け歯の検出を実施しない。
【0172】
同様に、今回検出したクランク信号が7の場合は、Tn−2=3、Tn−1=1、Tn=1なので、K1=1/3=0.33、K2=1/1=1、K=(0.33+1)/2=0,67となり、K<1.5の場合なので、欠け歯領域Aと判定する。
【0173】
今回検出したクランク信号が8〜15の場合は、Tn−2=1、Tn−1=1、Tn=1なので、K1=1/1=1、K2=1/1=1、K=(1+1)/2=1となり、K<1.5の場合なので、欠け歯領域Aと判定する。
【0174】
今回検出したクランク信号が16の場合は、Tn−2=1、Tn−1=1、Tn=2なので、K1=1/1=1、K2=1/2=0.5、K=(1+0.5)/2=0.75となり、K<1.5の場合なので、欠け歯領域Aと判定する。
【0175】
クランク信号の位置が10〜16では、過去に判定した欠け歯領域が10個以上になるため、上記マップを満たす数の領域の判定を行っている。しかし、全て欠け歯領域Aであるため、欠け歯領域の分布範囲が欠け歯数判定マップの3番目に一致し、欠け歯数が『なし』と判定する。
【0176】
今回検出したクランク信号が17の場合には、Tn−2=1、Tn−1=2、Tn=1なので、K1=2/1=2、K2=2/1=2、K=(2+2)/2=2となり、2≦K<2.5の場合なので、欠け歯領域Cと判定する。
【0177】
ここでは、クランク信号がn−11のときは欠け歯領域Eに分布し、クランク信号がn−10〜n−1のときは欠け歯領域Aに分布し、クランク信号がnのときには欠け歯領域Cに分布している。従って、欠け歯領域の分布範囲が欠け歯数判定マップの1番目に一致し、欠け歯数が『1』と判定する。
【0178】
クランク信号17で1歯欠けの検出を行ったため、角度位置はA45°CA(上死点後45°CA)(気筒グループB)、もしくはB75°CA(上死点前75°CA)(気筒グループB)と判定する。
【0179】
同様に、今回検出したクランク信号が28の場合には、Tn−2=1、Tn−1=2、Tn=1なので、K1=2/1=2、K2=2/1=2、K=(2+2)/2=2となり、2≦K<2.5の場合なので、欠け歯領域Cと判定する。
【0180】
ここでは、クランク信号がn−11のときは欠け歯領域Eに分布し、クランク信号がn−10〜n−1のときは欠け歯領域Aに分布し、クランク信号がnのときには欠け歯領域Cに分布している。従って、欠け歯領域の分布範囲が欠け歯数判定マップの1番目に一致し、欠け歯数が『1』と判定する。
【0181】
クランク信号28で1歯欠けの検出を行ったため、角度位置はB75°CA(気筒グループB)、もしくはA45°CA(気筒グループB)と判定する。
【0182】
同様に、今回検出したクランク信号が39の場合は、Tn−2=1、Tn−1=3、Tn=1なので、K1=3/1=3、K2=3/1=3、K=(3+3)/2=3となり、K≧3の場合なので、欠け歯領域Eと判定する。
【0183】
ここでは、クランク信号がn−10のときは欠け歯領域Cに分布し、クランク信号がn−9〜n−1のときは欠け歯領域Aに分布し、クランク信号がnのときには欠け歯領域Eに分布している。従って、欠け歯領域の分布範囲が欠け歯数判定マップの2番目に一致し、欠け歯数が『2』と判定する。
【0184】
クランク信号39で2歯欠けの検出を行ったため、角度位置はA45°CA(気筒グループA)、もしくはB75°CA(気筒グループA)と判定する。
【0185】
同様に、今回検出したクランク信号が50の場合には、Tn−2=1、Tn−1=2、Tn=1なので、K1=2/1=2、K2=2/1=2、K=(2+2)/2=2となり、2≦K<2.5の場合なので、欠け歯領域Cと判定する。
【0186】
ここでは、クランク信号がn−11のときは欠け歯領域Eに分布し、クランク信号がn−10〜n−1のときは欠け歯領域Aに分布し、クランク信号がnのときには欠け歯領域Cに分布している。従って、欠け歯領域の分布範囲が欠け歯数判定マップの1番目に一致し、欠け歯数が『1』と判定する。
【0187】
クランク信号50で1歯欠けの検出を行ったため、角度位置はB75°CA(気筒グループB)、もしくはA45°CA(気筒グループB)と判定する。
【0188】
同様に、今回検出したクランク信号が61の場合には、Tn−2=1、Tn−1=2、Tn=1なので、K1=2/1=2、K2=2/1=2、K=(2+2)/2=2となり、2≦K<2.5の場合なので、欠け歯領域Cと判定する。
【0189】
ここでは、クランク信号がn−11のときは欠け歯領域Eに分布し、クランク信号がn−10〜n−1のときは欠け歯領域Aに分布し、クランク信号がnのときには欠け歯領域Cに分布している。従って、欠け歯領域の分布範囲が欠け歯数判定マップの1番目に一致し、欠け歯数が『1』と判定する。
【0190】
クランク信号61で1歯欠けの検出を行ったため、角度位置はA45°CA(気筒グループB)、もしくはB75°CA(気筒グループB)と判定する。
【0191】
初回のクランク信号6では2歯欠けの検出を行わないが、次回のクランク信号6では上記マップを満たす数の領域の判定を行っている。そして、クランク信号がn−10のときは欠け歯領域Cに分布し、クランク信号がn−9〜n−1のときは欠け歯領域Aに分布し、クランク信号がnのときには欠け歯領域Eに分布している。従って、欠け歯領域の分布範囲が欠け歯数判定マップの2番目に一致し、欠け歯数が『2』と判定する。
【0192】
この次回のクランク信号6で2歯欠けの検出を行ったため、角度位置はB75°CA(気筒グループA)、もしくはA45°CA(気筒グループA)と判定する。
【0193】
上記実施の形態5では、0歯欠け、1歯欠け、2歯欠けを検出するために、それぞれを区分するしきい値を設定し、欠け歯数の検出を行っていた。クランク信号周期変動が少ない場合は、それぞれを区分するしきい値を設定することは可能であるが、始動時のようにクランク信号周期変動が大きい場合には、それぞれを区分するしきい値の設定が難しく、欠け歯数を誤検出するケースが発生する。
【0194】
本実施の形態6では、欠け歯数を単にしきい値によって区分するのではなく、各欠け歯に対応する複数の欠け歯領域を設定し、欠け歯領域の分布範囲(パターン)によって欠け歯数を検出するため、各欠け歯のしきい値の幅を広げることとなり、クランク信号周期変動が大きい場合においても精度の良い欠け歯検出を行うことができる。
【0195】
別の例として、図14に示すように、各欠け歯毎に欠け歯の角度間隔を変更しても良い。
【0196】
この別の例でも、上記実施の形態5と同様に、欠け歯判定値Kの演算を行い、欠け歯判定値Kの範囲によって欠け歯数の検出を行う。
【0197】
1歯欠け検出時は、クランク角度の基準位置B75(C)、又はA45(C)を検出する。また、2歯欠け検出時は、基準位置B75(B)、又はA45(B)を検出する。さらに、3歯欠け検出時には、基準位置B75(A)、又はA45(A)を検出する。
【0198】
この実施の形態6の別の例では、クランク信号によって、クランク角度と気筒グループA、B、Cの判定ができる。つまり、3気筒エンジンで、B75で気筒判別を行う場合には、B75とA45を区別すればよい。カム信号ベーンには2種類の情報(気筒判別信号)を持たせることで、気筒判別が行えるため、カム信号ベーンの情報を簡素化することができる。
【0199】
実施の形態7.
この発明の実施の形態7に係る内燃機関のクランク角度検出装置について図面を参照しながら説明する。
【0200】
図15は、この発明の実施の形態7に係る4気筒エンジンのクランク信号パターンを示す図である。
【0201】
図15に示す4気筒エンジンのクランク信号パターンに対応するクランク信号ベーンでは、各点火行程区間(180°CA)に角度間隔20°CAの欠け歯を2箇所ずつ設置している。さらに、前半の点火行程区間(180°CA)では、1番目の欠け歯(1歯欠け)(クランク信号3〜4)と、2番目の欠け歯(1歯欠け)(クランク信号6〜7)の角度間隔は20°CAとし、後半の点火行程区間(180°CA)では、1番目の欠け歯(1歯欠け)(クランク信号20〜21)と、2番目の欠け歯(1歯欠け)(クランク信号22〜23)の角度間隔は10°CAとしている。
【0202】
上記実施の形態1と同様に、電子制御装置18は、クランク信号の検出毎に下記の欠け歯判定値Kの演算を行い、欠け歯判定値Kの範囲によって欠け歯数の検出を行う。
【0203】
K=(Tn−1)^2/{(Tn−2)*Tn}
【0204】
ここで、Tnは今回のクランク信号周期、Tn−1は前回のクランク信号周期、Tn−2は前々回のクランク信号周期をそれぞれ表す。
【0205】
K<2.25の場合は、欠け歯なしと検出する。
また、K≧2.25の場合には、1歯欠けと検出する。
【0206】
図15に従い、欠け歯検出方法の説明を行う。なお、ここではクランク信号周期は簡易的に角度間隔の比率としている。
【0207】
今回検出したクランク信号が1〜3の場合は、Tn−2=1、Tn−1=1、Tn=1なので、K=12÷1×1=1となり、K<2.25の場合なので、欠け歯なしと検出する。
【0208】
今回検出したクランク信号が4の場合は、Tn−2=1、Tn−1=1、Tn=2なので、K=12÷1×2=0.5となり、K<2.25の場合なので、欠け歯なしと検出する。
【0209】
今回検出したクランク信号が5の場合は、Tn−2=1、Tn−1=2、Tn=1なので、K=22÷1×1=4となり、K≧2.25の場合なので、1歯欠けと検出する。
【0210】
今回検出したクランク信号が8の場合は、Tn−2=1、Tn−1=2、Tn=1なので、K=22÷1×1=4となり、K≧2.25の場合なので、1歯欠けと検出する。
【0211】
ここで、クランク信号8で1歯欠け検出を行い、前回1歯欠け検出したクランク信号5との間隔が3(=8−5)であるため、クランク角度の基準位置B75°CA(A)と検出する。
【0212】
クランク信号22で欠け歯検出する。このときは、前回検出した欠け歯の位置はクランク信号8で、間隔が3又は2(≠22−8)でないため、今回のクランク信号22の位置はB75°CAと判定しない。
【0213】
続いて、クランク信号24で欠け歯検出する。このときは、前回検出した欠け歯の位置はクランク信号22で、間隔が2(=24−22)であるため、クランク角度の基準位置B75°CA(B)と検出する。
【0214】
図16は、この発明の実施の形態7に係る内燃機関のクランク角度検出装置の動作を示すフローチャートである。
【0215】
欠け歯判定値Kを用いて欠け歯検出を行う動作までは、上述したとおり上記実施の形態1と同様である。
【0216】
欠け歯検出を行った場合は、ステップ501において、電子制御装置18は、前回検出した欠け歯のクランク信号と、今回検出した欠け歯のクランク信号の間隔(クランク信号数)(N)を求める。
【0217】
次に、ステップ502において、信号数間隔(N)の判定を行う。N=3の場合はステップ503へ進み、N=2の場合はステップ504へ進み、Nが2でも3でもない場合には、クランク角度の基準位置の判定を実施しない。
【0218】
ステップ503において、今回検出した角度位置は、クランク角度の基準位置B75°CA(A)であると判定する。
【0219】
ステップ504において、今回検出した角度位置は、クランク角度の基準位置B75°CA(B)であると判定する。
【0220】
この実施の形態7では、クランク信号によって、クランク角度と気筒グループA、Bの判定ができる。つまり、4気筒エンジンでは、カム信号ベーンには2種類の情報(気筒判別信号)を持たせることで、気筒判別が行えるため、カム信号ベーンの情報を簡素化することができる。
【0221】
実施の形態8.
この発明の実施の形態8に係る内燃機関のクランク角度検出装置について図面を参照しながら説明する。
【0222】
図17は、この発明の実施の形態8に係る6気筒エンジンのクランク信号パターンを示す図である。
【0223】
図17に示す6気筒エンジンのクランク信号パターンに対応するクランク信号ベーンでは、各点火行程区間(120°CA)に角度間隔20°CAの欠け歯を2箇所ずつ設置している。
【0224】
さらに、最初の点火行程区間(120°CA)では、1番目の欠け歯(1歯欠け)(クランク信号2〜3)と、2番目の欠け歯(1歯欠け)(クランク信号5〜6)の角度間隔は20°CAとし、2番目の点火行程区間(120°CA)では、1番目の欠け歯(1歯欠け)(クランク信号11〜12)と、2番目の欠け歯(1歯欠け)(クランク信号15〜16)の角度間隔は30°CAとし、3番目の点火行程区間(120°CA)では、1番目の欠け歯(1歯欠け)(クランク信号23〜24)と、2番目の欠け歯(1歯欠け)(クランク信号25〜26)の角度間隔は10°CAとしている。
【0225】
上記実施の形態7と同様に、電子制御装置18は、クランク信号の検出毎に欠け歯判定値Kの演算を行い、欠け歯判定値Kの範囲によって欠け歯数(欠け歯の有無)の検出を行う。
【0226】
図17に従い、欠け歯検出方法の説明を行う。なお、ここではクランク信号周期は簡易的に角度間隔の比率としている。
【0227】
今回検出したクランク信号が4の場合は、Tn−2=1、Tn−1=2、Tn=1なので、K=22÷1×1=4となり、K≧2.25の場合なので、1歯欠けと検出する。
【0228】
続いて、今回検出したクランク信号が7の場合は、Tn−2=1、Tn−1=2、Tn=1なので、K=22÷1×1=4となり、K≧2.25の場合なので、1歯欠けと検出する。
【0229】
ここで、クランク信号7で1歯欠け検出を行い、前回1歯欠け検出したクランク信号4との間隔が3(=7−4)であるため、クランク角度の基準位置B75°CA(A)と検出する。
【0230】
今回検出したクランク信号が13の場合は、Tn−2=1、Tn−1=2、Tn=1なので、K=22÷1×1=4となり、K≧2.25の場合なので、1歯欠けと検出する。しかしながら、前回1歯欠け検出したクランク信号7との間隔が6(=13−7)であるため、クランク角度の位置判定は行なわない。
【0231】
続いて、今回検出したクランク信号が17の場合は、Tn−2=1、Tn−1=2、Tn=1なので、K=22÷1×1=4となり、K≧2.25の場合なので、1歯欠けと検出する。
【0232】
ここで、クランク信号17で1歯欠け検出を行い、前回1歯欠け検出したクランク信号13との間隔が4(=17−13)であるため、クランク角度の基準位置B75°CA(B)と検出する。
【0233】
今回検出したクランク信号が25の場合は、Tn−2=1、Tn−1=2、Tn=1なので、K=22÷1×1=4となり、K≧2.25の場合なので、1歯欠けと検出する。しかしながら、前回1歯欠け検出したクランク信号17との間隔が8(=25−17)であるため、クランク角度の位置判定は行なわない。
【0234】
続いて、今回検出したクランク信号が27の場合は、Tn−2=1、Tn−1=2、Tn=1なので、K=22÷1×1=4となり、K≧2.25の場合なので、1歯欠けと検出する。
【0235】
ここで、クランク信号27で1歯欠け検出を行い、前回1歯欠け検出したクランク信号25との間隔が2(=27−25)であるため、クランク角度の基準位置B75°CA(C)と検出する。
【0236】
この実施の形態8では、クランク信号によって、クランク角度と気筒グループA、B、Cの判定ができる。つまり、6気筒エンジンでは、カム信号ベーンには2種類の情報(気筒判別信号)を持たせることで、気筒判別が行えるため、カム信号ベーンの情報を簡素化することができる。
【0237】
次に、この実施の形態8の別の例について説明する。
【0238】
図18は、この発明の実施の形態8の別の例に係る3気筒エンジンのクランク信号パターンを示す図である。
【0239】
図18に示す3気筒エンジンのクランク信号パターンに対応するクランク信号ベーンでは、各点火行程区間(240°CA)の半分の角度範囲(120°CA)に角度間隔20°CAの欠け歯を2箇所ずつ設置している。
【0240】
この図18は、3気筒エンジン1サイクル(720°CA間)のクランク信号パターンと、角度位置の関係を示したものである。
【0241】
電子制御装置18は、今回欠け歯検出を行い、前回欠け歯検出とのクランク信号間隔(N)によって、角度位置の判定を行う。すなわち、間隔N=3のときは、クランク角度の基準位置B75°CA(A)、又はA45°CA(A)と判定する。また、間隔N=4のときは、クランク角度の基準位置B75°CA(B)、又はA45°C(B)と判定する。さらに、間隔N=2のときには、クランク角度の基準位置B75°CA(C)、又はA45°CA(C)と判定する。
【0242】
この実施の形態8の別の例では、クランク信号によって、クランク角度と気筒グループA、B、Cの判定ができる。つまり、3気筒エンジンで、B75で気筒判別を行う場合には、B75(A)とB75(B)とA45を区別すればよい。カム信号ベーンには3種類の情報(気筒判別信号)を持たせることで、気筒判別が行えるため、カム信号ベーンの情報を簡素化することができる。
【0243】
以上のように、上記各実施の形態によれば、クランク信号ベーン16に気筒グループ判別手段(欠け歯)を設定したため、気筒判別を行うためにカム信号ベーンに設定すべき情報の簡素化を図ることができる。
【0244】
クランク信号ベーンに気筒グループ判別手段がなく、かつカム信号ベーンの直径が小さく複雑な気筒判別信号を設定できなかった場合には、特定気筒の判定に複数の点火行程を要していたものが、カム信号のパターン(気筒判別信号)が簡素化したため、小さい径のカム信号ベーンにも情報(気筒判別信号)を設定することができ、気筒判別を1点火行程で行うことができる。
【0245】
また、これまでは、精密な加工によってカム信号ベーンを形成していたものが、カム信号パターンの簡素化によって加工の難易度が下がるためコストの低減ができる。
【0246】
さらに、これまでは、複雑なカム信号パターンの検出のため、精度の高いセンサを用いる必要があったが、センサの精度を低下することができ、コストを下げることができる。
【0250】
【発明の効果】
この発明に係る内燃機関のクランク角度検出装置は、以上説明したとおり、内燃機関のクランク軸に同期して回転し、円周上の所定のクランク角度毎に歯が設置され、かつ第1の所定数の歯が欠けた第1の欠け歯部、及び第2の所定数の歯が欠けた第2の欠け歯部が設置されたクランク信号ベーンと、前記クランク信号ベーンに近接して取り付けられ、前記歯に対応してパルス状のクランク信号パターンを出力するクランク角センサと、前記クランク信号パターンに基づいてクランク信号周期を計算し、前記計算したクランク信号周期に基づいて欠け歯判定値を算出する判定値算出手段と、この欠け歯判定値が予め定められた欠け歯領域のいずれに該当するかを判定する領域判定手段と、この領域判定手段から時系列的に得られる複数の領域判定値を予め定められた判別パターンと比較して欠け歯数を判別する欠け歯数判別手段とを有し、判別した欠け歯数に基づいてクランク角度の基準位置を検出する電子制御装置とを備え、前記判別パターンが、時系列的に隣接する3種の領域基準値を有し、いずれか一方で隣接する2種の領域基準値の値が部分的に重複しているので、欠け歯の検出の余裕度が向上し、特に検出余裕度が向上し、機関の急激な角速度変動などに対しても欠け歯判別の信頼性が著しく向上することができるという効果を奏する。
【0251】
この発明に係る内燃機関のクランク角度検出装置は、以上説明したとおり、前記判別パターンが、欠け歯部と欠け歯部との間に存在する歯数をも欠け歯数判別の要素としているので、欠け歯判別の精度、信頼性が著しく向上するという効果を奏する。
【0252】
この発明に係る内燃機関のクランク角度検出装置は、以上説明したとおり、前記欠け歯領域が、(前回のクランク信号周期)/(前々回のクランク信号周期)の値と、(前回のクランク信号周期)/(今回のクランク信号周期)の値とに基づいて設定されているので、欠け歯の検出の余裕度が向上するという効果を奏する。
【0253】
この発明に係る内燃機関のクランク角度検出装置は、以上説明したとおり、前記電子制御装置が、前記判別した欠け歯数に基づいてクランク角度の基準位置を検出すると共に、気筒グループを判定するので、クランク角度と気筒グループを判定することができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の実施の形態1に係る内燃機関のクランク角度検出装置の構成を示す図である。
【図2】 この発明の実施の形態1に係る4気筒エンジンのクランク信号ベーンを示す図である。
【図3】 この発明の実施の形態1に係る4気筒エンジンのクランク信号パターンを示す図である。
【図4】 この発明の実施の形態1に係る内燃機関のクランク角度検出装置の動作を示すフローチャートである。
【図5】 この発明の実施の形態2に係る内燃機関のクランク角度検出装置の動作を示すフローチャートである。
【図6】 この発明の実施の形態2に係る内燃機関のクランク角度検出装置の欠け歯数判定時の欠け歯領域を示す図である。
【図7】 この発明の実施の形態2に係る4気筒エンジンの欠け歯数判定マップを示す図である。
【図8】 この発明の実施の形態3に係る6気筒エンジンのクランク信号ベーンを示す図である。
【図9】 この発明の実施の形態3に係る6気筒エンジンのクランク信号パターンを示す図である。
【図10】 この発明の実施の形態4に係る6気筒エンジンの欠け歯数判定マップを示す図である。
【図11】 この発明の実施の形態4の別の例に係る6気筒エンジンのクランク信号パターンを示す図である。
【図12】 この発明の実施の形態5に係る3気筒エンジンのクランク信号ベーンを示す図である。
【図13】 この発明の実施の形態5に係る3気筒エンジンのクランク信号パターンを示す図である。
【図14】 この発明の実施の形態6の別の例に係る3気筒エンジンのクランク信号パターンを示す図である。
【図15】 この発明の実施の形態7に係る4気筒エンジンのクランク信号パターンを示す図である。
【図16】 この発明の実施の形態7に係る内燃機関のクランク角度検出装置の動作を示すフローチャートである。
【図17】 この発明の実施の形態8に係る6気筒エンジンのクランク信号パターンを示す図である。
【図18】 この発明の実施の形態8の別の例に係る3気筒エンジンのクランク信号パターンを示す図である。
【符号の説明】
1 内燃機関、6 インジェクタ、10 点火コイル、11 点火プラグ、12 カム信号センサ、13 カム信号ベーン、14 カム軸、15 クランク角センサ、16 クランク信号ベーン、17 クランク軸、18 電子制御装置(ECU)。
Claims (4)
- 内燃機関のクランク軸に同期して回転し、円周上の所定のクランク角度毎に歯が設置され、かつ第1の所定数の歯が欠けた第1の欠け歯部、及び第2の所定数の歯が欠けた第2の欠け歯部が設置されたクランク信号ベーンと、
前記クランク信号ベーンに近接して取り付けられ、前記歯に対応してパルス状のクランク信号パターンを出力するクランク角センサと、
前記クランク信号パターンに基づいてクランク信号周期を計算し、前記計算したクランク信号周期に基づいて欠け歯判定値を算出する判定値算出手段と、この欠け歯判定値が予め定められた欠け歯領域のいずれに該当するかを判定する領域判定手段と、この領域判定手段から時系列的に得られる複数の領域判定値を予め定められた判別パターンと比較して欠け歯数を判別する欠け歯数判別手段とを有し、判別した欠け歯数に基づいてクランク角度の基準位置を検出する電子制御装置とを備え、
前記判別パターンは、時系列的に隣接する3種の領域基準値を有し、いずれか一方で隣接する2種の領域基準値の値が部分的に重複している
ことを特徴とする内燃機関のクランク角度検出装置。 - 前記判別パターンは、欠け歯部と欠け歯部との間に存在する歯数をも欠け歯数判別の要素としている
ことを特徴とする請求項1記載の内燃機関のクランク角度検出装置。 - 前記欠け歯領域は、
(前回のクランク信号周期)/(前々回のクランク信号周期)の値と、(前回のクランク信号周期)/(今回のクランク信号周期)の値とに基づいて設定されている
ことを特徴とする請求項1又は2記載の内燃機関のクランク角度検出装置。 - 前記電子制御装置は、前記判別した欠け歯数に基づいてクランク角度の基準位置を検出すると共に、気筒グループを判定する
ことを特徴とする請求項1記載の内燃機関のクランク角度検出装置。
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