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JP3786741B2 - 電子写真感光体 - Google Patents
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  • Polyesters Or Polycarbonates (AREA)

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、電子写真感光体に関し、より詳しくは、長時間にわたり繰り返し使用に対して優れた機械的強度及び電子写真特性を維持し、種々の電子写真分野に好適に利用できる電子写真感光体に関する。
【0002】
【従来の技術】
最近の電子写真分野においては、積層型の電子写真感光体、即ち、感光層が、露光により電荷を発生させる電荷発生層(CGL)と電荷を輸送する電荷輸送層(CTL)との少なくとも2層を有する積層型の有機電子写真感光体(OPC)や、感光層が電荷発生物質及び電荷輸送物質をバインダー樹脂に分散させた単一層からなる単層型の電子写真感光体が提案され利用されている。
【0003】
一方、電子写真感光体には、適応される電子写真プロセスに応じた所定の感度、電気特性、光学特性を備えていることが要求される。特に、繰り返し使用される感光体には、その感光体の表面層、即ち基体(通常は導電性基板)より最も離れて位置する層には、コロナ帯電、トナー現像、紙への転写、クリーニング処理等の際に、電気的、機械的外力が直接に加えられるため、それらに対する耐久性が要求される。具体的には、摩擦による表面の摩耗や傷の発生、高温下においてのコロナ帯電時に発生するオゾンによる表面の劣化などに対する耐久性が要求される。そこで、このような要求に対応するために、上記積層型の電子写真感光体の電荷輸送層や単層型電子写真感光体の感光層のバインダー樹脂としては、電荷輸送物質との相溶性がよく、しかも機械強度が高いビスフェノールAあるいはビスフェノールZを原料とするポリカーボネート樹脂が広く利用されてきた。しかしながら、このビスフェノールAやビスフェノールZを原料とするポリカーボネート樹脂をもってしても上記要求を満足させるには不十分である。
【0004】
すなわち、ビスフェノールAやビスフェノールZを原料とするポリカーボネート樹脂は、溶媒に溶解させて感光層を形成するための塗工液を調製する際に、塗工液が白化又はゲル化し、塗工、乾燥後の感光層が結晶化を起こすことがある。この結晶化を起こした部分では、光減衰がなく、電荷は残留電位となって残り、画質上ディフェクトとなって出現する。
【0005】
また、ビスフェノールAやビスフェノールZを原料とするポリカーボネート樹脂を用いた感光体はその表面硬度不足から、摩耗や傷の発生が起こり耐久性に劣る。
これらの問題を解決すべく、剛直成分であるビフェノール骨格を共重合により導入したポリカーボネート(特開平4−179961号公報)、及びビニル型架橋構造の導入(特開平4−291348号公報)等が提案されている。しかし、剛直成分としてビフェノール骨格を導入したポリカーボネートに関しては、分子鎖の絡み合いが十分でなく、機械的強度が不足しているため、十分な耐摩耗性が得られていない。また、ビニル型架橋ポリカーボネートにおいては、耐摩耗性にある程度の向上はみられるが依然十分ではなく、また、架橋にラジカル化学種が用いられるため、ラジカル化学種に敏感な電荷発生物質、電荷輸送物質などの劣化の問題が生じている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記事情に基づいてなされたものであり、バインダー樹脂としてビスフェノールA、ビスフェノールZ、4,4′−ビフェノール、ビニル架橋性ビスフェノールを原料とする上記のポリカーボネートを用いた電子写真感光体に認められる上記の問題点を解決し、電荷輸送物質との相溶性が良い上に、溶媒に溶解しても白化又はゲル化を起こさず、かつ、高い表面硬度及び耐摩耗性を有するポリカーボネートを用いて作製される長期間に亘って優れた電子写真特性を維持する電子写真感光体を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、前記問題点を解決すべく研究を重ねた結果、電荷輸送層のバインダー樹脂原料であるポリカーボネートをイオン機構により三次元網目構造に架橋させることにより、分子鎖が十分に絡み合って高い表面硬度及び耐摩耗性が向上し、しかも、イオン機構で架橋するため、ラジカルに敏感な電荷発生物質や電荷輸送物質の劣化も防ぐことができ、その結果長期間の繰り返し使用に対しても優れた耐摩耗性及び電子写真特性に優れた電子写真感光体が得られることを見出し、この知見に基づいて本発明を完成するに至った。
【0008】
即ち、本発明は、導電性基体上に感光層を設けた電子写真感光体において、感光層がイオン機構で架橋した架橋ポリカーボネートをバインダー樹脂として含有することを特徴とする電子写真感光体を提供するものである。
【0009】
【発明の実施の形態】
本発明の電子写真感光体は上記特定の物質で形成された感光層が導電性基体上に形成されたものである限り、その構造に特に制限はなく、単層型、積層型等の公知の種々の形式の電子写真感光体はもとより、どのようなものとしてもよい。積層型電子写真感光体は、通常、感光層が電荷発生物質を含有する少なくとも1層の電荷発生層と、電荷輸送物質及びバインダー樹脂を含有する少なくとも1層の電荷輸送層とを有するものであり、単層型電子写真感光体は、通常、感光層が電荷発生物質、電荷輸送物質及びバインダー樹脂を含有する1層のみからなるものである。
【0010】
架橋ポリカーボネートをバインダー樹脂とする電子写真感光体は、通常、導電性基体上に架橋前の架橋性ポリカーボネート及び架橋剤を含有する感光層を形成した後、この架橋性ポリカーボネートを架橋させることによって製造される。
本発明の電子写真感光体の製造においては、架橋性ポリカーボネートの架橋は、架橋剤を用いるイオン機構による架橋反応によって行う。
【0011】
イオン機構による架橋反応は、求核性基を持つ架橋性ポリカーボネートと求電子性架橋剤の反応による架橋、求電子性基を持つ架橋性ポリカーボネートと求核性架橋剤の反応による架橋、ルイス酸により重合を起こす反応基を持つ架橋性ポリカーボネートとルイス酸性架橋剤による架橋、及び、求核性基をもつ架橋性ポリカーボネートと求電子性基を持つ架橋性ポリカーボネートとの反応による架橋が挙げられる。
【0012】
求核性基としては−OH(エポキシ基の開環による生じる−OHも含む)、−SH、−COOH、−NH2、−NRH、−NR2等が挙げられる。求電子性基としてはエポキシ基、ハロゲン基、カルボニル基、シアノ基、イソシアネート基、イミノ基、スルホン酸エステル基等が挙げられる。ルイス酸により重合反応を起こす反応基としては、エポキシ基、カルボニル基、ビニル基などが挙げられる。
【0013】
求核性架橋剤としては、脂肪族ポリアミン、例えば、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミン、ヘキサメチレンジアミン、N−アミノエチルピペラジン、ビス−アミノプロピルピペラジン、ジシアンジアミド、ポリオキシプロピレンジアミン、3,3′−ジメチル−4,4′−ジアミノジシクロヘキシルメタン、4,4′−ジアミノジシクロヘキシルメタン、イソホロンジアミン等、芳香族アミン、例えば、4,4′−ジアミノジフェニルメタン、4,4′−ジアミノジフェニルエーテル、ジアミノジフェニルスルホン、フェニレンジアミン、トルイレンジアミン、キシリレンジアミン等、3級アミン、例えばジメチルアミノメチルフェノール、更に、ケチミン、イミダゾール、メラミン樹脂、尿素樹脂、フェノール樹脂などが挙げられる。
【0014】
求電子性架橋剤としては、酸無水物、例えば、無水マレイン酸、無水ドデセニルこはく酸、無水クロレンディック酸、無水セバシン酸、無水フタル酸、無水ピロメリット酸、無水トリメリット酸、シクロペンタン・テトラカルボン酸二水和物、ヘキサヒドロ無水フタル酸、メチルヘキサヒドロ無水フタル酸、テトラメチレン無水マレイン酸、テトラヒドロ無水フタル酸、メチル・テトラヒドロ無水フタル酸、エンドメチレンテトラヒドロ無水フタル酸、メチルエンドメチレンテトラヒドロ無水フタル酸、無水メチルナジック酸等、イソシアナート、ブロックイソシアナート、エポキシ樹脂、例えば、ビスフェノールA型エポキシ樹脂(エポキシ当量:通常、150〜4000)、ノボラック型エポキシ樹脂(エポキシ当量:通常、150〜4000)多塩基酸のグリシジルエステル、多価アルコールのグリシジルエーテル、多価アミンのグリシジル付加体等のグリシジル型樹脂等)、及びジシクロペンタジエンジオキシド、ビニルシクロヘキセンジオキシド等の非グリシジル型樹脂などが挙げられる。
【0015】
ルイス酸性架橋剤としては、ハロゲン化ホウ素錯化合物、例えば、3フッ化ホウ素・モノメチルアミン錯化合物、3フッ化ホウ素・トリエタノールアミン錯化合物、3フッ化ホウ素・ピペリジン錯化合物、3フッ化ホウ素・n−ブチルエーテル錯化合物、3フッ化ホウ素・アミン錯化合物などが挙げられる。
上記のうち、求核性基と求電子性架橋剤の全ての組み合わせ、求電子性基と求核性架橋剤の全ての組み合わせ、及びルイス酸による重合反応を起こす反応基とルイス酸性架橋剤の全ての組み合わせにより、本発明におけるバインダー樹脂材料であるイオン架橋ポリカーボネートが生成可能である。中でも好ましい組み合わせは以下の通りである。
(1)架橋性ポリカーボネートが求核性基としてアミノ基、特に−NH2又は−NHR2を持つもので、求電子性架橋剤がエポキシ樹脂;
(2)架橋性ポリカーボネートが求核性基として−CO2H又は−(CO2)Oを持つもので、求電子性架橋剤がエポキシ樹脂;
(3)架橋性ポリカーボネートが求核性基として−OHを持つものであり、求電子性架橋剤がエポキシ樹脂;
(4)架橋性ポリカーボネートが求核性基として−SHを持つものであり、求電子性架橋剤がエポキシ樹脂;
(5)架橋性ポリカーボネートが求電子性基としてエポキシ基を有するものであり、求核性架橋剤が脂肪族ポリアミン;
(6)架橋性ポリカーボネートがルイス酸により重合反応を起こす反応基としてエポキシ基を有するものであり、ルイス酸性架橋剤がハロゲン化ホウ素。
【0016】
即ち、本発明においては、イオン機構で架橋反応しうる官能基を有するポリカーボネートとして、炭素数2又は3の環状エーテル基を持つ繰り返し単位或は炭素数2又は3の環状エーテル基を持つ末端基を有する架橋性ポリカーボネート、又は、エポキシ基と結合可能な基を持つ繰り返し単位或はエポキシ基と結合可能な基を持つ末端基を有する架橋性ポリカーボネートを用いることが好ましい。
【0017】
また、これらの架橋性ポリカーボネートは、塩化メチレンを溶媒とする0.5g/dl濃度の溶液の20℃における還元粘度が通常0.05〜20.0dl/g、好ましくは0.1〜5.0dl/g、より好ましくは0.1〜0.5dl/gであることが望ましい。還元粘度が0.1dl/g未満の架橋性ポリカーボネートを用いると、架橋後であっても得られる架橋ポリカーボネートをバインダー樹脂として含有する層の表面硬度が不足し、電子写真感光体表面が摩耗しやすくなることがある。また、架橋性ポリカーボネートの還元粘度が20.0dl/gを超えると、架橋性ポリカーボネートの溶液粘度が上昇し、塗工液の塗布による電子写真感光体の製造が困難になることがある。
【0018】
炭素数2又は3の環状エーテル基を持つ繰り返し単位或は炭素数2又は3の環状エーテル基を持つ末端基を有する架橋性ポリカーボネートとしては、特に、下記構造を有するものが好適である。
【0019】
【化28】
Figure 0003786741
【0020】
[式中、s、t及びuはモル数を表し、
Aは下記一般式(I)で表される繰り返し単位(I)を表し、
【0021】
【化29】
Figure 0003786741
【0022】
(式中、Rは各々独立にハロゲン原子、炭素数1〜10の置換若しくは無置換のアルキル基、炭素数1〜10の置換若しくは無置換のアルキルオキシ基、炭素数1〜10のアルキルチオ基、炭素数5〜7の置換若しくは無置換のシクロアルキル基、炭素数6〜24の置換若しくは無置換のアリール基、炭素数6〜12の置換若しくは無置換のアリールオキシ基又は炭素数6〜12のアリールチオ基を表し、a及びbは各々独立に0〜4の整数を表し、Yは単結合或は−O−、−CO−、−S−、−SO−、−SO2−、−CR56−(R5及びR6は各々独立に、水素原子、トリフルオロメチル基、炭素数1〜6のアルキル基又は炭素数6〜12の置換若しくは無置換のアリール基である。)、炭素数5〜11の置換若しくは無置換の1,1−シクロアルキリデン基、炭素数2〜12のα,ω−アルキレン基又は下記式(a)
【0023】
【化30】
Figure 0003786741
【0024】
(式中、cは0〜4の整数である。)で表される2価基を表す。)
1は下記一般式(II)、(III)又は(IV)で表される繰り返し単位(II)、(III)又は(IV)を表し、
【0025】
【化31】
Figure 0003786741
【0026】
(式中、R1、R2、R3及びR4は各々独立に水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜10の置換若しくは無置換のアルキル基、炭素数1〜10の置換若しくは無置換のアルキルオキシ基、炭素数1〜10のアルキルチオ基、炭素数5〜7の置換若しくは無置換のシクロアルキル基、炭素数6〜24の置換若しくは無置換のアリール基、炭素数6〜12の置換若しくは無置換のアリールオキシ基又は炭素数6〜12のアリールチオ基を表し、R2とR3とは炭素数1〜4のメチレン鎖で互いに連結されていてもよく、n1及びn2は各々独立に0又は1の整数を表す。)
【0027】
【化32】
Figure 0003786741
【0028】
(式中、R、R1及びn1は上記と同じ意味を有し、n3及びn4は各々独立に0〜4の整数を表し、n5は0〜6の整数を表し、n6は1又は2であり、n14は1又は2であり、ただしn1+n14は2である。)
【0029】
【化33】
Figure 0003786741
【0030】
(式中、R、Y、n3、n4、n5及びn6は上記と同じ意味を有し、n7及びn8は各々独立に0〜4の整数を表し、ただしn7+n8は1〜8の整数であり、n3+n7は0〜4の整数であり、n4+n8は0〜4の整数である。)
1は下記一般式(V)、(VI)又は(VII)で表される末端基(V)、(VI)又は(VII)を表す。
【0031】
【化34】
Figure 0003786741
【0032】
(式中、R、n5及びn6は上記と同じ意味を有し、n9は0〜4の整数を表し、n10は1〜5の整数を表し、ただしn9+n10は1〜5の整数である。)
【0033】
【化35】
Figure 0003786741
【0034】
(式中、R、R1、R2、R3、R4、n2及びn9は上記と同じ意味を有し、n13は0〜5の整数を表し、n11及びn12は各々独立に0又は1であり、n11+n12は1又は2である。)
【0035】
【化36】
Figure 0003786741
【0036】
(式中、n5は0〜6の整数を表し、n6は1又は2である。)]
エポキシ基と結合可能な基を持つ繰り返し単位又はエポキシ基と結合可能な基を持つ末端基を有する架橋性ポリカーボネートとしては、特に、下記構造を有するものが好適である。
【0037】
【化37】
Figure 0003786741
【0038】
[式中、s、t及びuはモル数を表し、
Aは上記一般式(I)で表される繰り返し単位(I)を表し、
2は下記一般式(VIII)又は(IX)で表される繰り返し単位(VIII)又は(IX)を表し、
【0039】
【化38】
Figure 0003786741
【0040】
(式中、R、n3及びn4は上記と同じ意味を有し、Vは
【0041】
【化39】
Figure 0003786741
【0042】
(式中、R及びn5は上記と同じ意味を有し、FGは
【0043】
【化40】
Figure 0003786741
【0044】
を表し、R7及びR8は各々独立に水素原子、炭素数1〜10の置換若しくは無置換のアルキル基、炭素数5〜7の置換若しくは無置換のシクロアルキル基又は炭素数6〜24の置換若しくは無置換のアリール基を表す。)
【0045】
【化41】
Figure 0003786741
【0046】
(式中、R、Y、FG、n3、n4、n5、n7及びn8は上記と同じ意味を有し、同一繰り返し単位中に存在する2つの−COOH基は下記式(b)
【0047】
【化42】
Figure 0003786741
【0048】
の構造をとっていてもよい。)
2は下記一般式(X)又は(XI)で表される末端基(X)又は(XI)を表す。
【0049】
【化43】
Figure 0003786741
【0050】
(式中、R、FG、n5、n9及びn10は上記と同じ意味を有する)
【0051】
【化44】
Figure 0003786741
【0052】
(式中、FG及びn5は上記と同じ意味を有する。)]
上記の架橋性ポリカーボネートとしては、直鎖状、環状のいずれであってもよく、更に、合成時に末端停止剤や分岐剤等を用いることにより、ポリマー末端に特殊な末端構造や特殊な分岐構造が導入されているものであってもよい。
上記の炭素数2又は3の環状エーテル基を持つ繰り返し単位或は炭素数2又は3の環状エーテル基を持つ末端基を有する架橋性ポリカーボネートにおいて、繰り返し単位A及びW1並びに末端基Z1のモル数を表すs、t及びu、並びに、上記のエポキシ基と結合可能な基を持つ繰り返し単位又はエポキシ基と結合可能な基を持つ末端基を有する架橋性ポリカーボネートにおいて、繰り返し単位A及びW2並びに末端基Z2のモル数を表すs、t及びuは、s/(s+t+u)=0.00〜0.99、t/(s+t+u)=0.00〜0.99、u/(s+t+u)=0.00〜0.30、(s+t)/(s+t+u)=0.01〜1.00、(t+u)/(s+t+u)=0.01〜1.00の関係を有する。好ましくは、s/(s+t+u)=0.30〜0.95、t/(s+t+u)=0.00〜0.70、u/(s+t+u)=0.00〜0.30、(s+t)/(s+t+u)=0.30〜1.00、(t+u)/(s+t+u)=0.05〜0.70である。より好ましくは、s/(s+t+u)=0.50〜0.90、t/(s+t+u)=0.00〜0.50、u/(s+t+u)=0.00〜0.30、(s+t)/(s+t+u)=0.50〜1.00、(t+u)/(s+t+u)=0.10〜0.50である。
【0053】
上記一般式中のR、R1、R2、R3及びR4が表すハロゲン原子としてはフッ素原子、塩素原子、臭素原子及びヨウ素原子が挙げられ、特に塩素原子が好ましい。
上記一般式中のR5及びR6が表す炭素数1〜6のアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、イソブチル基、n−ペンチル基、ネオペンチル基、n−ヘキシル基が挙げられ、特にメチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基及びtert−ブチル基が好ましい。
【0054】
上記一般式中のR、R1、R2、R3、R4、R7及びR8が表す炭素数1〜10のアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、イソブチル基、n−ペンチル基、ネオペンチル基、n−ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基が挙げられ、特にメチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基及びtert−ブチル基が好ましい。
【0055】
上記一般式中のR、R1、R2、R3、R4、R7及びR8が表す炭素数5〜11のシクロアルキル基、並びにR5及びR6が表す炭素数5〜7のシクロアルキル基としては、例えば、シクロペンチル基、シクロヘキシル基及びシクロヘプチル基が挙げられる。
上記一般式中のR、R1、R2、R3及びR4が表す炭素数1〜10のアルキルオキシ基としては、例えば、メトキシ基、エトキシ基、n−プロピルオキシ基、イソプロポキシ基、n−ブトキシ基、sec−ブトキシ基、tert−ブトキシ基、イソブトキシ基、ペンチルオキシ基、ヘキシルオキシ基、ヘプチルオキシ基、オクチルオキシ基、ノニルオキシ基、デシルオキシ基が挙げられ、特にメトキシ基、エトキシ基、イソプロポキシ基及びtert−ブトキシ基が好ましい。
【0056】
上記一般式中のR、R1、R2、R3及びR4が表す炭素数1〜10のアルキルチオ基としては、例えば、メチルチオ基、エチルチオ基、プロピルチオ基、イソプロピルチオ基、ブチルチオ基、sec−ブチルチオ基、tert−ブチルチオ基、イソブチルチオ基、ペンチルチオ基、ヘキシルチオ基、ヘプチルチオ基、オクチルチオ基、ノニルチオ基、デシルチオ基が挙げられ、特にメチルチオ基、エチルチオ基、イソプロピルチオ基、tert−ブチルチオ基が好ましい。
【0057】
上記一般式中のR5及びR6が表す炭素数6〜12のアリール基としては、例えば、フェニル基、ナフチル基及びビフェニリル基が挙げられ、特にフェニル基が好ましい。
上記一般式中のR、R1、R2、R3、R4、R7及びR8が表す炭素数6〜24のアリール基としては、例えば、フェニル基、ナフチル基、ビフェニリル基、ターフェニル基、クォーターフェニル基、アントラセニル基、フェナントレニル基が挙げられ、特にフェニル基が好ましい。
【0058】
上記一般式中のR、R1、R2、R3及びR4が表す炭素数6〜12のアリールオキシ基としては、例えば、フェニルオキシ基、ナフチルオキシ基、ビフェニリルオキシ基が挙げられ、特にフェニルオキシ基が好ましい。
上記一般式中のR、R1、R2、R3及びR4が表す炭素数6〜12のアリールチオ基としては、例えば、フェニルチオ基、ナフチルチオ基、ビフェニリルチオ基が挙げられ、特にフェニルチオ基が好ましい。
【0059】
なお、上記のR、R1、R2、R3、R4、R5、R6、R7及びR8が表す各種アルキル基、並びに、R、R1、R2、R3及びR4が表す各種アルキルオキシ基の置換基としては、各々独立に、フッ素、塩素、臭素及びヨウ素からなるハロゲン基、炭素数6〜12の芳香族炭化水素、例えばフェニル基、ナフチル基及びビフェニル基、炭素数1〜4のアルコキシル基、例えば、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、イソプロポキシ基、ブトキシ基、sec−ブトキシ基、tert−ブトキシ基及びイソブトキシ基、炭素数1〜4のアルキルチオ基、例えばメチルチオ基、炭素数6〜12のアリールチオ基、例えばフェニルチオ基が挙げられ、このうち1つ、又は複数の置換基が各々独立に、結合可能な全ての位置に結合することができる。
【0060】
また、上記のR、R1、R2、R3、R4、R5、R6、R7及びR8が表す各種アリール基、R、R1、R2、R3、R4、R7及びR8が表す各種シクロアルキル基、並びに、R、R1、R2、R3及びR4が表す各種アリールオキシ基の置換基としては、各々独立に、フッ素、塩素、臭素及びヨウ素からなるハロゲン基、炭素数1〜4のアルキル基、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基及びイソブチル基、炭素数6〜12の芳香族炭化水素、例えばフェニル基、ナフチル基及びビフェニル基、炭素数1〜4のアルコキシル基、例えば、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、イソプロポキシ基、ブトキシ基、sec−ブトキシ基、tert−ブトキシ基及びイソブトキシ基、炭素数1〜4のアルキルチオ基、例えばメチルチオ基、炭素数6〜12のアリールチオ基、例えばフェニルチオ基が挙げられ、このうち1つ、又は複数の置換基が各々独立に、結合可能な全ての位置に結合することができる。
【0061】
上記の繰り返し単位(II)の具体例としては、例えば、下記のものが挙げられる。
【0062】
【化45】
Figure 0003786741
【0063】
上記の繰り返し単位(III)の具体例としては、例えば、下記のものが挙げられる。
【0064】
【化46】
Figure 0003786741
【0065】
上記の繰り返し単位(IV)の具体例としては、例えば、下記のものが挙げられる。
【0066】
【化47】
Figure 0003786741
【0067】
上記の末端基(V)の具体例としては、例えば、下記のものが挙げられる。
【0068】
【化48】
Figure 0003786741
【0069】
上記の末端基(VI)の具体例としては、例えば、下記のものが挙げられる。
【0070】
【化49】
Figure 0003786741
【0071】
上記の末端基(VII)の具体例としては、例えば、下記のものが挙げられる。
【0072】
【化50】
Figure 0003786741
【0073】
上記の繰り返し単位(VIII)の具体例としては、例えば、下記のものが挙げられる。
【0074】
【化51】
Figure 0003786741
【0075】
上記の繰り返し単位(IX)の具体例としては、例えば、下記のものが挙げられる。
【0076】
【化52】
Figure 0003786741
【0077】
上記の末端基(X)の具体例としては、例えば、下記のものが挙げられる。
【0078】
【化53】
Figure 0003786741
【0079】
上記の末端基(XI)の具体例としては、例えば、下記のものが挙げられる。
【0080】
【化54】
Figure 0003786741
【0081】
上記のイオン機構で架橋反応しうる官能基を有する架橋性ポリカーボネートは、(1)イオン機構で架橋反応しうる官能基を有する2価フェノール類に、炭酸エステル形成性化合物を反応させることにより、又は(2)イオン機構で架橋反応しうる官能基を持たない2価フェノール類及びイオン機構で架橋反応しうる官能基を有する2価フェノール類に炭酸エステル形成性化合物を反応させることにより、又は(3)イオン機構で架橋反応しうる官能基を有する2価フェノール類及びイオン機構で架橋反応しうる官能基を有する1価フェノール又はアルコール類に炭酸エステル形成性化合物を反応させることにより、又は(4)イオン機構で架橋反応しうる官能基を持たない2価フェノール類、イオン機構で架橋反応しうる官能基を有する2価フェノール類及びイオン機構で架橋反応しうる官能基を有する1価フェノール又はアルコール類に炭酸エステル形成性化合物を反応させることにより、又は(5)イオン機構で架橋反応しうる官能基を持たない2価フェノール類及びイオン機構で架橋反応しうる官能基を有する1価フェノール又はアルコール類に炭酸エステル形成性化合物を反応させることにより、合成することができる。
【0082】
また、イオン機構で架橋反応しうる官能基は、ポリカーボネートの重合を行った後に、高分子反応で導入することもできる。例えば、エポキシ基を有する架橋性ポリカーボネートは、エチレン性二重結合を有する2価フェノール類を用いてポリカーボネートを合成したのち、得られたポリカーボネートの酸化反応によりエポキシ化することができる。
【0083】
上記各種のポリカーボネートの合成方式としては例えば、炭酸エステル形成性化合物としてホスゲン等を用い、適当な酸結合剤の存在下に上記1価及び2価フェノール類と重縮合させるか、或は炭酸エステル形成性化合物としてビスアリールカーボネートを用い、エステル交換反応を行う方式が挙げられる。1価及び2価フェノール類としては、特に制限はなく、公知のものを含む化合物から各々1種又は2種以上を任意に選択して用いることができる。
【0084】
以下に、本発明に好適な前記架橋性ポリカーボネートの合成に用いられる1価及び2価フェノール類について説明する。
一般式(I)で表される繰り返し単位(I)の導入には、下記一般式(I′)で表される2価フェノール(I′)が用いられる。
【0085】
【化55】
Figure 0003786741
【0086】
(式中、R、Y、a及びbは上記と同じ意味を有する。)
この一般式(I′)で表される2価フェノール類(I′)の具体例としては、例えば、4,4′−ジヒドロキシビフェニル、3,3′−ジフルオロ−4,4′−ジヒドロキシビフェニル、4,4′−ジヒドロキシ−3,3′−ジメチルビフェニル、4,4′−ジヒドロキシ−2,2′−ジメチルビフェニル、4,4′−ジヒドロキシ−3,3′−ジシクロヘキシルビフェニル等の4,4′−ジヒドロキシビフェニル類;ビス(4−ヒドロキシフェニル)メタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)エタン、1,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)エタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン(別名:ビスフェノールA)、2,2−ビス(3−メチル−4−ヒドロキシフェニル)ブタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ブタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)オクタン、4,4−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ヘプタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1,1−ジフェニルメタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1−フェニルエタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1−フェニルメタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロペンタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、2,2−ビス(3−メチル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2−(3−メチル−4−ヒドロキシフェニル)−2−(4−ヒドロキシフェニル)−1−フェニルエタン、ビス(3−メチル−4−ヒドロキシフェニル)メタン、1,1−ビス(3−メチル−4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、2,2−ビス(2−メチル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、1,1−ビス(2−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)ブタン、1,1−ビス(2−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)エタン、1,1−ビス(2−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロパン、1,1−ビス(2−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)ブタン、1,1−ビス(2−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)イソブタン、1,1−ビス(2−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)ヘプタン、1,1−ビス(2−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)−1−フェニルメタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシ−2−メチル−5−tert−ペンチルフェニル)ブタン、ビス(3−クロロ−4−ヒドロキシフェニル)メタン、ビス(3,5−ジブロモ−4−ヒドロキシフェニル)メタン、2,2−ビス(3−クロロ−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(3−フルオロ−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(3−ブロモ−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(3,5−ジフルオロ−4−ヒドロキシフェニル)プロパン(別名:テトラフルオロビスフェノールA)、2,2−ビス(3,5−ジクロロ−4−ヒドロキシフェニル)プロパン(別名:テトラクロロビスフェノールA)、2,2−ビス(3,5−ジブロモ−4−ヒドロキシフェニル)プロパン(別名:テトラブロモビスフェノールA)、2,2−ビス(3−ブロモ−4−ヒドロキシ−5−クロロフェニル)プロパン、2,2−ビス(3,5−ジクロロ−4−ヒドロキシフェニル)ブタン、2,2−ビス(3,5−ジブロモ−4−ヒドロキシフェニル)ブタン、1−フェニル−1,1−ビス(3−フルオロ−4−ヒドロキシフェニル)エタン、1,1−ビス(3−シクロヘキシル−4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、2,2−ビス(3−ヒドロキシフェニル)−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス(3−フェニル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、1,1−ビス(3−フェニル−4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン等のビス(4−ヒドロキシフェニル)アルカン類;ビス(4−ヒドロキシフェニル)エーテル、ビス(3−フルオロ−4−ヒドロキシフェニル)エーテル等のビス(4−ヒドロキシフェニル)エーテル類;ビス(4−ヒドロキシフェニル)スルフィド、ビス(3−メチル−4−ヒドロキシフェニル)スルフィド等のビス(4−ヒドロキシフェニル)スルフィド類;ビス(4−ヒドロキシフェニル)スルホン、ビス(3−メチル−4−ヒドロキシフェニル)スルホン、ビス(3−フェニル−4−ヒドロキシフェニル)スルホン等のビス(4−ヒドロキシフェニル)スルホン類;4,4′−ジヒドロキシベンゾフェノン;9,9−ビス(4−ヒドロキシフェニル)フルオレン、9,9−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)フルオレン、9−(4−ヒドロキシフェニル)−9−(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)フルオレン等の9,9−ビス(4−ヒドロキシフェニルフルオレン類などが挙げられる。
【0087】
中でも好適に用いられる2価フェノール類は、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1,1−ジフェニルメタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1−フェニルエタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3−フェニルフェニル)プロパン、4,4′−ジヒドロキシビフェニル及びビス(4−ヒドロキシフェニル)スルホンであり、特に2,2ービス(4−ヒドロキシフェニル)プロパンが好適に用いられる。
【0088】
これらの2価フェノールは、1種単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
上記一般式(II)で表される繰り返し単位(II)の導入には、下記一般式(II′−1)又は(II′−2)で表される2価フェノール(II′−1)又は(II′−2)が用いられる。
【0089】
【化56】
Figure 0003786741
【0090】
(式中、R1、R2、R3、R4、n1及びn2は上記と同じ意味を有する。)
これらの2価フェノール(II′−1)及び(II′−2)の具体例としては、例えば、下記のものが挙げられる。
【0091】
【化57】
Figure 0003786741
【0092】
上記一般式(III)で表される繰り返し単位(III)の導入には、下記一般式(III′−1)又は(III′−2)で表される2価フェノール(III′−1)又は(III′−2)が用いられる。
【0093】
【化58】
Figure 0003786741
【0094】
(式中、R、R1、n1、n3、n4、n5、n6及びn14は上記と同じ意味を有する。)
これらの2価フェノール(III′−1)及び(III′−2)の具体例としては、例えば、下記のものが挙げられる。
【0095】
【化59】
Figure 0003786741
【0096】
上記一般式(IV)で表される繰り返し単位(IV)の導入には、下記一般式(IV′−1)又は(IV′−2)で表される2価フェノール(IV′−1)又は(IV′−2)が用いられる。
【0097】
【化60】
Figure 0003786741
【0098】
(式中、R、Y、n3、n4、n5、n6、n7及びn8は上記と同じ意味を有する。)
上記の2価フェノール(IV′−1)及び(IV′−2)の具体例としては、例えば、下記のものが挙げられる。
【0099】
【化61】
Figure 0003786741
【0100】
これらの2価フェノール(II′−1)、(II′−2)、(III′−1)、(III′−2)、(IV′−1)及び(IV′−2)は、各々単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
上記一般式(V)で表される末端基(V)の導入には、下記一般式(V′−1)又は(V′−2)で表される1価フェノール(V′−1)又は(V′−2)が用いられる。
【0101】
【化62】
Figure 0003786741
【0102】
(式中、R、n5、n6、n9及びn10は上記と同じ意味を有する。)
上記の1価フェノール(V′−1)及び(V′−2)の具体例としては、例えば、下記のものが挙げられる。
【0103】
【化63】
Figure 0003786741
【0104】
上記一般式(VI)で表される末端基(VI)の導入には、下記一般式(VI′−1)又は(VI′−2)で表される1価フェノール(VI′−1)又は(VI′−2)が用いられる。
【0105】
【化64】
Figure 0003786741
【0106】
(式中、R、R1、R2、R3、R4、n2、n9、n11、n12及びn13は上記と同じ意味を有する。
上記の1価フェノール(VI′−1)及び(IV′−2)の具体例としては、例えば、下記のものが挙げられる。
【0107】
【化65】
Figure 0003786741
【0108】
上記一般式(VII)で表される末端基(VII)の導入には、下記一般式(VII′−1)又は(VII′−2)で表される1価アルコール(VII′−1)又は(VII′−2)が用いられる。
【0109】
【化66】
Figure 0003786741
【0110】
(式中、n5及びn6は上記と同じ意味を有する。)
上記の1価アルコール(VII′−1)及び(VII′−2)の具体例としては、例えば、下記のものが挙げられる。
【0111】
【化67】
Figure 0003786741
【0112】
これらの1価フェノール(V′−1)、(V′−2)、(VI′−1)、(VI′−2)及び1価アルコール(VII′−1)及び(VII′−2)は、各々単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
上記一般式(VIII)で表される繰り返し単位(VIII)の導入には、下記一般式(VIII′)で表される2価フェノール(VIII′)が用いられる。
【0113】
【化68】
Figure 0003786741
【0114】
(式中、R、V、n3及びn4は上記と同じ意味を有する。)
上記の2価フェノール(VIII′)の具体例としては、例えば、下記のものが挙げられる。
【0115】
【化69】
Figure 0003786741
【0116】
上記一般式(IX)で表される繰り返し単位(IX)の導入には、下記一般式(IX′)で表される2価フェノール(IX′)が用いられる。
【0117】
【化70】
Figure 0003786741
【0118】
(式中、Y、FG、n3、n4、n5、n7及びn8は上記と同じ意味を有する。)
上記の2価フェノール(IX′)の具体例としては、例えば、下記のものが挙げられる。
【0119】
【化71】
Figure 0003786741
【0120】
これらの2価フェノール(VIII′)及び(IX′)は、各々単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
上記一般式(X)で表される末端基(X)の導入には、下記一般式(X′)で表される1価フェノール(X′)が用いられる。
【0121】
【化72】
Figure 0003786741
【0122】
(式中、R、FG、n5、n9及びn10は上記と同じ意味を有する。)
上記の1価フェノール(X′)の具体例としては、例えば、下記のものが挙げられる。
【0123】
【化73】
Figure 0003786741
【0124】
上記一般式(XI)で表される末端基(XI)の導入には、下記一般式(XI′)で表される1価アルコール(XI′)が用いられる。
【0125】
【化74】
Figure 0003786741
【0126】
上記の1価アルコール(XI′)の具体例としては、例えば、下記のものが挙げられる。
【0127】
【化75】
Figure 0003786741
【0128】
これらの1価フェノール(X′)及び1価アルコール(XI′)は、各々単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
なお、上記各種2価フェノール、1価フェノール、1価アルコールのうち、エチレン性二重結合を有するものを用いてポリカーボネートを合成した場合は、得られたポリカーボネートを前駆体として、例えば、二重結合に対して過剰量のメタクロロ過安息香酸を塩化メチレン中で一昼夜ほど反応させることにより、エポキシ基を有する架橋性ポリカーボネートとすることができる。
【0129】
また、上記のイオン機構により架橋しうる官能基を有するポリカーボネートの合成に際しては、上記原料以外にも、必要に応じ、分岐剤、末端停止剤を用いてもよい。
分岐剤としては、3価以上のフェノール又はカルボン酸を用いることができる。
【0130】
分岐剤の例としては、フロログリシン、ピロガロール、4,6−ジメチル−2,4,6−トリス(4−ヒドロキシフェニル)−2−ヘプテン、2,4−ジメチル−2,4,6−トリス(4−ヒドロキシフェニル)ヘプタン、2,6−ジメチル−2,4,6−トリス(4−ヒドロキシフェニル)−3−ヘプテン、1,3,5−トリス(2−ヒドロキシフェニル)ベンゼン、1,3,5−トリス(4−ヒドロキシフェニル)ベンゼン、1,1,1−トリス(4−ヒドロキシフェニル)エタン、トリス(4−ヒドロキシフェニル)フェニルメタン、2,2−ビス(4,4−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキシル)プロパン、2,4−ビス{2−(4−ヒドロキシフェニル)−2−プロピル}フェノール、2,6−ビス(2−ヒドロキシ−5−メチルベンジル)−4−メチルフェノール、2−(4−ヒドロキシフェニル)−2−(2,4−ジヒドロキシフェニル)プロパン、テトラキス(4−ヒドロキシフェニル)メタン、テトラキス(4−(4−ヒドロキシフェニルイソプロピル)フェノキシ)メタン、1,4−ビス(4′、4″−ジヒドロキシトリフェニルメチル)ベンゼン、2,4−ジヒドロキシ安息香酸、トリメシン酸、シアヌル酸、3,3−ビス(3−メチル−4−ヒドロキシフェニル)−2−オキソ−2,3−ジヒドロインドール、3,3−ビス(4−ヒドロキシアリール)オキシインドール、5−クロロイサチン、5,7−ジクロロイサチン、5−ブロモイサチン等が挙げられる。
【0131】
この中で好ましく用いられるのは、フロログリシン、1,3,5−トリス(4−ヒドロキシフェニル)ベンゼン、1,1,1−トリス(4−ヒドロキシフェニル)エタン等である。
末端停止剤としては、一価のカルボン酸及びその誘導体、一価のフェノールを用いることができる。
【0132】
具体的な例としては、フェノール、α−ナフトール、β−ナフトール、o−クレゾール、m−クレゾール、p−クレゾール、2,3−キシレノール、2,4−キシレノール、2,5−キシレノール、2,6−キシレノール、3,4−キシレノール、3,5−キシレノール、p−エチルフェノール,p−プロピルフェノール、p−ブチルフェノール、p−ぺンチルフェノール、p−ヘキシルフェノール、p−ヘプチルフェノール、p−オクチルフェノール、p−ノニルフェノール、p−デシルフェノール、p−ウンデシルフェノール、p−ドデシルフェノール、p−イソプロピルフェノール、p−tert−ブチルフェノール、2,6−ジメチル−p−tert−ブチルフェノール、2−tert−ペンチル−4−メチルフェノール、3−メチル−6−tert−ブチルフェノール、2−メチル−4,6−ジ−tert−ブチルフェノール、2,4−ジ−tert−ブチルフェノール、2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェノール、4−tert−ペンチルフェノール、2,4,6−トリ−tert−ブチルフェノール、p−フェニルフェノール、2,6−ジ−tert−ブチル−4−フェニルフェノール、2,6−ジ−sec−ブチル−4−メチルフェノール、o−アニソール、m−アニソール、p−アニソール、o−クロロフェノール、m−クロロフェノール、p−クロロフェノール、o−ブロモフェノール、m−ブロモフェノール、p−ブロモフェノール、p−エトキシフェノール、o−アミノフェノール、m−アミノフェノール、p−アミノフェノール、p−シアノフェノール、p−ニトロフェノール、3−メチル−6−イソプロピルフェノール、2−メチル−5−イソプロピルフェノール、パーフルオロブタン酸、パーフルオロぺンタン酸、パーフルオロヘキサン酸、パーフルオロヘプタン酸、パーフルオロオクタン酸、パーフルオロノナン酸、パーフルオロデカン酸、パーフルオロウンデカン酸、パーフルオロドデカン酸、パーフルオロトリデカン酸、パーフルオロテトラデカン酸、パーフルオロぺンタデカン酸、パーフルオロヘキサデカン酸、パーフルオロオクタデカン酸、2H,2H−パーフルオぺンタン酸、2H,2H−パーフルオロヘキサン酸、2H,2H−パーフルオロヘプタン酸、2H,2H−パーフルオロオクタン酸、2H,2H−パーフルオロノナン酸、2H,2H−パーフルオロデカン酸、2H,2H−パーフルオロウンデカン酸、2H,2H−パーフルオロドデカン酸、2H,2H−パーフルオロトリデカン酸、2H,2H,3H,3H−パーフルオロヘキサン酸、2H,2H,3H,3H−パーフルオロヘプタン酸、2H,2H,3H,3H−パーフルオロオクタン酸、2H,2H,3H,3H−パーフルオロノナン酸、2H,2H,3H,3H−パーフルオロデカン酸、2H,2H,5H−パーフルオペンタン酸、2H,2H,6H−パーフルオロヘキサン酸、2H,2H,7H−パーフルオロヘプタン酸、2H,2H,8H−パーフルオロオクタン酸、2H,2H,9H−パーフルオロノナン酸、2H,2H,10H−パーフルオロデカン酸、2H,2H,11H−パーフルオロウンデカン酸、2H,2H,12H−パーフルオロドデカン酸、2H,2H,13H−パーフルオロウンデカン酸、又はこれらの酸ハロゲン化物、p−(パーフルオロペンチル)フェノール、p−(パーフルオロヘキシル)フェノール、p−(パーフルオロヘプチル)フェノール、p−(パーフルオロオクチル)フェノール、p−(パーフルオロノニル)フェノール、p−(パーフルオロデシル)フェノール、p−(パーフルオロウンデシル)フェノール、p−(パーフルオロドデシル)フェノール、p−(パーフルオロトリデシル)フェノール、p−(パーフルオロテトラデシル)フェノール、p−(パーフルオロペンタデシル)フェノール、p−(パーフルオロブチルオキシ)フェノール、p−(パーフルオロペンチルオキシ)フェノール、p−(パーフルオロヘキシルオキシ)フェノール、p−(パーフルオロヘプチルオキシ)フェノール、p−(パーフルオロオクチルオキシ)フェノール、p−(パーフルオロノニルオキシ)フェノール、p−(パーフルオロデシルオキシ)フェノール、p−(パーフルオロウンデシルオキシ)フェノール、p−(パーフルオロドデシルオキシ)フェノール、p−(パーフルオロトリデシルオキシ)フェノール、p−(パーフルオロテトラデシルオキシ)フェノール、p−(パーフルオロペンタデシルオキシ)フェノール、4−パーフルオロオクチル−2,3,5,6−テトラフルオロフェノール、4−パーフルオロノニル−2,3,5,6−テトラフルオロフェノール、4−パーフルオロデシル−2,3,5,6−テトラフルオロフェノール、4−パーフルオロウンデシル−2,3,5,6−テトラフルオロフェノール、4−パーフルオロドデシル−2,3,5,6−テトラフルオロフェノール、4−パーフルオロトリデシル−2,3,5,6−テトラフルオロフェノール、4−パーフルオロテトラデシル−2,3,5,6−テトラフルオロフェノール、4−パーフルオロペンタデシル−2,3,5,6−テトラフルオロフェノール、p−tert−パーフルオロブチルフェノール、3−メチル−4−パーフルオロノニルフェノール、p−(2−(1H,1H−パーフルオロオクチルオキシ)−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロ−2−プロピル)フェノール、p−(2−(1H,1H−パーフルオロノニルオキシ)−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロ−2−プロピル)フェノール、p−(2−(1H,1H−パーフルオロデシルオキシ)−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロ−2−プロピル)フェノール、p−(2−(1H,1H−パーフルオロウンデシルオキシ)−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロ−2−プロピル)フェノール、p−(2−(1H,1H−パーフルオロドデシルオキシ)−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロ−2−プロピル)フェノール、3,5−ビス(パーフルオロヘキシルオキシカルボニル)フェノール、p−(1H,1H−パーフルオロペンチルオキシ)フェノール、p−(1H,1H−パーフルオロヘキシルオキシ)フェノール、p−(1H,1H−パーフルオロヘプチルオキシ)フェノール、p−(1H,1H−パーフルオロオクチルオキシ)フェノール、p−(1H,1H−パーフルオロノニルオキシ)フェノール、p−(1H,1H−パーフルオロデシルオキシ)フェノール、p−(1H,1H−パーフルオロウンデシルオキシ)フェノール、p−(1H,1H−パーフルオロドデシルオキシ)フェノール、p−(1H,1H−パーフルオロトリデシルオキシ)フェノール、p−ヒドロキシ安息香酸パーフルオロペンチル、p−ヒドロキシ安息香酸パーフルオロヘキシル、p−ヒドロキシ安息香酸パーフルオロヘプチル、p−ヒドロキシ安息香酸パーフルオロオクチル、p−ヒドロキシ安息香酸パーフルオロノニル、p−ヒドロキシ安息香酸パーフルオロデシル、p−ヒドロキシ安息香酸パーフルオロウンデシル、p−ヒドロキシ安息香酸パーフルオロドデシル、(p−ヒドロキシベンジル)パーフルオロヘキサン、(p−ヒドロキシベンジル)パーフルオロヘプタン、(p−ヒドロキシベンジル)パーフルオロオクタン、(p−ヒドロキシベンジル)パーフルオロノナン、(p−ヒドロキシベンジル)パーフルオロデカン、(p−ヒドロキシベンジル)パーフルオロウンデカン、(p−ヒドロキシベンジル)パーフルオロドデカン等が挙げられる。
【0133】
この中で好ましく用いられるのは、p−(tert−ブチル)フェノール、p−フェニルフェノール、p−(パーフロオロノニルフェニル)フェノール、p−(パーフルオロキシルフェニル)フェノール、p−tert−パーフルオロブチルフェノール、1−(p−ヒドロキシベンジル)パーフルオロデカン、p−(2−(1H,1H−パーフルオロトリデシルオキシ)−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロピル)フェノール、3,5−ビス(パーフルオロヘキシルオキシカルボニル)フェノール、p−ヒドロキシ安息香酸パーフルオロドデシル、p−(1H,1H−パーフルオロオクチルオキシ)フェノール、2H,2H,9H−パーフルオロノナン酸等が挙げられる。
【0134】
末端停止剤(上記の炭素数又はの環状エーテル基又はエポキシ基と結合可能な基を持つ1価フェノール及び1価アルコールを含む。)及び分岐剤は、上記の2価フェノール類と共存させて使用するが、その方法としては、上記2種又は3種の原料化合物と最初から共存させて反応を行い高分子量化する方法、2価フェノール類からなるオリゴマーを作った後、高分子量化する際に両方とも共存させ高分子量化する方法、2価フェノール類からなるオリゴマーを作った後、先にオリゴマーに末端停止剤を共存させてオリゴマーと反応させ、次に分岐剤を共存させ高分子量化する方法、2価フェノール類からなるオリゴマーを作った後、先にオリゴマーに分岐剤を共存させてオリゴマーと反応させ、次に末端停止剤を共存させ高分子量化する方法等、各種の方法を採用することができる。
【0135】
炭酸エステル形成性化合物として前記ホスゲンをはじめとする各種のジハロゲン化カルボニル、クロロホルメート等のハロホルメート類、炭酸エステル化合物などを用い、酸結合剤の存在下に重縮合を行う反応は、通常、溶媒中で行われる。ホスゲン等のガス状の炭酸エステル形成性化合物を使用する場合、これを反応系に吹き込む方法が好適に採用できる。
【0136】
炭酸エステル形成性化合物の使用割合は、反応の化学量論比(当量)を考慮して適宜調整すればよい。
前記酸結合剤としては、例えば水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等のアルカリ金属水酸化物、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム等のアルカリ金属炭酸塩、ピリジン等の有機塩基或いはこれらの混合物などが用いられる。
【0137】
酸結合剤の使用割合も、反応の化学量論比(当量)を考慮して適宜定めればよい。具体的には、使用する2価フェノール類の合計モル数(通常1モルは2当量に相当)に対して2当量若しくはこれより過剰量、好ましくは2〜10当量の酸結合剤を用いることが好ましい。
前記溶媒としては、公知のポリカーボネートの製造に使用されるものなど各種の溶媒を1種単独で或いは混合溶媒として使用すればよい。代表的な例としては、例えば、トルエン、キシレン等の炭化水素溶媒、塩化メチレン、クロロホルム、クロロベンゼンをはじめとするハロゲン化炭化水素溶媒などが挙げられる。互いに混ざり合わない2種の溶媒を用いて界面重縮合反応を行ってもよい。
【0138】
また、重縮合反応を促進するために、トリエチルアミン等の第三級アミン又は第四級アンモニウム塩などの触媒を添加して反応を行うことが望ましい。また、所望に応じ、亜硫酸ナトリウム、ハイドロサルファイドなどの酸化防止剤を少量添加してもよい。反応は、通常、0〜150℃、好ましくは5〜40℃の範囲の温度で行われる。反応圧力は、減圧、常圧、加圧のいずれでも可能であるが、通常は、常圧若しくは反応系の自圧程度で好適に行い得る。反応時間は、反応温度等によって左右されるが、通常0.5分間〜10時間、好ましくは1分間〜2時間程度である。
【0139】
また、まず2価フェノール類からなる反応原料の一部と炭酸エステル形成性物質とを反応させてオリゴマーを生成せしめ、次いで残りの反応原料を添加して重縮合を完結させる2段階法を用いることもできる。このような2段階法によれば、反応の制御が容易であり、精度の高い分子量コントロールを行うことができる。
【0140】
後者の2価フェノール類とビスアリールカーボネートとのエステル交換法に用いられるビスアリールカーボネートとしては、例えば、ジフェニルカーボネート、ジ−p−トリルカーボネート、フェニル−p−トリルカーボネート、ジ−p−クロロフェニルカーボネート、ジナフチルカーボネート等が挙げられる。
このエステル交換法の反応形式としては、溶融重縮合法、固相重縮合法などが好適である。溶融重縮合法を行う場合は、2価フェノール類とビスアリールカーボネートとを混合し、減圧下で高温において溶融状態で反応させる。反応は、通常150〜350℃、好ましくは200〜300℃の範囲の温度において行われる。固相重縮合法を行う場合は、2価フェノール類とビスアリールカボネートとを混合し、固相状態のまま、生成架橋性ポリカーボネートの融点以下の温度に加熱して重縮合を行う。いずれの場合においても、反応の最終段階で減圧度を好ましくは1mmHg以下にして、エステル交換反応により生成した上記ビスアリールカーボネートから由来するフェノール類を系外へ留去させる。反応時間は反応温度や減圧度などによって左右されるが、通常1〜4時間程度である。反応は窒素やアルゴンなどの不活性ガス雰囲気下で行うことが好ましく、また、所望に応じて前記の分子量調節剤や酸化防止剤などを添加して反応を行ってもよい。
【0141】
得られる架橋性ポリカーボネートの還元粘度を前記の範囲にするには、例えば、前記反応条件の選択、前記分岐剤や末端停止剤の使用量の調節など、各種の方法によってなすことができる。また、場合により、得られた架橋性ポリカーボネートに適宜物理的処理(混合、分画など)及び/又は化学的処理(ポリマー反応、架橋処理、部分分解処理など)を施して、所定の還元粘度の架橋性ポリカーボネートとして取得することもできる。
【0142】
架橋剤の使用量は、上記架橋性ポリカーボネート1重量部に対し、通常、0.01〜1.0重量部、好ましくは0.05〜0.5重量部とすることが好ましい。架橋剤の使用量が0.01重量部未満では架橋が十分に進行せず、1.0重量部を超えると、未反応の架橋剤が架橋ポリカーボネートの耐摩耗性や電子写真感光体の電子写真特性に悪影響を及ぼすことがある。
【0143】
また、必要に応じて、フェノール系、トリフェニルホスフェート系、三級アミン系、イミダゾール系、ポリメルカプタン系等の硬化促進剤などを添加することもできる。
このイオン機構による架橋性ポリカーボネートの架橋反応は、架橋性ポリカーボネートを含有する感光層材料を導電性基体上に塗工した後、架橋剤に関する公知文献(大成社、架橋剤ハンドブック、244−257頁、1981、等)、ポリカーボネートに関する公知文献(日刊工業社、プラスチック材料講座[5]、ポリカーボネート樹脂、39〜43頁、等)、エポキシ樹脂に関する公知文献(接着の技術、14、3、1〜33頁、1994、等)などに記載された方法に準拠して行うことができる。
【0144】
例えば、架橋反応条件は、上記架橋性ポリカーボネート、架橋剤等の組み合わせ等で異なるが、架橋温度が50℃〜250℃、好ましくは100〜200℃、架橋時間が50時間以内、好ましくは1〜10時間となる組み合わせを選択することが好ましい。架橋温度が50℃未満であると、樹脂溶液の保存安定性が悪くなり、250℃を超えると加熱により電荷発生物質、電荷輸送物質等が劣化し、電子写真特性に悪影響を与えることがある。また、架橋時間が50時間を超えると、電荷発生物質、電荷輸送物質等の加熱による劣化が進行すると共に、電子写真感光体の生産性が悪くなる。
【0145】
本発明の電子写真感光体は、感光層中のバインダー樹脂材料として、イオン機構により架橋反応しうる架橋性ポリカーボネートを用い、上記の架橋反応を行うことによって好適に製造することができる。
本発明の電子写真感光体に用いられる導電性基体の材料としては、公知のものなど各種のものを使用することができ、具体的にはアルミニウム、ニッケル、クロム、パラジウム、チタン、金、銀、銅、亜鉛、ステンレス、モリブデン、インジウム、白金、真鍮、酸化鉛、酸化錫、酸化インジウム、ITO若しくはグラファイトの板、ドラム及びシート、並びに蒸着、スパッタリング、塗布等によりコーティングするなどして導電処理したガラス、布、紙若しくはプラスチックのフィルム、シート及びシームレスベルト、アルミニウム等の金属箔を積層したプラスチックフィルム、シート及びシームレスベルト、並びに金属板のフィルム状シート及びシームレスベルト、並びに電極酸化などにより金属酸化処理した金属ドラムなどを使用することができる。
【0146】
積層型電子写真感光体の電荷発生層は少なくとも電荷発生物質を含むものであり、この電荷発生層はその下地となる基板上に真空蒸着、スパッタ法、CVD法等により電荷発生物質の層を形成せしめるか、又はその下地となる層上に電荷発生物質をバインダー樹脂を用いて結着してなる層を形成せしめることによって得ることができる。バインダー樹脂を用いる電荷発生層の形成方法としては公知の方法等、各種の方法を使用することができるが、通常、例えば、電荷発生物質をバインダー樹脂と共に適当な溶媒により分散若しくは溶解した塗工液を、所定の下地となる層上に塗布し、乾燥せしめる方法が好適に用いられる。
【0147】
前記電荷発生物質としては、公知のものなど各種のものを使用することができ、具体的には、非晶質セレン、三方晶セレン等のセレン単体、テルル単体、セレン−テルル合金、セレン−ヒ素合金等のセレンの合金、As2Se3等のセレン還元化合物若しくはセレン含有組成物、酸化亜鉛、硫化カドミウム、硫化アンチモン、硫化亜鉛、CdS−Se等の合金、第12族及び第16族元素からなる無機材料、酸化チタン等の酸化物系半導体、アモルファスシリコンなどのシリコン系材料等の各種の無機材料、τ型無金属フタロシアニン、χ型無金属フタロシアニン等の無金属フタロシアニン顔料、α型銅フタロシアニン、β型銅フタロシアニン、γ型銅フタロシアニン、ε型銅フタロシアニン、X型銅フタロシアニン、A型チタニルフタロシアニン、B型チタニルフタロシアニン、C型チタニルフタロシアニン、D型チタニルフタロシアニン、E型チタニルフタロシアニン、F型チタニルフタロシアニン、H型チタニルフタロシアニン、G型チタニルフタロシアニン、K型チタニルフタロシアニン、L型チタニルフタロシアニン、M型チタニルフタロシアニン、N型チタニルフタロシアニン、Y型チタニルフタロシアニン、オキソチタニウムフタロシアニン、X線回折図におけるブラック角2θが27.3±0.2度に強い回折ピークを示すチタニルフタロシアニンなどの金属フタロシアニン顔料、シアニン染料、アントラセン顔料、ビスアゾ顔料、ピレン顔料、多環キノン顔料、キナクリドン顔料、インジゴ顔料、ぺリレン顔料、ピリリウム染料、チアピリリウム染料、ポリビニルカルバゾール、スクェアリウム顔料、アントアントロン顔料、ベンズイミダゾール顔料、アゾ顔料、チオインジゴ顔料、ビスベンゾイミダゾール顔料、キノリン顔料、レーキ顔料、オキサジン顔料、ジオキサジン顔料、トリフェニルメタン顔料、アズレニウム染料、スクウェアリウム染料、トリアリールメタン染料、キサンチン染料、チアジン染料などが挙げられる。
【0148】
例えば、下記一般式で表されるような化合物が好適に用いられる。
【0149】
【化76】
Figure 0003786741
【0150】
[式中、Z1、Z2、Z3及びZ4は各々独立にピロール環上の2個の炭素原子と共に、置換基を有していてもよい芳香族炭化水素環若しくは複素環を形成することができる原子団を表し、Mは2個の水素原子又は配位子を有していてもよい金属原子若しくは金属化合物を表す。]
【0151】
【化77】
Figure 0003786741
【0152】
[式中、Ar6は芳香族系炭化水素環又は複素環を含んでいてもよい共役系を有するt価の残基を表し、tは1以上の正数であり、Cpは芳香族系水酸基を有するカップラー残基を表し、tが2以上の場合は、各々のCpは同一であっても異なっていてもよい。]
【0153】
【化78】
Figure 0003786741
【0154】
[式中、X2、X3、X4及びX5は、各々独立に、酸素原子、硫黄原子、セレン原子を表し、RP及びRQは炭素数1〜12のアルキル基若しくはアリール基を表し、X2若しくはX3とRP及びX4若しくはX5とRQとで置換基を有していてもよい複素環を形成していてもよい。]
フルオレン系ジスアゾ顔料としては、以下のような例がある。
【0155】
【化79】
Figure 0003786741
【0156】
【化80】
Figure 0003786741
【0157】
【化81】
Figure 0003786741
【0158】
ペリレン系顔料としては、以下のような例がある。
【0159】
【化82】
Figure 0003786741
【0160】
【化83】
Figure 0003786741
【0161】
多環キノン顔料としては、以下のような例がある。
【0162】
【化84】
Figure 0003786741
【0163】
アントアントロン顔料としては、以下のような例がある。
【0164】
【化85】
Figure 0003786741
【0165】
ジベンズピレンキノン顔料としては、以下のような例がある。
【0166】
【化86】
Figure 0003786741
【0167】
ピラントロン顔料としては、以下のような例がある。
【0168】
【化87】
Figure 0003786741
【0169】
これらの顔料を単独または2種以上を混合して用いることもできる。
電荷発生層の厚さは、0.01〜2.0μmが好ましく、0.1〜0.8μmがより好ましい。0.01μm未満であると、電荷発生層を均一に形成することが困難であり、2.0μmを超えると、電子写真特性が低下する傾向がある。
前記電荷発生層に用いられるバインダー樹脂としては、特に制限はなく、公知のものなど各種のものを使用できる。具体的には、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル、ポリ酢酸ビニル、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリビニルアセタール、アルキッド樹脂、アクリル樹脂、ポリアクリロニトリル、ボリカーボネート、ポリウレタン、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、ポリアミド、ポリケトン、ポリアクリルアミド、ブチラール樹脂、ポリエステル、塩化ビニリデン−塩化ビニル共重合体、メタクリル樹脂、ポリスチレン、スチレン−ブタジエン共重合体、塩化ビニリデン−アクリロニトリル共重合体、塩化ビニル−酢酸ビニル−無水マレイン酸共重合体、シリコーン樹脂、シリコーン−アルキッド樹脂、フェノール−ホルムアルデヒド樹脂、スチレン−アルキッド樹脂、ポリ−N−ビニルカルバゾール、ポリビニルブチラール、ポリビニルフォルマール、ポリスルホン、カゼイン、ゼラチン、ポリビニルアルコール、エチルセルロース、ニトロセルロース、カルボキシ−メチルセルロース、塩化ビニリデン系ポリマーラテックス、アクリロニトリル−ブタジエン共重合体、ビニルトルエン−スチレン共重合体、大豆油変性アルキッド樹脂、ニトロ化ポリスチレン、ポリメチルスチレン、ポリイソプレン、ポリチオカーボネート、ポリアリレート、ポリハロアリレート、ポリアリルエーテル、ポリビニルアクリレート、メラミン樹脂、ポリエーテル樹脂、ベンゾグアナミン樹脂、エポキシアクリレート樹脂、ウレタンアクリレート樹脂、ポリエステルアクリレート等の熱硬化性樹脂を使用することができる。
【0170】
上記電荷発生層におけるバインダー樹脂材料として上記の架橋性ポリカーボネートを上記架橋剤とともに使用することもできる。
次に、電荷輸送層は、下地となる層(例えば電荷発生層)上に、電荷輸送物質をバインダー樹脂で結着してなる層を形成することによって得ることができる。この電荷輸送層の形成方法としては、公知の方法等の各種の方式を使用することができるが、通常、上記電荷輸送物質を上記架橋前の架橋性ポリカーボネート及び、架橋反応に必要な架橋剤等と共に適当な溶媒に分散若しくは溶解した塗工液を、所定の下地となる層上に塗布し、乾燥及び架橋性ポリカーボネートを架橋させる方式などが使用される。電荷輸送層形成に用いられる電荷輸送物質と架橋性ポリカーボネートとの配合割合は、好ましくは重量で20:80〜80:20、更に好ましくは30:70〜70:30である。
【0171】
この電荷輸送層の形成において、上記架橋性ポリカーボネートは1種単独で用いることもできるし、また、2種以上を混合して用いることもできる。また、本発明の目的達成を阻害しない範囲で、前記電荷発生層に用いられるバインダー樹脂として挙げたような他の樹脂を上記架橋性ポリカーボネートと併用することもできる。
【0172】
電荷輸送物質としては、公知のものなど各種のものを使用することができる。例えば、カルバゾール化合物、インドール化合物、イミダゾール化合物、オキサゾール化合物、ピラゾール化合物、オキサジアゾール化合物、ピラゾリン化合物、チアジアゾール化合物、アニリン化合物、ヒドラゾン化合物、芳香族アミン化合物、脂肪族アミン化合物、スチルべン化合物、フルオレノン化合物、キノン化合物、キノジメタン化合物、チアゾール化合物、トリアゾール化合物、イミダゾロン化合物、イミダゾリジン化合物、ビスイミダゾリジン化合物、オキサゾロン化合物、ベンゾチアゾール化合物、ベンズイミダゾール化合物、キナゾリン化合物、ベンゾフラン化合物、アクリジン化合物、フェナジン化合物、ポリ−N−ビニルカルバゾール、ポリビニルピレン、ポリビニルアントラセン、ポリビニルアクリジン、ポリ−9−ビニルフェニルアントラセン、ピレン−ホルムアルデヒド樹脂、エチルカルバゾール樹脂、あるいはこれらを主鎖、側鎖に有する重合体が用いられ、好ましくは下記一般式で表されるような化合物が用いられる。
【0173】
【化88】
Figure 0003786741
【0174】
[式中、Ar1、Ar2及びAr3は各々独立に、炭素数1〜10の置換若しくは無置換のアルキル基、炭素数7〜13の置換若しくは無置換のアラルキル基、炭素数6〜12の置換若しくは無置換のアリール基、多環式炭化水素基、置換若しくは無置換の縮合多環式炭化水素基、複素環式基、多環系複素環式基又は縮合多環系複素環式基を表し、Ar1とAr2、Ar2とAr3及びAr3とAr1で環を形成していてもよい。]
【0175】
【化89】
Figure 0003786741
【0176】
[式中、RA、RB、RC及びRDは各々独立に、シアノ基、ハロゲン原子、カルボキシル基、アシル基、ヒドロキシル基、ニトロ基、アミノ基、アルキルアミノ基、アリールアミノ基、アラルキルアミノ基、炭素数1〜10の置換若しくは無置換のアルキル基、炭素数7〜13の置換若しくは無置換のアラルキル基、炭素数6〜12の置換若しくは無置換のアリール基、多環式炭化水素基、置換若しくは無置換の縮合多環式炭化水素基、複素環式基、多環系複素環式基又は縮合多環系複素環式基を表し、A、B、C及びDは各々独立に、0〜5の整数である。]
【0177】
【化90】
Figure 0003786741
【0178】
[式中、Ar1及びAr2は各々独立に、水素原子、炭素数1〜10の置換若しくは無置換のアルキル基、炭素数7〜13の置換若しくは無置換のアラルキル基、炭素数6〜12の置換若しくは無置換のアリール基、多環式炭化水素基、置換若しくは無置換の縮合多環式炭化水素基、複素環式基、多環系複素環式基又は縮合多環系複素環式基を表し、Ar1とAr2は環を形成してもよい。RAはシアノ基、ハロゲン原子、カルボキシル基、アシル基、ヒドロキシル基、ニトロ基、アミノ基、アルキルアミノ基、アリールアミノ基、アラルキルアミノ基、炭素数1〜10の置換若しくは無置換のアルキル基、炭素数7〜13の置換若しくは無置換のアラルキル基、炭素数6〜12の置換若しくは無置換のアリール基、多環式炭化水素基、置換若しくは無置換の縮合多環式炭化水素基、複素環式基、多環系複素環式基又は縮合多環系複素環式基を表し、REはエチレン基又はエテニレン基を表し、Eは0〜4の整数である。]
【0179】
【化91】
Figure 0003786741
【0180】
[式中、Ar1及びAr2は各々独立に、水素原子、炭素数1〜10の置換若しくは無置換のアルキル基、炭素数7〜13の置換若しくは無置換のアラルキル基、炭素数6〜12の置換若しくは無置換のアリール基、多環式炭化水素基、置換若しくは無置換の縮合多環式炭化水素基、複素環式基、多環系複素環式基又は縮合多環系複素環式基を表し、Ar1とAr2は環を形成してもよい。RAはシアノ基、ハロゲン原子、カルボキシル基、アシル基、ヒドロキシル基、ニトロ基、アミノ基、アルキルアミノ基、アリールアミノ基、アラルキルアミノ基、炭素数1〜10の置換若しくは無置換のアルキル基、炭素数7〜13の置換若しくは無置換のアラルキル基、炭素数6〜12の置換若しくは無置換のアリール基、多環式炭化水素基、置換若しくは無置換の縮合多環式炭化水素基、複素環式基、多環系複素環式基又は縮合多環系複素環式基を表し、RF及びRGは各々独立に、水素原子、炭素数1〜6のアルキル基又はハロゲン原子を表し、Eは0〜4の整数である。]
【0181】
【化92】
Figure 0003786741
【0182】
[式中、Ar1、Ar2、Ar3、Ar4及びAr5は各々独立に、水素原子、炭素数1〜10の置換若しくは無置換のアルキル基、炭素数7〜13の置換若しくは無置換のアラルキル基、炭素数6〜12の置換若しくは無置換のアリール基、多環式炭化水素基、置換若しくは無置換の縮合多環式炭化水素基、複素環式基、多環系複素環式基又は縮合多環系複素環式基を表し、Ar6とAr7は各々独立に、炭素数1〜6の置換若しくは無置換のアルキレン基或は炭素数6〜12の置換若しくは無置換のアリール化合物、多環式炭化水素、置換若しくは無置換の縮合多環式炭化水素、複素環化合物、多環系複素環化合物又は縮合多環系複素環化合物の2価残基を表し、Ar1とAr2及びAr3とAr4は環を形成してもよい。]
【0183】
【化93】
Figure 0003786741
【0184】
[式中、Ar1、Ar2、Ar3及びAr4は各々独立に、水素原子、炭素数1〜10の置換若しくは無置換のアルキル基、炭素数7〜13の置換若しくは無置換のアラルキル基、炭素数6〜12の置換若しくは無置換のアリール基、多環式炭化水素基、置換若しくは無置換の縮合多環式炭化水素基、複素環式基、多環系複素環式基又は縮合多環系複素環式基を表し、Ar1とAr2及びAr3とAr4は環を形成してもよい。RH及びRIは各々独立に、シアノ基、ハロゲン原子、カルボキシル基、アシル基、ヒドロキシル基、ニトロ基、アミノ基、アルキルアミノ基、アリールアミノ基、アラルキルアミノ基、炭素数1〜10の置換若しくは無置換のアルキル基、炭素数7〜13の置換若しくは無置換のアラルキル基、炭素数6〜12の置換若しくは無置換のアリール基、多環式炭化水素基、置換若しくは無置換の縮合多環式炭化水素基、複素環式基、多環系複素環式基又は縮合多環系複素環式基を表し、E及びFは各々独立に0〜4の整数である。]
【0185】
【化94】
Figure 0003786741
【0186】
[式中、Ar1、Ar2、Ar3及びAr4は各々独立に、水素原子、炭素数1〜10の置換若しくは無置換のアルキル基、炭素数7〜13の置換若しくは無置換のアラルキル基、炭素数6〜12の置換若しくは無置換のアリール基、多環式炭化水素基、置換若しくは無置換の縮合多環式炭化水素基、複素環式基、多環系複素環式基又は縮合多環系複素環式基を表し、Ar1とAr2及びAr3とAr4は環を形成してもよい。RA、RB及びRCは各々独立に、シアノ基、ハロゲン原子、カルボキシル基、アシル基、ヒドロキシル基、ニトロ基、アミノ基、アルキルアミノ基、アリールアミノ基、アラルキルアミノ基、炭素数1〜10の置換若しくは無置換のアルキル基、炭素数7〜13の置換若しくは無置換のアラルキル基、炭素数6〜12の置換若しくは無置換のアリール基、多環式炭化水素基、置換若しくは無置換の縮合多環式炭化水素基、複素環式基、多環系複素環式基又は縮合多環系複素環式基を表し、E、F及びGは各々独立に0〜4の整数である。X1は−O−、−S−、−Se−、−Te−、−CRJK−、−SiRJK−、−NRJ−又は−PRJ−(式中、RJ及びRKは各々独立に、水素原子、ハロゲン原子、アルキルアミノ基、アリールアミノ基、アラルキルアミノ基、炭素数1〜10の置換若しくは無置換のアルキル基、炭素数7〜13の置換若しくは無置換のアラルキル基、炭素数6〜12の置換若しくは無置換のアリール基、多環式炭化水素基、置換若しくは無置換の縮合多環式炭化水素基、複素環式基、多環系複素環式基又は縮合多環系複素環式基を表す。)を表す。]
【0187】
【化95】
Figure 0003786741
【0188】
[式中、Ar1及びAr2は各々独立に、水素原子、炭素数1〜10の置換若しくは無置換のアルキル基、炭素数7〜13の置換若しくは無置換のアラルキル基、炭素数6〜12の置換若しくは無置換のアリール基、多環式炭化水素基、置換若しくは無置換の縮合多環式炭化水素基、複素環式基、多環系複素環式基又は縮合多環系複素環式基を表し、Ar1とAr2は環を形成してもよい。RAはシアノ基、ハロゲン原子、カルボキシル基、アシル基、ヒドロキシル基、ニトロ基、アミノ基、アルキルアミノ基、アリールアミノ基、アラルキルアミノ基、炭素数1〜10の置換若しくは無置換のアルキル基、炭素数7〜13の置換若しくは無置換のアラルキル基、炭素数6〜12の置換若しくは無置換のアリール基、多環式炭化水素基、置換若しくは無置換の縮合多環式炭化水素基、複素環式基、多環系複素環式基又は縮合多環系複素環式基を表し、Aは0〜5の整数である。]
【0189】
【化96】
Figure 0003786741
【0190】
[式中、Ar1、Ar2、Ar3、Ar4及びAr5は各々独立に、水素原子、炭素数1〜10の置換若しくは無置換のアルキル基、炭素数7〜13の置換若しくは無置換のアラルキル基、炭素数6〜12の置換若しくは無置換のアリール基、多環式炭化水素基、置換若しくは無置換の縮合多環式炭化水素基、複素環式基、多環系複素環式基又は縮合多環系複素環式基を表し、RA及びRBは各々独立に、シアノ基、ハロゲン原子、カルボキシル基、アシル基、ヒドロキシル基、ニトロ基、アミノ基、アルキルアミノ基、アリールアミノ基、アラルキルアミノ基、炭素数1〜10の置換若しくは無置換のアルキル基、炭素数7〜13の置換若しくは無置換のアラルキル基、炭素数6〜12の置換若しくは無置換のアリール基、多環式炭化水素基、置換若しくは無置換の縮合多環式炭化水素基、複素環式基、多環系複素環式基又は縮合多環系複素環式基を表し、Ar1とAr2及びAr3とAr4は環を形成してもよい。F及びEは各々独立に0〜4の整数である。]
【0191】
【化97】
Figure 0003786741
【0192】
[式中、Ar1は水素原子、炭素数1〜10の置換若しくは無置換のアルキル基、炭素数7〜13の置換若しくは無置換のアラルキル基、炭素数6〜12の置換若しくは無置換のアリール基、多環式炭化水素基、置換若しくは無置換の縮合多環式炭化水素基、複素環式基、多環系複素環式基又は縮合多環系複素環式基を表し、RA、RB及びRCは各々独立に、シアノ基、ハロゲン原子、カルボキシル基、アシル基、ヒドロキシル基、ニトロ基、アミノ基、アルキルアミノ基、アリールアミノ基、アラルキルアミノ基、炭素数1〜10の置換若しくは無置換のアルキル基、炭素数7〜13の置換若しくは無置換のアラルキル基、炭素数6〜12の置換若しくは無置換のアリール基、多環式炭化水素基、置換若しくは無置換の縮合多環式炭化水素基、複素環式基、多環系複素環式基又は縮合多環系複素環式基を表し、nは0又は1、A、B及びCは各々独立に0〜5の整数である。]
【0193】
【化98】
Figure 0003786741
【0194】
[式中、Ar1、Ar2及びAr3は、各々独立に、水素原子、炭素数1〜10の置換若しくは無置換のアルキル基、炭素数7〜13の置換若しくは無置換のアラルキル基、炭素数6〜12の置換若しくは無置換のアリール基、多環式炭化水素基、置換若しくは無置換の縮合多環式炭化水素基、複素環式基、多環系複素環式基又は縮合多環系複素環式基を表し、RA及びRCは各々独立に、シアノ基、ハロゲン原子、カルボキシル基、アシル基、ヒドロキシル基、ニトロ基、アミノ基、アルキルアミノ基、アリールアミノ基、アラルキルアミノ基、炭素数1〜10の置換若しくは無置換のアルキル基、炭素数7〜13の置換若しくは無置換のアラルキル基、炭素数6〜12の置換若しくは無置換のアリール基、多環式炭化水素基、置換若しくは無置換の縮合多環式炭化水素基、複素環式基、多環系複素環式基又は縮合多環系複素環式基を表し、RB′は水素原子、シアノ基、ハロゲン原子、カルボキシル基、アシル基、ヒドロキシル基、ニトロ基、アミノ基、アルキルアミノ基、アリールアミノ基、アラルキルアミノ基、炭素数1〜10の置換若しくは無置換のアルキル基、炭素数7〜13の置換若しくは無置換のアラルキル基、炭素数6〜12の置換若しくは無置換のアリール基、多環式炭化水素基、置換若しくは無置換の縮合多環式炭化水素基、複素環式基、多環系複素環式基又は縮合多環系複素環式基を表し、nは0又は1、Eは0〜4の整数、Hは0〜3の整数である。]
【0195】
【化99】
Figure 0003786741
【0196】
[式中、Ar1及びAr2は各々独立に、水素原子、水素原子、炭素数1〜10の置換若しくは無置換のアルキル基、炭素数7〜13の置換若しくは無置換のアラルキル基、炭素数6〜12の置換若しくは無置換のアリール基、多環式炭化水素基、置換若しくは無置換の縮合多環式炭化水素基、複素環式基、多環系複素環式基又は縮合多環系複素環式基を表し、Ar1とAr2は環を形成してもよい。]
【0197】
【化100】
Figure 0003786741
【0198】
[式中、Ar1、Ar2及びAr3は各々独立に、水素原子、炭素数1〜10の置換若しくは無置換のアルキル基、炭素数7〜13の置換若しくは無置換のアラルキル基、炭素数6〜12の置換若しくは無置換のアリール基、多環式炭化水素基、置換若しくは無置換の縮合多環式炭化水素基、複素環式基、多環系複素環式基又は縮合多環系複素環式基を表し、Ar1とAr2は環を形成してもよい。]
【0199】
【化101】
Figure 0003786741
【0200】
[式中、RA、RB、RC、RD、RH及びRIは各々独立に、シアノ基、ハロゲン原子、カルボキシル基、アシル基、ヒドロキシル基、ニトロ基、アミノ基、アルキルアミノ基、アリールアミノ基、アラルキルアミノ基、炭素数1〜10の置換若しくは無置換のアルキル基、炭素数7〜13の置換若しくは無置換のアラルキル基、炭素数6〜12の置換若しくは無置換のアリール基、多環式炭化水素基、置換若しくは無置換の縮合多環式炭化水素基、複素環式基、多環系複素環式基又は縮合多環系複素環式基を表し、A、B、C、D、I及びJは各々独立に0〜5の整数である。]
【0201】
【化102】
Figure 0003786741
【0202】
[式中、Ar1、Ar2、Ar3及びAr4は各々独立に、水素原子、炭素数1〜10の置換若しくは無置換のアルキル基、炭素数7〜13の置換若しくは無置換のアラルキル基、炭素数6〜12の置換若しくは無置換のアリール基、多環式炭化水素基、置換若しくは無置換の縮合多環式炭化水素基、複素環式基、多環系複素環式基又は縮合多環系複素環式基を表し、Ar6は炭素数1〜6の置換若しくは無置換のアルキレン基或は炭素数6〜12の置換若しくは無置換のアリール化合物、多環式炭化水素、置換若しくは無置換の縮合多環式炭化水素、複素環化合物、多環系複素環化合物又は縮合多環系複素環化合物の2価残基を表し、Ar1とAr2及びAr3とAr4は環を形成してもよく、nは0又は1である。]
【0203】
【化103】
Figure 0003786741
【0204】
[式中、RL、RM、RN及びROは各々独立に、水素原子、炭素数1〜10の置換若しくは無置換のアルキル基、炭素数7〜13の置換若しくは無置換のアラルキル基、炭素数6〜12の置換若しくは無置換のアリール基、多環式炭化水素基、置換若しくは無置換の縮合多環式炭化水素基、複素環式基、多環系複素環式基又は縮合多環系複素環式基を表す。]
具体的には次に示すような化合物が用いられる。
【0205】
【化104】
Figure 0003786741
【0206】
【化105】
Figure 0003786741
【0207】
【化106】
Figure 0003786741
【0208】
【化107】
Figure 0003786741
【0209】
【化108】
Figure 0003786741
【0210】
【化109】
Figure 0003786741
【0211】
【化110】
Figure 0003786741
【0212】
【化111】
Figure 0003786741
【0213】
【化112】
Figure 0003786741
【0214】
【化113】
Figure 0003786741
【0215】
【化114】
Figure 0003786741
【0216】
【化115】
Figure 0003786741
【0217】
【化116】
Figure 0003786741
【0218】
【化117】
Figure 0003786741
【0219】
【化118】
Figure 0003786741
【0220】
【化119】
Figure 0003786741
【0221】
【化120】
Figure 0003786741
【0222】
【化121】
Figure 0003786741
【0223】
【化122】
Figure 0003786741
【0224】
【化123】
Figure 0003786741
【0225】
【化124】
Figure 0003786741
【0226】
【化125】
Figure 0003786741
【0227】
【化126】
Figure 0003786741
【0228】
【化127】
Figure 0003786741
【0229】
【化128】
Figure 0003786741
【0230】
【化129】
Figure 0003786741
【0231】
【化130】
Figure 0003786741
【0232】
【化131】
Figure 0003786741
【0233】
【化132】
Figure 0003786741
【0234】
【化133】
Figure 0003786741
【0235】
【化134】
Figure 0003786741
【0236】
【化135】
Figure 0003786741
【0237】
【化136】
Figure 0003786741
【0238】
【化137】
Figure 0003786741
【0239】
【化138】
Figure 0003786741
【0240】
【化139】
Figure 0003786741
【0241】
【化140】
Figure 0003786741
【0242】
【化141】
Figure 0003786741
【0243】
【化142】
Figure 0003786741
【0244】
【化143】
Figure 0003786741
【0245】
【化144】
Figure 0003786741
【0246】
【化145】
Figure 0003786741
【0247】
【化146】
Figure 0003786741
【0248】
【化147】
Figure 0003786741
【0249】
【化148】
Figure 0003786741
【0250】
【化149】
Figure 0003786741
【0251】
上記電荷輸送物質は単独で又は2種以上を混合して用いることができる。電荷輸送層の厚さは5〜100μmが好ましく、10〜30μmがより好ましい。5μm未満であると、初期電位が低くなり、100μmを超えると、電子写真特性が低下する傾向がある。
導電性基体と感光層との間に通常使用されるような公知の下引き層を設けることができる。下引き層としては、酸化チタン、酸化アルミニウム、ジルコニア、チタン酸、ジルコン酸、ランタン鉛、チタンブラック、シリカ、チタン酸鉛、チタン酸バリウム、酸化錫、酸化インジウム、酸化珪素等の微粒子、ポリアミド樹脂、フェノール樹脂、カゼイン、メラミン樹脂、ベンゾグアナミン樹脂、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂、セルロース、ニトロセルロース、ポリビニルアルコール、ポリビニルブチラール樹脂等の成分を使用することができる。これらの微粒子や樹脂を単独で又は2種以上混合して使用することができる。特に微粒子を用いると、微粒子に樹脂が吸着され、平滑な皮膜を得ることができるため、微粒子と樹脂を併用することが望ましい。また、下引き層には前記バインダー樹脂を用いることができる。また、上記の架橋ポリカーボネート樹脂も用いることもできる。
【0252】
下引き層の厚さは、通常0.01〜10.0μm、好ましくは0.01〜1.0μmである。この厚さが0.01μm未満であると、下引き層を均一に形成することが困難になり、10.0μmを超えると、電子写真特性が低下することがある。
また、導電性基体と感光層との間に通常使用されているような公知のブロッキング層を設けることができる。ブロッキング層には前記バインダー樹脂を用いることができる。ブロッキング層の厚さは、通常0.01〜20.0μm、好ましくは、0.1〜10.0μmである。この厚さが0.01μm未満であると、ブロッキング層を均一に形成することが困難になり、20.0μmを超えると、電子写真特性が低下することがある。
【0253】
本発明の電子写真感光体には、感光層の上に保護層を積層してもよい。保護層の膜厚は0.01〜20μmが可能であり、より好ましくは0.1〜10μmである。保護層には前記バインダー樹脂を用いることができる。保護層には、前記の電荷発生物質、電荷輸送物質、添加剤、金属及びその酸化物、窒化物、塩、合金、カーボンなどの導電材料を含有してもよい。
【0254】
更に、本発明の電子写真感光体には、その性能を向上させるために電荷発生層、電荷輸送層に結合剤、可塑剤、硬化触媒、流動付与剤、ピンホール制御剤、電子写真感度を改良するための分光感度増感剤(増感染料)、分光感度増感剤とは別に、繰り返し使用に対しての残留電位の増加、帯電電位の低下、感度の低下を防止する目的の種々の化学物質、酸化防止剤、界面活性剤、カール防止剤、レベリング剤等などの添加剤を添加することができる。
【0255】
結合剤の具体的な例としては、シリコーン樹脂、ポリアミド樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、ポリケトン樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリメタクリレート樹脂、ポリアクリルアミド樹脂、ポリブタジエン樹脂、ポリイソプレン樹脂、メラミン樹脂、ベンゾグアナミン樹脂、ポリクロロプレン樹脂、ポリアクリロニトリル樹脂、エチルセルロース樹脂、ニトロセルロース樹脂、尿素樹脂、フェノール樹脂、フェノキシ樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、ホルマール樹脂、酢酸ビニル樹脂、酢酸ビニル/塩化ビニル共重合体、ポリエステルカーボネート樹脂等が挙げられる。また、熱及び/又は光硬化性樹脂も使用できる。いずれにしても、電気絶縁性で通常の状態で皮膜を形成しうる樹脂であれば、特に制限はない。
【0256】
結合剤は電荷輸送物質に対して、5〜200重量%添加することが好ましく、10〜100重量%がより好ましい。5重量%未満では感光層の皮膜が不均一となりやすく、画質が劣る傾向がある。200重量%を超えると、感度が低下し、残留電位が高くなる傾向がある。
可塑剤の具体的な例としては、ビフェニル、塩化ビフェニル、o−ターフェニル、ハロゲン化パラフィン、ジメチルナフタリン、ジメチルフタレート、ジブチルフタレート、ジオクチルフタレート、ジエチレングリコールフタレート、トリフェニルフォスフェート、ジイソブチルアジペート、ジメチルセバケート、ジブチルセバケート、ラウリル酸ブチル、メチルフタリールエチルグリコレート、ジメチルグリコールフタレート、メチルナフタレン、ベンゾフェノン、ポリプロピレン、ポリスチレン、各種フルオロ炭化水素等が挙げられる。
【0257】
硬化触媒の具体的な例としては、メタンスルホン酸、ドデシルベンゼンスルホン酸、ジノニルナフタレンジスルホン酸等が挙げられる。
流動付与剤としては、モダフロー、アクロナール4F等が挙げられる。
ピンホール制御剤としては、ベンゾイン、ジメチルフタレート等が挙げられる。
【0258】
可塑剤、硬化触媒、流動付与剤、ピンホール制御剤は、前記電荷輸送物質に対して、5重量%以下で用いることが好ましい。
増感染料の具体的な例としては、メチルバイオレット、クリスタルバイオレット、ナイトブルー、ビクトリアブルー等で代表されるトリフェニルメタン系染料、エリスロシン、ローダミンB、ローダミン3R、アクリジンオレンジ、フラペオシン等に代表されるアクリジン染料、メチレンブルー、メチレングリーン等に代表されるチアジン染料、カプリブルー、メルドラブルー等に代表されるオキサジン染料、その他シアニン染料、メロシアニン染料、スチリル染料、ピリリュウム塩染料、チオピリリュウム塩染料等が挙げられる。
【0259】
感光層には感度の向上、残留電位〜反復使用時の疲労低減等を目的として、電子受容性物質を加えることができる。
電子受容性物質としては、無水コハク酸、無水マレイン酸、ジブロモ無水マレイン酸、無水フタル酸、テトラクロロ無水フタル酸、テトラブロモ無水フタル酸、3−ニトロ無水フタル酸、4−ニトロ無水フタル酸、無水ピロメリット酸、無水メリット酸、テトラシアノエチレン、テトラシアノキノジメタン、o−ジニトロベンゼン、m−ジニトロベンゼン、1,3,5−トリニトロベンゼン、パラニトロベンゾニトリル、ピクリルクロライド、キノンクロルイミド、クロラニル、ブロマニル、ベンゾキノン、2,3−ジクロロベンゾキノン、ジクロロジシアノパラベンゾキノン、ナフトキノン、ジフェノキノン、トロポキノン、アントラキノン、1−クロロアントラキノン、ジニトロトロアントラキノン、4−ニトロベンゾフェノン、4,4−ニトロベンゾフェノン、4−ニトロベンザルマロンジニトリル、α−シアノ−β−(p−シアノフェニル)アクリル酸エチル、9−アントラセニルメチルマロンジニトリル、1−シアノ−(p−ニトロフェニル)−2−(p−クロロフェニル)エチレン、2,7−ジニトロフルオレノン、2,4,7−トリニトロフルオレノン、2,4,5,7−テトラニトロフルオレノン、9−フルオレニリデン[ジシアノメチレンマロノニトリル]、ポリニトロ−9−フルオレニリデン−[ジシアノメチレンマロノジニトリル]、ピクリン酸、o−ニトロ安息香酸、p−ニトロ安息香酸、3,5−ジニトロ安息香酸、ペンタフルオロ安息香酸、5−ニトロサリチル酸、3,5−ジニトロサリチル酸、フタル酸、メリット酸など、電子親和力が大きい化合物がある。
【0260】
この電子受容性物質は、電荷輸送層、電荷発生層のいずれに加えてもよく、電荷輸送物質又は電荷発生物質に対して通常0.01〜200重量%、より好ましくは0.1〜50重量%配合される。
また、表面性の改良のために、四フッ化エチレン樹脂、三フッ化塩化エチレン樹脂、四フッ化エチレン六フッ化プロピレン樹脂、フッ化ビニル樹脂、フッ化ビニリデン樹脂、二フッ化二塩化エチレン樹脂及びそれらの共重合体、フッ素系グラフトポリマーを用いてもよい。
【0261】
これらの表面改質剤は前記バインダー樹脂に対して0.1〜60重量%、より好ましくは5〜40重量%配合される。0.1重量%より少ないと耐摩耗性、表面耐久性、表面エネルギー低下等の表面改質が十分でなく、60重量%より多いと電子写真特性が悪くなることがある。
酸化防止剤としては、ヒンダードフェノール系酸化防止剤、芳香族アミン系酸化防止剤、ヒンダードアミン系酸化防止剤、スルフィド系酸化防止剤、有機リン酸系酸化防止剤などが挙げられる。
【0262】
これらの酸化防止剤は電荷輸送物質に対して通常0.01〜10重量%、より好ましくは0.1〜2重量%配合される。
ヒンダードフェノール系酸化防止剤としては、以下の例がある。
【0263】
【化150】
Figure 0003786741
【0264】
【化151】
Figure 0003786741
【0265】
【化152】
Figure 0003786741
【0266】
芳香族アミン系酸化防止剤としては以下のような例がある。
【0267】
【化153】
Figure 0003786741
【0268】
ヒンダードアミン系酸化防止剤としては、以下のような例がある。
【0269】
【化154】
Figure 0003786741
【0270】
スルフィド系酸化防止剤としては以下のような例がある。
【0271】
【化155】
Figure 0003786741
【0272】
有機リン酸系酸化防止剤としては以下のような例がある。
【0273】
【化156】
Figure 0003786741
【0274】
ヒンダードフェノール構造単位とヒンダードアミン構造単位を分子内に有する酸化防止剤としては以下のような例がある。
【0275】
【化157】
Figure 0003786741
【0276】
これら添加剤は1種単独で用いてもよいし、あるいは、2種類以上を混合するなどして併用してもよい。これらの添加剤は保護層、下引き層、ブロッキング層に添加してもよい。
前記電荷発生層、電荷輸送層の形成の際に使用する前記溶媒の具体例としては、例えば、ベンゼン、トルエン、キシレン、クロロベンゼン等の芳香族系溶媒、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン、メタノール、エタノール、イソプロパノール等のアルコール、酢酸エチル、エチルセロソルブ等のエステル、四塩化炭素、クロロホルム、ジクロロメタン、テトラクロロエタン等のハロゲン化炭化水素、テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、ジエチルホルムアミド等を挙げることができる。
【0277】
これらの溶媒は、1種単独で使用してもよく、或いは、2種以上を混合溶媒として用いてもよい。
電荷輸送層を形成する方法としては、前記電荷輸送物質、添加剤、上記の架橋性ポリカーボネート及び架橋剤などを溶剤に分散、又は溶解した溶液を所定の下地となる基体、層上に浸漬塗工法、静電塗工法、粉体塗工法、スプレー塗工法、ロール塗工法、アプリケーター塗工法、スプレーコーター塗工法、バーコーター塗工法、ロールコーター塗工法、ディップコーター塗工法、ドクターブレード塗工法、ワイヤーバー塗工法、ナイフコーター塗工法、アトライター塗工法、スピナー塗工法、ビード塗工法、ブレード塗工法、カーテン塗工法などの塗工法を用いて塗工し、乾燥及び架橋性ポリカーボネート樹脂の架橋反応を行って形成することができる。
【0278】
その分散又は溶解法としては、ボールミル、超音波、ペイントシェーカー、レッドデビル、サンドミル、ミキサー、アトライターなどを用いることができる。亜共反応は減圧から加圧の如何なる圧力下でも行い得るが、好ましくは減圧又は常圧下で行われる。
単層型電子写真感光体の感光層の形成は、前記電荷発生物質、電荷輸送物質、添加剤、上記架橋性ポリカーボネート及び架橋剤などを溶剤に分散、又は溶解した溶液を所定の下地となる基体上に塗布し、乾燥及び架橋性樹脂を架橋させることによって行われる。塗布方法、架橋方法、添加剤等は上記と同様である。また、上記と同様に保護層、下引き層、ブロッキング層を設けてもよい。
【0279】
単層型感光体の膜厚は通常5〜100μmが好ましく、8〜50μmがより好ましい。5μm未満であると、初期電位が低くなりやすく、100μmを超えると電子写真特性が低下する傾向がある。
単層型電子写真感光体製造に用いられる電荷発生物質:架橋性ポリカーボネート樹脂の重量による割合は、好ましくは1:99〜30:70、さらに好ましくは3:97〜15:85である。また、電荷輸送物質:架橋性ポリカーボネート樹脂の重量による割合は、好ましくは10:90〜80:20、さらに好ましくは30:70〜70:30である。
【0280】
また、本発明の目的達成を阻害しない範囲で、他の樹脂を上記架橋性ポリカーボネート樹脂と併用することも可能である。
なお、本発明の電子写真感光体の感光層の層構成としては、上記架橋性ポリカーボネート樹脂を含む層が感光層の表面層となる構成とすることが好ましい。このようにして得られる本発明の電子写真感光体は高い表面硬度を有し、長期間にわたって優れた耐刷性を維持する感光体であり、複写機(モノクロ、マルチカラー、フルカラー;アナログ、デジタル)、プリンター(レーザー、LED、液晶シャッター)、FAX、製版機等の各種の電子写真分野に好適に利用することができる。
【0281】
本発明の電子写真感光体を使用するにあたって、帯電器は、コロナ放電(コロトロン、スコトロン)、接触帯電(帯電ロール、帯電ブラシ)などが用いられる。露光は、ハロゲンランプ、蛍光灯、レーザー(半導体、He−Ne)、LED、感光体内部露光方式で行われる。現像工程はカスケード現像、二成分磁気ブラシ現像、一成分絶縁トナー現像、一成分導電トナー現像などの乾式現像方式や湿式現像方式などが用いられる。転写工程はコロナ転写、ローラ転写、ベルト転写などの静電転写法、圧力転写法、粘着転写法が用いられる。定着は、熱ローラ定着、ラジアント・フラッシュ定着、オーブン定着、圧力定着などが用いられる。クリーニング・除電には、ブラシクリーナー、磁気ブラシクリーナー、静電ブラシクリーナー、磁気ローラクリーナー、ブレードクリーナーなどが用いられる。
【0282】
【実施例】
以下、本発明の実施例及びその比較例によって本発明を更に具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
合成例1 (PC−1)の合成
2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン74gを6重量%濃度の水酸化ナトリウム水溶液550mlに溶解した溶液と塩化メチレン250mlとを混合して撹拌しながら、冷却下、該溶液中にホスゲンガスを950ml/分の割合で15分間吹き込んだ。次いで、この反応液を静置して有機層を分離し、分子末端がクロロホルメート基であるビスフェノールA(2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン)のポリカーボネートオリゴマーの塩化メチレン溶液を得た。
【0283】
上記オリゴマーの塩化メチレン溶液に塩化メチレンを加えて全量を450mlとした後、8重量%濃度の水酸化ナトリウム水溶液150mlと混合し、これに式Aの化合物(3,3′−ビス(2−プロペニル)−4,4′−ビフェノール)
【0284】
【化158】
Figure 0003786741
【0285】
27.9g及び分子量調節剤であるp−tert−ブチルフェノール3.0gを加えた。次いで、この混合液を激しく撹拌しながら、触媒として7重量%濃度のトリエチルアミン水溶液を2ml加え、28℃において撹拌下で1.5時間反応を行った。反応終了後、反応生成物を塩化メチレン1リットルで希釈し、次いで水1.5リットルで2回洗浄した。得られた溶液を氷浴し、51.6gのメタクロロ過安息香酸(MCPBA)を数回に分け、ゆっくり添加した。全量を加えた後、室温に戻し、24時間撹拌を継続した。続いてこれを0.01規定NaOH水溶液で洗い、0.01規定塩酸1リットルで1回、水1リットルで2回の順で洗浄し、有機層をメタノール中に投入し、析出したポリマーを濾過、乾燥し、93gのポリカーボネート(PC−1)を得た。
【0286】
このようにして得られたポリカーボネートの塩化メチレンを溶媒とする濃度0.5g/dlの溶液の20℃における還元粘度[ηsp/c]は0.75dl/gであった。還元粘度の測定は、(株)離合社製、自動粘度測定装置VMR−042を用い、自動粘度用ウッベローデ改良型粘度計(RM型)で測定した。
得られたポリカーボネート(PC−1)のIRスペクトル分析の結果は、3030cm-1、1590cm-1、830cm-1にベンゼン環の吸収、1730cm-1にカーボネート基による吸収、1130cm-1にエポキシ基由来の吸収が見られ、カーボネート結合及びエポキシ結合を有することが認められた。得られたポリカーボネート(PC−1)の共重合組成は1H−NMR分析により決定した。これらの分析結果より、ポリカーボネート(PC−1)は下記の繰り返し単位を、下記の組成で含有することがわかった。
【0287】
【化159】
Figure 0003786741
【0288】
合成例2 (PC−2)の合成
合成例1において、式Aの化合物27.9gを式Bの化合物(2,2−ビス(3−(2−プロペニル)−4−ヒドロキシフェニル)プロパン)
【0289】
【化160】
Figure 0003786741
【0290】
32.3gに変更した以外は合成例1と同様の操作で、下記の構造からなるポリカーボネート(PC−2)([ηsp/c]=0.77dl/g)102gを得た。
得られたポリカーボネート(PC−2)のIRスペクトル分析の結果は、3030cm-1、1590cm-1、830cm-1にベンゼン環の吸収、1730cm-1にカーボネート基による吸収、1130cm-1にエポキシ基由来の吸収が見られ、カーボネート結合及びエポキシ結合を有することが認められた。得られたポリカーボネート(PC−2)の共重合組成は1H−NMR分析により決定した。これらの分析結果より、ポリカーボネート(PC−2)は下記の繰り返し単位を、下記の組成で含有することがわかった。
【0291】
【化161】
Figure 0003786741
【0292】
合成例3 (PC−3)の合成
合成例1において、式Aの化合物27.9gを式Cの化合物
【0293】
【化162】
Figure 0003786741
【0294】
48.1gに変更した以外は合成例1と同様の操作で、下記の構造からなるポリカーボネート(PC−3)([ηsp/c]=0.75dl/g)95gを得た。得られたポリカーボネート(PC−3)のIRスペクトル分析の結果は、3030cm-1、1590cm-1、830cm-1にベンゼン環の吸収、1730cm-1にカーボネート基による吸収、1130cm-1にエポキシ基由来の吸収が見られ、カーボネート結合及びエポキシ結合を有することが認められた。得られたポリカーボネート(PC−3)の共重合組成は1H−NMR分析により決定した。これらの分析結果より、ポリカーボネート(PC−3)は下記の繰り返し単位を、下記の組成で含有することがわかった。
【0295】
【化163】
Figure 0003786741
【0296】
合成例4 (PC−4)の合成
合成例1において、式Aの化合物27.9gを4,4′−ビフェノール19.5g及び3−アミノフェノール2.2gに変更し、MCPBAとの反応、及びその後のNaOH水溶液による洗浄を行わない以外は合成例1と同様の操作で、下記の構造からなるポリカーボネート(PC−4)([ηsp/c]=0.46dl/g)87gを得た。
【0297】
得られたポリカーボネート(PC−4)のIRスペクトル分析の結果は、3030cm-1、1590cm-1、830cm-1にベンゼン環の吸収、1730cm-1にカーボネート基による吸収、3300cm-1付近に幅広いアミノ基由来の吸収が見られ、カーボネート結合及びアミノ基を有することが認められた。得られたポリカーボネート(PC−4)の共重合組成は1H−NMR分析により決定した。これらの分析結果より、ポリカーボネート(PC−4)は下記の繰り返し単位を、下記の組成で含有することがわかった。
【0298】
【化164】
Figure 0003786741
【0299】
合成例5 (PC−5)の合成
合成例1において、式Aの化合物27.9gを4,4′−ビフェノール19.5g及び3−ヒドロキシフタル酸無水物3.3gに変更し、MCPBAとの反応、及びその後のNaOH水溶液による洗浄を行わない以外は合成例1と同様の操作で、下記の構造からなるポリカーボネート(PC−5)([ηsp/c]=0.43dl/g)91gを得た。
【0300】
得られたポリカーボネート(PC−5)のIRスペクトル分析の結果は、3030cm-1、1590cm-1、830cm-1にベンゼン環の吸収、1730cm-1にカーボネート基による吸収、1820cm-1に酸無水物由来の吸収が見られ、カーボネート結合及び酸無水物構造を有することが認められた。得られたポリカーボネート(PC−5)の共重合組成は1H−NMR分析により決定した。これらの分析結果より、ポリカーボネート(PC−5)は下記の繰り返し単位を、下記の組成で含有することがわかった。
【0301】
【化165】
Figure 0003786741
【0302】
合成例6 (PC−6)の合成
合成例1において、式Aの化合物27.9gを4,4′−ジヒドロキシカルコン23.5gに変更した以外は合成例1と同様の操作で、下記の構造からなるポリカーボネート(PC−)([ηsp/c]=0.74dl/g)93gを得た。
【0303】
得られたポリカーボネート(PC−6)のIRスペクトル分析の結果は、3030cm-1、1590cm-1、830cm-1にベンゼン環の吸収、1730cm-1にカーボネート基による吸収、1130cm-1にエポキシ基由来の吸収が見られ、カーボネート結合及びエポキシ結合を有することが認められた。得られたポリカーボネート(PC−6)の共重合組成は1H−NMR分析により決定した。これらの分析結果より、ポリカーボネート(PC−6)は下記の繰り返し単位を、下記の組成で含有することがわかった。
【0304】
【化166】
Figure 0003786741
【0305】
合成例7 (PC−7)の合成
合成例1において、式Aの化合物27.9gを4,4−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ペンタン酸30.0gに変更し、MCPBAとの反応、及びその後のNaOH水溶液による洗浄を行わない以外は合成例1と同様の操作で、下記の構造からなるポリカーボネート(PC−7)([ηsp/c]=0.75dl/g)93gを得た。
【0306】
得られたポリカーボネート(PC−7)のIRスペクトル分析の結果は、3030cm-1、1590cm-1、830cm-1にベンゼン環の吸収、1730cm-1にカーボネート基による吸収、3300cm-1にカルボン酸由来の吸収が見られ、カーボネート結合及びカルボン酸構造を有することが認められた。得られたポリカーボネート(PC−7)の共重合組成は1H−NMR分析により決定した。これらの分析結果より、ポリカーボネート(PC−7)は下記の繰り返し単位を、下記の組成で含有することがわかった。
【0307】
【化167】
Figure 0003786741
【0308】
合成例8 (PC−8)の合成
合成例1において、式Aの化合物27.9gをビス(4−ヒドロキシフェニル)アミン21.1gに変更し、MCPBAとの反応、及びその後のNaOH水溶液による洗浄を行わない以外は合成例1と同様の操作で、下記の構造からなるポリカーボネート(PC−8)([ηsp/c]=0.75dl/g)83gを得た。
【0309】
得られたポリカーボネート(PC−8)のIRスペクトル分析の結果は、3030cm-1、1590cm-1、830cm-1にベンゼン環の吸収、1730cm-1にカーボネート基による吸収、3300cm-1にアミン由来の吸収が見られ、カーボネート結合及びアミン構造を有することが認められた。得られたポリカーボネート(PC−8)の共重合組成は1H−NMR分析により決定した。これらの分析結果より、ポリカーボネート(PC−8)は下記の繰り返し単位を、下記の組成で含有することがわかった。
【0310】
【化168】
Figure 0003786741
【0311】
合成例9 (PC−9)の合成
合成例1において、式Aの化合物27.9gを2,2−ビス(3−フェニル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン39.8g及び2−(4−ヒドロキシフェニル)エタノール2.8gに変更し、MCPBAとの反応、及びその後のNaOH水溶液による洗浄を行わない以外は合成例1と同様の操作で、下記の構造からなるポリカーボネート(PC−9)([ηsp/c]=0.46dl/g)103gを得た。
【0312】
得られたポリカーボネート(PC−9)のIRスペクトル分析の結果は、3030cm-1、1590cm-1、830cm-1にベンゼン環の吸収、1730cm-1にカーボネート基による吸収、3300cm-1付近に幅広い水酸基由来の吸収が見られ、カーボネート結合及び水酸基を有することが認められた。得られたポリカーボネート(PC−9)の共重合組成は1H−NMR分析により決定した。これらの分析結果より、ポリカーボネート(PC−9)は下記の繰り返し単位を、下記の組成で含有することがわかった。
【0313】
【化169】
Figure 0003786741
【0314】
合成例10 (PC−10)の合成
合成例1において、式Aの化合物27.9gを式Dの化合物
【0315】
【化170】
Figure 0003786741
【0316】
39.8g及び4−ヒドロキシチオフェノール2.5gに変更し、MCPBAとの反応、及びその後のNaOH水溶液による洗浄を行わない以外は合成例1と同様の操作で、下記の構造からなるポリカーボネート(PC−10)([ηsp/c]=0.46dl/g)100gを得た。
得られたポリカーボネート(PC−10)のIRスペクトル分析の結果は、3030cm-1、1590cm-1、830cm-1にベンゼン環の吸収、1730cm-1にカーボネート基による吸収、3300cm-1付近に幅広いチオール由来の吸収が見られ、カーボネート結合及びチオール構造を有することが認められた。得られたポリカーボネート(PC−10)の共重合組成は1H−NMR分析により決定した。これらの分析結果より、ポリカーボネート(PC−10)は下記の繰り返し単位を、下記の組成で含有することがわかった。
【0317】
【化171】
Figure 0003786741
【0318】
合成例11 (PC−11)の合成
合成例1において、式Aの化合物27.9gを3,3′−ジアミノ−4,4′−ジヒドロキシビフェニル22.7gに変更し、MCPBAとの反応、及びその後のNaOH水溶液による洗浄を行わない以外は合成例1と同様の操作で、下記の構造からなるポリカーボネート(PC−11)([ηsp/c]=0.75dl/g)83gを得た。
【0319】
得られたポリカーボネート(PC−11)のIRスペクトル分析の結果は、3030cm-1、1590cm-1、830cm-1にベンゼン環の吸収、1730cm-1にカーボネート基による吸収、3300cm-1付近に幅広いアミノ基由来の吸収が見られ、カーボネート結合及びアミノ基を有することが認められた。得られたポリカーボネート(PC−11)の共重合組成は1H−NMR分析により決定した。これらの分析結果より、ポリカーボネート(PC−11)は下記の繰り返し単位を、下記の組成で含有することがわかった。
【0320】
【化172】
Figure 0003786741
【0321】
実施例1(求電子性ポリカーボネートの求核性架橋剤による架橋)
電荷輸送物質として(C−1)
【0322】
【化173】
Figure 0003786741
【0323】
を用い、バインダー樹脂材料として(PC−1)、架橋剤としてキシリレンジアミン(MXDA)を用い、(C−1):(PC−1):MXDA:塩化メチレン=1:1:0.2:8(重量比)の溶液を調製し、塗工液とした。この塗工液は1ケ月放置しても、白濁、ゲルの発生などは見られなかった。アルミニウム製導電性基板上にオキソチタニウムフタロシアニン:ブチラール樹脂:塩化メチレン=1:1:38(重量比)の分散液を浸漬塗工法により塗布し、オキソチタニウムフタロシアニンの層(約0.5μm)を電荷発生層として形成し、その電荷発生層上に上記塗工液を浸漬塗工法により塗布し、乾燥後、引き続き150℃、10時間の条件で架橋反応を行い、約20μmの電荷輸送層を形成し、積層型電子写真感光体を作製した。塗布から架橋に至る過程で電荷輸送層が結晶化することはなかった。
【0324】
得られた電子写真感光体の電子写真特性の評価は、静電気帯電試験装置EPA−8100(株式会社川口電機製作所製)を用い、−6kVのコロナ放電を行い、初期表面電位(V0)、光照射(10Lux)5秒後の残留電位(VR)、半減露光量(E1/2)を測定することによって行った。結果を表1に示す。
更に、電荷輸送層の耐摩耗性を、スガ摩耗試験機NUS−ISO−3型(スガ試験機(株)製)を用いて評価した。試験条件は、200gの荷重をかけた摩耗試験紙(スガ摩耗試験機(株)製、3μm研摩紙)上で上記積層型電子写真感光体のサンプルを1200回往復運動させ、その減少量の変化を測定することにより評価した。結果を表2に示す。
【0325】
実施例2(求核性ポリカーボネート(エポキシ基の開環で生じる−OH基)の求電子性架橋剤による架橋)
実施例1で用いた(PC−1)の代わりに(PC−2)を用い、MXDAの代わりに無水クロレンディック酸を用いた以外は実施例1と同様の方法で積層型電子写真感光体を作製し、同様の方法で初期表面電位(V0)、光照射(10Lux)5秒後の残留電位(VR)、半減露光量(E1/2)及び摩耗による電荷輸送層の減少量を測定した。結果を表1及び表2に示す。
【0326】
なお、電荷輸送層形成用の塗工液は1ケ月放置しても、白濁、ゲルの発生などは見られず、また、塗布から架橋に至る過程で電荷輸送層が結晶化することはなかった。
実施例3(求電子性ポリカーボネートの求核性架橋剤による架橋)
実施例1で用いた(PC−1)の代わりに(PC−3)を用いた以外は実施例1と同様の方法で積層型電子写真感光体を作製し、同様の方法で初期表面電位(V0)、光照射(10Lux)5秒後の残留電位(VR)、半減露光量(E1/2)及び摩耗による電荷輸送層の減少量を測定した。結果を表1及び表2に示す。
【0327】
なお、電荷輸送層形成用の塗工液は1ケ月放置しても、白濁、ゲルの発生などは見られず、また、塗布から架橋に至る過程で電荷輸送層が結晶化することはなかった。
実施例4(求核性ポリカーボネートの求電子性架橋剤による架橋)
実施例1で用いた(PC−1)の代わりに(PC−4)を用い、MXDAの代わりにビスフェノールA型エポキシ樹脂(エポキシ当量:1300)を用いた以外は実施例1と同様の方法で積層型電子写真感光体を作製し、同様の方法で初期表面電位(V0)、光照射(10Lux)5秒後の残留電位(VR)、半減露光量(E1/2)及び摩耗による電荷輸送層の減少量を測定した。結果を表1及び表2に示す。
【0328】
なお、電荷輸送層形成用の塗工液は1ケ月放置しても、白濁、ゲルの発生などは見られず、また、塗布から架橋に至る過程で電荷輸送層が結晶化することはなかった。
実施例5(求電子性ポリカーボネートの求核性架橋剤による架橋(非エポキシ架橋))
実施例1で用いた(PC−1)の代わりに(PC−5)を用い、乾燥後の架橋条件を200℃20時間に変更した以外は実施例1と同様の方法で積層型電子写真感光体を作製し、同様の方法で初期表面電位(V0)、光照射(10Lux)5秒後の残留電位(VR)、半減露光量(E1/2)及び摩耗による電荷輸送層の減少量を測定した。結果を表1及び表2に示す。
【0329】
なお、電荷輸送層形成用の塗工液は1ケ月放置しても、白濁、ゲルの発生などは見られず、また、塗布から架橋に至る過程で電荷輸送層が結晶化することはなかった。
実施例6(ルイス酸によるエポキシポリカーボネートの架橋)
実施例1で用いた(PC−1)の代わりに(PC−6)を用い、MXDAの代わりに3フッ化ホウ素・ピペリジン錯化合物を用いた以外は実施例1と同様の方法で積層型電子写真感光体を作製し、同様の方法で初期表面電位(V0)、光照射(10Lux)5秒後の残留電位(VR)、半減露光量(E1/2)及び摩耗による電荷輸送層の減少量を測定した。結果を表1及び表2に示す。
【0330】
なお、電荷輸送層形成用の塗工液は1ケ月放置しても、白濁、ゲルの発生などは見られず、また、塗布から架橋に至る過程で電荷輸送層が結晶化することはなかった。
実施例7(求核性ポリカーボネートの求電子性架橋剤による架橋)
実施例1で用いた(PC−1)の代わりに(PC−7)を用い、MXDAの代わりにビスフェノールA型エポキシ樹脂を用いた以外は実施例1と同様の方法で積層型電子写真感光体を作製し、同様の方法で初期表面電位(V0)、光照射(10Lux)5秒後の残留電位(VR)、半減露光量(E1/2)及び摩耗による電荷輸送層の減少量を測定した。結果を表1及び表2に示す。
【0331】
なお、電荷輸送層形成用の塗工液は1ケ月放置しても、白濁、ゲルの発生などは見られず、また、塗布から架橋に至る過程で電荷輸送層が結晶化することはなかった。
実施例8(求核性ポリカーボネートの求電子性架橋剤による架橋)
実施例1で用いた(PC−1)の代わりに(PC−8)を用い、MXDAの代わりにビスフェノールA型エポキシ樹脂を用いた以外は実施例1と同様の方法で積層型電子写真感光体を作製し、同様の方法で初期表面電位(V0)、光照射(10Lux)5秒後の残留電位(VR)、半減露光量(E1/2)及び摩耗による電荷輸送層の減少量を測定した。結果を表1及び表2に示す。
【0332】
なお、電荷輸送層形成用の塗工液は1ケ月放置しても、白濁、ゲルの発生などは見られず、また、塗布から架橋に至る過程で電荷輸送層が結晶化することはなかった。
実施例9(求核性ポリカーボネートの求電子性架橋剤による架橋)
実施例1で用いた(PC−1)の代わりに(PC−9)を用い、MXDAの代わりにビスフェノールA型エポキシ樹脂を用いた以外は実施例1と同様の方法で積層型電子写真感光体を作製し、同様の方法で初期表面電位(V0)、光照射(10Lux)5秒後の残留電位(VR)、半減露光量(E1/2)及び摩耗による電荷輸送層の減少量を測定した。結果を表1及び表2に示す。
【0333】
なお、電荷輸送層形成用の塗工液は1ケ月放置しても、白濁、ゲルの発生などは見られず、また、塗布から架橋に至る過程で電荷輸送層が結晶化することはなかった。
実施例10(求核性ポリカーボネートの求電子性架橋剤による架橋)
実施例1で用いた(PC−1)の代わりに(PC−10)を用い、MXDAの代わりにビスフェノールA型エポキシ樹脂を用いた以外は実施例1と同様の方法で積層型電子写真感光体を作製し、同様の方法で初期表面電位(V0)、光照射(10Lux)5秒後の残留電位(VR)、半減露光量(E1/2)及び摩耗による電荷輸送層の減少量を測定した。結果を表1及び表2に示す。
【0334】
なお、電荷輸送層形成用の塗工液は1ケ月放置しても、白濁、ゲルの発生などは見られず、また、塗布から架橋に至る過程で電荷輸送層が結晶化することはなかった。
実施例11(求核性ポリカーボネートの求電子性架橋剤による架橋)
実施例1で用いた(PC−1)の代わりに(PC−11)を用い、MXDAの代わりにビスフェノールA型エポキシ樹脂を用いた以外は実施例1と同様の方法で積層型電子写真感光体を作製し、同様の方法で初期表面電位(V0)、光照射(10Lux)5秒後の残留電位(VR)、半減露光量(E1/2)及び摩耗による電荷輸送層の減少量を測定した。結果を表1及び表2に示す。
【0335】
なお、電荷輸送層形成用の塗工液は1ケ月放置しても、白濁、ゲルの発生などは見られず、また、塗布から架橋に至る過程で電荷輸送層が結晶化することはなかった。
比較例1(ビニル基を有するポリカーボネートのラジカル機構による架橋)
特開平4−291384号公報記載の架橋前のポリカーボネートを製造するまでの方法に従い、下記の操作でポリカーボネート(PC−12)を合成した。
【0336】
攪拌機、温度計、ガス導入管及び還流冷却機を備えた三つ口丸底フラスコに、乾燥窒素ガスを流しながら、48.5重量%の水酸化ナトリウム水溶液53.7部、水230.8部、3,3′−ジアリルビスフェノールA31.4部、ビスフェノールZ27.3部を仕込んで溶解した。この溶液を氷浴で20℃に冷却し、撹拌しながらホスゲンガス26.2部を1時間かけて徐々に導入した。その後48.5重量%の水酸化ナトリウム水溶液8.4部を加え、更に反応停止剤としてp−tert−ブチルフェノール0.61部を加えた後、30℃で1時間重合反応を続けた。反応終了後、塩化メチレン層を分離して塩酸酸性にした後、水洗を繰り返し、溶存塩類を除去した。その後、塩化メチレンを蒸発して固体を得た。得られた固体は、下記の繰り返し単位及び共重合組成を有するものであった。
【0337】
【化174】
Figure 0003786741
【0338】
(PC−12):(C−1):ペンタエリスリトールテトラキス(3−メルカプトプロピオネート(架橋剤):イルガキュアー907(ラジカル開始剤:チバ・ガイギー社製):塩化メチレン=1:1:0.1:0.01:8(重量比)の溶液を調製し、塗工液とした。以下、電荷発生層の形成、その電荷発生層上への上記塗工液の塗布及び乾燥までを実施例1と同様に行った。乾燥後、80W/cm2の照射エネルギーを持つ高圧水銀灯により5秒間照射し、架橋した積層型電子写真感光体を得た。
【0339】
次いで、実施例1と同様にして得られた積層型電子写真感光体の初期表面電位(V0)、光照射(10Lux)5秒後の残留電位(VR)、半減露光量(E1/2)及び摩耗による電荷輸送層の減少量を測定した。結果を表1及び表2に示す。なお、電荷輸送層形成用の塗工液は1ケ月放置しても、白濁、ゲルの発生などは見られず、また、塗布から架橋に至る過程で電荷輸送層が結晶化することはなかった。
【0340】
【表1】
Figure 0003786741
【0341】
【表2】
Figure 0003786741
【0342】
【発明の効果】
本発明の電子写真感光体中のバインダー樹脂は、電荷輸送物質との相溶性が良い上に、溶媒に溶解しても白化又はゲル化を起こさない架橋性ポリカーボネート樹脂をバインダー樹脂材料として用い、それを架橋させたものであり、高い表面硬度及び耐摩耗性を有する。更に、この架橋性ポリカーボネートの架橋はラジカル機構ではなくイオン機構によって行われるため、ラジカルに敏感な電荷輸送物質等の劣化がなく、長期間に亘って優れた電子写真特性を維持することができる。

Claims (15)

  1. 導電性基体上に感光層を設けた電子写真感光体において、感光層が炭素数2又は3の環状エーテル基を持つ繰り返し単位を有する架橋性ポリカーボネートを架橋した架橋ポリカーボネートをバインダー樹脂として含有することを特徴とする電子写真感光体。
  2. 架橋性ポリカーボネートが、炭素数2又は3の環状エーテル基を持つ繰り返し単位と下記一般式(I)で表される繰り返し単位(I)を有し、塩化メチレンを溶媒とする0.5g/dl濃度の溶液の20℃における還元粘度が0.05〜20.0dl/gであるものである請求項記載の電子写真感光体。
    Figure 0003786741
    [式中、Rは各々独立にハロゲン原子、炭素数1〜10の置換若しくは無置換のアルキル基、炭素数1〜10の置換若しくは無置換のアルキルオキシ基、炭素数1〜10のアルキルチオ基、炭素数5〜7の置換若しくは無置換のシクロアルキル基、炭素数6〜24の置換若しくは無置換のアリール基、炭素数6〜12の置換若しくは無置換のアリールオキシ基又は炭素数6〜12のアリールチオ基を表し、a及びbは各々独立に0〜4の整数を表し、Yは単結合或は−O−、−CO−、−S−、−SO−、−SO2−、−CR56−(R5及びR6は各々独立に、水素原子、トリフルオロメチル基、炭素数1〜6のアルキル基又は炭素数6〜12の置換若しくは無置換のアリール基である。)、炭素数5〜11の置換若しくは無置換の1,1−シクロアルキリデン基、炭素数2〜12のα,ω−アルキレン基又は下記式(a)
    Figure 0003786741
    (式中、cは0〜4の整数である。)で表される2価基を表す。]
  3. 炭素数2又は3の環状エーテル基を持つ繰り返し単位が下記一般式(II)で表される繰り返し単位(II)である請求項又は記載の電子写真感光体。
    Figure 0003786741
    (式中、R1、R2、R3及びR4は各々独立に水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜10の置換若しくは無置換のアルキル基、炭素数1〜10の置換若しくは無置換のアルキルオキシ基、炭素数1〜10のアルキルチオ基、炭素数5〜7の置換若しくは無置換のシクロアルキル基、炭素数6〜24の置換若しくは無置換のアリール基、炭素数6〜12の置換若しくは無置換のアリールオキシ基又は炭素数6〜12のアリールチオ基を表し、R2とR3とは炭素数1〜4のメチレン鎖で互いに連結されていてもよく、n1及びn2は各々独立に0又は1の整数を表す。)
  4. 炭素数2又は3の環状エーテル基を持つ繰り返し単位が下記一般式(III)で表される繰り返し単位(III)である請求項又は記載の電子写真感光体。
    Figure 0003786741
    (式中、Rは各々独立にハロゲン原子、炭素数1〜10の置換若しくは無置換のアルキル基、炭素数1〜10の置換若しくは無置換のアルキルオキシ基、炭素数1〜10のアルキルチオ基、炭素数5〜7の置換若しくは無置換のシクロアルキル基、炭素数6〜24の置換若しくは無置換のアリール基、炭素数6〜12の置換若しくは無置換のアリールオキシ基又は炭素数6〜12のアリールチオ基を表し、R1は水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜10の置換若しくは無置換のアルキル基、炭素数1〜10の置換若しくは無置換のアルキルオキシ基、炭素数1〜10のアルキルチオ基、炭素数5〜7の置換若しくは無置換のシクロアルキル基、炭素数6〜24の置換若しくは無置換のアリール基、炭素数6〜12の置換若しくは無置換のアリールオキシ基又は炭素数6〜12のアリールチオ基を表し、n3及びn4は各々独立に0〜4の整数を表し、n5は0〜6の整数を表し、n6は1又は2であり、n1は0又は1であり、n14は1又は2であり、ただしn1+n14は2である。)
  5. 炭素数2又は3の環状エーテル基を持つ繰り返し単位が下記一般式(IV)で表される繰り返し単位(IV)である請求項又は記載の電子写真感光体。
    Figure 0003786741
    [式中、Rは各々独立にハロゲン原子、炭素数1〜10の置換若しくは無置換のアルキル基、炭素数1〜10の置換若しくは無置換のアルキルオキシ基、炭素数1〜10のアルキルチオ基、炭素数5〜7の置換若しくは無置換のシクロアルキル基、炭素数6〜24の置換若しくは無置換のアリール基、炭素数6〜12の置換若しくは無置換のアリールオキシ基又は炭素数6〜12のアリールチオ基を表し、n3、n4、n7及びn8は各々独立に0〜4の整数を表し、n5は各々独立に0〜6の整数を表し、n6は各々独立に1又は2であり、ただしn7+n8は1〜8の整数であり、n3+n7は0〜4の整数であり、n4+n8は0〜4の整数であり、Yは単結合或は−O−、−CO−、−S−、−SO−、−SO2−、−CR56−(R5及びR6は各々独立に、水素原子、トリフルオロメチル基、炭素数1〜6のアルキル基又は炭素数6〜12の置換若しくは無置換のアリール基である。)、炭素数5〜11の置換若しくは無置換の1,1−シクロアルキリデン基、炭素数2〜12のα,ω−アルキレン基又は下記式(a)
    Figure 0003786741
    (式中、cは0〜4の整数である。)で表される2価基を表す。]
  6. 導電性基体上に感光層を設けた電子写真感光体において、感光層が下記一般式(V)で表される末端基(V)を有する架橋性ポリカーボネートを架橋した架橋ポリカーボネートをバインダー樹脂として含有することを特徴とする電子写真感光体。
    Figure 0003786741
    (式中、Rは各々独立にハロゲン原子、炭素数1〜10の置換若しくは無置換のアルキル基、炭素数1〜10の置換若しくは無置換のアルキルオキシ基、炭素数1〜10のアルキルチオ基、炭素数5〜7の置換若しくは無置換のシクロアルキル基、炭素数6〜24の置換若しくは無置換のアリール基、炭素数6〜12の置換若しくは無置換のアリールオキシ基又は炭素数6〜12のアリールチオ基を表し、n5は0〜6の整数を表し、n6は1又は2であり、n9は0〜4の整数を表し、n10は1〜5の整数を表し、n9+n10は1〜5の整数を表す。)
  7. 導電性基体上に感光層を設けた電子写真感光体において、感光層が下記一般式(VI)で表される末端基(VI)を有する架橋性ポリカーボネートを架橋した架橋ポリカーボネートをバインダー樹脂として含有することを特徴とする電子写真感光体。
    Figure 0003786741
    (式中、Rは各々独立にハロゲン原子、炭素数1〜10の置換若しくは無置換のアルキル基、炭素数1〜10の置換若しくは無置換のアルキルオキシ基、炭素数1〜10のアルキルチオ基、炭素数5〜7の置換若しくは無置換のシクロアルキル基、炭素数6〜24の置換若しくは無置換のアリール基、炭素数6〜12の置換若しくは無置換のアリールオキシ基又は炭素数6〜12のアリールチオ基を表し、n9は0〜4の整数を表し、n13は0〜5の整数を表し、R1、R2、R3及びR4は各々独立に水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜10の置換若しくは無置換のアルキル基、炭素数1〜10の置換若しくは無置換のアルキルオキシ基、炭素数1〜10のアルキルチオ基、炭素数5〜7の置換若しくは無置換のシクロアルキル基、炭素数6〜24の置換若しくは無置換のアリール基、炭素数6〜12の置換若しくは無置換のアリールオキシ基又は炭素数6〜12のアリールチオ基を表し、R2とR3とは炭素数1〜4のメチレン鎖で互いに連結されていてもよく、n11及びn12は各々独立に0又は1であり、n11+n12は1又は2であり、n2は0又は1である。)
  8. 架橋性ポリカーボネートが、さらに、下記一般式(I)で表される繰り返し単位(I)を有し、塩化メチレンを溶媒とする0.5g/dl濃度の溶液の20℃における還元粘度が0.05〜20.0dl/gであるものである請求項6又は7記載の電子写真感光体。
    Figure 0003786741
    [式中、Rは各々独立にハロゲン原子、炭素数1〜10の置換若しくは無置換のアルキル基、炭素数1〜10の置換若しくは無置換のアルキルオキシ基、炭素数1〜10のアルキルチオ基、炭素数5〜7の置換若しくは無置換のシクロアルキル基、炭素数6〜24の置換若しくは無置換のアリール基、炭素数6〜12の置換若しくは無置換のアリールオキシ基又は炭素数6〜12のアリールチオ基を表し、a及びbは各々独立に0〜4の整数を表し、Yは単結合或は−O−、−CO−、−S−、−SO−、−SO2−、−CR56−(R5及びR6は各々独立に、水素原子、トリフルオロメチル基、炭素数1〜6のアルキル基又は炭素数6〜12の置換若しくは無置換のアリール基である。)、炭素数5〜11の置換若しくは無置換の1,1−シクロアルキリデン基、炭素数2〜12のα,ω−アルキレン基又は下記式(a)
    Figure 0003786741
    (式中、cは0〜4の整数である。)で表される2価基を表す。]
  9. 導電性基体上に感光層を設けた電子写真感光体において、感光層がエポキシ基と結合可能な基を持つ繰り返し単位或はエポキシ基と結合可能な基を持つ末端基を有する架橋性ポリカーボネートをエポキシ基を有する化合物により架橋した架橋ポリカーボネートをバインダー樹脂として含有することを特徴とする電子写真感光体。
  10. 架橋性ポリカーボネートが、エポキシ基と結合可能な基を持つ繰り返し単位と下記一般式(I)で表される繰り返し単位(I)を有し、塩化メチレンを溶媒とする0.5g/dl濃度の溶液の20℃における還元粘度が0.05〜20.0dl/gであるものである請求項記載の電子写真感光体。
    Figure 0003786741
    [式中、Rは各々独立にハロゲン原子、炭素数1〜10の置換若しくは無置換のアルキル基、炭素数1〜10の置換若しくは無置換のアルキルオキシ基、炭素数1〜10のアルキルチオ基、炭素数5〜7の置換若しくは無置換のシクロアルキル基、炭素数6〜24の置換若しくは無置換のアリール基、炭素数6〜12の置換若しくは無置換のアリールオキシ基又は炭素数6〜12のアリールチオ基を表し、a及びbは各々独立に0〜4の整数を表し、Yは単結合或は−O−、−CO−、−S−、−SO−、−SO2−、−CR56−(R5及びR6は各々独立に、水素原子、トリフルオロメチル基、炭素数1〜6のアルキル基又は炭素数6〜12の置換若しくは無置換のアリール基である。)、炭素数5〜11の置換若しくは無置換の1,1−シクロアルキリデン基、炭素数2〜12のα,ω−アルキレン基又は下記式(a)
    Figure 0003786741
    (式中、cは0〜4の整数である。)で表される2価基を表す。]
  11. エポキシ基と結合可能な基を持つ繰り返し単位が下記一般式(VIII)で表される繰り返し単位(VIII)である請求項又は10記載の電子写真感光体。
    Figure 0003786741
    [式中、Rは各々独立にハロゲン原子、炭素数1〜10の置換若しくは無置換のアルキル基、炭素数1〜10の置換若しくは無置換のアルキルオキシ基、炭素数1〜10のアルキルチオ基、炭素数5〜7の置換若しくは無置換のシクロアルキル基、炭素数6〜24の置換若しくは無置換のアリール基、炭素数6〜12の置換若しくは無置換のアリールオキシ基又は炭素数6〜12のアリールチオ基を表し、n3及びn4は各々独立に0〜4の整数を表し、Vは
    Figure 0003786741
    (式中、Rは上記と同じ意味を有し、n5は0〜6の整数を表わし、FGは
    Figure 0003786741
    を表し、R7及びR8は各々独立に水素原子、炭素数1〜10の置換若しくは無置換のアルキル基、炭素数5〜7の置換若しくは無置換のシクロアルキル基又は炭素数6〜24の置換若しくは無置換のアリール基を表す。)
  12. エポキシ基と結合可能な基を持つ繰り返し単位が下記一般式(IX)で表される繰り返し単位(IX)である請求項又は10記載の電子写真感光体。
    Figure 0003786741
    [式中、Rは各々独立にハロゲン原子、炭素数1〜10の置換若しくは無置換のアルキル基、炭素数1〜10の置換若しくは無置換のアルキルオキシ基、炭素数1〜10のアルキルチオ基、炭素数5〜7の置換若しくは無置換のシクロアルキル基、炭素数6〜24の置換若しくは無置換のアリール基、炭素数6〜12の置換若しくは無置換のアリールオキシ基又は炭素数6〜12のアリールチオ基を表し、n3、n4、n7及びn8は各々独立に0〜4の整数を表し、n5は各々独立に0〜6の整数を表し、ただし、n7+n8は1〜8の整数であり、n3+n7は0〜4の整数であり、n4+n8は0〜4の整数であり、Yは単結合或は−O−、−CO−、−S−、−SO−、−SO2−、−CR56−(R5及びR6は各々独立に、水素原子、トリフルオロメチル基、炭素数1〜6のアルキル基又は炭素数6〜12の置換若しくは無置換のアリール基である。)、炭素数5〜11の置換若しくは無置換の1,1−シクロアルキリデン基、炭素数2〜12のα,ω−アルキレン基又は下記式(a)
    Figure 0003786741
    (式中、cは0〜4の整数である。)で表される2価基を表し、FGは
    Figure 0003786741
    を表し、R7及びR8は各々独立に水素原子、炭素数1〜10の置換若しくは無置換のアルキル基、炭素数5〜7の置換若しくは無置換のシクロアルキル基又は炭素数6〜24の置換若しくは無置換のアリール基を表し、同一繰り返し単位中に存在する2つの−COOH基は下記式(b)
    Figure 0003786741
    の構造をとっていてもよい。]
  13. 架橋性ポリカーボネートが、エポキシ基と結合可能な基を持つ末端基と下記一般式(I)で表される繰り返し単位(I)を有し、塩化メチレンを溶媒とする0.5g/dl濃度の溶液の20℃における還元粘度が0.05〜20.0dl/gであるものである請求項記載の電子写真感光体。
    Figure 0003786741
    [式中、Rは各々独立にハロゲン原子、炭素数1〜10の置換若しくは無置換のアルキル基、炭素数1〜10の置換若しくは無置換のアルキルオキシ基、炭素数1〜10のアルキルチオ基、炭素数5〜7の置換若しくは無置換のシクロアルキル基、炭素数6〜24の置換若しくは無置換のアリール基、炭素数6〜12の置換若しくは無置換のアリールオキシ基又は炭素数6〜12のアリールチオ基を表し、a及びbは各々独立に0〜4の整数を表し、Yは単結合或は−O−、−CO−、−S−、−SO−、−SO2−、−CR56−(R5及びR6は各々独立に、水素原子、トリフルオロメチル基、炭素数1〜6のアルキル基又は炭素数6〜12の置換若しくは無置換のアリール基である。)、炭素数5〜11の置換若しくは無置換の1,1−シクロアルキリデン基、炭素数2〜12のα,ω−アルキレン基又は下記式(a)
    Figure 0003786741
    (式中、cは0〜4の整数である。)で表される2価基を表す。]
  14. エポキシ基と結合可能な基を有する末端基が下記一般式(X)で表される末端基(X)である請求項又は10記載の電子写真感光体。
    Figure 0003786741
    (式中、Rは各々独立にハロゲン原子、炭素数1〜10の置換若しくは無置換の置換若しくは無置換のアルキル基、炭素数1〜10の置換若しくは無置換のアルキルオキシ基、炭素数1〜10のアルキルチオ基、炭素数5〜7の置換若しくは無置換のシクロアルキル基、炭素数6〜24の置換若しくは無置換のアリール基、炭素数6〜12の置換若しくは無置換のアリールオキシ基又は炭素数6〜12のアリールチオ基を表し、n5は0〜6の整数を表し、n9は0〜4の整数を表し、n10は1〜5の整数を表し、n9+n10は1〜5の整数を表し、FGは
    Figure 0003786741
    を表し、R7及びR8は各々独立に水素原子、炭素数1〜10の置換若しくは無置換のアルキル基、炭素数5〜7の置換若しくは無置換のシクロアルキル基又は炭素数6〜24の置換若しくは無置換のアリール基を表し、同一繰り返し単位中に存在する2つの−COOH基は下記式(b)
    Figure 0003786741
    の構造をとっていてもよい。。)
  15. エポキシ基と結合可能な基を有する末端基が下記一般式(XI)で表される末端基(XI)である請求項又は13記載の電子写真感光体。
    Figure 0003786741
    (式中、n5は0〜6の整数を表し、FGは
    Figure 0003786741
    を表し、R7及びR8は各々独立に水素原子、炭素数1〜10の置換若しくは無置換のアルキル基、炭素数5〜7の置換若しくは無置換のシクロアルキル基又は炭素数6〜24の置換若しくは無置換のアリール基を表す。)
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