JP3786753B2 - 無段変速装置の油圧制御回路 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、各要潤滑部へ供給する潤滑油量をエンジン運転状態に応じて可変制御する無段変速装置の油圧制御回路に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、発進クラッチとしてトルクコンバータを利用し、且つ前後進切換装置としてプラネタリギヤ式前後進切換装置を採用すると共に、上記トルクコンバータに、ある運転条件下では必要に応じてエンジンの出力を上記トルクコンバータの流体を介さずに無段変速機側へ出力するロックアップクラッチを併設する無段変速装置では、エンジン駆動式オイルポンプから吐出される油圧により、無段変速機のプーリ制御圧を確保し、又、このプーリ制御圧のドレーン油を利用して上記前後進切換装置、上記ロックアップクラッチを作動させる高潤滑圧、及び機械部分へ潤滑油として供給する低潤滑圧を得ている。
【0003】
ところで、エンジン駆動式オイルポンプの吐出流量は、上記無段変速機の変速制御の際の最大必要流量に基づいて設定されている場合が多い。すなわち、無段変速機を変速制御するときに大量の油量を必要とする場合があり、この状態に対応して上記オイルポンプの容量が設定されている。又、無段変速機が変速動作をしていないときのオイルポンプの吐出流量は、このときのトランスミッション自体の必要油量も少なくなるので、少なくて良く、従って、機械効率を考えた場合、エンジン駆動式オイルポンプのポンプ容量は上記最大必要流量を満足した上で、できるだけ小さく設定することが望ましい。
【0004】
しかし、このポンプ容量を通常の運転条件下における無段変速機の最大必要変速速度等に基づいて設定した場合、急ブレーキ等、特殊な走行条件においては無段変速機の変速制御を行うに十分な油量を確保することが困難になる場合がある。すなわち、走行中に急ブレーキなどの操作によりエンジンに大きな負荷が加わると、エンジン回転速度が低下し、エンジン駆動式オイルポンプの吐出流量が減少するため、上記無段変速機へ供給されるプーリ制御圧が低下してしまい、無段変速機の変速制御に支障を来すことになる。
【0005】
更に、上記オイルポンプの吐出流量が減少すると上記プーリ制御圧からのドレーン流量が減少し、該ドレーン流量が減少すると、例えば、上記高潤滑圧と上記低潤滑圧とが、上記プーリ制御圧のドレーン油を利用して調圧されている場合には、少なくとも高潤滑圧が低下してしまうことが考えられる。その結果、この高潤滑圧を作動油圧として利用する各種クラッチ、ソレノイド弁等が正常に動作せず、クラッチ滑り、弁動作不良等が生じて正常な変速制御に支障を来してしまう。
【0006】
又、エンジン駆動式オイルポンプの吐出流量を無段変速機の最大必要変速速度等に基づいて設定した場合、アイドル運転のように、エンジン回転速度が低い状態では、上記オイルポンプの吐出流量を十分得ることができず、作動油の供給不足が生じる場合がある。例えば、ニュートラルからDレンジにセレクトして前進走行状態へ移行するとき、上記前後進切換装置に対して高潤滑圧を供給し、フォワードクラッチを係合させて該前後進切換装置を一体回転させる際に、該高潤滑圧の必要流量が瞬間的に増大し、一時的な流量不足となり、作動遅れや作動不良を招く場合がある。
【0007】
その対策として、例えば、特開平4−357357号公報には、高潤滑圧を流通する油圧回路と低潤滑圧を流通する油圧回路とを分離し、高潤滑圧のドレーン油を調圧して低潤滑圧を設定することで、特定の運転条件下でエンジン駆動式オイルポンプの吐出流量が少なくなり、一時的な流量不足が生じた場合でも、高潤滑圧に対しては必要最低限の流量、圧力を確保することのできる技術が開示されている。尚、このとき、低潤滑圧は上記オイルポンプの吐出流量不足により一時的に低下するが、このオイルポンプの吐出流量が不足する領域は、エンジン回転速度、或いはエンジン負荷が低いときに限られ、このときの上記低潤滑圧の必要油量は少なくて良いため、潤滑不足が生じることはない。
【0008】
上記低潤滑圧が流通する油圧回路には、要潤滑部へ供給する油量が圧力と流量との関係で一定になるように調圧するオリフィス等の絞り油路が設けられており、従って、上記低潤滑圧が十分に確保されているときは上記要潤滑部へ供給される流量は常にほぼ一定となる。
【0009】
しかし、無段変速機の各部の機能を考えた場合、低潤滑圧が十分に確保されている場合であっても、要潤滑部へ供給する油量が必ずしも一定である必要はない。すなわち、通常の前進走行状態での変速動作は全てプーリと、該プーリに巻装されているベルトとの間で行われ、このときのプラネタリギヤ式前後進切換装置は単に一体回転しているだけであり、プラネタリピニオンなどは相対回転しておらず、従って、このときの前後進切換装置に対する必要油量は一部の摺動面に対して供給するだけでよい。更に、停車、及び極低速走行において、ニュートラルから前進への切換時は上記前後進切換装置のフォワードクラッチによる伝達動力の切換えを行い、一方ニュートラルから後進への切換時はプラネタリギヤにより入出力回転の変換を行うだけで、無段変速機のプーリ、ベルトに対しては大きな動力が継続的に伝達されたり、変速動作することはなく、このような運転状態では、必要油量は少なくて良いことになる。
【0010】
このように、前後進切換装置、軸受、ギヤ等の要潤滑部へ供給する必要油量は常に一定である必要はなく、走行、運転状態により変化する相対的なものであることが解る。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、無段変速機に対するプーリ制御圧のドレーン油を利用して高潤滑圧を設定し、該高潤滑圧のドレーン油を利用して低潤滑圧を設定する場合、これらの圧力には、サージ音等の回路内騒音を低減するためにある幅以上の圧力差を設ける必要があるが、低潤滑圧の最低油圧は要潤滑部へ供給する油量を常にほぼ一定油量に調圧することのできる圧力でなければならないため予め決定されてしまい、この低潤滑圧の最低油圧に基づき上記プーリ制御圧の最低油圧が必然的に決定されてしまう。
【0012】
一方、燃費を改善するためにはトランスミッション内の動力損失を軽減するために内部フリクションを低減する必要がある。この内部フリクションのひとつに潤滑を含めたオイルの攪拌抵抗がある。この攪拌抵抗は、特に、エンジン回転速度が高速のときに顕著に現れる。すなわち、高速回転時、無段変速機のプーリやベルト、前後進切換装置、ギヤ噛合部、及びプーリ軸やリダクションギヤ軸等を支承する軸受が高速で回転するため、それらにより潤滑に供されたオイルが攪拌され、このとき潤滑に供された油量が多ければ攪拌抵抗となりエンジン負荷が増大し、燃費が低下するばかりでなく、油温の上昇を招いてしまう。
【0013】
油温の上昇を防止するためには、ラジエータを大型化して冷却能力を高めるか、低潤滑圧を上昇させてオイルクーラへ導く油量を増加させること等が考えられるが、前者では、ラジエータ容量の大型化によるコストアップを招き、後者では、低潤滑圧の上昇により、プーリ制御圧を上述のごとく相対的に上昇させなければならなくなり、プーリ制御圧の上昇により無段変速機のベルトとプーリ間のフリクションロスとオイルポンプの駆動力損失が増大し、更にはオイルの循環量が増加するために劣化が増長されてオイル交換サイクルの短期化を招き、メンテナンス費用の負担増を強いることになる。尚、オイルクーラ内の流路抵抗を低下させることでオイルクーラへ導く油量を増加させることが可能になるが、流路抵抗を低下させると冷却能力が低下してしまうため限界がある。
【0014】
このように、従来の無段変速装置の油圧制御回路では、要潤滑部へ供給する潤滑圧を常にほぼ一定圧に調圧し、しかも、サージ音等の回路内騒音を低減するために各圧力間に一定幅以上の圧力差を設けているので、相対的にプーリ制御圧を一定圧力以上に保持しなければならず、その結果、トランスミッション内の潤滑油による攪拌抵抗が増加し、該攪拌抵抗による油温の上昇を抑制するためにオイルの冷却能力を向上させようとすると、無段変速機のベルトとプーリとの間のフリクションロスとオイルポンプの駆動損失が増大してし、耐久性及び燃費の低下を招く。
【0015】
これに対処するに、例えば各要潤滑部へオイルを導く油路中にソレノイド弁等の圧力制御弁を介装し、該圧力制御弁により各要潤滑部へ供する油量を適正に制御することも考えられるが、部品点数が増加しコストの高騰を招くばかりでなく、圧力制御弁を介装するスペースを確保することが困難であるため実現性に乏しい。
【0016】
本発明は、上記事情に鑑み、運転状態に応じた油量の最適化を図り、トランスミッション内で発生する潤滑油による攪拌抵抗を低減し、内部フリクション、動力損失の低減を図ることで無段変速機の機械効率の向上を図ると共に、油温の上昇を抑制して耐久性及び燃費の向上を図ることのできる無段変速装置の油圧制御回路を提供することを目的とする。
【0017】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため本発明による第1の無段変速装置の油圧制御回路は、無段変速機の変速制御及びトルクコンバータに併設するロックアップクラッチの動作をエンジン駆動式オイルポンプからの吐出圧を元圧とする潤滑圧にて行うと共に該潤滑圧のドレーン油の一部を各要潤滑部へ潤滑油として供給するものにおいて、上記各要潤滑部へ導く潤滑回路の中途に異なる流路抵抗を有する複数の絞り部を設け、上記各絞り部の少なくとも1つを連通或いは遮断することを特徴とする。
【0018】
本発明による第2の無段変速装置の油圧制御回路は、第1の無段変速装置の油圧制御回路において、前記潤滑回路に2つの異なる流路抵抗を有する前記絞り部を並列に配設し、上記両絞り部を前記無段変速機の運転状態に応じて選択的に連通する流量制御弁に接続したことを特徴とする。
【0019】
本発明による第3の無段変速装置の油圧制御回路は、第1の無段変速装置の油圧制御回路において、記潤滑回路に複数の前記絞り部を並列に配設し、上記各絞り部の一部を前記無段変速機の運転状態に応じて連通或いは遮断する流量制御弁に接続したことを特徴とする。
【0020】
本発明による第4の無段変速装置の油圧制御回路は、第1の無段変速装置の油圧制御回路において、前記各絞り部を前記無段変速機の運転状態に応じて選択的に連通或いは遮断する流量制御弁に接続したことを特徴とする。
【0021】
本発明による第5の無段変速装置の油圧制御回路は、第2〜第4の無段変速装置の油圧制御回路において、前記流量制御弁の全てを前記ロックアップクラッチを結合或いは解除制御するロックアップ制御手段によって制御動作させることを特徴とする。
【0022】
本発明による第6の無段変速装置の油圧制御回路は、第2〜第4の無段変速装置の油圧制御回路において、複数の前記絞り部を選択的に連通或いは遮断する前記流量制御弁を複数備え、上記各流量制御弁を並列或いは直列に配設したことを特徴とする。
【0023】
本発明による第7の無段変速装置の油圧制御回路は、第3或いは第4の無段変速装置の油圧制御回路において、前記流量制御弁の一部を前記ロックアップクラッチを結合或いは解除制御するロックアップ制御手段によって制御動作させることを特徴とする。
【0024】
本発明による第8の無段変速装置の油圧制御回路は、第3或いは第4の無段変速装置の油圧制御回路において、前記流量制御弁の少なくとも1つを前記無段変速機の運転状態に応じて動作する流量制御手段によって制御動作させることを特徴とする。
【0025】
本発明による第9の無段変速装置の油圧制御回路は、無段変速機の変速制御及びトルクコンバータに併設するロックアップクラッチの動作をエンジン駆動式オイルポンプからの吐出圧を元圧とする潤滑圧にて行うと共に該潤滑圧のドレーン油の一部を各要潤滑部へ潤滑油として供給するものにおいて、ロックアップクラッチ結合時の上記無段変速機へ供給する潤滑油量を制限すると共に、オイルクーラへ供給するドレーン油量を相対的に増量することを特徴とする。
【0026】
第1の無段変速装置の油圧制御回路では、エンジン駆動式オイルポンプの吐出圧を元圧として無段変速機の変速制御及びトルクコンバータに併設するロックアップクラッチの動作を行う潤滑圧のドレーン油の一部を潤滑回路を経て要潤滑部へ潤滑油として供給するに際し、この潤滑油を上記潤滑回路中に設けた異なる流路抵抗を有する複数の絞り部の少なくとも1つを選択的に通過させることで、要潤滑部へ供給する油量が調整される。
【0027】
第2の無段変速装置の油圧制御回路では、第1の無段変速装置の油圧制御回路において、潤滑回路中に流路抵抗の異なる2つの絞り部を並列に配設し、この両絞り部の一方を前記無段変速機の運転状態に応じて選択的に連通させることで、要潤滑部へ供給する油量を調整する。
【0028】
第3の無段変速装置の油圧路制御回路では、第1の無段変速装置の油圧制御回路において、前記潤滑回路に複数の前記絞り部を並列に配設し、この絞り部の一部を無段変速機の運転状態に応じて連通或いは遮断することで、要潤滑部へ供給油量を調整する。
【0029】
第4の無段変速装置の油圧制御回路では、第1の無段変速装置の油圧制御回路において、前記各絞り部を無段変速機の運転状態に応じて選択的に連通或いは遮断することで、要潤滑部へ供給する油量を調整する。
【0030】
第5の無段変速装置の油圧制御回路では、第2〜第4の無段変速装置の油圧制御回路において、前記流量制御弁の全てを前記ロックアップクラッチを結合或いは解除制御するロックアップ制御手段によって制御動作することで、トルクコンバータのトルク比の最小となる結合状態、或いはトルク比が増大する可能性のある解除状態に対応した油量を調整する。
【0031】
第6の無段変速装置の油圧制御回路では、第2〜第4の無段変速装置の油圧制御回路において、複数の前記絞り部を選択的に連通或いは遮断する前記流量制御弁を複数備え、この各流量制御弁を並列或いは直列に配設することで、要潤滑部へ供給する油量が無段変速機の運転状態に応じて細かく調整できる。
【0032】
第7の無段変速装置の油圧制御回路では、第3或いは第4の無段変速装置の油圧制御回路において、前記流量制御弁の一部を前記ロックアップクラッチを結合或いは解除制御するロックアップ制御手段によって制御動作することで、トルクコンバータのトルク比の最小となる結合状態、或いはトルク比が増大する可能性のある解除状態に対応した油量を調整する。
【0033】
第8の無段変速装置の油圧制御回路では、第3或いは第4の無段変速装置の油圧制御回路において、前記流量制御弁の少なくとも1つを前記無段変速機の運転状態に応じて動作する流量制御手段によって制御動作させることで、要潤滑部へ供給する油量を調整する。
【0034】
第9の無段変速装置の油圧制御回路では、エンジン駆動式オイルポンプの吐出圧を元圧として無段変速機の変速制御及びトルクコンバータに併設するロックアップクラッチの動作を行う潤滑圧のドレーン油の一部を潤滑回路を経て要潤滑部へ潤滑油として供給するに際し、ロックアップクラッチ結合時の潤滑油量を制限し、相対的にオイルクーラへ供給するドレーン油量を増量する。
【0035】
【発明の実施の形態】
以下、図面に基づいて本発明の一実施の形態を説明する。図1〜図3に本発明の第1実施の形態を示す。
【0036】
図3の符号1はエンジンで、このエンジン1の出力軸2が無段変速装置3、終減速装置4を介して駆動輪5を支承する駆動軸6に連設されている。又、上記無段変速装置3が、入力側からトルクコンバータ7、プラネタリギヤ式前後進切換装置8、無段変速機9で構成されている。
【0037】
又、上記エンジン1の出力軸2が上記トルクコンバータ7のインペラ7aに連設され、このトルクコンバータ7のタービン7bが上記前後進切換装置8の入力軸8aに連設されている。尚、このトルクコンバータ7にはロックアップクラッチ7cが併設されており、このロックアップクラッチ7cが結合すると上記エンジン1の出力軸2と上記タービン7bとが流体を介さず直結状態になる。
【0038】
上記前後進切換装置8はダブルピニオン式プラネタリギヤ10を備え、このプラネタリギヤ10のサンギヤ10aに上記入力軸8aが連設されている。又、このサンギヤ10aとキャリヤ10bとがフォワードクラッチ11を介して係脱自在にされ、更に、リングギヤ10cとトランスミッションケース3aとがリバースブレーキ12を介して係脱自在にされている。
【0039】
上記フォワードクラッチ11が係合すると上記プラネタリギヤ10が一体回転し、又、上記リバースブレーキ12が係合すると逆転した動力を上記無段変速機9の入力軸9aへ伝達する。そして、上記フォワードクラッチ11とリバースブレーキ12との双方が開放された状態では、上記プラネタリギヤ10がニュートラル状態となり、駆動系における動力の伝達が遮断される。
【0040】
上記前後進切換装置8のキャリヤ10bに連設する上記無段変速機9の入力軸9aにプライマリプーリ9bが軸着され、このプライマリプーリ9bに対設するセカンダリプーリ9cが出力軸9dに軸着され、この両プーリ9b,9cにベルト9eが巻装されている。上記各プーリ9b,9cの可動シーブ側にプライマリ油圧室9f、セカンダリ油圧室9gが設けられており、この各油圧室9f,9gに供給される作動油圧により、上記両プーリ9b,9cの溝幅を反比例状態に設定して変速制御を行う。又、上記無段変速機9の出力軸9dが上記終減速装置4の減速歯車群4aを介して、上記駆動軸6に軸着されているデファレンシャル装置4bに連設されている。
【0041】
次に、上記ロックアップクラッチ7c、フォワードクラッチ11、リバースブレーキ12、及び無段変速機9の各油圧室9f,9gに作動油圧を供給する油圧制御回路について説明する。
【0042】
図1の符号21はエンジン駆動式オイルポンプであり、メインポンプ21aとサブポンプ21bとを備え、両ポンプ21a,21bの吸入口がオイルパン22に連通されている。又、メインポンプ21aの吐出口がライン圧油路23に直接連通され、一方、サブポンプ21bの吐出口が切換弁24を介して上記ライン圧油路23に連通されている。この切換弁24は、制御ユニット26(図2参照)からの制御信号に基づいて制御動作される切換用ソレノイド弁25から供給される制御圧により開閉動作される。
【0043】
例えば、高速での定常運転等のようにポンプ流量が比較的多いときは切換用ソレノイド弁25を介して上記切換弁24を閉弁動作させ、上記ライン圧油路23に対してメインポンプ21aのみから油圧を供給する。一方、発進加速時など要求流量が比較的多いときは上記切換弁24を開弁し、上記ライン圧油路23に対しメインポンプ21aとサブポンプ21bとの双方から油圧を供給する。
【0044】
上記ライン圧油路23へ供給される上記オイルポンプ21からの吐出圧が、油圧制御装置27のプライマリ圧制御弁27aに併設するライン圧制御弁27bにてライン圧Psに調圧され、このライン圧Psが無段変速機9のセカンダリプーリ9cのセカンダリ油圧室9g、上記プライマリ圧制御弁27a等に供給される。このプライマリ圧制御弁27aでは上記ライン圧Psを減圧して、上記無段変速機9のプライマリプーリ9bに設けたプライマリ油圧室9fにプライマリ圧Pp(Pp≦Ps)を供給する。
【0045】
上記ライン圧Ps及びプライマリ圧Ppは、制御ユニット26(図2参照)で設定される。この制御ユニット26ではトルクコンバータ7に併設するロックアップクラッチ7cが結合状態にあるときは、該トルクコンバータのトルク比が1.0 の最小値となり、エンジントルクは増幅されずに伝達されるため、上記ライン圧Ps及びプライマリ圧Ppを比較的低圧の範囲で制御することで燃費の向上を図る。一方、上記ロックアップクラッチ7cが解除された状態では、トルク比が大きくなる要素が強く、増幅された大きなトルクがベルトに伝達されるため、失速点となる最大トルク比を考慮した高い圧力範囲で上記両圧力Ps,Ppを制御する。
【0046】
図2に示すように、上記油圧制御装置27に設けた各制御弁27a,27bは上記制御ユニット26からの制御信号に従い制御動作するプライマリ圧制御用ソレノイド弁27cとライン圧制御用ソレノイド弁27dの動作量に従いプライマリ圧Pp、ライン圧Psを設定する。尚、上記無段変速機9では、セカンダリプーリ9cに供給されるライン圧Psにてベルト9eの張力を保持し、上記プライマリ圧Ppによりプライマリプーリ9bの溝幅を可変設定することで変速制御を行う。
【0047】
又、上記油圧制御装置27のライン圧制御弁27bのドレーンポートに高潤滑圧油路28が連通されている。この高潤滑圧油路28に供給される上記ライン圧制御弁27bからの油圧が高潤滑圧制御弁29にて所定の高潤滑圧PLに調圧される。
【0048】
上記高潤滑圧油路28及び上記ライン圧油路23には、セイフティロック弁30、図示しないセレクトレバーと連動するマニュアル弁31を介して、フォワードクラッチ11に連通するフォワードクラッチ油路32とリバースブレーキ12に連通するリバースブレーキ油路33とが連通自在にされている。
【0049】
又、上記セイフティロック弁30は前進走行中にセレクトレバーを誤ってRレンジにセレクトしたり、或いは急ブレーキやそれに伴うタイヤのロック等、駆動輪5から無段変速機9に対し、該無段変速機9の許容変速速度を越える急激な回転変動が伝達される場合に、上記フォワードクラッチ11と上記リバースブレーキ12とに供給されている作動油圧を直ちにドレーンすることで、上記前後進切換装置8を強制的にニュートラル状態にするもので、このセイフティロック弁30の切換え動作が、上記セイフティロック弁30の作動室と上記高潤滑圧油路28とを連通する制御圧油路34aに介装されているセイフティロック用ソレノイド弁34で制御される。
【0050】
このセイフティロック用ソレノイド弁34は通常は閉弁状態にあり、従って、上記セイフティロック弁30の作動室には高潤滑圧油路28を流通する高潤滑圧PLを元圧とする作動油圧が油路34aに供給されておらず、上記フォワードクラッチ油路32と上記リバースブレーキ油路33とを各々流通自在な状態に保持している。上記セイフティロック用ソレノイド弁34に対するON信号は上記制御ユニット26から出力され、このセイフティロック用ソレノイド弁34へON信号が出力されると、このセイフティロック用ソレノイド弁34からセイフティロック弁30の作動室に高潤滑圧PLを元圧とする作動油圧が供給され、このセイフティロック弁30は上記フォワードクラッチ11側とリバースブレーキ12側とに各々連通するフォワードクラッチ油路32とリバースブレーキ油路33とを共に、上記セイフティロック弁30の中央に開口するドレーンポート30aに連通させ、上記フォワードクラッチ11とリバースブレーキ12とを共に解除する。
【0051】
又、上記マニュアル弁31に連動するセレクトレバーがニュートラル(N)レンジ、或いはパーキング(P)レンジにセレクトされているとき、該マニュアル弁31がフォワードクラッチ油路32とリバースブレーキ油路33とに流入するライン圧Ps、高潤滑圧PLを共にドレーンし、又、ドライブ(D)レンジにセレクトされているときは上記高潤滑圧油路28を上記フォワードクラッチ油路32に連通させると共に、リバースブレーキ油路33に流入するライン圧Psをドレーンさせる。一方、リバース(R)レンジにセレクトされているときは上記ライン圧油路23を上記リバースブレーキ油路32に連通すると共に上記高潤滑圧油路28に流入する高潤滑圧PLをドレーンさせる。
【0052】
又、上記マニュアル弁31下流の上記フォワードクラッチ油路32と上記リバースブレーキ油路33とにオリフィス35が介装されていると共に、該オリフィス35と並列に上記フォワードクラッチ11或いは上記リバースブレーキ12から上記マニュアル弁31側への流通のみを許容する逆止弁36が配設されている。
【0053】
尚、符号37,38は上記フォワードクラッチ11とリバースブレーキ12に供給する作動油圧の変動を緩衝するアキュムレータである。
【0054】
又、符号40は上記トルクコンバータ7に設けたロックアップクラッチ7cの結合、解除を制御するロックアップ制御弁であり、このロックアップ制御弁40の流入側に上記高潤滑圧油路28と上記高潤滑圧制御弁29のドレーンポートに連通する低潤滑圧油路41とが接続され、又、吐出側に上記ロックアップクラッチ7cのアプライ側に連通するアプライ圧油路42とリリース側に連通するリリース圧油路43とが接続されている。尚、上記アプライ圧油路42にはリリーフ弁44が連通されている。
【0055】
更に、上記ロックアップ制御弁40の作動室に制御油路45が連通され、又、このロックアップ制御弁40の上記作動室に対向配設するバイアス室にバイアスばねが介装されていると共に高潤滑圧油路28が接続されている。又、上記制御油路45にロックアップ制御手段の一例であるロックアップ制御用ソレノイド弁46を介して上記高潤滑圧油路28が連通自在にされている。
【0056】
上記ロックアップ制御用ソレノイド弁46には上記高潤滑圧油路28と上記制御油路45及びドレーン油路(図示せず)が接続されており、上記制御ユニット26からの制御信号に従い、上記制御油路45を上記高潤滑圧油路28と上記ドレーン油路とに選択的に連通させる。
【0057】
すなわち、ロックアップ結合時には高潤滑圧油路28と制御油路45とを連通させて、上記高潤滑圧油路28を流通する高潤滑圧PLを元圧とする作動油圧POを上記制御油路45に供給し、又ロックアップ解除時には上記高潤滑圧油路28と上記制御油路45とを遮断すると共に、該制御油路45をドレーン油路へ導き上記ロックアップ制御弁40の作動室に供給されている作動油圧POをドレーンさせる。
【0058】
又、上記高潤滑圧制御弁29のドレーンポートには上記低潤滑圧油路41が接続されていると共に、この低潤滑圧油路41を流通する低潤滑圧PL’を調圧する低潤滑圧制御弁50が連通され、この低潤滑圧制御弁50のドレーンポートが上記オイルポンプ21の吸入側に連通されている。
【0059】
更に、上記低潤滑圧油路41に異なる流路抵抗を有するオリフィスを介装したリリース側絞り油路51a,51bと前後進切換装置(F/R)側絞り油路52a,52bと潤滑油路53とが並列接続されている。尚、一方の絞り油路51a,52aが他方の絞り油路51b,52bよりもオリフィスの流路抵抗が大きく(断面積が小さく)設定されている。
【0060】
この潤滑油路53は、無段変速機9のプーリを含む無段変速装置の要潤滑部等、前後進切換装置(F/R)8以外へ潤滑油を導く。尚、前後進切換装置(F/R)8に対してはF/R潤滑油路54から潤滑油が供給され、又、上記潤滑油路53に流路抵抗の大きい(断面積の小さい)オリフィスが介装されている。
【0061】
上記各絞り油路51a,51b,52a,52b、及び上記低潤滑圧油路41が流量制御弁55の入力ポートに接続されている。又、この流量制御弁55の出力ポートに上記ロックアップ制御弁40に連通するリリース側潤滑圧油路56、上記F/R側潤滑圧油路54、及び上記潤滑油路53に設けたオリフィスの下流に接続する副潤滑油路57が接続されている。
【0062】
上記流量制御弁55は、その一側に介装されているバイアスばねの付勢力で、図1の右方向へ付勢されており、この付勢方向の端部に設けた作動室に上記制御油路45が接続されている。
【0063】
この流量制御弁55が上記バイアスばねの付勢力で図1の右方向へ偏倚すると、
流路抵抗の大きいリリース側絞り油路51aとリリース側潤滑圧油路56とが連通されると共に、流路抵抗の小さいF/R側絞り油路52bとF/R潤滑油路54とが連通される。又、上記流量制御弁55の作動室に上記ロックアップ制御用ソレノイド弁46から高潤滑圧PLを元圧とする作動油圧が供給されると、この作動油圧による力と、上記バイアスばねによる付勢力との力の釣り合いにより、上記流量制御弁55が図1の左方向へスライドし、流路抵抗の小さいリリース側絞り油路51bとリリース側潤滑圧油路56とが連通されると共に、流路抵抗の大きいF/R側絞り油路52aとF/R潤滑油路54とが連通され、更に低潤滑圧油路41と副潤滑油路57とが連通される。
【0064】
又、上記ロックアップ制御弁40は、その作動室に上記ロックアップ制御用ソレノイド弁46から高潤滑圧PLを元圧とする作動油圧が供給されると、この作動油圧による力と、その対向端部に設けたバイアス室に流入する高潤滑圧PL及びバイアスばねによるバイアス圧との押力差により切換え動作される。すなわち、上記作動室に供給される作動油圧が上昇し、上記バイアス圧による押力よりも大きくなると、押力差によりスライドし上記高潤滑圧油路28を上記アプライ圧油路42に連通して、上記ロックアップクラッチ7cのアプライ側に高潤滑圧PLを元圧とするアプライ圧PAPを供給すると共にリリース圧油路43をドレーンポートに連通して上記リリース圧PRを排出し、ロックアップクラッチを結合させる。このとき上記リリース側潤滑油路56はドレーン油路47に連通され、オイルクーラ48を介してドレーンされる。
【0065】
一方、上記ロックアップ制御弁40の作動室に供給されている作動油圧が減衰し、この作動室に対向配設するバイアス室に流入されている高潤滑圧PLとバイアスばねとによるバイアス圧による力よりも小さくなると、流路が切換えられ、図1に示すように、上記リリース側潤滑油路56がリリース圧油路43に接続し、ロックアップクラッチ7cのリリース側に低潤滑圧PL’を元圧とするリリース圧PRが供給されると共に、アプライ圧油路42がドレーン油路47に連通されてアプライ側に供給されているアプライ圧PAPがオイルクーラ47を介してドレーンされ、ロックアップクラッチ7cが解除される。
【0066】
又、上記高潤滑圧制御弁29と上記低潤滑圧制御弁50は、その作動室に供給される作動油圧と、該作動室の対向端部に設けたバイアス室に介装したバイアスばねとの力の釣り合いでドレーン流量が可変設定される。すなわち、各制御弁29,50の作動室に供給される作動油圧が、その対向端部に設けたバイアスばねの付勢力よりも高くなると、各制御弁29,50がバイアスばねの付勢力に抗してスライドし潤滑油のドレーン流量を増大させる。一方、上記作動室に供給される作動油圧が減少し、この作動油圧が上記バイアスばねの付勢力よりも低くなると、上記各制御弁29,50がバイアスばねの付勢力を受けて反対方向へスライドし、潤滑油のドレーン流量を減少させる。上記各制御弁29,50のドレーン流量が減少すると、高潤滑圧油路28、低潤滑圧油路41を流通する高潤滑圧PL、低潤滑圧PL’が上昇し、又、上記各制御弁29,50のドレーン流量が増加すると、上記高潤滑圧PL、上記低潤滑圧PL’が相対的に低く制御される。
【0067】
次に、本実施の形態の作用について説明する。エンジン駆動式オイルポンプ21はメインポンプ21aとサブポンプ22bとを備え、エンジン運転中はメインポンプ21aがオイルパン22に貯留されている潤滑油をライン圧油路23へ常時供給し、一方、サブポンプ21bはエンジン運転状態に応じ切換弁24を介して上記ライン圧油路23に潤滑油を適宜供給する。そして、このライン圧油路23に供給される潤滑油が油圧制御装置27のライン圧制御弁27bにて調圧されて高圧のライン圧Psが設定される。
【0068】
又、上記ライン圧制御弁27bからのドレーン油が高潤滑圧油路28に流入される。この高潤滑圧油路28に流入されたドレーン油は高潤滑圧制御弁29にて調圧され、所定の高潤滑圧PLに設定される。
【0069】
更に、上記高潤滑圧制御弁29からのドレーン油が低潤滑圧油路41に流入する。この低潤滑圧油路41に流入されたドレーン油は低潤滑圧制御弁50にて調圧されて所定の低潤滑圧PL’に設定され、この低潤滑圧制御弁50からのドレーン油が上記オイルポンプ21の吸入側へ還流される。
【0070】
無段変速機9では、そのセカンダリプーリ9cに設けたセカンダリ油圧室9gに上記ライン圧Psが供給され、このセカンダリプーリ9cにトルク伝達に必要な張力を付与する。一方、プライマリプーリ9bに設けたプライマリ油圧室9fには、上記油圧制御装置27のプライマリ圧制御弁27aにて調圧されたプライマリ圧Ppが供給され、このプライマリ圧Ppによりプーリの溝幅を可変することで変速制御が行われる。
【0071】
このプライマリ圧Pp及びライン圧Psが制御ユニット26で設定され、トルクコンバータ7に併設するロックアップクラッチ7cが結合される状態では、該トルクコンバータ7のトルク比が 1.0であるため、ベルトにスリップが発生し難く、上記ライン圧Ps及びプライマリ圧Ppを比較的低圧の範囲で制御する。一方、上記ロックアップクラッチ7cが解除された状態では、失速点となる最大トルク比を考慮した高い圧力で上記両圧力Ps,Ppを制御する。従って、上記両圧力Ps,Ppはロックアップクラッチ7cが結合状態では低い範囲で、解除状態では高い範囲で制御される。
【0072】
上記ロックアップクラッチ7cの結合或いは解除は上記制御ユニット26で制御される。
【0073】
ロックアップクラッチ7cを結合させるときはロックアップ制御用ソレノイド弁46にロックアップON信号を出力し、このロックアップ制御用ソレノイド弁46を介して上記高潤滑圧油路28を上記制御油路45に連通させる。
【0074】
すると、上記高潤滑圧油路28を流通する高潤滑圧PLを元圧とする作動油圧が上記制御油路45に流入され、この作動油圧がロックアップ制御弁40の作動室、及び流量制御弁55の作動室に供給される。
【0075】
上記ロックアップ制御弁40の作動室に供給された作動油圧による力が、該作動室の対向端部に設けたバイアス室に介装されているバイアスばね及びこのバイアス室に流入する高潤滑圧PLとの共働によるバイアス圧による力よりも大きくなると、その力の釣り合いにより上記バイアス力に抗して図1の右方向へスライドし、上記高潤滑圧油路28と上記アプライ圧油路42とが連通し、又、リリース圧油路43とドレーンポートとが連通し、更に、リリース側潤滑油路56と上記ドレーン油路47とが連通される。
【0076】
その結果、上記ロックアップクラッチ7cのアプライ側に高潤滑圧PLを元圧とするアプライ圧PAPが供給され、又、リリース側に供給されているリリース圧PRがドレーンされて、ロックアップクラッチ7cが結合する。
【0077】
一方、流量制御弁55の作動室に上記高潤滑圧PLを元圧とする作動油圧が供給されると、上記作動室の対向端部に設けたバイアスばねの付勢力に抗してスライドし、低潤滑圧油路41とリリース側潤滑油路56とを流路抵抗の小さいリリース側絞り油路51bを介して連通すると共に、該低潤滑圧油路41とF/R潤滑油路54とを流路抵抗の大きいF/R側絞り油路52aを介して連通し、更に、潤滑油路53に対しては副潤滑油路57から潤滑油が増量供給される。
【0078】
その結果、上記ロックアップクラッチ7cが結合状態なると、前後進切換装置8に対しては低潤滑圧PL’を元圧とし流路抵抗の大きいF/R側絞り油路52aを通過した潤滑油がF/R潤滑油路54を経て供給されるため、供給される油量が制限され、一方、他の要潤滑部に対しては上記低潤滑圧油路41に直結する潤滑油路53を流通する潤滑油に副潤滑油路57を経て流通する潤滑油が加えられた比較的多い潤滑油が供給される。更に、リリース側潤滑油路56に対しては流路抵抗の小さいリリース側絞り油路51bを経て上記低潤滑圧PL’を元圧とする作動油圧が供給されるため、該リリース側潤滑油路56を流通する油量が多くなる。
【0079】
又、ロックアップクラッチ7cを解除するときは、上記制御ユニット26から上記ロックアップ制御用ソレノイド弁46にロックアップOFF信号を出力する。すると、高潤滑圧油路28と制御油路45とが遮断されると共に、該制御油路45をドレーンポート(図示せず)に連通する。その結果、ロックアップ制御弁40の作動室、及び流量制御弁55の作動室に供給されている作動油圧がドレーンされ、該ロックアップ制御弁40はバイアス室に介装されているバイアスばねと高潤滑圧PLとの共働によるバイアス圧の付勢力により、直ちに流路の切換動作し、アプライ圧油路42とドレーン油路47とが連通され、リリース側潤滑油路56とリリース圧油路43とが連通される。
【0080】
同時に、流量制御弁55の作動室に供給されている作動油圧もドレーンされ、この流量制御弁55はバイアスばねの付勢力を受けて切換え動作し、低潤滑圧油路41とリリース側潤滑油路56とが流路抵抗の大きいリリース側絞り油路51aを介して連通され、又、F/R潤滑油路54が流路抵抗の小さいF/R側絞り油路52bを介して上記低潤滑圧油路41に連通されると共に、副潤滑油路57と上記低潤滑圧油路41とが遮断される。
【0081】
その結果、ロッククラッチ7cが解除状態になると、前後進切換装置8に対しては低潤滑圧PL’を元圧とし流路抵抗の小さいF/R側絞り油路52bを通過した潤滑油がF/R潤滑油路54を経て供給されるため、供給される油量が増加し、一方、他の要潤滑部に対しては上記低潤滑圧油路41に直結する潤滑油路53を流通する潤滑油のみによる比較的少ない潤滑油が供給される。更に、リリース側潤滑油路56に対しては流路抵抗の大きいリリース側絞り油路51aを経て上記低潤滑圧PL’を元圧とする作動油圧が供給されるため、該リリース側潤滑油路56を流通する油量がロックアップクラッチ7cのリリース側に供給する十分な必要量に制限される。
【0082】
一般に、上記ロックアップクラッチ7cの結合は、トルクコンバータ7による動力損失を最小限に抑えるため、発進後比較的早期に行われ、従って、所定車速以上の定常走行ではロックアップクラッチ7cは結合されている。ロックアップクラッチ7cが結合されるときは前進走行時に限られ、前進走行時の前後進切換装置8に設けたダブルピニオン式プラネタリギヤ10はフォワードクラッチ11の締結動作によりキャリアと一体回転するため、プラネタリピニオンなどは回転しておらず、この前後進切換装置8に対してはブレーキフェージング面等、一部の摺動部分へ潤滑油を適量供給すれば良く、従って、F/R潤滑油路54から上記前後進切換装置8へ供給する油量を少なくすることで、潤滑油による攪拌抵抗を低減することができる。又、前進走行時は無段変速機9のプーリ、その他の要潤滑部には攪拌抵抗が生じない程度の油量を適量供給する。更に、F/R潤滑油路54へ供給する油量を減少させた分、ドレーン油路47へ供給する油量を増加させることで油温を効率よく低下させることができる。
【0083】
又、ロックアップクラッチ7cが解除されているときは、車両停止時のアイドル状態、後進走行を選択する可能性のある状態が含まれ、アイドル状態ではエンジン回転数が低くオイルポンプ21の吐出量が少なく、又、アイドル状態から後進走行が選択されると前後進切換装置8のプラネタリギヤ10が作動するため、プラネタリピニオン等の回転部に潤滑油を多く供給する必要がある。
【0084】
従って、上記F/R潤滑油路54を流通して上記前後進切換装置8へ供給する油量を増加、その一方、潤滑油路53を経て他の要潤滑部へ供給する油量を減少させることで、オイルポンプ21の吐出容量に応じた流量バランスを得ることができる。
【0085】
又、図4に本発明の第2実施の形態を示す。上述した第1実施の形態では、ロックアップクラッチ7cを結合したとき、低潤滑圧油路41からロックアップ制御弁40を経てドレーン油路47へ供給する油量を増加することで油温を積極的に低下させるようにしているが油温を積極的に冷却する必要がないときは、本実施の形態に示すように、低潤滑圧油路41をロックアップ制御弁40に直結すると共に、この低潤滑圧油路41と、オリフィスにより所定流路抵抗を有する潤滑油路53及びF/R潤滑油路54とを油量切換弁61に並列接続し、更に、上記低潤滑圧油路41と潤滑油路53及びF/R潤滑油路54とをオリフィスにより所定流路抵抗を有するバイパス油路53a,54aを介して連通する。
【0086】
上記油量切換弁61はロックアップクラッチ7cが結合状態のときは、上記流量制御弁61の作動室に上記ロックアップ制御用ソレノイド弁46を介して高潤滑圧PLを元圧とする作動圧が供給され、上記流量制御弁61は上記作動圧と上記バイアスばねとの力の釣合いにより、該バイアスばねの付勢力に抗して図の左方向へスライドし、低潤滑圧油路41と潤滑油路53とを連通すると共に、該低潤滑圧油路41とF/R潤滑油路54とを遮断する。その結果、潤滑油路53から無段変速機9のプーリなどの要潤滑部にはバイパス油路53aを流通する潤滑油に上記油量切換弁61を介して供給される潤滑油分が加算された油量が供給され、又、前後進切換装置8に対してはバイパス油路54aのみからの制限された油量が供給される。
【0087】
一方、ロックアップクラッチ7cが解除状態のときは、上記作動室に供給された作動油圧はロックアップ制御用ソレノイド弁46によりドレーンされるため、上記油量切換弁61はバイアスばねの付勢力を受けて図の右方向へスライドし、低潤滑圧油路41と潤滑油路53とを遮断すると共に、該低潤滑圧油路41とF/R潤滑油路54とを連通する。その結果、潤滑油路53から無段変速機9のプーリなどの要潤滑部にはバイパス油路53aを流通する潤滑油のみの制限された油量が供給され、又、前後進切換装置8に対してはバイパス油路54aを流通する潤滑油に上記油量切換弁61を介して供給される潤滑油分が加算されて増量された油量が供給される。
【0088】
以上の結果、本実施の形態では、要潤滑部へ供給する油量のみをロックアップクラッチ7cの動作状態に応じて切換えるようにしたので、構成が簡素化され制御が容易になる。
【0089】
又、図5に本発明の第3実施の形態を示す。本実施の形態では高潤滑圧油路28を流通する高潤滑圧PL、及び低潤滑圧油路41を流通する低潤滑圧油路PL’をロックアップ7cの動作状態に応じて可変設定する油圧制御回路において、要潤滑部へ供給する油量を上記低潤滑圧PL’の圧力変化に対応させて可変制御するものである。
【0090】
上記高潤滑圧PLを制御する高潤滑圧制御弁62、上記低潤滑圧PL’を制御する低潤滑圧油路63、ロックアップクラッチ7cのアプライ側へ上記低潤滑圧PL’を元圧として供給するアプライ圧PA及び要潤滑部へ供給する油量を切換制御する油量切換弁64の作動室に制御油路45が連通されている。更に、上記低潤滑圧油路41には無段変速機9、前後進切換装置8等の要潤滑部へ潤滑油を供給する潤滑油路53が接続されている。
【0091】
ロックアップクラッチ7cが結合状態にあるとき、ロックアップ制御用ソレノイド弁46側から高潤滑圧PLを元圧とする作動油圧が高潤滑圧制御弁62、低潤滑圧制御弁63、油量切換弁64の各作動室に供給され、両潤滑圧制御弁62,63はバイアスばねの付勢力に抗してスライドし、ドレーンポートを拡大する。又、上記油量切換弁64では潤滑油路53に並列接続する副潤滑油路57を上記低潤滑圧油路41に連通すると共に、該低潤滑圧油路41に介装したオリフィスをバイパスするバイパス油路41aを連通させる。
【0092】
一方、ロックアップクラッチ7cが解除状態にあるとき、ロックアップ制御用ソレノイド弁46が制御油路45に供給された作動油圧をドレーンするため、上記高潤滑圧制御弁62、上記低潤滑圧制御弁63、及び油量切換弁64の各作動室に供給されている作動油圧がドレーンされ、上記両潤滑圧制御弁62,63はバイアスばねの付勢力により初期位置に復帰されてドレーンポートを絞り込み、又、上記油量切換弁64は上記副潤滑油路57と上記バイパス油路41aを共に遮断する。
【0093】
このように、本実施の形態では、上記ロックアップクラッチ7cが結合状態にあるときは、トルク比が1.0であるため、油圧制御装置27のプライマリ圧制御弁27aにて調圧されるプライマリ圧Pp、及びライン圧制御弁27bにて調圧されるライン圧Psが低い圧力範囲で制御されるのに同期して、高潤滑圧PL、及び低潤滑圧PL’が低い値に設定されるが、要潤滑部へ供給する油量は潤滑油路53から供給される通常の潤滑油に油量切換弁64から副潤滑油路57を経て供給される油量が加算される分、増量されので供給不足になることはない。同時に、ロックアップ制御弁40に供給される油量が通常の低潤滑油路41を流通する油量に、バイパス油路41aを流通する油量が加算されるので、ドレーン油路47を介してオイルクーラ48にて冷却される油量が確保される。
【0094】
又、ロックアップクラッチ7cが解除状態にあるときは、トルク比が拡大する可能性があるため、油圧制御装置27のプライマリ圧制御弁27aにて調圧されるプライマリ圧Pp、及びライン圧制御弁27bにて調圧されるライン圧Psが高い圧力範囲で制御されるのに同期して、高潤滑圧PL、及び低潤滑圧PL’が高い値に設定されるが、要潤滑部へ供給する油量は潤滑油路53から供給される潤滑油のみとなるため過剰供給とならず、潤滑油による攪拌抵抗を減少することができる。同時に、ロックアップ制御弁40に供給される油量が通常の低潤滑油路41を流通する油量のみとなり、ロックアップ制御弁40を介してリリース圧油路43に供給される低潤滑圧PL’を元圧とするリリース圧PRが供給される。
【0095】
尚、本実施の形態では、ロックアップクラッチ7cが結合状態にあるときでも、ドレーン油路47を流通する油量が十分確保されているときは、上記油量切換弁64の切換動作によって流量を増量する必要は無い。
【0096】
又、図6、図7に本発明の第4実施の形態を示す。前述した第1実施の形態では、流量制御弁55をロックアップ制御用ソレノイド弁46にて切換え動作しているが、本実施の形態では流量制御弁65を上記ロックアップ制御用ソレノイド弁46とは別個独立に設けた流量制御手段の一例である流量制御用ソレノイド弁66にて無段変速装置の運転状態に応じて切換動作させるようにしたものである。
【0097】
上記流量制御弁65の出力ポートには、無段変速機9のプーリを含む要潤滑部等、前後進切換装置(F/R)8以外へ潤滑油を導く潤滑油路53と、前後進切換装置(F/R)8へ潤滑油を供給するF/R潤滑油路54と、ロックアップ制御弁40に連通するリリース側潤滑圧油路56とが接続されている。又、上記流量制御弁65の入力ポートには、上記リリース側潤滑圧油路56に選択的に接続する異なる流路抵抗を有するオリフィスを介装したリリース側絞り油路67a,67bと、上記F/R潤滑油路54に選択的に接続する異なる流路抵抗を有するオリフィスを介装したF/R側絞り油路68a,68bと、上記潤滑油路53に選択的に接続する異なる流路抵抗を有するオリフィスを介装した潤滑油路側絞り油路69a,69bが接続され、この各絞り油路67a,67b,68a,68b,69a,69bが低潤滑圧PL’を流通する低潤滑圧油路41に接続されている。
【0098】
上記流量制御用ソレノイド弁66がOFF状態のときは、該ソレノイド弁66が高潤滑圧PLを流通する高潤滑圧油路28と上記流量制御弁65の作動室とを遮断すると共に、該作動室に供給されている作動油圧をドレーンする。すると、上記流量制御弁65がバイアスばねの付勢力を受けて図6の右方向へスライドし、上記リリース側潤滑圧油路56にリリース側絞り油路67aを介して、又、潤滑油路53に潤滑油路側絞り油路69aを介して、更に、F/R潤滑油路54にF/R側絞り油路68aを介して低潤滑圧油路41が各々接続される。
【0099】
一方、上記流量制御用ソレノイド弁66がON状態のときは、高潤滑圧油路28を流通する高潤滑圧PLを元圧とする作動油圧が上記流量制御弁65の作動室に供給され、該流量制御弁65はバイアスばねの付勢力に抗して図の左方向へス上記リリース側潤滑圧油路56にリリース側絞り油路67bを介して、又、潤滑油路53に潤滑油路側絞り油路69bを介して、更に、F/R潤滑油路54にF/R側絞り油路68bを介して低潤滑圧油路41が各々接続される。
【0100】
このように、本実施の形態では、流量制御弁65の切換制御をロックアップクラッチ7cの結合、解除動作とは別個に制御するようにしたので、より最適な潤滑圧、或いは油量を供給することができる。
【0101】
又、図8〜図10に本発明の第5実施の形態を示す。本実施の形態では、流量制御弁71にプライマリ作動室とセカンダリ作動室との2室を設け、この各作動室に対する高潤滑圧油路28を流通する高潤滑圧PLを元圧とする作動圧の供給、或いは各作動室に供給した作動圧のドレーンを二つの独立したプライマリソレノイド弁72とセカンダリソレノイド弁73とで、無段変速装置の運転状態に応じて制御する。
【0102】
すなわち、上記流量制御弁71の出力ポートにはF/R潤滑油路54に連通する2つの油路74a,74bが並列接続され、又、潤滑油路53に連通する2種類の異なる流路抵抗を有する油路75a,75bが並列接続されている。又、上記流量制御弁71の入力ポートには、F/R潤滑油路54に連通する油路74a,74bの一方に接続自在な3種類の異なる流路抵抗のオリフィスを有するF/R側絞り油路76a,76b,76cと、潤滑油路53に連通する油路75a,75bの一方に接続自在な2種類の異なる流路抵抗のオリフィスを有する潤滑油路側絞り油路77a,77bとが接続されている。
【0103】
本実施の形態では、上記両ソレノイド弁72,73の双方がOFF、プライマリソレノイド弁72のみがON、両ソレノイド弁72,73の双方がONの3段階で油量を制御する。
【0104】
上記両ソレノイド弁72,73がOFFのとき上記流量制御弁71は図8の状態にあり、潤滑油路53に対しては潤滑油路側絞り通路77a、油路75aを経て低潤滑圧PL’を元圧とする潤滑油が供給され、又、F/R潤滑油路54に対してはF/R側絞り油路76a、油路74aを経て低潤滑圧PL’を元圧とする潤滑油が供給される。
【0105】
又、プライマリソレノイド弁72のみがON動作すると、図9(a)に示すように、プライマリ作動室に高潤滑圧油路28を流通する高潤滑圧PLを元圧とする作動圧が供給され、上記ソレノイド弁72はバイアスばねの付勢力に抗して、図の右方向へスライドし、上記潤滑油路53に対しては潤滑油路側絞り通路77a、油路75bを経て低潤滑圧PL’を元圧とする潤滑油が供給され、又、F/R潤滑油路54に対してはF/R側絞り油路76a,76bの双方から油路74aを経て低潤滑圧PL’を元圧とする潤滑油が供給される。
【0106】
更に、両ソレノイド弁72,73がON動作すると、図9(b)に示すように、プライマリ作動室とセカンダリ作動室との双方に高潤滑圧油路28を流通する高潤滑圧PLを元圧とする作動圧が供給され、上記ソレノイド弁72はバイアスばねの付勢力に抗して、図の右方向へ更にスライドし、上記潤滑油路53に対しては潤滑油路側絞り通路77b、油路75bを経て低潤滑圧PL’を元圧とする潤滑油が供給され、又、F/R潤滑油路54に対してはF/R側絞り油路76b,76cの双方から油路74bを経て低潤滑圧PL’を元圧とする潤滑油が供給される。
【0107】
以上の結果、本実施の形態では、各油路75a,75b,76a,76b,76c,77a,77bにそれぞれ設けたオリフィスの流路抵抗を適宜設定することで、要潤滑部へ供給する油量を無段変速機の運転状態に応じてより細密に設定することができる。
【0108】
又、図11に本発明の第6実施の形態を示す。上述した第5実施の形態では、2つのソレノイド弁72,73を用いてひとつの流量制御弁71を3段階に切換え動作させたが、本実施の形態では2つのソレノイド弁72,73で2つの流量制御弁81,82を個別に制御することで、潤滑油路53及びF/R潤滑油路54へ供給する油量、及びロックアップ制御弁40へ供給する油圧を設定するものである。
【0109】
すなわち、上記潤滑油路53及びF/R潤滑油路54へ供給する油量は、第5実施の形態と同様、上記両ソレノイド弁72,73の双方がOFF、プライマリソレノイド弁72のみがON、両ソレノイド弁72,73の双方がONの3段階で制御する。
【0110】
両ソレノイド弁72,73が共にOFFのとき、ロックアップ制御弁40に連通するリリース側潤滑油路56と低潤滑圧油路41とがリリース側絞り油路83aを介して連通され、又、潤滑油路53が低潤滑油路41に対しては潤滑油路側絞り油路84a、及びオリフィス85をバイパスするバイパス通路86を介して連通され、一方、F/R潤滑油路54に対しては上記低潤滑圧油路41に接続する油路87を経て供給される。
【0111】
又、プライマリソレノイド弁72のみがオンすると、上記流量制御弁弁81がバイアスばねの付勢力に抗してスライドし、ロックアップ制御弁40に連通するリリース側潤滑油路56と低潤滑圧油路41とがリリース側絞り油路83bを介して連通され、又、潤滑油路53が低潤滑油路41に対しては潤滑油路側絞り油路84b、及びオリフィス85をバイパスするバイパス通路86を介して連通され、一方、F/R潤滑油路54に対しては上記低潤滑圧油路41に接続する油路87と油路88との双方から供給される。
【0112】
そして、両ソレノイド弁72,73の双方がONすると、両ソレノイド弁72,73がバイアスばねの付勢力に抗してスライドし、ロックアップ制御弁40に連通するリリース側潤滑油路56と低潤滑圧油路41とがリリース側絞り油路83bを介して連通され、又、潤滑油路53が低潤滑油路41に対しては潤滑油路側絞り油路84b、及びオリフィス85を経て連通され、一方、F/R潤滑油路54に対しては油路88のみから供給される。すなわち、セカンダリソレノイド弁82がONすると、油路86,87が遮断される。
【0113】
又、図12に本発明の第7実施の形態を示す。上述した第6実施の形態では流量制御弁81の切換動作をプライマリソレノイド弁72で制御していたが、本実施の形態では、上記流量制御弁81をロックアップ制御用ソレノイド弁46で制御するようにしたもので、上記流量制御弁81の切換動作は、上記第6実施の形態と同じである。
【0114】
【発明の効果】
請求項1記載の発明によれば、無段変速機の変速制御及びトルクコンバータに併設するロックアップクラッチの動作を行う潤滑圧のドレーン油の一部を潤滑回路を経て要潤滑部へ潤滑油として供給するに際し、この潤滑油を上記潤滑回路中に設けた異なる流路抵抗を有する複数の絞り部の少なくとも1つを選択的に通過させるようにしたので、要潤滑部へ供給する油量を運転状態に応じて最適化を図ることができ、例えば前後進切換装置へ供給する油量を前進走行時には制限することでトランスミッション内で発生する潤滑油による攪拌抵抗が低減され、攪拌抵抗の低減により内部フリクション、動力損失が低減され、その結果、無段変速機の機械効率の向上、及び燃費の向上を図ることができる。
【0115】
この場合、請求項2記載の発明、或いは請求項3記載の発明、又は請求項4記載の発明のように、潤滑回路中に流路抵抗の異なる2つの絞り部を並列に配設し、この両絞り部の一方を前記無段変速機の運転状態に応じて選択的に連通させ、或いは、潤滑回路に複数の前記絞り部を並列に配設し、この絞り部の一部を無段変速機の運転状態に応じて連通或いは遮断させ、又は、前記各絞り部を無段変速機の運転状態に応じて選択的に連通或いは遮断させる流量制御弁を設けることで、構成の簡略化が図れ、要潤滑部へ供給する油量の切換が容易になる。
【0116】
請求項5記載の発明では、請求項2〜4記載の発明において、上記流量制御弁を前記ロックアップクラッチを結合或いは解除制御するロックアップ制御手段によって制御動作させることで、トルクコンバータのトルク比の最小となる結合状態、或いはトルク比が増大する可能性のある解除状態に対応した最適な油量を要潤滑部へ供給することができる。
【0117】
請求項6記載の発明では、請求項2〜4記載の発明において、複数の上記絞り部を選択的に連通或いは遮断する上記流量制御弁を複数備え、この各流量制御弁を並列或いは直列に配設させることで、要潤滑部へ供給する油量を無段変速機の運転状態に応じて微細に調整することができる。
【0118】
請求項7記載の発明では、請求項3或いは4記載の発明において、上記流量制御弁の一部を上記ロックアップクラッチを結合或いは解除制御するロックアップ制御手段によって制御動作することで、トルクコンバータのトルク比の最小となる結合状態、或いはトルク比が増大する可能性のある解除状態に対応した最適な油量を要潤滑部へ供給することができる。
【0119】
請求項8記載の発明では、請求項3或いは4記載の発明において、上記流量制御弁の少なくとも1つを上記無段変速機の運転状態に応じて動作する流量制御手段によって制御動作させることで、要潤滑部へ供給する油量の切換時期を適正に制御することができる。
【0120】
請求項9記載の発明では、エンジン駆動式オイルポンプの吐出圧を元圧として無段変速機の変速制御及びトルクコンバータに併設するロックアップクラッチの動作を行う潤滑圧のドレーン油の一部を潤滑回路を経て要潤滑部へ潤滑油として供給するに際し、ロックアップクラッチ結合時の潤滑油量を制限し、相対的にオイルクーラへ供給するドレーン油量を増量するようにしたので、オイルポンプの負荷を高めることなく、油温の上昇を抑制することができ、耐久性及び燃費の向上を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施の形態による無段変速装置の油圧回路図
【図2】同、電子制御ユニットの出力系を示すブロック図
【図3】同、無段変速装置の駆動系を示す模式図
【図4】本発明の第2実施の形態による無段変速装置の油圧回路図
【図5】本発明の第3実施の形態による無段変速装置の油圧回路図
【図6】本発明の第4実施の形態による無段変速装置の油圧回路図
【図7】同、電子制御ユニットの出力系を示すブロック図
【図8】本発明の第5実施の形態による無段変速装置の油圧回路図
【図9】同、流量制御弁を状態別に示す正面断面図
【図10】同、電子制御ユニットの出力系を示すブロック図
【図11】本発明の第6実施の形態による無段変速装置の油圧回路図
【図12】本発明の第7実施の形態による無段変速装置の油圧回路図
【符号の説明】
7…トルクコンバータ
7c…ロックアップクラッチ
9…無段変速機
21…オイルポンプ
46…ロックアップ制御手段(ロックアップ制御用ソレノイド弁)
48…オイルクーラ
51a,51b,52a,52b,68a,68b,69a,69b,76a,76b,76c,77a,77b,84a,84b…絞り部
55…流量制御弁
66…流量制御手段(流量制御用ソレノイド弁)
Claims (9)
- 無段変速機の変速制御及びトルクコンバータに併設するロックアップクラッチの動作をエンジン駆動式オイルポンプからの吐出圧を元圧とする潤滑圧にて行うと共に該潤滑圧のドレーン油の一部を各要潤滑部へ潤滑油として供給する無段変速装置の油圧制御装置において、
上記各要潤滑部へ導く潤滑回路の中途に異なる流路抵抗を有する複数の絞り部を設け、
上記各絞り部の少なくとも1つを連通或いは遮断することを特徴とする無段変速装置の油圧制御回路。 - 前記潤滑回路に2つの異なる流路抵抗を有する前記絞り部を並列に配設し、
上記両絞り部を前記無段変速機の運転状態に応じて選択的に連通する流量制御弁に接続したことを特徴とする請求項1記載の無段変速装置の油圧制御回路。 - 前記潤滑回路に複数の前記絞り部を並列に配設し、
上記各絞り部の一部を前記無段変速機の運転状態に応じて連通或いは遮断する流量制御弁に接続したことを特徴とする請求項1記載の無段変速装置の油圧制御回路。 - 前記各絞り部を前記無段変速機の運転状態に応じて選択的に連通或いは遮断する流量制御弁に接続したことを特徴とする請求項1記載の無段変速装置の油圧制御回路。
- 前記流量制御弁の全てを前記ロックアップクラッチを結合或いは解除制御するロックアップ制御手段によって制御動作させることを特徴とする請求項2〜4の何れかに記載の無段変速装置の油圧制御回路。
- 複数の前記絞り部を選択的に連通或いは遮断する前記流量制御弁を複数備え、
上記各流量制御弁を並列或いは直列に配設したことを特徴とする請求項2〜4の何れかに記載の無段変速装置の油圧制御回路。 - 前記流量制御弁の一部を前記ロックアップクラッチを結合或いは解除制御するロックアップ制御手段によって制御動作させることを特徴とする請求項3或いは4の何れかに記載の無段変速装置の油圧制御回路。
- 前記流量制御弁の少なくとも1つを前記無段変速機の運転状態に応じて動作する流量制御手段によって制御動作させることを特徴とする請求項3或いは4に記載の無段変速装置の油圧制御回路。
- 無段変速機の変速制御及びトルクコンバータに併設するロックアップクラッチの動作をエンジン駆動式オイルポンプからの吐出圧を元圧とする潤滑圧にて行うと共に該潤滑圧のドレーン油の一部を各要潤滑部へ潤滑油として供給する無段変速装置の油圧制御装置において、
ロックアップクラッチ結合時の上記無段変速機へ供給する潤滑油量を制限すると共に、オイルクーラへ供給するドレーン油量を相対的に増量することを特徴とする無段変速装置の油圧制御回路。
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