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JP3789498B2 - 電子写真感光体の製造方法 - Google Patents
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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
この発明は、静電複写機やレーザービームプリンタの感光ドラム等に用いられる電子写真感光体の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、電子写真感光体は、アルミニウムからなる導電性支持体に感光体層が被覆されたものに構成されるが、かかる感光体層として有機物系材料を用いた有機感光体(OPC感光体)が、製膜性、低価格性等の面で優れているところから、広く用いられている。
そして、OPC感光体の機能、特性をさらに向上させるために、近年、感光体を電荷発生層(CGL)と電荷移動層(CTL)を有するものに構成した積層型のOPC感光体が提供されている。
【0003】
【解決すべき課題】
従来、アルミニウムからなる導電性支持体を用いる場合、上記感光体層、特に電荷発生層との密着性等の向上を目的として、該支持体に予め下地処理として硫酸法等による陽極酸化処理更に熱水等による封孔処理を施し、支持体表面に陽極酸化皮膜を形成することが一般的であった。
ところで、該封孔処理後直ちに感光体層を塗布形成した場合、時として画像欠陥が多発するという問題点が見出された。
【0004】
本発明者らは、かかる問題点を解消すべく鋭意検討した結果、かかる画像欠陥が、該陽極酸化皮膜表面の活性度の不均一さに起因して、感光体層、特に通常1μm以下の厚さの電荷発生層の厚さが不均一となることによることを見出し、かかる問題を解決するため、更に検討した結果、封孔処理の後、適当な環境条件下で、適当な時間該支持体を放置することで、感光体層を均一に形成し得ることを見出し、本発明に到達した。
本発明は、感光体層特に電荷発生層を均一な厚さに形成するための製造方法を提供するものである。
【0005】
【問題点を解決するための手段】
本発明は、感光体層、特に電荷発生層を塗布するまえの下地処理として、アルミニウム又はその合金からなる導電性支持体の表面に陽極酸化処理及び封孔処理を行い、更に相対湿度15%以上の空気中で該支持体を1時間以上放置した後に、感光体層を被覆形成することを特徴とする、電子写真感光体の製造方法を要旨とするものである。
【0006】
【手段の具体的な説明】
以下、本発明を詳細に説明する。
電子写真感光体用のアルミニウム支持体は、アルミニウム又はアルミニウム合金の成分、形状、製法等に種々の種類があるが、本発明においては、アルミニウムを主成分とし、表面に陽極酸化被膜を形成し得るものなら、公知のいかなるアルミニウム支持体でも用い得る。
上記アルミニウム支持体に陽極酸化処理を施すに際し、前処理として、脱脂、中和、水洗等を行っても構わない。これら前処理の方法は公知の方法でよく、特に限定されない。
【0007】
陽極酸化処理法としては、公知の硫酸法、しゅう酸法、リン酸法等いずれでもかまわないが、硫酸法を用いることが特に望ましい。
硫酸法の場合は、硫酸濃度を160〜200g/l(望ましくは170〜190g/l)、溶存アルミニウム濃度を3〜8g/l(望ましくは4〜6g/l)、浴温度を8〜23℃(望ましくは10〜21℃)、給電法を直接給電、間接給電及び両者の併用給電、電流密度を1.0〜2.0A/dm2 (望ましくは1.0〜1.5A/dm2 )として処理を行う。
【0008】
尚、陽極酸化被膜の厚さは、3〜10μmが望ましく、目的により適宜最適厚さを得るために、処理時間を選択する。
陽極酸化処理の後、上水、純水等による水洗工程を経て熱水封孔処理を行う。熱水封孔処理は、比抵抗が1〜2Mohm・cmの純水を用い、液温度を80〜98℃(望ましくは90〜95℃)、処理時間を10〜25分(望ましくは13〜19分)として実施するが、陽極酸化皮膜表面の状態、特に活性度をできるだけ均一に保つために、液のpH値を5〜8、望ましくは6〜7にコントロールすることが重要である。
【0009】
なお、熱水封孔処理の前に、酢酸ニッケル封孔処理をおこなっても構わない。この場合の処理は、酢酸ニッケル濃度を5〜20g/l(望ましくは10〜15g/l)、液温度を80〜98℃(望ましくは90〜95℃)、pH値を5.06.0(望ましくは5.3〜5.8)、処理時間を10〜25分(望ましくは13〜19分)として実施する。
【0010】
ここで、酢酸ニッケル封孔処理を行った場合は、公知の上水、純水等による洗浄を実施した後、前記の熱水封孔処理を行うことが望ましい。
また、熱水封孔処理の後に、公知の純水・アルコール等による洗浄、更に、熱風・赤外線等による乾燥を行うことが望ましい。
以上の処理だけでは陽極酸化皮膜の表面状態、特に活性度の均一性を十分に保つことが困難であるため、熱水封孔処理後、該支持体を下記の環境下で1時間以上放置し、陽極酸化皮膜表面の活性度の不均一さを緩和することが特に重要である。
【0011】
放置を行う際の環境的な条件として、相対湿度が15%以上望ましくは25〜35%であることが必要である。
温度については特に制約はないが、結露を生じさせないようにできるだけ均一になるように保つことが望ましい。
また、放置中にほこり等の異物が該支持体表面に付着することを防止するために、該支持体を箱等の中に収納するおよび/またはクラス100,000以内のクリーン度を有するクリーンルーム内で放置する等の対策を施すことが好ましい。
【0012】
以上のような下地処理の後、感光体層を塗布形成する。
かかる感光体層としては、単層型の有機感光体層、また電荷発生層と電荷輸送層が積層された構造の機能分離型感光体層のどちらであってもよい。
本発明における電子写真感光体形成用塗料としては電荷発生材料及び/または電荷輸送材料を含む塗布液、ポリビニルアルコール、カゼイン、ポリビニルピロリドン、ポリアクリル酸、アルロース類、ゼラチン、でんぷん、ポリウレタン、ポリイミド、ポリアミド、ポリビニルブチラール、フェノキシ樹脂、ポリカーボネート、ポリビニルカルバゾール等のポリマーを含む塗布液或いはこれらポリマーに導電性の微粉末を分散した塗布液などが挙げられる。
【0013】
上記電荷発生材料としては、アゾ系顔料、ペリレン系顔料、アントラキノン系顔料、多環キノン系顔料、インジゴイド系顔料、フタロシアニン系顔料、カルボニウム系顔料、キノンイミン系顔料、メチン系顔料、キノリン系顔料、ニトロ系顔料、ニトロソ系顔料、ベンゾキノン及びナフトキノン系顔料、ナフタルイミド系顔料、ビスベンズイミダゾール系顔料等公知の電荷発生剤が挙げられる。
上記電荷輸送材料としては電子の輸送媒体或いはホールの輸送媒体を使用することができ、またその混合物も使用できる。電子の輸送媒体としてはニトロ基、シアノ基、エステル基等の電子吸引性基を有する電子吸引性化合物、例えば、2,4,7−トリニトロフルオレノン、2,4,5,7−テトラニトロフルオレノン等のニトロ化フルオレノン或いはテトラシアノジメタンが挙げられる。また、ホールの輸送媒体としては電子供与性の有機光導電性化合物、例えば、カルバゾール、インドール、イミダゾール、オキサゾール、チアゾール、オキサジアゾール、ピラゾール、ピラゾリン、チアジアゾール等の複素環化合物、トリフェニルメタンとその誘導体、トリフェニルアミンとその誘導体、フェニレンジアミン誘導体、N−フェニルカルバゾール誘導体、スチルベン誘導体、ヒドラゾン化合物等が挙げられる。
【0014】
上記塗布液を調製するための媒体としては、N,N−ジメチルホルムアミド、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、4−メトキシ−4−メチルペンタノン−2、ジメトキシメタン、ジメトキシエタン、ベンゼン、トルエン、キシレン、クロロホルム、ジクロロメタン、1,2−ジクロロエタン、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン、メタノール、エタノール、2−プロパノール、酢酸エチル、酢酸ブチル、ジメチルスルホキシド、2,4−ペンタンジオン、3−オキソブタン酸メチル等が挙げられる。
【0015】
電荷発生材料及び/または電荷輸送材料は前記分散溶媒に単独または適切なバインダー樹脂と共に分散されて塗布液をなすが、その他に該塗布液は分散剤、別のバインダー樹脂、別の有機溶剤、酸化防止剤、感度劣化防止剤、レベリング剤、その他公知の各種添加剤を含有しても良い。塗布液中の固形分の含有量は主として形成すべき層の膜厚に応じて形成されるが、積層型の電荷発生層を形成する場合には固形分濃度15重量%以下、より好ましくは1〜10重量%とすると良い。
【0016】
積層型の電荷発生層の厚さは、通常5μm以下好ましくは0.01〜1μmが適当である。電荷移動層の厚さは、通常10〜40μm好ましくは10〜25μmが適当である。
前記感光体層の塗布方法としては、従来から知られている方法で良いが、生産性という観点では、ディップ塗布法が好適である。
【0017】
以下、本発明を実施例により詳細に説明するが、本発明は下記実施例に限定されるものではない。
【0018】
【実施例】
A3003合金を用いた外径30mm、長さ250mm、肉厚0.75mmのEI管をアルミニウム支持体として用い、一般的な前処理(脱脂、中和、水洗)を行った後、硫酸濃度180g/l、溶存アルミニウム濃度4.5g/l、浴温度18℃、電流密度1.3A/dm2 の条件下で陽極酸化皮膜5μmを得た。
その後、酢酸ニッケル系封孔剤(奥野製薬工業製、DX−500、濃度13g/l)を用いて、液温度95℃、pH5.5の条件下で14分間酢酸ニッケル封孔処理を行い、更にpH7の熱水にて、液温度95℃の条件下で14分間熱水封孔処理を行った。
【0019】
上記の処理後、直ちに公知の洗浄及び乾燥を行い、相対湿度20%、温度23℃の環境下で1時間以上該支持体を放置したのちに、電荷発生層のディップ塗布を行った。
電荷発生層塗布用溶液として、
【0020】
【表1】
フタロシアニン系顔料 4部
ポリビニルブチラール樹脂 1部
フェノキシ樹脂 1部
ジメトキシエタン 153部
4−メトキシ−4−メチルペンタノン2 17部
【0021】
の組成をもち、固形分濃度3.4wt%のものを用いた。
また、塗布時の引上げ速度は250mm/分で実施した。
以上の条件で形成した電荷発生層の厚さを図1に示す。
【0022】
「比較例」熱水封孔処理後、実施例と同様の洗浄及び乾燥を行い、更に電荷発生層を塗布形成するまでの放置時間を1時間未満としたこと以外は、実施例と同様の原料、下地処理方法、塗布方法で形成した電荷発生層の厚さを図1に示す。図1(電荷発生層厚さと放置工程での放置時間の関係)より、比較例(放置時間1時間未満の領域)においては、放置時間の変化に対して大幅に電荷発生層の厚さが変わるのに対し、
【0023】
実施例(放置時間1時間以上の領域)においては、放置時間によらず電荷発生層の厚さがほぼ一定であることがわかる。
以上の結果から、本発明によって製造した実施品は、電荷発生層が安定して均一に形成され得ることを確認した。
【0024】
【発明の効果】
本発明によれば、下地処理としてアルミニウムからなる導電性支持体の表面に陽極酸化処理及び封孔処理を施し、更に相対湿度が15%以上の空気中で該支持体を1時間以上放置した後に、感光体層を塗布形成することにより、均一な感光体層を有する電子写真感光体を好適に製造することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】電荷発生層厚さと、放置工程での放置時間の関係を示した図である。

Claims (2)

  1. アルミニウム又はその合金からなる導電性支持体の表面に陽極酸化処理する工程、液温度80〜98℃の純水からなる熱水で封孔処理を行う工程、洗浄・乾燥する工程、更に相対湿度が15%以上の空気中で結露を生じさせない温度条件で、該支持体をクラス100,000以内のクリーン度を有するクリーンルーム内で1時間以上放置する工程の後に、電荷発生層と電荷輸送層がこの順に積層された感光層を被覆形成する工程を含むことを特徴とする電子写真感光体の製造方法。
  2. 該電荷発生層が、結着樹脂中に顔料を分散させたものであり、厚さ0.01〜1μmであることを特徴とする、請求項1に記載の電子写真感光体の製造方法。
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