JP3789546B2 - 耐熱性接着剤、耐熱性接着剤層付きフィルム及び半導体装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は耐熱性接着剤、耐熱性接着剤層付きフィルム及びこれらを用いてリードフレームと半導体素子とを接着させてなる半導体装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より半導体用リードフレームと半導体素子との接合にはエポキシ系やゴム変成エポキシ系などの熱硬化性接着剤、ポリイミドやポリアミドイミドなどの耐熱性ホットメルト接着剤が使用されている。 しかし、エポキシ系、ゴム変成エポキシ系などの接着剤は優れた接着力を有するものの耐熱性に劣り、且つアウトガスによる半導体素子の汚染といった欠点を有している。耐熱性ホットメルト接着剤はアウトガスを生じず、半導体素子を汚染しないことから注目されているが、十分な接着強度を得るための接着温度が高く、熱応力による半導体素子の損傷や熱劣化などの問題を有している。この問題は、半導体パッケージの高密度化に伴い、半導体素子が大きくなるにつれて深刻な問題となっている。また、近年、半導体パッケージの高密度化、薄型化に伴い、はんだ接続時に接着剤に吸湿した水分の気化に起因すると見られるパッケージクラック(リフロークラック)が多発しており、大きな問題となっている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、このような問題点を解決するものであり、低温接着が可能で接着性、ぬれ性に優れ、且つ耐リフロークラック性にも優れた耐熱性接着剤、耐熱接着剤層付きフィルム及び半導体装置を提供するものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】
すなわち、本発明は下記式(1)で示される構成単位を含んでなるポリアミドイミドとポリアミドイミドに対して0.01〜30重量%の有機反応性基を有するシランカップリング剤からなる耐熱性接着剤であって、上記ポリアミドイミドは無水トリメリット酸若しくは無水トリメリット酸誘導体と、下記式(3)で示されるジアミン若しくは下記式(4)で示されるジイソシアネートを、ジアミン又はジイソシアネートの全量に対して10〜50モル%含有するジアミン又はジイソシアネートとを反応させることによって得られるものである耐熱性接着剤を提供するものである。
【0005】
【化2】
H 2 N (( CH 2 ) a O ) b (( CH 2 ) c O ) d ( CH 2 ) e - NH 2 (3)
OCN (( CH 2 ) a O ) b (( CH 2 ) c O ) d ( CH 2 ) e - NCO (4)
(式中、a、b、c、d、eはそれぞれ独立にa、b及びeは1〜30、c及びdは0〜30の整数を表わす。)
【0006】
【発明の実施の形態】
本発明で用いられるポリアミドイミドは下記式で表される無水トリメリット酸(2)若しくは無水トリメリット酸モノクロライド、無水トリメリット酸モノフルオライド等の無水トリメリット酸モノハライド、4−メトキシカルボニルフタル酸無水物、4−エトキシカルボニルフタル酸無水物などの無水トリメリット酸モノエステル、4−メトキシカルボニルフタル酸、4−エトキシカルボニルフタル酸、2,5−ジカルボキシ安息香酸メチル、2,5−ジカルボキシ安息香酸エチル、2,4−ジカルボキシ安息香酸メチル、2,4−ジカルボキシ安息香酸エチル等のトリメリット酸モノエステル、4−カルボキシフタル酸ジメチル、4−カルボキシフタル酸ジエチル等のトリメリット酸ジエステルなどのトリメリット酸誘導体と下記式で表わされるジアミン(3)若しくはジイソシアネート(4)とを反応させることにより製造することができる。
【0007】
【化3】
(式中、a、b、c、d、eはそれぞれ独立にa、b及びeは1〜30、c及びdは0〜30の整数を表わす。)
前記式(3)で表されるジアミンとしては、1,2−エタンジオールビス(3−アミノプロピル)エーテル、1,3−プロパンジオールビス(3−アミノプロピル)エーテル、1,4−ブタンジオールビス(3−アミノプロピル)エーテル、1,6−ヘキサンジオールビス(3−アミノプロピル)エーテル、1,8−オクタタンジオールビス(3−アミノプロピル)エーテル、1,10−デカンジオールビス(3−アミノプロピル)エーテル、1,12−ドデカンジオールビス(3−アミノプロビル)エーテル、1.4−ブタンジオールビス(2−アミノエチル)エーテル、1,4−ブタンジオールビス(4−アミノブチル)エーテル、1,4−ブタンジオールビス(6−アミノヘキシル)エーテル、1,4−ブタンジオールビス(8−アミノオクチル)エーテル、1,4−ブタンジオールビス(10−アミノデシル)エーテル、1,4−ブタンジオールビス(12−アミノドデシル)エーテル、エチレングリコールビス(3−アミノプロピル)エーテル、ジエチレングリコールビス(3−アミノプロピル)エーテル、トリエチレングリコールビス(3−アミノプロピル)エーテルなどがある。
【0008】
前記式(4)で表されるジイソシアネートとしては、上記に例示したジアミンにおいて、アミノ基をイソシアネート基に置き換えたものが例示できる。
【0009】
上記式で表されるジアミン又はジイソシアネートはその他のジアミン又はジイソシアネートと併用して反応に供することができる。併用する場合の上記式で表されるジアミン又はジイソシアネートの使用割合は、全ジアミン又は全イソシアネートに対して少な<とも10モル%以上使用することが望ましい。上記ジアミン又はジイソシアネート使用量が少なすぎるとガラス転移温度が高くなり、接着温度の低温化効果が小さくなることがある。また、上記式で表されるジアミン又はジイソシアネートの使用量の上限は100モル%でよいが、これが多いとガラス転移温度が低くなり、耐リフロークラック性が悪くなる。この観点から上記式で表されるジアミン又はジイソシアネートは全ジアミシ又は全イソシアネートに対して10〜50モル%、特に10〜30モル%で使用することが好ましい。
【0010】
式(3)で表されるジアミンと併用してよい他のジアミンとしては、ヘキサメチレンジアミン、オクタメチレンジアミン、ドデカメチレンジアミン、パラフェニレンジアミン、メタフェニレンジアミン、メタトルイレンジアミン、4,4′−ジアミノジフエニルメタン、4,4′−ジアミノジフエニルエーテル、4,4′−ジアミノジフエニルスルホン、4,4′−ジアミノベンズアニリド、3,3′−ジアミノジフェニルスルホン、3,3′−ジアミノベンゾフェノン、1,4−ビス(4−アミノクミル)ベンゼン、1,3−ビス(4−アミノクミル)ベンゼン、1,4−ビス(4−アミノフエノキシ)ベンゼン、1,4−ビス(3−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,3−ビス(3−アミノフエノキシ)ベンゼン、2,2−ビス[4−(4−アミノフエノキシ)フェニル]プロパン、2,2−ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン、ビス[4−(4−アミノフエノキシ)フェニル]スルホン、ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]スルホン、ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]エーテル、2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フエニル]ビフエニル、2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フエニル]ヘキサフルオロプロパン、4,4′−ジアミノ−3,3′,5,5′−テトラメチルジフェニルメタン、4,4′−ジアミノ−3,3′,5,5′−テトラエチルジフェニルメタン、4,4′−ジアミノ−3,3′,5,5′−テトライソプロピルジフェニルメタン、4,4′−ジアミノ−3,3′−ジメチル−5,5′−ジエチルジフェニルメタン、4,4′−ジアミノ−3,3′−ジメチル−5,5′−ジイソプロピルジフェニルメタン、4,4′−ジアミノ−3,3′−ジエチル−5,5′−ジイソプロピルジフェニルメタン、4,4′−ジアミノ−3,3′−ジメチルジフェニルメタン、4,4′−ジアミノ−3,3′−ジエチルジフェニルメタン、4,4′−ジアミノ−3,3′−ジイソプロピルジフェニルメタン、下記式(5)で表されるシロキサンジアミンなどがあり、これらは2種類以上併用してもよい。また、式(4)で表されるジイソシアネートと併用してよい他のジアミンジイソシアネートとしては上記に例示したジアミンにおいて、アミノ基をイソシアネート基に置き換えたものが例示できる。
【0011】
【化4】
(式中、R5、R6は2価の有機基、R1〜R4は1価の有機基、kは1〜100の整数である。)
R5、R6としては、トリメチレン基、テトラメチレン基、フェニレン基、トルイレン基等があり、R1〜R4としては、メチル基、エチル基、フェニル基等がある。これらの有機基は同じであっても異なっていてもよい。
【0012】
従って、他のジアミン又はジイソシアネートを併用する場合、本発明で用いられるポリアミドイミドは式(1)で表される構成単位以外に、式(6)で表される構造単位を有することになる。
【0013】
【化5】
(式中、Rは置換基を有していてもよい2価の有機基を表わす。)
2価の有機基は前記した式(3)で表されるジアミンと併用した他のジアミンの2価の残基である。
【0014】
式(2)で表される無水トリメリット酸と式(3)で表されるジアミンとの反応は、例えば次のようにして行うことができる。
【0015】
トリメリット酸又はその誘導体(特に、無水トリメリット酸モノハライド以外のもの)の反応の相手としてジアミンを使用する場合、これらを有機溶媒中、必要に応じてトリブチルアミン、トリエチルアミン、亜リン酸トリフェニル等の触媒の存在下、100℃以上、好ましくは180℃以上に加熱して、イミド化までを行わせて、直接ポリアミドイミドを得る方法(触媒は、反応成分の総量に対して0〜15重量%使用するのが好ましく、特に0.01〜15重量%使用するのが好ましい。
【0016】
また、無水トリメリットモノハライドと式(3)で表されるジアミンとの反応はピリジン、トリエチルアミン、酸化プロピレンなどの脱塩酸剤の存在下、有機溶媒中100℃未満で反応させてポリアミドイミドの前駆体であるポリアミドアミド酸のワニスを一旦製造し、この後、このワニスを加熱してイミド化するか、無水酢酸、無水プロピオン酸、無水安息香酸等の酸無水物、ジシクロへキシルカルボジイミド等のカルボジイミド等の閉環剤、必要に応じてピリジン、イソキノリン、トリメチルアミン、アミノピリジン、イミダゾール等の閉環触媒を添加して化学閉環(イミド化)させる方法(閉環剤及び閉環触媒は、それぞれ、トリメリット酸のハライド化合物1モルに対して1〜8モルの範囲で使用するのが好ましい)等がある。
【0017】
上記ジアミンの代わりにジイソシアネートを用いる場合の反応は、前記した直接ポリアミドイミドを得る方法に準じて行うことができる。ただし、反応温度は室温以上、特に60℃以上であれば十分である。
【0018】
上記の反応に用いられる有機溶媒としてはN−メチル−ピロリドン、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、スルホラン、ヘキサメチルリン酸トリアミド、1,3−ジメチル−2−イミダゾリドンなどの非プロトン性極性溶媒、テトラヒドロフラン、ジオキサン、モノグライム、ジグライムなどのエーテル系有機溶媒などが挙げられる。また、ベンゼン、トルエン、キシレン、メチルエチルケトン、メチルセロソルブ、セロソルブアセテートなどのうち、原料モノマー及びポリアミドイミド、ポリアミドアミド酸を溶解するものを用いてもよく、これらを溶解しないものは、溶解性を損なわない範囲で他の溶媒と混合して用いることができる。
【0019】
無水トリメリット酸やそのモノハライドとジアミン若しくはジイソシアネーとは、ほぼ等モル量で用いるのが好ましいが、いずれか一方の過剰量が10モル%まで、好ましくは5モル%までは許容される。
【0020】
また、上記の反応により得られた本発明のポリアミドイミドの分子量はゲル浸透クロマトグラフイ(以下、GPCと略す)を用いて溶離液DMF、液速度1ml/分、UV検出器の条件で測定したポリスチレン換算で10,000〜500,000g/molのものが好ましい。
【0021】
本発明の耐熱性接着剤に用いられる有機反応性基を有するシランカップリング剤の有機反応基としてはエポキシ基、ビニル基、アミノ基、メルカプト基などが挙げられる。従って、有機反応性基を有するシランカップリング剤としては、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリス(β−メトキシエトキシ)シラン、β−(3,4−エポキシシクロへキシル)エチルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、N−β−(アミノエチル〉−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−β−(アミノエチル)−γ−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−フェニル−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシランなどが例示できる。この内、エポキシ基を有するエポキシシラン系カップリング剤が特に好ましい。
【0022】
本発明における耐熱性接着剤は、前記ポリアミドイミドと前記シランカップリング剤を有機溶媒に溶解したワニスをガラス板、ステンレス板などに流延し、乾燥後引き剥がしてフィルム化することで得られる。前記シランカップリング剤は、ポリアミドイミドに対して0.01〜30重量%使用する。
【0023】
前記シランカップリング剤の使用量が少なすぎると耐リフロークラック性が悪くなり、逆に多すぎるとぬれ性が悪くなり、接着力が低下する。この観点から前記シランカップリング剤の使用量は前記ポリアミドイミドに対して0.1〜15重量%、特に0.1〜10重量%とすることが好ましい。
【0024】
接着剤を溶解する有機溶媒としてはN−メチルーピロリドン、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチルホルムアミドなどの非プロトン性極性溶媒、テトラヒドロフラン、ジオキサン、モノグライム、ジグライムなどのエーテル系有機溶媒などが挙げられる。また、溶媒として、ベンゼン、トルエン、キシレン、メチルエチルケトン、メチルセロソルブ、セロソルブアセテートなどのうち、ポリアミドイミドを溶解するものを用いてもよく、これらを溶解しないものは、溶解性を損なわない範囲で他の溶媒と混合して用いることができる。
【0025】
本発明の耐熱性接着剤付きフィルムは、前記ポリアミドイミドと前記シランカップリング剤を有機溶媒に溶解したワニスを耐熱フィルムの片面または両面に塗布し、乾燥して製造することができる。有機溶媒はポリアミドイミドに対する含量が0〜10重量%となるように用いることが好ましい。
【0026】
上記の耐熱フィルムとしては、ポリイミド、ポリアミドやポリサルホン、ポリフェニレンサルファイド、ポリエーテルエーテルケトン、ポリアリレートなどのエンジニアリングプラスチックなどのフィルムが挙げられる。また、この耐熱フィルムはサンドブラストなどの物理的処理、アルカリ処理、シランカップリング剤処理などの化学的処理、その他、プラズマ処理、コロナ処理などの表面処理が施されていてもよい。この耐熱フィルムは厚さが、通常、10〜150μm、好ましくは20〜125μmのものが用いられる。
【0027】
乾燥時の温度は用いる有機溶媒により異なるが、好ましくは200℃以上、300℃以下である。乾燥温度が低すぎるとフィルム中に有機溶剤が残存し、接着時にボイドを生じる。逆に高すぎるとフィルムの熱劣化を起こす。耐熱フィルムの上に形成される耐熱性接着剤の塗布膜の厚さは、通常、5〜50μm、好ましくは 10〜30μmとする。
【0028】
このようにして得られた耐熱性接着剤層付きフィルムを用いれば、信頼性に優れた半導体を作業性、歩留まりよく簡便に製造することができる。例えば、この耐熱性接着剤層付きフィルムをリードフレームとチップとを接着できるような所定の大きさに打ち抜いたフィルム片をリードフレームと半導体素子との間に挟み、200℃〜400℃、0.1〜10MPaで0.1〜10秒加圧接着し、その後リードフレームと半導体素子とを金線などで接合し、エポキシ樹脂等の成型材料でトランスファ成型して封止することにより半導体装置を製造することができる。
【0029】
【実施例】
以下、本発明の実施例及びその比較例によって本発明を更に具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
【0030】
実施例1
攪拌機、温度計、窒素ガス導入管、塩化カルシウム管を備えた2000ml四つ口フラスコに2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン(以下、BAPPと略す)139.6g、1,4−ブタンジオールビス(3−アミノプロピル)エーテル(以下、DIODAと略す)8.2g(DIODAの含量:10モル%)、1,3−ビス(3−アミノプロピル)テトラメチルシロキサン5.0g及びN−メチルピロリドン1100mlを入れ溶解した。次に10℃を超えないようにトリメリット酸無水物モノクロライド(TAC)84.2gを少しづつ加えた。2時間撹拌した後、トリエチルアミン60.7gを加えて更に2時間撹拌し、ポリアミドアミド酸を得た。これに、無水酢酸61.3g、ピリジン47.5gを加え、室温で一晩反応させてポリアミドイミドを合成した。得られたポリアミドイミドのワニスを水に注いで得られる沈殿を分離、粉砕、、乾燥してポリアミドイミド粉末を得た。このポリアミドイミド粉末の分子量をゲル浸透クロマトグラフイ(以下、GPCと略す)を用いて溶離液DMF、液速度1ml/分、UV検出器の条件で測定したところ、ポリスチレン換算で15.8×104g/molであった。
【0031】
このポリアミドイミド粉末3.0gとγ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン(以下、CPLと略す)0.15g(ポリアミドイミド粉末に対する含量:5重量%)にN,N−ジメチルホルムアミドをポリアミドイミド粉末に対する濃度が25重量%となるように加えて溶解し、ワニスを調製した。このワニスより作製した厚さ25μmのフィルムのガラス転移点(動的粘弾性で測定。周波数10Hz、昇温速度2℃/分。tanδピーク値。以下、Tgと略す)は200℃であった。5%重量減少温度(示差熱天秤で測定。昇温速度10℃/分。空気中。以下、Tdと略す)は400℃であった。
【0032】
このワニスを50μm厚のポリイミドフィルム(宇部興産(株)製ユーピレックスS)の両面にそれぞれの厚さが25μmとなるように塗布、乾燥して耐熱性接着剤層付きフィルムを得た。このフィルムを10mm×20mmの大きさに切断し、リードフレーム材である42合金に温度375℃、圧力6MPa、時間3秒の条件で圧着し、90度引き剥がし強さ(JIS C6481に準じて測定。25℃、引っ張り速度50mm/分)を測定したところ、500N/mであった。また、この条件で接着したときのぬれ性の尺度となる接着剤層のフィルム端部からのはみ出し長さは30μmであった。
【0033】
これを用いて図1に示すパッケージを作製した。リードフレーム3と半導体素子5を上記で得られた耐熱性接着層付耐熱フィルム4で接着し、金線2を配線し、エポキシ樹脂の封止剤1で封止し半導体パッケージを得た。この半導体パッケージは85℃、85%RH、168時間吸湿後、赤外線リフローを行ったがパッケージクラックは生じなかった。
【0034】
実施例2
実施例1において、CPLを0.33g(CPL含量:10重量%)とする以外は実施例1と同じようにしてフィルム、及び耐熱性接着剤層付きフィルムを得た。Tg、Tdは実施例1と同じであった。また、実施例1と同じ条件での90度引き剥がし強さは150N/m、はみ出し長さは5μmであった。
【0035】
これを用いて図1に示すパッケージを作製した。85℃、85%RH、168時間吸湿後、赤外線リフローを行ったがパッケージクラックは生じなかった。
実施例3
実施例1において、BAPPを106.7g、DIODAを24.5g(DADDc含量:30モル%)とする以外は実施例1と同じようにしてポリアミドイミド粉末を得た。GPCで測定した分子量は14.2×104g/molであった。この粉末を用いて実施例1と同様にしてフィルム、及び耐熱性接着剤層付きフィルムを得た。Tg、及びTdはそれぞれ166℃、385℃であった。このフィルムの実施例1と同じ条件での90度引き剥がし強さは1000N/m以上、はみ出し長さは79μmであった。
【0036】
これを用いて図1に示すパッケージを作製した。85℃、85%RH、168時間吸湿後、赤外線リフローを行ったがパッケージクラックは生じなかった。
【0037】
実施例4
実施例3において、CPLを0.33g(CPL含量:10重量%)とする以外は実施例3と同じようにしてフィルム、及び耐熱性接着剤層付きフィルムを得た。Tg、Tdは実施例3と同じであった。また、実施例3と同じ条件での90度引き剥がし強さは1000N/m以上、はみ出し長さは50μmであった。
【0038】
これを用いて図1に示すパッケージを作製した。85℃、85%RH、168時間吸湿後、赤外線リフローを行ったがパッケージクラックは生じなかった。
【0039】
実絶倒5
実施例3と同じようにして耐熱性接着剤層付きフィルムを作製し、圧着温度を350℃にする以外は実施例1と同じ条件で銅合金に接着させたところ、90度引き剥がし強さは900N/m、はみ出し長さは55μmであった。
【0040】
これを用いて図1に示すパッケージを作製した。85℃、85%RH、168時間吸湿後、赤外線リフローを行ったがパッケージクラックは生じなかった。
【0041】
実施例6
実施例3と同じようにして耐熱性接着剤層付きフィルムを作製し、接着温度を300℃にする以外は実施例1と同じ条件で銅合金に接着きせたところ、90度引き剥がし強さは800N/m、はみ出し長さは13μmであった。
【0042】
これを用いて図1に示すパッケージを作製した。85℃、85%RH、168時間吸湿後、赤外線リフローを行ったがパッケージクラックは生じなかった。
【0043】
比較例1
実施例1において、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシランを加えない以外は実施例1と同じようにしてフィルム、及び耐熱性接着剤層付きフィルムを得た。Tg、Tdは実施例1で得られた値と同じであった。また、実施例1と同じ条件での90度引き剥がし強さは750N/m、はみ出し長さほ200μmであったが、これを用いて作製したパッケージは85℃、85%RH、168時間吸湿後の赤外線リフローに於てパッケージクラックを生じた。
【0044】
比較例2
実施例3に於て、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシランを加えない以外は実施例1と同じようにしてフィルム、及び耐熱性接着剤層付きフィルムを得た。Tg、Tdは実施例1で得られた値と同じであった。また、実施例1と同じ条件での90度引き剥がし強さは>1000N/m、はみ出し長さは1000μm以上であったが、これを用いて作製したパッケージは85℃、85%RH、168時間吸湿後の赤外線リフローに於てパッケージクラックを生じた。
【0045】
比較例3
DIODAを用いないでBAPP156.0g、1,3−ビス(3−アミノプロピル)テトラメチルシロキサン5.0g、TAC84.2gを用いる以外は実施例1と同様にしてポリアミドイミド粉末、フィルム、及び耐熱性接着剤層付きフィルムを得た。Tgは225℃、Tdは430℃であった。実施例1と同じ条件での90度引き剥がし強さは620N/mであった。図1に示すパッケージは85℃、85%RH、168時間吸湿後の赤外線リフローに於てパッケージクラックを生じなかったが、はみ出し長さは0μmであり、ぬれ性に劣っていた。
【0046】
比較例4
比較例3と同じようにして耐熱性接着剤層付きフィルムを作製し、接着温度を400℃にする以外は実施例1と同じ条件で42合金に接着させた。90度引き剥がし強さは840N/mであった。図1に示すパッケージは85℃、85%RH、168時間吸湿後の赤外線リフローに於てパッケージクラックを生じなかったが、はみ出し長さは0μmであり、ぬれ性に劣っていた。
【0047】
以上の結果を表1に示す。
【0048】
【表1】
【0049】
【発明の効果】
本発明の耐熱性接着剤、耐熱性接着剤層付きフィルムは低温接着が可能で、ぬれ性、耐リフロークラック性に優れている。
【0050】
従ってこれらの接着剤、接着剤層付フィルムを用いて半導体素子とリードフレームを接着して得られた半導体はパッケージクラックがない優れたものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の耐熱性接着剤層付きフィルムを用いて半導体素子とリードフレームとを接着して得られた半導体パッケージの断面図。
【符号の説明】
1 封止材
2 金線
3 リードフレーム
4 耐熱性接着剤層付きフィルム
5 半導体素子
Claims (4)
- 下記式(1)で示される構成単位を含んでなるポリアミドイミドとポリアミドイミドに対して0.01〜30重量%の有機反応性基を有するシランカップリング剤からなる耐熱性接着剤であって、上記ポリアミドイミドは無水トリメリット酸若しくは無水トリメリット酸誘導体と、下記式(3)で示されるジアミン若しくは下記式(4)で示されるジイソシアネートを、ジアミン又はジイソシアネートの全量に対して10〜50モル%含有するジアミン又はジイソシアネートとを反応させることによって得られるものである耐熱性接着剤。
H 2 N (( CH 2 ) a O ) b (( CH 2 ) c O ) d ( CH 2 ) e - NH 2 (3)
OCN (( CH 2 ) a O ) b (( CH 2 ) c O ) d ( CH 2 ) e - NCO (4)
(式中、a、b、c、d、eはそれぞれ独立にa、b及びeは1〜30、c及びdは0〜30の整数を表わす。) - 請求項1記載のポリアミドイミドと有機反応性基を有するシランカップリング剤とを有機溶剤に溶解したワニスを耐熱フィルムの片面又は両面に塗布した後、乾燥させてなる耐熱性接着剤層付きフィルム。
- リードフレームと半導体素子とを請求項1記載の耐熱性接着剤を介して接着させてなる半導体装置。
- リードフレームと半導体素子とを請求項2記載の耐熱性接着剤付きフィルムを介して接着させてなる半導体装置。
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