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JP3789618B2 - 金属検出装置とその検出異常調査方法および金属検出装置を用いた被検体の主体特性変化調査方法 - Google Patents
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JP3789618B2 - 金属検出装置とその検出異常調査方法および金属検出装置を用いた被検体の主体特性変化調査方法 - Google Patents

金属検出装置とその検出異常調査方法および金属検出装置を用いた被検体の主体特性変化調査方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は食品、その他の農水産物、薬品、服飾品、産業資材等のあらゆる非金属の製品について、混入してはならない金属異物の有無の検査、検出を行うために用いる金属検出装置とその検出異常調査方法および金属検出装置を用いた被検体の主体特性変化調査方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来の金属検出装置としては、例えば図9に示すようなものがあった。同図に示す金属検出装置は、モーター25により駆動されて矢印A方向に回転する従動車26を介して、矢印B方向に送られるよう駆動されるコンベヤベルト28上の上流側(図中右下側)に冷凍食品等の被検物質1を載置すると、被検物質1はコンベヤベルト28により矢印B方向に搬送され、その搬送途中で被検物質1内に金属異物、例えばビスやワッシャー等の混入の有無を磁気的に検査されるようになっている。
【0003】
金属検出装置の本体31の上方には、サーチコイルを内蔵すると共に、長方形のトンネル通路32aを有するサーチコイル内蔵ケーシング32が設けられ、被検物質1がサーチコイル内蔵ケーシング32のトンネル通路32aを通過する際に、そのサーチコイル内蔵ケーシング32内のサーチコイルにより、被検物質1内にビスやワッシャー等の金属異物が混入していればそれを磁気的に検知するようになっている。
【0004】
ユーザーがそれを操作することにより金属検出装置を作動させたり、或はその金属検出装置の各部の動作を制御するための操作制御装置34は、外側にデータ表示部や操作ボタン等を有すると共に、内側にマイクロコンピューターのCPU(中央演算処理装置,マイクロプロセッサー)等の各種電気回路や配線ファーネス、その他の電気部品等を収納している。
【0005】
サーチコイル内蔵ケーシング32内部には、図10に示すようなサーチコイル100が収納されており、同図に示すようにサーチコイル100は、送信コイル103と受信コイル201を組合せて有する構成となっている。このサーチコイル100は、同図に示すように、送信アンプ101や受信アンプ202を介して他の回路と接続されて、それら全体として金属検出回路を構成している。
【0006】
送信コイル103と受信コイル201は、図9の被検物質1を載置したコンベヤベルト28を上下両方向から挾んで、各々のコイルを含む平面とコンベヤベルト28の載置面(被検物質1を載置する面)が互いに平行となって対向するように配置されている。
【0007】
送信コイル103は、送信アンプ101により増幅された発振器102からの高周波電流により交番磁界を発生させるようになっていて、受信コイル201は送信コイル103の交番磁界により電流を誘起される。受信コイル201は耐外乱特性を向上させるため、2つの受信コイルから構成されており、それらが互いに差動接続されるよう構成されている。
【0008】
ところで、被検物質1内に混入されるおそれがある金属異物は、微弱ではあるが磁性や導電性を有していて磁界に影響を与える性質を有しており、一方被検物質1自体は基本的にはこのような性質を有していないため、金属異物と被検物質1とは一般的に磁界に与える影響が大きく異なる。
【0009】
このため、被検物質1内に混入された金属異物は、コンベヤベルト28に搬送されて移動することにより、送信コイル103の磁界による受信コイル201の鎖交磁束に変化を与えて、それまで電圧が零であった2つの差動接続された受信コイル間に電圧が誘起される。
【0010】
このような差動接続された2つの受信コイル201間から出力される誘起電圧は、受信アンプ202により増幅されて、検波回路206において参照位相角調整器205により参照位相角を調整されて検波され、検波回路206からの信号は、信号フィルター204を通って余分なノイズを除去された後、コンパレータ203において、感度設定器207によりしきい値が設定され、このしきい値を越えた信号は金属検出電圧として出力される。
【0011】
ところで、被検物質1内に混入された金属は、図11に示すように、鉄FeとかステンレスSUS、アルミニウムAL等の材質の違いにより、検出信号において特有の位相特性を有している。一方、食品A,B等の被検物質1においても、同図に示すように、含有される塩分濃度等の電解質の影響により、金属検出装置から見ると金属と同様の位相特性(プロダクトエフェクト又はマテリアルエフェクト)を呈するものがある。
【0012】
このような食品等の被検物質1における位相特性は、金属検出装置にとっては好ましくなく、金属異物の検出性能の信頼性を低下させる原因の1つになっている。これらの食品等の被検物質1においては、使用している食材成分等の違いにより、図11に示す食品A,Bのようにそれぞれ特有の位相特性を持っているので、金属検出装置の使用に際しては、被検物質が異なる毎に参照位相角や感度の設定を変更して、最高の感度が得られるよう操作される。
【0013】
すなわち、例えば図11に示すような位相角を有する食品Aを被検物質として、その中に含まれる金属を検出しようとする場合は、食品Aの位相角を有するベクトルと直交する仮の座標軸X′を設定し、この座標軸X′に対する角度θに係るcosθを検出ベクトル値に乗じた値を取り出すようにする。すなわち、各検出ベクトルは座標軸X′に垂直に射影した射影ベクトルとして取り出すようにする。すると食品Aの検出ベクトルと座標軸X′との角度θAは90°なので、そのcos90°の値は0となり、したがって検出出力は0(零)となる。
【0014】
ところが図11では、鉄Fe,アルミニウムAL,或いはステンレススチールSUS304等の、上記の位置に設定した仮の座標軸X′に対する各々の検出ベクトルの角度θFe,θAL,或いはθSUS304は、90°から外れて異なる角度となっている。したがって、上述した鉄Fe,アルミニウムAL,或いはステンレススチールSUS304等の、座標軸X′に垂直に射影した射影ベクトルは零とはなり得ない。この結果、プロダクトエフェクトを有する食品Aと他の金属とはその設定位相角の弁別検出が可能となる。ここで射影ベクトルの検出出力は、射影ベクトルのスカラー量成分の絶対値として求めることができる。
【0015】
このような座標軸X′の、+(プラス)側の本来のX軸からの傾き角度αが食品Aについての参照位相角である。図11に示すような位相角を求めるには従来は、まず同一の被検物質を角度を少しずつ変化させながら、その都度逐次、被検物質をラインに流してその位相特性を測定することにより、図12に示すような位相特性グラフを得ることができ、それを記録するような方法をとっていた。例えば図12において検出電圧が最小値を示す設定位相角Aが、図11にベクトルで示す食品Aの位相角と一致する。
【0016】
また、近年の金属検出装置は、何種類もの商品(被検物質)の銘柄に対応した、参照位相角や感度等の最適値をあらかじめ記憶しておき、その銘柄を指定すれば、それに伴う参照位相角や感度等の各種の値の最適値を一括して設定できるようになっているものもある。
【0017】
しかしながら、食品等の被検物質の位相特性は常に安定しているわけではない。例えば、食品の容量が変化したり、成分に差が生じると位相角が変化し、金属検出装置の検出電圧は変化してしまう。また、被検物質の塩分濃度や温度の違いによっても位相角が変化するものがあり、検出電圧もそれに伴って変化してしまう。生産ラインでは被検物質の品質の規格化が図られているが、多少のバラツキはさけられない。このような被検物質自体の位相特性の変化は、混入金属を確実に検出するという動作を妨げるおそれがある。
【0018】
以上の問題に対処するために従来は、金属検出装置の動作を監視する監視装置が製品化されている。この監視装置は、金属検出機構部については、電源のオン/オフは勿論、設定値の変更、動作モードの変更等の操作の履歴、金属検出した場合とその検出電圧値、異常状態等を、随時、年月日時分と共に、印刷したり、記録させたりすることができるようになっている。
【0019】
このような印刷や記録を調査することにより、いつどんな操作をしたのか、いつ金属を検出したのか、或いはいつどんな異常が発生したのかを容易に知ることができる。このため、このような監視装置の監視記録を定期的に調査することにより、金属検出装置の動作を適格に分析することが一応は可能となっている。
【0020】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来の監視装置は、ある特定のポイント時間(時点,瞬間)の状況しか記録できない。このため、そのような従来の監視装置では、金属検出装置での検出電圧の記録は、例えば図12における設定位相角A等の特定の時点での検出電圧のみに限られる。
【0021】
このため、固定した設定位相角の時点だけでは、位相特性が時間の流れと共に変化する場合は適切な検出をすることはできない。このため検出電圧の変動の要因が混入金属によるものなのか、又は被検物質の位相特性(プロダクトエフェクト)が変化したことによるものなのかを、判定するのは容易ではない。
【0022】
従って検出電圧の変動の要因が混入金属によるものなのか、或いはプロダクトエフェクトの変化によるものなのかが分からなければ、被検物質の検出電圧が、金属混入判定のしきい値と比較する上で、本当に信頼できるものであるか否かを判定することができないおそれがある。
【0023】
さらに、前述のように従来においては、同一の被検物質を角度を少しずつ変化させながら、その都度逐次被検物質を検出搬送ラインに流して、その位相特性をその都度測定することにより、図12に示すような位相特性グラフを得ることができ、それを記録するような方法をとっていたので、多数の被検物質が連続して検出搬送ラインに流れて通過するような状態においては、被検物質の位相特性を測定して図12に示すような位相特性グラフを得ることができず、それを記録することはできなかった。
【0024】
従って、金属が混入しているのに金属の混入を検出できなかった製品(被検物質)の検出状況を後で調査しようとしても、先の金属混入検出時の状況を完全に復元してそれを正確に把握、分析することができなかった。
【0025】
本発明は上記問題点を解決すべく為されたものであり、被検体の金属異物検査中かその後かに拘わらず、また、被検体が金属異物を含むか否かに拘わらず、その詳細な特性情報を視認できる金属検出装置とその検出異常調査方法および金属検出装置を用いた被検体の主体特性変化調査方法を提供することを目的とする。
【0026】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために金属検出装置に係る本発明は搬送される被検査対象となる被検体に混入した金属異物による磁場の乱れを検出して検出信号を出力する検出部と、該検出信号をX−Y座標内で検出ベクトルとして表示させたときに該検出ベクトルの先端が描く軌跡図形と該軌跡図形を原点を通る位相参照軸上に垂直に射影させ、その最大値を位相参照軸の変化に応じて描いた位相特性グラフのデータを演算する演算手段と、被検体の主体を成す物質に対応して設定された参照位相角での位相特性グラフの値が所定の閾値を上回ったとき、被検体金属異物が含まれていたものと判別して金属異物検出信号を出力する金属異物検出手段と、演算手段が演算した軌跡図形または位相特性グラフのデータをその時の日時データと共に時系列的に連続して記憶する記憶手段とを具えたものである。
【0027】
また、さらに記憶手段から読み出された過去の特定時点での軌跡図形または位相特性グラフのデータを表示手段に表示させ、その時点で検出した被検体の詳細な特性情報を視認できるようにしたものであっても良い
【0028】
金属検出装置の検出異常調査方法に係る本発明にあっては、上記 表示手段に表示された被検体の過去の軌跡図形または位相特性グラフに基づいて金属検出装置に生じた金属異物の検出洩れ等の検出異常を調査するようにしたものである。
【0029】
金属検出装置を用いた被検体の主体特性変化調査方法に係る本発明にあっては、上記表示手段に表示された被検体の過去の軌跡図形または位相特性グラフに基づいて被検体の主体を成す物質の特性の変化を調査するようにしたものである
【0030】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について、図面に基づいて具体的に説明する。
図1ないし図7は、本発明の第1の実施の形態に係る金属検出装置を説明するために参照する図である。
【0031】
本実施の形態に係る金属検出装置は、その外観構成は図9に示した従来の金属検出装置と同様なので説明を省略する。図1は、図9のサーチコイル内蔵ケーシング32内のサーチコイル100に接続された、金属検出装置10の金属検出回路のブロック回路図である。従来の図10のブロック回路図における部品と同様の部品には同じ符号を用いて説明する。
【0032】
図1に示す、金属検出装置10のサーチコイル(検出部)100が有する送信コイル103は、送信アンプ101からの電気量を磁界に変換するものである。一方サーチコイル100が有する受信コイル201は、金属等が通過した場合の磁界の変化を電気量に変換するものである。
【0033】
すなわち、送信コイル103は送信アンプ101からの交番電流により交番磁界を発生させるようになっていて、受信コイル201は送信コイル103の交番磁界により電流を誘起される。受信コイル201は耐外乱特性を向上させるため、2つの受信コイルから構成されており、それらが互いに差動接続されるよう構成されている。
【0034】
サーチコイル100の送信コイル103に接続する送信アンプ101は、X・Y位相検出演算装置(信号処理手段)108からの発振信号に基づいて、例えば図2に示すような、高周波数(1KHz〜1MHz程度)の交番電流(搬送波電流)Iを送信コイル103へ送る機能を有している。
【0035】
そして、被検物質1内に混入された金属異物が、コンベヤベルト28に搬送されて移動することにより、送信コイル103の磁界による受信コイル201の鎖交磁束に変化を与えて、それまで電圧が零であった2つの差動接続された受信コイル201間に電圧が誘起される。
【0036】
上記のような差動接続された2つの受信コイル201間から出力される誘起電圧Eは、被検物質1により変調され、受信コイル201に接続する受信アンプ202により、図3に示すような変調波電圧(検出電圧)Fに増幅され、その検出電圧Fの信号は同期検波器(弁別検波手段)105に入力される。
【0037】
このような検出電圧Fは、被検物質1の材質により特有の位相角を有している。検出電圧Fは同期検波器105により、図4に示すように、X軸とY軸の直交座標上に、X軸に対して位相角ψを傾けて配置するように設定される。そして同期検波器105は、そのようなXY直交座標における検出電圧Fを、X軸成分FXとY軸成分FYに分けて抽出すると共に、それらのX軸成分FX,Y軸成分FYについて検波する。
【0038】
図4において、検出電圧Fは、誘起電圧Eの振幅変調と、誘起電圧Eの位相変化範囲θによる位相変調により形成されるものである。
【0039】
同期検波器105に入力される、X・Y位相検出演算装置108からのX検波クロック信号とY検波クロック信号で同期がとられて、同期検波器105からは、上記検波されたX軸成分FXとY軸成分FYに係る各々の信号が別々に出力されるようになっている。
【0040】
同期検波器105には2つの信号フィルター204が接続されており、この信号フィルター204の各々は、同期検波器105から出力されたX軸成分FXとY軸成分FYに係る信号から、不要なノイズを除去した各々の成分に対応する信号を出力する機能を有している。
【0041】
同期検波器105から出力されたX軸成分FXとY軸成分FYに係る信号は、各々信号フィルター204を通った後、A/D変換(アナログ信号からデジタル信号に変換)され、X・Y位相検出演算装置108に入力する。X・Y位相検出演算装置108は、X軸成分FXとY軸成分FYの各々に係る信号に基づいて被検物質の位相演算を行って、図12に示すような位相特性グラフが被検物質について自動的に求められる。
【0042】
すなわち、まずX軸成分FXとY軸成分FYに係る信号を、X・Y位相検出演算装置108により演算して合成すると、図5に示すような、いわゆるリサージュ図形が得られる。同図において、各点P1,P2,P3…Pnは、合成した検出電圧Fのベクトルを表している。
【0043】
このようなリサージュ図形は、図4における検出電圧Fの起点PをXY直交座標の原点(0,0)に移して、時間的要素を取り除いて形成したものである。図5のリサージュ図形は、そもそも合成により図4における検出電圧Fのように直線として復元されるべきものであるが、図5のように変形した楕円形状となって、直線として復元できないのは、X軸成分とY軸成分の信号波形が一般には、位相差や振幅差をもつ歪波形となるためである。
【0044】
以下に、図5のように得られたリサージュ図形から、図12に示すような位相特性グラフを求める方法について、図6に基づいて説明する。同図において、P1,P2,P3…Pnは、X・Y位相検出演算装置108により合成した、検出電圧Fのベクトルを表しているものとする。
【0045】
まずXY直交座標に、原点を通り、X軸からθmの角度の位相参照軸A−A′を引き、上記各ベクトルP1,P2,P3…Pnの各々の先端から位相参照軸A−A′に垂直な線を引き、その垂直な線と位相参照軸A−A′との交点とXY直交座標の原点との距離の最大値(絶対値)を求め、その最大値を角度θmにおける値として図12にプロットする。
【0046】
次に位相参照軸A−A′を角度θmより正の方向に少しずらして、上記と同様に最大値(絶対値)を求め、その最大値を、上記少しずらした角度における値として図12にプロットする。このようにして位相参照軸A−A′を少しずつずらして、位相参照軸A−A′を原点の回りに180°(或いは360°)回転させたときの、各角度における上記最大値を結ぶと、図12のような位相特性グラフが得られる。
【0047】
このような信号処理操作は、X・Y位相検出演算装置108において行われる。このような信号処理操作を行うX・Y位相検出演算装置108には、マイクロコンピューターのCPU(中央演算処理装置,マイクロプロセッサー)が用いられる。
【0048】
また、説明を分かり易くするために図6のような楕円形のリサージュ図形を用いて説明したが、図12のような位相特性グラフを得る元となるリサージュ図形としては、図7に示すようなリサージュ図形の方がより相応しいものであるということができる。
【0049】
図12に示す位相特性グラフは、前記従来の技術の説明において図11を用いて述べたように、材質の異なる各被検物質における検出ベクトルを参照位相角を使って弁別を行い、その検出出力と参照位相角を各々X・Y直交座標のX軸とY軸上に対比させて表したものである。この図は次のように使われる。
【0050】
例えば食品Aについて金属検出を行った場合に、同期検波器105からのX軸成分とY軸成分に係る信号に基づいて、次々と入力されるそれらの新しい信号値に対応して、図12の位相特性グラフを刻々と更新して作成し、図12の設定位相角Aにおける検出電圧が所定のしきい値より大きく検出されたときは、ステンレスSUSとか鉄Fe等の金属異物が混入していると判別して、X・Y位相検出演算装置108は金属検出信号を出力し、図示しないアラーム装置を作動させてユーザーに知らせることができる。
【0051】
X・Y位相検出演算装置108はこの他に、X軸成分FXとY軸成分FYに係る信号のデータをXYデータ記録装置(記録手段)110に、金属検出装置10の運転中途切れることなく連続して送るようになっている。
【0052】
XYデータ記憶装置110は、X・Y位相検出演算装置108から送られてきたX軸成分とY軸成分の信号データを記憶媒体に書き込んで記憶するものであり、その記憶媒体としては例えば、半導体メモリ、フロッピーディスク、ハードディスク、光磁気ディスク、磁気テープ等を用いることができるが、その他どのような形態の記憶媒体を用いてもよい。
【0053】
XYデータ記憶装置110には上記X軸成分とY軸成分に係る信号データの他に、次のようなものが時間の流れに沿って、X・Y位相検出演算装置108から送られて記憶される。
(1)主電源スイッチの「入」「切」
(2)ベルトコンベヤの駆動電源スイッチの「入」「切」
(3)テストモード切替スイッチの「入」「切」
(4)ベルトコンベヤによる搬送物の通過の有無
(5)金属の検出の有無
(6)除去装置の動作の有無
(7)金属検出電圧
(8)制御回路の印加電圧
(9)感度設定電圧
(10)被検物質の設定位相角度
(11)被検物質の銘柄
【0054】
さらにX・Y位相検出演算装置108は、同期検波器105からのX軸成分とY軸成分に係る信号のデータに基づいて、図4の検出電圧FのX軸成分とY軸成分の時間軸グラフFX,FY、検出電圧FのX軸成分とY軸成分を合成した図7のリサージュ図形のX・Y軸直交座標グラフ、図12の位相特性グラフ等を演算して、これらのグラフのデータを表示装置(表示手段)112に送って、表示装置112にこれらのグラフを表示させることができるようになっている。また表示装置112には、これらのグラフの演算要素データの数値も表示することができる。
【0055】
表示装置112の形態としては、CRT(ブラウン管)、LCD(液晶画面)、或いは印刷装置等を用いることができるが、その他どのような形態の表示装置を用いてもよい。
【0056】
X・Y位相検出演算装置108には、操作パネルやキーボード等により操作可能な操作器114が接続されており、この操作器114は、X・Y位相検出演算装置108が処理する信号の感度(しきい値)を、手動又は自動により所定値に設定、又は変更したり、或いはX・Y位相検出演算装置108の動作モードを所望のモードに設定、又は変更したりする機能を有するものである。
【0057】
このような金属検出装置10によれば、受信アンプ202からの検出信号のX軸成分とY軸成分に係る信号のデータを、それを採取した日時と共に、金属検出装置10の運転時間中連続してXYデータ記憶装置110が記録するようになっているため、運転時間中連続してその動作を監視することができ、金属検出装置10の動作をいつでも時間を追って詳しく分析することが可能となる。このため、万一被検物質に混入した金属異物の検出洩れが生じても、後でその原因を容易、迅速に見つけることができ、その対策を講じてさらに万全を期することが可能となる。
【0058】
また、金属検出装置10の運転中でも表示装置112は、金属検出装置10の運転を止めることなく、また金属検出装置10の運転中の検出動作に影響を与えることなく、X・Y位相検出演算装置108が演算した前記時間軸グラフ等を即時に表示することができる。このため、表示装置112を常時監視することによって異常を即時に発見することが可能となり、万一金属の検出洩れが生じそうになっても未然に防止したり、或いは検出洩れを最小限に食い止めることができる。
【0059】
ところで、図8に示す本発明の第2の実施の形態のように、金属検出装置10には、そのXYデータ記憶装置110にデータ再確認用補助装置(再生手段)116を接続することができる。このデータ再確認用補助装置116は、金属検出装置10のXYデータ記憶装置110に記憶された過去のX軸成分とY軸成分に係る信号のデータを読み出すXYデータ読み取り部118と、その信号のデータに基づいて前記X軸成分とY軸成分の時間軸グラフ等を演算するXYデータ処理部(信号処理手段)120と、このXYデータ処理部120が演算した前記時間軸グラフ等を表示する表示部(表示手段)122とを有している。
【0060】
このようなデータ再確認用補助装置116を別の場所に設置したとすると、金属検出装置10の実稼動中でも別の場所で、金属検出装置10のXYデータ記憶装置110に記憶された過去のX軸成分とY軸成分に係る信号のデータを読み出して、その信号のデータをXYデータ処理部120により演算して、表示部122に前記時間軸グラフ等を表示することができる。
【0061】
このため、金属検出装置10の過去の動作を刻々と時間を追って詳しく分析することが可能となる。したがって、被検物質(製品)のプロダクトエフェクトの変化推移を観測記録し、これを分析することにより、例えば図12の位相特性グラフにおけるディップ点(最低検出値)の推移等を観測する等して、製品の状態変化との相関を検討することができるので、製品の品質管理に使用することが可能である。
【0062】
また、万一金属の検出洩れが生じたときは過去の動作を時間を追って詳しく分析することにより、その原因を容易に見つけることができるので、その対策を講じることにより、その後の同じ原因による検出洩れを確実に防止することができる。
【0063】
【発明の効果】
以上説明したように請求項1〜3記載の発明によれば、記憶手段は軌跡図形または位相特性グラフのデータをその時の日時データと共に時系列的に連続して記憶し、必要に応じてそれらのデータを表示手段に表示させるので、運転時間中連続してその動作を監視することができ、金属検出装置の動作を時間を追って詳しく分析することが可能となる。このため、万一被検に混入した金属異物の検出洩れ等の金属検出装置の検出異常が生じても、後でその原因を容易、迅速に見つけることができ、その対策を講じてさらに万全を期することが可能となる。
【0064】
請求項4記載の発明によれば、表示手段に表示された被検体の過去の軌跡図形または位相特性グラフに基づいて被検体の主体を成す物質の特性の変化を調査するようにしたので、軌跡図形または位相特性グラフの変化と当該物質の状態変化との相関を検討できるから、検討結果を被検体としての例えば、製品の状態変化の監視等の品質管理に応用することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係る金属検出装置10の構成を示すブロック回路図である。
【図2】送信アンプ101から送信コイル03へ送られる交番電流Iの波形図である。
【図3】受信アンプ202により増幅された誘起電圧Eが変調した検出電圧Fの波形図である。
【図4】X・Y軸直交座標における検出電圧F、及びそれから弁別されたX軸成分とY軸成分の時間軸グラフFX,FYを示す線図である。
【図5】検波してノイズを除去したX軸成分とY軸成分を合成したベクトルに基づく検出電圧のリサージュ図形を示す図である。
【図6】リサージュ図形から位相特性グラフを作成する方法を説明するための図である。
【図7】図12の位相特性グラフに対応する各材料のリサージュ図形を示す図である。
【図8】本発明の第2の実施の形態に係る金属検出装置10とデータ再確認用補助装置116の構成を示すブロック回路図である。
【図9】従来の金属検出装置の外観構成を示す斜視図である。
【図10】図9の金属検出装置の金属検出制御回路を示すブロック回路図である。
【図11】被検物質1の材質による位相角の違いを表すベクトルの大きさや方向を示す図である。
【図12】図7のリサージュ図形に対応する各材料の位相特性グラフを示す図である。
【符号の説明】
1 被検物質
10 金属検出装置
25 モーター
26 従動車
28 コンベヤベルト
31 本体
32 サーチコイル内蔵ケーシング
32a トンネル通路
34 操作制御装置
100 サーチコイル
101 送信アンプ
102 発振器
103 送信コイル
105 同期検波器
108 X・Y位相検出演算装置
110 XYデータ記憶装置
112 表示装置
114 操作器
116 データ再確認用補助装置
118 XYデータ読み取り部
120 XYデータ処理部
122 表示部
201 受信コイル
202 受信アンプ
203 コンパレータ
204 信号フィルター
205 参照位相角調整器
206 検波回路
207 感度設定器

Claims (4)

  1. 搬送される被検査対象となる被検体に混入した金属異物による磁場の乱れを検出して検出信号を出力する検出部と、該検出信号をX−Y座標内で検出ベクトルとして表示させたときに該検出ベクトルの先端が描く軌跡図形と該軌跡図形を原点を通る位相参照軸上に垂直に射影させ、その最大値を前記位相参照軸の変化に応じて描いた位相特性グラフのデータを演算する演算手段と、前記被検体の主体を成す物質に対応して設定された参照位相角での前記位相特性グラフの値が所定の閾値を上回ったとき、前記被検体に金属異物が含まれていたものと判別して金属異物検出信号を出力する金属異物検出手段と、前記演算手段が演算した前記軌跡図形または前記位相特性グラフのデータをその時の日時データと共に時系列的に連続して記憶する記憶手段とを具えた金属検出装置。
  2. 記憶手段から読み出された過去の特定時点での軌跡図形または位相特性グラフのデータを表示手段に表示させ、その時点で検出した被検体の詳細な特性情報を視認できるようにしたことを特徴とする請求項1記載の金属検出装置。
  3. 表示手段に表示された被検体の過去の軌跡図形または位相特性グラフに基づいて金属検出装置に生じた金属異物の検出洩れ等の金属検出装置の検出異常を調査するようにした請求項2記載の金属検出装置の検出異常調査方法
  4. 表示手段に表示された被検体の過去の軌跡図形または位相特性グラフに基づいて被検体の主体を成す物質の特性の変化を調査するようにした請求項2記載の金属検出装置を用いた被検体の主体特性変化調査方法
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