JP3790182B2 - 薬液タンク用のストレーナ - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、農薬等の薬液を噴霧ないしは散布するための作業機等で用いられる薬液タンクに関し、特に、薬液タンクの注入口に取り付けられるストレーナに関する。
【0002】
【従来の技術】
例えば背負式動力噴霧機においては、噴霧すべき農薬等の薬液が貯留された薬液タンクが背負枠に搭載されており、作業者に背負われた状態で使用される。このような背負式動力噴霧機は、主に農地で使用されるため、農薬を溶かす水を農業用水路から直接くむことも多く、薬液タンク内に砂等の異物が混入しやすい。
【0003】
そこで、従来においては、薬液タンクの注入口に脱着可能なストレーナ(濾過器)を装着し、薬液タンク内に異物が混入しないよう図っている。
【0004】
また、薬液タンクに貯留される薬液は、濃縮薬液を溶媒、一般的には水で所望の希釈倍率となるよう希釈したものである。一般に、この薬液は、薬液タンクに水と濃縮薬液とをそれぞれ所定量ずつ入れることにより作られる。薬液タンクは通常、半透明又は透明であり、薬液タンク内の液面を目視できるので、水についてはその液面が薬液タンクの或る特定の位置に達するまで注入することで、所定量とすることができる。この水の注入は、異物の混入を防止するために、ストレーナを通して行う。一方、濃縮薬液は少量であるので、計量カップを用いて薬液タンクに入れる。
【0005】
ところで、計量カップは動力噴霧機とは別個に保管されるため、紛失しやすいという問題がある。かかる問題を解決すべく、従来においては、薬液タンクの注入口に装着されるストレーナに計量機能を持たせたものが提案されている。
【0006】
図6に示すように、従来の計量機能付きストレーナ1は、その端板部分2の中央部にカップ状部分3を有している。このカップ状部分3は、ストレーナ1を裏返した場合に開放端部4が上を向き、薬液を注ぎ入れることができるようになっている。また、このストレーナ1のカップ状部分3は、計量が可能なように、その内径が軸線方向に沿って、開放端部4側ほど段階的に大きくされている。すなわち、カップ状部分3の内周面には環状の段差面5,6,7が複数形成されている。各段差面5,6,7には液量表示、例えば所定量の水に対する濃縮薬液の希釈倍率が記されている。従って、所望の希釈倍率となる量の濃縮薬液を得たい場合には、その希釈倍率が示されている段差面5,6,7に液面が一致するように濃縮薬液をカップ状部分3に入れればよい。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述したような従来のストレーナ1においては、計量用のカップ状部分3が同軸上に径の異なる円筒を階段状に配した構造となっているため、多くの液量(希釈倍率)に対応すべく液量表示を多数記入しようとすると、環状の段差面5.6,7を多数形成する必要が生じる。かかる場合、段差面5,6,7の幅(径方向の長さ)を比較的大きく保つと、カップ状部分3の開放端部4の径が大きくなり、ストレーナ1の端板部分2に形成されるメッシュ8(1枚のみ示す)付きの開口部9が狭くなってしまう。開口部9が狭くなると、水等の注入に時間がかかるという問題が生じる。逆に、スレトーナ1の開口部9を広く確保するために、カップ状部分3の開放端部4の径を小さくすると、段差面5,6,7の幅が狭くなり、そこに記入される液量表示が小さくなる。そのため、液量表示が見づらく、濃縮薬液の計量が困難となってしまう。
【0008】
加えて、多数の環状段差面5,6,7を形成した場合、幅が狭くなると共に、段差面間の高低差も小さくなることから、液面の位置合わせが困難となる。
【0009】
また、例えば10リットル用のタンクと15リットル用のタンクとに対して共通のストレーナ1を使用しようとすると、階段状の環状段差面5,6,7を有するものでは、液量表示が複雑となり、使いづらいものとなる。そのため、結果的に各容量の薬液タンクに専用のストレーナ1を用意する必要があり、ストレーナ1の種類が増え、製造上、管理上、不利となる。
【0010】
そこで、本発明の目的は、かかる従来における課題を解決することのできる計量機能付きのストレーナを提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明は、薬液タンク(12)の注入口(22)に脱着可能に取り付けられるストレーナ(26)であって、筒状部分(28)と、筒状部分(28)の一端を閉じ且つフィルタ部材(34)を有する開口部(32)が形成された端板部分(30)と、端板部分(30)に設けられたカップ状部分(36)とを備え、カップ状部分(36)の内周面が周方向に複数の領域(40a〜40f)に区分されており、領域(40a〜40f)のそれぞれが、当該領域(40a〜40f)についての所定の高さ位置にて外方に延びる段差面(42a〜42f)を有し、且つ、段差面(42a〜42f)のそれぞれに液量表示が記されていることを特徴としている。
【0012】
この構成では、計量ゲージとなる段差面(42a〜42f)は周方向に形成されることになるので、多数形成したとしても、その幅は大きく維持することができる。従って、各段差面(42a〜42f)に希釈倍率等の液量表示を大きく付すことができる。また、段差面(42a〜42f)の数が増えても、カップ状部分(36)の開放端部(38)の径が大きくなるものではないので、ストレーナ(26)の端板部分(30)の開口部(32)を大きく確保することができる。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。なお、本明細書において、上下、高さ等の語は、図に示す状態を基準として用いている。
【0014】
図1は、本発明による計量機能付きストレーナが適用可能な背負式動力噴霧機を示す立面図である。図示の背負式動力噴霧機10は、農薬等の薬液を貯留する薬液タンク12と、この薬液タンク12内の薬液を吸引して噴霧ノズル(図示しない)に圧送するポンプ14と、ポンプ14を駆動するための原動機としての内燃エンジン16と、内燃エンジン16の燃料を貯留する燃料タンク18とを備えている。これらは背負枠20に配設されており、使用者はこの背負枠20を背負って作業を行う。
【0015】
このような動力噴霧機10の薬液タンク12は、半透明の合成樹脂からなり、内部の薬液の量を外部から視認することができる。薬液タンク12の上部には、薬液タンク12の内部に薬液を注入するための注入口22が形成されている。注入口22は薬液タンク12から突設された略円筒体であり、その外周面にはねじ部が形成されている。このねじ部に、注入口22を閉じるためのキャップ24が螺合される。
【0016】
また、薬液タンク12の注入口22には、本発明による計量機能付きのストレーナ(濾過器)26が脱着可能に装着されるようになっている。ストレーナ26は、図2〜図4に示すように、注入口14に挿入される略円筒形の筒状部分28と、この筒状部分28の一端(図2の状態では上側の端部)を閉じる端板部分30とから一体的に構成されている。端板部分30の外周部には複数の開口部32が形成されており、各開口部32には、薬液タンク12に補給される水等の液体に含まれる異物を捕捉するためのフィルタ部材として、メッシュ34が張設されている。
【0017】
端板部分30の中央部には、濃縮薬液の計量を行うためのカップ状部分36が一体形成されている。カップ状部分36は、ストレーナ26の筒状部分28と同軸であり、筒状部分28の開放端部側に延びている。従って、図2及び図4に示すように、ストレーナ26を上下逆転させることにより、カップ状部分36の開放端部38は上方を向き、そこから計量すべき濃縮薬液を注ぎ入れることが可能となる。
【0018】
カップ状部分36は、その内周面が周方向に複数(図示実施形態では6つ)の領域40a〜40fに等分されている。各領域40a〜40fには、それぞれについての所定の高さ位置にて、カップ状部分36の中心軸線から外方に延びる段差面42a〜42fが形成されている。ここで、高さ位置とは、カップ状部分36の中心軸線が垂直に向けられ且つカップ状部分36の開放端部38が上向きとされた状態において、カップ状部分36の最深点44からの垂直距離をいうものとする。
【0019】
各段差面42a〜42fは同一面積であり、その外側端縁はカップ状部分36の中心軸線を中心とした円弧となっている。これらの外側端縁は、カップ状部分36の開放端部38を画している端板部分30の内周縁に、略円筒面を介して接続されている。なお、段差面42aについてはストレーナ26の端板部分30の外側面と面一となっている。
【0020】
各段差面42a〜42fを含む面はカップ状部分36の中心軸線に直交している。よって、ストレーナ26の端板部分30を垂直上向きとした場合に、各段差面42a〜42fも垂直上向きとなり、使用者は上方から各段差面を見ることが可能となる。
【0021】
これらの段差面42a〜42fが形成される高さ位置は、カップ状部分の内周面の展開図である図5に示す通りである。本実施形態において、段差面42aの高さ位置は、カップ状部分36に液体を入れその液面が段差面42aと一致した場合にその液体の液量が15リットルの溶媒に対して1000倍の希釈倍率となる量となるよう定められている。また、段差面42b及び段差面42cの高さ位置はそれぞれ、カップ状部分36内の液体の液面がその段差面と一致した場合に液量が10リットルの溶媒に対して1500倍及び2000倍の希釈倍率となる量となるよう定められている。更に、段差面42d〜段差面42fの高さ位置については同様に、それぞれ、10リットルの溶媒に対して1000倍、1500倍及び2000倍の希釈倍率となる量となるよう定められている。
【0022】
また、各段差面42a〜42fには、液量表示として前述の希釈倍率が記されている。図2及び図55からも明らかなように、段差面42a〜42cは連続しており、15リットルの溶媒に対する計量ゲージであるので、これらの段差面42a〜42cの外側部分(すなわち端板部分30の内周部分)46aに「15L」の表示が付されている。更に、10リットルの溶媒に対する計量ゲージである段差面42d〜42fの外側部分46bに「10L」の表示が付されている。
【0023】
このように、本実施形態のストレーナ26においては、15リットルの溶媒に対しての3種類の希釈倍率と10リットルの溶媒に対しての3種類の希釈倍率の、計6種類もの多くの希釈倍率が液量表示として記入されている。しかし、図6に示す従来構成とは異なり、段差面42a〜42fは周方向に区分されたものであり、径方向の幅を比較的大きく採ることができるので、希釈倍率の文字を大きく表示することが可能となり、見やすいものとなる。
【0024】
以上のような構成のストレーナ26を有する10リットル容量の薬液タンク12を用いて、農薬等の薬液を溶媒である水と濃縮薬液とから作る方法について次に説明する。
【0025】
まず、薬液タンク12の注入口22からキャップ24を取り外す。キャップ24を取り外した際、ストレーナ26は注入口22に装着された状態のままであり、その端板部分30は下向きとなっている。次いで、水をストレーナ26の開放端部から注入すると、水に多少の異物が混入していても、その一部は端板部分30のメッシュ34により捕捉され、濾過された水のみが薬液タンク12内に導入される。薬液タンク12は半透明であるので、外部から水面の位置を確認することができ、水面が所定の位置に達したところで、水の注入を停止する。これで、薬液タンク12内には10リットルの水が貯留されたことになる。
【0026】
この後、ストレーナ26を注入口22から取り外し、上下を反転させる。これにより、ストレーナ26のカップ状部分36の開放端部38が上向きとなり、段差面42a〜42fを上方より視認することが可能となる。この状態で、10リットル用の希釈倍率を表示している段差面42d〜42fから所望の希釈倍率を表示しているものを選択し、その段差面と液面とが一致するよう濃縮薬液をカップ状部分36に入れる。例えば1500倍に希釈した薬液を作る場合には、濃縮薬液をその液面が段差面42eと一致するまで入れる。そして、このようにして所望の液量として得られた濃縮薬液を注入口22から薬液タンク12内に投入し、ストレーナ26及びキャップ24を注入口22に取り付けて薬液タンク12を揺することで、薬液タンク12内にて所望濃度の薬液が完成する。
【0027】
なお、本実施形態のストレーナ26は15リットルの容量の薬液タンク12にもそのまま適用が可能であり、その場合には、15リットル用の段差面42a〜42cを使用することにある。
【0028】
以上、本発明の好適な実施形態について詳細に説明したが、本発明は上記実施形態に限定されないことは云うまでもない。
【0029】
例えば、上記実施形態では背負式動力噴霧機における薬液タンク用のストレーナとしているが、他の装置における薬液タンクや、駆動部を有しない薬液タンク単体のものにも本発明のストレーナを適用することができる。
【0030】
また、ストレーナにおけるカップ状部分の段差面に記入される液量表示については、希釈倍率に限られず、“cc”のような体積表示でもよい。
【0031】
更に、段差面は周方向に小から大へと段階的に配置する必要はなく、ランダムに配置することが可能である。従って、従来のように環状段差面を用いたストレーナの場合には、段差面が多数形成されると、必ず隣合う段差面間の高低差は小さくなり、液面の位置合わせが困難となるが、本発明によれば段差面間の高低差を大きくすることもできる。
【0032】
更にまた、カップ状部分の形状は、上記実施形態のような円形断面に限られず、段差面(区分された領域)の数も6つに限られない。
【0033】
【発明の効果】
以上述べたように、本発明のストレーナは、計量部であるカップ状部分で多種の液量を得ることができる。このように多種の液量を得るためには、多数の液量表示を付ける必要があるが、本発明によれば、液量表示の記入箇所である段差面を多数設けても、幅広に維持することができ、液量表示を大きく記すことができる。従って、見やすく計量作業が容易となる。
【0034】
また、段差面間の高低差も大きくすることができ、液面の位置合わせを容易にすることができる。
【0035】
更に、多数の液量表示を付してもカップ状部分の開放端部の面積は小さく維持することができるので、ストレーナのフィルタ部分を大きくでき、薬液タンクに注入される液体に対しての通過性や濾過性のストレーナ本来の性能を損なうことがない。
【0036】
また、多数の液量表示を付すことが可能なことから、異なる容量の薬液タンクに対して共通のストレーナを用いることができ、製造上、管理上、有利である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明によるストレーナが適用可能な動力噴霧機を示す立面図である。
【図2】本発明によるストレーナを示す斜視図である。
【図3】図2のストレーナを示す平面図である。
【図4】図3のIV−IV線に沿っての断面図である。
【図5】図2のストレーナにおけるカップ状部材の内周面を示す展開図である。
【図6】従来のストレーナを示す斜視図である。
【符号の説明】
10…動力噴霧機、12…薬液タンク、22…注入口、24…キャップ、26…ストレーナ、28…筒状部分、30…端板部分、32…開口部、34…メッシュ(フィルタ部材)、36…カップ状部分、38…開放端部、40a〜40f…領域、42a〜42f…段差面、44…最深点。
Claims (1)
- 薬液タンク(12)の注入口(22)に脱着可能に取り付けられるストレーナ(26)であって、
筒状部分(28)と、
前記筒状部分(28)の一端を閉じ且つフィルタ部材(34)を有する開口部(32)が形成された端板部分(30)と、
前記端板部分(30)に設けられたカップ状部分(36)と
を備え、
前記カップ状部分(36)の内周面が周方向に複数の領域(40a〜40f)に区分されており、
前記領域(40a〜40f)のそれぞれが、当該領域(40a〜40f)についての所定の高さ位置にて外方に延びる段差面(42a〜42f)を有し、且つ、
前記段差面(42a〜42f)のそれぞれに液量表示が記されていることを特徴とする薬液タンク用のストレーナ。
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| JP2002094417A JP3790182B2 (ja) | 2002-03-29 | 2002-03-29 | 薬液タンク用のストレーナ |
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| JP2019154364A (ja) * | 2018-03-15 | 2019-09-19 | 株式会社丸山製作所 | 液体タンク装置 |
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