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JP3792017B2 - 繊維強化熱可塑性樹脂組成物の製造方法 - Google Patents
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繊維強化熱可塑性樹脂組成物の製造方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は耐衝撃性に優れる繊維強化熱可塑性樹脂組成物の新規な製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
熱可塑性樹脂は金属材料に比べ軽量であるが耐熱性、剛性、および熱膨張やクリープに起因する寸法安定性に劣る。上記の欠点を補うため熱可塑性樹脂、とりわけエンジニアリングプラスチックに対してガラス繊維、炭素繊維、アラミド繊維、金属繊維等の繊維状強化材を溶融混練する方法は簡便かつ有用である。この方法で作製した繊維強化樹脂組成物は熱可塑性であり、通常の熱可塑性樹脂と同一の成形方法が適用できる。
【0003】
しかしながら、一般に上記の方法で作製した繊維強化熱可塑性樹脂は耐衝撃強度が低い。耐衝撃性に影響を及ぼす因子としては、繊維とマトリクス樹脂自体の耐衝撃強度はもちろん、繊維の分散性やマトリクス樹脂との接着強度、さらに繊維長、繊維径、繊維形状等が挙げられる。したがって一般的には以下の2つの方法によって耐衝撃強度の向上が図られる。1つは繊維が均一に分散し、かつマトリクス樹脂と良好に接着するために、予め繊維を特定のサイズ剤で処理した上で熱可塑性樹脂と溶融混練する方法である。もう1つは繊維と熱可塑性樹脂を溶融混練する際に生じる繊維破断を極力抑制するために、予め熱可塑性樹脂成分のみを溶融させた上で繊維を加えて混練することによって組成物を作製する方法である。
【0004】
一方、繊維強化熱可塑性樹脂組成物の用途において、電動工具筐体やカメラボディーのように強靭性や寸法精度が要求される用途では、耐衝撃強度が特に優れるポリカーボネート樹脂をマトリクス樹脂として繊維強化した熱可塑性樹脂組成物が用いられる。ところがポリカーボネート樹脂はそれ自体の溶融粘度が高いため、射出成形法により複雑な形状の成形品を作製した場合、せん断発熱によって樹脂が劣化したり、成形品に残留応力が生じて特定の薬品との接触によって成形品が破損したりする。また、これを繊維強化した場合には耐衝撃強度が低下する上に、繊維含有量が多いほど溶融粘度がさらに高くなるため射出成形はさらに難しくなる。
【0005】
更に、ポリカーボネート樹脂にポリエステル樹脂を配合した熱可塑性樹脂組成物(特公昭36−14035号公報等)は、ポリエステル成分のために溶融粘度が低下しなおかつ耐薬品性が向上するので、上記のポリカーボネート樹脂の欠点を改良する方法として有効である。
また、ポリカーボネート樹脂、ポリエステル樹脂、グラフト共重合体の3成分で構成される熱可塑性樹脂組成物(特公昭55−9435号公報等)は、第三成分のグラフト共重合体のために耐衝撃強度が著しく改良され、実用的に優れた熱可塑性樹脂組成物として有用である。
上記の各組成物に対して繊維強化(特開昭48−60144号公報)する場合も、耐衝撃強度が低下するため、繊維を特定のサイズ剤で処理したり(特公平6−51853号公報)予め組成物を構成する熱可塑性樹脂成分のみを溶融させた上で繊維を加えて混練したりする方法が提案されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、上記のようにマトリクスが複数の熱可塑性樹脂で,なおかつ非晶性熱可塑性樹脂と結晶性熱可塑性樹脂によって構成される繊維強化樹脂組成物の場合、溶融混練時に生じる繊維破断に加えてマトリクスのモルフォロジーも物性に大きな影響を及ぼす。とりわけ、組成物のモルフォロジーは溶融混練の程度および方法に左右されるため、組成物の製造方法は極めて重要である。
【0007】
上記のような従来の繊維強化熱可塑性樹脂組成物の製造方法では、構成樹脂を同時に溶融混練するために、非晶性熱可塑性樹脂と結晶性熱可塑性樹脂の溶融挙動の違いから最適な溶融混合ができず、繊維強化した場合に十分な衝撃強度を得ることができなかった。
本発明の目的は、上記のように、非晶性熱可塑性樹脂、結晶性熱可塑性樹脂、ゴム成分含有重合体の3成分で構成される熱可塑性樹脂組成物に繊維強化材を混合した繊維強化熱可塑性樹脂組成物の耐衝撃強度を向上することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
そこで本発明者らは、予め非晶性熱可塑性樹脂とゴム成分含有重合体の混合物を加熱、混練して溶融状態にし、続いて未溶融の結晶性熱可塑性樹脂と繊維状強化材とを加えた後に更に加熱しながら溶融混練して繊維強化熱可塑性樹脂組成物を作製したところ、驚くべきことに著しく高い衝撃強度が得られることを見い出し、本発明を完成するに至った。すなわち本発明は、溶融状態の(A)ポリカーボネート樹脂20〜70重量%と(B)ゴム状重合体に芳香族ビニル単量体、シアン化ビニル単量体及びメタクリル酸エステルよりなる群から選ばれたビニル系単量体の1種類以上をグラフト共重合したグラフト共重合体であるゴム成分含有重合体3〜30重量%に、未溶融状態の(C)熱可塑性ポリエステル樹脂10〜50重量%と、(D)繊維状強化材5〜40重量%とを加えて溶融混練する繊維強化熱可塑性樹脂組成物の製造方法である。なお、上記の添加量比は繊維強化熱可塑性樹脂組成物全体を100重量%として示した値である。
【0009】
以下、本発明を詳細に説明する。本発明における(A)非晶性熱可塑性樹脂としてはポリカーボネート樹脂である。ポリカーボネート樹脂は芳香族ヒドロキシ化合物を原料とし、ホスゲン法またはエステル交換法によって得られる重合体または共重合体であれば特に限定はしない。上記の芳香族ヒドロキシ化合物としては、ビス(4−ヒドロキシフェニル)メタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)エタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ブタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)オクタン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)フェニルメタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)プロパン、1,1−ビス(4−ヒドロキシ−3−t−ブチルフェニル)プロパンのようなビス(ヒドロキシアリール)アルカン類、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロペンタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサンのようなビス(ヒドロキシアリール)シクロアルカン類、4,4’−ジヒドロキシジフェニルエーテル、4,4’−ジヒドロキシ−3,3’−ジメチルジフェニルエーテルのようなジヒドロキシジアリールエーテル類、4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルフィド、4,4’−ジヒドロキシ−3,3’−ジメチルジフェニルスルフィドのようなジヒドロキシジアリールスルフィド類、4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホキシド、4,4’−ジヒドロキシ−3,3’−ジメチルジフェニルスルホキシドのようなジヒドロキシジアリールスルホキシド類、4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホン、4,4’−ジヒドロキシ−3,3’−ジメチルジフェニルスルホンのようなジヒドロキシジアリールスルホン類等が挙げられる。これらは単独でまたは2種類以上混合して使用されるが、これらの他にピペラジン、ジピペリジル、ハイドロキノン、レゾルシン、4,4’−ジヒドロキシジフェニル等を混合して使用しても良い。これらを原料としたポリカーボネート樹脂の中では、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−プロパン(ビスフェノールA型)ポリカーボネートが特に好ましい。ポリカーボネート樹脂の粘度平均分子量は、衝撃強度の点から15000以上であることが好ましい。一方、粘度平均分子量が30000を越えると溶融粘度が高くなるため繊維状強化材が混合し難くなる。本発明に用いるポリカーボネート樹脂の粘度平均分子量は18000〜28000の範囲が更に好適である。
【0010】
本発明における(B)ゴム成分含有重合体としては、−60℃以下のガラス転移温度を有するものであれば特に限定するものではないが、無水マレイン酸変性したエチレン/α−オレフィン共重合体、スチレン/ブタジエンブロック共重合体、スチレン/イソプレンブロック共重合体、シリコーンゴム、ゴム状重合体にビニル系単量体をグラフト共重合したグラフト共重合体等が挙げられ、グラフト共重合体が好ましい。
ゴム状重合体にビニル系単量体をグラフト共重合したグラフト共重合体として代表的なものは、ゴム状重合体に芳香族ビニル単量体、シアン化ビニル単量体、メタクリル酸エステルよりなる群から選ばれた1種類以上のビニル系単量体をグラフト共重合したグラフト共重合体である。
【0011】
グラフト共重合体を構成するゴム状重合体としては、ブタジエン重合体、ブタジエンとこれと共重合可能なビニル単量体との共重合体、アクリル酸−N−ブチル/アクリル酸エチル共重合体、アクリル酸−N−ブチル/アクリロニトリル共重合体、エチレン/プロピレン/ジエン共重合体、ブタジエンと芳香族ビニルとのブロック共重合体等が用いられる。
グラフト共重合体を構成する芳香族ビニル単量体としては、例えばスチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン、t−ブチルスチレン、クロロスチレン等のスチレン単量体およびその置換単量体が挙げられる。特にスチレン、α−メチルスチレンが好ましい。
グラフト共重合体を構成するシアン化ビニル単量体としては、例えばアクリロニトリル、メタクリロニトリル、α−クロロアクリロニトリル等が挙げられる。特にアクリロニトリルが好ましい。
グラフト共重合体を構成するメタクリル酸エステルとしては、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル等が挙げられる。特にメタクリル酸メチルが好ましい。
【0012】
グラフト共重合体は、芳香族ビニル単量体0〜70モル%、シアン化ビニル単量体0〜60モル%およびメタクリル酸エステル0〜100モル%の単量体混合物20〜70重量部がゴム状重合体30〜80重量部とグラフト共重合したABSグラフト共重合体、MBSグラフト共重合体またはAESグラフト共重合体の単独またはこれらの共重合体が好ましく、これらのうち2種類以上の混合物でもよく、特にABSまたはMBSグラフト共重合体が好ましい。
【0013】
本発明における(C)結晶性熱可塑性樹脂としては熱可塑性ポリエステル樹脂である。熱可塑性ポリエステル樹脂は、アルキレンテレフタレート繰り返し単位を主成分とするものであれば特に制限はない。アルキレンテレフタレート繰り返し単位としては、エチレンテレフタレート、テトラメチレンテレフタレート、1,4−シクロヘキシレンテレフタレート等が挙げられ、共重合可能な成分としてはイソフタル酸等のジカルボン酸や1,3−プロパンジオール等のジオールが挙げられる。具体的にはポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリ1,4−シクロヘキシレンテレフタレートであり、特にポリエチレンテレフタレートまたはポリブチレンテレフタレートが好ましい。ポリエチレンテレフタレートまたはポリブチレンテレフタレートの固有粘度はフェノール/テトラクロロエタン=6/4(重量比)を溶媒として30℃で測定した値が0.5〜1.5の範囲のものが用いられ、ポリエチレンテレフタレートの場合は0.6〜1.1、ポリブチレンテレフタレートの場合は0.8〜1.4の範囲が特に好ましい。
【0014】
本発明における(D)繊維状強化材は、(A)非晶性熱可塑性樹脂よりも高い引張弾性率を有し、直径20μm以下であれば特に限定するものではない。具体的には、ガラス繊維、炭素繊維、炭化ケイ素繊維、アルミナ繊維、アルミナ/シリカ系繊維等の無機繊維、アラミド繊維等の有機繊維、ステンレススチール繊維等の金属繊維、カーボン単結晶、チタン酸カリウム単結晶等のウイスカを挙げることができる。上記の繊維状強化材は熱可塑性樹脂との接着性向上を目的として繊維表面をシランカップリング剤で表面処理したり、製造時の取扱い性向上を目的としてエポキシ、ウレタン等の樹脂溶液を繊維束に塗布して乾燥させるような集束処理をされたものが好ましい。
【0015】
本発明における繊維強化熱可塑性樹脂組成物を構成する成分の割合は、(A)ポリカーボネート樹脂20〜70重量%、(B)ゴム状重合体に芳香族ビニル単量体、シアン化ビニル単量体及びメタクリル酸エステルよりなる群から選ばれたビニル系単量体の1種類以上をグラフト共重合したグラフト共重合体であるゴム成分含有重合体3〜30重量%、(C)熱可塑性ポリエステル樹脂10〜50重量%、(D)繊維状強化材5〜40重量%が好適である。(A)ポリカーボネート樹脂が20重量%未満では組成物に充分な耐衝撃強度が得られず、70重量%を越えると流動性が不足する。(B)ゴム成分含有重合体が3重量%未満では、やはり組成物に充分な耐衝撃強度が得られず、30重量%を越えると剛性と耐熱性の低下につながる。(C)熱可塑性ポリエステル樹脂が10重量%未満では流動性が不足し、50重量%を越えると耐衝撃強度が不足する。(D)繊維状強化材が5重量%未満では充分な剛性が得られず、40重量%を越えると流動性が不足する。
【0016】
本発明の繊維強化熱可塑性樹脂組成物を製造する装置は、溶融樹脂に対して充分にせん断力をかけて混練でき、かつ溶融状態の熱可塑性樹脂に対して直接固体の熱可塑性樹脂や繊維状強化材を混合できることが必要である。例えばバンバリーミキサー、ブラベンダー、混練ロール、シリンダの途中から熱可塑性樹脂や繊維状強化材を供給することが可能な2軸押出機が挙げられるが、生産性を考慮すると途中供給可能な2軸押出機が好適である。本発明の繊維強化熱可塑性樹脂組成物の製造方法は、具体的には、まず(A)ポリカーボネート樹脂と(B)ゴム成分含有重合体を2軸押出機の主供給口から供給して溶融混練するとともに、シリンダ下流側に設けた途中供給口から(C)熱可塑性ポリエステル樹脂と(D)繊維状強化材を供給してさらに溶融混練してからペレット化する。この際、(C)熱可塑性ポリエステル樹脂と(D)繊維状強化材を供給するときの、(A)ポリカーボネート樹脂と(B)ゴム成分含有重合体の混合物の溶融粘度が100000ポアズ以下の状態であることが好ましい。
【0017】
また本発明の繊維強化熱可塑性樹脂組成物には、さらに酸化防止剤、熱安定剤、酸無水物、難燃剤、帯電防止剤、紫外線吸収剤、滑剤、着色剤等を添加することも可能である。
【0018】
【実施例】
以下に実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらによって何ら制限されるものではない。なお特別なことわり書きのない場合、添加量について使用した単位は重量%または重量部を意味している。
【0019】
実施例1〜4および比較例1〜3
本発明で使用した繊維強化熱可塑性樹脂組成物を示す。
(1)組成物の原料
(A)ポリカーボネート樹脂:市販のビスフェノールA型ポリカーボネート樹脂「カリバー200−13」[住友ダウ(株)製](粘度平均分子量21500)を用い、A−1とした。
【0020】
(B)グラフト共重合体:ポリブタジエンラテックス80部(固形分50%、平均粒径0.35μm、ゲル含有率90%)、ステアリン酸ナトリウム1部、ナトリウムホルムアルデヒドスルホキシレート0.1部、EDTAテトラナトリウム塩0.08部、硫酸第一鉄0.003部および水200部を窒素ガスで置換されたオートクレーブに仕込んだ。温度65℃に加熱した後、アクリロニトリル25%およびスチレン75%よりなる単量体混合物50部、t−ドデシルメルカプタン0.3部、キュメンハイドロパーオキシド0.2部を4時間で連続添加し、さらに添加終了後65℃で2時間重合させた。グラフト率は78%、重合率は97%であった。得られたラテックスに酸化防止剤を添加した後、塩化カルシウムで塩析し、水洗、乾燥後、白色粉末状のABSグラフト共重合体を得た。このABSグラフト共重合体をB−1とした。
【0021】
(C)熱可塑性ポリエステル樹脂:市販のポリエチレンテレフタレート「NEH−2050」[ユニチカ(株)製](固有粘度:0.78、溶媒フェノール/テトラクロロエタン=6/4(重量比)、温度30℃で測定)を用い、これをC−1とした。
また、市販のポリブチレンテレフタレート「ノバドゥール5010S」[三菱エンジニアリングプラスチック(株)製](固有粘度:1.1、溶媒フェノール/テトラクロロエタン=6/4(重量比)、温度30℃で測定)を用い、これをC−2とした。
【0022】
(D)繊維状強化材:カット長(繊維長)3mm、平均直径13μmであり、アミノシラン系カップリング剤により表面処理し、かつエポキシ樹脂により集束処理した無アルカリガラス繊維を用い、これをD−1とした。
【0023】
(2)繊維強化熱可塑性樹脂組成物の製造方法
実施例1〜4、比較例2における熱可塑性樹脂組成物は、途中供給口を有する2軸押出機「TEM−35B(L/D=34.4、10バレル構成;途中供給口はL/D=16.4の位置に設置)」[東芝機械(株)製]を使用して260℃で溶融混練し、ペレット化した。その際、主供給口または途中供給口より供給する樹脂、繊維状強化材、添加剤等が2種類以上ある場合は予めタンブラーによって均一に混合してから供給した。また、押出機のスクリュー構成において、途中供給口の手前にニーディングゾーンを設け、主供給口より供給された樹脂が途中供給口に達する前に溶融するようにした。
比較例1および3における熱可塑性樹脂組成物は、単軸押出機「MS40−32V(ダルメージスクリュー)」[アイ・ケー・ジー(株)製]を使用し、280℃で溶融混練し、ペレット化した。
作製したペレットは射出成形機「IS−55EPN」[東芝機械(株)製]により、シリンダー温度280℃、金型温度60℃で物性評価用の試験片を作製した。
【0024】
(3)測定および評価
各種物性を下記の方法で測定し、結果を表1に示した。
(a)曲げ強度:ASTM D−790に従い、厚さ1/4”の射出成形品の曲げ試験を行い、曲げ強度を測定した。
(b)曲げ弾性率:ASTM D−790に従い、厚さ1/4”の射出成形品の曲げ試験を行い、曲げ弾性率を測定した。
(c)流動性:JIS K−6874に従い、265℃、荷重10kgf の条件で射出成形用のペレットのメルトフローインデックスを測定した。
(d)耐熱性:ASTM D−648に従い、試験応力18.6kgf/cm2 で射出成形品の加熱変形温度を測定した。
(e)耐衝撃強度:ASTM D−256に従い、厚さ1/8”の射出成形品について、雰囲気温度23℃、相対湿度50%のJIS標準状態でノッチ付アイゾットを測定した。
【0025】
【表1】
Figure 0003792017
【0026】
【発明の効果】
表1に示すように、本発明の製造方法により作製した繊維強化熱可塑性樹脂組成物は優れた耐衝撃強度を有する。更に、本発明の繊維強化熱可塑性樹脂組成物は、一般の熱可塑性樹脂における射出成形法がそのまま適用できるため、金属代替材料として耐熱性、剛性、寸法安定性に加えて高度の耐衝撃性が要求される用途、例えば複雑な形状の筐体、フレーム等において極めて有用である。

Claims (1)

  1. 溶融状態の(A)ポリカーボネート樹脂20〜70重量%と(B)ゴム状重合体に芳香族ビニル単量体、シアン化ビニル単量体及びメタクリル酸エステルよりなる群から選ばれたビニル系単量体の1種類以上をグラフト共重合したグラフト共重合体であるゴム成分含有重合体3〜30重量%に、未溶融状態の(C)熱可塑性ポリエステル樹脂10〜50重量%と、(D)繊維状強化材5〜40重量%とを加えて溶融混練することを特徴とする繊維強化熱可塑性樹脂組成物の製造方法。
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