JP3792811B2 - 分離車椅子式入浴装置 - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
本発明は分離車椅子式入浴装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
歩行困難な身体障害者や高齢者等の入浴者を、車椅子に乗せたまま入浴できるようにするため、扉開閉式とされた入浴浴槽がある。すなわち、特開平8−47516号公報に示すように、扉開閉式入浴浴槽の近傍に別途貯湯タンクを配設して、扉を開いた入浴浴槽に車椅子ごと患者を入れた後、扉を閉じた状態で貯湯タンクから入浴浴槽へ湯水を供給する。入浴後は、入浴浴槽の湯水を貯湯タンクへ排出した後、扉を開いて、患者を入浴浴槽から退出させるようになっている。
【0003】
また、特開平8−182723号公報には、扉開閉式入浴浴槽において、車椅子の汚れた走行車輪が入浴浴槽の湯水中に混入しないように、椅子部と走行車輪を有する台車部とに分離可能に連結して、分離された椅子部のみを入浴浴槽つまり貯湯部に進入させ、分離した台車部は、入浴浴槽つまり貯湯部の下方に形成した収納空間に収納するようにしたものも提案されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
分離された台車部が入浴浴槽下方の収納空間に収納される場合、椅子部を入浴から退出させるときに、台車部に対する椅子部の脱落防止等の観点から、台車部に対して椅子部が確実に係合、つまり進退出方向に位置決めされる必要がある。とりわけ、台車部が収納空間において進退出方向の勝手な位置にあると、椅子部と台車部との位置決めが困難となる。
【0005】
したがて、本発明の目的は、椅子部を入浴浴槽から退出させるときに、台車部に対して進退出方向において確実に位置決めできるされるようにした分離車椅子式入浴装置子を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するため、本発明における分離車椅子入浴装置にあってはその第1の解決手段として次のようにしてある。すなわち、
【0007】
扉開閉式とされた入浴浴槽と、椅子部と走行車輪を有する台車部とが分離可能に連結された分離車椅子とを備え、該分離車椅子のうち分離された椅子部のみが前記入浴浴槽内に進入されると共に、分離された台車部が該入浴浴槽の下方に形成される収納空間に収納されるようにされた分離車椅子式入浴装置において、
前記収納空間に設けられ、前記台車部に作用して該台車部の進退出方向の位置決めを行うロック機構と、
前記椅子部に設けられ、前記入浴浴槽への進退出に応じて上下方向に変位される位置決め部材と、
前記台車部に設けられ、前記位置決め部材が上方向から係合される係合部と、を備え、前記位置決め部材が前記係合部に係合されたときに、前記台車部と前記椅子部との少なくとも前記進退出方向の位置決めが行われ、
前記進退出方向において連結状態にある前記椅子部と台車部とが入浴浴槽、前記収納空間の所定位置まで進出されたときに、前記位置決め部材が入浴浴槽からの外力を受けることにより上方へ変位されて前記係合部から離脱されると共に、前記ロック機構により前記台車部がロックされるように設定され、
前記椅子部が、前記進退出方向に間隔をあけて複数の移乗用ローラを備え、
前記椅子部と台車部との連結部位よりも、所定分入浴浴槽への進出方向において前記移乗用ローラが存在するように設定され、
前記移乗用ローラが走行される入浴浴槽の走行面のうち前記扉側の端部が、前記進出方向に向うにつれて徐々に高くなる傾斜面とされ、
前記連結部位の連結が解除されて分離状態とされる前に、該連結部位よりも前記進出方向側に位置する移乗用ローラが前記傾斜面を乗り越えていて、該連結部位には椅子部の重量が作用しないようにされている、
ようにしてある。本発明の好ましい態様は、特許請求の範囲における請求項2以下に記載のとおりである。
【発明の効果】
請求項1に記載された発明によれば、椅子部が入浴浴槽の所定位置へ進出されて台車部に対して進退出方向において分離されるときの位置でもって、台車部は収納空間においてロック機構により進退出方向にロックされるので、椅子部を再び入浴浴槽から退出させるときに、位置決め部材を台車部の係合部に確実に係合させて、椅子部と台車部との進退出方向の位置決めを退出時において確実に確保することができる。また、椅子部と台車部との連結、分離の際に、連結部に椅子部の重量という大きな力が加わるのを防止して、この連結、分離をスム−ズに行う上で好ましいものとなる。
【0008】
請求項2によれば、椅子部を入浴浴槽に支承させた状態で位置決め部材と係合部との係合、解除が行われるので、この係合、解除を無理なく行う上で好ましいものとなる。
請求項3によれば、位置決め部材と係合部との具体的な構成が提供される。特に、ロッド部を孔に嵌合するという嵌合形式の位置決めとしてあるので、進退出方向の位置決め機能が確実なものとなる。
【0009】
請求項4によれば、ロック機構のロック解除の手間を省略する上で好ましいものとなる。
請求項5によれば、請求項4に対応した効果を得るための具体的な構成が提供される。
【0010】
請求項6によれば、位置決め部材と係合部とは、右方向の位置決めというものを特に考慮しなくてもよいので、簡単な構成とする上で好ましいものとなる。
【0011】
請求項7によれば、前後左右の少なくとも4本のリンクによって、支承部材に作用する椅子部の重量をしっかりとかつ安定して支承する上で好ましいものとなる。また、平行リンクを構成してあるので、起立位置と倒伏位置との間での姿勢変更をスム−ズに行う上でも好ましいものとなる。
請求項8によれば、入浴浴槽への進出に応じて、自動的に椅子部と台車部とを分離させる上で好ましいものとなる。
【0012】
【発明の実施の形態】
(1)図1〜図5の説明(入浴浴槽の全体概要)
図1〜図4において、1は入浴浴槽であり、その貯湯部(入浴部)2の前壁が扉3によって形成されている。また、貯湯部2の後壁が符合4で示され、貯湯部2の左右側壁が符合5で示される。扉3を開くことにより、患者は車椅子Kごと貯湯部2へ入ることができ、扉3を閉じることにより貯湯部2の前壁が構成されて、湯水を所定水位まで貯溜できるようにされる。なお、貯湯部2へ進出される車椅子Kは、後述するように、走行車輪を有する台車部と椅子部とを略水平方向に分離可能として、椅子部のみ貯湯部2へ進出されるものである。
【0013】
入浴浴槽1の直後方には、貯湯タンク10が配設されている。この貯湯タンク10は、入浴浴槽1の貯湯部2を満水にできる量の湯水を貯溜可能とされている(約600リットル)。貯湯タンク10は、上方から見たとき、前後方向に細幅とされ、左右方向に長くされ、上下方向に長くされている。このような貯湯タンク10は、底壁、左右前後の側壁および上壁共にそれぞれステンレス板によって構成されている。貯湯タンク10には、殺菌灯18が配設されている。この殺菌灯18は、殺菌線として紫外線を照射するもので、図1、図2、図4から明らかなように、上下方向に間隔をあけて複数(3本)設けられている。
【0014】
貯湯タンク10は、合成樹脂より具体的には繊維強化プラスチックにより形成された外装ボックス11によって、外部から目視できないように覆われている。外装ボックス10は、貯湯タンク10よりも長く形成されていて、貯湯タンク10の側方に配設空間13を構成するようになっている。そして、配設空間13には後述するフィルタFが配設されて、このフィルタFも外装ボックス11によって外部から目視できないように覆われる。外装ボックス11の上壁は、蓋部材15によって構成されており、この蓋部材15を開くことにより、貯湯タンク10および配設空間13の上方が大きく開口される。
【0015】
図5には、入浴浴槽1の貯湯部2と貯湯タンク10とを接続する接続回路Sの一例が示される。この図4において、接続回路Sは、前述のフィルタFの他、電動式のポンプ21を備えている。このポンプ21の吸い込み側が、配管22を介して第1三方切換弁23に接続され、ポンプ21の吐出側が、配管24を介して第2三方切換弁25に接続されている。
【0016】
第1三方切換弁23は、配管26を介して貯湯部2の底壁部に接続されると共に、配管27を介して、貯湯タンク10の低部に接続されている。第2三方切換弁25は、配管28を介して貯湯部2に接続されると共に、配管29を介してフィルタFの入り口ポート30に接続されている。フィルタFの出口ポート31は、配管32を介して、貯湯タンク10の上部に接続されている。配管32の低部からドレン配管33が分岐されて、このドレン配管33にドレン弁34が接続されている。
【0017】
貯湯タンク10の湯水を貯湯部2へ供給するときは、第1三方切換弁23によって配管22を27に接続し、第2三方切換弁25によって配管24を28に接続する。この状態でポンプ21を運転することにより、貯湯タンク10内の湯水は、配管27、22、24、28を経て、貯湯部2へ供給される。このとき、貯湯タンク10内の湯水は、フィルタFを通過しないこととなる。
【0018】
貯湯部2内の湯水を貯湯タンク10へ排出するときは、第1三方切換弁23によって配管22を26に接続し、第2三方切換弁25によって配管24を29に接続する。この状態でポンプ21を運転することにより、貯湯部2内の湯水は、配管26、22、24、29、フィルタF、配管32を経て、貯湯タンク10へ排出される。
【0019】
貯湯タンク10への湯水排出のとき、フィルタFを湯水が通過することにより、貯湯部2で発生した患者の髪の毛等の汚れが、当該フィルタFでもって補足される。なお、フィルタFは、多孔の排出パイプ35と、排出パイプ35を取り巻くフィルタ素子36を有し、入り口ポート30から導入された湯水は、フィルタ素子36、排出パイプ35を通過してフィルタFの低部に形成された出口ポート31から排出される。1日の入浴時間が終了した時点でドレン弁34を開くことにより、フィルタS内の湯水が雑菌の繁殖防止のために排出される。また、フィルタ素子36は、定期的に清掃あるいは交換される。
【0020】
(2)図6〜図13の説明(分離車椅子の第1の例)
図6〜図13には、分離車椅子K(K1)の一例が示される。この分離車椅子K1は、図6、図7に示すように、椅子部40と台車部41とに分離可能として連結されており、その分離ラインが2点鎖線で示す符合Bで示される。椅子部40は、座部42、背もたれ部43、フットレスト44を有する。背もたれ部43は、図6実線で示す起立位置と、一点鎖線で示す最大リクライニング位置との間で、複数段階で傾斜角度が変更可能である。
【0021】
フットレストト44は、図6実線で示す最下方位置と、一点鎖線で示す最上方位置との間で、複数段階に高さ位置変更可能とされている。また、フットレスト44は、背もたれ部43と連動して、背もたれ部が後方へ傾斜されるのに応じて、高さが高くなるようにされている。最下方位置にあるフットレスト44よりも、分離ラインBの方が若干下方に位置するように設定されている。
【0022】
椅子部40には、入浴者の身体を安定させるためハンドル45が設けられると共に、入浴浴槽1への進退出時に看護者によって分離車椅子K1を押し操作するための操作バ−46が設けられている。操作バ−46は、看護者が椅子部41に着座された入浴者と対面した状態で、入浴者の後方へ向けて分離車椅子K1を押し操作するようになっている。各バ−45、46は、それぞれその基端部を中心として後方へ揺動可能とされている。なお、入浴時以外には、背もたれ部43直後方に設けられた操作バ−(図示略)を利用して、分離車椅子K1が押し操作される。
【0023】
座部42等が取付けられる椅子部40の上フレーム47には、その長手方向に間隔をあけて、複数の移乗用ローラ48、および複数の案内ローラ49が設けられている。各複数のローラ48、49が、入浴方向手前側から後方へ順次48a〜48dあるいは、49a〜49dで区別される。移乗用ローラ48は、略水平方向軸線を中心として回転自在とされ、後述するように入浴浴槽1へ進入されるときに、椅子部40の入浴浴槽1に対する走行ローラとして機能する(椅子部41の重量を受ける)。案内ローラ49は、略上下方向に伸びる軸線を中心として回転自在とされて、入浴浴槽1の内側面に作用して椅子部40の左右方向の位置決めを行う。
【0024】
椅子部40のフレームのうち、上フレーム47よりも十分低い位置にある下フレーム50には、前後左右の合計4か所において、後述するように台車部41との分離、連結が行われる連結部51が形成されており、この4か所の連結部51の区別は、符合51FR、51FL、51RK、51RRによって区別される。
【0025】
下フレーム50には、左右一対の位置決めレバー52が設けられている。この位置決めレバー52は、後述するように、入浴浴槽1内の分離された椅子部40を、台車部41と所定位置で整合させるために用いられる。この位置決めバ−52は、その基端部つまり入浴方向端部が、略水平に伸びる回動支点52aを中心として上下方向に揺動自在とされ、その先端部には、下方に伸ばして、位置決めロッド部52bが形成されている。位置決めバ−52の中間部分側方には、入浴浴槽1との位置関係に応じて位置決めバ−52を所定の揺動位置とするためのローラ(カムフォロア)53が回転自在に取付けられている。位置決めバ−52は、図示を略すスプリングによって下方へ付勢されて、常時は図9実線で示すように下フレーム50上面に着座されて略水平に伸びている。
【0026】
台車部41は閉断面のチャネル材と平板とを組み合わせることにより、全体として平板状とされた本体部55と、前後左右4個の走行車輪(キャスタ式)56とを有する。走行車輪56は、前記フットレスト44よりも幅方向外側に位置するように設定されている。すなわち、フットレスト44部分の最大幅は、座部42の最大幅とほぼ同じ程度とされているが、左右の走行車輪56の間隔は、座部42の最大幅よりもかなり大きくなっている。つまり、フットレスト44の右端部よりも右側走行車輪56の方が分離車椅子K1の幅方向外側に位置され、フットレスト44の左端部よりも左側走行車輪56の方が分離車椅子K1の幅方向外側に位置されている。走行車輪56の直径は十分大きくされて、その上端高さ位置は、平板状とされた本体部55よりもかなり高い位置にある。
【0027】
椅子部40と台車部41との分離、連結部の詳細が、図9〜図13に示される。この分離、連結のため、椅子部40における前記連結部51は、略水平状の被支承板部51aと、該被支承板部51aに形成された略U字状の係止凹部51bとを有する。係止凹部51bは、分離車椅子K1の幅方向内側に開口されている。
【0028】
一方、台車部41の連結部57は、椅子部40の連結部51に対応して、前後左右の合計4個設けられている(4個の連結部57の区別は、符合57FR、57FL、57RK、57RRによって行われる)。連結部57は、略直方体形状とされたブロック状の支承部材58を有し、この支承部材58の上面が平板状の支承面とされている。支承部材58の上面からは、係止軸部59が突設されると共に、この係止軸部59の先端が大径の抜け止め部60とされている。係止軸部59の直径は、椅子部40側の前記係止凹部51bの開口幅よりも若干小さくされ、抜け止め部60の直径は、係止凹部51bの開口幅よりも十分大きくされている。
【0029】
係止軸部59が係止凹部51bに係合(嵌合)されたときが連結状態であり、係止軸部59が係止凹部51bに係合解除されたときが分離可能状態となる。このような係合、係合解除のため、支承部材58が、左右2本の平行リンク構成用の支承リンク61、62を前後に合計2組設けることにより、台車部41の本体部55に連結されている。すなわち、リンク61、62の一端部は、本体部55に対して、水平に伸びる取付支点61a、62aを中心として揺動自在に連結され、またリンク61、62の他端部は、支承部材58に対して、水平に伸びる取付支点61b、62bを中心として揺動自在に連結されている。
【0030】
これにより、リンク61、62の揺動に応じて、支承部材58が本体部55に対して平行に起倒される。そして、起立位置とされたときは、前述のように、係止軸部59が係止凹部51bに係合して、椅子部40側の連結部51における被支承板部51aが、台車部41側の連結部57における支承部材58の上面に載置、支承される(図12の状態)。リンク61、62が倒伏されたとき、椅子部40の支承が解除されるが、リンク61、62は、起立位置から略90度揺動されていて、支承部材58が本体部57とほぼ同じ高さ位置にまで十分低くされる(図13の状態)。
【0031】
台車部55には、図8、図9、図11に示すように、4個の連結部57に対応して、4個の入力レバー63が設けられている。この入力レバー63は、本体部55に対して、略上下方向に伸びる揺動支点63aを中心として揺動自在に取付けられている。この揺動レバー63の先端部付近には、入浴浴槽1に設けた後述するカム部材からの入力を受ける入力ローラ64が水平方向に回転自在に取付けられている。入力レバー63の後端部は、台車部41のほぼ幅方向に伸びる連結レバー65の一端部が回動自在に連結され、連結レバー65の他端部が、前述したリンク61、62のうち一方のリンク61の略中間部分に回動自在に連結されている。
【0032】
支承部材58、リンク61、62、連結レバー65、入力レバー63等は、左右対称に構成されている。左右の入力レバー63は、その入力ローラ64が互いに接近する方向に、スプリング66によって付勢されている。このスプリング66の付勢方向は、前述したようにリンク61、62が起立されて椅子部40と連結される方向に対応し、倒伏位置から所定の起立位置となったときに支承部材58に当接されるストッパ67が、本体部55に設けられている。支承部材58がストッパ67に当接しているとき、つまりリンク61、62が所定の起立位置にあるとき、左右一対の入力ローラ64の間隔が、所定間隔となるように設定されている。
【0033】
支承部材58つまりリンク61、62が所定の起立位置の状態を保持するため、ロック機構68が設けられている。このロック機構68は、本体部55に略水平に伸びる回動支点69aを中心として上下方向に揺動自在とされたロックレバー69を有する。このロックレバー69は、台車部41の幅方向に伸びるロックプレ−ト70を一体的に有し、このロックプレ−ト70の幅方向端部が、上方に折曲されたロック爪70aとされている。
【0034】
前述した所定の起立位置にあるとき、左右のロック爪70aが入力レバー63の直外側に位置されて、リンク61、62が倒伏位置へ向けて揺動される方向への入力レバー63の揺動が規制される(ロック状態)。このロック状態から、ロックレバー69が下方へ揺動すると、ロック爪70aが入力レバー63よりも下方へ変位されて、ロック解除となる。ロックレバー69の先端部上部には、入力ローラ(カムフォロア)71が略水平に伸びる軸を中心として回転自在に取付けられ、入浴浴槽1に設けた後述するロック解除用カム部材に係合されたとき、上述のロック解除方向へとロックレバー69が揺動される。
【0035】
台車部41には、椅子部40に設けた前記位置決めレバー52の位置決めロッド部52bに対応して、位置決め孔72が形成されている(図8、図9参照)。位置決め孔72は、上方に向けて徐々に開口面積が大きくなるように、あるいは位置決めロッド部52bの先端部が先端に向うにつれて徐々に細径となるようにされて、わずかな位置ずれを修正しつつ互いに嵌合可能とされている。位置決め孔72に位置決めロッド部52bが嵌合されたとき、椅子部40の連結部51と台車部41の連結部57とが、正規の連結位置とされる。
【0036】
(3)図14〜図19の説明(分離車椅子と入浴浴槽との関係)
次に、図14〜図19を参照しつつ、分離車椅子K1と入浴浴槽1との関係について説明する。まず、図14、図15に示すように、入浴浴槽1の下方には、台車部41の収納空間Eが形成されている。この収納空間Eは、扉3側から見たとき、中央部分に低くかつ入浴浴槽1の幅方向に長く伸びる第1収納空間(中央部分)E1と、該第1収納空間E1に連通して、該第1収納空間E1よりも高く、かつ細幅な左右一対の第2収納空間(左右部分)とに大別される。第1収納空間E1には、台車部41のうち本体部55が収納される。第2収納空間E2には、走行車輪56が収納される。各収納空間E1とE2との連通部分は、本体部55と走行車輪56とを連結する部分が位置される。勿論、各収納空間E1、E2は、扉3を開いたときに、入浴浴槽1の扉3方向側端面側に開口され、その長さ(入浴浴槽1の長手方向長さで、図16左右方向長さ)は、台車部41をほぼ全体的に収納できる長さとされている。
【0037】
第2収納空間E2は、走行車輪56よりも若干広い幅程度とされていて、全体として上に凸となるような形状とされている。すなわち、第2収納空間E2の幅方向外側には、入浴浴槽1の左右側壁5を床面近くまで十分下方にまで延長させることにより覆い用側壁部5aとされて、入浴浴槽1の側方からは、収納空間Eが容易には目視できないようにされている。この覆い用側壁部5a下面には、支承部としての支持脚74が取付けられて、この支持脚74によって、収納空間Eが位置する部分の側壁部5aが支承されている。なお、支持脚74は、扉3に近い位置に設けるのが、側壁部5(5a)の先端部を支承して片持ち支承を避ける上で好ましいものとなる。
【0038】
入浴浴槽1は、貯湯部2を含めて外部から目視される部分がFRP等のプラスチックによって形成されるのが、このプラスチック部分は入浴浴槽1の強度部材となるフレームを外部から目視できないように覆っている。この入浴浴槽1のフレームは、覆い用側壁部5a内にもそのほぼ全長に渡って位置されており、この覆い用側壁部5aを床面にしっかりと支承することは、入浴浴槽1を全体的にバランスよく支承する上で好ましいものとなる。
【0039】
収納空間Eについてさらに説明すると、入浴浴槽1の貯湯部2のうち、扉3に近い側が、遠い側よりも所定分低くされており、この低くされた部分が、図14、図16において符合2aで示される。低くされた部分2aの底面つまり湯水の最低高さ位置は、第2収納空間E2の高さよりも低くされている。したがって、低い部分2aの底壁面(湯水の最低高さ位置よりも、貯湯部2の底壁厚さ分だけさらに下に位置する面)は、第2収納空間E2の高さよりもかなり低くなっており、全体としてみると、第2収納空間E2の高さ位置から低い部分2aが下方へ突出された分だけ、第1収納空間E2の高さが低くなっているとみることができる。換言すれば、第2収納空間E2は、その幅方向内側上部が、低い部分2aの側壁によって画成され、幅方向外側部分がほぼ全体的に前記覆い用側壁部5aによって画成されているとみることができる。さらに別の見方をすれば、扉3の方向から見たとき、第2収納空間E2は、上に凸となるように、入浴浴槽1の底壁をへこませた形状とみることができる。
【0040】
貯湯部2のうち、低い部分2aよりも上方部分は、当該低い部分2aよりも幅広とされている。つまり低い部分2aの幅は、椅子部40の下部分つまりフットレスト44部分の幅よりも若干大きい程度とされている。この低い部分2aとその上方の幅広部分との境界部位には、段差部75が構成される(図14、図17参照)。この段差部75内面には、略L字状とされた金属製(ステンレス製)のガイドレール76が一体化されている。このガイドレール76のうち、略水平に伸びる水平部76aは、椅子部40の移乗用ローラ48が走行される。ガイドレール76のうち、略上下方向に伸びる垂直部76bには、椅子部40の案内用ローラ49が係合される。このように、貯湯部2内に進入される椅子部40は、幅の狭い低い部分2aを形成することによって形成される段差部75を有効に利用して、貯湯部2内での椅子部40の左右方向の位置決めと保持とが行われることになる。
【0041】
ガイドレール76の扉3側端部の上面(76aの延長面)は、扉3から離れるにしたがって徐々にかつわずかに(数mm程度)高くなるような傾斜面76cとされている。この傾斜面76cは、移乗用ローラ48をわずかに上昇させて、椅子部40と台車部41との連結部分を上下方向にフロ−ティング状態とするためのものである(椅子部40と台車部41との分離前に、分離位置において椅子部40の重量が台車部41の連結部から解放されるようにする)。
【0042】
図19に示すように、ガイドレール76の後端部には、水平部76aの一部を削り加工する等により、移乗用ローラ48が落ち込んでストッパ作用を行う溝部76dが形成され、この溝部76dの直後方には、上方へわずかに伸びる係止ストッパ76eが形成されている。移乗用ローラ48が溝部76dに落ち込んだ位置が、椅子部40の入浴浴槽1への所定進入位置となる(図16対応)。
【0043】
扉3の内面には、図15に示すように、第2収納空間E2に対応した位置に凹部3aが形成され(走行車輪56との干渉防止用で、走行車輪56が完全に入浴浴槽1下方に収納される場合は不用)。また、貯湯部2の扉3側開口端面の形状に対応した形状のシール用パッキン73が取付けられている。なお、扉3の内面には、パッキン73の内方側において大きな凹部を形成して、この大きな凹部を利用して、扉3を閉じたときに貯湯部2と連通されてその一部を構成するようにすることもできる。
【0044】
図14、図16に示すように、貯湯部2の低い部分2aの左右側壁内面には、カム部材80が取付けられている。このカム部材80は、椅子部40の位置決めレバー52に設けた位置決めローラ53に作用するもので、その線端部上面は、後方に向うにつれて徐々に高くなるような傾斜面80aとされている。位置決めローラ53は、椅子部40の入浴浴槽1内への進入が進行するのに伴って、傾斜面80aを上り、最終的に、位置決めレバー52を、その位置決めロッド52aが、台車部41の位置決め孔72から抜け出るように揺動させる(図9一点鎖線の状態に、位置決めレバー52を揺動させる)。
【0045】
前記貯湯部2の低い部分2aの下面には、カム部材81が入浴浴槽1の長手方向に伸ばして一体化されている。このカム部材81の幅は、台車部41のもっとも先端側に設けられた左右一対の先行案内ローラ82の間隔よりも若干小さく設定されているが、左右一対の入力ローラ64の最小間隔よりは大分大きくされている。カム部材81の先端部つまり扉3側部分に、後方に向うにつれた徐々に幅広くなるように左右一対の傾斜面81aが形成されている。この一対の傾斜面81aの最小間隔は、左右一対の入力ローラ64の最小間隔よりも小さくされている。このようなカム部材81は、先行案内ローラ82が作用されたときは台車部41の入浴浴槽1に対する左右方向の位置決めを行うと共に、入力ローラ64が作用されたときは、椅子部40と台車部41との分離を行うためのものとなる。
【0046】
カム部材81の先端部にはさらに、その下面において、図9に示すように、後方に向うにつれて徐々に低くなる傾斜面81bが形成されている。この傾斜面81bは、台車部41に設けたロック機構68の入力ローラ71に作用するもので、ロック解除用とされる。
【0047】
(4)分離車椅子の分離と再連結
次に、以上のような構成における分離車椅子K1の分離と再連結について、入浴浴槽1への分離車椅子K1の進入、退出と関連させつつ説明する。
【0048】
まず、扉3が開かれた入浴浴槽1に対して、図6、図9のように連結状態にある分離車椅子K1が接近される。当初は、台車部41の先行案内ローラ82がカム部材81を挟み込んで、台車部41の左右方向の位置決めがなされる。また、ほぼ同時に、椅子部40の1番目の案内用ローラ49aが入浴浴槽12のガイドレール76垂直部76bに当接して、椅子部40の左右方向の位置決めが行われる。
【0049】
分離車椅子K1がなおも入浴浴槽1へ接近すると、椅子部40の1番目の移乗用ローラ48aが、ガイドレール76の傾斜面76cを走行し、これにより、椅子部40の入浴浴槽1に近い側の重量が、1番目の移乗用ローラ48aに受け持もたれて、入浴浴槽1に近い側の台車部41の連結部57に対する椅子部40からの重量が完全にあるいはほぼ完全に解放される。
【0050】
1番目の移乗用ローラ48aが、ガイドレール76の傾斜面76cを完全に越えると、台車部41のロック機構68用入力ローラ71が、カム部材81の傾斜面81bに当接して、ロック解除とされる。分離車椅子K1がさらに入浴浴槽1へ接近すると、台車部41の入力レバー63に設けた入力ローラ64が、カム部材81の傾斜面81aに当接して、入浴浴槽1に近い側の連結部51と57との連結が解除される。
【0051】
分離車椅子K1がさらに入浴浴槽1へ接近すると、椅子部40の2番目、3番目の移乗用ローラ48b、48cがガイドレール76の傾斜面76cを乗り越えて、椅子部40の重量が、1番〜3番の各移乗用ローラ48a〜48cによって完全に受け持たれる。さらに分離車椅子K1を入浴浴槽1へ接近させると、前述したのと同様にして、椅子部40と台車部41との後方の連結部51と57との連結が解除される。
【0052】
分離車椅子K1をさらに入浴浴槽1へ接近させると、椅子部40の位置決めレバー52に設けたローラ53が、カム部材80の傾斜面80aに乗り上げることにより、当該位置決めレバー52が上方へ揺動されて、その位置決めロッド部52aが、台車部41の位置決め孔72から抜け出る。これにより、椅子部40と台車部41とが完全に分離されたことになり、この後は、椅子部40を、1番目の移乗用ローラ48aがガイドレール76の溝部76dに落ち込む位置まで押し込めばよい(4番目の移乗用ローラ48dも完全にガイドレール76上に乗る)。なお、4番目の移乗用ローラ48dは、入浴浴槽1内での椅子部40の前後方向の安定を確保するために機能する。
【0053】
入浴終了後は、椅子部40が入浴浴槽1から引き出される。このときは、まず、位置決めレバー52のローラ53がカム部材80から係合解除されることにより、位置決めロッド部52aが、台車部41の位置決め孔72に嵌合されて、椅子部40と台車部41とが一体動可能な状態とされる。
【0054】
椅子部40をさらに引き出すことにより、椅子部40と台車部41との後方側の連結部51、57同士が係合され(後方側の入力ローラ64のカム部材81に対する係合が解除)、この後、後方側の連結部51、57に、椅子部40の後部分の重量が作用する。さらなる椅子部40の引き出し作用によって、椅子部40と台車部41との前方側の連結部51、57同士が係合され(前方側の入力ローラ64のカム部材81に対する係合が解除)、この後、前方側の連結部51、57に、椅子部40の前部分の重量が作用する。
【0055】
さらなる椅子部40の引き出しにより、ロック機構68における入力ローラ70のカム部材81に対する係合が解除されて、椅子部40と台車部41との連結がロックされる。
【0056】
(5)図20〜図25説明(分離車椅子の第2の例)
図20〜図25は、分離車椅子の他の例を示すもので、符合K2で示される。この分離車椅子K2は、前述した第1の例での分離車椅子K1と同じ部分の構成には同一符合を付してその重複した説明は省略する。図20、図21に示すように、分離車椅子K2においては、台車部41に設けた連結部85(分離車椅子K1における連結部57に相当)の構成、および連結部85を起倒させる部分の構成が分離車椅子K1と異なるものであり、この異なる部分を中心にして説明する。
【0057】
先ず、連結部85を構成する起倒可能な部材が、前後方向に揺動される揺動レバー(58、61、62に対応)として構成されている。つまり、揺動レバー85が起立位置にあるときに連結され、後方へ揺動されたときに分離状態とされる(図10の椅子部40側の係止凹部51bが、後方へ開口されている)。
【0058】
本体部55には、幅方向に長く伸びる前後一対の連結ロッド87が回転自在に保持され、その略中間部分にはレバー86Aが一体化されて、このレバー86Aの先端部に入力アーム88が回転自在に保持されている。連結ロッド87の各端部には、それぞれレバー86Bが一体化されている。レバー86Aと86Bとは、側方から見たときに略直交するような位置関係とされている。入力ローラ88が、カム部材81からの押圧を受けてレバー86Aが後方へ揺動されるのに応じて、レバー86Bも揺動される。
【0059】
レバー86Bと前記揺動レバー85とが、連結レバー89によって連結されている。これにより、入力ローラ88がカム部材81の傾斜面81b(図8の8a対応)に当接してレバー86Aが後方へ揺動されると、揺動レバー85が後方へ揺動された倒伏位置となり、椅子部40との連結が分離される。なお、各部材86A、86B、連結ロッド87が、図8、図9に示す入力レバー63として機能するようになっている。
【0060】
各レバー85、86A、86B、連結ロッド87の好ましい連結態様を、図22に模式的にかつ誇張して示しある。この図22において、揺動レバー85と連結レバー89との連結部位が符合90で示され、連結レバー89とレバー86Bとの連結部位が符合91で示される。92は、レバー86Aが連結方向へ所定以上揺動するのゐ規制する、つまり揺動レバー85が倒伏位置から所定の起立位置を越えてさらに揺動されてしまうのを防止するストッパである。
【0061】
図22は、連結状態のときを示してある。このとき、回動中心あるいは支点となる87と90とを結ぶ仮想線が一点鎖線で示される。この一点鎖線に対して、支点91が、わずかに下方に位置されている(図22では誇張されているが、実際にはわずかである)。いま、揺動レバー85に、分離方向の外力つまり図22反時計方向の外力が不用意に作用したとする。このとき、支点91は図中左方へ変位されようとするが、このような動きは、レバー86Aをストッパ92に押し付ける動きとなって、揺動レバー85が不用意に分離位置へ向けて揺動されてしまう事態がより確実に防止される(ロック作用)。
【0062】
入力ローラ88がカム部材81に当接されると、レバー86Aは、図22において反時計方向に揺動されようとする。このとき、支点91は一旦図中右方へわずかに変位された後(揺動レバー85は図22において若干時計方向へ変位されるが(係止凹部51bはこのような動きを許容できるように設定されている)、支点91が一点鎖線上に位置した時点から、揺動レバー85は分離位置へ向う図22反時計方向に揺動されて、分離状態となる。このように、図22では、支点91が一点鎖線よりも上にあるか下にあるかによって揺動レバー85の揺動方向が異なるいわゆる思案点を構成するものとなり、この思案点の設定によって、椅子部40との連結状態をより確実に確保する上で好ましいものとなる。
【0063】
図23〜図25には、分離車椅子K2を入浴浴槽1へ接近させるのに伴う椅子部40と台車部41との分離の様子を図式的に示してあるが、連結状態から分離状態への移行は第1の例となる分離車椅子K1の場合についての説明から既に明らかなので、詳しい説明は省略する。なお、図23は、前方の連結部85に対する椅子部40の荷重が解放された時点を示し、図24は、後方の連結部85に対する椅子部40の荷重が解放された時点を示し、図25は、椅子部40と台車部41とが完全に分離されたときの状態を示す。
【0064】
(6)図26、図27の説明(台車部の入浴浴槽に対する位置決め)
図26、図27は、台車部41が収納空間Eに収納されたときに、その前後方向の位置決めを行えるようにした位置決めロック機構95の例を示すものであり、左右一対設けられている。
【0065】
先ず、図8、図9(K1)、図20、図21(K2)に示すように、台車部41の左右先端部に、左右一対のロックピン96が上方へ向けて突設され、位置決めロック機構95は、収納空間Eの深い位置に配設されて(図10、図16参照)、上記ロックピン96に作用する。このロック機構95は、入浴浴槽1の長手方向に間隔をあけて前後一対の固定部97A、97Bを有し、該固定部97Aと97Bとは入浴浴槽1に固定されている。
【0066】
固定部97Aと97Bとの間に、互いに平行に2本のガイドロッド98が架設され、ガイドロッド97には、スライダ99が摺動自在に保持されている。スライダ99は、スプリング100によって、前方の固定部97Aに向けて付勢されている。スライダ99には、上下方向に伸びる支点101を中心として、係止レバー102が揺動自在に取付けられている。係止レバー102は、2つのレバー部102aと102bとを有し、一方のレバー部102aとスライダ99との間には、引っ張りスプリング103が架設されて、係止レバー102が図中時計方向に向けて揺動付勢され、所定以上の揺動は、レバー部102aがスライダ99に固定したストッパ104に当接することにより規制されている。
【0067】
係止レバー102は、図26に示すストッパ104への当接状態において、入浴浴槽1の長手方向つまり、分離車椅子の進退出方向に伸びるレバー部102cを有する。レバー部102cは、入浴浴槽1の幅方向内方側の側面において、傾斜面105が形成されると共に、傾斜面105の直後方において係止凹部106が形成されている。傾斜面105は、後方に向うにつれて徐々に入浴浴槽1の幅方向内方側へ向うようにされている。前方側の固定部97Bには、ねじ式のストッパ107が、スライダ99(レバー部102b)の移動軌跡上に位置するように取付けられている。
【0068】
ロック機構95は、通常は、図26の状態とされている。すなわち、レバー部102aがストッパ104に当接して、傾斜面105と係止凹部106とが台車部41の進入方向に直列となるように位置され、レバー部102bが、ストッパ107に臨んでいる。
【0069】
台車部41が収納空間Eに進入してくると、台車部41に設けたロックピン96が、傾斜面10に当接して、係止レバー102を、スプリング103に抗して、図26反時計方向に揺動させ、さらなる台車部41の進入によって、ロックピン96が図26実線で示すように、係止凹部106内に嵌入され、この嵌入によって、係止レバー102は、図26の状態に復帰する。ロックピン96が係止凹部106内に嵌入されたとき、台車部41の収納空間E内での所定位置においてのロック状態となる(前後方向の動きが規制される)。
【0070】
図26に示すロック状態から、台車部41に対してやや強い力で収納空間Eから抜け出る方向の外力が作用すると、台車部41つまりロックピン96が、係止凹部106に嵌入した状態のまま、スライダ99がスプリング100に抗して図27に示すように固定部97Bに向けて変位され、その途中でストッパ107に対してレバー部102bが当接して、係止レバー102が図27反時計方向に揺動され、係止凹部106からロックピン96が抜けでることになる(ロック解除)。このように、台車部41の入浴浴槽1に対するロック、ロック解除が、台車部41を収納空間Eへ進退出させるだけで自動的に行われることになる。勿論、このロック機構95は、椅子部40の位置決めロッド52(のロッド部52b)が台車部41の位置決め孔72から丁度抜け出る位置において、ロックが行われるように位置設定されている。
【0071】
なお、実施の形態で用いた部材の名称は、その上位概念となる機能内容の表現に手段の名称を付することにより表現することができる。さらに、本発明の目的は、明記されたものに限らず、実質的に好ましいあるいは利点として記載された内容のものを提供することをも暗黙的に含むものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態を示す全体平面図。
【図2】図1の側面図。
【図3】図1の前面図。
【図4】図1の後面図。
【図5】接続回路例を示す系統図。
【図6】分離車椅子の一例を示す側面図。
【図7】図6に示す分離車椅子の正面図。
【図8】図6に示す分離車椅子の台車部を示す一部省略平面図。
【図9】図8の側面図。
【図10】椅子部と台車部との連結、分離部分の一例を示す斜視図。
【図11】分離用入力レバーのロック機構を示す斜視図。
【図12】椅子部と台車部と連結、分離部分を示すもので、連結状態とのときの要部拡大正面図。
【図13】椅子部と台車部と連結、分離部分を示すもので、分離状態とのときの要部拡大正面図。
【図14】扉を開いた状態において扉側から見た入浴浴槽を示す図。
【図15】扉をその内面側から見た図。
【図16】入浴浴槽に対する椅子部と台車部との収納状態を示す一部断面側面図。
【図17】入浴浴槽に設けた椅子部用のガイドレールを示す正面断面図。
【図18】入浴浴槽に設けた椅子部用のガイドレールの先端部分の詳細を示す側面図。
【図19】入浴浴槽に設けた椅子部用のガイドレールの後方部分の詳細を示す側面図。
【図20】分離車椅子の他の例を示す要部側面図。
【図21】図20の平面図。
【図22】連結、分離用揺動レバーの好ましいリンク連結例を示す側面図。
【図23】図20に示す分離車椅子の分離過程を示す簡略側面図。
【図24】図20に示す分離車椅子の分離過程を示す簡略側面図。
【図25】図20に示す分離車椅子の分離過程を示す簡略側面図。
【図26】台車部を入浴浴槽に所定位置でロックしておくロック機構の一例を示すもので、ロック状態での平面図。
【図27】台車部を入浴浴槽に所定位置でロックしておくロック機構の一例を示すもので、ロック解除直後での平面図。
【符号の説明】
1:入浴浴槽
2:貯湯部
3:扉
40:椅子部
41:台車部
48:移乗用ローラ
49:案内ローラ
51:連結部(椅子部側)
52:位置決めロッド(位置決め部材)
52b:ロッド部
55:本体部(台車部側)
56:走行車輪
57:連結部(台車部側)
58:支承部材
61、62:リンク
63:入力レバー(入力部材)
64:入力ローラ
72:位置決め孔(係合部)
95:ロック機構
96:ロックピン
99:スライダ
100:第1スプリング
102:係止レバー
103:第2スプリング
105:カム面
106:係止凹部
107:ストッパ
K(K1、K2):分離車椅子
B:分離ライン
E:収納空間
Claims (8)
- 扉開閉式とされた入浴浴槽と、椅子部と走行車輪を有する台車部とが分離可能に連結された分離車椅子とを備え、該分離車椅子のうち分離された椅子部のみが前記入浴浴槽内に進入されると共に、分離された台車部が該入浴浴槽の下方に形成される収納空間に収納されるようにされた分離車椅子式入浴装置において、
前記収納空間に設けられ、前記台車部に作用して該台車部の進退出方向の位置決めを行うロック機構と、
前記椅子部に設けられ、前記入浴浴槽への進退出に応じて上下方向に変位される位置決め部材と、
前記台車部に設けられ、前記位置決め部材が上方向から係合される係合部と、を備え、前記位置決め部材が前記係合部に係合されたときに、前記台車部と前記椅子部との少なくとも前記進退出方向の位置決めが行われ、
前記進退出方向において連結状態にある前記椅子部と台車部とが入浴浴槽、前記収納空間の所定位置まで進出されたときに、前記位置決め部材が入浴浴槽からの外力を受けることにより上方へ変位されて前記係合部から離脱されると共に、前記ロック機構により前記台車部がロックされるように設定され、
前記椅子部が、前記進退出方向に間隔をあけて複数の移乗用ローラを備え、
前記椅子部と台車部との連結部位よりも、所定分入浴浴槽への進出方向において前記移乗用ローラが存在するように設定され、
前記移乗用ローラが走行される入浴浴槽の走行面のうち前記扉側の端部が、前記進出方向に向うにつれて徐々に高くなる傾斜面とされ、
前記連結部位の連結が解除されて分離状態とされる前に、該連結部位よりも前記進出方向側に位置する移乗用ローラが前記傾斜面を乗り越えていて、該連結部位には椅子部の重量が作用しないようにされている、
ことを特徴とする分離車椅子式入浴装置。 - 請求項1において、
前記所定位置が、前記椅子部の重量が全て入浴浴槽に作用して前記台車部へは作用しない位置となるように設定されている、ことを特徴とする分離車椅子式入浴装置。 - 請求項1または請求項2において、
前記位置決め部材が、前記進退出方向に伸びて、前記椅子部に上下方向に揺動自在に保持されると共に、入浴浴槽からの退出方向端部において下方へ伸びるロッド部を有するものとして構成され、
前記係合部が、前記ロッド部が嵌合される上方へ開口した孔として構成されている、
ことを特徴とする分離車椅子式入浴装置。 - 請求項1において、
前記ロック機構が、前記台車部が入浴浴槽の退出方向へ所定以上の外力で引っ張られたときに、自動的にロック解除されるように設定されている、ことを特徴とする分離車椅子式入浴装置。 - 請求項4において、
前記ロック機構が、
前記進退出方向にスライド可能とされたスライダと、
前記スライダに揺動自在に保持された係止レバーと、
前記スライダを入浴浴槽に対する進出方向に付勢する第1スプリングと、
前記係止レバーをロック位置に付勢する第2スプリングと、
前記スライダを前記第1スプリングに抗して入浴浴槽の退出方向へスライドさせれたときに、前記第2スプリングに抗してロック解除位置に該係止レバーを揺動させるストッパと、
を備え、前記係止レバーには、前記進退出方向において隣接して、カム面と該カム面よりも前記進出方向において係止凹部とが形成され、
前記台車部を前記ロック機構に接近させたときに、該台車部に設けられたロックピンが、前記カム面を摺動しつつ前記係止レバーを揺動させて前記係止凹部に係止される、
ことを特徴とする分離車椅子式入浴装置。 - 請求項1において、
前記椅子部を入浴浴槽へ進出させたときに、該椅子部の入浴浴槽に対する左右方向の位置決めが行われるようにされ、
前記台車部を前記収納空間へ進出させたときに、該台車部の入浴浴槽に対する左右方向の位置決めが行われるようにされている、
ことを特徴とする分離車椅子式入浴装置。 - 請求項1において、
前記台車部の椅子部に対する連結部が、上面に該椅子部に対する係合部を有する支承部材によって構成され、
前記支承部材が、平行リンクを構成するように前後左右の少なくとも合計4本のリンクによって、該支承部材の上面が常に上方を向くような平行状態を保ちつつ起倒されるように設定され、
前記支承部材とリンクとの組立体が起立位置とされたときに前記椅子部との連結位置とされると共に、該組立体が倒伏位置とされたときに該椅子部との連結が解除される分離位置とされる、
ことを特徴とする分離車椅子式入浴装置。 - 請求項7において、
前記台車部に、前記組立体に連係された入力部材を備え、
前記台車部を前記収納空間へ進出させたとき、入浴浴槽に設けたカム部材に前記入力部材が当接して、前記組立体が前記倒伏位置とされる、
ことを特徴とする分離車椅子式入浴装置。
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