JP3793329B2 - 撮影レンズ系 - Google Patents
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Description
【技術分野】
本発明は、主に電子スチルカメラに用いられる撮影レンズ系に関する。
【0002】
【従来技術及びその問題点】
近年、従来の銀塩フィルムを使用するカメラと比較して容易に撮影、鑑賞ができる電子スチルカメラが普及しつつある。また一般家庭に普及が進んできたパーソナルコンピュータ等で簡単に静止画像を入力する装置としても小型で高解像の電子スチルカメラが望まれている。
このような目的て利用される電子スチルカメラは、小型化と低コスト化の要求が非常に高い。
【0003】
さらに、電子スチルカメラなどのように小型の撮像素子を用いるカメラでは、撮像素子の小型化に伴い1画素の大きさが小さくなり、非常に高解像度の撮影レンズ系が必要とされる。さらに、撮影レンズ系と撮像素子の間にフィルター等を配置するスペースが必要なため、長いバックフォーカスも要求される。
【0004】
低コストの電子スチルカメラの場合、絞り機構を簡単な構成とするために、例えば、開放絞りとF8程度に絞った状態の2段程度の切り替え式にすることが多く、絞り開放の状態における周辺光量を十分に大きくすることも要求される。
【0005】
また、カラー撮像素子を用いる撮影レンズ系は、色ムラ防止のためにレンズから射出した光が撮像素子にできるだけ垂直に入射する、いわゆるテレセントリック性が良好であることが要求される。
この種の撮影レンズ系として7枚程度のレンズで構成されるものとしては、特開平2−96107号が知られている。このレンズ系は、大口径で広角化されてはいるが、周辺光量を十分にとった場合、周辺部における性能が十分であるとは言い難く、また全長が長いため十分なコンパクト化がなされておらず改善の余地がある。
【0006】
【発明の目的】
本発明は、バックフォーカスが長く、F2程度の明るさを有し、半画角30度程度まで包括可能な広角で、十分な周辺光量を確保しても高解像度が得られ、さらにテレセントリック性も良好な撮影レンズ系を提供することを目的とする。
【0007】
【発明の概要】
本発明の撮影レンズ系は、物体側より順に、負の屈折力を有する第1レンズ群、正の屈折力を有する第2レンズ群、及び正の屈折力を有する第3レンズ群から構成され、第1レンズ群は、物体側より順に、像側に凹面を有する負メニスカスの第1レンズ、及び像側に凸面を有する正の第2レンズの2群2枚のレンズより構成され、第2レンズ群は、物体側より順に、像側に凸面を有する正の第3レンズ、両凹の第4レンズ、及び像側に凸面を有する正メニスカスの第5レンズの3群3枚のレンズより構成され、第3レンズ群は、物体側より順に、正の第6レンズ、及び正の第7レンズの2群2枚のレンズで構成される全体として7群7枚の撮影レンズ系であって、条件式(1)、(2)及び(3)を満足することを特徴としている。
(1)0.4<|F1 /F2 |<1.5
(2)0. 0<F3 /F2 <0.5
(3)1.4<F2-3 /F<2.4
但し、
F:レンズ全系の焦点距離、
F1 :第1レンズ群の焦点距離、
F2 :第2レンズ群の焦点距離、
F3 :第3レンズ群の焦点距離、
F2-3 :第2、第3レンズ群の合成焦点距離、
である。
【0008】
第2レンズ群中の正の第3レンズと両凹の第4レンズはそれぞれ、物体側の面より像側の面の曲率半径が小さい正レンズと、像側の面より物体側の面の曲率半径が小さい両凹の負レンズとで構成し、さらに条件式(4)を満足させることが好ましい。
(4)1.2<r6 /r7 <2.5
但し、
r6 :第2レンズ群中の第3レンズの像側の面の曲率半径、
r7 :第2レンズ群中の第4レンズの物体側の面の曲率半径、
である。
【0009】
第3レンズ群中の正の第6レンズと第7レンズはそれぞれ、物体側の面より像側の面の曲率半径が小さい正レンズと、像側の面より物体側の面の曲率半径が小さい正レンズとで構成し、さらに条件式(5)を満足させることが好ましい。
(5)1.5<r13/F<3.0
但し、
r13:第3レンズ群中の第7レンズの物体側の面の曲率半径、
である。
開口絞りは、第3レンズと第4レンズの間に配置するのが好ましい。
【0010】
【発明の実施の形態】
本発明の撮影レンズ系は、図1に示すように、物体側より順に、像側に凹面を有する負メニスカスの第1レンズL1、像側に凸面を有する正の第2レンズL2、像側に凸面を有する正の第3レンズL3、両凹レンズの第4レンズL4、像側に凸面を有する正メニスカスの第5レンズL5、正の第6レンズL6、及び正の第7レンズL7からなり、全体として7群7枚のレンズで構成する。第1レンズと第2レンズで負の第1レンズ群、第3レンズから第5レンズで正の第2レンズ群、第6レンズと第7レンズで正の第3レンズ群を構成している。
第7レンズL7の後方(像側)には、撮像素子の前方に位置するフィルターやカバーガラス類に相当する平行平面板Cが位置し、開口絞りSは第3レンズL3と第4レンズL4の間に配置されている。
【0011】
次に、各条件式を詳しく説明する。
条件式(1)は、第1レンズ群と第2レンズ群の焦点距離の比に関する条件である。
条件式(1)の下限を超えると、第2レンズ群に対する第1レンズ群の負のパワーが強くなり、強い負の歪曲収差が発生するとともに、画面周辺部におけるコマフレアーを良好に補正することが困難になる。
逆に、条件式(1)の上限を超えて、第1レンズ群の負のパワーが弱まると、十分なバックフォーカスを確保することが困難になるとともに、像面湾曲が補正不足となり広角化も難しくなる。
【0012】
条件式(2)は、第3レンズ群と第2レンズ群の焦点距離の比に関するものである。
条件式(2)の下限を超えて第3レンズ群のパワーが強くなりすぎると、テレセントリック性は良好になるが、負の歪曲収差が大きくなるとともに、ペッツバール和が増大し、像面湾曲、非点収差を良好に補正することが困難になる。また、バックフォーカスを長くすることが困難になる。
逆に、条件式(2)の上限を超えると、第3レンズ群の正のパワーが弱くなり、良好なテレセントリック特性を維持することが困難になる。条件式(2)の上限を超えたまま、良好なテレセントリック特性を得ようとした場合、第2レンズ群の像側の正レンズのパワーか増大し諸収差をバランスよく補正することが困難になる。
【0013】
条件式(3)は、第2レンズ群と第3レンズ群の合成焦点距離と、レンズ全系の焦点距離の比に関するものである。
条件式(3)の下限を超えて、第2、第3レンズ群の合成パワーが強くなりすぎると、特に周辺光量を十分に入れたときに画面周辺部におけるコマフレアーを小さく押さえることが困難となり、大口径化が難しい。また、バックフォーカスを長くすることも困難になる。
逆に、条件式(3)の上限を超えて、第2、第3レンズ群の合成パワーが弱くなると、バックフォーカスを長くすることは可能になるが、それに従って、第1レンズ群の負のパワーも減少し、レンズの全長が長くなるとともに、第1レンズ群の径の増大につながり、コンパクト化が不可能になる。
【0014】
条件式(4)は、第2レンズ群中の第3レンズの像側の面と第4レンズの物体側の面の曲率半径の比に関する条件、つまり、第3、第4レンズの形状に関する条件である。特に、開口絞りを第3レンズと第4レンズの問に配置したときには、絞りを挟む面の形状を条件式(4)の範囲内にすることにより、諸収差をバランスよく補正することが可能となる。
条件式(4)の下限を超えて、第3レンズの像側の面の曲率半径が小さくなると(曲率が強くなると)、特に球面収差がアンダーとなり中心部でのコントラストが低下するとともに、画面中心と周辺の像面の平坦性が悪化する。
逆に、条件式(4)の上限を超えて、第3レンズの像側の面の曲率半径が大きくなると(曲率が弱くなると)、画面中心部から周辺部にかけてコマ収差が悪化し、周辺光量を十分に確保したまま像のコントラストを向上させることが困難になる。
【0015】
条件式(5)は、第3レンズ群中の第7レンズの物体側の面の曲率半径と、レンズ全系の焦点距離の比に関する条件であり、第1、第2レンズ群で良好に補正された諸収差を悪化させることなく、良好なテレセントリック特性を得るための条件である。
条件式(5)の下限を超えて、第7レンズの物体側の面の曲率半径が小さくなると、それに伴って第7レンズの像側の面が凹面になるため良好なテレセントリック特性を維持したまま平坦な像面を得ることが困難になる。
逆に、条件式(5)の上限を超えて、第7レンズの物体側の面の曲率半径が大きくなると、第7レンズの像側の面すなわち最終面の曲率が強くなりすぎ球面収差、像面湾曲をバランスよく補正することが困難になる。
【0016】
次に、本発明の撮影レンズ系の具体的な実施例を示す。以下の各実施例の表および図面中、FNO はF ナンバー、F は焦点距離、W は半画角、fBはバックフォーカス、Rはレンズ各面の曲率半径、Dはレンズ厚もしくはレンズ間隔、Nはd線の屈折率、νはd線のアッベ数を示す。また諸収差図中、SAは球面収差、SCは正弦条件、d線、g線、c線は、それぞれの波長における、球面収差によって示される色収差、Sはサジタル、Mはメリディオナルを示している。
【0017】
[実施例1]
図1は、実施例1のレンズ断面図、図2はその物体距離が無限遠のときの球面収差、軸上色収差、倍率色収差、非点収差及び歪曲収差を示す収差図、表1はレンズデータである。レンズ構成は、物体側より順に、像側に凹面を有する負メニスカスの第1レンズL1、像側に凸面を有する正の第2レンズL2、像側に凸面を有する正の第3レンズL3、両凹レンズの第4レンズL4、像側に凸面を有する正メニスカスの第5レンズL5、正の第6レンズL6、及び正の第7レンズL7からなっている。なお、電子スチルカメラのようなCCD撮像素子を用いるタイプのカメラでは、撮影レンズ系の最終面と撮像面との間に、ローパスフィルター、赤外カットフィルター、保護ガラス等が入るため、設計時には、レンズ最終面と像面の間に前記のフィルター類、カバーガラスを含むような厚い平行平面ガラスを介在させた状態で収差補正を行う。従って、実施例のレンズ構成、データ及び収差図は、いずれも撮影レンズ系の最終面と撮像面との間に平行平面ガラスCが入った状態を示している。
【0018】
【表1】
【0019】
[実施例2]
図3は、実施例2のレンズ断面図、図4はその物体距離が無限遠のときの球面収差、軸上色収差、倍率色収差、非点収差及び歪曲収差を示す収差図、表2はレンズデータである。レンズ構成は、実施例1と同じである。
【表2】
【0020】
[実施例3]
図5は、実施例3のレンズ断面図、図6はその物体距離が無限遠のときの球面収差、軸上色収差、倍率色収差、非点収差及び歪曲収差を示す収差図、表3はレンズデータである。レンズ構成は、実施例1と同じである。
【表3】
【0021】
[実施例4]
図7は、実施例4のレンズ断面図、図8はその物体距離が無限遠のときの球面収差、軸上色収差、倍率色収差、非点収差及び歪曲収差を示す収差図、表4はレンズデータである。レンズ構成は、実施例1と同じである。
【表4】
【0022】
[実施例5]
図9は、実施例5のレンズ断面図、図10はその物体距離が無限遠のときの球面収差、軸上色収差、倍率色収差、非点収差及び歪曲収差を示す収差図、表5はレンズデータである。レンズ構成は、実施例1と同じである。
【表5】
【0023】
[実施例6]
図11は、実施例6のレンズ断面図、図12はその物体距離が無限遠のときの球面収差、軸上色収差、倍率色収差、非点収差及び歪曲収差を示す収差図、表6はレンズデータである。レンズ構成は、実施例1と同じである。
【表6】
【0024】
実施例1から6の各条件式(1)ないし(5)の値を表7に示す。
【表7】
【0025】
表7から明かなように、実施例1ないし実施例6は、いずれも条件式(1)ないし(5)を満足している。各収差図に示す諸収差も比較的よく補正されている。
【0026】
【発明の効果】
本発明によれば、電子スチルカメラ等に必要な十分長いバックフォーカスを有し、F2程度の明るさを有し、半画角30度程度の広角であり、十分な周辺光量を確保しても高解像度で、さらにテレセントリック性も良好な撮影レンズ系を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による撮影レンズ系の第1の実施例を示すレンズ構成図である。
【図2】図1のレンズ系の諸収差図である。
【図3】本発明による撮影レンズ系の第2の実施例を示すレンズ構成図である。
【図4】図3のレンズ系の諸収差図である。
【図5】本発明による撮影レンズ系の第3の実施例を示すレンズ構成図である。
【図6】図5のレンズ系の諸収差図である。
【図7】本発明による撮影レンズ系の第4の実施例を示すレンズ構成図である。
【図8】図7のレンズ系の諸収差図である。
【図9】本発明による撮影レンズ系の第5の実施例を示すレンズ構成図である。
【図10】図9のレンズ系の諸収差図である。
【図11】本発明による撮影レンズ系の第6の実施例を示すレンズ構成図である。
【図12】図11のレンズ系の諸収差図である。
Claims (4)
- 物体側より順に、負の屈折力を有する第1レンズ群、正の屈折力を有する第2レンズ群、及び正の屈折力を有する第3レンズ群から構成され、
前記第1レンズ群は、物体側より順に、像側に凹面を有する負メニスカスの第1レンズ、及び像側に凸面を有する正の第2レンズの2群2枚のレンズより構成され、
前記第2レンズ群は、物体側より順に、像側に凸面を有する正の第3レンズ、両凹の第4レンズ、及び像側に凸面を有する正メニスカスの第5レンズの3群3枚のレンズより構成され、
前記第3レンズ群は、物体側より順に、正の第6レンズ、及び正の第7レンズの2群2枚のレンズで構成され、
かつ、下記の条件式(1)、(2)及び(3)を満足する全体として7群7枚の撮影レンズ系。
(1)0.4<|F1 /F2 |<1.5
(2)0. 0<F3 /F2 <0.5
(3)1.4<F2-3 /F<2.4
但し、
F:レンズ全系の焦点距離、
F1 :第1レンズ群の焦点距離、
F2 :第2レンズ群の焦点距離、
F3 :第3レンズ群の焦点距離、
F2-3 :第2、第3レンズ群の合成焦点距離。 - 請求項1記載の撮影レンズ系において、前記第2レンズ群中の第3レンズは、物体側の面より像側の面の曲率半径が小さい正レンズであり、第4レンズは、像側の面より物体側の面の曲率半径が小さい両凹の負レンズで構成され、下記の条件式(4)を満足する撮影レンズ系。
(4)1.2<r6 /r7 <2.5
但し、
r6 :第2レンズ群中の第3レンズの像側の面の曲率半径、
r7 :第2レンズ群中の第4レンズの物体側の面の曲率半径。 - 請求項1記載の撮影レンズ系において、前記第3レンズ群中の第6レンズは、物体側の面より像側の面の曲率半径が小さい正レンズであり、第7レンズは、像側の面より物体側の面の曲率半径が小さい正レンズで構成され、下記の条件式(5)を満足する撮影レンズ系。
(5)1.5<r13/F<3.0
但し、
r13:第3レンズ群中の第7レンズの物体側の面の曲率半径。 - 請求項1ないし3のいずれか1項記載の撮影レンズ系において、前記第3レンズと第4レンズの間に、開口絞りが配置されている撮影レンズ系。
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