JP3796271B2 - 試料中の標的物質の検出方法 - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
本発明は、検出対象としての標的物質の存在下で、該標的物質を介在する相互作用に基づく変化を起す反応系を形成し得る複数の試薬を用いて標的物質を検出する方法に関し、例えば、ウイルス、微生物、動植物、ヒトなどの核酸(DNAまたはRNA)の所望の塩基配列の検出、同定、もしくは各種塩基配列における変異の有無の検出に有用な方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
核酸の分析技術の発達により種々の変異遺伝子が数多く見つけ出され、遺伝子の変異に基づく各種遺伝病の解明も進みつつある。そのなかには、遺伝子中の塩基が部分的に欠失したものや、塩基が点突然変異を起したものがあり、それによって蛋白質に変異が生じ、さまざまな症状を引き起こすものがあることが明かにされてきている。現在のところ、これらの遺伝病は、症状が現れてから、酵素によるアッセイや、抗体を用いた免疫的な方法により発見されることが主流であるが、早期治療という観点から、重篤な症状が現れる前に遺伝子上で変異の有無を早期に発見することの重要性が指摘されている。
【0003】
また、DNA診断は、必ずしもヒトの遺伝子に用いられるだけでなく、感染した細菌の同定においても利用できる。
【0004】
従来は、分離した細菌の形態学的性状および生化学的性状から、類似性に基づいて菌種を同定する方法が取られていた。この方法では、培養に時間がかかる上に、検査法の違いによって性状の判定が異なったり、どの性状に重点を置くかによって同定の結果が異なる等の問題があった。
【0005】
そこで近年、特に、細菌感染症における原因細菌の検出や同定の分野において、、DNA−DNAハイブリダイゼーション法、あるいはDNA−RNAハイブリダイゼーション法を用いる試みがなされている。この方法は、細菌から核酸(DNAまたはRNA)を抽出し、細菌由来の核酸のうち特定部分に着目して、その部分の塩基配列とホモロジーの高い塩基配列が、対象とする被検核酸サンプル中に存在するか否かをハイブリダイゼーション法によって調べ、サンプル中に問題となる細菌が存在するか否かを判定する方法である。
【0006】
また、近年、核酸の特定配列の新しい検出方法として、PCR法も用いられるようになってきている。この方法は、検出対象としての標的核酸中の特定配列を選定し、この特定配列の増幅に必要なプライマーを用意し、標的核酸を鋳型としてPCRを行い、増幅された特定配列の有無を検出することで、標的核酸の検出が可能となる。PCR法を用いることで核酸の検出感度は向上し、ハイブリダイゼーション法を用いる核酸検出法に代わって種々の分野での核酸の検出に利用されている。
【0007】
しかし、PCR法では調べたい特定塩基配列が明かな場合に、その増幅に最適なプライマーを選定することにより、初めて特定配列の有無を調べることができるもので、プライマーが非特異的に標的核酸に結合したり、本来なら増幅されない配列が形成されることが多々ある。また、ある標的核酸中の欠損のような遺伝子異常は、その長さを解析することにより情報を得ることができるが、点突然変異のような長さに変化が現れないような異常に対しては知る術もないという欠点を持つ。
【0008】
したがって、ハイブリダイゼーション法が完全にPCR法に置き換えられるというわけではなく、ハイブリダイゼーション法による簡便な遺伝子検出法もやはり必要とされる。
【0009】
ハイブリダイゼーション反応では、プローブDNAと標的DNAとがお互いの相補的な配列部分で水素結合によりハイブリッド体を形成する。ハイブリダイゼーション反応において、相補的な配列間で正確にハイブリッド体を形成させるためには、反応の温度、イオン強度を最適に選ぶ必要がある。つまり、温度が高すぎると、プローブと相補的配列をもつ核酸とが結合できず、逆に低すぎると、プローブが非特異的に核酸に結合してしまう。さらに、より正確さを期すために、溶液の塩濃度を下げて、あるいは、溶液の温度を上げて、不安定な水素結合を除き、非特異的に結合したプローブやミスマッチしているプローブを洗い流すことが重要となる。従って、適当な反応条件、洗浄条件の設定には、かなりの試行錯誤が必要になる。
【0010】
遺伝子診断では、ハイブリッド体形成反応、及び、洗いの条件設定に、一塩基対レベルのミスマッチをも除去する精度が更に要求される。
【0011】
ハイブリダイゼーション反応は、従来は標的核酸をニトロセルロースのような担体に固定させた状態で行われてきた。しかし、この方法は極めて操作が煩雑であるため、溶液中でのハイブリダイゼーションのような簡便な方法の開発が期待されてきた。従来のような核酸の固定化を行わない方法における最大の課題は、標的核酸に結合しているプローブと、結合していない過剰なプローブをどのようにして区別するか(B/F分離)というところにある。さらに、この場合にも、上述の固定化核酸を用いたハイブリダイゼーション反応と同様に、プローブの非特異的吸着やミスマッチを除くための適当な反応条件、洗浄条件設定が重要な課題となる。
【0012】
B/F分離を行わずに標的核酸とプローブとのハイブリッド体を検出するための方法としては、蛍光偏光解消法を用いた検出方法がいくつか提案されている(特開平2−295496号公報、特開平2−75958号公報等参照)。これらの方法は、蛍光標識された一本鎖DNAプローブを、分析検体中のDNAと接触させて二本鎖DNAを形成させ、二本鎖形成前の蛍光偏光と二本鎖形成後の蛍光偏光との変異を測定して検体中のDNAに、プローブの塩基配列に対応する塩基配列が存在するかどうかを検出する方法である。この方法は、一本鎖のプローブに結合させた蛍光物質が、二本鎖になったことによって動きにくくなり、蛍光異方性が増大することがその検出の原理となっている。
【0013】
ところが、これらの方法では、検体中に蛋白質等の夾雑物が含まれていて、それがプローブDNAに非特異的に吸着すると、ハイブリッド体検出のバックグランドを上昇させる原因となるため、あらかじめこれらの夾雑物を完全に除去するという煩雑な作業が必要となる。また、プローブDNAの非特異的吸着、及び、塩基のミスマッチによる擬ハイブリッド体は他の溶液系の場合、それをあらかじめ除去する操作が必要である。さらに、確かにB/F分離は必要ないもののプローブ濃度が標的DNA濃度と同程度であることが蛍光の変異を測定する上で必要となる。
【0014】
エネルギー移動を利用したハイブリッド体検出方法として、Gardulloらは3通りの方法を提案している(Proc. Natl. Acad. Sci. USA, 85, 8790−8794)。これらはいずれもエネルギー供与体としてフルオレセイン、アクリジンオレンジ、エネルギー受容体としてローダミンを用いたもので、(i)5’をフルオレセインで標識したオリゴヌクレオチドとそれに相補的で5’をローダミンで標識したオリゴヌクレオチドとのハイブリダイゼーション、(ii)5’をフルオレセインで標識したオリゴヌクレオチドのそれぞれ相補的DNAとのハイブリダイゼーション、(iii)5’をローダミンで標識したオリゴヌクレオチドのアクリジンオレンジ存在下での相補的DNAとのハイブリダイゼーションである。この方法は、近接する蛍光発色団の励起光と蛍光が重なり合っている場合に、供与体の励起状態エネルギーが近接する受容体に転移される現象であり、その結果として供与体の寿命の減少、供与体の蛍光のクエンチング及び受容体の蛍光強度の増強などが見られる。ハイブリダイゼーションの有無を溶液のまま判定できるという点では一連の煩雑な操作を一挙に省ける点で画期的な方法といえるが、感度的に既存のハイブリダイゼーンに比べて数オーダー低く、実用化のためには蛍光団の改良や検出系の飛躍的な進歩が望まれていた。
【0015】
また、最近、DNAの二本鎖に二種類の色素を遊離の状態で混合した時に、これらの色素間でDNAを介した電荷移動が検出されたという報告がある(J.Ame.Chem.Sco.,1992,114,3656−3660)。それは、蛍光を持つ電子供与体(エチジウムブロマイドあるいはアクリジンオレンジ)にそれぞれの励起波長に対応する波長の光を照射すると、もうひとつの色素(電子受容体:N,N−dimethyl−2,7−diazapyrenium dichloride)存在下では、その蛍光強度が減少するというもので、両色素がインターカレーターと考えられていることから電子がDNAの二重らせんを介して電子供与体から電子受容体の方へ流れているというものである。しかし、その変化の程度は非常に小さいものであり、ハイブリッド体の検出に利用しうるほどの感度ではない。
【0016】
【発明が解決しようとする課題】
従来のような標的核酸を固定したハイブリダイゼーション法はもちろん、B/F分離を必要としない蛍光偏光解消のような方法においても、プローブの非特異的吸着やミスマッチの発生を防止する、あるいは発生した非特異的吸着やミスマッチを除去するための煩雑な処理が必要である場合が多い。しかも、これらの操作の最適条件はプローブの長さ、あるいはそれぞれの塩基配列によって異なるため、それぞれの場合で条件を検討し、設定していく必要がある。特に、ミスマッチしている塩基のプローブ上の位置もハイブリッド体の安定性に影響を与える重要な因子となり、その位置によってはミスマッチしているハイブリッド体を除去できない場合も生じるため、ミスマッチの可能性を考慮して、ハイブリダイゼーション反応の条件を個々のケースに応じて設定するという更に煩雑な作業が必要となる。
【0017】
電荷移動、エネルギー移動を利用する溶液中の検出系は、標的核酸を固定する場合や、B/F分離を必要とする系に比べて簡便な方法ではあるものの、その感度は非常に低く、実用に供せられるほどのものではない。さらに、従来例で用いられている色素は遊離の状態でも蛍光を有し、蛍光強度の変化を検出しても、それがエネルギー供与体とエネルギー受容体(または、電子供与体と電子受容体)とのDNAを介した相互作用なのか、溶液による単なるクエンチングなのか、あるいは夾雑物の存在による影響なのか判定することは困難である。
【0018】
本発明は、以上のような従来技術における問題に鑑みなされたものであり、ハイブリッド体の検出においてB/F分離の必要がなく、より簡易化された工程からなり、良好な測定感度を得ることができる標的核酸の検出に好適な方法を提供することにある。本発明の他の目的は、ミスマッチしているハイブリッド体が存在する場合でも所望のハイブリッド体のみを正確に検出できる標的核酸の検出に好適な方法を提供することにある。
【0019】
本発明は、更に、イムノアッセイ等の免疫反応を利用した各種物質の検出に有用な検出系を提供することにある。
【0020】
【課題を解決するための手段】
本発明の標的物質の検出方法は、標的物質を介在した相互作用に基づく変化を生じる反応系を構成し得る少なくとも2種の試薬を、試料と反応させ、試料中に前記標的物質が存在する場合に生じる前記相互作用に基づく変化を測定することによって該試料中の標的物質を検出する方法において、前記反応系を構成する試薬の少なくとも1つがピリリウム化合物及びピリリウム類似化合物から選ばれたものであることを特徴とする。
【0021】
本発明で利用する相互作用とは、標的物質を含む反応系を介して2つの物質が起す相互作用をいう。この相互作用としては、例えば、電荷の授受(電荷移動)やエネルギーの授受(エネルギー移動)が利用できる。電荷移動の場合は、相互作用を起す2つの物質の一方は電子供与体であり、他方は電子受容体となる。また、エネルギー移動の場合は、一方がエネルギー供与体で、他方がエネルギー受容体となる。本発明においては、このような相互作用を起す2つの物質を含む試薬群を用いて、標的物質の存在下で相互作用を起させ、それによって生じる変化を測定して標的物質を検出するものであり、この相互作用を行う反応系を構成する試薬の少なくとも1つにピリリウム化合物またはピリリウム類似化合物(以下ピリリウム系化合物と総称する)を用いるものである。
【0022】
更に、本発明における試薬間の相互作用を、イムノアッセイ等の免疫反応における検出対象物質への第1次反応体と第2次反応体の反応の際のこれらの複合体の生成に伴って生じるようにすれば、上記の試薬による反応系を免疫反応の検出に利用できる。例えば、イムノアッセイにおいて、第1次反応体及び第2次反応体の一方がエネルギー供与体あるいは電子供与体であるような試薬で標識されており、他方がこれと相補的なアクセプター(例えばエネルギー受容体あるいは電子受容体)のような試薬で標識されており、これらの免疫反応が起り、第1次反応体と第2次反応体とが結合した結果生じるドナーとアクセプターとの近接によるエネルギーの転移や電荷の移動が検出可能なシグナルを生じ、このシグナルを検出することで、免疫反応の有無を検出できる。この標識試薬の少なくとも一方としてピリリウム系化合物を用いることができる。
【0023】
以下、標的物質として核酸二重らせん構造を検出する場合を代表例として本発明を説明するが、同様の作用により検出できるものであれば、本願発明はこれに限定されない。
【0024】
図1及び2に、本発明で利用する相互作用を起こす反応系のモデルを電荷移動の場合を例として模式的に示す。図1のものは、標的物質3(核酸二重らせん構造)と相互作用を起す2つの試薬1、2から構成される最も単純な反応系であり、この反応系では電子供与体となる試薬1から標的物質3を介して電子受容体となる試薬2まで矢印方向に電荷移動が行われる。図2の反応系は、相互作用を起す試薬4、5に加えて、反応経路中で電荷移動を媒体する試薬6、7が更に追加されいるもので、矢印方向に電荷の移動が行われる。図示した場合を例にとれば、試薬1、2、4〜7の少なくとも1つにピリリウム系化合物が使用される。なお、試薬の数は少なくとも2種とされるが、検出における操作効率や検出感度などを考慮してその数を設定することができる。試薬6、7はいわゆるメディエーターまたはセンシタイザー等として機能するものが利用できる。更に、図2で示される反応経路の各反応物質間、例えば試薬4と6の間、試薬6と標的物質3の間などに、反応を仲介する1以上の物質が必要に応じて更に関与しても良い。従って、ピリリウム系化合物は、相互作用の反応経路を構成する試薬の少なくとも1つとして利用され、その利用する反応系での役割に応じた機能を有するものが選択され、例えば電子供与体、電子受容体、メディエーターまたはセンシタイザー等として利用される。
【0025】
二重らせん構造と直接反応させる目的で使用する試薬、例えば図1及び2の試薬1、2、6、7はこれが二重らせん構造と特異的に結合するインターカレーター等としての性質を有するものが好ましい。この場合の試薬としては、例えば、二重らせん構造を構成している核酸等の物質と反応して、それ自身が、あるいは核酸の構成成分側が化学変化や構造的変異を起すことで、あるいは反応系に加えた第3の物質と二重らせん構造の存在下で反応して変化を起すことで検出可能な相互作用に基づく変化を引き起こすものが利用できる。
【0026】
この直接反応としては、例えば、二重らせん構造をとる核酸の構成成分と試薬物質との間の電荷移動あるいはエネルギー移動を引き起す反応などが利用できる。電荷移動を利用する場合には、試薬物質としては、二重らせん構造特異的に挿入され核酸の構成成分に対して電子供与体または電子受容体となり得る物質が利用される。
【0027】
この電荷移動に基づく反応としては、いわゆるthrough spaceの場合と、through bondの場合とが考えられる。前者の場合には、例えば、核酸塩基対のスタッキングを介して電子供与体と電子受容体が相互作用するような場合と、二重らせん構造への変化に伴う電子供与体と電子受容体の近接効果に基づくような場合とが含まれる。後者(though bond)では核酸を構成する塩基、リン酸部分、或は、糖の部分をも含めた電荷の移動が考えられる。いずれの場合もこの直接反応が、二重らせんを形成したことに由来するものであればその形態はなんら限定されない。
【0028】
核酸塩基対間のスタッキングを介する場合とは、二重らせん構造と反応できる位置に置かれた電子供与体と電子受容体(例えば図1の試薬1、2)の距離が本来相互作用できないほど離れている時、電子供与体から放出された電子が、核酸塩基対上に広がる電子雲を介して、電子を次々隣接する核酸塩基対に受け渡され、最終的に電子受容体にまで電子を到達させるというものである。また、逆に、電子受容体が核酸塩基対から電子を引き抜き、それが連鎖的に行われて最終的に電子供与体から電子が奪い取られるという機構も成り立つ。つまり、電荷移動におけるメディエーターが、核酸塩基対ということになる。
【0029】
これに対し、電子供与体と電子受容体の近接効果に基づく場合とは、二重らせん構造の形成によって電子供与体と電子受容体の距離がこれらの相互作用が可能な程度に近くなる場合である。例えば、電子供与体と電子受容体の両方が存在しても、溶液中でこれらの化合物の距離が十分に離れているような一本鎖の状態のときには、これらが相互作用を起さず、標的核酸とハイブリダイズして二重らせん構造を形成して電子供与体と電子受容体が近接した場合に、これらの相互作用が生じるように設定すれば、二重らせん構造の形成をこれらの相互作用が生じたかどうかによって検出できる。なお、二重らせん構造と試薬物質での電荷移動が起りにくい場合には、先に述べたように、これらの間に電荷移動を仲介するようなメディエーター、あるいはセンシタイザーと称させる物質を介在させてもよい。
【0030】
このように二重らせん構造と反応する位置に用いる試薬には、これが二重らせん構造と反応できる位置に配置されて、これらの反応が生じる必要がある。このような試薬が二重らせん構造と反応可能な位置に配置される方式としては、インターカレーターのように核酸塩基対の間に入り込む場合、二重らせん構造の溝に埋め込まれる場合、更に、二重らせん構造に寄り添う形で配置される場合等が利用できる。いずれの場合も、ハイブリッド体の二重らせん構造に試薬が特異的に配置されることが本発明にとって本質的に必要なことである。
【0031】
これらの中では、インターカレーターは、スタッキングを介する電荷移動を利用する場合に最も有利である。つまり、インターカレーターは、一般には、電子の広がりを持つ平面状の化合物で、核酸塩基対の積み重なりの延長線上に、核酸塩基対間の距離と同じような距離で、核酸塩基対と平行な位置に配向する。例えば、電子供与体としてインターカレーターを用い、二重らせん構造の反対側に電子受容体を配置すれば、電子供与体から放出された電子が、隣接する核酸塩基対に送られ、それがそれぞれの核酸塩基対の電子雲を経由して、一直線に電子受容体に向って流れ得る。あるいは、この逆に、電子受容体としてインターカレーターを用い、二重らせんを挟んだ反対側に電子受容体を配置すれば、電子受容体上の電子孔により隣接する核酸塩基対から電子を引き抜き、この電子の引抜きが他の核酸塩基対間に次々と生じて最終的に電子供与体から電子を引き抜き、電荷移動が行われる場合もある。これらの点を考慮すると、スタッキングを介する電荷移動の場合には、電子供与体、電子受容体のうち、少なくともひとつがインターカレーターであることが好ましく、両者が共にインターカレーターである場合には、さらに電荷移動効率を上げることが可能であるのでより好ましい。インターカレーターは二重らせん構造を安定化させ、その融解温度を上昇させることが知られており、電子供与体や電子受容体がインターカレーターであることは、プローブと標的核酸間のハイブリッド体を安定化させるという点でも有利である。
【0032】
本発明においては、標的物質を介した相互作用に基づいた変化を測定することで標的物質の検出が行われる。この変化は、標的物質及びその検出に用いられる試薬から構成される相互作用を起す反応系の種類により異なり、その変化の検出方法も反応系の構成によって個々に異なる。例えば、相互作用を行う試薬(例えば図1及び2の試薬1、2、4、5)に電荷移動に基づく相互作用を行うものを用いた場合、二重らせん構造を介したこれら試薬の相互作用を電子受容体側の変化としてとらえて、その変化に適した手段で測定することができる。例えば、電荷移動吸収帯のように、新しい吸収スペクトルの出現、あるいは、変化としてとらえることができる。また、電荷移動の結果溶液が着色あるいは変色するような系は、直接その変化を目でとらえることができ、簡便な系として、さらに有効である。蛍光やリン光のような発光系も利用できる。この場合、蛍光やリン光が新たに生じる反応や、発光していたものが相互作用の結果消失する反応を利用できる。また、電子受容体が電子移動の結果、別の物質に化学変化し、それを検出するという方法も利用できる。この時、変化した物質に、後から第3の物質を加え、両者の化学反応により化学発光を起し検出することも可能である。第3の物質として酵素や抗体のような蛋白質を利用する場合には生物発光による検出方法が利用できる。また、標的物質自体が検出可能な変化を起す場合は、これを検出することができる。
【0033】
検出方法として、電子受容体の変化の他に、電子供与体側での変化で反応を検出しても良い。そして、それは基本的には、電子受容体の場合に用いられる方法のほとんどがそのまま適応できる。蛍光物質を電子供与体して用いる場合には、電荷移動に伴って蛍光の量子収率が減少するものを用いて、蛍光消失のような直接の変化を検出することもできるし、生じた変化をさらにいくつかの反応と組み合せて可視化する方法も利用できる。
【0034】
このように、本発明において検出される相互作用に基づく変化は、相互作用を起す反応系を構成する各試薬や標的物質のいずれにおける変化であっても良く、その変化を直接あるいは、他の検出用の試薬を用いて間接的に測定してもよい。
【0035】
一方、本発明では、電子供与体が光によって活性化されて電子を放出して電荷移動が開始されるものでもよく、更に、第3の物質として、電子供与体を刺激して電子を発生させるような物質が存在してもよい。さらに、電子受容体の方を活性化して、それに誘起されて電子が電子供与体から引き抜かれてもよい。そして、その開始剤としては、電子供与体の時と同様、光の他、なんらかの開始剤であってもよい。
【0036】
また、先に述べたように、電子供与体、電子受容体の他に、第3の物質として、電荷移動を仲介するようなメディエーター、あるいはセンシタイザーと称させる物質が仲介してもよい。そして、これらの物質が二重らせんと相互作用し、直接二重らせんとは結合していない電子供与体、電子受容体に電荷移動を促しても良い。
【0037】
プローブ核酸とのハイブリダイゼーションによる標的核酸の検出の場合には、相互作用に基づく変化は、例えば、所望のハイブリッド体形成前後における試薬を構成するピリリウム系化合物やピリリウム系化合物以外の化合物、あるいは標的物質である核酸の構成成分の化学構造や特性の変化、電子状態の変化、或いはまた、この相互作用により変化した物質に由来する信号の変化として測定、検出される。
【0038】
電子供与体と電子受容体を用いる形態としては、例えば以下のものを挙げることができる。
(i)これらの両方を、プローブと標的核酸とのハイブリダイゼーションによる二重らせん構造の形成時に反応系に存在させる。
(ii)これらの両方を、プローブと標的核酸とのハイブリダイゼーションによる二重らせん構造の形成後に反応系に添加する。
(iii)これらの一方を、プローブと標的核酸とのハイブリダイゼーションによる二重らせん構造の形成時に反応系に存在させておき、その後に他方を添加する。
【0039】
相互作用としてエネルギー移動を利用する場合には試薬には、少なくともエネルギー供与体とエネルギー受容体のセットが含まれる。そして、両者の相互作用は、例えばハイブリッド体形成前後におけるエネルギー受容体、エネルギー供与体、または、これらの物質と相互作用しうる第3の物質の化学構造の変化、電子状態の変化、あるいはまた、変化した物質に由来する信号の変化として検出される。例えば、エネルギー供与体の蛍光強度の減少、エネルギー受容体の蛍光強度の増大によりハイブリッド体を検出することができる。このような場合には、ハイブリッド体の二本鎖部分にエネルギー供与体とエネルギー受容体がインターカレート等の様式により入り込み、溶液中の場合に比べて両者が近接し、相互作用が可能になってエネルギー移動が起こると考えられる。
【0040】
エネルギー供与体、エネルギー受容体を用いる様式としては、電子供与体、電子受容体と同様な(i)、(ii)及び(iii)の様式がそのまま利用できる。エネルギー移動開始剤としては主に光が利用される。
【0041】
ハイブリダイゼーションによる標的核酸の検出に本発明の方法を利用する場合のプローブの長さは、標的核酸との良好なハイブリダイゼーションが可能で、安定した二重らせん構造が得られる長さが個々のケースにおいて適宜選択される。電子供与体、あるいは電子受容体、またはエネルギー供与体、あるいはエネルギー受容体等としての試薬(例えば図1、2における試薬1、2、6、7)が核酸塩基と直接相互作用するために必要な安定した二重らせん構造が可能な長さであれば良く、その長さは、例えば、8塩基以上、好ましくは12塩基以上とされる。
【0042】
しかしながら、二重らせん構造の安定化には、プローブ長の他に、塩基配列自体、反応系の塩濃度やイオン強度も大きく影響する。G−C塩基対は、A−T塩基対よりも水素結合数が多いため、GCが多い配列ではより安定な二重らせん構造が形成される。また、KClのモル濃度を0.01Mから1Mに上昇させるとDNAの融点温度は30℃上昇するといわれている。また、インターカレーターの存在も安定に大きく寄与する。従って、これらの安定化因子を適宜利用することによって、8塩基長未満のプローブを用いることも可能である。
【0043】
また、電子供与体、電子受容体、あるいはエネルギー供与体、エネルギー受容体の性質もプローブ選定上考慮しなければならない因子である。これらの試薬物質が二重らせんのどの配列にも同じ確立で入り込むという保証はない。G−C塩基対を好むものと、A−T塩基対を好むもの等それぞれの試薬によりその性質は異なる。したがって、プローブの配列選定にはプローブと標的核酸とで構成される二重らせんの安定性のほかに、このような試薬の性質を加味することが重要である。
【0044】
電子供与体と電子受容体の相互作用に基づく変化は、不可逆的なものであることが好ましい。すなわち、検出に供せられる電子供与体、あるいは、電子受容体が不可逆的に変化するものであれば、変化を蓄積して検出することも可能であり、その場合感度の点で有利である。
【0045】
ピリリウム系化合物としては、例えば、下記一般式[I]で表わされる化合物を挙げることができる。
【0046】
【化3】
上記一般式[I]において、
【0047】
【化4】
は、複素環を示し、XはO、S、SeまたはTeである。該複素環としては、ピリリウム環もしくはピリリウム類似環のような5員環及び6員環のものを挙げることができる。
【0048】
R1及びR2は、それぞれ独立して水素原子、ハロゲン原子、スルホネート基、アミノ基、スチリル基、ニトロ基、ヒドロキシル基、カルボキシル基、シアノ基、置換もしくは未置換低級アルキル基、置換もしくは未置換アリール基、置換もしくは未置換低級アルアルキル基または置換もしくは未置換シクロアルキル基を示す。
【0049】
R3は、−Aまたは−L−Aである。Lは、−L1−、−L2−L3−または−L4−L5−L6−であり、L1〜L6はそれぞれ独立して、−(CH=CH)−、置換もしくは未置換アリール基から誘導される2価の基、置換もしくは未置換低級アルキレン基または−CH=R4−(R4はオキソ基を有する環構造を示す)を表わす。置換もしくは未置換アリール基から誘導される2価の基としては、例えばフェニレン基等を挙げることができ、オルト、メタ、パラのいずれの位置で結合するものでもよい。低級アルキレン基としては、炭素数が1〜4の直鎖状もしくは分岐状のアルキレン基を挙げることができ、その置換基としては、例えば−L−Aで示される基を挙げることができる。オキソ基を有する環構造としては、複素環、芳香環、脂肪族環等で少なくともオキソ基を有するものを挙げることができる。
【0050】
−L−としては、下記一般式[II]、[III]、[IV]、[V]または[VI]で表わされる基を好ましいものとして挙げることができる。
【0051】
【化5】
(上記一般式[II]中、Zは水素原子または置換もしくは未置換低級アルキル基を表し、nは0、1または2である。)なお、Zがアルキル基である場合のその置換基としては、例えば上述の−L−Aで定義される基を挙げることができる。
【0052】
【化6】
(上記一般式[III]中、nは0、1または2であり、Φは置換もしくは未置換o−、m−またはp−フェニレン基を表わす。)
【0053】
【化7】
(上記一般式[IV]中、Φは置換もしくは未置換o−、m−またはp−フェニレン基を表わす。)
【0054】
【化8】
【0055】
【化9】
上記一般式中のフェニレン基の置換基としては先に例示したものを挙げることができる。
【0056】
一般式[I]のR3におけるAは、置換もしくは未置換アリール基、−CH=R5(R5は、置換もしくは未置換複素環、置換もしくは未置換のシクロアルキル基または置換もしくは未置換芳香環を示す)を表わす。R5の複素環としては、
【0057】
【化10】
(M及びNは、それぞれ独立して酸素原子、イオウ原子または窒素原子を、Y-はアニオンを表わす)等から誘導された基を挙げることができ、その置換基としては、例えば、置換もしくは未置換アリール基などを挙げることができる。また、置換もしくは未置換シクロアルキル基とは、飽和のものでも、不飽和のものでもよく、例えば
【0058】
【化11】
等の共鳴系を構成し得るものから誘導された基を挙げることができる。また、置換もしくは未置換芳香環としてはアズレン環を挙げることができる。これらの基の置換基としては低級アルキル基、置換もしくは未置換アリール基等を挙げることができる。
【0059】
Xを含むピリリウム環もしくはその類似環のR1、R2、R3が結合していない炭素原子に結合している水素原子は、ハロゲン原子、スルホネート基、アミノ基、スチリル基、ニトロ基、ヒドロシル基、カルボキシル基、シアノ基、置換もしくは未置換低級アルキル基、置換もしくは未置換アリール基または置換もしくは未置換低級アルアルキル基で置換されていても良い。
【0060】
Y-はアニオンを示し、該アニオンとしては、例えばBF4 -、過塩素酸イオン、HO3SCH2COO-、あるいは塩素イオン、臭素イオン、ヨウ素イオン、フッ素イオン等のハロゲンイオン、又は、脂肪族炭化水素や芳香族スルホネート等のようなアニオン機能を有する化合物、更には、Zn、Ni、Cu、Pt、Co、Pd等の遷移金属の錯体イオンなどを挙げることができる。
【0061】
以上挙げた各種の置換基に更に置換される基がハロゲン原子の場合には、該ハロゲン原子としては、Cl、Br、I等を挙げることができる。また、低級アルキル基は、直鎖状でも分岐状のものでもよく、その炭素数としては1〜4程度のものが好ましい。
【0062】
一般式[I]の化合物の中では、Xを含む複素環が、置換もしくは未置換アリール基の2以上で置換されたものが好ましい。例えばXを含む複素環が6員環の場合のそのような化合物としては、
(1)Xを含む6員環の2位と4位が置換もしくは未置換アリール基で置換され、3位、5位及び6位のいずれかがR3で置換されているもの、
(2)該6員環の3位と5位が置換もしくは未置換アリール基で置換され、2位、4位及6位のいずれかがR3で置換されているもの、
(3)該6員環の2位と6位が置換もしくは未置換アリール基で置換され、3位、4位及び5位のいずれかがR3で置換されているもの、
などを挙げることができる。このような位置に置換もしくは未置換アリール基を導入することは、このピリリウム系化合物を核酸の二重らせん構造の検出に利用する場合に核酸塩基対へのインターカレーターとして良好な性質を得る上で好ましい。更に、Xを含む複素環が、置換もしくは未置換アリール基の2以上に、これらの置換位置が隣合わないように置換されたものがより好ましい。
【0063】
標的物質を介在した相互作用に基づく変化を生じる反応系を構成し得る少なくとも2種の試薬の一方または両方を一般式[I]の化合物から選択して利用することができる。核酸の検出においては、一般式[I]の化合物として、インターカレーターとして核酸の二重らせん構造に挿入されるものが好ましい。
【0064】
電荷移動による変化を検出する場合においては、例えば、一般式[I]の化合物の中で電子供与性基を有するものが電子供与体として利用できる。そのような化合物としては、ピリリウム環またはピリリウム類似環の置換基を構成するアリール基として、低級アルキル基で置換されたアミノ基(低級アルキルアミノ基)等で置換されたアリール基を有するもの等を挙げることができ、この低級アルキルアミノ基としては、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基等がパラ位で置換しているものが好ましい。この置換アリール基は、ピリリウム環あるいはピリリウム類似環に直接置換されていてもよいし、例えば低級アルキル基を置換して、低級アルアルキル基を構成するものでもよい。この電子供与体として利用できる化合物の一例を、後述の表1に示す。これらの化合物の中では、特に2−メチル−4,6−ビス−(4−N,N−ジメチルアミノフェニル)ピリリウム塩、または2−メチル−4,6−ビス−(4−N,N−ジメチルアミノフェニル)チオピリリウム塩を好ましいものとして挙げることができる。
【0065】
表1の化合物に対して電子受容体となり得る化合物としては、例えば後述の表2に示す化合物を挙げることができる。
【0066】
しかしながら、表1の化合物が電子供与体で、表2の化合物が電子受容体と規定されるものではない。電子供与体と電子受容体はそれぞれの酸化還元電位等により相対的に決まるものであり、一義的には決められない。したがって、例えば、表1の化合物群の中から電子供与体と電子受容体の両方を、あるいは表2の化合物群の中から電子供与体と電子受容体の両方が選ばれることも十分に有り得る。更に、表1の化合物の性質を示すピリリウム系化合物と他の試薬という組合せで電子供与体と電子受容体のセットを、表2の性質を示すピリリウム系化合物と他の試薬という組合せで電子供与体と電子受容体のセットを設定することも可能である。
【0067】
エネルギー移動の場合は、エネルギー供与体とエネルギー受容体のエネルギーレベルが近いことが最も重要である。両者が標的物質、例えば核酸二重らせん構造に挿入される結果、エネルギー供与体とエネルギー受容体が近接することがエネルギー移動を引き起こすと考えられる。例えば、表1のピリリウム系化合物のなかで二本鎖核酸に挿入された時に蛍光強度が高くなり、励起状態が安定であると考えられるものはエネルギー供与体として利用可能である。それぞれの蛍光エネルギーレベルにあったエネルギー受容体を選ぶことが好ましい。また、エネルギー移動の場合も電荷移動の場合と同様、エネルギー供与体とエネルギー受容体の両方をピリリウム系化合物から選んでもよいし、ピリリウム系化合物とピリリウム系化合物以外の試薬物質のセットを選ぶこともできる。
【0068】
ピリリウム系化合物以外のものを試薬として用いる場合、本発明で目的とする検出が行えるものであれば特に制限なく利用できるが、電荷移動を利用する場合の電子受容体としては、例えばスピンラベル化剤としての、4,4−ジメチルオキサゾリジン−N−オキシル(DOXXL:4,4-Dimethyloxazolidine-N-oxyl)、2,2,5,5−テトラメチルピロリジン−N−オキシル(PROXL:2,2,5,5-Tetramethylpyrrolidine-N-oxyl)、2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−N−オキシル(2,2,6,6-Tetramethylpiperidine-N-oxyl)及びこれらの誘導体などを挙げることができる。また、リボフラビン、N,N−ジメチル−2,7−ジアザピレニウム イオン(N,N-Dimethyl-2,7-diazapyrenium ion)及びこれらの誘導体も利用可能である。
【0069】
電子供与体として利用できるピリリウム化合物以外の化合物としては、例えば蛍光性インターカレーターとしての、アクリジン、アントラセン、ピレン、エチジウムブロマイド、プロフラビン、ポリフィリン、チアゾールオレンジダイマー(TOTO)、オキサゾールイエロー(YOYO)、4,6−ジアミノ−2−フェニルインドール ジハイドロクロライド(DAPI:4,6-Diamino-2-phenylindole dihydrochloride)、プロピジウム アイオダイド(PI:Propidium iodide)等を挙げることができる。
【0070】
また、一般的な試薬として用いられている、シアニン、アズレン、ダンシル、フルオレセイン、エオシン、ローダミン及びこれらの誘導体等の蛍光色素も利用できる。
【0071】
以上挙げたピリリウム系化合物以外の化合物も、電子供与体、電子受容体等として規定されるものではなく、同時に用いられる他の試薬との相対的関係から、例えば酸化還元電位等を相対的に評価して、電子供与体、電子受容体、メディエーター、センシタイザー等として適宜使用することができる。
これらの点から、本発明においては、後述する実施例1における化合物aとbの組合せか、または、実施例4における化合物bとFITCの組合せが用いられる。
【0072】
【実施例】
以下参考例及び実施例により本発明を更に詳細に説明する。
参考例1
無水酢酸100mlと濃硫酸30mlとを冷却しながら混合し、得られた混合液をウォーターバスで80℃に保ちながら3時間加温した。そこに無水酢酸20ml、p−ジメチルアミノアセトフェノン30mlを室温下で加え、その後45℃に温度を上昇させて24時間攪拌し反応させた。この反応液に等量のエタノールを加え、冷却し、更にヨウ化カリウム水溶液を加えると粗結晶が析出した。この粗結晶を濾過により回収し、エタノール/エーテルの混合系(容量比、1:4)で再結晶させて、2−メチル−4,6−ビス−(4−N,N−ジメチルアミノフェニル)ピリリウム アイオダイド(表1の化合物1(ただしYはIである))の緑色の結晶を得た。
得られた化合物1(Y:I)の分析結果
融点:254〜257℃
UV/可視(CH3CN ε×10-4)λmax :444nm(2.43)、550nm(8.24)
NMR(1H、DMSO)δppm:8.3737(1H、s)、8.2729(1H、d、J=9.0Hz)、8.1795(1H、d、J=9.0Hz)、7.8864(1H、s)、6.9117(4H、t、JAB=JBC=9.77)、3.1829(6H、s)、3.1340(6H、s)、2.6809(3H、s)
FAB mass m/z 333
IR(KBr)νcm-1:1645、1610(sh)、1580(s)、1490(s)、1270、1200、1160
更に、ヨウ化カリウム水溶液の代わりに過塩素酸水溶液を用いる以外は上記と同様にして2−メチル−4,6−ビス−(4−N,N−ジメチルアミノフェニル)ピリリウムの過塩素酸塩(化合物1(Y:CIO4))を得た。
【0073】
参考例2
硫化ナトリウム9水和物20gをイオン交換水に溶解させ全量を50mlとした。この溶液に炭酸水素ナトリウム7gを加え溶解させた後、氷冷下、50mlのエタノールを更に加えてから、室温で30分間攪拌した。析出した炭酸ナトリウムを濾別し、25mlのエタノールで洗浄し、濾液と洗液を合わせ、約125mlの水硫化ナトリウムの水・エタノール溶液を得た。
【0074】
次に、参考例1で得た2−メチル−4,6−ビス−(4−N,N−ジメチルアミノフェニル)ピリリウム アイオダイドの0.92gを20mlのDMSOに溶解させ、得られた溶液に先に調製した水硫化ナトリウムの水・エタノール溶液の5mlを加え、室温下で5分間攪拌した。攪拌後、ヨウ化水素酸0.75mlを加え、更に5分間攪拌した。以下、常法に従って、ジクロロメタン抽出、シリカゲルカラム精製を行った後、エタノール/エーテル混合液(容量比、1:4)で再結晶させて、0.7gの2−メチル−4,6−ビス−(4−N,N−ジメチルアミノフェニル)チオピリリウム アイオダイドの結晶(表1の化合物2(ただし、YはIである))を得た。
得られた化合物2(Y:I)の分析結果
融点:246〜248℃
UV/可視(CH3CN ε×10-4)λmax :495nm(2.50)、587nm(4.95)
NMR(1H、DMSO)δppm:8.5679(1H、s)、8.4323(1H、s)、8.2436(2H、d、J=9.27Hz)、7.9786(2H、d、J=9.28)、6.8959(4H、t、JAB=JBC=9.28)、3.1756(6H、s)、3.1157(6H、s)、2.8323(3H、s)
FAB mass m/z 349
IR(KBr)νcm-1:1600(s)、1560(s)、1460(s)、1430(s)、1370(s)、1260(s)、1160(s)
更に、ヨウ化水素酸の代わりに過塩素酸水溶液を用いる以外は上記と同様にして2−メチル−4,6−ビス−(4−N,N−ジメチルアミノフェニル)チオピリリウムの過塩素酸塩(化合物2(Y:CIO4))を得た。
参考例3
表1に示す化合物3〜55をそれぞれ用意した。表1において、Φはp−フェニレン基:
【0075】
【化12】
またはフェニル基を表わす。
【0076】
【表1】
【0077】
【表2】
【0078】
【表3】
【0079】
【表4】
【0080】
【表5】
【0081】
【表6】
【0082】
【表7】
【0083】
【表8】
【0084】
【表9】
【0085】
【表10】
【0086】
【表11】
【0087】
【表12】
【0088】
【表13】
【0089】
【表14】
【0090】
【表15】
【0091】
【表16】
【0092】
【表17】
【0093】
【表18】
【0094】
【表19】
なお、これらの化合物は以下の公知の方法により合成した。なお、具体的な反応操作は常法に従った。
【0095】
化合物7は、W.Foerstらの「New Methods of Preparative Organic Chemistry」、Acad. Press(1964)に記載の方法に従って、化合物[i]
【0096】
【化13】
を合成した後、これと
【0097】
【化14】
(p−N,N−ジメチルアミノベンズアルデヒド)とを反応させて得られた化合物に更に所望のアニオンを反応させて得た。化合物17は、化合物[i]と
【0098】
【化15】
(p−ジエチルアミノスチリルベンツアルデヒド)とを反応させて得られた化合物に更に所望のアニオンを反応させて得た。また、化合物[i]を水硫化ナトリウムと反応させることにより化合物[ii]
【0099】
【化16】
を得た後、この化合物[ii]を化合物7、17と同様にして化合物8、18を合成した。
【0100】
R. WizingerらのHelv. chim. Acta、39、217 (1956)に記載の方法に従い、アセトフェノンとアセトアルデヒドから以下に示すルート
【0101】
【化17】
を経て、化合物[iii]
【0102】
【化18】
を合成した。この化合物[iii]を原料として、p−ジメチルアミノベンズアルデヒドとの反応から得られた化合物に更に所望のアニオンを反応させて化合物5を、p−ジエチルアミノスチリルベンツアルデヒドとの反応から同様にして化合物15を、p−ジメチルアミノ桂皮アルデヒドとの反応から同様にして化合物9を、
【0103】
【化19】
との反応から同様にして化合物11をそれぞれ得た。また、化合物[iii]を水硫化ナトリウムと反応させることにより化合物[iv]
【0104】
【化20】
を得た後、化合物[iii]に代えて化合物[iv]を用いる以外は、化合物5、15、9及び11の合成の場合と同様の方法で、化合物6、16、10及び12をそれぞれ得た。
【0105】
更に、原料のアセトアルデヒドをp−ジメチルアミノベンズアルデヒドに代える以外は、化合物[iii]の合成の場合と同様にして、化合物3のカチオン部分を得た後、これに硫化ナトリウムを反応させて得られた化合物に更に所望のアニオンを反応させ、化合物4を得た。また、同様にしてp−メチルベンズアルデヒとアセトフェノンから化合物[v]
【0106】
【化21】
を得た後、それを水硫化ナトリウムと反応させて化合物[vi]
【0107】
【化22】
を得た。更に、化合物[v]及び[vi]をそれぞれp−ジメチルアミノベンズアルデヒドと反応させ、得られた化合物に更に所望のアニオンを反応させて化合物13及び14を得た。
【0108】
化合物19、20及び21は、化合物[i]または[ii]と、化合物1または2のカチオン部分とを
【0109】
【化23】
と反応させ、得られた化合物に更に所望のアニオンを反応させて得た。化合物22、23及び24は、化合物[i]または[ii]と化合物1または2のカチオン部分とを、
【0110】
【化24】
と反応させ、得られた化合物に更に所望のアニオンを反応させて得た。化合物25及び26は、化合物[i]または[ii]を
【0111】
【化25】
と反応させ、得られた化合物に更に所望のアニオンを反応させて得た。化合物27、28及び29は、化合物[i]または[ii]と化合物1または2のカチオン部分とを、トリエトキシメタン[HC(OC2H5)3]と反応させ、得られた化合物に更に所望のアニオンを反応させることにより合成した。化合物30、31及び32は化合物[iii]または[iv]と、[iii]と[iv]と同様の方法によりp−ジメチルアミノアセトフェノンから合成した化合物[iii]と[iv]のジメチルアミノ誘導体と、トリエトキシメタンとを反応させ、得られた化合物に更に所望のアニオンを反応させることにより合成した。
【0112】
化合物33〜55は以下の各反応によりそれぞれ合成した。
化合物33の合成
【0113】
【化26】
化合物34の合成
【0114】
【化27】
化合物35の合成
【0115】
【化28】
化合物36の合成
【0116】
【化29】
化合物37の合成
【0117】
【化30】
化合物38の合成
【0118】
【化31】
化合物39の合成
【0119】
【化32】
化合物40は、化合物36の合成で原料を
【0120】
【化33】
から
【0121】
【化34】
に変更して合成した。
【0122】
化合物41は、化合物37の合成で原料を
【0123】
【化35】
から
【0124】
【化36】
に変更して合成した。
【0125】
化合物42は、化合物38の合成で原料を
【0126】
【化37】
から
【0127】
【化38】
に変更して合成した。
【0128】
化合物43は、化合物39の合成で原料を
【0129】
【化39】
から
【0130】
【化40】
に変更して合成した。
化合物44の合成
【0131】
【化41】
化合物45の合成
【0132】
【化42】
化合物46の合成
【0133】
【化43】
化合物47の合成
【0134】
【化44】
化合物48は、化合物44の合成で原料を
【0135】
【化45】
から
【0136】
【化46】
に変更して合成した。
【0137】
化合物49は、化合物45の合成で原料を
【0138】
【化47】
から
【0139】
【化48】
に変更して合成した。
【0140】
化合物50は、化合物46の合成で原料を
【0141】
【化49】
から
【0142】
【化50】
に変更して合成した。
【0143】
化合物51は、化合物47の合成で原料を
【0144】
【化51】
から
【0145】
【化52】
に変更して合成した。
化合物52の合成
【0146】
【化53】
化合物53の合成
【0147】
【化54】
化合物54の合成
【0148】
【化55】
化合物55の合成
【0149】
【化56】
更に置換基導入用の化合物を種々変更して、表2に示す化合物を得た。
【0150】
【表20】
【0151】
【表21】
【0152】
【表22】
【0153】
【表23】
【0154】
【表24】
【0155】
【表25】
【0156】
【表26】
【0157】
【表27】
【0158】
【表28】
【0159】
【表29】
【0160】
【表30】
【0161】
【表31】
【0162】
【表32】
【0163】
【表33】
【0164】
【表34】
【0165】
【表35】
【0166】
【表36】
実施例1(2種のピリリウム色素によるDNAハイブリッド体の検出)
[1]2−メチル−4,6−ビス−(4−N,N−ジメチルアミノフェニル)ピリリウム パークロレート(化合物a)の合成
無水酢酸100mlと濃硫酸30mlとを冷却しながら混合し、得られた混合液をウォーターバスで80℃に保ちながら3時間加温した。そこに無水酢酸20ml、p−ジメチルアミノアセトフェノン30mlを
室温下で加え、その後45℃に温度を上昇させて24時間攪拌し反応させた。この反応液に等量のエタノールを加え、冷却し、更に70%過塩素酸水溶液を加えると、粗結晶が析出した。この粗結晶を瀘過により回収し、エタノール/エーテルの混合系(容量比、1:4)から再結晶させて、2−メチル−4,6−ビス−(4−N,N−ジメチルアミノフェニル)ピリリウム パークロレート(化合物a)を得た。
【0167】
[2]4−メチル−2,6−ジフェニルピリリウムパークロレートの合成
A.T.BalabanらのTetrahedron,20,119(1964)に記載の方法に従い、4−メチル−2,6−ジフェニルピリリウム パークロレート(化合物b)を合成した。
【0168】
[3]オリゴヌクレオチドの合成
標的DNAとしてのM13mp18DNA(一本鎖)と部分的に相補的な塩基配列を有する20量体オリゴヌクレオチドをABI社製381A DNA自動合成機を用いて合成した。5’末端ジメトキシトリチル基は自動合成機上で除去した。その塩基配列は以下のとおりである。
【0169】
5’−GTTGTAAAACGACGGCCAGT−3’(配列番号:1)
[4]プローブとM13mp18DNAとのハイブリッド体の形成反応
上記[3]項で作製されたオリゴヌクレオチドプローブの0.2μMと、M13mp18DNA(宝酒造社製)の0.2μMを1mMリン酸緩衝液(pH7.0)/145mM NaCl/5mM KCl中で80℃に加熱し、その後、徐々に冷却して室温まで下げて、プローブ・標的DNAのハイブリッド体を作製した。
【0170】
[5]二種のピリリウム色素の特性
化合物a及び化合物bの核酸との相互作用を知るために、それぞれの化合物を市販のDNA溶液に加えて、その特性を調べた。化合物aそのものは、水溶液中で無蛍光であるのが、DNA溶液中では640nm(580nmで励起)に強い蛍光を持つものであった。また、その吸収ピークはDNA添加時に約40nm長波長シフトし、蛍光性のインターカレーターである。化合物bは、化合物aとは逆に遊離の状態で強い蛍光があるが、DNA共存下では蛍光が消失するものであった。
【0171】
[6]二種のピリリウム色素を用いた電荷移動によるハイブリッド体の検出
上記[4]項で作製したプローブとM13mp18とのハイブリッド体に化合物aを最終濃度が5μMになるように加え、更に、各種濃度の化合物bを加えた。この溶液に化合物aの吸収波長である580nmの可視光を照射し、その蛍光を大塚電子社製IMUC−7000にて観測した。その結果、化合物bを加える前に観測された640nmの蛍光は消失し、かわりに450nmに新たに蛍光が現れた。このことは、ハイブリッド体に挿入された化合物aと化合物bとの間で核酸の二重らせん構造を介した電荷移動が起こり、450nmに蛍光が出現したものと考えられる。また、450nmの蛍光は化合物bが5μMの時が最大であった。
【0172】
実施例2(ミスマッチの検出)
下記の塩基配列のオリゴヌクレオチドをプローブとして用いた以外は、実施例1と同様にして、プローブ・標的DNAハイブリッド体を調製した。
【0173】
5’−GTTGTAAAAGGACGGCCAGT−3’(配列番号:2)
なお、この塩基配列は、実施例1で用いたプローブ用塩基配列の5’末端から10番目のCをGに変換したものであり、M13mp18DNAとミスマッチするように設計されたものである。
【0174】
このハイブリッド体に実施例1と同様に2種類のピリリウム色素を加え、580nmの光を励起光として、その蛍光増大、蛍光消失を観測した。実施例1とは異なり、化合物a及び化合物bのいずれの蛍光もその強度に変化は見られなかった。この結果は、ミスマッチしているハイブリッド体ではこれらの色素間の相互作用が起きなかったためと考えられる。
【0175】
実施例3(2種のピリリウム色素によるDNAハイブリッド体の検出)
実施例1と同様な方法によりプローブ・標的DNAのハイブリッド体を作製した。これに、化合物aを加え、その後、2,6−ビス(N,N−ジメチルアミノフェニル)−4−フェニルピリリウム アイオダイド(化合物c)を加えた。
【0176】
あらかじめ化合物cとDNAとの相互作用を調べた。その結果、化合物cは600nm付近に吸収があり、化合物aと同様、DNA添加に伴って吸収スペクトルのシフトが見られ(640nm)、インターカレーターと思われるが、その蛍光はDNA溶液中でも小さかった。
【0177】
プローブ・標的DNAのハイブリッド体にこれら2種類のピリリウム色素を加え、化合物aの励起波長である580nmの光を照射したところ、本来、化合物cがなかった時にDNA共存下で観測された化合物aの強い吸収は消失し、代わりに720nmにあらたに蛍光が出現した。このことは、化合物aから化合物cへエネルギー移動が起きたためと考えられる。化合物cの量をいろいろ変えて実験したところ、供与体の蛍光の減少と受容体の蛍光の増大はそれぞれが同じモル数の時に最も効果的であった。
【0178】
実施例4(標識抗体と電荷移動によるハイブリッド体の検出)
[1]標識抗体の作製
(1)4−メチル−2,6−ジフェニルピリリウム パークロレートの合成
A.T.BalabanらのTetrahedron,20,119(1964)に記載の方法に従い、4−メチル−2,6−ジフェニルピリリウムパークロレート(化合物b)を合成した。
【0179】
(2)抗体の標識
化合物bの4.3g、カルボキシベンツアルヒド2g、70%過塩素酸1滴、酢酸10mlの混合液を1時間還流した後、析出した沈澱を集め、上記エタノール/エーテルの混合系から再結晶させて、4−(4−カルボキシスチリル)−2,6−ジフェニルピリリウム パークロレート(化合物d)を得た。
【0180】
化合物dの170mgを5mlの乾燥DMFに溶解し、乾燥ピリジン50μlを加えた。DSC(ジスクシイミジルカーボネート)128mgを加えた後、暗所、室温で20時間攪拌した。反応混液にジエチルエーテル150mlを加え析出した沈澱を集め、ジエチルエーテルで洗った後乾燥させた。得られた活性エステル体[化合物e]を抗体のアミノ基と反応させて、標識抗体を作製した。
【0181】
[2]FITC標識2次抗体による検出
抗原と、上記[2]項で作製した一次抗体を常法により反応させて、その後、二次抗体としてFITC標識抗マウスIgG抗体(Sigma社製)を反応させた。
【0182】
このサンプルに480nmの可視光を照射し、その蛍光を大塚電子社製IMUC−7000にて観測した。その結果、標識抗体を反応させる前に観測されたFITCの520nmの蛍光は消失し、かわりに450nmに新たに蛍光が現われた。このことは、一次抗体と二次抗体とが反応した結果、標識抗体上の化合物bとFITCとの間で電荷移動が起ったものと考えられる。
【0183】
【発明の効果】
本発明の検出方法によれば、標的物質の検出をより高精度で行うことが可能となる。例えば、プローブを用いたハイブリダイゼーションによって得られたハイブリッド体を標的物質とした場合、B/F分離が必要ないという利点を持つ。その結果、従来法で不可決であった過剰なプローブの除去、非特異吸着を除くための煩雑な処理、その条件検討等、数多くの操作が不要となった。更に、正確なハイブリッド体でのみ信号変化が観測されるように試薬物質を選択することで、反応系中にミスマッチが発生している場合でも、正確な二重らせん構造を形成しているハイブリッド体のみを検出することが可能となる。
【0184】
更に、本発明の方法においてピリリウム系化合物を電子供与体として用いる場合、遊離時にはほとんど蛍光がなく、核酸の二重らせん構造に結合した際にその蛍光特性が大きく変化するものを利用すれば、検出時におけるS/N比を上昇させることが可能になる。また、ピリリウム系化合物は他の縮合環タイプのインターカレーターに比べ、より二重らせん構造特異的に挿入され、一本鎖DNAの部分的二本鎖構造には挿入されにくいことが特徴である。その結果、少なくとも2種の試薬の少なくとも一つにピリリウム系化合物を用いることにより部分的二本鎖構造による擬ハイブリッド体由来の信号を除外することができる。
【0185】
【配列表】
【0186】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の検出方法で利用する標的物質を介する相互作用を行う反応系のモデルを示す図である。
【図2】本発明の検出方法で利用する標的物質を介する相互作用を行う反応系のモデルを示す図である。
【符号の説明】
1、2、4、5、6、7 試薬
3 標的物質
Claims (13)
- 前記相互作用に基づく変化が、光学的に検出可能なものである請求項1に記載の検出方法。
- 前記相互作用に基づく変化が、光照射により開始される請求項1又は2に記載の検出方法。
- 前記相互作用に基づく変化が、不可逆的である請求項1〜3のいずれかに記載の検出方法。
- 前記電荷移動が、二重らせん構造を構成する塩基対のスタッキングを介して起る請求項5に記載の検出方法。
- 前記相互作用に基づく変化が、光照射により開始される請求項5又は6に記載の検出方法。
- 前記相互作用に基づく変化が、不可逆的である請求項5〜7のいずれかに記載の検出方法。
- 前記二重らせん構造が、標的核酸にプローブ核酸を反応させて得られるハイブリッド体である請求項5〜8のいずれかに記載の検出方法。
- 前記相互作用に基づく変化が、光学的に検出可能である請求項10に記載の検出方法。
- 前記相互作用が、光照射により開始される請求項10又は11に記載の検出方法。
- 前記相互作用が、不可逆的である請求項10〜12のいずれかに記載の検出方法。
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