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JP3796554B2 - コルク粒含有付加硬化型シリコーン組成物及び成型栓 - Google Patents
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JP3796554B2 - コルク粒含有付加硬化型シリコーン組成物及び成型栓 - Google Patents

コルク粒含有付加硬化型シリコーン組成物及び成型栓 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、被封入物に対して安全性が高く、シール性を含めた品質安定性に優れている上、生産性に優れ、しかもコルク感覚の高級感を有し、各種飲料物、とりわけ高級ウイスキー、ワインなどの栓として好適に使用される成型栓を与えることができるコルク粒含有付加硬化型シリコーン組成物及びその組成物の硬化物からなる成型栓に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】
コルク材による飲料容器用シール材(栓)としての用途は古く、ワイン、王冠用ジスク、洋酒に広く使用されている。近年、このような洋酒、ワイン栓においては、品質レベルの向上と共に、今まで自然素材であるが故に見過ごされてきた液のにじみだし、洩れも認められない時代になってきた。このため、コルク材によるシール材(栓)は良品を選別するために多くの不良品を出すことになり、これがコスト高につながる上、品質のバラツキもクローズアップされてきた。
【0003】
一方、コルク材は、栓として他に類をみない本来の性質の良さ(ソフトで軽く、圧縮回復性がよく、耐水性、耐熱性、耐酸性、耐溶剤性が良好で、また栓としての見栄え、抜栓時の感触が良く、高級感を持つ等)を有するという優れた長所を持っている。更に、コルク材は、木を伐採するのではなく、コルク樫の表皮を使用して製造されるので、自然保護の点からも理想的な材料である。このような点が、代替品として一部実用化されているポリエステル樹脂などに代表される合成樹脂製栓がとりわけ高級とされる洋酒などの栓として使用され難い理由でもある。
【0004】
そこで、コルク粒をバインダーを用いて成型した材料、即ち圧搾コルクから製造される栓が検討され、実用化されており、この圧搾コルクのバインダーとして代表的には、ウレタン系、エポキシ系バインダーが多く使用されている。
【0005】
しかしながら、ウレタン系バインダーはイソシアネートによる発癌性や収縮による寸法安定性に劣ることによるシール性の低下などの問題があり、エポキシ系バインダーは柔軟性、反撥弾性に欠けるためシール性の他、抜栓時の破壊が起こり易く、いずれのバインダーも栓として使用した場合、重要機能面での問題が多く発生しているのが現状であった。また、このような圧搾コルク栓においては、成型後の寸法だしなどの加工工程で大変手間がかかり、コスト高になってしまうという欠点も有していた。
【0006】
更に、上記問題点、特に安全性やシール性などを解決すべくシリコーン組成物の利用が検討され、例えば実開昭63−147456号公報、実開昭63−147457号公報には、付加硬化型シリコーンゴム被覆コルク栓が開示されている。しかし、これはコルク栓のインサート成型によるシリコーンゴム被覆栓で、主要部がコルク栓そのものであるため、上述したコルク栓の欠点を依然として有していること、更には工程上、成型されたコルク栓が必要であり、生産性面、ひいてはコスト面で問題があった。
【0007】
また、特開平4−77556号公報には、シリコーン組成物そのものをバインダーとする成型栓として、室温硬化性オルガノポリシロキサン組成物とコルク粒からなる成型栓が開示されている。これによれば、コルク感覚を維持した性能アップの他、生産面でも前述例の様なコルク栓成型が必要でなく、コスト面で有利であるが、オルガノポリシロキサン組成物が室温硬化型であるため、硬化にかなりの時間が必要であり、生産性に劣ることはいなめない上、その硬化反応で生成する縮合副成物により性能安定面が満足できるとは言い難く、十分とは言えないものであり、より高品質な成型栓の開発が望まれた。
【0008】
本発明は、上記事情に鑑みなされたもので、被封入物に対して安全性が高く、シール性を含めた品質安定性に優れ、更に生産性に優れ、しかもコルク感覚のいわゆる高級感を有する成型栓を与えるコルク粒含有付加硬化型シリコーン組成物及びこの組成物の硬化物で形成された成型栓を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段及び発明の実施の形態】
本発明者は上記目的を達成するため鋭意検討を重ねた結果、
(a)主鎖がジオルガノシロキサン単位の繰り返しからなり、分子鎖両末端がトリオルガノシロキシ単位で封鎖された直鎖状構造であって、一分子中に珪素原子と結合する脂肪族不飽和炭化水素基を2個以上含有するジオルガノポリシロキサンと、トリオルガノシロキシ単位及びSiO 4/2 単位を含有する三次元網状構造であって、一分子中に珪素原子と結合する脂肪族不飽和炭化水素基を2個以上含有するオルガノポリシロキサンとの混合物
(b)一分子中に珪素原子と結合する水素原子を2個以上含有するオルガノハイドロジェンポリシロキサン
(c)白金又は白金化合物
を含有し、かつ引張り強さ50kgf/cm2以上、反撥弾性率40%以上の硬化物を与える付加硬化型オルガノポリシロキサン組成物をバインダーとして使用し、この組成物100重量部に対して、(d)平均粒径が0.2〜10mmのコルク粒5〜25重量部を配合したコルク粒含有付加硬化型シリコーン組成物の硬化物で成型栓を形成した場合、被封入物に対して安全性が高く、シール性を含めた品質安定性に優れ、更に生産性に優れ、しかもコルク感覚のいわゆる高級感を有する成型栓が得られることを知見し、本発明をなすに至った。
【0010】
従って、本発明は、
(a)主鎖がジオルガノシロキサン単位の繰り返しからなり、分子鎖両末端がトリオルガノシロキシ単位で封鎖された直鎖状構造であって、一分子中に珪素原子と結合する脂肪族不飽和炭化水素基を2個以上含有するジオルガノポリシロキサンと、トリオルガノシロキシ単位及びSiO4/2単位を含有する三次元網状構造であって、一分子中に珪素原子と結合する脂肪族不飽和炭化水素基を2個以上含有するオルガノポリシロキサンとの混合物
(b)一分子中に珪素原子と結合する水素原子を2個以上含有するオルガノハイドロジェンポリシロキサン
(c)白金又は白金化合物
を含有し、かつ引張り強さ50kgf/cm2以上、反撥弾性率40%以上の硬化物を与える付加硬化型オルガノポリシロキサン組成物100重量部に対して、
(d)平均粒径が0.2〜10mmのコルク粒5〜25重量部を含有してなることを特徴とする成型栓形成用のコルク粒含有付加硬化型シリコーン組成物、及びこのコルク粒含有付加硬化型シリコーン組成物の硬化物からなる成型栓を提供する。
【0011】
以下、本発明につき更に詳細に説明すると、本発明のコルク粒含有付加硬化型シリコーン組成物の第一成分は、一分子中に珪素原子と結合する脂肪族不飽和炭化水素基を2個以上含有するオルガノポリシロキサンであり、この成分は本発明組成物の主材となるものである。
【0012】
ここで、上記オルガノポリシロキサンとしては、下記平均組成式(1)で示されるものを使用することが好ましい。
【0013】
1 a2 bSiO[4-(a+b)]/2 …(1)
(但し、式中R1は一価の脂肪族不飽和炭化水素基、R2は脂肪族不飽和炭化水素基以外の置換又は非置換の一価炭化水素基であり、a、bはそれぞれ0<a≦1、1≦b<3、1<a+b<3を満たす正数である。)
【0014】
上記式(1)のオルガノポリシロキサンにおいて、R1は、好ましくは炭素数2〜10、より好ましくは炭素数2〜4の一価の脂肪族不飽和炭化水素基であり、具体的にはビニル基、アリル基、プロペニル基、イソプロペニル基、ブテニル基、イソブテニル基、ヘキセニル基、シクロヘキセニル基等のアルケニル基などが例示され、特にビニル基が好適である。また、R2は脂肪族不飽和炭化水素基以外の置換又は非置換の一価炭化水素基で、好ましくは炭素数1〜12、より好ましくは炭素数1〜8のものであり、例えばメチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ヘキシル基、オクチル基、デシル基等のアルキル基、フェニル基、トリル基等のアリール基、ベンジル基、フェニルエチル基等のアラルキル基、もしくはこれらの炭化水素基の水素原子の一部又は全部をフッ素、臭素、塩素等のハロゲン原子やシアノ基で置換したもの、例えばクロロメチル基、ブロモエチル基、トリフルオロプロピル基、シアノエチル基などが挙げられるが、特にメチル基、フェニル基、トリフルオロプロピル基が好ましい。
【0015】
上記式(1)において、珪素原子に結合した各置換基は異なっていても同一であっても良いが、一分子中に2個以上の脂肪族不飽和炭化水素基を含んでいることが必要であり、この脂肪族不飽和炭化水素基は分子鎖末端又は分子鎖途中の珪素原子のいずれに結合したものであっても、あるいは両方に結合したものであってもよいが、特に脂肪族不飽和炭化水素基が分子鎖両末端の珪素原子上に有しているものが好ましい。
【0016】
また、a、bはそれぞれ0<a≦1、1≦b<3、1<a+b<3を満たす正数であが、好ましくは0.0001≦a≦0.2、1.4≦b≦2.2、1.5≦a+b≦2.25、より好ましくは0.0002≦a≦0.1、1.8≦b≦2.1、1.8<a+b≦2.2である。
【0017】
上記式(1)のオルガノポリシロキサンの分子構造は、一般的には主鎖部分が基本的にジオルガノシロキサン単位の繰り返しからなり、分子鎖両末端がトリオルガノシロキシ単位で封鎖された直鎖状のジオルガノポリシロキサンであるが、分岐状や環状の骨格を有していてもよく、また、トリオルガノシロキシ単位及びSiO4/2単位を含有する三次元網状の樹脂状物であってもよい。
この場合、本発明においては、主鎖がジオルガノシロキサン単位の繰り返しからなり、分子鎖両末端がトリオルガノシロキシ単位で封鎖された直鎖状構造であって、一分子中に珪素原子と結合する脂肪族不飽和炭化水素基を2個以上含有するジオルガノポリシロキサンと、トリオルガノシロキシ単位及びSiO 4/2 単位を含有する三次元網状構造であって、一分子中に珪素原子と結合する脂肪族不飽和炭化水素基を2個以上含有するオルガノポリシロキサンとの混合物を使用する。
【0018】
上記オルガノポリシロキサンの分子量は適宜選定されるが、硬化してゴム状弾性体となるという点及び液状シリコーンゴム組成物を与えるという点から25℃の粘度が100〜300000センチポイズ(cps)、特に1000〜100000cpsであることが望ましい。なお、特に組成物が液状である場合、成型法として常用されている液状用射出成型機による連続成型が可能であることから、生産面で極めて有効である。
【0019】
次に、(b)成分の一分子中に珪素原子と結合する水素原子(即ち、SiH基)を2個以上、好ましくは3個以上有するオルガノハイドロジェンポリシロキサンは、第一成分のオルガノポリシロキサンの架橋剤となる成分であり、下記平均組成式(2)
3 cdSiO[4-(c+d)]/2 …(2)
(但し、式中R3は置換又は非置換の一価炭化水素基である。また、c、dはそれぞれ0.8≦c≦2.2、0.002≦d≦1.0、0.8<c+d≦3を満たす正数である。)
で示されるものが好ましく使用される。
【0020】
上記式(2)において、R3としては前記したR1、R2として例示したものと同様のものを挙げることができるが、好ましくはR2と同様の脂肪族不飽和結合を有しない炭素数1〜8、より好ましくは炭素数1〜4のものであり、具体的にはメチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基等のアルキル基、フェニル基、トリル基等のアリール基、ベンジル基、フェニルエチル基等のアラルキル基もしくはこれらの炭化水素基の水素原子の一部又は全部をハロゲン原子やシアノ基で置換したもの、例えばクロロメチル基、トリフルオロプロピル基、シアノエチル基などが挙げられる。なお、珪素原子に結合した各置換基は同一でも異なっていてもよい。
【0021】
また、c、dはそれぞれ0.8≦c≦2.2、0.002≦d≦1.0、0.8<c+d≦3を満たす正数であるが、好ましくは1≦c≦2、0.01≦d<1.0、1.8≦c+d≦2.5である。
【0022】
なお、上記オルガノハイドロジェンポリシロキサンの構造は一般的には直鎖状であるが、分岐状や環状の骨格を有していてもよく、また、三次元網状構造のものであっても良い。
【0023】
上記式(2)のオルガノハイドロジェンポリシロキサンは、その分子量に特に限定はないが、その粘度は25℃において1〜10000cps、特に3〜1000cpsの範囲であることが望ましい。
【0024】
上記オルガノハイドロジェンポリシロキサンの配合量は、付加硬化型シリコーン組成物中の珪素原子結合水素原子のモル数と珪素原子結合不飽和炭化水素基のモル数の比が0.5:1〜20:1、特に1:1〜3:1となるような量が好ましい。珪素原子結合不飽和炭化水素基のモル数1に対して珪素原子結合水素原子のモル数が0.5より小さいと、付加硬化型シリコーン組成物が十分に硬化しない場合があり、20より大きいと発泡する場合がある。
【0025】
また、(c)成分の白金又は白金化合物は、一般に付加反応触媒として公知のものを使用することができるが、分散性を加味してアルコール変性塩化白金酸、塩化白金酸とオレフィンとの錯体、塩化白金酸とビニルシロキサンとの錯体等の使用が好ましい。この白金又は白金化合物の添加量は触媒量であり、通常(a)成分に対して白金換算で5〜500ppm、特に10〜200ppmの範囲内での添加が望ましい。
【0026】
上記付加硬化型シリコーンゴム組成物には、上記主成分以外に任意成分として例えば組成物に強度を付与することが必要な場合には石英粉末、珪藻土、炭酸カルシウム、アルミナ、カーボンブラック等の準補強性の充填剤、微粉状シリカ等の補強性充填剤を添加することが有効である。このような補強性充填剤として具体的には、親水性のシリカとしてAerosil 130、200、300(日本アエロジル社製、Degussa社製)、Cabosil MS−5、MS−7(Cabot社製)、Rheorosil QS−102、103(徳山曹達社製)、Nipsil LP(日本シリカ社製)等が例示され、疎水性シリカとしてAerosil R−812、R−812S、R−972、R−974(Degussa社製)、Rheorosil MT−10(徳山曹達社製)、Nipsil SSシリーズ(日本シリカ社製)等が例示される。なお、これらは1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いてもよい。
【0027】
また、これらのシリカ充填剤は、その表面を例えば鎖状オルガノポリシロキサン、環状オルガノポリシロキサン、ヘキサメチルジシラザン等のオルガノシラザンなどによって処理されたものでもよい。また、必要に応じてカーボン、着色剤、酸化鉄、酸化セリウム等の耐熱向上剤を添加することもできる。
【0028】
更に、これらの材料を実用に供するため、硬化時間の調整を行う必要がある場合には、制御剤としてビニルシクロテトラシロキサン等のビニル基含有オルガノポリシロキサン、エチニルシクロヘキサノール等のアセチレンアルコール類及びそのシラン、シロキサン変性物並びにそれらの混合物を使用しても差し支えない。
【0029】
なお、これら任意成分の添加量は、本発明の効果を妨げない範囲で通常量とすることができる。
【0030】
本発明の上記(a)〜(c)成分を含有する付加硬化型オルガノポリシロキサン組成物は、コルク粒のバインダーとして機能するため特に成型栓の打栓時の破壊又は成型時における脱型時の破壊防止の点から、その硬化物が少なくとも25℃における引張り強さ50kgf/cm2以上、通常50〜120kgf/cm2、好ましくは70〜100kgf/cm2程度の強度を有することが必要で、更には十分なシール性を得るために少なくとも25℃における反撥弾性率が40%以上、通常40〜100%、好ましくは60〜90%程度である必要がある。硬化物の引張り強さが50kgf/cm2未満の場合や、反撥弾性率が40%未満の場合は、製造された成型栓の耐損傷性、シール性が低下し、実用的耐久性が得られない。
【0031】
本発明のコルク粒含有付加硬化型シリコーン組成物は、上記付加硬化型シリコーン組成物をバインダーとしてこの組成物と特定粒径のコルク粒とを混合して調製する。
【0032】
この場合、コルク粒としては、その平均粒径が0.2〜10mm、好ましくは0.5〜5mmの範囲のものが使用される。平均粒径が10mmを超えるものでは不均一分散となり、得られる成型栓が品質不安定となり、0.2mm未満のものでは成型性が著しく損なわれ、成型不良となる。
【0033】
更に、上記付加硬化型シリコーン組成物が液状の場合、例えば25℃における粘度が50〜50000ポイズ(Poise)、好ましくは100〜20000ポイズ、特に200〜10000ポイズ程度の場合は、この組成物が多孔質のコルク内に浸透し、十分なコルク界面との密着が得られるが、特に高粘度の生ゴム状の場合、本発明の特性付与を目的に予めプライマー処理(例えば信越化学工業社製プライマーNo.4により処理)したコルク粒を用いることが有効である。
【0034】
付加硬化型シリコーン組成物とコルク粒との配合比は、付加硬化型シリコーン組成物100部(重量部、以下同様)に対してコルク粒5〜25部、好ましくは8〜20部の範囲であり、コルク粒の配合量が25部を超えると混合分散に支障をきたし、5部未満では特にコルク感覚が損なわれる。
【0035】
付加硬化型シリコーン組成物とコルク粒との混合方法は特に限定されず、通常の方法で行うことができ、例えば万能混合撹拌機(品川工業所株式会社製)などを使用して混合することができる。
【0036】
本発明のコルク粒含有付加硬化型シリコーン組成物は、通常の圧縮成型法、押し出し成型法、射出成型法など各種成型法を採用して成型可能であるが、特に組成物が液状の場合、射出成型法が自動化も可能など生産性の面で極めて有効である。なお、硬化条件は特に制限されないが、通常100〜180℃で0.5〜30分とすることができる。
【0037】
【発明の効果】
本発明のコルク粒含有付加硬化型シリコーン組成物は、コルク粒を配合した硬化物が、引張り強さ15kgf/cm2以上、反撥弾性率40%以上という優れた物性を有し、この硬化物で成型栓を形成した場合、被封入物に対して安全性が高く、シール性を含めた品質安定性に優れ、更に生産性に優れ、しかもコルク感覚のいわゆる高級感を有する成型栓とすることができる。従って、この成型栓は、各種飲料物、とりわけ高級ウイスキー、ワインなどの栓などとして好適に使用することができる。
【0038】
【実施例】
以下、参考例、実施例及び比較例を示して本発明を具体的に説明するが、本発明は下記実施例に制限されるものではない。なお、各例中の部はいずれも重量部である。
【0039】
〔参考例1,2〕
25℃における粘度が30000cpsの両末端ビニル基含有ジメチルポリシロキサン(ビニル価0.0036mol/100g)80部、 Aerosil300(日本アエロジル社製ヒュームドシリカ)40部、ヘキサメチルジシラザン8部、水2部を混合し、ニーダー混練機で均一に混合し、更に160℃で4時間加熱混合し、得られたシリコーンゴムベースを3本ロールにて分散処理した。次いで、上記シリコーンゴムベース100部に25℃における粘度が700cpsの両末端トリメチルシリル基封鎖の側鎖にビニル基を含有するジメチルポリシロキサン(ビニル価0.135mol/100g)を15部、塩化白金酸のビニルシロキサン錯体(白金濃度1%)0.2部を混合し、万能混合撹拌機で均一に混合した後、150メッシュの金網にて濾過し、組成物(A)を得た。
【0040】
また、上記と同様にして得たシリコーンゴムベース100部に25℃における粘度が700cpsの両末端トリメチルシリル基封鎖の側鎖にビニル基を含有するジメチルポリシロキサン(ビニル価0.135mol/100g)を5部、25℃における粘度が15cpsのメチルハイドロジェンポリシロキサン(SiH当量0.0069mol/g)10部、エチニルシクロヘキサノール0.1部を混合し、万能混合撹拌機で均一に混合した後、150メッシュの金網にて濾過し、組成物(B)を得た。
【0041】
次に、25℃における粘度が100000cpsの両末端ビニル基含有ジメチルポリシロキサン(ビニル価0.0025mol/100g)15部、25℃における粘度が5000cpsの両末端ビニル基含有ジメチルポリシロキサン(ビニル価0.006mol/100g)40部、ビニルジメチルシロキシ単位:(CH2=CH)(CH32SiO1/2単位、トリメチルシロキシ単位:(CH33SiO1/2単位及びSiO4/2単位とからなるシリコーンレジン(ビニル価0.044mol/100g)45部、塩化白金酸のビニルシロキサン錯体(白金濃度1%)0.15部を混合し、万能混合撹拌機で均一に混合した後、150メッシュの金網にて濾過し、組成物(C)を得た。
【0042】
また、上記と同様にして得たシリコーンゴムベース100部に25℃における粘度が100000cpsの両末端ビニル基含有ジメチルポリシロキサン(ビニル価0.0025mol/100g)15部、25℃における粘度が5000cpsの両末端ビニル基含有ジメチルポリシロキサン(ビニル価0.006mol/100g)40部、ビニルジメチルシロキシ単位:(CH2=CH)(CH32SiO1/2単位、トリメチルシロキシ単位:(CH33SiO1/2単位及びSiO4/2単位とからなるシリコーンレジン(ビニル価0.044mol/100g)45部、25℃における粘度が15cpsのメチルハイドロジェンポリシロキサン(SiH当量0.0069mol/g)20部、エチニルシクロヘキサノール0.1部を混合し、万能混合撹拌機で均一に混合した後、150メッシュの金網にて濾過し、組成物(D)を得た。
【0043】
上で得られた組成物(A)〜(D)の25℃における粘度を測定した(JISK7117に準拠)。次いで、各組成物をそれぞれ重量比で(A):(B)=1:1(参考例1)、(C):(D)=1:1(参考例2)で混合し、その硬化性をレオメーター(東洋精機社製)にて測定した。更に、同様の混合比で混合された混合物を120℃、10分間のキュアー条件にてプレス成型し、シート状の硬化物試料を作成し、下記のようにそれぞれのJIS法に準拠して物性を測定した。
硬さ(JIS C2123) 引張り強さ(JIS K6301)
伸び(JIS K6301) 反撥弾性率(JIS K6301)
引裂き強さ(JIS K6301)
【0044】
また、上記硬化物試料を45%エタノール溶液に50℃で3週間浸漬し、取り出した後、浸漬液の味、臭いの官能評価を実施した。これを取り出した後、2時間自然乾燥し、更に60℃で2時間乾燥した硬化物試料について前記物性試験を行った。以上の測定結果は表1の通りであった。なお、表1において、T10,T90は、硬化開始後2分経過時のトルクを100%としたとき、トルクがそれぞれ10%、90%に達するまでの時間である。
【0045】
表1の結果より、参考例1,2で調製した組成物は極めて硬化性に優れているものであり、その硬化物は引張り強さ50kgf/cm2以上、反撥弾性率40%以上で各種特性に優れ、エタノール浸漬後も良好な特性を有し、封入物に対して極めて安定であることが確認された。
【0046】
【表1】
Figure 0003796554
【0047】
〔実施例1、参考例3、比較例1,2〕
上記参考例1,2の組成物と平均粒径1mmのコルク粒を下記配合比(重量比)で万能混合撹拌機にて均一に混合し、120℃、5分間のキュアー条件でプレス成型し、シート状硬化物を作成し、また、用意された成型栓用金型にて同条件にてプレス成型し、直径25.5mm、高さ21mmの成型栓を得た。
【0048】
(A):(B):コルク粒=50:50:8 (参考例3
(C):(D):コルク粒=50:50:15 (実施例
【0049】
更に比較のため、エポキシ樹脂をバインダーに用い、上記コルク粒100部にエポキシ樹脂(セメダイン社製、#1500)7部、ポリエチレングリコール13部を同様に均一に混合し、120℃で2時間のキュアー条件でプレス成型し、シート状硬化物と成型栓を得た(比較例1)。また、天然コルクを打ち抜き同形状栓を得、対照試料(比較例2)とした。
【0050】
得られた試料につき、シート状試料は引張り強さ(JIS K6301)、成型栓試料は反撥弾性率(JIS K6301)を測定した。
【0051】
また、各試料を45%エタノール溶液に50℃で3週間浸漬し、取り出した後、その浸漬液の官能試験を行った。次に、取り出した試料を8時間自然乾燥し、更に60℃、2時間乾燥し、冷却後、同様に引張り強さ、反撥弾性率を測定した。結果を表2に示す。
【0052】
次に、得られた成型栓について重要特性であるシール性能について63日間に渡るクリープ値と圧縮固定率を測定した。まずクリープ値について下記条件にて測定した。結果を表3と図1に示す。
クリープ値
直径25.5×高さ21mmの成型栓を直径23.5mmまで圧縮し、デシケーター内の43%アルコール中に浸漬し、常温(25℃)において1〜63日間保持した。表3に示す各日数の日に荷重を除去し、1分後のクリープ値をクリープ測定機((株)共和電業製型式SDB−410CS3)にて測定した。
【0053】
更に、圧縮固定率について下記条件にて測定した。結果を表4と図2に示す。
圧縮固定率
前記クリープ値測定条件で荷重除去後、30分後の圧縮固定率をノギスにて測定した。
【0054】
表2〜4の結果より、本発明コルク粒含有シリコーン組成物は引張り強さ15kgf/cm2以上、反撥弾性率40%以上で各種性能に優れ、エタノールに対しても性能が安定な硬化物を与えること、更にこの硬化物からなる成型栓は、用途上重要な打栓、抜栓時の破損、更にはシール性にも極めて優れている上、臭いなどにおいても何ら問題もなく、良品の栓として使用できることがわかった。
【0055】
【表2】
Figure 0003796554
【0056】
【表3】
Figure 0003796554
【0057】
【表4】
Figure 0003796554

【図面の簡単な説明】
【図1】実施例、比較例で得らた成型栓の経時のクリープ値を示すグラフである。
【図2】実施例、比較例で得らた成型栓の経時の圧縮固定率を示すグラフである。

Claims (2)

  1. (a)主鎖がジオルガノシロキサン単位の繰り返しからなり、分子鎖両末端がトリオルガノシロキシ単位で封鎖された直鎖状構造であって、一分子中に珪素原子と結合する脂肪族不飽和炭化水素基を2個以上含有するジオルガノポリシロキサンと、トリオルガノシロキシ単位及びSiO4/2単位を含有する三次元網状構造であって、一分子中に珪素原子と結合する脂肪族不飽和炭化水素基を2個以上含有するオルガノポリシロキサンとの混合物
    (b)一分子中に珪素原子と結合する水素原子を2個以上含有するオルガノハイドロジェンポリシロキサン
    (c)白金又は白金化合物
    を含有し、かつ引張り強さ50kgf/cm2以上、反撥弾性率40%以上の硬化物を与える付加硬化型オルガノポリシロキサン組成物100重量部に対して、
    (d)平均粒径が0.2〜10mmのコルク粒5〜25重量部を含有してなることを特徴とする成型栓形成用のコルク粒含有付加硬化型シリコーン組成物。
  2. 請求項1記載のコルク粒含有付加硬化型シリコーン組成物の硬化物からなる成型栓。
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