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JP3796981B2 - ステーブ - Google Patents
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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は銅又は銅合金製のステーブに関する。
【0002】
【従来の技術】
高炉における炉体の冷却方式としてステーブ冷却方式が知られている。従来のステーブは鋳鉄製のものが一般的であったが、炉内の熱変動の繰り返しの条件の下、鋳鉄という材質であるため冷却能力の不足から炉内側表層が高温になり材質劣化や損耗が進行したり、あるいは熱応力によって反りが発生して、炉内側のプロフィールに支障を来たしたり、あるいはステーブ自体に亀裂が発生し、破損することにより炉命を短くするという問題があった。
【0003】
そこで、最近では熱伝導率や延性などの物性に優位な銅あるいは銅合金を用いたステーブが開発されている。銅あるいは銅合金を用いることによって、ステーブ本体はより低温で均一な温度分布となり、発生熱応力を抑制でき、変形量も減少する。このため、ステーブ本体が受けるダメージが軽減され、炉命を延ばすことが可能となる。
しかしながら、ステーブ材質を鋳鉄から銅に変更すると、銅が熱伝導性に優れることからステーブによる内容物への冷却効果が大きくなる。この為、ステーブの取付場所によっては抜熱量が過大になり、必要以上に炉内充填物を冷却し、結果的に燃料比が増加するという問題が発生する場合がある。
【0004】
そこで、かかる問題を解決するものとして、例えば持公昭63−56283号公報に示された立炉用冷却板の発明がある。
図8は同公報に開示されたステーブの背面図、図9は図8における矢視A−A断面図である。なお、本明細書において、ステーブの背面とはステーブを炉体に設置したときに炉外(鉄皮)側になる面をいい、前面とは炉内側になる面をいうものとする。
【0005】
図8、図9に基づいて従来のステーブの構成を説明する。50は銅又は銅合金からなる矩形板状のステーブであり、内部に冷却水路53が形成されている。55は冷却水路53に連結されて図示しない冷却水供給側に連結される出入口配管である。なお、ステーブ背面には、ステーブ本体を鉄皮に固定する図示しない取付ボルトが設けられている。
57はステーブの前面に形成された水平方向の複数の溝であり、この複数の溝57に図示しない耐火材が付属される。したがって、ステーブ前面では銅と耐火材が交互に配置された構成になっている。
【0006】
以上のような従来のステーブにおいては、ステーブ前面側における銅の面積を小さくすることにより、抜熱量を小さくすることができる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記のような従来のステーブにおいては、銅の一部が炉内側に露出していること、さらには耐火材が炉内側にむき出しの状態で設置されるために、炉内充填物との接触摩耗や割れなどによってステーブ前面の耐火材が減容し、銅の露出面積は経年増加することになり、抜熱量は漸増する。そのため、当初は抜熱量をある程度小さく抑えることができても、経年変化による耐火材の減容により、抜熱量が大きくなるという問題がある。
【0008】
また、上記のような経年変化を小さく抑えるためには、ステーブ前面に設置する耐火材としては、耐熱衝撃を有し、割れにくいものを選択する必要があることから、単純に熱伝導率の低いものを選択することができないのが実情である。このため、ステーブの冷却層(水路のある層)から前面までの熱通過率は、経年変化によるのみならず初期の段階においても大きくなり、抜熱量が過大になってしまうという問題があった。
【0009】
このようなことから、銅製のステーブを採用することにより、炉命を延ばすことができるのであるが、採用部位によっては、材質上の、更には経年変化による使用状態の変化から抜熱量の増加によって燃料比が大きくなるという問題を残していた。
また、耐火材が露出しているため、据付時に耐火材に外力が作用しないように考慮する必要があるといった作業性の問題もあった。
【0010】
本発明はかかる問題点を解決するためになされたものであり、銅又は銅合金からなるステーブであって、安定的に抜熱量を小さく抑えることのできるステーブを得ることを目的としている。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明に係るステーブは、銅又は銅合金製のステーブであって、該ステーブ本体の前面の全面に銅または銅合金よりも低熱伝導度の金属製ライニング材を装着してなり、該金属製ライニング材は背面にテーパ状の凸条を有する板状であって、前記ステーブ本体の前面の全面に凹溝が形成され、前記金属製ライニング材は前記凸条を前記凹溝に挿入することによって装着されることを特徴とするものである。
さらに、前記金属製ライニング材は背面にテーパ状の凸条を有する板状であって、前記ステーブ本体の前面の全面に凹溝が形成され、前記金属製ライニング材は前記凸条を前記凹溝に挿入することによって装着されることを特徴とするものである。
さらに、前記ステーブ本体と前記金属製ライニング材との接触部に隙間を設けたことを特徴とするものである。
【0012】
【発明の実施の形態】
実施の形態1.
図1は本発明の実施の形態1の側面図、図2は平面図、図3は前面図、図4は背面図である。以下、図1〜図4に基づいて実施の形態1の構成を説明する。
1は矩形板状のステーブの本体であり、銅又は銅合金(以下、「銅等」という。)から形成されている。本体1の前面側には後述のライニング材15との係合部となるテーパ状の凹溝1aが形成されている。
3は本体1の内部における背面側に形成された冷却水路、5〜11は冷却水路3に連結された冷却水が出入りする出入口配管である。
また、ステーブ背面には、本体1を鉄皮に固定する図示しない取付ボルトが設けられている。
【0013】
15は本体1の前面に装着された耐熱鋳鋼製のライニング材である。ライニング材15は、前面がフラットで、背面にテーパ状の凸条15aを有する板形状をしている。ライニング材15は、凸条15aを本体1の凹溝1aに本体1の側方から挿入することによって、本体1に装着する。装着後には、ライニング材15が抜け落ちるのを防止するために、図示しないストッパ等により止めるようにする。
なお、複数のライニング15を本体1に装着した状態では、前面は面一になるように構成されており、炉内側のプロフィールを滑らかにしている。
【0014】
上記のよに構成された本実施の形態の作用を説明する。
銅等からなる本体1は前面が熱伝導度が小さいライニング材15に被覆されているので、銅がむき出しになる様な使用状態に比べると、炉内側から本体1側への熱通過量が小さくなり、抜熱量を抑制することができる。
一方、ライニング材15と本体1とは凹凸面で接触し、ライニング材15と本体1との接触面積を増加してライニング材15への冷却効果を高めている。このため、ライニング材15が炉内側からの熱負荷により溶融するのを防止できる。
【0015】
すなわち、ライニング材15は本体1と炉内側との間にあって断熱部材として抜熱量を抑制すると共に、ライニング材15への入熱は本体1側にスムーズに抜熱されてライニング材15自体が溶融することがないように構成されているのである。
【0016】
本実施の形態においては、本体1を銅等にしたことにより、銅等の熱伝導性や延性により、本体の変形や亀裂の発生が防止できる。また、本体1の前面にライニング材15を装着したことによって、抜熱量を適度に抑制することができ、抜熱量過大による燃料比の悪化を防止することができる。
さらに、ライニング材15と本体1との接触面積を大きく確保する構造により、ライニング材15に対する冷却効果を高め溶融を防止できる。
【0017】
また、ライニング材15は耐熱鋳鉄製であり、従来例に示した耐火材のように早期に容積損失してしまうことがなく長期に亘って残存することが可能となる。この為、経年変化により、銅面が炉内に露出することがなくなり、抜熱量を抑制し続けることができる。
さらに、ライニング材15が金属製であり、煉瓦等のように外力の作用により簡単に破壊することがないので、据付時のハンドリングが非常に容易になる。
【0018】
実施の形態2.
図5は本発明の実施の形態2の側面図であり、実施の形態1を示した図1〜図4と同一部分には同一符号を付している。図において、20はライニング材であり、基本的な構成は実施の形態1と同様であるが、異なるのは、ライニング材の材質を実施の形態1のものよりも熱伝導度の高いものを用い、かつ各ライニング材20における隣り合うもの同士の接触面を傾斜面とすると共に、ライニング材20と本体1との接触部に隙間を設けた点である。
【0019】
各ライニング材20に傾斜面を設けたのは次の理由による。ライニング材20が熱応力等により、図6に示すように、炉内側の面が凹むような向に変形することが懸念されるが、この場合に、傾斜面を設けることにより、上下に配置されたライニング材20同士が互いに拘束し合って、各ライニング材20の変形を抑制る。すなわち、図5のように、前面側から背面側に向かって下向きの傾斜面とすることで、各ライニング材20のうち下側に配置されたものが上側に配置したものの変形を拘束することになる。
【0020】
また、ライニング材20と本体1との接触部に隙間を設けたのは以下の理由による。すなわち、実施の形態1で説明したように、本体1とライニング材との接触面を大きくしたのは、ライニング材から本体1への熱通過量を大きくしてライニング材の溶融を防止することにあった。しかし、ライニング材の熱伝導度が比較的高い場合にはライニング材から本体1への熱通過量が大きくなりすぎて本来の目的である抜熱量を抑制するという効果が得られなくなってしまう。
そこで、ライニング材20と本体1との接触部に隙間を設けることにより、ライニング材から本体1への熱通過量を制限して、本来の目的であるステーブの抜熱量の抑制を図るというものである。
すなわち、ライニング材20と本体1とのテーパ状の凹凸により係合可能にすると共に、ライニング材から本体1への熱通過量を制限を可能にしているのである。
【0021】
本実施の形態においては、各ライニング材20における隣り合うもの同士の接触面を傾斜面にしたので、隣り合うライニング材20同士が互いに拘束し合って、各ライニング材20の変形を抑制できる。
また、ライニング材20と本体1との接触部に隙間を設けたので、ライニング材として熱伝導度の比較的高い材質のものを用いた場合にも、抜熱量を抑制することができる。
【0022】
なお、傾斜面の傾斜の方向は、前面側から背面側に向かって上向きの傾斜面としてもよい。この場合には、各ライニング材20のうち上側に配置されたものが下側に配置したものの変形を拘束することになる。
【0023】
また、ライニング材20と本体1との装着を確実にするために、図7に示すように、ライニング材20と本体1とをボルト23によって固定するようにしてもよい。
【0024】
なお、上記の実施の形態においてライニング材として、耐熱鋳鉄製のものを例に挙げたが、本発明はこれに限られるものではなく、銅等よりも熱伝導度の低い金属製のものであればよく、例えば鋼製、鋳鋼製、または鋳鉄製であってもよい。
【0025】
また、ライニング材の配置方向として、横方向に配置した例を示したが、本発明はこれに限られず、縦方向に配置してもよい。
【0026】
さらに、ライニング材の固定方法として、ライニング材と本体1に凹凸を設けて両者を嵌合させるようにしたり、ボルトで固定したりする例を示したが、これらの他に本体1の前面にライニング材を鋳ぐるむようにしてもよい。
また、これらの方法を組み合わせてもよい。
【0027】
【発明の効果】
本発明は以上説明したように構成されているので、以下に示すような効果を奏する。
【0028】
銅又は銅合金製のステーブであって、炉内側前面の全面に銅よりも低熱伝導度の金属製の部材を備えたので、銅等の物性上の優位性から、本体の変形や亀裂の発生が防止できると共に、抜熱量を適度に抑制することができ、抜熱量過大による燃料比の悪化を防止することができる。
また、炉内側前面の全面に設ける部材が金属製であることから、従来例で示した耐火材のように炉内充填物に接して早期に容積損失することがなく、安定的な容積維持が可能になる。このため、従来例のように経年変化により抜熱量が変化することなく安定的に抜熱量を抑制できる。さらに、煉瓦等のように外力の作用により簡単に破壊することがないので、据付時のハンドリングが非常に容易になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施の形態1の側面図である。
【図2】 本発明の実施の形態1の平面図である。
【図3】 本発明の実施の形態1の前面図である。
【図4】 本発明の実施の形態1の背面図である。
【図5】 本発明の実施の形態2の側面図である。
【図6】 本発明の実施の形態2の作用の説明図である。
【図7】 本発明の実施の形態2の他の態様の説明図である。
【図8】 従来例の背面図である。
【図9】 図8の矢視A−A断面図である。
【符号の説明】
1 本体
3 冷却水路2
15 ライニング材

Claims (3)

  1. 銅又は銅合金製のステーブであって、該ステーブ本体の前面の全面に銅または銅合金よりも低熱伝導度の金属製ライニング材を装着してなり、該金属製ライニング材は背面にテーパ状の凸条を有する板状であって、前記ステーブ本体の前面の全面に凹溝が形成され、前記金属製ライニング材は前記凸条を前記凹溝に挿入することによって装着されることを特徴とするステーブ。
  2. 前記金属製ライニング材は、鋼製、鋳鋼製、鋳鉄製または耐熱鋳鋼製の何れかであることを特徴とする請求項1に記載のステーブ。
  3. 銅又は銅合金製のステーブであって、該ステーブ本体の前面の全面に銅または銅合金よりも低熱伝導度の金属製ライニング材を装着してなり、前記ステーブ本体と前記金属製ライニング材との接触部に隙間を設けたことを特徴とするステーブ。
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