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JP3798149B2 - 光ファイババンドルとその製造方法 - Google Patents
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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、偏波保持型の光ファイババンドルに関するもので、これを利用する装置は、偏波を利用した光信号処理システムの部品として用いられる。
【0002】
【従来の技術】
キャピラリー(細管)内に、偏波保持型光ファィバをとりまとめ、少なくとも、光ファイババンドル端面においては各偏波保持型光ファイバの偏波方向が揃うように配列し、これらの偏波保持型光ファイバとキャピラリーを接着剤にて接着してなる、光ファイババンドルが提案されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
接着剤の特性として、硬度、ヤング率の項目がある。
偏波保持光ファイバのバンドル化に使用するためには、硬度が大きくて、ヤング率が小さいものが望ましい。
その理由は、次のとおりである。
【0004】
すなわち、硬度が小さいと、キャピラリー先端端面を研磨するときに、光ファイバ心線が振動し、光ファイバ端面に欠けが生ずる。欠けが生じると、偏波保持特性が劣化したり、亀裂が入って損失が大きくなるといった問題が発生する。
また、硬化後のヤング率が大きいと、光ファイバ心線へ不均一な応力が加わり、偏波保持特性が劣化するといった問題が発生する。
【0005】
しかし、硬度が大きく、かつヤング率が小さい樹脂(接着剤)は、一般的にはない。硬度が大きければヤング率も大きく、ヤング率が小さければ硬度も小さいのが普通であり、これらの問題を同時に解決するのは困難である。
【0006】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載の本発明は、図1に例示するように、
キャピラリー20の先端部(図1(a)(b)で右端部)には、研磨時に欠けを生じない程度の硬度の大きい接着剤30Aを充填し、
そこ以外の後端までは、硬化後に光ファイバに対して応力歪みを与えない程度のヤング率の小さい接着剤30Bを充填する。
【0007】
また、製造時の研磨工程において、硬度大の接着剤30Aの充填されている部分の大部分を削り取り、製品としてのバンドルにおいて、硬度大の接着剤30Aの影響が、ほとんど無くなるようにする。
【0008】
硬化後に、光ファイバに対して応力歪みを与えない程度の低ヤング率の接着剤であると、バンドル化前の各偏波保持型光ファイバの消光比と、バンドル化後のバンドル全体としての消光比が、ほぼ同じであり得る。
【0009】
ヤング率小の接着剤30Bとしては、より具体的には、硬化後のヤング率が、6MPa以下のものを用い、バンドル化後の消光比が、−40dB〜−50dBを保つことができるようにすることが望ましい。
【0010】
【発明の実施の形態】
[物自体]
複数本の偏波保持光ファイバ心線10の端部において、数mm程度、被覆12が除去され(図1(a))、裸ファイバ14が、偏波軸の揃った状態で、キャピラリー20内に、好ましくは最密状態にて挿入される。
キャピラリー20の材質は、ホウ珪酸ガラスや石英等であり、紫外線硬化樹脂を用いる際に、紫外線を透過する材料とする。
【0011】
キャピラリー20の先端から、0.2〜0.3mm程度の部分に、硬度大の接着剤30Aが充填される。
この接着剤の硬度は、研磨時に欠けを生じない程度の大きいものとする。ヤング率については、その値は問わない。ここで、硬度大という意味は、接着剤30Bよりも硬度が大きいということも含む。
【0012】
そして、その他の部分には、ヤング率小の接着剤30Bが充填される。そのヤング率は、硬化後に、光ファイバに対して応力歪みを与えない程度の小さいものトスする。硬度については、特に問わない
【0013】
なお、図1(c)は端面を模型的に示した拡大図で、15はコア、16はクラッド、18は応力付与部である。
【0014】
[製法]
偏波保持型光ファイバ心線10の端部の被覆12を除去する。複数本の裸ファイバ14を、丸く束ね、端面観察により、偏波軸を一定方向に揃える。
キャピラリー20内面の、先端の0.2〜0.3mm程度を除いた部分に、ヤング率小の接着剤30Bを塗布あるいは充填する。
また裸ファイバ14群にも、先端の0.2〜0.3mm程度を除いて、ヤング率小の接着剤30Bを塗布あるいは充填して、キャピラリー20内に挿入する。
【0015】
それから、キャピラリー20の先端の接着剤の入っていない部分に、先端面から、硬度大の接着剤30Aを塗り込むかあるいは充填する。
【0016】
その後、偏波軸が一定方向か否かを確認し、動いていたら、接着剤30A、Bが硬化する前に回転させて調整する。
その後、接着剤30A、Bを硬化させる。
【0017】
その後、キャピラリー20の先端を研磨する。そのとき、硬度大の接着剤30Aの充填されている部分の1mm程度が残り、その他の大部分は削り取られるようにする。
【0018】
【実施例】
従来方式による2種類(AとB)及び本発明方式による1種類、計3種類のサンプルを製作し、
端面のファイバ欠けの発生割合と、偏波保持特性を評価した。
偏波保持特性としては消光比を測定した。この値が小さい(負の方向に大きい)ほど、偏波保持特性がよい。
【0019】
なお、本発明方式における、
・硬度大の接着剤30Aには、UV2100(ダイキン工業、エポキシ系、ショ
ア硬さHs=80、好ましくは80以上)を用い、
・ヤング率小の接着剤30Bには、FC−0708(大日本インキ化学工業、ア
クリレート系、ヤング率=6MPa以下)を用いた。
また、従来方式Aでは、上記の硬度大の接着剤30Aの1種類のみを用い、
従来方式Bでは、上記のヤング率小の接着剤30Bの1種類のみを用いた。
【0020】
なお、偏波保持型光ファイバは、いわゆるパンダ型で、ガラス系の光ファイバである。
【0021】
なお、接着剤としては、光硬化型のものが好適に用いられるかが、常温硬化型や1液型、2液型混合型であってもよい。また材質は、エポキシ系やアクリレート系を好適に用いることができる。
【0022】
結果を下表に示す。
Figure 0003798149
【0023】
本発明方式によると、端面のファイバ欠けはゼロとなる。また、消光比が-35dB〜-50dBという値は、バンドル化する前の偏波保持型光ファイバ単体の値とほぼ同じで、バンドル化による偏波保持特性劣化の生じていないことが分かる。
【0024】
【発明の効果】
端面のファイバ欠けがなく、偏波保持特性の劣化がないファイババンドルを作製できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の説明図で、(a)は側面から見た研磨前の状態、(b)は同じく研磨後の状態、(c)は端面を拡大してみた状態を示す。
【符号の説明】
10 偏波保持型光ファイバ心線
12 被覆
14 裸ファイバ
15 コア
16 クラッド
18 応力付与部
20 キャピラリー
30A 硬度大の接着剤
30B ヤング率小の接着剤

Claims (7)

  1. キャピラリー内に、偏波保持型光ファィバをとりまとめ、少なくとも、光ファイババンドル端面においては各偏波保持型光ファイバの偏波方向が揃うように配列し、これらの偏波保持型光ファイバとキャピラリーを接着剤にて接着してなる、光ファイババンドルにおいて、
    前記接着剤として硬度大の接着剤30Aとヤング率小の接着剤30Bの2種を用い、前記キャピラリーの先端部には、ショア硬さが80以上の接着剤30Aを充填してあり、その他の部分には、ヤング率が6MPa以下の接着剤30Bを充填してあることを特徴とする、光ファイババンドル。
  2. バンドル化後の消光比が、−40dB〜−50dBであることを特徴とする請求項記載の光ファイババンドル。
  3. 前記キャピラリーが、紫外線透過可能な材質で形成されていることを特徴とする請求項1又は2記載の光ファイババンドル。
  4. 前記キャピラリーが、ホウ珪酸ガラス又は石英で形成されていることを特徴とする請求項1〜のいずれかに記載の光ファイババンドル。
  5. 前記接着剤が、エポキシ系あるいはアクリレート系の光硬化型接着剤であることを特徴とする請求項1〜のいずれかに記載の光ファイババンドル。
  6. 前記偏波保持型光ファイバは、応力付与部を有するものであることを特徴とする請求項1〜のいずれかに記載の光ファイババンドル。
  7. キャピラリー内に、偏波保持型光ファィバをとりまとめ、少なくとも、光ファイババンドル端面においては各偏波保持型光ファイバの偏波方向が揃うように配列し、これらの偏波保持型光ファイバとキャピラリーを接着剤にて接着し、その後前記キャピラリーの先端を研磨する、光ファイババンドルの製造方法において、
    前記キャピラリーの先端部に、硬化後のショア硬さが80以上の接着剤30Aを充填し、かつその他の部分に、硬化後のヤング率が6MPa以下の接着剤30Bを充填し、前記研磨工程において、前記硬度大の接着剤30Aの充填されている部分の大部分を削り取ることを特徴とする、光ファイババンドルの製造方法。
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