JP3800259B2 - ガスクロマトグラフの熱伝導度検出器 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、高感度で、安価なガスクロマトグラフの熱伝導度検出器に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
図4は従来より一般に使用されている従来例の構成説明図で、例えば、書名;マイクロマシーニングとマイクロメカトロニクス、発行日;1992年6月20日、編著者;江刺正喜等、発行所;培風館に示されている。
【0003】
図において、ヒーター1は、チタン薄膜2を酸化シリコン基板3で挟んだもので、パイレックスガラス基板4上のシリコン台座5に、橋状に作られている。
図5は、ヒーター1の要部詳細図である。図5において、11はヒーター本体である。
6は、気体の流れを示す。
【0004】
7はヒーター1をパイレックスガラス基板4に支えると共に、ヒーター1のリードの機能も果たし、P+シリコンよりなる支柱である。
8は、パイレックスガラス基板4に設けられ、支柱7に一端が接続され導電性エポキシよりなる端子である。
【0005】
以上の構成において、上記構成の装置の2個に、キャリヤーガスRと測定流体Mとが各々別々に流され熱伝導度の差が測定され、測定流体の成分が測定される。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、この様な装置においては、
(1)パイレックスガラス基板4と酸化シリコン基板3とシリコン台座5との3層構造となり、而も、内部を測定流体MやキャリヤーガスRが流れ、測定流体M、或いは、キャリヤーガスRの流れに沿った長い多層膜構造であるので、各層間に機密構造を要する。このような多層膜構造は、構造が複雑になり、装置が高価になる。
【0007】
(2)中間層基板に、ヒーター線を配置しなければならないので、リード線の段差、凹凸のある表面を機密シールする必要がある。測定流体MやキャリヤーガスRの流れを通って、外部に信号を取り出すためのリード線に工夫を要し、構造が複雑になり、装置が高価になる。
【0008】
(3)ヒーター1の板に対して、気体6は平行に流れているので、温度境界層が上流から下流に向かって発達し、このため、下流側の気体温度が上昇する。これが感度の劣化をもたらす。効率的に気体6と熱交換出来るのは、気体6に対して、ヒーター1の上流側の先端部付近ということになる。
【0009】
(4)トンネル状の気体6の流路中に、ヒーター1が支えられているので、この装置の感度特性は、流路壁面の温度に依存しており、壁面温度が低いほど感度が向上する。これはヒーター1で発生した熱量が、最終的には、壁に廃熱されるためで、この温度差が感度に関連する。
小型化が図られると、壁とヒーター1とは、更に接近するので、感度は益々低下する。従って、壁を無くす構造が有利と思われる。
【0010】
本発明は、これらの問題点を解決するものである。
本発明の目的は、高感度で、安価なガスクロマトグラフの熱伝導度検出器を提供するにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
この目的を達成するために、本発明は、
(1)キャリヤーガスと測定流体との熱伝導度の差を検出するガスクロマトグラフの熱伝導度検出器において、
シリコン半導体基板の一面に一面が接続された半導体断熱薄膜体と、該半導体断熱薄膜体に設けられた2個の貫通窓と、該貫通窓を塞ぐ様に前記半導体断熱薄膜体に平行にそれぞれ設けられたヒータ線と、前記貫通窓の一方に対向して前記シリコン半導体基板の前記一面に垂直に設けられた測定流体の導入孔と、前記貫通窓の他方に対向して前記シリコン半導体基板の前記一面に垂直に設けられたキャリヤーガスの導入孔とを具備したことを特徴とするガスクロマトグラフの熱伝導度検出器。
(2)前記貫通窓を塞ぐ様に矩形波状あるいは交流波形状あるいは鋸波形状に形成されたヒータ線を具備したことを特徴とする請求項1記載のガスクロマトグラフの熱伝導度検出器。
(3)蒸着或いはスパッタにより形成されたヒータ線を具備したことを特徴とする請求項1記載のガスクロマトグラフの熱伝導度検出器。
を構成したものである。
【0012】
【作用】
以上の構成において、測定流体の導入孔に測定流体が流され、キャリヤーガスの導入孔にキャリヤーガスが流される。
そして、測定流体とキャリヤーガスとの熱伝導度の差が測定され、測定流体の成分が測定される。
以下、実施例に基づき詳細に説明する。
【0013】
【発明の実施の形態】
図1は本発明の一実施例の要部斜視図、図2は図1の正面図、図3は図2のA−A断面図である。
【0014】
図において、21は、シリコン半導体基板である。
22は、シリコン半導体基板21の一面に、一面が接続された半導体断熱薄膜体である。この場合は、シリコン窒化膜が使用されている。
23,24は、半導体断熱薄膜体22に設けられた2個の貫通窓である。
【0015】
25,26は、貫通窓23,24を塞ぐ様に矩形波状に、且つ、半導体断熱薄膜体22に平行に設けられたヒータ線である。
ヒータ線25,26は、この場合は、蒸着、或いは、スパッタにより、半導体断熱薄膜体22上に形成される。
27は、貫通窓23に対向して、シリコン半導体基板21の一面に垂直に設けられた測定流体の導入孔である。
【0016】
28は、貫通窓24に対向して、シリコン半導体基板21の一面に垂直に設けられたキャリヤーガスの導入孔である。
29は、導入孔27に一端が接続された測定流体の導入パイプである。
31は、導入孔28に一端が接続されたキャリヤーガスの導入パイプである。
【0017】
以上の構成において、測定流体の導入パイプ29に測定流体Mが流され、キャリヤーガスの導入パイプ31にキャリヤーガスRが流される。
そして、測定流体MとキャリヤーガスRとの熱伝導度の差が測定され、測定流体の成分が測定される。
【0018】
以上の結果、
(1)測定流体M、或いは、キャリヤーガスRの流路は、シリコン半導体基板21と半導体断熱薄膜体22の層構造に、直角に設けられた導入孔27、28と貫通孔23,24の短い流路であり、図4従来例の如き、測定流体M、或いは、キャリヤーガスRの流れに沿った長い多層膜構造でないので、機密構造が容易に構成出来る。また、構造が簡単になり、安価なガスクロマトグラフの熱伝導度検出器が得られる。
【0019】
(2)ヒーター線25,26は、測定流体M、或いは、キャリヤーガスRの流れに直面するように配置されたので、測定流体M、或いは、キャリヤーガスRの流れの外側の位置において、ヒーター線25,26から、外部に信号を取り出すためのリードを取付れば良く。構造が簡単になり、安価なガスクロマトグラフの熱伝導度検出器が得られる。
【0020】
(3)ヒーター線25,26は、測定流体M、或いは、キャリヤーガスRの流れに直面するように配置されたので、ヒーター線25,26に上流側あるいは下流側は無い。従って、図4従来例のように、下流側の気体温度が上昇する事は有り得ず、ヒーター線25,26は効率的に気体6と熱交換が出来、高感度なガスクロマトグラフの熱伝導度検出器が得られる。
【0021】
(4)ヒーター線25,26は、測定流体M、或いは、キャリヤーガスRの流れに直面するように配置されたので、気体6との熱交換の経路が短くなり、流路壁面の温度に依存することが少なくなる。更に、ヒーター線25,26は、半導体断熱薄膜体22上に形成されているので、導入孔27,28の温度上昇を無視できる。
従って、高感度なガスクロマトグラフの熱伝導度検出器が得られる。
【0022】
(5)ヒータ線25,26を矩形波形状にすれば、貫通窓25,26に隙間を最小限にして配置することが出来、効率的に気体6と熱交換が出来、高感度なガスクロマトグラフの熱伝導度検出器が得られる。
【0023】
(6)ヒータ線25,26を、蒸着或いはスパッタにより形成すれば、ガスクロマトグラフの熱伝導度検出器全体を、通常の半導体プロセスにより製作することが出来、製造コストを安価にし得るガスクロマトグラフの熱伝導度検出器が得られる。
【0024】
なお、前述の実施例においては、ヒータ線は矩形波形状に形成されていると説明したが、これに限ることはなく、例えば、交流波形状、或いは、鋸波形状でも良い。要するに、効率的に気体6と熱交換が出来、高感度が得られる様であれば良い。
【0025】
【発明の効果】
以上詳細に説明したように、本発明の請求項1によれば、
(1)測定流体、或いは、キャリヤーガスの流路は、シリコン半導体基板と半導体断熱薄膜体の層構造に、直角に設けられた導入孔と貫通孔の短い流路であり、従来例の如き、測定流体、或いは、キャリヤーガスの流れに沿った長い多層膜構造でないので、機密構造が容易に構成出来る。また、構造が簡単になり、安価なガスクロマトグラフの熱伝導度検出器が得られる。
【0026】
(2)ヒーター線は、測定流体、或いは、キャリヤーガスの流れに直面するように配置されたので、測定流体、或いは、キャリヤーガスの流れの外側の位置において、ヒーター線から、外部に信号を取り出すためのリードを取付れば良く。構造が簡単になり、安価なガスクロマトグラフの熱伝導度検出器が得られる。
【0027】
(3)ヒーター線は、測定流体、或いは、キャリヤーガスの流れに直面するように配置されたので、ヒーター線に上流側あるいは下流側は無い。従って、従来例のように、下流側の気体温度が上昇する事は有り得ず、ヒーター線は効率的に気体と熱交換が出来、高感度なガスクロマトグラフの熱伝導度検出器が得られる。
【0028】
(4)ヒーター線は、測定流体、或いは、キャリヤーガスの流れに直面するように配置されたので、気体との熱交換の経路が短くなり、流路壁面の温度に依存することが少なくなる。更に、ヒーター線は、半導体断熱薄膜体上に形成されているので、導入孔の温度上昇を無視できる。
従って、高感度なガスクロマトグラフの熱伝導度検出器が得られる。
【0029】
本発明の請求項2によれば、ヒータ線を矩形波状あるいは交流波形状あるいは鋸波形状にしたので、貫通窓に隙間を最小限にして配置することが出来、効率的に気体と熱交換が出来、高感度なガスクロマトグラフの熱伝導度検出器が得られる。
【0030】
本発明の請求項3によれば、ヒータ線を、蒸着或いはスパッタにより形成したので、ガスクロマトグラフの熱伝導度検出器全体を、通常の半導体プロセスにより製作することが出来、製造コストを安価にし得るガスクロマトグラフの熱伝導度検出器が得られる。
【0031】
従って、本発明によれば、高感度で、安価なガスクロマトグラフの熱伝導度検出器を実現することが出来る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例の要部斜視構成説明図である。
【図2】図1の正面図である。
【図3】図2のA−A断面図である。
【図4】従来より一般に使用されている従来例の構成説明図である。
【図5】図4の要部詳細説明図である。
【符号の説明】
21 シリコン半導体基板
22 半導体断熱薄膜体
23 貫通窓
24 貫通窓
25 ヒータ線
26 ヒータ線
27 測定流体の導入孔
28 キャリヤーガスの導入孔
29 測定流体の導入パイプ
31 キャリヤーガスの導入パイプ
Claims (3)
- キャリヤーガスと測定流体との熱伝導度の差を検出するガスクロマトグラフの熱伝導度検出器において、
シリコン半導体基板の一面に一面が接続された半導体断熱薄膜体と、
該半導体断熱薄膜体に設けられた2個の貫通窓と、
該貫通窓を塞ぐ様に前記半導体断熱薄膜体に平行にそれぞれ設けられたヒータ線と、
前記貫通窓の一方に対向して前記シリコン半導体基板の前記一面に垂直に設けられた測定流体の導入孔と、
前記貫通窓の他方に対向して前記シリコン半導体基板の前記一面に垂直に設けられたキャリヤーガスの導入孔と
を具備したことを特徴とするガスクロマトグラフの熱伝導度検出器。 - 前記貫通窓を塞ぐ様に矩形波状あるいは交流波形状あるいは鋸波形状に形成されたヒータ線
を具備したことを特徴とする請求項1記載のガスクロマトグラフの熱伝導度検出器。 - 蒸着或いはスパッタにより形成されたヒータ線
を具備したことを特徴とする請求項1記載のガスクロマトグラフの熱伝導度検出器。
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|---|---|---|---|
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Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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| JP29371896A JP3800259B2 (ja) | 1996-11-06 | 1996-11-06 | ガスクロマトグラフの熱伝導度検出器 |
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