JP3800766B2 - 複合icモジュールおよび複合icカード - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は情報記録媒体に関し、詳しくは、オフィス・オートメーション(Office Automation 、いわゆるOA)、ファクトリー・オートメーション(Factor-y Automation 、いわゆるFA)、あるいはセキュリティー(Security)の分野等で使用されるICカード等に代表される情報媒体において、電力の受給と信号の授受を電気接点を介して行う接触型と、電源電力の受電、並びに信号の授受を電磁結合方式によってICカードに電気接点を設けることなく非接触状態で行う非接触型の双方の機能を有する複合ICカードに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
半導体メモリー等を内蔵するICカードの登場により、従来の磁気カード等に比べて記憶容量が飛躍的に増大するとともに、マイクロコンピュータ等の半導体集積回路装置を内蔵することによってICカード自体が演算処理機能を有することで情報媒体に高いセキュリティー性を付与することができるようになった。
【0003】
ICカードはISO(International Organisation for Standardisation)で国際的に規格化されており、一般的にICカードはプラスチックなどを基材とするカード本体に半導体メモリー等のICが内蔵され、カード表面に外部読み書き装置との接続のために金属製の導電性端子が設けられており、そのICカードと外部読み書き装置とのデータの交信のためにICカードを外部読み書き装置のカードスロットに挿入して用いるものである。
これは、大量データ交換や決済業務等交信の確実性と安全性が求められる用途、例えばクレジットや電子財布応用では好都合である。
【0004】
一方、入退室等のゲート管理への適用に際しては、認証が主たる交信内容であって、交信データ量も少量の場合が多く、より簡略な処理が望まれる。この問題を解決するために考案された技術が非接触ICカードである。
これは、空間に高周波電磁界や超音波、光等の振動エネルギーの場を設けて、そのエネルギーを吸収、整流してカードに内蔵された電子回路を駆動する直流電力源とし、この場の交流成分の周波数をそのまま用いるか、或いは逓倍や分周して識別信号とし、この識別信号をアンテナコイルやコンデンサ等の結合器を介してデータを半導体素子の情報処理回路に伝送するものである。
【0005】
特に、認証や単純な計数データ処理を目的とした非接触ICカードの多くは、電池とCPU(Central Processing Unit,中央処理装置)を搭載しないハードロジックの無線認証(Radio Frequency IDentification。以下ではこれを単にRF−IDと呼ぶ)であり、この非接触ICカードの出現によって、磁気カードに比較して偽造や改竄に対する安全性が高まるとともに、ゲート通過に際してカードの携帯者はゲート装置に取り付けられた読み書き装置のアンテナ部に接近させるか、携帯したカードを読み書き装置のアンテナ部に触れるだけでよく、カードをケースから取り出して読み書き装置のスロットに挿入するというデータ交信のための煩雑さは軽減された。
【0006】
近年になって、多目的な用途に1枚のカードで対応することを目的として前者の外部端子を持つ接触型の機能と後者の無線通信によってデータ交信する非接触型の機能を有する複合型のICカードが考案されている。接触型のCPU処理という高いセキュリティー性と非接触型の利便性という双方の利点を結合したものである。
【0007】
さて、一般的に、複合ICカードは以下のように製作される。
エッチングによって形成された非接触伝達用の金属箔のアンテナコイルがICモジュールの嵌合穴を明けられたシートと基材によって挟み込まれ、ラミネートされてカード本体が製作される。
このとき、アンテナコイルとICモジュールとの接続のための2つのアンテナ端子はカード本体の嵌合穴の内部で露出している。ICモジュールの一方の面は外部機器との接続のための金属の端子電極が形成されている。もう一方の面にICが実装され、アンテナとの接続のための端子が設けられる。この端子には導電性接着剤が塗布される。端子に導電性接着剤が塗布されたICモジュールのその端子とカードのアンテナ端子とが重なり合うようにICモジュールがカード本体の嵌合穴に据え付けられた後、熱と圧力を加えてICモジュールの端子とアンテナ端子とが結合されて実装を終了する。
【0008】
このような実装法は比較的簡便であるが、ICモジュールとアンテナとの接続部の状態を確認することが困難であり、その接続信頼性が問題となる。
また、機械的な応力により接続部の劣化が起こりやすい。さらに、ICモジュールとアンテナとの接続のために導電性接着剤の塗布工程や熱圧着工程が必要となるので、従来の外部端子付きICカードの製造装置を使用しにくく、新しく製造ラインを設置しなければならない。
【0009】
複合ICカードのカード製造工程でのICモジュールとアンテナとの接続を不要とする従来の技術としては、例えば特開平7−239922号公報に示されるものがある。
これによれば、ICカード用ICモジュールであって、該ICモジュールは、ICチップと、該ICチップと電気的に接続され外部機器との間で情報及び/またはエネルギーの伝達を行う伝達機構と、該ICチップ及び該伝達機構とを支持する支持体とからなり、前記伝達機構が、コイルまたはアンテナからなる非接触型伝達機構と、前記支持体表面に設けられた導体をパターン化した複数の端子電極からなる接触型伝達機構と、を備えた構成とし、接触型と非接触型の両方の方式に対応可能な機能をモジュール化して、このICモジュールをプラスチックカード基体に嵌合固定するものである。
【0010】
さらに、前記の実現手段として非接触伝達のためのアンテナまたはコイルを端子電極の周囲を囲むように設けるか、逆に、アンテナを中心に据え、その周囲に端子電極を設けるとしている。
つまり、非接触伝達用のアンテナをICモジュール内に収納することで、最終工程であるICモジュールのカード基板への実装工程におけるアンテナコイルとICモジュールとの接続を不要としたものである。
【0011】
しかしながら、ICモジュール基板の端子電極の周囲にプリントパターンでアンテナコイルを設ける方法では、通常のICモジュールの面積が12mm×12mm程度であるのでアンテナコイルの大きさは上記の数値を超えることは許容されない。
よって、ICモジュール内で端子電極の外周部にコイルを配置した場合には、プリントコイルを形成するとしても数巻きしかとれないことになり、コイルの面積が小さいことも影響して十分な電力を受信することができず、交信距離が数ミリメートル以下の密着結合のみが許される。これでは非接触伝達機能を付加する効果が小さい。
【0012】
接触型伝達機構に非接触伝達機構を付与する効果は数十ミリメートルから百ミリメートルを超える交信距離によって得られるものであり、この領域において、カードを外部読み書き装置のアンテナ部に「かざす」ことで交信が達成可能となる。そうするためには、コイルの面積を大きくするか、巻数を多くすることが必要である。しかし、実用的な巻数にするとエンボス領域にかかってしまうことになる。
【0013】
また、後者のアンテナの周囲に端子電極を設ける配置は、エンボス領域への侵犯が明白であり、外部端子付きICカードの規格であるISO7816から大きく逸脱したものであって、市場に受け入れられる可能性は低い。結果として、プリントコイルによる方法では収容効率が低く伝達効率を向上させる他の方策を施さなければならない。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は以上のような従来の技術が持つ問題点に着目してなされたものであり、ICモジュールと非接触伝達用のアンテナコイルとの接続の必要がなく、十分な交信距離が得られる受信感度を有し、しかも、接触型と非接触型の双方の伝達機構を実用的な動作状態を維持できる技術を複合ICモジュールおよび複合ICカードを提供することを課題とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決するために本発明が提供する手段とは、すなわち、
まず請求項1に示すように、ICモジュールが、ICカード用の接触型伝達機能と非接触型伝達機能とを内蔵したICチップ、接触型伝達素子である外部端子を形成したモジュール基板、および非接触伝達機構の第1の結合コイルから構成されており、
該ICモジュールの第1の結合コイルが、アンテナ素子は外部読み取り装置と電力の受給と信号の授受とを行うことが可能なアンテナと該アンテナ素子に接続された第2の結合コイルとを具備しており、しかも接触型と非接触型との双方の機能を備えるべく用意されたICカード部材の該第2の結合コイルと、互いに密結合するように配設されることによって、該ICモジュールと該アンテナとがトランス結合によって非接触に結合するように構成可能であって、
しかも、前記ICモジュールに配置された第1の結合コイルが、絶縁皮膜を施した導線を巻くことによって形成されてなること
を特徴とする複合ICモジュールである。
【0016】
さらに好ましくは、請求項2に示すように、請求項1に記載の複合ICモジュールを基本構成としており、
前記複合ICモジュールの第1の結合コイルが、前記ICチップの封止材周囲にトロイダル状に巻かれてなることを特徴とする複合ICモジュールである。
【0017】
またに好ましくは、請求項3に示すように、やはり請求項1に記載の複合ICモジュールを基本構成としており、
前記複合ICモジュールの第1の結合コイルが、前記モジュール基板の周囲に巻かれていることを特徴とする請求項1に記載の複合ICモジュールである。
【0018】
あるいはまた、請求項4に示すように、接触型と非接触型との双方の機能を備えた複合ICモジュールと、該複合ICモジュールとは電気的接続を持たないアンテナ素子とを具備する複合ICカードであって、
該複合ICモジュールが、接触型伝達機能と非接触型伝達機能とを内蔵したICチップ、接触型伝達素子である外部端子を形成したモジュール基板、および非接触伝達機構の第1の結合コイルから構成され、
前記アンテナ素子は、外部読み取り装置と電力の受給と信号の授受とを行うアンテナと、該アンテナ素子に接続された第2の結合コイルとを具備しており、該複合ICモジュールの第1の結合コイルと非接触伝達用のアンテナ素子の第2の結合コイルとが、互いに密結合するように配設され、複合ICモジュールとアンテナとがトランス結合によって非接触な結合が可能に構成されており、
しかも、該複合ICモジュールに配置された第1の結合コイルが、絶縁皮膜を施した導線を巻くことによって形成されてなることを特徴とする複合ICカードである。
【0019】
さらに好ましくは、請求項5に示すように、請求項4に記載の複合ICカードを基本構成としており、
前記複合ICモジュールの第1の結合コイルが、ICチップの封止材周囲にトロイダル状に巻かれてなることを特徴とする複合ICカードである。
【0020】
また好ましくは、請求項6に示すように、請求項4に記載の複合ICカードを基本構成としており、
前記複合ICモジュールの第1の結合コイルが、前記モジュール基板の周囲に巻かれていることを特徴とする複合ICカードである。
【0021】
請求項1の複合ICモジュールあるいは請求項4の複合ICカードのように構成することによって、プリントコイルを用いた場合に比較して、結合コイルの巻数をより多くすることができる。
【0022】
また請求項2の複合ICモジュール、あるいは請求項5の複合ICカードのように構成は、請求項1の複合ICモジュールあるいは請求項4の複合ICカードのより具体的な実現手段であり、前記の複合ICモジュールの第1のコイルをICチップの封止材周囲にトロイダル状に巻いたものである。
【0023】
また請求項3の複合ICモジュール、あるいは請求項6の複合ICカードのように構成も、やはり請求項1の複合ICモジュールあるいは請求項4の複合ICカードのより具体的な別の実現手段であって、複合ICモジュールの第1のコイルを前記モジュール基板の周囲に巻くことで実現したものである。
【0024】
【発明の実施の形態】
本発明における非接触伝達機構の基本構成と基本原理とを図面を用いて説明する。
【0025】
図5は、本発明の非接触伝達機構の原理を説明する非接触結合回路の等価回路図である。
図5において、非接触型の外部読み取り装置100の送受信回路101には複合ICカード1の非接触伝達機構への電力供給と情報の授受を行う電磁結合器である送受信コイル102が接続されている。
一方、複合ICカード1の非接触伝達機構は、外部読み取り装置100の送受信アンテナ102と直接電磁的に結合され電力の受信と情報の授受に関与するアンテナコイル4と、アンテナコイル4の両端に接続され並列共振回路を構成するコンデンサ15と、複合ICモジュール2に実装された複合ICチップ6とそれに接続された第1の結合コイル8と、その第1の結合コイル8にアンテナコイルで受信した信号を最大効率で伝送するために並列共振回路のコンデンサ15の両端に接続された第2の結合コイル3からなる。
このとき、コンデンサ15の接続は並列としたがアンテナコイル4と第2の結合コイル3との間に直列に接続することも好適に選択できる。また、線間容量を増大させることでコンデンサを省略することも可能である。
【0026】
ここで、外部読み書き装置100から複合ICカード1に電力および情報を伝達する場合について、各コイルの結合を以下に説明する。
外部読み書き装置100の送受信回路101で発生された図示しない高周波信号により、送受信コイル102に高周波磁界が誘起される。この高周波信号は、磁気エネルギーとして空間に放射される。
このとき、複合ICカード1がこの高周波磁界中に位置すると、外部読み書き装置100の送受信コイル102により発生された高周波磁界により、複合ICカード1のアンテナコイル4とコンデンサ15で構成する並列共振回路に電流を流す。このとき、複合ICチップ6に直接接続された第1の結合コイル8と、前記アンテナコイル4とコンデンサ15の共振回路に接続され第1の結合コイル8に電力伝送する第2の結合コイル3にも高周波磁界による電流が誘起されるが、前記のアンテナコイル4に誘起される量に比べて一桁以上小さいので、受信感度はアンテナコイル4の特性に大きく依存する。
【0027】
アンテナコイル4とコンデンサ15の共振回路で受信した信号は第2の結合コイル3に伝達される。その後、第2の結合コイル3と第1の結合コイル8とが最大伝達効率を示す密結合配置で第2の結合コイル3と第1の結合コイル8とのトランス結合によって、複合ICチップ6に信号が伝達される。第2の結合コイル3と第1の結合コイル8とのトランス結合の最大伝達効率は回路定数の選択によって決定される。
以上のようにして、受信特性の改善が達成される。
【0028】
さらに、第1の結合コイル8の巻数を多くすることによって第2の結合コイル3との結合係数が大きくなり、複合ICチップ6に伝達されるエネルギーはさらに増大する。
しかしながら、現在の印刷配線板の製造技術では0.1mmのパターン幅が限界でありプリントコイルではICカードのモジュール基面内に数十巻きすることは困難である。
【0029】
一方、絶縁皮膜を施した導線によってコイルを形成することは磁気ヘッド技術の進歩により、数十ミクロン径まで可能となっている。
その技術に着目して、本発明の複合ICモジュールとアンテナとの結合コイルを絶縁皮膜を施した導線によって形成する手段を考案するに至った。
【0030】
【実施例】
図1は、本発明にかかる複合ICカードの概略構成図である。
本発明にかかる複合ICカード1は本発明の複合ICモジュール2とシート状の樹脂の表面にプリントコイルで形成した第2の結合コイル3とアンテナコイル4とを持つアンテナ基板5を樹脂封入したカード基板10からなる。
【0031】
複合ICモジュール2は接触型伝達部であるパターン形成した端子電極7と、図示しない接触型インターフェースと非接触型インターフェースとを内蔵した複合ICチップ6と、複合ICチップ6の周囲、またはモジュール基板9の周囲に絶縁皮膜を施した導線によって形成された非接触型伝達部の第1の結合コイル8、そしてモジュール基板9からなる。
複合ICチップ6はモジュール基板9の端子電極7の形成面とは反対側の面に実装される。複合ICチップ6とモジュール基板9の端子電極7とはスルーホールで接続される。複合ICチップ6と第1の結合コイル8の回路パターンとは半田や導電性接着剤を用いて熱溶着されて回路が形成される。
この接続は、複合ICチップ6の回路形成面とモジュール基板9とをワイヤボンドすることによっても実現されうる。
【0032】
複合ICチップ6をモジュール基板9に実装し、回路接続された後に、複合ICチップ6は樹脂封止16され、その後、複合ICチップ6の周囲、またはモジュール基板9の周囲に絶縁皮膜を施した導線を巻き、モジュール基板9の回路パターンと第1の結合コイル8の端子とを接続することで複合ICモジュール2が完成する。図2(b)は第1の結合コイル8を複合ICチップ6の樹脂封止16の周囲に巻線コイルを形成した場合について示した。
【0033】
続いて、本発明による複合ICカード1は概略以下のようにして製作される。まず、樹脂基板にプリントコイルで第2の結合コイル3とアンテナコイル4とコンデンサ15を形成したフレキシブルなアンテナ基板5が準備される。ここで、第2の結合コイル3とアンテナコイル4とは絶縁被覆した導線を巻いて形成してもよい。アンテナ基板5の樹脂としては塩化ビニルが使用されたが、その他、ポリイミド、ポリカーボネート、PETなども適用でき、材料は一種に固定されるものではない。
【0034】
次に、射出成形によりアンテナ基板5を封入してカード基板10を成形する。成形の際、第2の結合コイル3が複合ICモジュール2の実装位置に重なるように位置決めされ配置される。射出成形によるカード基板10の製作と同時に複合ICモジュール2の嵌合穴11を形成する。最後に、カード基板10の複合ICモジュール2の嵌合穴11に複合ICモジュール2を接着することで複合ICカード1が完成する。
カード基材としては塩化ビニルを用いたが、その他、ポリカーボネートなど十分なカードの特性が得られるもので有ればすべて本発明に適用できる。
【0035】
図1(a)において、カード基板10は表面と裏面に分離して描いてあるが、本来一体のものであり、図ではカード基板に封入されるアンテナ基板5における結合コイルと嵌合穴11との関係を明確に説明するために修飾されている。
【0036】
本発明において、カードの製作を射出成形としたが、カード特性を維持する方法であればいずれも本発明に適用可能であって、例えば、ラミネート方式、接着材充填方式であってもよい。また、ICモジュールの嵌合穴11は、カード成形後にくりぬき加工することも本発明に含まれる。
【0037】
図2は、複合ICチップ6の周囲に第1の結合コイル8を巻いた実施例である。
第1の結合コイル8の形成の準備として、樹脂封止16の工程まで製作した複合ICモジュール2の樹脂封止16の周囲を切削手段などにより巻線しやすくなるように加工する。その後、巻線機によって複合ICモジュール2の樹脂封止16の周囲に直接巻線を施す。所定巻数の巻線作業終了後、図示しない第1の結合コイル8の接続端子の絶縁皮膜を除去して、モジュール基板9の図示しない所定の回路パターンに接続する。
【0038】
このとき、樹脂封止16を施す際に巻線を容易にするように型を用いるなどして樹脂封止することにより樹脂封止16の切削加工を省略できる。また、巻線を複合ICチップ6の周囲に直接巻かずに、コイル巻線機を用いて別工程で平面コイルを製作し、モジュール基板9に接着して第1の結合コイル8としてもよい。本実施例では、製作されたコイルの断面形状を角丸の矩形としたが、この他にも楕円形や円形あるいはその他の形状であってもよく、本発明はその形状を特に限定するものではない。
【0039】
図3は、複合ICチップ6の樹脂封止16の周囲にコイル枠17に巻かれた第1の結合コイル8を実装した実施例である。
第1の結合コイル8は、コイル枠17の図示しない溝に整列巻きされる。コイル枠17に巻線を施された第1の結合コイル8は、コイル枠17とモジュール基板9との間で接着される。その後、第1の結合コイル8の図示しない接続端子がモジュール基板9の図示しない所定の回路パターンに接続される。
このとき、コイル枠17にコイルの接続のための端子を設けることで、モジュール基板9と第1コイル8との接続が簡略化されうる。本実施例に於けるコイル枠17の断面形状は角丸の矩形としたが、前記同様に円形あるいはその他の形状であってもよい。
【0040】
図4は、モジュール基板9の端面に第1の結合コイル8を巻いた実施例である。
角丸を施した複合ICモジュール2のモジュール基板9の周囲(厚さ方向)に巻線を施すことによっても第1の結合コイル8を形成できる。モジュール基板9の周囲への巻線は複合ICチップ6の実装に先立って実行された。これは、複合ICモジュール2の製作工程の最後に行ってもよく、工程の順序を制限するものではない。
角丸を施した複合ICモジュール2のモジュール基板9の周囲(厚さ方向)に巻線を施すことにより、モジュール基板9の厚さを0.3mmとすると、エンボス形成を考慮してもモジュール基板9の外形から、1mmの幅でコイルを巻くことが可能であり、巻線径を0.1mmとすると3×10=30回巻くことが可能である。これは、プリントパターンで巻線を形成した場合の5倍以上になる。
【0041】
【発明の効果】
以上の説明から明らかなように、本発明に於ける複合ICモジュールは、外部端子付きの接触型とアンテナコイル等の非接触結合素子を持つ非接触型の双方の方式に対応可能な機能を有しており、この複合ICモジュールを組み込んだ複合ICカードは、ICモジュールとアンテナコイルとの間にトランス結合回路素子を設けることで、ICモジュールとアンテナコイル間を電気的に接続することなく電力の受給と信号の送受を行うように構成した。
【0042】
そして、ICモジュールのトランス結合素子を巻線コイルで実現し、ICチップの樹脂封止部の周囲に直接巻き付けるか、あらかじめ製作された平面コイルとなしモジュール基板に直接接着するか、コイル枠にコイルを巻いてこのコイル枠をモジュール基板に接着するか、あるいはモジュール基板の端面に巻くなどして、モジュール基板の結合コイルの巻数を許された範囲内で可能な限り多く取るようにしたことで、この複合ICモジュールを組み込んだ複合ICカードでは、アンテナコイルで受信した電磁エネルギーを高い結合係数でトランス結合してICチップに伝達できるようになった。
【0043】
このことにより、非接触伝達機能の利点である外部読み書き装置のアンテナ近傍にカードを「かざす」ことで通信可能な感度特性を一層向上できるという効果を得られた。
さらに、カードの受信感度が大きくなることで通信距離の増大、そして/または 外部読み書き装置の送信出力の抑制が実現できるようになった。このことは、電波法によって非接触型ICカード用(複合ICカード用)の送信出力が規制されているためにこのようなICカードにとって好都合である。
加えて、ICモジュールとカード基板に内蔵されたアンテナ回路との間の接続が不要であることから、カード基板に設けられた嵌合穴にICモジュールを接着実装するという従来の技術に関わるICカード製造工程をそのまま利用することが出来るとともに、そのカードに曲げ応力などの機械的応力が加えられた場合でも、その間の接続点を持たないために故障を生じる危険がきわめて少ない。
【0044】
以上総じて、本発明によると、ICモジュールと非接触伝達用のアンテナコイルとの接続の必要がなく、十分な交信距離が得られる受信感度を有し、しかも、接触型と非接触型の双方の伝達機構を実用的な動作状態を維持できる技術を複合ICモジュールおよび複合ICカードを提供することが出来た。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明にかかるICモジュールの概略構成図である。
【図2】本発明の第1の実施例に関わるICモジュールの結合コイル実装の説明図である。
【図3】本発明の第2の実施例に関わるICモジュールの結合コイル実装の説明図である。
【図4】本発明の第3の実施例に関わるICモジュールの結合コイル実装の説明図である。
【図5】本発明の非接触伝達機構の原理を説明するための、非接触結合回路の等価回路図である。
【符号の説明】
1・・・・複合ICカード
2・・・・ICモジュール
3・・・・第2の結合コイル
4・・・・アンテナコイル
5・・・・アンテナ基板
6・・・・複合ICチップ
7・・・・端子電極
8・・・・第1の結合コイル
9・・・・ジュール基板
10・・・カード基板
11・・・嵌合穴
15・・・コンデンサ
16・・・樹脂封止
17・・・コイル枠
100・・外部読み書き装置
101・・送受信回路
102・・送受信アンテナ
Claims (6)
- ICモジュールが、ICカード用の接触型伝達機能と非接触型伝達機能とを内蔵したICチップ、接触型伝達素子である外部端子を形成したモジュール基板、および非接触伝達機構の第1の結合コイルから構成されており、
該ICモジュールの第1の結合コイルが、
アンテナ素子は外部読み取り装置と電力の受給と信号の授受とを行うことが可能なアンテナと該アンテナ素子に接続された第2の結合コイルとを具備しており、しかも接触型と非接触型との双方の機能を備えるべく用意されたICカード部材の該第2の結合コイルと、互いに密結合するように配設されることによって、該ICモジュールと該アンテナとがトランス結合によって非接触に結合するように構成可能であって、
しかも、前記ICモジュールに配置された第1の結合コイルが、絶縁皮膜を施した導線を巻くことによって形成されてなること
を特徴とする複合ICモジュール。 - 前記複合ICモジュールの第1の結合コイルが、前記ICチップの封止材周囲にトロイダル状に巻かれてなること
を特徴とする請求項1に記載の複合ICモジュール。 - 前記複合ICモジュールの第1の結合コイルが、前記モジュール基板の周囲に巻かれていること
を特徴とする請求項1に記載の複合ICモジュール。 - 接触型と非接触型との双方の機能を備えた複合ICモジュールと、該複合ICモジュールとは電気的接続を持たないアンテナ素子とを具備する複合ICカードであって、
該複合ICモジュールが、接触型伝達機能と非接触型伝達機能とを内蔵したICチップ、接触型伝達素子である外部端子を形成したモジュール基板、および非接触伝達機構の第1の結合コイルから構成され、
前記アンテナ素子は、外部読み取り装置と電力の受給と信号の授受とを行うアンテナと、該アンテナ素子に接続された第2の結合コイルとを具備しており、該複合ICモジュールの第1の結合コイルと非接触伝達用のアンテナ素子の第2の結合コイルとが、互いに密結合するように配設され、複合ICモジュールとアンテナとがトランス結合によって非接触な結合が可能に構成されており、
しかも、該複合ICモジュールに配置された第1の結合コイルが、絶縁皮膜を施した導線を巻くことによって形成されてなること
を特徴とする複合ICカード。 - 前記複合ICモジュールの第1の結合コイルが、ICチップの封止材周囲にトロイダル状に巻かれてなることを特徴とする請求項4に記載の複合ICカード。
- 前記複合ICモジュールの第1の結合コイルが、前記モジュール基板の周囲に巻かれていることを特徴とする請求項4に記載の複合ICカード。
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