JP3801078B2 - 多室用空気調和装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、多室用空気調和装置に関し、特に、暖房運転時において、運転停止中の室内ユニットの室内コイルに液冷媒が貯留されるのを防止する技術に関する。
【0002】
【従来の技術】
多室用空気調和装置は、一般的に、室内コイル出口側に暖房用膨張装置が設置されている。なお、この暖房用膨張装置は電動膨張弁が用いられ冷房用膨張弁と共用されている。そこで、暖房運転時において、他室で暖房運転が行われ一部の部屋で暖房運転が行われていない場合には、この暖房運転をしていない部屋の空気温度が低く、この部屋に設置されている室内ユニットの室内コイルに冷媒が凝縮液化して貯留される。また、運転停止室内ユニットの室内コイルに液冷媒が貯留されると、冷媒回路内の冷媒量が不足して、他室の暖房運転が正常に行われなくなり、暖房能力が不足すると言う問題が発生する。
【0003】
このため、従来の多室用空気調和装置では、運転停止室内ユニット用の膨張装置を微少開度開くことにより、運転停止室内ユニット内の室内コイルに対し常時微少量の冷媒を流通させて運転停止室内ユニットの室内コイル内に液冷媒が貯留されることを防止していた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、室外ユニットに対し室内ユニットが低い位置に設置されている場合には、膨張装置を絞っているため、この室内コイルで凝縮した液冷媒を押し上げるほどのヘッドが取れず、この室内コイルに液冷媒が徐々に溜まるという現象の生ずることが判明した。また、このように液冷媒が溜まると、冷媒回路内の液冷媒量が不足し、他の暖房運転を行っている室内ユニットで十分な暖房能力を得ることができない問題のあることが分かった。
【0005】
本発明は、このような従来技術に存する問題点を解決するためのものである。すなわち、本発明の目的は、1台の室外ユニットに対し複数台の室内ユニットが接続され、かつ、冷媒回路中に各室内ユニット用の暖房用膨張装置が接続されてなる多室用空気調和装置において、室外ユニットに対し室内ユニットが低い位置に設置される場合に、運転停止室内ユニットに液冷媒が貯留されて暖房能力が低下することを防止することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明の多室用空気調和装置は、1台の室外ユニットに対し複数台の室内ユニットが接続され、かつ、冷媒回路中に各室内ユニット用の暖房用膨張装置が接続されてなる多室用空気調和装置において、前記室内ユニットは、室内コイルを有し、該室内コイルは、上下位置に配置された複数パス部からなるとともに、上位パス部にサーミスタが配置されてなり、前記各室内ユニット用の暖房用膨張装置は、暖房運転時において当該室内ユニットの運転が停止された場合に開度が微少となるように制御され、その後前記サーミスタにより上位パス部の温度が所定値以下に低下したことが検出された場合に、開度が大きくなるように制御されるものである。
【0007】
このように構成すると、室外ユニットに対し下方位置に室内ユニットが設置されている場合において、暖房運転時に運転停止中の室内ユニットの室内コイルでは、暖房用膨張装置が微少開度とされて微少量の冷媒が流通されている間に徐々に最下位パス部から液冷媒が貯留される。このため、室内コイルの温度は最下位パス部から低下する。しかし、本発明では、室内コイルが上下位置に配置された複数パス部からなるとともに、上位パス部にサーミスタが配置され、さらに、上位パス部の温度が所定値以下に低下したことが検出された場合に暖房用膨張装置の開度を大きくするように構成されている。したがって、サーミスタの検出する上位パス部の温度が所定値に低下するまでは、この状態で運転が継続される。そして、上位パス部の温度が所定値に低下した時点、すなわち、略室内コイル全体に液冷媒が貯留された時点で、液冷媒が貯留しているものとして検出される。このようにして、サーミスタで略室内コイル全体に液冷媒が貯留されたことが検出された場合に、暖房用膨張装置の開度が大きくなるように制御される。暖房用膨張装置の開度が大きくなるように制御されると、運転停止中の室内ユニットの室内コイルに貯留されていた液冷媒が一気にこの室内コイルから排出される。液冷媒が排出されると室内コイルの温度が上昇する。そこで、暖房用膨張装置の開度が再び微少量の冷媒を流通させる状態に復帰される。以下同様のことが繰り返される。このようにして、暖房運転時に運転停止中の室内ユニットの室内コイルに液冷媒が貯留されたまま暖房運転が継続されることが回避され、冷媒回路内の冷媒不足に基づく暖房能力の低下が回避される。
【0008】
この場合において、仮に、サーミスタが最下位パス部の冷媒温度を検出するように構成しているときには、最下位パス部では液冷媒が貯留されているが最下位パス部以外では未だガス冷媒が流通している状態で、略室内コイル全体に液冷媒が貯留したかのように誤検出され、さらに、この状態で暖房用膨張装置の開度を大きくするように開放される。しかしながら、この状態で暖房用膨張装置の開度を大きくする場合は、最下位パス部に貯留されている液冷媒を押し上げるだけの液ヘッドを得るために最下位パス部以外のパス部(上位パス部)の冷媒流通抵抗を大きくする必要がある。しかし、最下位パス部以外の冷媒流通抵抗を大きくした場合は上位パス部での冷媒流通量が増加し、上位パス部での冷媒通過音が大きくなるという問題が発生する。
ところが、上述のように本発明は上位パス部の温度を検出するようにサーミスタを設けているので、略室内コイル全体に液冷媒が貯留された状態になって初めてサーミスタの検出する温度が低下する。したがって、このように略室内コイル全体的に液冷媒が貯留された状態で暖房用膨張装置の開度を大きくすることになり、全てのパス部に吐出ガスが流通し、全てのパス部の液冷媒が一気に排出される。この結果、上述のように暖房用膨張装置を開放したときの大きな冷媒通過音を発生することなく運転停止ユニットの室内コイルに貯留されていた液冷媒排出することができる。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら詳細に説明する。なお、図1は本実施の形態に係る多室用空気調和装置における室内ユニットの設置例図であり、図2は同多室用空気調和装置の冷媒回路図であり、図3は同多室用空気調和装置の室内ユニットの構成説明図である。
【0011】
本実施の形態に係る多室用空気調和装置は、図1に示すように室外ユニット1に対し4台の室内ユニット2が接続されている。また同図に示すように、室外ユニット1の設置場所に比し室内ユニットの設置場所が低い位置にある。この例では、建築物3の屋上に室外ユニット1が設置され、建築物3の各部屋4に室内ユニット2が設置されている。
【0012】
次に、多室用空気調和装置の冷媒回路について図2を参照しながら説明する。
この多室用空気調和装置は、ヒートポンプ式冷暖房装置として構成されており、図2に示すような冷媒回路に構成されている。室外ユニット1内には圧縮機11、室外コイル12、各室内ユニット用の4個の膨張装置13、四路切換弁14、アキュムレータ15、液管16、ガス管17などが収納されている。室外コイル12は、四路切換弁14を介し圧縮機11の吐出ポートに接続されている。アキュムレータ15は、四路切換弁14と圧縮機の吸入ポートとの間に接続されている。液管16における室内ユニット接続側は4本に分岐されている。ガス管17における室内ユニット接続側は4本に分岐されている。そして、膨張装置13は、暖房用及び冷房用を兼用する電動膨張弁であり、液管16の分岐管にそれぞれ設けられている。
なお、図2において、実線矢印は暖房運転時の冷媒の流れ方向を示しており、破線矢印は冷房運転時の冷媒の流れ方向を示している。また、四路切換弁14は暖房時の接続状態で示されている。
【0013】
上記構成の室外ユニット1に対し4台の室内ユニット2が並列に接続されている。すなわち、冷媒回路としては、室外ユニット1の液管16の分岐管とガス管17の分岐管との間に、液側連絡配管18及びガス側連絡配管19により、各室内ユニット2内に収納されている室内コイル21が接続されている。
【0014】
次に、室内ユニット2について、図3に基づき、より詳しく説明する。なお、図3における波線矢印は空気の流れを示している。
室内ユニット2は、図3に示すように、室内コイル21と横断流送風機22とが収納され、前面から室内空気を吸入し、下部から冷却空気を吹き出すように構成されている。室内コイル21は、上方部に冷却管が配置される上位パス部21aと下方部に冷却管が配置される下位パス部21bとから構成されている。そして、上位パス部21aの冷媒温度を検出するようにサーミスタ25が配設されている。
【0015】
次に、上記のように構成された多室用空気調和装置は次のように運転される。冷房運転時は、四路切換弁14が破線の接続状態に切り換えられる。圧縮機11から吐出された高圧ガス冷媒は、四路切換弁14を介して室外コイル12に送られる。室外コイル12に送られた高圧ガス冷媒は室外空気と熱交換して冷却され、液冷媒となる。この液冷媒は液管16の分岐管に接続された膨張装置13で減圧され、低圧の液ガス2相流となって液側連絡配管18を介して各室内ユニット2に供給される。室内ユニット2に供給された低圧冷媒は、室内空気と熱交換して室内空気を冷却し、冷媒自身は気化して低圧ガス冷媒となる。この低圧ガス冷媒はガス側連絡配管19を介し室外ユニット1に送り返される。室外ユニット1に送り返された低圧ガス冷媒は、四路切換弁14及びアキュムレータ15を介し圧縮機11に返戻される。以上のようなサイクルにより冷房が行われる。
【0016】
暖房運転時は、四路切換弁14が実線の接続状態に切り換えられる。圧縮機11から吐出された高圧ガス冷媒は、四路切換弁14を介して室内ユニット2に送られる。室内ユニット2に送られた高圧ガス冷媒は、室内コイル21で室内空気と熱交換し室内空気を加熱し、冷媒自身は冷却されて液冷媒となる。この液冷媒は液側連絡配管18を介して室外ユニット1に送られる。室外ユニット1に送られた高圧の液冷媒は、液管16の分岐管に接続された各膨張装置13で減圧され、低圧の液ガス2相流となって室外コイル12に送られる。室外コイル12に送られた低圧冷媒は、室外空気と熱交換して室外空気から熱を汲み上げて冷媒自身は気化して低圧ガス冷媒となる。この低圧ガス冷媒は、四路切換弁14及びアキュムレータ15を介し圧縮機に返戻される。以上のようなサイクルにより暖房が行われる。
【0017】
以上のような暖房サイクルにおいて、暖房が行われない室内に設置されている室内ユニット2(運転停止ユニット)では室内コイル21に高圧ガス冷媒が凝縮液化するのを防止するために、この室内コイル21用の膨張装置13は微少開度に調整される。したがって、運転停止ユニット2の室内コイル21内には微少量の高圧ガス冷媒が流通している。このため、行き止まり状態のように高圧ガス冷媒が凝縮液化し急激に液冷媒として貯留されることがない。しかしながら、室内コイル21が室外ユニット1より下方に設置されている場合には、高圧ガス冷媒の流通量が微少量であるため液化した液冷媒を押し上げるほどのヘッドが取れないため、液冷媒が徐々に貯留される。更に、室内コイル21が上下に配置された複数パス部(この場合2パス部)で構成されている場合には、上位パス部21aでは冷媒が流通している状態でも、下位パス部21bでは徐々に高圧ガスが液化して貯留される。なお、上位パス部に液冷媒が貯留されない状態ではサーミスタ25が検出する温度は、液冷媒で満たされる状態の場合の検出温度より高い。
【0018】
上記のように、下位パス部21bに液冷媒が貯留され、下位パス部21bが液冷媒量で満たされるようになると、上位パス部21aにも液冷媒が溜まり始めるる。このようにして室内コイル21の略全体に液冷媒が溜まった状態なると、サーミスタ25周辺部の温度が低下し室内コイル21の略全体に液冷媒が溜まったものとして検出される。室内コイル21の略全体に液冷媒が溜まったことが検出されると、膨張装置13の開度が大きくされ、高圧ガス冷媒が運転停止ユニット2における室内コイル21に流され、溜まっていた液冷媒を一気に排出する。液冷媒が排出されるとサーミスタ25が検出する冷媒の温度が再び上昇するので膨張装置13の開度は元に戻される。
【0019】
本実施の形態の多室用空気調和装置では、以上のごとく暖房運転時に運転停止中の室内ユニット2の室内コイル21が液冷媒で満たされた場合に、膨張装置13の開度を大きくするように制御される。このように制御されることにより、室内コイル21内の液冷媒が一気に排出される。したがって、室内コイル21内の液冷媒を排出するときにに大きな冷媒音を発生することがない。また、運転停止ユニット2の室内コイル21に液冷媒が貯留されたまま暖房運転が継続されることもないので、暖房能力の低下を招くこともない。
【0020】
なお、上記実施の形態において、運転停止ユニット2に配設するサーミスタ25を、暖房運転時に室内コイル21が凍結するおそれのある温度に低下することを検出するための凍結防止用サーミスタと兼用させてもよい。なお、このような凍結防止用サーミスタは従来公知のものである。したがってこのように構成した場合は、液冷媒が貯留されたことを検出するためのサーミスタをわざわざ設ける必要がないので、コスト上昇を抑制することができる。
【0021】
また、室内コイル21は、上記実施の形態においては2パス部からなるように構成されていたが、3パス部以上に構成されていてもよい。また、この場合において、サーミスタ25は最下位パス部以外のパス部に設けるようにすることにより上記と同様の効果を奏することができる。
【0022】
【発明の効果】
本発明に係る多室用空気調和装置によれば、暖房運転時に運転停止中の室内ユニットの室内コイル用膨張装置が微少開度に制御され、この室内コイルに液冷媒が貯留された場合には膨張装置の開度が大きくなるように制御されるので、室外ユニットに対し下方位置に室内ユニットが設置されている場合において、運転停止ユニットの室内コイルに液冷媒が貯留された状態で暖房運転が継続されることがなく、冷媒回路内の冷媒不足による暖房能力の低下を防止することができる。
【0023】
また、室内コイルが複数パス部で構成されている場合には、サーミスタを最下位パス部以外のパス部の温度を検出するように構成しているので、室内コイルに溜まった液冷媒を排出する際に大きな冷媒通過音を発生することがない。
【0024】
また、室内コイルに液冷媒が溜まったことを検出するサーミスタを従来公知の凍結防止用サーミスタと兼用させた場合には、コスト上昇を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施の形態に係る多室用空気調和装置における室内ユニットの設置例図である。
【図2】同多室用空気調和装置の冷媒回路図である。
【図3】同多室用空気調和装置の室内ユニットの構成説明図である。
【符号の説明】
1 室外ユニット
2 室内ユニット
11 圧縮機
12 室外コイル
13 膨張装置
16 液管
17 ガス管
18 液側連絡配管
19 ガス側連絡配管
21 室内コイル
21a 上位パス部
21b 下位パス部
25 サーミスタ
Claims (1)
- 1台の室外ユニットに対し複数台の室内ユニットが接続され、かつ、冷媒回路中に各室内ユニット用の暖房用膨張装置が接続されてなる多室用空気調和装置において、
前記室内ユニットは、室内コイルを有し、
該室内コイルは、上下位置に配置された複数パス部からなるとともに、上位パス部にサーミスタが配置されてなり、
前記各室内ユニット用の暖房用膨張装置は、暖房運転時において当該室内ユニットの運転が停止された場合に開度が微少となるように制御され、その後前記サーミスタにより上位パス部の温度が所定値以下に低下したことが検出された場合に、開度が大きくなるように制御されることを特徴とする多室用空気調和装置。
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