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JP3801504B2 - 導電性複合プラスチックシート及び容器 - Google Patents
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JP3801504B2 - 導電性複合プラスチックシート及び容器 - Google Patents

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【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、IC等との接触時の摩耗によるカーボンブラック等の脱離が原因となるIC等の汚染を著しく減少させた半導体包装に適する導電性複合プラスチックシート及び該シートを成形してなる導電性プラスチック容器に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来からICやICを用いた電子部品の包装形態としてインジェクショントレー、真空成形トレー、マガジン、エンボスキャリアテープなどが使用されており、これらの包装容器には静電気によるIC等の破壊を防止するために(1)包装容器の表面に帯電防止剤を塗布する方法、(2)導電性塗料を塗布する方法、(3)帯電防止剤を分散させる方法、(4)導電性フィラーを分散させる方法等が実施されている。
【0003】
しかしながら、(1)の方法は、塗布直後は十分な帯電防止効果を示すが、長時間の使用により、水分による流出、摩耗による帯電防止剤の脱離が生じ易く安定した性能が得られない。また表面固有抵抗値も109〜1012Ω程度であり厳しい帯電防止効果を要求されるICの包装には不適当である。(2)の方法は、製造時において塗布が不均一となり易くまた摩耗による剥がれ落ちのため帯電防止効果を失いICを破壊すると共にICのリード部を汚染するという欠点がある。(3)の方法は、帯電防止剤を多量に添加する必要があるため樹脂の物性を低下させ、また表面固有抵抗値が湿度により大きく影響され安定した性能が得られない。(4)の方法の導電性フィラーとしては(a)金属微粉末、(b)カーボンファイバー、(c)カーボンブラックなどが挙げられる。この内(a)金属微粉末及び(b)カーボンファイバーは少量の添加で十分な導電性が得られるが成形性が著しく低下し、また均一に分散させることが難しくかつ成形品の表面に樹脂成分のみのスキン層が出来易く安定した表面固有抵抗値が得られにくい。
【0004】
これらに対し(c)カーボンブラックは、混練条件等の検討により均一に分散させることが可能であり、安定した表面固有抵抗値が得られ易いことから一般的に使用されているが、カーボンブラックを多量に添加する必要が有るため流動性や成形性が低下する現象がある。
【0005】
従来、カーボンブラックを分散させる樹脂としては、一般用としてポリ塩化ビニル系樹脂、ポリプロピレン系樹脂、ポリエチレンテレフタレート系樹脂、ポリスチレン系樹脂及びABS系樹脂が、また100℃以上での耐熱用としてポリフェニレンエーテル系樹脂、ポリカーボネート樹脂などが用いられている。これらの樹脂のなか一般用としてはポリスチレン系樹脂が、また耐熱用においてはポリフェニレンエーテル系樹脂が、他の樹脂に比べカーボンブラックを多量に添加しても流動性や成形性の著しい低下がなく、さらにコストの面でも優れている。更にこれら導電化した樹脂から得られるシートの成形性や機械的強度、更に該シートを成形て得られる包装容器の機械的強度を改善する方法として、特開昭57−205145、特開昭62−18261等が提案されている。しかしながらこれらの樹脂にカーボンブラックを多量に添加した組成物の成形品は、摩耗により成形品の表面から、カーボンブラックが脱離し易いという欠点があった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、かかる欠点を解決するものであり、ポリフェニレンエーテル系樹脂、ポリスチレン系樹脂又はABS系樹脂から選ばれた少なくとも1種類の熱可塑性樹脂からなるシート基材の両面にポリフェニレンエーテル系樹脂、ポリスチレン系樹脂又はABS系樹脂から選ばれた少なくとも1種類の熱可塑性樹脂及びカーボンブラックからなる導電性樹脂組成物を積層したシートにおいて、該導電性樹脂組成物にエチレン−α−オレフィン共重合体樹脂を含有させることにより、IC等との接触時の摩耗によるカーボンブラック等の脱離が原因となるIC等の汚染を著しく減少させた導電性複合プラスチックシート及び該シートを成形してなる導電性プラスチック容器を提供することを目的とするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
すなわち、本発明の第1の発明は、ポリフェニレンエーテル系樹脂、ポリスチレン系樹脂又はABS系樹脂から選ばれた少なくとも1種類の熱可塑性樹脂からなるシート基材の両面に、(A)ポリフェニレンエーテル系樹脂、ポリスチレン系樹脂又はABS系樹脂から選ばれた少なくとも1種類の熱可塑性樹脂、(B)カーボンブラック、(C)エチレン−α−オレフィン共重合体樹脂からなる導電性樹脂組成物を積層したシートにおいて、(イ)前記導電性樹脂組成物が(A)熱可塑性樹脂100重量部に対し(B)カーボンブラック5〜50重量部を含有し、かつ、前記(A)熱可塑性樹脂と(B)カーボンブラックの合計量100重量部に対し、JIS−K−7215によるデユロメータA型表面硬度が90以下の(C)エチレン−α−オレフィン共重合体樹脂1〜30重量部を含有してなり、かつ、(ロ)導電性樹脂組成物を積層したシートの表面固有抵抗値が102〜1010Ωの導電性複合プラスチックシートである。本発明の第2の発明は、第1の発明の導電性複合プラスチックシートを圧空成形、真空成形、熱板成形などにより成形した導電性プラスチック容器である。
【0008】
以下、本発明を更に詳細に説明する。本発明においては、基材シート及び導電性樹脂組成物にそれぞれポリフェニレンエーテル系樹脂、ポリスチレン系樹脂又はABS系樹脂から選ばれた少なくとも1種類の熱可塑性樹脂が使用される。該ポリフェニレンエーテル系樹脂とはポリフェニレンエーテル樹脂とポリスチレン系樹脂を主成分とする樹脂をいい、ポリフェニレンエーテル樹脂とポリスチレン系樹脂の合計量100重量部中のポリフェニレンエーテル樹脂の含有量は28〜86重量部が好ましく、28重量部未満ではポリフェニレンエーテル系樹脂としての十分な力学特性が得られず、86重量部を越えると流動性の低下により成形加工が困難となる。該ポリフェニレンエーテル樹脂とは米国特許3383435号に記載されているホモポリマー或いは共重合体が示される。
【0009】
本発明で使用するポリスチレン系樹脂とは一般のポリスチレン樹脂又は耐衝撃性ポリスチレン樹脂及びこれらの混合物を主成分とするものをいう。ABS系樹脂とはアクリルニトリル−ブタジエン−スチレンの三成分を主体とした共重合体を主成分とするものをいう。
【0010】
本発明で導電性樹脂組成物中に含有する(B)カーボンブラックは、ファーネスブラック、チャンネルブラック、アセチレンブラック等であり、好ましくは比表面積が大きく、樹脂への添加量が少量で高度の導電性が得られるものである。例えばS.C.F.(Super Conductive Furnace)、E.C.F.(Electric Conductive Furnace)、ケッチェンブラック(ライオン−AKZO社製商品名)及びアセチレンブラックである。カーボンブラックの添加量は、基材シートに積層した状態で表面固有抵抗値を102〜1010Ωとすることのできる添加量であり、かつ(A)熱可塑性樹脂100重量部に対し(B)カーボンブラック5〜50重量部が好ましい。添加量が5重量部未満では十分な導電性が得られず表面固有抵抗値が上昇してしまい、50重量部を越えると樹脂との均一分散性の悪化、成形加工性の著しい低下、機械的強度等の特性値が低下してしまう。また、表面固有抵抗値が1010Ωを越えると十分な帯電防止効果が得られず、102Ω未満では、発電能が良すぎてICを破壊する恐れがある。
【0011】
本発明で使用する(C)エチレン−α−オレフィン共重合体樹脂は、エチレンとα−オレフィンを共重合した樹脂をいい、エチレンと共重合するα−オレフィンとしては、プロピレン、ブテン−1、ペンテン−1、ヘキセン−1等があり、例えば、三井石油化学社、「タフマーP」及び「タフマーA」等である。エチレン−α−オレフィン共重合体樹脂はJIS−K−7215で言うデユロメータA型表面硬度が90以下のものが好ましく、メルトフローインデックス(JISK−7210に準じ測定)は、190℃、荷重2.16kgの条件で0.1g/10分以上であり、この数値未満ではポリフェニレンエーテル系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ABS系樹脂との混練が困難となり、良好な組成物が得られない。エチレン−α−オレフィン共重合体樹脂の添加量は、熱可塑性樹脂とカーボンブラックの合計量100重量部に対して、1〜30重量部が好ましく、特に好ましくは3〜25重量部である。添加量が1重量部未満ではその効果が不十分であり、30重量部を越えるとポリフェニレンエーテル系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ABS系樹脂中に均一に分散させることが困難となる。
【0012】
本発明における導電性樹脂組成物は十分な成形加工性を維持するために、該導電性樹脂組成物を積層したシートの表面固有抵抗値が102〜1010Ωとなるようにカーボンブラックを充填した場合、メルトフローインディックス(JIS−K−7210に準じて測定)が、ポリフェニレンエーテル系樹脂の場合、230℃、荷重10kgの条件で、ポリスチレン系樹脂の場合、200℃、荷重5kgの条件で、ABS系樹脂の場合、220℃、荷重10kgの条件で、それぞれ、0.1g/10分以上であることが好ましい。更に、シート基材の熱可塑性樹脂及び導電性樹脂組成物には、必要に応じて組成物の流動特性及び成形品の力学特性を改善するために、滑剤、可塑剤、加工助剤及び補強剤(樹脂改質剤)など各種添加剤や他の樹脂成分を添加することが可能である。
【0013】
本発明の導電性複合プラスチックシートを製造するには、まず前記導電性樹脂組成物の原料全部又は一部をバンバリーミキサー、押出機等の公知の方法を用いて混練、ペレット化し、得られた導電性樹脂組成物を基材シートとなる熱可塑性樹脂と共に押出機等公知の方法によってシートとする。導電性樹脂組成物の混練に際しては、原料を一括して混練することも可能であるし、また例えば、スチレン系樹脂とカーボンブラック、スチレン系樹脂とエチレン−α−オレフィン共重合体樹脂を別々に混練し、その混練物を最後に一括して混練するといった様に段階的に混練することも可能である。更に、別々に混練して得られたペレットを押出機によってシートとする際に同時に混練したり、例えばエチレン−α−オレフィン共重合体樹脂以外を予め混練し、押出機によってシートとする際にこれを加えることも可能である。
【0014】
基材シートに導電性樹脂組成物を積層する方法としては、それぞれを別々に押出機によりシート若しくはフィルム状に成形した後、熱ラミネート法、ドライラミネート法、押出ラミネート法等により段階的に積層する事も可能であるし、またフィードブロック、マルチマニホールドダイ等を使用した多層共押出法により一括して積層したシートを得ることも可能である。
【0015】
本発明のシートの全体の肉厚は0.1〜3.0mmであり、且つ導電性樹脂組成物層は、基材シートの両面に積層することが必要でる。全体の肉厚に占める導電性樹脂組成物の厚さの割合は片側それぞれが2%以上であり両面あわせて80%以下であることが好ましい。全体の肉厚が0.1mm未満ではシートを成形して得られる包装容器としての強度が不足し、3.0mmを越えると圧空成形、真空成形、熱板成形などの成形が困難となる。又、導電性樹脂組成物層がシートの片側にしかないか若しくは、その全体の肉厚に占める割合が片面2%未満ではシートを成形して得られる包装容器の表面固有抵抗値が著しく高くなり十分な静電気防止効果が得られず、両面あわせて80%を越えると複合プラスチックシートとしての機械的強度等の特性が低下してしまう。
【0016】
本発明の導電性複合プラスチックシートは、半導体包装用として好適であり、さらに、圧空成形、真空成形、熱板成形など公知のシート成形法により得られる導電性複合プラスチック容器は、半導体包装用容器として用いられる。このプラスチック容器とは具体的にはICを包装する真空成形トレー、マガジン、エンボスキャリアテープ及びICを用いた電子部品、電子機器を包装する真空成形トレー等のことである。
【0017】
【実施例】
以下、本発明を実施例によりさらに詳細に説明する。
実施例1〜4
表1に示す原料を使用し、表2に示す原料組成割合にて各々計量し、高速混合機により均一混合した後、φ45mmベント式二軸押出機を用いて混練し、ストランドカット法によりペレット化し導電性樹脂組成物を得た。次に表4に示す基材シートと導電性樹脂組成物層との組み合わせで全体の肉厚に占める基材シートの比率にて行った。各の導電性樹脂組成物を基材シートの両側がほぼ同じ肉厚となる様にφ65mm押出機(L/D=28)、φ40mm押出機(L/D=26)及び500mm幅のTダイを用いたフィードブロック法により積層し全体の肉厚が300μmのシートを得た。更に、得られたシートを真空成形しQFP14mm×20mm/64pinのIC包装用真空成形トレー及び同エンボスキャリアテープを得た。評価結果を表5及び表6に示す。各実施例において、カーボンブラックの脱落は無く良好であった。
【0018】
比較例1〜4
実施例と同様にして表3に示す原料組成割合にて各々計量し、高速混合機により均一に混合した後、φ45mmベント式二軸押出機を用いて混練し、ストランドカット法によりペレット化し導電性樹脂組成物を得た。次に、表4に示す基材シートとの組み合わせと全体の肉厚に占める基材シートの比率にて、実施例と同様に全体の肉厚が300μmシートを得た。更に、得られた複合シートを真空成形し実施例と同様のIC包装用真空成形トレー及びエンボスキャリアテープを得た。評価結果を表5及び表6に示す。
【0019】
尚、各評価は次に示す方法によって行った。
(1)表面固有抵抗
ロレスター表面抵抗計(三菱油化社製)により、電極間を10mmとし、シートサンプルについてはその表面中任意の10点を測定し、又真空成形トレー及びエンボスキャリアテープについてはそのポケット部の内側底面の中央部10点を測定しそれぞれその対数平均値を表面固有抵抗値とした。
(2)破断点強度、引張弾性率
シートサンプルについてJIS−K−7113に準拠し、2号形試験片を引張速度10mm/minで測定した。
【0020】
(3)カーボン脱落の有無
シートサンプルについてはその表面にQFP14mm×20mm/64pinのICを100gの荷重で押し付け、ストローク15mmで100回往復させ、その後ICのリード部をマイクロスコープで観察した。真空成形トレー及びエンボスキャリアテープについてはそのポケット部に同ICを装着しストローク30mmで毎分400往復の速度で20万回平面方向に振動させ、その後ICリード部をマイクロスコープで観察した。評価は共にリード部へのカーボンブラック等黒色の付着物の有無で評価した。
(4)MFI
各実施例及び比較例の導電性樹脂組成物についてJIS−K−7210に準拠し測定を行った。
【0021】
【表1】
Figure 0003801504
【0022】
【表2】
Figure 0003801504
【0023】
【表3】
Figure 0003801504
【0024】
【表4】
Figure 0003801504
【0025】
【表5】
Figure 0003801504
【0026】
【表6】
Figure 0003801504
【0027】
【発明の効果】
以上説明したとおり、ポリフェニレンエーテル系樹脂、ポリスチレン系樹脂又はABS系樹脂から選ばれた少なくとも1種類の熱可塑性樹脂からなるシート基材の両面にポリフェニレンエーテル系樹脂、ポリスチレン系樹脂又はABS系樹脂から選ばれた少なくとも1種類の熱可塑性樹脂及びカーボンブラックからなる導電性樹脂組成物を積層したシートにおいて、該導電性樹脂組成物に、更に、エチレン−α−オレフィン共重合体樹脂を含有させることにより、IC等との接触時の摩耗によるカーボンブラックの脱離が原因となるIC等の汚染を著しく減少させた導電性複合プラスチックシート及び該シートを成形してなる導電性プラスチック容器を得ることが可能となる。

Claims (5)

  1. ポリフェニレンエーテル系樹脂、ポリスチレン系樹脂又はABS系樹脂から選ばれた少なくとも1種類の熱可塑性樹脂からなるシート基材の両面に、(A)ポリスチレン系樹脂又はABS系樹脂から選ばれた少なくとも1種類の熱可塑性樹脂、(B)カーボンブラック、(C)エチレン−α−オレフィン共重合体樹脂からなる導電性樹脂組成物を積層したシートにおいて、(イ)前記導電性樹脂組成物が(A)熱可塑性樹脂100重量部に対し(B)カーボンブラック5〜50重量部を含有し、かつ、前記(A)熱可塑性樹脂と(B)カーボンブラックの合計量100重量部に対し、(C)エチレン−α−オレフィン共重合体樹脂1〜30重量部を含有してなり、かつ、(ロ)導電性樹脂組成物を積層したシートの表面固有抵抗値が10〜1010Ωであり、かつ、JIS−K−7210に準じて測定したメルトフローインディックスが、ポリスチレン系樹脂の場合、200℃、荷重5kgの条件で、ABS系樹脂の場合、220℃、荷重10kgの条件で、それぞれ、0.1g/10分以上であり、かつ、半導体との接触時の摩擦によるカーボン脱落による半導体の汚染の無いことを特徴とする半導体包装用の導電性複合プラスチックシート。
  2. エチレン−α−オレフィン共重合体樹脂のJIS−K−7215によるデユロメータA型表面硬度が90以下である請求項1の半導体包装用の導電性複合プラスチックシート。
  3. 請求項1または請求項2の半導体包装用の導電性複合プラスチックシートからなる半導体包装容器。
  4. 請求項1または請求項2の半導体包装用の導電性複合プラスチックシートからなるIC包装用真空成形トレー。
  5. 請求項1または請求項2の半導体包装用の導電性複合プラスチックシートからなるIC包装用エンボスキャリアテープ。
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